(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141269
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】車両用灯火装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B60Q1/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047497
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(72)【発明者】
【氏名】山口 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松田 佑介
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA02
3K339AA25
3K339AA28
3K339AA29
3K339AA32
3K339BA01
3K339BA08
3K339BA23
3K339BA26
3K339BA28
3K339CA01
3K339CA02
3K339CA06
3K339CA12
3K339CA13
3K339CA22
3K339CA24
3K339DA01
3K339GB01
3K339GB21
3K339JA02
3K339JA05
3K339JA21
3K339JA22
3K339JA26
3K339KA28
3K339LA06
(57)【要約】
【課題】ドライバーモジュールの数を削減できる車両用灯火装置を提供する。
【解決手段】第一のランプと第二のランプとを含む複数のランプと、前記第一のランプ及び前記第二のランプの各々を制御する1つのドライバーモジュールと、前記第一のランプと前記第二のランプとの間をつなぐケーブルと、を備え、前記ドライバーモジュールは、前記第一のランプに設けられ、前記第二のランプは、前記ケーブルを介して前記ドライバーモジュールと接続されている、車両用灯火装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のランプと第二のランプとを含む複数のランプと、
前記第一のランプ及び前記第二のランプの各々を制御する1つのドライバーモジュールと、
前記第一のランプと前記第二のランプとの間をつなぐケーブルと、を備え、
前記ドライバーモジュールは、前記第一のランプに設けられ、
前記第二のランプは、前記ケーブルを介して前記ドライバーモジュールと接続されている、
車両用灯火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両は、例えば、車両の前部にヘッドランプ、ターンランプ、クリアランスランプなどの複数のランプを備える。各ランプはそれぞれ、個別のドライバーモジュールによって制御される。特許文献1は、ランプボディ内にドライバーモジュールが配置された車両用灯具を開示する。このドライバーモジュールは発光ダイオードの点灯制御を行う点灯制御回路を備える。特許文献2は、発光ダイオードを駆動するドライバICを有する発光装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-167123号公報
【特許文献2】特開2016-88296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドライバーモジュールは、各ランプにそれぞれ設けられている。複数のランプを備える車両では、各ランプにそれぞれ対応するドライバーモジュールが必要となるためコスト高の要因となっていた。
【0005】
本発明の目的の一つは、ドライバーモジュールの数を削減できる車両用灯火装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両用灯火装置は、
第一のランプと第二のランプとを含む複数のランプと、
前記第一のランプ及び前記第二のランプの各々を制御する1つのドライバーモジュールと、
前記第一のランプと前記第二のランプとの間をつなぐケーブルと、を備え、
前記ドライバーモジュールは、前記第一のランプに設けられ、
前記第二のランプは、前記ケーブルを介して前記ドライバーモジュールと接続されている。
【発明の効果】
【0007】
上記車両用灯火装置は、第一のランプに設けられたドライバーモジュールによって第一のランプだけでなく、第二のランプも制御できる。上記車両用灯火装置によれば、1つのドライバーモジュールで済むので、ドライバーモジュールの数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車両用灯火装置を備える車両を示す概略図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る車両用灯火装置の概略構成図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る車両用灯火装置の回路構成を示す概略回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る車両用灯火装置の具体例を、図面を参照して説明する。
図1から
図3を参照して、実施形態に係る車両用灯火装置1を説明する。
図1は、車両100を前方から見た図である。
図1では、車両100の左前部のみを図示し、車両100の右前部の図示を省略している。車両100は、車両100の前部にヘッドランプ111、ターンランプ121、クリアランスランプ122、フォグランプ131などの各種フロントランプを備える。これらのランプは、車両100の前部に左右対称に配置されている。
【0010】
本実施形態の車両用灯火装置1は、
図2に示すように、複数のランプ10と、1つのドライバーモジュール30と、ケーブル50とを備える。車両用灯火装置1の特徴の一つは、1つのドライバーモジュール30によって複数のランプ10を制御できるように構成されている点にある。
以下、車両用灯火装置1の構成を詳しく説明する。
【0011】
(第一のランプ)
複数のランプ10は、第一のランプ11と第二のランプ12とを含む。第一のランプ11と第二のランプ12とは別体で構成されており、互いに離れて配置されている。本実施形態では、第一のランプ11は、
図1に示すヘッドランプ111である。ヘッドランプ111は、ハイビーム用ヘッドランプ11aと、ロービーム用ヘッドランプ11bとを有する。第一のランプ11は、ハイビーム用ヘッドランプ11aとロービーム用ヘッドランプ11bとが一体に組み合わされた構造である。ハイビーム用ヘッドランプ11a及びロービーム用ヘッドランプ11bの各光源は発光ダイオード(LED)である。詳細な図示は省略するが、第一のランプ11は、上記各光源が収納されるハウジングを備える。ハウジングの内部は2つの部屋に区画されており、上記各光源が各部屋にそれぞれ収納されている。
【0012】
(第二のランプ)
本実施形態では、第二のランプ12は、
図1に示すターンランプ121とクリアランスランプ122とを有する。第二のランプ12は、ターンランプ121とクリアランスランプ122とが一体に組み合わされた構造である。ターンランプ121及びクリアランスランプ122の各光源はLEDである。詳細な図示は省略するが、第二のランプ12は、上記各光源が収納されるハウジングを備える。ハウジングの内部は2つの部屋に区画されており、上記各光源が各部屋にそれぞれ収納されている。
【0013】
(ドライバーモジュール)
ドライバーモジュール30は、第一のランプ11及び第二のランプ12の各々の点灯及び消灯を制御する装置である。ドライバーモジュール30は、
図2に示すワイヤーハーネス60を介して図示しないECU(Electronic Control Unit)と接続されている。ワイヤーハーネス60を介してECUからドライバーモジュール30に制御信号が送られる。この制御信号は、第一のランプ11及び第二のランプ12のそれぞれの点灯を制御する信号である。詳細な図示は省略するが、ワイヤーハーネス60は、第一のランプ11及び第二のランプ12のそれぞれを制御する複数の信号線を有している。複数の信号線は、第一のランプ11に備えるハイビーム用ヘッドランプ11a及びロービーム用ヘッドランプ11bのそれぞれに点灯信号を送信する2つの信号線と、第二のランプ12に備えるターンランプ121及びクリアランスランプ122のそれぞれに点灯信号を送信する2つの信号線とを含む。また、ワイヤーハーネス60を介して図示しないバッテリーからドライバーモジュール30に電力が送られる。この電力は、第一のランプ11及び第二のランプ12のそれぞれに供給される電力である。ドライバーモジュール30の詳細な構成は、
図3を参照して後述する。
【0014】
ドライバーモジュール30は、第一のランプ11に設けられている。第一のランプ11に備えるハイビーム用ヘッドランプ11a及びロービーム用ヘッドランプ11bと、ドライバーモジュール30とは、電気的に接続されており、ドライバーモジュール30からハイビーム用ヘッドランプ11a及びロービーム用ヘッドランプ11bに電力が供給される。ドライバーモジュール30は、第一のランプ11のハウジング内にハイビーム用ヘッドランプ11a及びロービーム用ヘッドランプ11bと共に配置されていてもよいし、上記ハウジング外にケーブル(図示せず)を介して配置されていてもよい。
図2では、分かり易くするため、第一のランプ11の外にドライバーモジュール30を図示しているが、実際には、ドライバーモジュール30は第一のランプ11のハウジング内に配置されている。
【0015】
なお、
図1に示すフォグランプ131は、ドライバーモジュール30とは別の図示しないドライバーモジュールによって制御される。
【0016】
(ケーブル)
ケーブル50は、第一のランプ11と第二のランプ12との間をつなぐ電線である。ターンランプ121及びクリアランスランプ122と、ドライバーモジュール30とは、ケーブル50を介して電気的に接続されている。ターンランプ121及びクリアランスランプ122には、ケーブル50を介してドライバーモジュール30から電力が供給される。ケーブル50は、電磁波の干渉を低減する干渉防止材が巻き付けられていてもよい。
【0017】
<回路構成>
図3を参照して車両用灯火装置1の回路構成を説明する。第一のランプ11に備えるハイビーム用ヘッドランプ11aとロービーム用ヘッドランプ11bとは直列に電気的に接続されている。第二のランプ12に備えるターンランプ121とクリアランスランプ122とは直列に電気的に接続されている。更に、ハイビーム用ヘッドランプ11a及びロービーム用ヘッドランプ11bと、ターンランプ121及びクリアランスランプ122とが直列回路を構成するようにケーブル50によって接続されている。
【0018】
ドライバーモジュール30は、ワイヤーハーネス60からの上記制御信号に基づいて、第一のランプ11及び第二のランプ12のそれぞれの点灯と消灯を切り替える回路が組み込まれている。この回路は、
図3に示すように、マイクロコンピュータ31と、DC-DCコンバータ32と、スイッチングコントローラ33と、スイッチ回路34とを備える。以下、マイクロコンピュータを単にマイコンという。マイコンは、中央演算処理装置(CPU)を有するプロセッサである。マイコン31は、上記制御信号を検知する。マイコン31は、点灯させるランプに電力が供給されるように、DC-DCコンバータ32とスイッチングコントローラ33に対して指令を出す。DC-DCコンバータ32は、ワイヤーハーネス60から上記電力を受け取る。DC-DCコンバータ32は、上記直列回路に接続され、点灯させるランプに定格電流が流れるように電圧を調整する。スイッチングコントローラ33は、点灯させるランプに関する信号をマイコン31から受け取り、点灯させるランプに電流が流れるようにスイッチ回路34を制御する。スイッチ回路34は、各ランプのオン・オフを行うスイッチを有する。スイッチは、各ランプに並列に接続されている。スイッチ回路34は、点灯させるランプをオンにする。第二のランプ12への電流は、ケーブル50を介して通電される。
【0019】
車両用灯火装置1の動作の具体例について説明する。例えば、ロービーム用ヘッドランプ11bを点灯する点灯信号がドライバーモジュール30のマイコン31に入力された場合を説明する。マイコン31は、ロービーム用ヘッドランプ11bを点灯させる信号をスイッチングコントローラ33に送る。スイッチングコントローラ33は、ロービーム用ヘッドランプ11bがオンになるようにスイッチ回路34を動作させる。DC-DCコンバータ32は、ロービーム用ヘッドランプ11bに定格電流が流れるように電圧を調整する。一方、ハイビーム用ヘッドランプ11aを点灯する点灯信号が入力された場合、マイコン31は、ハイビーム用ヘッドランプ11aを点灯させる信号をスイッチングコントローラ33に送る。スイッチングコントローラ33は、ハイビーム用ヘッドランプ11aがオンになるようにスイッチ回路34を動作させる。DC-DCコンバータ32は、ハイビーム用ヘッドランプ11aに定格電流が流れるように電圧を調整する。
【0020】
また、例えば、ターンランプ121を点灯する点灯信号がドライバーモジュール30のマイコン31に入力された場合を説明する。マイコン31は、ターンランプ121を点灯させる信号をスイッチングコントローラ33に送る。スイッチングコントローラ33は、ターンランプ121がオンになるようにスイッチ回路34を動作させる。DC-DCコンバータ32は、ターンランプ121に定格電流が流れるように電圧を調整する。ターンランプ121はケーブル50を介して通電される。
【0021】
本実施形態の車両用灯火装置1は次の作用効果を有する。車両用灯火装置1は、第一のランプ11の制御と第二のランプ12の制御を1つのドライバーモジュール30で実行することができる。各ランプの制御を1つのドライバーモジュール30に統合することで、各ランプにそれぞれドライバーモジュールを設ける場合に比べて、コスト、重量、組立生産性の点で有利である。また、ドライバーモジュール30は、マイコン31とDC-DCコンバータ32がそれぞれ1つで済むので、コストを削減できる。
【0022】
本発明は、これらの例示に限定されず、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0023】
第一のランプ11と第二のランプ12とは、別体に構成されたランプであれば、ランプの種類はいずれでもよい。第一のランプ11と第二のランプ12のうちいずれかのランプは、車両の前部に設けられたフロントランプでもよいし、車両の後部に設けられたリアランプでもよい。フロントランプは、例えば、ヘッドランプ、ターンランプ、クリアランスランプ、フォグランプなどである。リアランプは、例えばストップランプ、バックランプなどである。また、複数のランプ10は、3つ以上のランプを含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 車両用灯火装置
10 ランプ
11 第一のランプ、12 第二のランプ
30 ドライバーモジュール
31 マイクロコンピュータ(マイコン)、32 DC-DCコンバータ
33 スイッチングコントローラ、34 スイッチ回路
50 ケーブル
60 ワイヤーハーネス
100 車両
111 ヘッドランプ
11a ハイビーム用ヘッドランプ、11b ロービーム用ヘッドランプ
121 ターンランプ、122 クリアランスランプ
131 フォグランプ