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特開2023-141260プロセスデータをグループ化する装置、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141260
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】プロセスデータをグループ化する装置、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G05B23/02 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047482
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片山 裕矢
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA02
3C223AA03
3C223AA04
3C223AA05
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB01
3C223FF03
3C223FF04
3C223FF24
3C223GG01
3C223HH04
3C223HH08
3C223HH29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用形態、使用設備、または業種等が類似し、異常が発生する原因も類似するような複数の設備をまとめて分析し、異常の原因の特定または制御の改善等の処理を行う。
【解決手段】複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信するプロセスデータ受信部と、複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較するデータ比較部と、データ比較部による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出する相関度算出部と、各プロセスデータ同士の相関度を用いて、複数のプロセスデータをグループ分けするグループ化部と、複数のプロセスデータのグループ分けに応じた複数の設備のグループの少なくとも1つを出力する出力部とを備える装置を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信するプロセスデータ受信部と、
前記複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較するデータ比較部と、
前記データ比較部による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出する相関度算出部と、
各プロセスデータ同士の相関度を用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けするグループ化部と、
前記複数のプロセスデータをグループ分けした少なくとも1つのグループを出力する出力部と
を備える装置。
【請求項2】
前記グループ化部は、グループ内の各プロセスデータ同士の相関度のうち最小の相関度が2以上の範囲のいずれに含まれるかに応じてグループのレベルを決定する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記グループ化部は、前記複数のプロセスデータのうち他のいずれのプロセスデータに対する相関度が予め定められた下限値未満であるプロセスデータを、いずれのグループにも含めない請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記出力部は、前記複数の設備のうち、対応する前記プロセスデータがいずれのグループにも含まれないプロセスデータを示す情報を出力する請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセスデータ受信部は、前記複数の設備のそれぞれについて、各設備が正常である場合のプロセスデータである正常プロセスデータ、または各設備が異常である場合のプロセスデータである異常プロセスデータのうちの少なくとも1つを受信する請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記グループ化部は、前記複数のプロセスデータのうち、少なくとも1つの正常プロセスデータおよび少なくとも1つの異常プロセスデータを別々にグループ分けする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記出力部は、各設備の正常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第1閾値以上であり、かつ各設備の異常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第2閾値以上である設備のグループを出力する請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記出力部は、各設備の正常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第1閾値以上であり、かつ各設備の異常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第2閾値未満である設備のグループを出力する請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記グループ化部は、前記複数のプロセスデータのそれぞれに対応付けられたメタデータを更に用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けする請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信し、
前記複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較し、
前記比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出し、
各プロセスデータ同士の相関度を用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けし、
前記複数のプロセスデータをグループ分けした少なくとも1つのグループを出力する
方法。
【請求項11】
コンピュータにより実行され、前記コンピュータを、
複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信するプロセスデータ受信部と、
前記複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較するデータ比較部と、
前記データ比較部による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出する相関度算出部と、
各プロセスデータ同士の相関度を用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けするグループ化部と、
前記複数のプロセスデータをグループ分けした少なくとも1つのグループを出力する出力部と
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスデータをグループ化する装置、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば工業プラントには、製品の生産工程を担当する各種の設備機器が設けられる。近年、プラント内の各設備機器の状態を監視するため等の目的で、クラウドコンピューティングシステムによるクラウドサービスが提供されている。このようなクラウドサービスは、1または複数のプラントの各種の設備機器に関するプロセスデータを収集する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、装置を提供する。装置は、複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信するプロセスデータ受信部を備えてよい。装置は、前記複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較するデータ比較部を備えてよい。装置は、前記データ比較部による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出する相関度算出部を備えてよい。装置は、各プロセスデータ同士の相関度を用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けするグループ化部を備えてよい。装置は、前記複数のプロセスデータのグループ分けに応じた前記複数の設備のグループの少なくとも1つを出力する出力部を備えてよい。
【0004】
前記グループ化部は、グループ内の各プロセスデータ同士の相関度のうち最小の相関度が2以上の範囲のいずれに含まれるかに応じてグループのレベルを決定してよい。
【0005】
前記グループ化部は、前記複数のプロセスデータのうち他のいずれのプロセスデータに対する相関度が予め定められた下限値未満であるプロセスデータを、いずれのグループにも含めなくてよい。
【0006】
前記出力部は、前記複数の設備のうち、対応する前記プロセスデータがいずれのグループにも含まれない設備を示す情報を出力してよい。
【0007】
前記プロセスデータ受信部は、前記複数の設備のそれぞれについて、各設備が正常である場合のプロセスデータである正常プロセスデータ、または各設備が異常である場合のプロセスデータである異常プロセスデータのうちの少なくとも1つを受信してよい。
【0008】
前記グループ化部は、前記複数のプロセスデータのうち、少なくとも1つの正常プロセスデータおよび少なくとも1つの異常プロセスデータを別々にグループ分けしてよい。
【0009】
前記出力部は、各設備の正常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第1閾値以上であり、かつ各設備の異常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第2閾値以上である設備のグループを出力してよい。
【0010】
前記出力部は、各設備の正常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第1閾値以上であり、かつ各設備の異常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第2閾値未満である設備のグループを出力してよい。
【0011】
前記グループ化部は、前記複数のプロセスデータのそれぞれに対応付けられたメタデータを更に用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けしてよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、方法を提供する。方法は、複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信することを含んでよい。方法は、前記複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較することを含んでよい。方法は、前記比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出することを含んでよい。方法は、各プロセスデータ同士の相関度を用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けすることを含んでよい。方法は、前記複数のプロセスデータのグループ分けに応じた前記複数の設備のグループの少なくとも1つを出力することを含んでよい。
【0013】
本発明の第3の態様においては、コンピュータにより実行されるプログラムを提供する。プログラムは、前記コンピュータを、複数の設備のそれぞれの状態を示す1または複数のパラメータの値の時系列データを含む複数のプロセスデータのそれぞれを受信するプロセスデータ受信部として機能させてよい。プログラムは、前記コンピュータを、前記複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較するデータ比較部として機能させてよい。プログラムは、前記コンピュータを、前記データ比較部による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出する相関度算出部として機能させてよい。プログラムは、前記コンピュータを、各プロセスデータ同士の相関度を用いて、前記複数のプロセスデータをグループ分けするグループ化部として機能させてよい。プログラムは、前記コンピュータを、前記複数のプロセスデータのグループ分けに応じた前記複数の設備のグループの少なくとも1つを出力する出力部として機能させてよい。
【0014】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係るコンピューティングシステム10を示す。
図2】本実施形態に係るグループ化装置150を示す。
図3】本実施形態に係るグループ記憶部260に格納されるプロセスデータのグループの一例を示す。
図4】本実施形態に係るプロセスデータ間の相関度算出フローを示す。
図5】本実施形態に係るプロセスデータ間のグループ化フローを示す。
図6】新たなプロセスデータと、既存の各グループに含まれる各プロセスデータとの相関度の一例を示す。
図7図6に示した相関度を用いて、既存のプロセスデータに新たなプロセスデータを加えてグループ化を更新した結果の一例を示す。
図8】本実施形態に係るグループ化装置150によるグループ情報の出力の第1例を示す。
図9】本実施形態に係るグループ化装置150によるグループ情報の出力の第2例を示す。
図10】本実施形態に係るグループ化装置150によるグループ情報の出力の第3例を示す。
図11】他の実施形態に係るコンピューティングシステム1100を示す。
図12】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0017】
図1は、本実施形態に係るコンピューティングシステム10を設備100-1~Nと共に示す。本実施形態に係るコンピューティングシステム10は、それぞれが1または2以上の設備100を制御する1または複数の制御装置130に接続されたグループ化装置150を用いて、各制御装置130から受信するプロセスデータを相関度に応じてグループ化する。これにより、グループ化装置150は、同一または異なる制御装置130によって制御され、場合によっては事業者さえも異なりうる複数の設備100のそれぞれからのプロセスデータをグループに分類することができる。また、グループ化装置150は、プロセスデータのグループ分けに基づいて、類似する動作特性を有する設備100のグループに分類してもよい。この結果、例えばグループ化装置150に接続されたグループ処理装置160は、類似する動作特性を有するプロセスデータのグループまたは設備100のグループ毎に、制御の最適化等を行なうことができる。
【0018】
1または複数の設備100-1~N(「設備100」とも示す。)のそれぞれは、プラント等に設けられる。このようなプラントは、例えば、化学または金属等の工業プラント、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、上下水やダム等を管理制御するプラント等であってよい。また、設備100は、ビル、様々な工場または交通機関等に設けられてもよい。このような設備100は、1または複数のプロセス装置、1または複数の発電装置、およびその他の1または複数の装置を有してよい。複数の設備100は、同一のプラント等に設置されてよく、事業者が異なりうる複数のプラント等に設置された設備の集合体であってもよい。なお、設備100は、プラント全体に設けた装置の集合体であってもよい。
【0019】
1または複数の設備100のそれぞれは、設備100の状態を計測するための1または複数のセンサ110(センサ110-1、センサ110-K等)と、設備100による制御の対象となる1または複数の機器120(機器120-1、機器120-L等)とを備える。各センサ110は、設備100内の各箇所に設けられ、その箇所における設備100の状態を計測する。各センサ110は、機器120に付加されたものであってよく、機器120に内蔵されたものであってもよい。また、各センサ110は、状態を計測する機能を有するフィールド機器であってもよい。このようなフィールド機器は、例えば圧力計、流量計、温度センサ等のセンサ機器、プラント等の状況や対象物を撮影するカメラ若しくはビデオ等の撮像機器、プラント等の異音等を収集し、または警報音等を発するマイク若しくはスピーカ等の音響機器、設備100が有する装置の位置情報を出力する位置検出機器、またはその他の機器であってよい。
【0020】
各機器120は、設備100内の各箇所に設けられ、制御装置130による制御を受ける。各機器120は、プロセス装置、発電装置、またはその他の任意の装置であってよく、そのような装置の一部であってもよい。また、各機器120は、外部からの制御を受けて作動するフィールド機器であってもよい。このようなフィールド機器は、例えば流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、またはその他の機器であってよい。
【0021】
1または複数の制御装置130のそれぞれは、制御対象の1または2以上の設備100が設置されたサイトに設置されてよい。制御装置130は、プロセス制御用のコンピュータであってよく、プロセス制御用の分散処理システムである分散制御システム(DCS)であってもよい。各制御装置130は、制御対象の設備100が有する1または複数のセンサ110に接続され、各センサ110から計測データを受信する。各制御装置130は、予め定められた制御プログラム、制御アルゴリズム、または機械学習を用いた制御モデル等を用いて、計測データに応じて、制御対象の設備100が有する各機器120を制御するための制御データを生成する。そして、各制御装置130は、制御データを各機器120に送信して所望の動作を行なわせる。
【0022】
各制御装置130は、このようなプロセス制御の状態を示すプロセスデータを、ネットワーク140を介してグループ化装置150へと送信する。プロセスデータは、制御装置130が少なくとも1つのセンサ110から受信する計測データを含んでよく、少なくとも1つのセンサ110から受信する計測データの目標値を含んでもよく、制御装置130が生成した制御データの少なくとも一部を含んでもよい。このようなプロセスデータは、設備100の状態を示す1または複数のパラメータの値(あるセンサ110が計測する温度、ある機器120に供給する制御値等)の時系列データを含む。制御装置130は、常時プロセスデータをグループ化装置150へと送信してよい。これに代えて、制御装置130は、制御装置130の管理者の指示に応じて、指定された期間のプロセスデータをグループ化装置150へと送信してもよい。
【0023】
ここで、サイトによっては、制御装置130以外の監視装置等がプロセスデータを収集することがある。この場合、制御装置130に代えて、プロセスデータを収集する装置が、プロセスデータをグループ化装置150へと送信してもよい。
【0024】
ネットワーク140は、1または複数の制御装置130、グループ化装置150、およびグループ処理装置160の間を接続する。ネットワーク140は、インターネットまたはWAN等の広域ネットワークであってよい。ネットワーク140は、例えば4G(第4世代)または5G(第5世代)のような携帯通信ネットワーク等を含む無線通信ネットワークであってよく、これに代えて、ネットワーク140は、有線のインターネット等を含む有線通信ネットワークであってもよい。
【0025】
グループ化装置150は、ネットワーク140に接続される。グループ化装置150は、サーバコンピュータ、汎用コンピュータ、ワークステーション、またはPC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、グループ化装置150は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、グループ化装置150は、プロセスデータのグループ化処理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。グループ化装置150は、互いに異なる複数の事業者に対してクラウドコンピューティングサービスまたはクラウドストレージサービス等のクラウドサービスを提供するクラウドサーバであってよく、クラウドサービスを提供するサーバ群に含まれる1つのサーバコンピュータであってもよい。
【0026】
グループ化装置150は、複数の設備100-1~Nのそれぞれの時系列の状態を示す複数のプロセスデータのそれぞれをネットワーク140を介して受信する。グループ化装置150は、複数のプロセスデータをプロセスデータ間の相関度を用いてグループ化する。そして、グループ化装置150は、複数のプロセスデータをグループ分けした1または複数のグループを出力する。グループ化装置150は、複数のプロセスデータのグループ分けに応じた複数の設備100のグループに関するグループ情報を出力してもよい。
【0027】
グループ処理装置160は、グループ化装置150に接続される。グループ処理装置160は、グループ化装置150に関して例示したようなコンピュータまたはコンピュータシステムであってよい。グループ処理装置160は、類似する動作特性を有する設備100のグループ毎に、設備100の動作を分析し、制御を最適化することができる制御パラメータの値を制御装置130または制御装置130のユーザに提示する等により、設備100の制御を最適化する。グループ処理装置160は、グループ処理装置160のユーザに対して、グループ毎の設備100の動作を分析するための分析ツールを提供してもよい。
【0028】
図2は、本実施形態に係るグループ化装置150を示す。グループ化装置150は、プロセスデータ受信部200と、プロセスデータ記憶部210と、データ比較部220と、相関度算出部240と、グループ化部250と、グループ記憶部260と、出力部270とを備える。
【0029】
プロセスデータ受信部200は、1または複数の制御装置130から、1または複数の設備100の状態を示す複数のプロセスデータを受信する。プロセスデータ受信部200は、受信した各プロセスデータをプロセスデータ記憶部210へと格納する。
【0030】
プロセスデータ記憶部210は、プロセスデータ受信部200に接続され、プロセスデータ受信部200により受信された複数のプロセスデータを記憶する。プロセスデータ記憶部210は、例えばハードディスクドライブ(HDD)もしくはソリッドステートドライブ(SSD)等の外部記憶装置、またはDRAM等のメモリを用いて実現されてよい。これに代えて、プロセスデータ記憶部210は、グループ化装置150の外部に設けられてよく、クラウドストレージ等であってもよい。プロセスデータ記憶部210は、各プロセスデータを、一例としてデータファイルとして記憶してよい。
【0031】
データ比較部220は、プロセスデータ受信部200およびプロセスデータ記憶部210に接続される。データ比較部220は、プロセスデータ受信部200により受信された複数のプロセスデータの各プロセスデータ同士の間で各パラメータの値の時系列データを比較する。本実施形態において、データ比較部220は、新たに受信されてプロセスデータ記憶部210に格納される新たなプロセスデータを、既にプロセスデータ記憶部210に記憶されている各プロセスデータと比較することにより、複数のプロセスデータ間での比較結果を順次更新していく(オンライン更新処理)。これに代えて、データ比較部220は、ある時点までにプロセスデータ記憶部210に格納された全てプロセスデータの組合せについて、プロセスデータの比較をまとめて行なってもよい(バッチ処理)。
【0032】
相関度算出部240は、データ比較部220に接続される。相関度算出部240は、データ比較部220による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の相関度を算出する。ここで、プロセスデータは、複数のパラメータのそれぞれについてパラメータ値の時系列データを含むところ、互いに異なる2つの設備100は、たとえ対応する、あるいは類似するパラメータがあったとしても、接続先の制御装置130の機種が異なる、制御装置130に対する接続先のポートが異なる、事業者または管理者が異なる等によりパラメータに割り当てた名称またはタグが異なる、等といった様々な事情により、その対応関係は不明である。そこで、相関度算出部240は、データ比較部220による比較の結果を用いて、プロセスデータ同士の間でパラメータ同士の時系列データがどの程度相関するかを総合して、プロセスデータ同士の相関度を算出する。相関度算出部240は、プロセスデータ記憶部210に記憶する複数のプロセスデータのうちの各プロセスデータのペアに対して、算出した相関度を関連付けてプロセスデータ記憶部210に格納してよい。本実施形態において、相関度算出部240は、新たなプロセスデータと、既にプロセスデータ記憶部210に記憶されている各プロセスデータとの間の相関度を算出して、プロセスデータ記憶部210に格納する。
【0033】
グループ化部250は、相関度算出部240およびプロセスデータ記憶部210に接続される。グループ化部250は、プロセスデータ記憶部210に記憶された各プロセスデータ同士の相関度を用いて、複数のプロセスデータをグループ分けする。例えば、グループ化部250は、グループ内の他の全てのプロセスデータとの間の相関度が基準以上(例えば0.8以上)である2以上のプロセスデータの組を、1つのグループとしてグループ分けしてよい。
【0034】
グループ記憶部260は、グループ化部250に接続される。グループ記憶部260は、例えばハードディスクドライブ(HDD)もしくはソリッドステートドライブ(SSD)等の外部記憶装置、またはDRAM等のメモリを用いて実現されてよい。これに代えて、グループ記憶部260は、グループ化装置150の外部に設けられてよく、クラウドストレージ等であってもよい。グループ記憶部260は、複数のプロセスデータのグループ分けを記憶する。グループ記憶部260は、グループ化部250によるグループ分けの途中における、暫定的なグループ分けを記憶する一時的な記憶領域として使用されてもよい。
【0035】
出力部270は、グループ化部250およびグループ記憶部260に接続される。出力部270は、複数のプロセスデータのグループ化が完了したことを示す通知をグループ化部250から受け取る。そして、出力部270は、複数のプロセスデータをグループ分けした少なくとも1つのグループを出力する。出力部270は、複数のプロセスデータのグループ分けに応じた複数の設備100-1~Nのグループの少なくとも1つを出力してもよい。出力部270は、生成された複数のグループのうち、予め定められた条件または使用者等により指定された条件を満たすプロセスデータまたは設備100のグループに関するグループ情報を出力してよい。また、出力部270は、いずれのグループにも属しないプロセスデータ、またはこのようなプロセスデータに対応する設備100についての情報を含むグループ情報を出力してもよい。
【0036】
出力部270は、グループ情報をグループ処理装置160へと送信することにより出力してよい。グループ処理装置160は、出力部270が出力するグループ情報を、グループに含まれるプロセスデータまたは設備100を制御する制御装置130の制御パラメータを変更する等の技術的な目的に活用可能とすることができる。また、出力部270は、グループ情報を表示装置に表示することにより出力してもよい。出力部270は、グループ情報を表示することにより、グループ情報によって示されるグループに含まれるプロセスデータに対応する設備100の動作を分析して設備100の制御を最適化する作業等を促進するという技術的貢献をもたらすことができる。
【0037】
図3は、本実施形態に係るグループ記憶部260に格納されるプロセスデータのグループの一例を示す。グループ化部250は、他の全てのプロセスデータとの間の相関度が閾値以上のプロセスデータを他のプロセスデータと同じグループに含める。換言すると、グループ化部250は、同じグループ内の任意の2つのプロセスデータの相関度が閾値以上となるようにプロセスデータをグループ化する。
【0038】
本実施形態において、グループ化部250は、グループ内の各プロセスデータ同士の相関度が2以上の範囲のいずれに含まれるかに応じてグループのレベルを決定する。ここで、グループ内のプロセスデータ同士の相関度はプロセスデータのペア毎に異なることから、グループ化部250は、グループ内の各プロセスデータ同士の相関度のうち最小の相関度が2以上の範囲のいずれに含まれるかに応じてグループのレベルを決定する。例えば、プロセスデータA~Cを含むグループにおいて、プロセスデータAおよびBの相関度が0.8、プロセスデータBおよびCの相関度が0.75、プロセスデータAおよびCの相関度が0.6である場合、このグループのレベルは最小の相関度0.6(すなわち最も類似性が低いプロセスデータAおよびCの相関度)がどの範囲に属するかによって決定される。
【0039】
本図の例において、グループのレベルは、相関度レベル1から5の5段階に分類される。相関度レベル1は、他のいずれのプロセスデータとの間の相関度も0.2未満であるプロセスデータが属するレベルである。そのようなプロセスデータは、他のいずれのプロセスデータともグループ化されない。本図の例において、データファイル1-A~Cとしてプロセスデータ記憶部210に記憶されたプロセスデータ1-A~Cは、相関度レベル1に属する。
【0040】
相関度レベル2は、グループ内のプロセスデータ同士の最小の相関度(「相関係数」とも示す。)が0.2以上0.4未満のグループが属するレベルである。図中、データファイル2-A群と示された2つのデータファイルを含むファイル群は、相関度が0.2以上0.4未満である2つのプロセスデータからなるグループである。同様に、データファイル2-B群と示された3つのデータファイルを含むファイル群は、プロセスデータ間の最小の相関度が0.2以上0.4未満である3つのプロセスデータからなるグループである。
【0041】
以下同様に、相関度レベル3はグループ内のプロセスデータ同士の最小の相関度が0.4以上0.6未満のグループが属するレベルであり、相関度レベル4はグループ内のプロセスデータ同士の最小の相関度が0.6以上0.8未満のグループが属するレベルであり、相関度レベル5はグループ内のプロセスデータ同士の最小の相関度が0.8以上のグループが属するレベルである。
【0042】
図4は、本実施形態に係るプロセスデータ間の相関度算出フローを示す。S400において、プロセスデータ受信部200は、いずれかの制御装置130から、制御装置130に接続されたいずれかの設備100の状態を示す新たなプロセスデータを受信する。
【0043】
グループ化装置150は、新たなプロセスデータの受信前に既にプロセスデータ記憶部210に格納されていた既存のプロセスデータのそれぞれに対し、S410およびS450の間の繰り返し処理を行なう。本図においては説明の便宜上、既存のプロセスデータの1つずつに対してシーケンシャルにS410およびS450の間の処理を行なう例を示す。これに代えて、グループ化装置150は、任意の並列処理を行なってもよい。
【0044】
S420において、データ比較部220は、新たなプロセスデータの各パラメータの値の時系列データと、現イテレーションにおける処理対象となる既存のプロセスデータの各パラメータの値の時系列データとを比較する。ここで、異なる設備100に関するプロセスデータ同士の間では、パラメータの数が異なりうる。そこで、データ比較部220は、新たなプロセスデータと既存のプロセスデータとの間で、総当たりでパラメータ同士の時系列データの比較を行なってよい。
【0045】
また、センサ110の計測データをサンプリングする周期および機器120の制御を行なう周期は制御装置130によって異なりうること、制御装置130が記録に残してグループ化装置150へと送信するプロセスデータの周期が異なりうること等により、プロセスデータ同士の間で、値を記録している時間間隔も異なりうる。そこで、データ比較部220は、パラメータ同士の時系列データの比較において、例えばDTW(Dynamic Time Warping:動的時間伸縮法)等の、サンプル数またはサンプル周期が異なる時系列データ同士の比較が可能な手法を用いて比較を行なってもよい。データ比較部220は、新たなプロセスデータおよび既存のプロセスデータのパラメータの各ペアの時系列データを比較することにより、時系列データの相関係数等の、類似度または近似度を表す指標値を算出してよい。
【0046】
S440において、相関度算出部240は、データ比較部220による比較の結果を用いて、新たなプロセスデータと既存のプロセスデータとの間の相関度を算出する。一例として、相関度算出部240は、新たなプロセスデータおよび既存のプロセスデータの各時系列データ同士の類似度等の平均値、または平均値に依存する値を、これらのプロセスデータ間の相関度としてよい。また、相関度算出部240は、各時系列データ同士の類似度の最大値、最小値、もしくは中央値等、またはこれらに依存する値をプロセスデータ間の相関度としてよい。また、相関度算出部240は、時系列データ同士の類似度のうち、予め定められた閾値以下の類似度を除いた類似度の平均値、最小値、もしくは中央値等、またはこれらに依存する値をプロセスデータ間の相関度としてもよい。
【0047】
また、相関度算出部240は、データ比較部220による比較の結果を用いて、各プロセスデータ同士の間のパラメータの対応関係を推定し、推定した対応関係を用いて新たなプロセスデータと既存のプロセスデータとの間の相関度を算出してもよい。例えば、相関度算出部240は、既存のプロセスデータにおける各パラメータのうち、新たなプロセスデータにおけるあるパラメータXの時系列データと最も類似する(すなわち類似度等が最も高い)時系列データに対応付けられたパラメータYを、新たなプロセスデータのパラメータXに対応する既存のプロセスデータのパラメータと決定する。そして、相関度算出部240は、対応するパラメータ同士の時系列データの相関(類似度等)を用いて、類似度の最大値、最小値、もしくは中央値等、またはこれらに依存する値をプロセスデータ間の相関度としてもよい。この場合において、相関度算出部240は、プロセスデータ間のパラメータの対応関係を1対1の関係に限定してもよく、1対多または多対1の関係を許容してもよい。
【0048】
相関度算出部240は、新たなプロセスデータおよび既存のプロセスデータの相関度をプロセスデータ記憶部210に格納する。グループ化装置150は、S420およびS440の処理を、既存のプロセスデータのそれぞれに対して実行することにより、新たなプロセスデータおよび既存のプロセスデータを含む複数のプロセスデータの任意のペア間の相関度を算出することができる。
【0049】
以上に示したグループ化装置150によれば、異なる設備100についてのパラメータセットが異なりうるプロセスデータ同士を比較した結果から相関度という一元化した指標値を算出することができる。これにより、グループ化装置150は、パラメータセットが異なりうる複数組のプロセスデータのペアの間で、いずれのプロセスデータのペアがより類似するかを比較可能とすることができる。
【0050】
なお、プロセスデータは、取得期間が長くデータ点が多いほど他のプロセスデータとの相関度が低下することがある。そこで、グループ化装置150は、予め定められた期間(例えば1時間、1日、または1週間)毎のプロセスデータを各制御装置130から受け取って、この期間におけるプロセスデータ間の相関度を算出してよい。また、データ比較部220は、一方のプロセスデータに含まれる時系列データを予め定められた期間毎に分割して、他方のプロセスデータに含まれる時系列データのうち、分割した時系列データと最も類似する期間におけるデータ間の類似度を時系列データ間の比較結果としてもよい。
【0051】
図5は、本実施形態に係るプロセスデータ間のグループ化フローを示す。グループ化部250は、新たなプロセスデータについてのグループ化の開始前に既にグループ記憶部260に格納されていた既存のグループのそれぞれに対し、S500およびS540の間の繰り返し処理を行なう。ここで、グループ化部250は、いずれのグループにも属していないプロセスデータについては、単一プロセスデータのグループとみなして本図の処理を行なう。なお、本図においては説明の便宜上、既存のグループの1つずつに対してシーケンシャルにS500およびS540の間の処理を行なう例を示す。これに代えて、グループ化部250は、任意の並列処理を行なってもよい。
【0052】
S510において、グループ化部250は、新たなプロセスデータと処理対象となる既存のグループ内の各プロセスデータとの相関度を用いて、新たなプロセスデータと既存のグループ内の少なくとも一部のプロセスデータとを含む新たなグループが生成可能か否かを判定する。グループ化部250は、新たなグループが生成可能であれば、新たなプロセスデータと既存のグループ内の少なくとも一部のプロセスデータとを含む新たなグループを生成し、新たなグループのグループ情報をグループ記憶部260に格納する。
【0053】
グループ化部250は、複数のプロセスデータのうち他のいずれのプロセスデータに対する相関度が予め定められた下限値(図3の例において相関度0.2)未満であるプロセスデータを、2以上のプロセスデータを有するいずれのグループにも含めないようにする。そこで、グループ化部250は、新たなプロセスデータがいずれのプロセスデータとの間でも相関度が下限値未満の場合、グループ化部250は、新たなプロセスデータがグループに属しない(あるいはプロセスデータ1つのみのグループに属する)ものとして新たなプロセスデータのグループ情報をグループ記憶部260に格納する。
【0054】
S520において、グループ化部250は、S510で生成した新たなグループのレベルを決定する。グループ化部250は、新たなグループに含まれるプロセスデータ同士の相関度の最小値がレベル毎の複数の範囲のいずれに含まれるかに応じて、新たなグループのレベルを決定する。
【0055】
S530において、グループ化部250は、新たなグループの追加によりグループ記憶部260内に重複するグループが存在することとなった場合には、重複するグループをグループ記憶部260から削除する。グループ化部250は、既存の各グループに対してS500からS540の間の処理を行なうことにより、新たなプロセスデータを含む複数のプロセスデータをグループ分けした1または複数のグループをグループ記憶部260に格納することができる。
【0056】
S550において、出力部270は、複数のプロセスデータをグループ分けした少なくとも1つのグループを出力する。出力部270は、複数のプロセスデータのグループ分けに応じた複数の設備100のグループのうちの、少なくとも1つのグループについてのグループ情報を出力してもよい。
【0057】
なお、各制御装置130は、同一の設備100について、予め定められた期間毎にプロセスデータのファイル等をグループ化装置150へと送信してもよい。これに伴い、グループ化装置150は、同一の設備100について期間が異なる2以上のプロセスデータのセットを受信することになる。この場合、グループ化装置150は、各設備100について2以上のプロセスデータのセットを含む複数のプロセスデータをグループ分けしてもよい。
【0058】
また、各プロセスデータに対してメタデータが対応付けられてもよい。このようなメタデータは、例えば、各パラメータに割り当てられた名称またはタグ等のテキスト、設備100の操作履歴、設備100に発生したアラーム、設備100の説明、設備100を含むプラントの業種の説明等が挙げられる。この場合、グループ化部250は、複数のプロセスデータのそれぞれに対応付けられたメタデータを更に用いて、複数のプロセスデータをグループ分けしてもよい。
【0059】
例えば、相関度算出部240は、メタデータ同士の類似度と時系列データ同士の類似度との両方に基づいて、プロセスデータ間の相関度を算出してよい。一例として相関度算出部240は、メタデータ同士の類似度と時系列データ同士の類似度の重み付け和等をプロセスデータ間の相関度として算出してもよい。これにより、グループ化部250は、複数のプロセスデータのそれぞれに対応付けられたメタデータを更に加味して複数のプロセスデータをグループ分けすることができる。
【0060】
これに代えて、相関度算出部240は、メタデータ間の類似度が予め定められた閾値を超えることを条件としてプロセスデータ間の相関度を算出し、メタデータ間の類似度が閾値未満の場合にはプロセスデータ同士が非類似と決定してもよい。この場合、グループ化部250は、複数のプロセスデータのうち相関度が算出されたペアのみを用いて複数のプロセスデータをグループ分けすることができ、グループ化の計算処理量を低減することができる。
【0061】
ここで、相関度算出部240は、メタデータ同士の類似度を、テキスト比較の技術を使用して算出してよい。これに代えて、相関度算出部240は、メタデータ中の対応する項目同士を抽出して比較してもよい。
【0062】
図6は、新たなプロセスデータと、既存の各グループに含まれる各プロセスデータとの相関度の一例を示す。本図の例において、プロセスデータ記憶部210は、既存のプロセスデータ3-1~3-9をデータファイル3-1~3-9の形式で格納している。グループ記憶部260は、プロセスデータ3-1~3-3を含むグループ3-A(データファイル群3-A)、プロセスデータ3-4~3-6を含むグループ3-B(データファイル群3-B)、およびプロセスデータ3-7~3-9を含むグループ3-C(データファイル群3-C)を格納している。グループ3-A~3-Cは、いずれも相関度レベル3(相関係数0.4以上0.6未満)のグループである。
【0063】
グループ化装置150は、この状態で新たなプロセスデータ3-10(データファイル3-10)を受信すると(図4のS400)、図4のS410からS450に示したように、新たなプロセスデータ3-10と既存のプロセスデータ3-1~3-9のそれぞれとの間の相関度を算出し、算出した相関度がいずれのレベルの範囲内かを特定する。本図の例において、プロセスデータ3-10は、プロセスデータ3-1~2および3-4に対する相関度が0.2以上0.4未満、プロセスデータ3-5に対する相関度が0.4以上0.6未満、プロセスデータ3-3および3-6~9に対する相関度が0.6以上0.8未満である。
【0064】
図7は、図6に示した相関度を用いて、既存のプロセスデータ3-1~9に新たなプロセスデータ3-10を加えてグループ分けを更新した結果の一例を示す。グループ化装置150内のグループ化部250は、図5に示したように、既存のグループ3-A~3-CのそれぞれについてS500からS540の処理を行なう。
【0065】
グループ化部250は、以下に示す方法により、新たなプロセスデータを含む新たなグループを生成し、新たなグループのレベルを決定する(S510およびS520)。具体的には、グループ化部250は、グループを追加可能な各レベル(本実施形態においてはレベル2~5)について、新たなプロセスデータと、既存のグループ内の少なくとも一部のプロセスデータとを含むグループを生成可能か否かを判断する。
【0066】
本実施形態においては、グループ化部250は、以下のいずれかのケースにおいて、対象のレベルにグループを追加可能と判断する。ここでグループ化部250は、同じプロセスデータを2以上のグループのそれぞれに含めてもよい。
(ケース1)新たなプロセスデータと、既存のグループ内のある2以上のプロセスデータのそれぞれとの間の相関度が対象レベルの範囲の下限値以上であり、かつ既存のグループの相関度が対象レベルの範囲の下限値以上であること。この場合、新たなプロセスデータおよびこの2以上のプロセスデータを含むグループを対象レベルに追加可能である。なお、グループ化部250は、既存のグループ内からこの条件を満たす最大数のプロセスデータを抽出する。グループ化部250は、同じプロセスデータの組を含むグループがより上位のレベル(相関度が高いレベル)に追加可能な場合には、このグループを対象のレベルには追加しない。
【0067】
(ケース2)新たなプロセスデータと、既存のグループ内のある1つのプロセスデータとの間の相関度が対象レベルの範囲の下限値以上であり、かつ既存のグループの相関度が対象レベルの範囲の下限値未満であること。この場合、新たなプロセスデータおよびこの1つのプロセスデータを含むグループを対象レベルに追加可能である。ただし、既存のグループ内に新たなプロセスデータとの間の相関度が対象レベルの範囲の下限値以上であるプロセスデータが2以上あった場合であっても、これらの2以上のプロセスデータの間の相関度は下限値未満である可能性があることから、これらの2以上のプロセスデータと新たなプロセスデータとを含むグループを対象レベルに追加することはできない。なお、グループ化部250は、対象のレベルおよびより上位のレベルにおいて、これらのプロセスデータを含む他のグループが追加可能な場合には、このグループを対象のレベルに追加しない。
【0068】
本図の例において、グループ化部250は、新たなプロセスデータ3-10と既存のグループ3-A内の各プロセスデータ3-1~3との間の相関関係に応じて、グループ2-Aおよびグループ4-Aを生成する。新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-A内の3つのプロセスデータ3-1~3のそれぞれとの間の相関度が0.2以上であり、かつ既存のグループ3-Aの相関度も0.2以上である。したがって、グループ化部250はケース1を適用し、プロセスデータ3-1~3および3-10を含むグループ2-Aを相関度レベル2(相関度0.2以上0.4未満)に追加する。なお、新たなプロセスデータ3-10は、プロセスデータ3-1~2のみでなくプロセスデータ3-3との間でも相関度が0.2以上であるから、プロセスデータ3-1~2および3-10のみを含む相関度レベル2のグループは生成しない。
【0069】
また、新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-A内のプロセスデータ3-3との間で相関度が0.6以上である。したがって、グループ化部250はケース2を適用し、プロセスデータ3-3および3-10を含むグループ4-Aを相関度レベル4(相関度0.6以上0.8未満)に追加する。
【0070】
また、グループ化部250は、新たなプロセスデータ3-10と既存のグループ3-B内の各プロセスデータ3-4~6との間の相関関係に応じて、グループ2-B、3-D、および4-Bを生成する。新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-B内の3つのプロセスデータ3-4~6のそれぞれとの間の相関度が0.2以上であり、かつ既存のグループ3-Bの相関度も0.2以上である。したがって、グループ化部250はケース1を適用し、プロセスデータ3-4~6および3-10を含むグループ2-Bを相関度レベル2(相関度0.2以上0.4未満)に追加する。
【0071】
また、新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-B内の2つのプロセスデータ3-5~6のそれぞれとの間の相関度が0.4以上であり、かつ既存のグループ3-Bの相関度も0.4以上である。したがって、グループ化部250はケース1を適用し、プロセスデータ3-5~6および3-10を含むグループ3-Dを相関度レベル3(相関度0.4以上0.6未満)に追加する。
【0072】
また、新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-B内のプロセスデータ3-6との間で相関度が0.6以上である。したがって、グループ化部250はケース2を適用し、プロセスデータ3-6および3-10を含むグループ4-Bを相関度レベル4(相関度0.6以上0.8未満)に追加する。
【0073】
また、グループ化部250は、新たなプロセスデータ3-10と既存のグループ3-C内の各プロセスデータ3-7~9との間の相関関係に応じて、グループ3-Eおよびグループ4-C~4Eを生成する。新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-C内の3つのプロセスデータ3-7~9のそれぞれとの間の相関度が0.4以上であり、かつ既存のグループ3-Cの相関度も0.4以上である。したがって、グループ化部250はケース1を適用し、プロセスデータ3-7~9および3-10を含むグループ3-Eを相関度レベル3(相関度0.4以上0.6未満)に追加する。
【0074】
また、新たなプロセスデータ3-10は、既存のグループ3-C内のプロセスデータ3-7~9との間で相関度が0.6以上であるが、グループ3-Cの相関度は0.6未満である。したがって、グループ化部250はケース2を適用し、プロセスデータ3-7および3-10を含むグループ4-C、プロセスデータ3-8および3-10を含むグループ4-D、ならびにプロセスデータ3-9および3-10を含むグループ4-Eを相関度レベル4(相関度0.6以上0.8未満)に追加する。
【0075】
グループ化部250は、図5のS530において、重複するグループを削除する。グループ化部250は、あるグループについて、そのグループの全てのプロセスデータを含む、そのグループと同じレベルまたはより上位のレベルのグループが存在する場合に、そのグループを削除する。グループ化部250は、相関度レベルが2以上の少なくとも1つのグループに含まれるプロセスデータを相関度レベル1から削除する。新たなプロセスデータが、相関度レベルが2以上のいずれのグループにも含まれない場合、グループ化部250は、新たなプロセスデータを相関度レベル1に追加する。
【0076】
本図の例において、新たに生成されたグループ3-Eは、既存のグループ3-Cの全てのプロセス3-7~9を含み、かつグループ3-Cと同じレベルである。したがって、グループ化部250は、グループ3-Cを削除する。また、仮にプロセスデータ3-7~8を含むグループ4-Xが相関度レベル4に既に存在していたとすると、グループ化部250は、新たなプロセスデータ3-10とグループ4-Xの各プロセスデータ3-7~8のそれぞれとの間の相関度が0.6以上であることから、ケース1を適用して、プロセスデータ3-7~8および3-10を含む新たなグループ4-Yを相関度レベル4に追加する。この場合、新たなグループ4-Yは、グループ4-Cおよび4-Dの全てのプロセスデータを含み、かつグループ4-Cおよび4-Dと同じレベルとなる。したがって、グループ化部250は、グループ4-Cおよび4-Dを削除する。
【0077】
以上に示したように、グループ化部250は、新たなプロセスデータが受信される度に、グループ記憶部260に格納されたグループ分けを更新することができる。これに代えて、グループ化部250は、ある時点までにプロセスデータ記憶部210に格納された全てのプロセスデータに対して、一括してグループ分けを行なってもよい。
【0078】
グループ化部250は、以上に示した処理によって、受信した複数のプロセスデータをグループ化して、図3に例示したような複数のグループを生成することができる。
【0079】
図8は、本実施形態に係るグループ化装置150によるグループ情報の出力の第1例を示す。出力部270は、図5のS550において、複数のプロセスデータをグループ分けした少なくとも1つのグループを出力する。出力部270は、複数のプロセスデータのグループ分けに応じた複数の設備100のグループの少なくとも1つに関するグループ情報を出力してもよい。ここで出力部270は、予め定められた条件または使用者等により指定された条件を満たすプロセスデータまたは設備100のグループに関するグループ情報を出力してよい。
【0080】
本図の例においては、出力部270は、互いに異なる予め定められた数以上の設備100についてのプロセスデータを含む、プロセスデータ同士の相関度が予め定められた閾値以上であるプロセスデータのグループをグループ記憶部260から検索する。そして、出力部270は、検索したプロセスデータのグループに関するグループ情報を出力する。出力部270は、検索したプロセスデータのグループに含まれる各プロセスデータに対応する設備100をグループの要素として含む設備のグループに関するグループ情報を出力してもよい。ここで、プロセスデータのグループ自体が各プロセスデータに対応する設備100の情報を含む場合には、出力部270は、検索したプロセスデータのグループに関するグループ情報を設備のグループ情報として出力してもよい。
【0081】
本図の例において、出力部270は、5つ以上の設備100についてのプロセスデータを含む、プロセスデータ同士の相関度が0.8以上であるプロセスデータのグループを検索し、検索したプロセスデータのグループを出力するように設定されている。ここで、本図のグループG5-Aは、5つの設備100(設備100-1、3、6、10、および13)についてのプロセスデータ5-1、3、6、10、および13を含み、プロセスデータ同士の相関度が0.8以上である。したがって、出力部270は、グループG5-Aを検索し、グループG5-Aを出力する。出力部270は、グループG5-Aの各プロセスデータに対応する設備100-1、3、6、10、および13を要素として含む設備のグループを出力してもよい。
【0082】
グループ化装置150は、このようなプロセスデータの相関度が高い一定数以上のプロセスデータまたは設備100のグループを出力することにより、ふるまいが類似する一定数以上の設備100をまとめて分析し、制御の最適化等の処理を行えるようにすることができる。
【0083】
また、本図の例においては、出力部270は、複数の設備100のうち、対応するプロセスデータがいずれのプロセスデータのグループにも含まれないプロセスデータまたは設備100を示す情報を出力する。プロセスデータ5-2および5-11は、相関度レベル1でありいずれのプロセスデータのグループ(2以上のプロセスデータを含むグループ)にも含まれない。したがって、出力部270は、プロセスデータ5-2および5-11をいずれのグループにも含まれないプロセスデータを示すグループ情報として出力する。出力部270は、プロセスデータ5-2および5-11のそれぞれに対応する設備100-2および設備100-11を、いずれのグループにも含まれない設備100を示すグループ情報として出力してもよい。なお、出力部270は、ある設備100のプロセスデータが予め定められた期間(例えば1年等の長期)にわたって他のいずれの設備100のプロセスデータともグループ化できなかったことを更に条件として、このようなプロセスデータまたはこのようなプロセスデータに対応する設備100を示すグループ情報を出力してもよい。
【0084】
このような他のいずれの設備100ともプロセスデータが類似しない設備100は、従来の使用例がない新たな設備であったり、新たな業種での設備の使用であったり等、特異な例である可能性が高い。グループ化装置150は、このような設備100またはこのような設備100に関するプロセスデータの情報を出力することにより、従来にない設備100の動作を分析し、制御方法を確立する処理を行えるようにすることができる。
【0085】
また、本図の例においては、出力部270は、プロセスデータの相関度レベルが予め定められた閾値以下(相関度レベル5の下限値以下)である相関度レベル2~4のグループまたはこのようなグループに対応する設備100のグループに関する情報は出力しない.この場合、グループ化部250は、相関度レベル2~4のグループは生成しなくてもよい。
【0086】
図9は、本実施形態に係るグループ化装置150によるグループ情報の出力の第2例を示す。グループ化装置150のプロセスデータ受信部200は、複数の設備100のそれぞれについて、各設備100が正常(OK)である場合のプロセスデータである正常プロセスデータ、または各設備100が異常(NG)である場合のプロセスデータである異常プロセスデータのうちの少なくとも1つを受信してもよい。ここで、制御装置130は、設備100の運転状態に基づいて、各プロセスデータに自動的に正常または異常のラベルを付してよい。これに代えて、設備100の管理者または監視員等が、各プロセスデータに正常または異常のラベルを付してもよい。
【0087】
この場合、グループ化部250は、複数のプロセスデータのうち、少なくとも1つの正常プロセスデータおよび少なくとも1つの異常プロセスデータを別々にグループ分けしてよい。例えばグループ化部250は、図3に例示したようなプロセスデータのグループ化を、正常プロセスデータおよび異常プロセスデータのそれぞれに対して別々に行なう。
【0088】
出力部270は、各設備100の正常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第1閾値以上であり、かつ各設備100の異常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第2閾値以上である設備のグループを出力してよい。本図の例においては、出力部270は、各設備100の正常プロセスデータ同士の相関度が0.8以上(相関度レベル5以上)かつ異常プロセスデータ同士の相関度が0.8以上(相関度レベル5以上)となる設備のグループを出力する。出力部270は、相関度が0.8以上の正常プロセスデータのグループG5-B(プロセスデータ5-1OK、5-3OK、5-6OK、5-10OK、および5-13OKを含むグループ)と、相関度が0.8以上の異常プロセスデータのグループG5-C(プロセスデータ5-1NG、5-3NG、5-6NG、5-11NG、および5-13NGを含むグループ)とのいずれのグループのプロセスデータにも対応する設備100-1、設備100-3、設備100-6、および設備100-13のグループを生成して出力する。出力部270は、このような設備100のグループが予め定められた数以上の設備を含むことを更に条件として、設備100のグループを出力してもよい。
【0089】
グループ化装置150は、正常プロセスデータおよび異常プロセスデータの両方の相関度が高い設備100のグループを出力することにより、使用形態、使用設備、または業種等が類似し、異常が発生する原因も類似するような複数の設備100をまとめて分析し、異常の原因の特定または制御装置130による制御の改善等の処理を行えるようにすることができる。
【0090】
図10は、本実施形態に係るグループ化装置150によるグループ情報の出力の第3例を示す。出力部270は、各設備100の正常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第1閾値以上であり、かつ各設備100の異常プロセスデータ同士の相関度が予め定められた第2閾値未満である設備のグループを出力してもよい。本図の例においては、出力部270は、各設備100の正常プロセスデータ同士の相関度が0.8以上(相関度レベル5以上)かつ異常プロセスデータ同士の相関度が0.8未満(相関度レベル5未満)となる設備のグループを出力する。出力部270は、相関度が0.8以上の正常プロセスデータのグループG5-D(プロセスデータ5-1OK、5-3OK、5-6OK、5-10OK、および5-13OKを含むグループ)に正常プロセスデータが含まれるが、異常プロセスデータは他の設備の異常プロセスデータとの相関度が0.8未満である設備100-1、設備100-3、設備100-6、および設備100-13のグループを生成して出力する。出力部270は、このような設備100のグループが予め定められた数以上の設備100を含むことを更に条件として、設備100のグループを出力してもよい。
【0091】
このように正常プロセスデータ同士は相関度が高いが異常プロセスデータ同士は相関度が低い設備100の間では、使用形態、使用設備、または業種等が類似するものの、異なる要因で異常が発生している可能性が高い。グループ化装置150は、このような設備100のグループを出力することにより、使用形態、使用設備、または業種等が類似する複数の設備100をまとめて分析し、様々な異常の原因を特定して各設備100の制御の改善等をまとめて行えるようにすることができる。
【0092】
図11は、他の実施形態に係るコンピューティングシステム1100を設備100-1~Nと共に示す。図11における、図1と同じ符号を付した構成要素は図1の対応する構成要素と同様の機能および構成を有するから、相違点を除いて説明を省略する。本実施形態に係るコンピューティングシステム1100は、それぞれが1または2以上の設備100に接続された1または複数の収集装置1130に接続されたグループ化装置150を用いて、各収集装置1130から受信するプロセスデータを相関度に応じてグループ化する。
【0093】
本実施形態において、1または複数の設備100のそれぞれは、本図において不図示の制御装置(例えば「制御装置130」)により制御されてよい。1または複数の収集装置1130-1~M(「収集装置1130」とも示す。)は、プロセスデータの収集対象の1または2以上の設備100が設置されたサイトに設置されてよい。収集装置1130は、サーバコンピュータ、汎用コンピュータ、ワークステーション、またはPC(パーソナルコンピュータ)等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。また、収集装置1130は、少なくとも1つのセンサ110と有線または無線通信を行なうハブ等の通信機器であってもよい。
【0094】
収集装置1130は、接続先の1または複数の設備100からプロセスデータを収集する。本実施形態において、プロセスデータは、各設備100の制御にも用いられるデータを含んでよく、各設備100の制御には用いられない監視系/観測系のセンサ110により計測された計測データを含んでもよい。
【0095】
収集装置1130は、常時プロセスデータをグループ化装置150へと送信してよい。これに代えて、収集装置1130は、収集装置1130の管理者の指示に応じて、指定された期間のプロセスデータをグループ化装置150へと送信してもよい。なお、少なくとも1つのセンサ110は、収集装置1130を介さずに直接インターネットに接続可能なIoTセンサであってもよい。このようなセンサ110は、収集装置1130を介さずに、プロセスデータを直接グループ化装置150へと送信してよい。
【0096】
ネットワーク140およびグループ化装置150は、図1のネットワーク140およびグループ化装置150と同様であってよい。表示装置1160は、グループ化装置150が出力する、プロセスデータのグループまたは設備100のグループのグループに関する情報を表示する。
【0097】
以上に示したコンピューティングシステム1100によれば、グループ化装置150は、複数の設備100のそれぞれからのプロセスデータをグループに分類することができる。また、グループ化装置150は、複数の設備100を、プロセスデータのグループ分けに基づいて、類似する動作特性を有する設備100のグループに分類してもよい。グループ化装置150は、このようなグループに関する情報を出力することにより、複数の設備100からの膨大なプロセスデータの中から共通性があるプロセスデータまたは設備100のグループを把握可能とし、制御系の分析・変更、制御パラメータの分析・変更、新たな制御装置の導入等の改善を促すことを通じて複数の設備100の制御方式の最適化を図ることができる。
【0098】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0099】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0100】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0101】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0102】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0103】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0104】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0105】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0106】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0107】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0108】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0109】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0110】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0111】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0112】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0113】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0114】
10 コンピューティングシステム
100-1~N 設備
110-1~K センサ
120-1~L 機器
130-1~M 制御装置
140 ネットワーク
150 グループ化装置
160 グループ処理装置
200 プロセスデータ受信部
210 プロセスデータ記憶部
220 データ比較部
240 相関度算出部
250 グループ化部
260 グループ記憶部
270 出力部
1100 コンピューティングシステム
1130-1~M 収集装置
1160 表示装置
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12