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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014127
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】導光板、画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20230119BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20230119BHJP
   G02B 5/32 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G02B5/32
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182835
(22)【出願日】2022-11-15
(62)【分割の表示】P 2021082344の分割
【原出願日】2018-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2017136277
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【弁理士】
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】木暮 靖男
(57)【要約】
【課題】鉛フリーガラスを使用しつつも、画像の色再現性、鮮明度に優れ、軽量で、かつ広い視野角を得ることが可能な画像表示装置用の導光板を提供すること。
【解決手段】画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する画像表示装置用の導光板が、画像光の波長に対して屈折率1.8以上の鉛フリーガラスからなり、板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率が、0.6以上である導光部と、導光部によって導光された画像光を回折して使用者の瞳に向けて出射する第1光学素子と、画像表示素子から入射する画像光を回折して導光部に入射させる第2光学素子と、を備え、第1光学素子及び第2光学素子が、Si、TiO、Nb、又はTaの少なくともいずれか1つを含む材料から形成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する画像表示装置用の導光板であって、
前記画像光の波長に対して屈折率1.8以上の鉛フリーガラスからなり、板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率が、0.6以上である導光部と、
前記導光部によって導光された前記画像光を回折して、前記使用者の瞳に向けて出射する第1光学素子と、
前記画像表示素子から入射する前記画像光を回折して、前記導光部に入射させる第2光学素子と、
を備え、
前記第1光学素子及び前記第2光学素子が、Si、TiO、Nb、又はTaの少なくともいずれか1つを含む材料から形成されている
ことを特徴とする導光板。
【請求項2】
前記第1光学素子及び前記第2光学素子を形成する材料が、前記鉛フリーガラスの屈折率よりも高い屈折率を有していることを特徴とする請求項1に記載の導光板。
【請求項3】
前記導光部は、互いに対向する第1面と第2面とを有し、前記第1面と前記第2面の平行度が20 arc seconds 以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導光板。
【請求項4】
前記第1面から前記第2面までの距離の最大値と最小値の差が、5μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の導光板。
【請求項5】
前記導光部は、板厚10mmにおける標準光源D65の透過光をxy色度図で表現したときに、xの色度が0.31~0.34であり、yの色度が0.33~0.36であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項6】
前記導光部の板厚が、0.5~1.0mmであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項7】
照明光を出射する光源と、
前記光源からの照明光を受けて画像光を出力する画像表示素子と、
前記画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の導光板と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドマウントディスプレイ等の画像表示装置に用いられる導光板と、これを用いた画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2次元の画像を虚像光学系により拡大し、拡大された虚像を観察者に観察させるように表示する装置として、ヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)が実用に供されている。
【0003】
ヘッドマウントディスプレイは、シースルーである透過型と非透過型に分類される。透過型のヘッドマウントディスプレイは、情報端末と組み合わせて使用したりAR(Augmented Reality:拡張現実)等の提供用として使用するため、小型で携帯性が良いものが望まれている。また、非透過型のヘッドマウントディスプレイは、映画鑑賞やゲームやVR(Virtual Reality:仮想現実)等の提供用として使用するため、没入感が得られる広視野角であることが望まれている。
【0004】
このようなヘッドマウントディスプレイは、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1のヘッドマウントディスプレイは、画像を表示する表示装置と、表示素子に表示された画像が入射される導光部材と、入射された画像を導光部材内部で全反射させて使用者の瞳に向かって伝搬する伝搬手段とを備えている。そして、所定の視野角が得られるように、屈折率約1.7の硝材によって導光部材を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-243787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されている、ヘッドマウントディスプレイの導光部材によれば、視野角10.0deg程度の画像を得ることが可能となるが、VRの用途においては、さらに広い視野角で、かつ色再現性の優れたものが求められている。また、ARの用途においては、さらに小型、軽量のものが求められており、導光部材については、薄型化を図ることが求められている。
【0007】
また、近年、環境保護、資源の有効活用の観点から、導光部材については、無鉛化の要請もある。
また、ヘッドマウントディスプレイにおいては、鮮明度の高い画像が求められており、それを可能にする導光部材が求められている。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、鉛フリーガラスを使用しつつも、画像の色再現性、鮮明度に優れ、軽量で、かつ広い視野角を得ることが可能な画像表示装置(ヘッドマウントディスプレイ等)用の導光板と、この導光板を使用した画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の導光板は、画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する画像表示装置用の導光板であって、画像光の波長に対して屈折率1.8以上の鉛フリーガラスからなり、板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率が、0.6以上である導光部と、導光部によって導光された画像光を回折して使用者の瞳に向けて出射する第1光学素子と、画像表示素子から入射する画像光を回折して導光部に入射させる第2光学素子と、を備え、第1光学素子及び第2光学素子が、Si、TiO、Nb、又はTaの少なくともいずれか1つを含む材料から形成されていることを特徴とする。
【0010】
このような構成の導光板によれば、色再現性に優れ、薄型軽量で、かつ広い視野角の画像表示装置を構成することが可能となる。また、第1光学素子及び第2光学素子が屈折率の高い材料から形成されているため、回折効率が高く、鮮明度の高い画像が得られる。
【0011】
また、第1光学素子及び第2光学素子を形成する材料が、鉛フリーガラスの屈折率よりも高い屈折率を有していることが望ましい。
【0012】
また、導光部は、互いに対向する第1面と第2面とを有し、第1面と第2面の平行度が20 arc seconds 以下となるように構成することが望ましい。また、この場合、第1面から第2面までの距離の最大値と最小値の差が、5μm以下となるように構成することが望ましい。
【0013】
また、導光部は、板厚10mmにおける標準光源D65の透過光をxy色度図で表現したときに、xの色度が0.31~0.34であり、yの色度が0.33~0.36であることが望ましい。
【0014】
また、導光部の板厚が、0.5~1.0mmであることが望ましい。
【0015】
また、別の観点からは、本発明の画像表示装置は、照明光を出射する光源と、光源からの照明光を受けて画像光を出力する画像表示素子と、画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する上記いずれかの導光板と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、鉛フリーガラスを使用しつつも、画像の色再現性、鮮明度に優れ、軽量で、かつ広い視野角を得ることが可能な画像表示装置用の導光板を実現することができる。また、この導光板を使用した画像表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る導光板を用いたヘッドマウントディスプレイの構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る導光板を用いたヘッドマウントディスプレイの構成を模式的に示す側面図である。
図3】本発明の実施例1に係る導光板の特性を示すグラフである。
図4】本発明の実施例1に係る導光板を用いたヘッドマウントディスプレイのシミュレーションモデルを示す図である。
図5】本発明の実施例2に係る導光板の特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る導光板10を用いた、ヘッドマウントディスプレイ1(以下、「HMD1」と略記する。)の構成を示す図であり、図1(a)は、正面側斜視図であり、図1(b)は、背面側斜視図である。図1(a)および図1(b)に示すように、使用者の頭部に装着される眼鏡型フレーム2の正面部には、眼鏡レンズ3が取り付けられる。眼鏡型フレーム2の取付部2aには、画像を照明するためのバックライト4が取り付けられる。眼鏡型フレーム2のツル部分には、画像を映し出すための信号処理機器5、及び音声を再生するスピーカー6が設けられている。導光板10は、矩形薄板状の光学部品であり、信号処理機器5の回路から引き出された配線を構成するFPC(Flexible Printed Circuits)7が、眼鏡型フレーム2に沿って配線されている。表示素子ユニット(例えば液晶表示素子)20は、FPC7によって使用者の両眼中央位置まで配線され、かつバックライト4の光軸線上に表示素子ユニット20の略中心部が配置するように保持される。表示素子ユニット20は、導光板10の略中央部に位置するように、導光板10に対して相対的に固定される。また、使用者の眼前に位置する箇所にはHOE(Holographic Optical Element)32R、32L(第1光学素子)が、それぞれ接着等により導光板10の第1面10a上に密着固定されている。導光板10を挟んで表示素子ユニット20と対向する位置には、HOE52R、52Lが導光板10の第2面10b上に積層されている。
【0020】
図2は、本実施形態のHMD1の構成を模式的に示す側面図である。なお、図2においては、図面を明瞭化するため、発明の主要部のみを示しており、眼鏡型フレーム2等は図示省略している。図2に示すように、HMD1は、画像表示素子24と導光板10の中心を結ぶ中心線Xを挟み左右対称の構造を有している。また、画像表示素子24から導光板10に入射された各波長の光は、後述するように二分割されて使用者の右眼、左眼のそれぞれに導光される。各眼に導光される各波長の光の光路も中心線Xを挟み略左右対称である。
【0021】
図2に示すように、バックライト4は、レーザ光源21、拡散光学系22、およびマイクロレンズアレイ23を有する。表示素子ユニット20は、画像表示素子24を有する画像生成ユニットであり、例えばフィールドシーケンシャル(Field Sequential)方式で駆動する。レーザ光源21は、R(波長436nm)、G(波長546nm)、B(波長633nm)の各波長に対応したレーザ光源を有し、各波長の光を高速で順次照射する。各波長の光は、拡散光学系22、マイクロレンズアレイ23に入射され、光量ムラのない均一な高指向性の平行光束に変換されて、画像表示素子24の表示パネル面に垂直に入射される。
【0022】
画像表示素子24は、例えばフィールドシーケンシャル方式で駆動する透過型液晶(LCD T-LCOS)パネルである。画像表示素子24は、各波長の光に、信号処理機器5の画像エンジン(不図示)が生成する画像信号に応じた変調をかける。画像表示素子24の有効領域の画素で変調された各波長の光は、所定の光束断面(該有効領域と略同じ形状)をもって導光板10に入射される。なお、画像表示素子24は、例えばDMD(Digital Mirror Device)や反射型液晶(LCOS)パネル、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、有機EL(Electro-Luminescence)、無機EL等の他の形態の表示素子に置換することも可能である。
【0023】
なお、表示素子ユニット20は、フィールドシーケンシャル方式の表示素子に限らず、同時式の表示素子(射出面前面に所定の配列のRGBカラーフィルタを有する表示素子)の画像生成ユニットとしてもよい。この場合、光源には、例えば白色光源が使用される。
【0024】
図2に示すように、画像表示素子24により変調された各波長の光は、第1面10aから導光板10内部に順次入射される。導光板10の第2面10b上には、HOE52Rと52L(第2光学素子)が積層されている。HOE52Rおよび52Lは、例えば矩形状を有する反射型の体積位相型HOEであって、R、G、Bの各波長の光に対応する干渉縞が各々に記録されたフォトポリマーを三枚積層した構成を有する。すなわち、HOE52Rおよび52Lは、R、G、Bの各波長の光を回折しそれ以外の波長の光を透過する波長選択機能を有するように構成されている。
【0025】
また、HOE52Rおよび52Lは、R、G、Bの各波長の光に対応する干渉縞が記録された一層のフォトポリマーとしてもよい。
【0026】
また、二層のフォトポリマーによりHOE52Rおよび52Lを構成し、R、G、Bの各波長の光に対応する波長選択機能を付与することも可能である。例えば、R、Gの各波長の光に対応する干渉縞が記録された一層のフォトポリマーと、Bの波長の光に対応する干渉縞が記録された一層のフォトポリマーの計二層によりHOE52Rおよび52Lを構成することが考えられる。なお、HOE32Rおよび32Lも反射型の体積位相型HOEであり、HOE52Rおよび52Lと同一の層構造を有する。HOE32Rおよび32Lと52Rおよび52Lは、例えば干渉縞パターンのピッチが略同一であってもよい。
【0027】
HOE52Rと52Lは、互いの中心が一致し、かつ干渉縞パターンが180(deg)反転された状態で積層されている。そして、積層された状態でその中心が中心線Xと一致するように導光板10の第2面10b上に接着等により密着固定されている。HOE52R、52Lには、画像表示素子24により変調された各波長の光が導光板10を介して順次入射される。
【0028】
HOE52R、52Lはそれぞれ、順次入射される各波長の光を右眼、左眼に導くため所定の角度を付与して回折する。HOE52R、52Lにより回折された各波長の光はそれぞれ、導光板10と空気との界面で全反射を繰り返して導光板10内部を伝搬しHOE32R、32Lに入射される。ここで、HOE52R、52Lは、各波長の光に同一の回折角を付与する。そのため、導光板10に対する入射位置が略同一の(あるいは別の表現によれば、画像表示素子24の有効領域内の略同一座標から射出された)全ての波長の光は、導光板10内部の略同一の光路を伝搬して、HOE32R、32L上の略同位置に入射する。別の観点によれば、HOE52R、52Lは、画像表示素子24の有効領域に表示された画像の該有効領域内における画素位置関係がHOE32R、32L上で忠実に再現されるようにRGBの各波長の光を回折する。
【0029】
このように本実施形態においては、HOE52R、52Lは、それぞれ、画像表示素子24の有効領域内の略同一座標から射出された全ての波長の光をHOE32R、32L上の略同位置に入射させるように回折する。一方、別の実施形態においては、HOE52R、52Lは、画像表示素子24の有効領域内で相対的にずらされた本来同一画素をなす全ての波長の光をHOE32R、32L上の略同位置に入射させるように回折するように構成されてもよい。
【0030】
HOE32R、32L上に入射された各波長の光は、HOE32R、32Lにより回折されて導光板10の第2面10bから外部に略垂直に順次射出される。このように略平行光として射出された各波長の光はそれぞれ、画像表示素子24により生成された画像の虚像Iとして使用者の右眼網膜、左眼網膜に結像する。また、使用者が拡大画像の虚像Iを観察できるように、HOE32R、32Lにコンデンサ作用を付与してもよい。すなわち、HOE32R、32Lの周辺領域に入射された光ほど瞳の中心に寄るように角度をもって射出され使用者の網膜に結像するようにしてもよい。あるいは、使用者に拡大画像の虚像Iを観察させるために、HOE52R、52Lは、HOE32R、32L上での画素位置関係が画像表示素子24の有効領域に表示された画像の該有効領域内における画素位置関係に対して拡大された相似形状をなすようにRGBの各波長の光を回折するようにしてもよい。
【0031】
なお、HOE32R、32L、52R、52Lを形成する材料としては、空気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料を使用することが好ましい。HOE32R、32L、52R、52Lにこのような材料を使用することで、HOE32R、32L、52R、52Lの回折効率を効果的に向上させることができる。また、HOE32R、32L、52R、52Lを形成する材料の屈折率は、導光板10を形成する材料の屈折率よりも高いことがより好ましい。HOE32R、32L、52R、52Lにこのような材料を使用することにより、回折効率を高めるとともに、画像の鮮明度を効果的に向上させることができる。HOE32R、32L、52R、52Lを形成する材料としては、例えば、Si34、TiO2、Nb2、Ta5のうち1つ以上を含む材料を用いることができる。
【0032】
このように、RGBの各波長の光は使用者の網膜上に高速で順次結像されるため、使用者は、画像表示素子24による生成画像をカラー画像として認識することとなる。なお、使用者の眼と画像表示素子24との実際の距離は数十mm程度に過ぎない。しかし、各波長の光は略平行光として眼球に入射されるため、使用者は、無限遠視したときに画像表示素子24による生成画像を明瞭に視認することができる。また、体積位相型の反射型HOEであるHOE32R、32Lは回折効率の半値幅が狭く外界像の光の透過率が高い。そのため、使用者は、外界像を画像表示素子24の表示画像と共に明瞭に観察することができる。
【0033】
なお、本実施形態においては、右眼用、左眼用の表示素子を別個に備えること無く単板の画像表示素子24を備える構成が採用されている。このため、製造コストダウン等の効果が得られる。また、共通の物点からの光(すなわち単板の画像表示素子24の画像)を左右で同じ光路長を経て使用者の各眼に導光している。このため、使用者の各眼に対して同期した画像を入射させることができる。
【0034】
上述のような本実施形態の構成においては、導光板10内を進む光の空気換算光路長が、屈折率が高いほど短くなるため、屈折率が高いほど画像表示素子24の幅に対する見かけの視野角が大きくなる。そこで、本実施形態においては、視野角を大きくするため(つまり、画像表示素子24の虚像Iに対する視野角θvが、例えば13.5deg以上となるように)、導光板10には、RGBの各波長において屈折率が1.8以上の、板厚0.5~1.0mmの高屈折率鉛フリーガラスが用いられている。なお、導光板10の屈折率は高ければ高いほど望ましく、1.95以上であることが好ましい。
【0035】
導光板10に、このような高屈折率鉛フリーガラスを用いる場合、ガラスを構成する各成分の望ましい組成範囲は、以下の通りである。
SiO:0~35%
:0~55%
ZnO:0~35%
:0~40%
ZrO:0~30%
TiO:0~20%
なお、各成分の含有率は、全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%で示すものである。ここで、酸化物換算組成とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
【0036】
SiOは、ガラスの基本構造を構成する成分であり、0%以上含有することで、ガラスの安定性を向上させ、かつ、熔融ガラスの成形に適した粘度を維持しやすくなる。35%より多いと屈折率が低下したり、液相温度やガラス転移温度が上昇するため、0~35%が好適である。また、SiOの含有率は、1~25%がより好ましく、1~15%がさらに好ましい。
【0037】
は、ガラスに低分散特性を付与する網目形成酸化物である。0%以上含有することで、ガラスの安定性と、化学的耐久性を向上させることができる。55%より多いと屈折率が低下するため、0~55%が好適である。また、Bの含有率は、1~45%がより好ましく、1~40%がさらに好ましい。
【0038】
ZnOは、高屈折率を維持しつつ、低分散特性を付与する成分である。0%以上含有することで、ガラスの溶融温度、液相温度及び転移温度を効果的に低下させることができる。35%より多いと失透し易く、化学的耐久性が低下するため、0~35%が好適である。また、ZnOの含有率は、0.5~25%がより好ましく、1~20%がさらに好ましい。
【0039】
は、高屈折率を維持しつつ、低分散特性を付与する成分である。0%以上含有することで、ガラスの安定性と、化学的耐久性を向上させることができる。40%より多いと失透し易くなり、また、ガラス転移温度や屈伏点温度が上昇するため、0~40%が好適である。また、Yの含有率は、0~20%がより好ましく、0.1~8%がさらに好ましい。
【0040】
ZrOは、光学恒数を調整すると共に、ガラスの安定性及び耐候性を向上させる成分である。0%以上含有することで、ガラスの安定性を向上させることができる。30%より多いとガラスの安定性が低下し、分散の増加を招くため、0~30%が好適である。また、ZrOの含有率は、0.5~15%がより好ましく、1~10%がさらに好ましい。
【0041】
TiOは、ガラス構造の修飾剤としての役目を果たす成分である。0%以上含有することで、ガラスの屈折率を高めると共に、ガラスの安定性を向上させることができる。20%より多いと分散の増加、熱安定性の低下、液相温度の上昇、着色度の悪化を招くため、0~20%が好適である。また、TiOの含有率は、1~18%がより好ましく、1~15%がさらに好ましい。
【0042】
また、本実施形態の導光板10は、RGBの各波長の光を、HOE32R、32Lに確実に導光するため、第1面10aと第2面10bの平行度が高いものほど好ましい。そこで、本実施形態の導光板10は、第1面10aと第2面10bの平行度が20 arc seconds 以下となるように加工されている。なお、第1面10aと第2面10bの平行度は、10 arc seconds 以下であることが好ましく、5 arc seconds 以下であることがより好ましい。なお、第1面10aと第2面10bの平行度が20 arc seconds よりも大きくなると、RGBの各波長の光を、HOE32R、32Lに正確に導光できなくなる。
【0043】
このように、本実施形態の導光板10は、RGBの各波長において屈折率が1.8以上の高屈折率鉛フリーガラスが用いられているため、薄型軽量で、かつ広い視野角θv(例えば:13.5deg以上)のHMD1を構成することが可能となっている。
【0044】
また、本実施形態の導光板10は、RGBの各波長の光を正確に導光するため(つまり、正確に色を再現するため)、RGBの各波長の透過率が高いものほど好ましい。特に、Bの波長は、400~500nmの波長域に属し、Bの成分が減少すると、表示画像(虚像I)全体が黄ばんだものとなるため、Bの成分が減少しないように構成することが望ましい。そこで、本実施形態の導光板10には、板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率が0.6以上の硝材を用いている。なお、内部透過率は高ければ高いほど望ましく、0.65以上であることが好ましく、0.70以上であることがより好ましい。
【0045】
また、本実施形態の導光板10には、画像表示素子24によるカラー画像を忠実に再現するために、RGBの各波長の光を正確に(バランスよく)導光することが求められる。一般に、標準光源D65の10度視野におけるxy色度座標は、x:0.3138、y:0.3310であるが、導光板10に吸収がある場合には、この座標からズレが生じるため、使用者の色感も異なることとなる。そこで、本実施形態の導光板10には、板厚10mmにおける標準光源D65の透過光をxy色度図(座標)で表現したときに、x:0.31~0.34、y:0.33~0.36となる硝材を用いている。なお、xは、0.31~0.33であることが好ましく、0.31~0.32であることがより好ましい。また、yは、0.33~0.35であることが好ましく、0.33~0.34であることがより好ましい。なお、x:0.31~0.34の範囲を超えた場合、あるいはy:0.33~0.36の範囲を超えた場合は、表示画像(虚像I)の着色が大きくなり、使用者は、色感が大きく異なる表示画像(虚像I)を観察することとなる。
【0046】
また、本実施形態の導光板10は、RGBの各波長の光を正確に導光し、にじみの少ない画像を得るため、平坦度が高いものほど好ましい。そこで、本実施形態の導光板10は、導光板10の厚み(つまり、第1面10aと第2面10bの距離)の最大値と最小値の差(つまり、TTV(Total Thickness Variation))が、5μm以下となるように研磨加工されている。なお、平坦度(つまり、TTV)は、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。なお、TTVが、5μmを超えると、使用者が観察する表示画像(虚像I)は、にじみが多いものとなる。
【実施例0047】
次に、導光板10の具体的な実施例を示す。なお、本発明の導光板10は、本実施例に限定されるものではない。
【実施例0048】
硝材として、HOYA株式会社製の「TAFD55」を用いて、それを長さ50mm×幅20mm×厚さ1.0mmに加工して、導光板10を得た。主な特性は、以下の通りである。
屈折率(@436nm):2.04600
屈折率(@546nm):2.00912
屈折率(@633nm):1.99406
第1面10aと第2面10bの平行度:15 arc seconds
平坦度(TTV):5μm
板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率:0.749
板厚10mmにおける標準光源D65の透過光の色度:x=0.3187、y=0.3385
なお、「TAFD55」の組成は、以下の通りである。
SiO:1~10%
:1~10%
ZnO:0~10%
:0~1%
ZrO:1~10%
【0049】
また、図3は、本実施例の特性を示すグラフであり、図3(a)は、板厚10mmにおける分光特性であり、図3(b)は、板厚10mmにおける標準光源D65の透過光の色度図である。
【0050】
このようにして得られた導光板10を、HMD1に組み込み、アイポイントの位置で画像を評価したところ、広い視野角で、高輝度かつ高コントラストな画像を観察することができた。
【0051】
表1は、本実施例の導光板10をHMD1に組み込んだときの、視野角をシミュレーションしたときの、各パラメータとその結果(つまり、視野角θv)を示す表である。また、図4は、シミュレーションモデルを示す図であり、図4に示す各パラメータは、表1のパラメータに対応している。
【0052】
【表1】
【0053】
図4に示すように、本シミュレーションモデルにおいては、RGBの各波長の光(図4中の破線)がHOE52R、52Lに入射し、HOE52R、52Lの内部で、回折角θ'(85.0°)で回折され、光線角度θ'i(61.2°)で導光板10に入射するものとしている(図4(a))。そして、導光板10に入射したRGBの各波長の光は、導光板10(厚さ:t=1.0mm、屈折率:2.04600)内で所定回数(15回)反射され、使用者の瞳に向けて出射されるものとしている(図4(b))。そして、この場合の視野角θvは、瞳位置PとHOE52R、52Lとの位置関係によって定まり、図4(c)に示すように、瞳位置Pから空気換算光路長+付加光路長(HOE32R、32Lから瞳までの距離)だけ離れた位置に配置されたHOE52R、52Lの両端と、瞳位置Pとのなす角度として表すことができる。そして、表1の各パラメータを用いて計算すると、本実施例の導光板10を組み込んだHMD1の視野角θvは、14.7degとなった(表1参照)。このように、本実施例の導光板10によれば、従来構成のHMDと比較して、広い視野角が得られているのがわかる。
【実施例0054】
硝材として、HOYA株式会社製の「TAFD65」を用いて、それを長さ50mm×幅20mm×厚さ1.0mmに加工して、導光板10を得た。主な特性は、以下の通りである。
屈折率(@436nm):2.10226
屈折率(@546nm):2.06011
屈折率(@633nm):2.04305
第1面10aと第2面10bの平行度:15 arc seconds
平坦度(TTV):5μm
板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率:0.609
板厚10mmにおける標準光源D65の透過光の色度:x=0.3227、y=0.3440
なお、「TAFD65」の組成は、以下の通りである。
SiO:1~10%
:1~10%
ZnO:0~1%
:0~1%
ZrO:1~10%
TiO:10~20%
【0055】
また、図5は、本実施例の特性を示すグラフであり、図5(a)は、板厚10mmにおける分光特性であり、図5(b)は、板厚10mmにおける標準光源D65の透過光の色度図である。
【0056】
このようにして得られた導光板10を、HMD1に組み込み、アイポイントの位置で画像を評価したところ、広い視野角で、高輝度かつ高コントラストな画像を観察することができた。
【0057】
表2は、本実施例の導光板10をHMD1に組み込んだときの、視野角をシミュレーションしたときの、各パラメータとその結果(つまり、視野角θv)を示す表である。なお、シミュレーションモデルは、図4を示すものと同一である。
【0058】
【表2】
【0059】
表1のシミュレーションと同様、表2の各パラメータを用いてシミュレーションを行うと、本実施例の導光板10を組み込んだHMD1の視野角θvは、15.9degとなった。このように、本実施例の導光板10によれば、従来構成のHMDと比較して、広い視野角が得られているのがわかる。
【0060】
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、各実施形態の構成および具体的数値構成等に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。
【0061】
HOE32R、32L、52R、52Lは、例えば透過型HOEであってもよい。かかる場合、HOE52R、52Lは、例えば表示素子ユニット20に対向する導光板10の第1面10a上に積層された状態で密着固定され、表示素子ユニット20からの各波長の光を導光板10内部で全反射させてHOE32R又は32Lに伝搬されるように回折する。HOE32R、32Lは、例えば使用者の瞳に対向する導光板10の第2面10b上に密着固定され、導光板10内部を伝搬された各波長の光を使用者の瞳に向かって回折する。
【0062】
また、本実施形態のHOE32R、32L、52R、52Lは、フォトポリマーによって形成されるものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、導光板10の表面上に光学薄膜を蒸着することによって形成することもできる。
【0063】
また、表示素子ユニット20が有するレーザ光源21は、例えばR、G、Bの各波長の光を高速で順次照射するLED又はLD(半導体レーザ)バックライトとしてもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、表示素子ユニット20が導光板10の第1面10a側に配置され、HOE52R、52Lが導光板10の第2面10b側に配置されるものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、表示素子ユニット20を導光板10の第2面10b側に配置し、HOE52R、52Lを導光板10の第1面10a側に配置することもできる。
【符号の説明】
【0065】
1 HMD
2 眼鏡型フレーム
2a 取付部
3 眼鏡レンズ
4 バックライト
5 信号処理機器
6 スピーカー
7 FPC
10 導光板
10a 第1面
10b 第2面
20 表示素子ユニット
21 レーザ光源
22 拡散光学系
23 マイクロレンズアレイ
24 画像表示素子
32R、32L、52R、52L HOE
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する画像表示装置用の導光板であって、
前記画像光の波長に対して屈折率1.8以上の鉛フリーガラスからなり、
板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率が、0.6以上であり、
板厚10mmにおける標準光源D65の透過光をxy色度図で表現したときに、xの色度が0.31~0.34であり、yの色度が0.33~0.36である
ことを特徴とする導光板。
【請求項2】
前記導光は、互いに対向する第1面と第2面とを有し、前記第1面と前記第2面の平行度が20 arc seconds 以下であることを特徴とする請求項に記載の導光板。
【請求項3】
前記第1面から前記第2面までの距離の最大値と最小値の差が、5μm以下であることを特徴とする請求項に記載の導光板。
【請求項4】
前記導光の板厚が、0.5~1.0mmであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項5】
前記導光板が、導光される前記画像光を回折して、前記使用者の瞳に向けて出射する第1光学素子を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項6】
前記第1光学素子が、空気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の導光板。
【請求項7】
前記第1光学素子が、前記導光板の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項5に記載の導光板。
【請求項8】
前記画像表示素子から入射する前記画像光を回折して、該導光板に入射させる第2光学素子を備えることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項9】
前記第2光学素子が、空気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項8に記載の導光板。
【請求項10】
前記第2光学素子が、前記導光板の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項8に記載の導光板。
【請求項11】
前記導光板の屈折率が、波長436nmで2.046以上であり、波長546nmで2.009以上であり、波長633nmで1.994以上であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項12】
前記鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~35質量%のSiO と0~20質量%のTiO とを含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項13】
前記鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~35質量%のSiO と0~30質量%のZrO とを含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項14】
前記鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~55質量%のB を含むことを特徴とする請求項13に記載の導光板。
【請求項15】
前記鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~35質量%のSiO と、0~55質量%のB と、0~35質量%のZnOと、0~40質量%のY と、0~30質量%のZrO と、0~20質量%のTiO とを含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の導光板。
【請求項16】
照明光を出射する光源と、
前記光源からの照明光を受けて画像光を出力する画像表示素子と、
前記画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の導光板と、
を備えることを特徴とする画像表示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の導光板は、画像表示素子から入射した画像光を導光して使用者の瞳に向かって出射する画像表示装置用の導光板であって、画像光の波長に対して屈折率1.8以上の鉛フリーガラスからなり、板厚10mmにおける波長400nmの内部透過率が、0.6以上であり、板厚10mmにおける標準光源D65の透過光をxy色度図で表現したときに、xの色度が0.31~0.34であり、yの色度が0.33~0.36であることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
このような構成の導光板によれば、色再現性に優れ、薄型軽量で、かつ広い視野角の画像表示装置を構成することが可能となる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
また、導光は、互いに対向する第1面と第2面とを有し、第1面と第2面の平行度が20 arc seconds 以下となるように構成することが望ましい。また、この場合、第1面から第2面までの距離の最大値と最小値の差が、5μm以下となるように構成することが望ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、導光の板厚が、0.5~1.0mmであることが望ましい。
また、導光板が、導光される画像光を回折して、使用者の瞳に向けて出射する第1光学素子を備えることが望ましい。また、この場合、第1光学素子が、空気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることが望ましい。
また、第1光学素子が、導光板の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることが望ましい。
また、画像表示素子から入射する画像光を回折して、該導光板に入射させる第2光学素子を備えることが望ましい。また、この場合、第2光学素子が、空気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることが望ましい。
また、第2光学素子が、導光板の屈折率よりも高い屈折率を有する材料によって形成されていることが望ましい。
また、導光板の屈折率が、波長436nmで2.046以上であり、波長546nmで2.009以上であり、波長633nmで1.994以上であることが望ましい。
また、鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~35質量%のSiO と0~20質量%のTiO とを含むことが望ましい。
また、鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~35質量%のSiO と0~30質量%のZrO とを含むことが望ましい。
また、鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~55質量%のB を含むことが望ましい。
また、鉛フリーガラスの組成は、全質量に対して0~35質量%のSiO と、0~55質量%のB と、0~35質量%のZnOと、0~40質量%のY と、0~30質量%のZrO と、0~20質量%のTiO とを含むことが望ましい。