(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141291
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】カメラシステムおよびカメラシステムの制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20230928BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20230928BHJP
B61L 23/00 20060101ALN20230928BHJP
【FI】
H04N5/232 300
H04N7/18 J
B61L23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047526
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥平 将俊
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅俊
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
5H161
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA03
5C054EA05
5C054EA07
5C054FD07
5C054FF02
5C054GB01
5C054GB05
5C054HA30
5C122DA03
5C122DA11
5C122EA01
5C122FA18
5C122FK23
5C122GC07
5C122GC53
5C122GC86
5C122HA10
5C122HA40
5C122HA86
5C122HA90
5C122HB02
5H161AA01
5H161MM01
5H161MM11
5H161NN01
5H161NN10
(57)【要約】
【課題】データ損失およびデータ損失によるモニタ上の映像停止等の不具合を防ぐ技術を提供する。
【解決手段】複数のカメラを備えるカメラシステムであって、複数のカメラは、GOP形式の映像データを出力し、複数のカメラは、Iフレーム生成タイミングが互いに重ならない映像データを出力するカメラシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカメラを備えるカメラシステムであって、
複数の前記カメラは、GOP形式の映像データを出力し、
複数の前記カメラは、Iフレーム生成タイミングが互いに重ならない映像データを出力する、
カメラシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラシステムであって、
複数の前記カメラは、前記カメラシステムで管理している時刻に同期し、同期した時刻に基づきIフレームを生成する、
カメラシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカメラシステムであって、
前記カメラシステムは、システム制御装置を備え、
前記システム制御装置は、前記カメラシステムで管理している時刻に基づき、複数の前記カメラの各々に対してIフレーム生成タイミングを指定する、
カメラシステム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のカメラシステムであって、
前記カメラシステムで管理している時刻は、GPS信号に同期する、
カメラシステム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のカメラシステムであって、
複数の前記カメラは、GOP周期が他の前記カメラとは異なる映像データを出力する前記カメラを含む、
カメラシステム。
【請求項6】
複数のカメラを備えるカメラシステムの制御方法であって、
複数の前記カメラは、GOP形式の映像データを出力し、
複数の前記カメラは、Iフレーム生成タイミングが互いに重ならない映像データを出力する、
カメラシステムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステムおよびカメラシステムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
列車に乗降する際の乗客の安全確保は、列車運行にとって重要な課題である。このような安全対策の一環として、車両の側面に取り付けられたカメラでドア付近を撮影し、そのカメラ映像を運転台のモニタに表示させる列車監視システムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなシステムを利用することで、列車の運転士は、駅停車時に運転台のモニタで乗客の乗降を確認し、列車の運行を行うことが可能となる。従来は、乗客の安全の監視にはリアルタイム性が求められるため、遅延が発生しないアナログシステムが優先して用いられていたが、近年では、IP技術の進歩により低遅延伝送が可能となったので、すべての装置がIPネットワークに接続されるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両内のネットワークの通信帯域には限りがあるため、モニタ装置で複数のカメラの映像データを同時に表示させようとすると通信経路の途中で通信帯域を超過し、データ損失が発生してしまうことがあった。
【0006】
本発明の目的は、データ損失およびデータ損失によるモニタ上の映像停止等の不具合を防ぐ技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、代表的な本発明のカメラシステムの一つは、複数のカメラを備えるカメラシステムであって、複数のカメラは、GOP形式の映像データを出力し、複数のカメラは、Iフレーム生成タイミングが互いに重ならない映像データを出力するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データ損失およびデータ損失によるモニタ上の映像停止等の不具合を防ぐことができる。
【0009】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の発明を実施するための形態における説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るカメラシステムの構成例を示す図である。
【
図2】実施形態のネットワークカメラの機能ブロックを示す図である。
【
図3】実施形態のネットワークカメラがシステム制御装置からIフレーム生成タイミングを設定された際の動作を示す図である。
【
図4】実施形態のシステム制御装置の機能ブロックを示す図である。
【
図5】実施形態のシステム制御装置が各ネットワークカメラに対してIフレーム生成タイミングを設定する際の動作を示す図である。
【
図6】変形例のシステム制御装置が各ネットワークカメラに対してIフレーム生成タイミングを設定する際の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0012】
本実施形態の映像データの通信量の平滑化技術を適用するシステムは、LAN等のネットワークインタフェースを備えたネットワークカメラ、ネットワークスイッチ、映像データを復号化し映像表示を行うモニタ装置、システムに接続している各機器を制御するシステム制御装置、およびこれらを接続するネットワークケーブルから構成される。これらの装置で構成されたシステムにおいて、システム制御装置が各ネットワークカメラに対してシステムで管理している時刻に基づいたIフレーム生成タイミングを個別に設定することで、ネットワーク上を流れる映像データの通信量が平滑化されるように制御を行う。
【0013】
ネットワークカメラとして、例えば、H.264やH.265などの、GOP(Group of Picture)形式の圧縮符号化ストリームで映像データを出力するネットワークカメラがある。GOP形式の映像データは、Iフレーム(Intra-coded Frame)、Pフレーム(Predicted Frame)、またはBフレーム(Bi-directional predicted Frame)のいずれかの形式による、連続する複数フレームの画像で構成される。Iフレームは時間方向の予測を用いず単体で符号化された画像であり、Pフレームは前方予測で符号化された画像であり、Bフレームは前方・後方・双方向のいずれかで符号化された画像である。
【0014】
Iフレームは、前記の通り時間方向の予測を用いず単体で符号化された画像であるため、一般的にはPフレームやBフレームに比べて非常に大きなデータ量になることが知られている。したがって、システム上に複数のネットワークカメラがあり、それらカメラが出力する映像データが同一経路を経由する場合において、Iフレームの映像データのタイミングが重なると瞬間的に通信経路の帯域を超えてしまう可能性がある。
【0015】
本実施形態では、前記Iフレームの生成タイミングを故意にずらすために、制御を受けるネットワークカメラには設定されたタイミングに応じてIフレームを生成する機能があり、制御を行うシステム制御装置には通信経路の帯域と前記ネットワークカメラの台数に応じて、各カメラに対して個別のIフレーム生成タイミングを自動的に設定する機能がある。
【0016】
また、システムが管理する時刻の基準としてGPS信号を使用しても良い。この場合、システム制御装置がGPSに同期した後、NTPなどで各ネットワークカメラが従属同期しても良いし、各装置が独自にGPSに対して同期しても良い。
【0017】
本実施形態では、本発明を列車のドア監視に用いる場合について説明する。
図1には、本実施形態に係るカメラシステムの構成例を示してある。
【0018】
図1のカメラシステム100は、車両111~116の6両で編成された列車に搭載されている。図面左方向に向かって列車が進行する場合には、左端に示す1両目の車両111が先頭となり、右端に示す6両目の車両116が最後尾となる。また逆に、図面右方向に向かって列車が進行する場合には、右端に示す6両目の車両116が先頭となり、左端に示す1両目の車両111が最後尾となる。以下では、列車の進行方向において先頭となる車両(例えば、1両目の車両111)に運転士が搭乗し、列車の運行(運転やドアの開閉等)の操作を一人で行う場合を例にして説明する。
【0019】
カメラシステム100は、ネットワークカメラ121、モニタ装置122、記録装置123、システム制御装置124、上位システム125、ネットワークスイッチ126を含むが、これら以外の要素を含んでいてもよい。これらの機器は、ネットワークケーブルを用いて接続される。また、これらの機器には、電源供給ケーブルが接続されており、各車両の電源供給部(不図示)から電源が供給される。
【0020】
車両111~116の各々には、4台のネットワークカメラ121-1~121-4と、ネットワークスイッチ126が設置されている。また、1両目の車両111および6両目の車両116には運転室があり、この運転室内に2台のモニタ装置122-1~122-2が設置されている。各車両のネットワークカメラ121およびモニタ装置122は、その車両のネットワークスイッチ126にネットワークケーブルで接続されている。更に、1両目の車両111には、記録装置123と、システム制御装置124と、上位システム125も設置されている。記録装置123およびシステム制御装置124は、ネットワークスイッチ126にネットワークケーブルで接続されており、上位システム125は、システム制御装置124にネットワークケーブルで接続されている。なお、6両目の車両116にも、1両目の車両111と同様にシステム制御装置124や上位システム125を設け、これらの装置を多重化してもよい。
【0021】
また、各車両のネットワークスイッチ126は、隣接する車両のネットワークスイッチ126とネットワークケーブルで接続されている。このように、隣り合う車両にそれぞれ搭載されたネットワークスイッチ126同士を接続することで、列車内に1つのネットワークを構成している。なお、これらのネットワークケーブルは、例えば、車両床下を経由してツナギ箱(不図示)へ接続され、車両間についてはそれぞれ隣り合う車両のツナギ箱間をジャンパ線で接続する。
【0022】
上位システム125は、例えば、列車の運行を管理する装置である。上位システム125としては、一例として、TMS(Train Management System)が用いられる。上位システム125は、列車の運行中には、列車の運行情報をシステム制御装置124に所定の周期で出力することができる。列車の運行情報には、列車速度情報、ドア開閉情報(例えば、ドアの開閉状態を示す情報)、次に停車する駅もしくは現在停車中の駅のプラットホームにおける乗降口情報(例えば、開扉すべきドアが列車の右側か左側かを示す情報)、車両数、列車進行方向情報などが含まれる。
【0023】
各車両のネットワークカメラ121は、予め定められた視野(画角)内を所定のフレームレート(例えば、30fps)で撮影することができる。また、各車両のネットワークカメラ121は、撮影した映像を符号化して得られたGOP形式の映像データを、ネットワークスイッチ126やネットワークケーブルを通じてモニタ装置122や記録装置123に送信する。
【0024】
記録装置123は、各車両のネットワークカメラ121から受信した映像データを、その映像データの送信元を識別するカメラ識別情報および撮像時刻と関連付けて常時記録することができる。記録装置123に記録された映像データは、主に事故や犯罪の発生等の有事の際に、解析資料や証拠映像として使用される。
【0025】
運転室のモニタ装置122は、各車両のネットワークカメラ121から送信されるライブの映像データを表示することができる。また、運転室のモニタ装置122は、記録装置123に記録された過去の映像データを表示することもできる。運転士は、モニタ装置122を用いて、各車両のネットワークカメラ121により撮影されたカメラ映像を確認することができる。
【0026】
2台のモニタ装置122-1~122-2は、これらの表示を運転士が同時に見ることができるように、上下もしくは左右に並べて配置することが好ましい。また、本実施形態では、モニタ装置122-1のディスプレイ領域を上下2分割および左右6分割の12分割にしてあり、モニタ装置122-2も同様である。したがって、モニタ装置122-1だけで、6両編成の列車のカメラ映像(列車の片側にある合計12のカメラ映像)を同時に表示することができる。また、モニタ装置122-2を併用することで、最大で12両編成の列車のカメラ映像を同時に表示することもできる。また、モニタ装置122-1に表示された複数のカメラ映像の中から運転士に選択された画像をモニタ装置122-2に拡大表示するなど、各モニタ装置を他の用途に使用することも可能である。
【0027】
システム制御装置124は、運転士から受けた指示に応じて、または列車の運行状態に応じて、モニタ装置122の表示を制御することができる。システム制御装置124は、例えば、列車が駅に停車中の場合はモニタ装置122の表示がオンとなり、列車が走行中の場合はモニタ装置122の表示がオフとなるように制御する。このような表示制御は、例えば、上位システム125から取得できる列車速度情報に基づいて実行することが可能である。なお、列車の速度がゼロか否かに応じて表示のオン/オフを制御してもよいし、列車の速度が所定の閾値以下であるか否かに応じて表示のオン/オフを制御してもよい。
【0028】
また、システム制御装置124は、モニタ装置122による表示対象のネットワークカメラ121を切り替える制御も行う。例えば、駅で列車の右側のドアが開扉する場合には、列車の右側に設置されたネットワークカメラ121-1,121-2を表示対象とし、列車の左側のドアが開扉する場合には、列車の左側に設置されたネットワークカメラ121-3,121-4を表示対象とする。表示対象のネットワークカメラ121は、例えば、乗降口情報や列車進行方向情報に基づいて特定することができる。
【0029】
ここで、本実施形態のシステム制御装置124は、各々のネットワークカメラ121に対してIフレーム生成タイミングを送信するように構成されている。これにより、モニタ装置122は、各々のネットワークカメラ121からIフレーム生成タイミングが互いに重ならないように映像データを受信できるので、カメラ映像を映像停止等の不具合なく表示することが可能となる。
【0030】
図2は本実施形態のネットワークカメラ121の機能ブロックを示している。本実施形態のネットワークカメラ121は、撮像部1211と、符号化部1212と、主記憶部1213と、制御部1214と、ネットワークインタフェース(I/F)1215とが、バス1216を介して互いに接続されている。
【0031】
撮像部1211は、レンズ等の光学系を通じて撮像面に結像された光信号を電気信号に変換し、デジタルデータ(RAWデータ)として出力することができる。符号化部1212は、撮像部から出力されるデジタルデータを所定の方式で圧縮・符号化し、IフレームやPフレーム、Bフレームを含むGOP形式の映像データを生成することができる。主記憶部1213は、撮像部1211により撮像されたデジタルデータや、符号化部1212により符号化された映像データなどを記憶することができる。制御部1214は、後述するように、符号化部1212の動作を制御することができる。ネットワークI/F1215は、ネットワークを通じて、主記憶部1213上の映像データを外部の装置に送信し、また、外部の装置から送信された各種の制御信号を受信するためのインタフェースである。
【0032】
図3は本実施形態のネットワークカメラ121がシステム制御装置124からIフレーム生成タイミングを設定された際の動作を示している。ネットワークカメラ121は、システム制御装置124から受信したIフレーム生成タイミングの時刻になった時に新たなIフレームを生成し、以後そのタイミングを基準としてGOP構造を継続する。この動作により、Iフレーム生成タイミングがシステム制御装置124からの制御を受ける前後で時間軸上をt2、t3、t4からt2’、t3’、t4’へ移動することになる。
【0033】
図4は本実施形態のシステム制御装置124の機能ブロックを示している。本実施形態のシステム制御装置124は、GPSアンテナ1241と、GPS受信機1242とが高周波同軸ケーブル1243で接続され、前記GPS受信機1242と、主記憶部1244と、制御部1245と、ネットワークインタフェース(I/F)1246とがバス1247を介してお互いに接続されている。
【0034】
GPSアンテナ1241は、GPS衛星からのGPS信号を受信し、GPS受信機1242に送ることができる。GPS受信機1242は、受信したGPS信号に同期し、時刻情報を主記憶部1244に送ることができる。主記憶部1244は、GPS信号に同期した時刻情報、ネットワークカメラ121の台数、GOP周期などを記憶することができる。制御部1245は、後述するように、前記主記憶部1244に記憶した情報を元に各ネットワークカメラ121に設定するIフレーム生成タイミングを計算し、各カメラに設定することができる。ネットワークI/F1246は、ネットワークを通じて、主記憶部1244上のIフレーム生成タイミングを各カメラに送信するためのインタフェースである。
【0035】
図5は本実施形態のシステム制御装置124が各ネットワークカメラ121に対してIフレーム生成タイミングを設定する際の動作を示している。システム制御装置124は、GPSに同期した時刻、ネットワークカメラ121の台数、GOP周期から各カメラに設定すべきIフレーム生成タイミングを計算する。単純な例としては、ネットワークカメラ121の台数が10台、すべてのカメラのGOP周期が10秒の場合は、各カメラのIフレーム生成タイミングが1秒ずつずれるように、各カメラに対して設定を行う。また、ネットワークカメラの台数が10台、すべてのカメラのGOP周期が1秒の場合は、各カメラのIフレーム生成タイミングが100ミリ秒ずつずれるように、各カメラに対して設定を行う。
【0036】
このように、本実施形態の映像データの通信量の平滑化技術によれば、従来のシステムでは対応しきれていなかった映像データの通信量の平滑化を行い、限られた通信帯域内で収まるよう制御することで、データ損失およびデータ損失によるモニタ上の映像停止等の不具合を防ぐことができる。
【0037】
<変形例>
上記の実施形態では、複数のネットワークカメラ121は、GOP周期がすべて同じである映像データを出力する構成であったが、複数のネットワークカメラ121は、GOP周期が他のネットワークカメラ121とは異なる映像データを出力するネットワークカメラ121を含む構成とすることもできる。
【0038】
図6は本変形例のシステム制御装置が各ネットワークカメラ121に対してIフレーム生成タイミングを設定する際の動作を示している。例えば、人の乗降が多いドア(特に注意して確認するべきドア)を撮影するネットワークカメラ121のGOP周期を短くし、代わりに人の乗降が少ないドアを撮影するネットワークカメラ121のGOP周期を長くする。これにより、全体の映像データを平滑化する。具体的には、例えば、人の乗降が多いドアを撮影するカメラ1のGOP周期を5秒に、カメラ2ないしカメラ8のGOP周期を10秒に、人の乗降が少ないドアを撮影するカメラ9およびカメラ10のGOP周期を20秒にする。乗降する人の多寡は、あらかじめ駅ごと、ドアごとに記憶しておいてもよいし、画像処理、センサなどにより検出してもよく、具体的な手段は問わない。
【0039】
なお、上述した実施形態では、本発明を列車のドア監視に用いる場合について説明した。しかし、本発明の適用分野はこれに限定されない。本発明は、GOP形式の映像データを出力する複数のカメラを備えるカメラシステム一般に適用可能である。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
100:カメラシステム、111~116:車両、121:ネットワークカメラ、122:モニタ装置、123:記録装置、124:システム制御装置、125:上位システム、126:ネットワークスイッチ、1211:撮像部、1212:符号化部、1213:主記憶部、1214:制御部、1215:ネットワークI/F、1216:バス、1241:GPSアンテナ、1242:GPS受信機、1243:高周波同軸ケーブル、1244:主記憶部、1245:制御部、1246:ネットワークI/F、1247:バス。