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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141284
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】清掃支援制御装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20230928BHJP
   E01H 1/00 20060101ALI20230928BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
A01G7/00 603
E01H1/00 Z
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047518
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 篤
(72)【発明者】
【氏名】アーマド アズリ
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 功介
(72)【発明者】
【氏名】羽生 悟志
(72)【発明者】
【氏名】新海 善弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優花
【テーマコード(参考)】
2D026
5L049
【Fターム(参考)】
2D026AA00
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】通路に沿って樹木が植えられた所定地域の適切な清掃を支援すること。
【解決手段】清掃支援制御装置20は、カメラ11が撮影した所定地域の樹木の映像を取得する映像取得部22と、映像取得部22が取得した映像に基づいて、所定地域の清掃を要する樹木の状況を予測する予測部26と、予測部26の予測結果に基づいて、所定地域の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を決定する決定部27と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮影した所定地域の樹木の映像を取得する映像取得部と、
前記映像取得部が取得した前記映像に基づいて、前記所定地域の清掃を要する前記樹木の状況を予測する予測部と、
前記予測部の予測結果に基づいて、前記所定地域の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を決定する決定部と、
を備える、清掃支援制御装置。
【請求項2】
前記所定地域の交通量を示す情報および歩行者の混雑状況を示す情報の少なくともどちらかを含む交通情報を取得する交通情報取得部、
を備え、
前記決定部は、前記交通情報取得部によって取得された前記交通情報に基づいて、前記清掃内容を決定する、
請求項1に記載の清掃支援制御装置。
【請求項3】
風速および降水量の少なくともどちらかを含む気象情報を取得する気象情報取得部、
を備え、
前記決定部は、前記気象情報取得部によって取得された前記気象情報に基づいて、前記清掃内容を決定する、
請求項1または2に記載の清掃支援制御装置。
【請求項4】
前記予測部は、前記所定地域の清掃を要する前記樹木の樹木情報を記憶した樹木情報に基づいて予測を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載の清掃支援制御装置。
【請求項5】
前記樹木情報は、前記樹木の種類および樹齢の少なくともどちらかを示す情報を含む、
請求項4に記載の清掃支援制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃支援制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、屋内などの限られた場所において、ゴミの量に応じて自律走行して清掃する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3478476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通路に沿って樹木が植えられた所定地域において、例えば、道路の周辺の樹木や公園の園路沿いの樹木は、落葉が堆積するため、定期的に通路の清掃が実行される。通路の清掃が適切なタイミングで行われないと、美観を損ねたり、車両または歩行者の安全な通行の妨げになったりするおそれがある。そこで、通路の周辺の樹木の状況に基づいて、適切に通路の清掃を行うことが望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通路に沿って樹木が植えられた所定地域の適切な清掃を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る清掃支援制御装置は、カメラが撮影した所定地域の樹木の映像を取得する映像取得部と、前記映像取得部が取得した前記映像に基づいて、前記所定地域の清掃を要する前記樹木の状況を予測する予測部と、前記予測部の予測結果に基づいて、前記所定地域の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を決定する決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通路に沿って樹木が植えられた所定地域の適切な清掃を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第一実施形態に係る清掃支援制御装置を備える清掃支援装置の構成例の一例を示すブロック図である。
図2図2は、落葉情報記憶部の一例を示す図である。
図3図3は、第一実施形態に係る清掃支援制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、第二実施形態に係る清掃支援制御装置を備える清掃支援装置の構成例の一例を示すブロック図である。
図5図5は、第三実施形態に係る清掃支援制御装置を備える清掃支援装置の構成例の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る清掃支援制御装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
[第一実施形態]
(清掃支援装置)
図1は、第一実施形態に係る清掃支援制御装置20を備える清掃支援装置10の構成例の一例を示すブロック図である。清掃支援装置10は、例えば、清掃を行う自治体、公的機関、または、民間企業によって行われる、落葉など所定地域の一例である通路の周辺の樹木に起因した通路の清掃を支援する。より詳しくは、清掃支援装置10は、通路の周辺の樹木の状況を予測して、通路の清掃の清掃内容を決定する。
【0011】
通路とは、道路および公園の園路など施設内の通路を含む。
【0012】
通路の周辺の樹木の状況とは、例えば、道路や園路などの通路に沿って植えられた樹木の落葉の発生状況、木の実の落下状況、枯れ枝の発生状況、および、花びらの落下状況などである。通路の周辺の樹木の状況は、例えば、季節変化または時間経過にともなう樹木の変化の状況である。
【0013】
本実施形態では、一例として落葉による通路の清掃を支援するものとして説明する。
【0014】
清掃支援装置10は、カメラ11と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部12と、地図情報記憶部13と、通路の清掃を要する樹木の樹木情報を記憶した樹木情報記憶部の一例である落葉情報記憶部14と、通信部19と、清掃支援制御装置20とを備える。
【0015】
通路の清掃を要する樹木とは、季節変化または時間経過にともなって、例えば、落葉、木の実の落下、枯れ枝の落下、および、花びらの落下などが発生して、通路を清掃する必要がある街路樹などの樹木である。通路の清掃を要する樹木は、例えば、イチョウまたは桜などのような広葉樹、花を咲かせる樹木、および、実がなる樹木である。
【0016】
カメラ11は、通路の周辺の樹木の映像を撮影する。本実施形態では、カメラ11は、例えば、通路の周辺の落葉の発生状況を認識可能な映像を撮影する。
【0017】
カメラ11は、例えば、通路の交通量を認識可能な映像を撮影してもよい。カメラ11は、例えば、歩行者の混雑状況を認識可能な映像を撮影してもよい。
【0018】
カメラ11は、例えば、通路の清掃車両、ゴミ収集車または公共バスのように定期的に通路を走行する車両(以下、「定期走行車両」という。)に搭載されたカメラである。カメラ11は、例えば、道路や公園などに設置されたカメラである。カメラ11は、撮影した映像を、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記憶部に一時的に記憶する。カメラ11は、記憶部に記憶した映像を清掃支援制御装置20の映像取得部22へ出力する。映像は、例えば毎秒30フレームの画像から構成される動画像である。
【0019】
カメラ11は、撮影制御部21から出力された制御信号によって撮影が制御される。カメラ11は、例えば、定期走行車両が清掃対象の通路に位置する場合、撮影するように撮影制御部21によって制御される。カメラ11は、例えば、定期走行車両が清掃対象の通路に位置すると判定されない場合、撮影を行わないように撮影制御部21によって制御される。
【0020】
清掃対象の通路は、例えば、あらかじめ図示しない記憶部に記憶されていてもよい。清掃対象の通路は、例えば、図示しない記憶部に記憶された、過去に通路の清掃が行われた通路としてもよい。清掃対象の通路は、例えば、地図情報記憶部13に記憶された通路の清掃が必要な清掃地域を通る通路としてもよい。清掃対象の通路は、例えば、落葉情報記憶部14に記憶された場所を通る通路としてもよい。
【0021】
GNSS受信部12は、カメラ11とともに、例えば、定期走行車両に搭載されている。GNSS受信部12は、GNSS衛星からのGNSS信号を受信する。GNSS受信部12は、受信したGNSS信号を清掃支援制御装置20の位置情報取得部23に出力する。GNSS受信部12は、例えば、GNSS信号を受信可能なGNSS受信回路およびアンテナなどで構成されている。
【0022】
地図情報記憶部13は、地図情報を記憶する。地図情報記憶部13は、記憶している地図情報を清掃支援制御装置20の地図情報取得部24へ出力する。地図情報記憶部13は、通信機能を介して地図情報を取得する外部サーバ等の記憶装置であってもよい。
【0023】
地図情報は、例えば、交差点を含む道路などの通路を含む道路地図である。地図情報は、例えば、通路の周辺の樹木に起因した通路の清掃が必要な清掃地域を示す情報を含む。例えば、落葉の多い地域、または、落葉する樹木が植えられた地域が、清掃地域である。
【0024】
落葉情報記憶部14は、例えば、RAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、メモリカードなどの記憶部である。または、落葉情報記憶部14は、通信部11を介して無線接続される外部記憶部であってもよい。落葉情報記憶部14は、後述する予測部26によって清掃対象となる落葉の落ち葉量を予測するための落葉情報を記憶する。
【0025】
図2は、落葉情報記憶部14の一例を示す図である。図2に示す例では、落葉情報記憶部14は、場所と、樹木の種類・樹齢と、日時と、ファイル名と、葉の色づきレベルと、落ち葉量と、清掃実施予定日とを落葉情報として記憶する。場所とは、後述するファイル名で特定される映像が撮影された場所である。場所は、位置情報取得部23によって取得された位置情報と地図情報取得部24によって取得された地図情報から特定される場所である。樹木の種類・樹齢は、場所に植えられている樹木の種類・樹齢である。樹木の種類・樹齢は、場所ごとにあらかじめ登録されてもよい。樹木の種類・樹齢は、認識部25によって映像から認識されてもよい。日時は、後述するファイル名で特定される映像が撮影された日時である。ファイル名は、映像のファイル名である。色づきレベルは、認識部25によって映像から認識された樹木の色づきのレベルである。落ち葉量は、予測部27によって予測される樹木の落ち葉量のレベルである。なお、通路の清掃は、落ち葉量が例えば70%程度の閾値以上である場合に行われる。清掃実施予定日は、決定部27によって決定された清掃の実施予定日である。
【0026】
図2に示す落葉情報の一例は、場所が「国道△号 □□交差点付近」、樹木の種類・樹齢が「イチョウ」、日時が「2021/11/1 10:18」、ファイル名が「aaaaa.mp4」、色づきレベルが「30%」、落ち葉量が「0%」であることが記憶されている。このデータは、落ち葉量が閾値未満であるので、清掃予定実施日が登録されていない。
【0027】
図2に示す落葉情報の他の例では、場所「国道△号 □□交差点付近」について、樹木の種類・樹齢が「イチョウ」、日時が「2021/12/3 11:04」、ファイル名が「bbbbb.mp4」、色づきレベルが「80%」、落ち葉量が「70%」、清掃実施予定日が「2021/12/5」であることが記憶されている。
【0028】
通信部19は、通信ユニットである。通信部19は、決定部27によって決定された内容を受信する装置と通信可能である。通信部19は、例えば、通路の清掃を行う自治体、公的機関、または、民間企業の設備に設置された管理装置との通信を可能にする。
【0029】
(清掃支援制御装置)
清掃支援制御装置20は、通路の清掃を行う自治体、公的機関、または、民間企業の設備に設置されてもよい。清掃支援制御装置20は、例えば、定期走行車両に搭載されてもよい。清掃支援制御装置20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置(制御装置)である。清掃支援制御装置20は、記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。清掃支援制御装置20には図示しない内部メモリが含まれ、内部メモリは清掃支援制御装置20におけるデータの一時記憶などに用いられる。清掃支援制御装置20は、撮影制御部21と、映像取得部22と、位置情報取得部23と、地図情報取得部24と、認識部25と、予測部26と、決定部27と、通信制御部29とを有する。
【0030】
撮影制御部21は、カメラ11による撮影を制御する。撮影制御部21は、例えば、位置情報取得部23によって取得された位置情報から、定期走行車両が清掃対象の通路に位置すると判定される場合、撮影するようカメラ11を制御する。撮影制御部21は、例えば、位置情報取得部23によって取得された位置情報から、定期走行車両が清掃対象の通路に位置すると判定されない場合、撮影を行わないようカメラ11を制御する。
【0031】
映像取得部22は、通路の周辺の樹木の映像を取得する。映像取得部22は、カメラ11によって撮影されて記憶部に記憶された映像を取得する。映像取得部22は、図3に示すフローチャートの処理を実行する前に映像を取得する。
【0032】
位置情報取得部23は、定期走行車両の位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部23は、GNSS受信部12が受信したGNSS信号に基づいて、定期走行車両の現在地の位置を示す位置情報を公知の方法によって算出する。位置情報取得部23によって算出された位置情報は、映像取得部22によって取得された映像と対応付け可能である。
【0033】
地図情報取得部24は、地図情報記憶部13から地図情報を取得する。より詳しくは、地図情報取得部24は、映像が撮影されたときに対応する、位置情報取得部23が取得した定期走行車両の現在位置情報に基づいて、定期走行車両の現在位置の地図情報を取得する。地図情報取得部24は、映像が撮影されたときの地図上の位置を取得可能である。
【0034】
認識部25は、カメラ11が撮影した映像から、通路の周辺の樹木の状況を認識する。本実施形態では、認識部25は、カメラ11が撮影した映像から、通路の周辺の落葉の状況を認識する。認識部25は、図示しない認識辞書記憶部に記憶された認識辞書を用いて、カメラ11が撮影した映像から樹木および落葉を認識する。認識部25は、映像に対して、認識辞書を用いたパターンマッチングを行って、樹木および落葉を認識する処理を行う。映像から樹木および落葉を認識する方法は公知の方法を使用可能であり、限定されない。認識部25は、認識した認識結果を、映像および場所と対応付けて落葉情報記憶部14に記憶する。
【0035】
本実施形態では、認識部25は、映像から、樹木の種類および樹齢を認識してもよい。この場合、認識辞書には、樹木の種類および樹齢を認識するための情報が含まれる。
【0036】
本実施形態では、認識部25は、映像から、例えば、樹木の葉の色づきを認識する。この場合、認識辞書には、樹木の種類ごとに、葉の色づきのレベルを認識するための情報が含まれる。認識部25は、例えば、樹木の葉の色づきをレベルとして数値化して認識してもよい。葉の色づきは、過去の観測結果や専門機関の情報などに基づいて、樹木の種類ごとに落葉時期と対応付けられる。例えば、イチョウの葉の色が緑色から黄色に変化し、更に所定の黄色の状態になると落葉する場合、葉の色づきのレベルが所定の黄色の状態であることを認識すれば、葉が散る時期を予測することができる。
【0037】
認識部25は、映像から、例えば、樹木の開花(咲く花)のレベルを認識してもよい。認識された開花のレベルと樹木の種類ごとに予測される開花してから散り始めるまでの期間に基づいて、花びらが散る時期を予測することができる。
【0038】
認識部25は、例えば、図2に示す動画「aaaaa.mp4」からは、色づきのレベルが「30%」と認識される。認識部25は、例えば、図2に示す動画「bbbbb.mp4」からは、色づきのレベルが「80%」と認識される。色づきのレベルは、樹木の種類ごとに設定される。色づきは、例えば、落葉し始める、または所定期間経過後に落葉する葉の色である。色づきは、例えば、季節変化または時間経過にともなって、自然に落下する花びらや木の実などの色づきでもよい。色づきのレベルは、例えば、映像における樹木の全体の面積に対する、色づいた葉の面積の割合である。色づきのレベルが「80%」である場合、映像に表示された樹木の80%が色づいていることを示す。複数の異なる種類の樹木が混在する樹木の場合は、樹木の種類ごとに色づきのレベルを認識してもよい。
【0039】
本実施形態では、認識部25は、例えば、樹木の下方の歩道上および通路上に堆積した葉の堆積量を認識する。この場合、認識辞書には、樹木の種類ごとに、堆積した葉を認識するための情報が含まれる。認識部25は、例えば、葉の堆積量をレベルとして数値化して認識してもよい。葉の堆積量は、例えば、映像における樹木の下方の通路および歩道の全体の面積に対する、葉が堆積している部分の面積の割合である。葉の堆積量のレベルが「50%」である場合、映像に表示された樹木の下方の歩道上および通路上の50%に葉が堆積していることを示す。
【0040】
葉の堆積量には、例えば、樹木から落ちる木の実、枯れ枝、花びらなどを含めてもよい。
【0041】
本実施形態では、認識部25は、通路の交通量を認識してもよい。より詳しくは、認識部25は、映像から車両を認識する。映像から車両を認識する方法は公知の方法を使用可能である。認識部25は、認識した車両の台数から通路の交通量を認識する。
【0042】
本実施形態では、認識部25は、歩行者の混雑状況を認識してもよい。より詳しくは、認識部25は、映像から歩行者を認識する。映像から歩行者を認識する方法は公知の方法を使用可能である。認識部25は、認識した歩行者の人数から歩行者の混雑状況を認識する。
【0043】
予測部26は、映像取得部22が取得した映像に基づいて、通路の清掃を要する樹木の状況を予測する。本実施形態では、予測部26は、認識部25による認識結果と、落葉情報記憶部14に記憶された過去数年分の落葉情報とに基づいて、清掃対象となる落葉の落ち葉量を予測する。
【0044】
予測される落ち葉量は、すでに通路に堆積している葉の堆積量と、これから樹木から落ちる葉の量とを合わせたものである。落ち葉量は、レベルとして数値化して予測されてもよい。
【0045】
より詳しくは、予測部26は、例えば、認識部25によって認識された葉の色づきのレベルおよび葉の堆積量のレベルの少なくともどちらかと、落葉情報記憶部14に記憶された過去数年分の落葉情報とに基づいて、落ち葉量を予測する。予測部26は、例えば、2週間程度の所定期間経過後の落ち葉量を予測する。
【0046】
予測部26は、例えば、樹木の葉の色づきのレベルに対応して、自然に落葉するまでの期間を示す情報をあらかじめ記憶しておき、認識部25によって認識された葉の色づきのレベルから、所定期間経過後の落ち葉量を予測してもよい。
【0047】
予測部26は、例えば、通路の所定区間ごとの落ち葉量を予測する。予測部26は、例えば、通路を数10m程度の区間に区切って、区間ごとに落ち葉量を予測する。
【0048】
決定部27は、予測部26の予測結果に基づいて、通路の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容(清掃計画など)を決定する。決定部27は、予測結果の落ち葉量が閾値以上である場合、通路の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を決定する。決定部27は、例えば、予測結果の落ち葉量が閾値以上である通路の区間を含む通路の清掃地域を決定する。決定部27は、例えば、最短で実行可能な通路の清掃日時を決定する。
【0049】
決定部27は、清掃内容として、さらに清掃地域の清掃ルートを決定してもよい。より詳しくは、決定部27は、地図情報取得部24によって取得された地図情報に基づいて、清掃地域の清掃対象の通路を通過する最短の清掃ルートを決定してもよい。
【0050】
通信制御部29は、通信部19を介して、通路の清掃を行う自治体、公的機関、または、民間企業のユーザが使用する端末装置との通信を制御する。本実施形態では、通信制御部29は、決定部27の決定した清掃内容を示す情報をユーザの使用する端末装置へ送信するよう制御する。通信制御部29は、例えば、通路の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を示す情報をユーザの使用する端末装置へ送信するよう制御する。通信制御部29は、例えば、清掃ルートを示す情報をユーザの使用する端末装置へ送信するよう制御してもよい。
【0051】
(清掃支援制御)
次に、図3を用いて、清掃支援制御装置20を備える清掃支援装置10における清掃支援制御方法及び作用について説明する。図3は、第一実施形態に係る清掃支援制御装置における処理の流れを示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの処理に先立って、例えば、定期走行車両に搭載されたカメラ11は、撮影制御部21から出力された制御信号によって、定期走行車両が清掃対象の通路に位置するときに、通路の周辺の樹木の映像を撮影する。このとき、定期走行車両に搭載されたGNSS受信部によって、映像に対応付けて、映像が撮影された位置を示す信号が受信される。そして、カメラ11によって撮影された映像と映像が撮影された位置とは対応付けられて記憶部に記憶される。
【0052】
清掃支援制御装置20は、映像取得部22によって、カメラ11により撮影されて記憶部に記憶された映像を取得する。また、清掃支援制御装置20は、映像とともに、映像が撮影された位置を示す位置情報を取得する。
【0053】
清掃支援制御装置20は、例えば、週末の夜間ごとなどの所定の間隔で、図3に示すフローチャートの処理を実行する。清掃支援制御装置20は、例えば、ユーザによる処理の実行操作を検出して、図3に示すフローチャートの処理を実行してもよい。
【0054】
清掃支援制御装置20は、樹木を認識する(ステップS101)。より詳しくは、清掃支援制御装置20は、認識部25によって、カメラ11が撮影した映像から、通路の周辺の落葉の状況を認識する。清掃支援制御装置20は、認識部25によって、映像から、例えば、樹木の葉の色づきを認識する。清掃支援制御装置20は、認識部25によって、映像から、例えば、樹木の下方の歩道上および通路上に堆積した葉の堆積量を認識する。清掃支援制御装置20は、ステップS102へ進む。
【0055】
清掃支援制御装置20は、落葉を予測する(ステップS102)。より詳しくは、清掃支援制御装置20は、予測部26によって、認識部25による認識結果と、落葉情報記憶部14に記憶された過去数年分の落葉情報とに基づいて、清掃対象となる落葉の落ち葉量を予測する。清掃支援制御装置20は、予測部26によって、例えば、認識部25によって認識された葉の色づきのレベルおよび葉の堆積量のレベルの少なくともどちらかと、落葉情報記憶部14に記憶された過去数年分の落葉情報とに基づいて、所定期間経過後の落ち葉量を予測する。清掃支援制御装置20は、ステップS103へ進む。
【0056】
清掃支援制御装置20は、清掃が必要か否かを判定する(ステップS103)。清掃支援制御装置20は、予測部26の予測結果である落ち葉量が閾値以上である場合、清掃が必要であると判定する。清掃支援制御装置20は、予測部26の予測結果である落ち葉量が閾値未満である場合、清掃が必要ではないと判定する。清掃支援制御装置20は、清掃が必要であると判定する場合(ステップS103でYes)、ステップS104へ進む。清掃支援制御装置20は、清掃が必要ではないと判定する場合(ステップS103でNo)、ステップS101の処理を再度実行する。
【0057】
清掃が必要であると判定する場合(ステップS103でYes)、清掃支援制御装置20は、清掃内容を決定する(ステップS104)。より詳しくは、清掃支援制御装置20は、決定部27によって、予測部26の予測結果に基づいて、通路の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を決定する。清掃支援制御装置20は、決定部27によって、清掃地域の清掃ルートを決定する。清掃支援制御装置20は、ステップS105へ進む。
【0058】
清掃支援制御装置20は、清掃内容を通知する(ステップS105)。より詳しくは、清掃支援制御装置20は、通信制御部29によって、決定部27の決定した清掃内容を示す情報をユーザの使用する端末装置へ送信するよう制御する。清掃支援制御装置20は、通信制御部29によって、例えば、通路の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を示す情報をユーザの使用する端末装置へ送信するよう制御する。清掃支援制御装置20は、通信制御部29によって、例えば、清掃ルートを示す情報をユーザの使用する端末装置へ送信するよう制御してもよい。
【0059】
(効果)
上述したように、本実施形態は、通路の周辺の樹木を撮影した映像から、落ち葉量を予測して、通路の清掃地域および清掃日時の少なくともどちらかを含む清掃内容を決定することができる。本実施形態は、適切なタイミングで通路を清掃することができる。このように、本実施形態は、通路に沿って樹木が植えられた所定地域の適切な清掃を支援することができる。本実施形態によれば、適切な通路の清掃を支援することができる。
【0060】
[第二実施形態]
図4を参照しながら、本実施形態に係る清掃支援制御装置20Aについて説明する。図4は、第二実施形態に係る清掃支援制御装置20Aを備える清掃支援装置10Aの構成例の一例を示すブロック図である。本実施形態は、交通情報取得部31Aを有する点と、決定部27Aにおける処理とが第一実施形態と異なる。清掃支援装置10Aの基本的な構成は第一実施形態の清掃支援装置10と同様である。以下の説明においては、清掃支援装置10と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
交通情報取得部31Aは、通路の交通量を示す情報および歩行者の混雑状況を示す情報の少なくともどちらかを含む交通情報を取得する。交通情報取得部31Aは、例えば、通信部19を介して、外部の装置から交通情報を取得する。
【0062】
交通情報取得部31Aは、取得した交通情報を、通路の交通および歩行者の混雑状況の傾向を分析可能にするために履歴として取得する。交通情報の履歴を分析して、例えば、時間帯ごと、または、曜日ごとなどに、通路の交通量および歩行者の混雑状況が多いか少ないかを通路の交通量の傾向として把握する。
【0063】
交通情報取得部31Aは、認識部25の認識結果から交通情報を取得してもよい。
【0064】
決定部27Aは、交通情報取得部31Aによって取得された交通情報に基づいて、清掃内容を決定する。より詳しくは、決定部27Aは、例えば、通路の交通量および歩行者の混雑状況の少なくともどちらかに基づいて、清掃日時を決定してもよい。決定部27は、例えば、通路の交通量の傾向から通路の交通量が少ない時間帯を清掃日時として決定してもよい。決定部27は、例えば、歩行者の混雑状況の傾向から歩行者が混雑していない時間帯を清掃日時として決定してもよい。
【0065】
上述したように、本実施形態では、交通情報を考慮して通路を清掃することができる。本実施形態によれば、通路の交通量が少ない時間帯を清掃日時として決定することができる。本実施形態によれば、歩行者が混雑していない時間帯を清掃日時として決定することができる。本実施形態によれば、交通情報に応じて、より適切に通路の清掃を支援することができる。
【0066】
[第三実施形態]
図5を参照しながら、本実施形態に係る清掃支援制御装置20Bについて説明する。図5は、第三実施形態に係る清掃支援制御装置20Bを備える清掃支援装置10Bの構成例の一例を示すブロック図である。本実施形態は、気象情報取得部32Bを有する点と、決定部27Bにおける処理とが第一実施形態と異なる。清掃支援装置10Bの基本的な構成は第一実施形態の清掃支援装置10と同様である。
【0067】
気象情報取得部32Bは、気温、風速および降水量の少なくともいずれかを含む気象情報を取得する。気象情報取得部32Bは、落ち葉量に影響を及ぼすおそれがある気象に関する気象情報を取得する。気象情報取得部32Bは、例えば、通信部19を介して、外部の装置から気象情報を取得する。
【0068】
決定部27Bは、気象情報取得部32Bによって取得された気象情報に基づいて、清掃内容を決定する。決定部27Bは、例えば、最新の気象情報に基づいて、気温、風速および降水量の少なくともいずれかを参考にして、清掃日時を決定してもよい。決定部27Bは、清掃内容を決定した後に、最新の気象情報に基づいて、清掃内容を再度決定してもよい。
【0069】
決定部27Bは、例えば、前回、決定された清掃日時より後に強風予測を含む気象情報を取得した場合、強風により大量の落葉が発生することが予測されるので、強風予測日より後に清掃日時を変更してもよい。
【0070】
決定部27Bは、例えば、前回、決定された清掃日時より後に降雨の予測を含む気象情報を取得した場合、降雨により落葉が濡れて路面に付着することが予測されるので、降雨予測日より前に清掃日時を変更してもよい。
【0071】
決定部27Bは、例えば、前回、決定された清掃日時より前に強風予測を含む気象情報を取得した場合、強風により飛散した落葉が堆積する地域を清掃地域に含めたり、落葉が堆積する地域を優先するように清掃ルートを変更したりしてもよい。
【0072】
上述したように、本実施形態では、気象情報を考慮して通路を清掃することができる。本実施形態によれば、例えば、気象情報に基づいて清掃日時または清掃地域を変更することができる。本実施形態によれば、気象情報に応じて、より適切に通路の清掃を支援することができる。
【0073】
さて、これまで本発明に係る清掃支援制御装置について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0074】
図示した清掃支援制御装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況等に応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0075】
清掃支援制御装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラム等によって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0076】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【0077】
上記では、カメラ11は、定期走行車両に搭載されたものとして説明したが、これに限定されない。カメラ11は、例えば、定期走行車両以外の車両に設けられた車載カメラ、または、道路や公園などに配置された固定カメラであってもよい。
【0078】
上記では、清掃支援制御装置20は、複数の定期走行車両に搭載されたカメラ11によって撮影された映像を取得してもよい。
【0079】
上記では、樹木情報の一例として、落葉情報について説明した。樹木情報は、街路樹などの樹木の種類および樹齢の少なくともどちらかを示す情報を含む。
【符号の説明】
【0080】
10 清掃支援装置
11 カメラ
12 GNSS受信部
13 地図情報記憶部
14 落葉情報記憶部(樹木情報記憶部)
19 通信部
20 清掃支援制御装置
21 撮影制御部
22 映像取得部
23 位置情報取得部
24 地図情報取得部
25 認識部
26 予測部
27 決定部
29 通信制御部
図1
図2
図3
図4
図5