(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141344
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】スイッチ装置及び配線システム
(51)【国際特許分類】
H01H 9/54 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
H01H9/54 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047620
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 弘行
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】吉田 博
(72)【発明者】
【氏名】四元 志実
(72)【発明者】
【氏名】宮本 賢吾
【テーマコード(参考)】
5G034
【Fターム(参考)】
5G034AC03
5G034AC20
(57)【要約】
【課題】並列に接続された他のスイッチ装置の状態を判定可能にする。
【解決手段】スイッチ装置1Aは、交流電源PSと負荷LDとの間に接続され、第1接続端子C1及び第2接続端子C2と、開閉部2Aと、充電部3Aと、電圧検出部4Aと、判定部51Aと、を備える。第1接続端子C1及び第2接続端子C2は、交流電源PSと負荷LDとの直列回路が接続される。開閉部2Aは、第1接続端子C1と第2接続端子C2との間に接続され、交流電源PSから負荷LDへの給電路を遮断又は導通する。充電部3Aは、開閉部2Aの両端間の電圧V2Aによって充電される。電圧検出部4Aは、充電部3Aに入力される入力電圧を検出する。判定部51Aは、電圧検出部4Aの検出結果、及び、開閉部2Aの両端間の電圧V2Aの少なくとも一方に基づいて、第1スイッチ装置1Aと並列に接続される第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と負荷との間に接続される第1スイッチ装置として用いられるスイッチ装置であって、
前記交流電源と前記負荷との直列回路が接続される第1接続端子及び第2接続端子と、
前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続され、前記交流電源から前記負荷への給電路を遮断又は導通する開閉部と、
前記開閉部の両端間の電圧によって充電される充電部と、
前記充電部に入力される入力電圧を検出する電圧検出部と、
前記電圧検出部の検出結果、及び、前記開閉部の両端間の電圧の少なくとも一方に基づいて、前記第1スイッチ装置と並列に接続される第2スイッチ装置が導通状態であるか遮断状態であるかを判定する判定部と、を備える、
スイッチ装置。
【請求項2】
前記電圧検出部は、前記充電部への入力電圧が所定値以上である場合に、第1電圧値の電圧信号を前記判定部に入力し、前記充電部への入力電圧が前記所定値より小さい場合に、前記第1電圧値とは異なる第2電圧値の前記電圧信号を前記判定部に入力し、
前記判定部は、前記電圧検出部から入力される前記電圧信号の入力電圧レベルに基づいて、前記第2スイッチ装置が導通状態であるか遮断状態であるかを判定する
請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記判定部の判定結果に基づいて、前記開閉部の開閉状態を制御して、前記第1スイッチ装置を導通状態と遮断状態とに切り替える制御部を更に備える、
請求項1又は2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
人による操作を検知する検知部を更に備え、
前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記開閉部の開閉状態を制御して、前記第1スイッチ装置を導通状態と遮断状態とに切り替える
請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記検知部は、物体の存否を非接触で検知する近接検知センサである
請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記第2スイッチ装置の状態を、導通状態、遮断状態、及び、導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態のいずれかであると判定する
請求項1~5のいずれか1項に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記電圧検出部は、前記充電部への入力電圧が所定値以上である場合に、第1電圧値の電圧信号を前記判定部に入力し、前記充電部への入力電圧が前記所定値より小さい場合に、前記第1電圧値とは異なる第2電圧値の前記電圧信号を前記判定部に入力し、
前記第2スイッチ装置の状態が導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態であるときの、前記電圧検出部から入力される前記電圧信号の入力電圧レベル、前記第2スイッチ装置の状態が導通状態であるときの前記入力電圧レベル、前記第2スイッチ装置の状態が遮断状態であるときの前記入力電圧レベルの順に大きい
請求項6に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記判定部の判定結果に基づいて、前記開閉部の開閉状態を制御して、前記第1スイッチ装置を導通状態と遮断状態とに切り替える制御部を更に備え
前記第1スイッチ装置が導通状態のとき、前記判定部が、前記第2スイッチ装置の状態が導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態であると判定すると、前記制御部は、前記第1スイッチ装置を遮断状態に切り替える
請求項6又は7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のスイッチ装置である第1スイッチ装置と、
前記第1スイッチ装置と並列に接続される第2スイッチ装置と、を備え、
前記第1スイッチ装置は、前記第1接続端子及び前記開閉部である第1開閉部と接続される第3接続端子を更に備え、
前記第2スイッチ装置は、前記交流電源と前記負荷との直列回路が接続される第4接続端子及び第5接続端子と、前記第4接続端子と前記第5接続端子との間に接続され、前記交流電源から前記負荷への給電路を遮断又は導通する第2開閉部と、前記第4接続端子及び前記第2開閉部と接続される第6接続端子と、を備え、
前記第3接続端子と、前記第5接続端子とが接続され、
前記第2接続端子と、前記第6接続端子とが接続され、
前記第1接続端子と、前記第4接続端子との間に前記交流電源と前記負荷との直列回路が接続される
配線システム。
【請求項10】
前記第2スイッチ装置の状態は、導通状態、遮断状態、及び、導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態を含み、
前記第2スイッチ装置は、導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態である場合に、前記交流電源から供給される交流電圧の極性が切り替わるゼロクロス点を少なくとも含む期間において、前記第2開閉部を閉状態に維持する
請求項9に記載の配線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スイッチ装置及び配線システムに関する。より詳細には、本開示は、電源から負荷への給電路を遮断又は導通するスイッチ装置及び配線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の非接触スイッチ装置は、検知範囲内の人の存在又は動きを検知する検知手段と、電源から負荷への給電経路を開閉する開閉手段と、検知手段の検知出力に応じて開閉手段を制御する制御手段と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような非接触スイッチを、給電路の開閉を多箇所で行うために複数個並列に接続した場合に、各々の非接触スイッチにおいて、他の非接触スイッチの状態を判定できないという問題があった。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、並列に接続された他のスイッチ装置の状態を判定することができるスイッチ装置、及びこのスイッチ装置を用いた配線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るスイッチ装置は、交流電源と負荷との間に接続される第1スイッチ装置として用いられるスイッチ装置であって、第1接続端子及び第2接続端子と、開閉部と、充電部と、電圧検出部と、判定部と、を備える。前記第1接続端子及び第2接続端子は、前記交流電源と前記負荷との直列回路が接続される。前記開閉部は、前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に接続され、前記交流電源から前記負荷への給電路を遮断又は導通する。前記充電部は、前記開閉部の両端間の電圧によって充電される。前記電圧検出部は、前記充電部に入力される入力電圧を検出する。前記判定部は、前記電圧検出部の検出結果、及び、前記開閉部の両端の電圧の少なくとも一方に基づいて、前記第1スイッチ装置と並列に接続される第2スイッチ装置が導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。
【0007】
本開示の一態様に係る配線システムは、前記スイッチ装置である第1スイッチ装置と、前記第1スイッチ装置と並列に接続される第2スイッチ装置と、を備える。前記第1スイッチ装置は、第3接続端子を更に備える。前記第3接続端子は、前記第1接続端子、及び、前記開閉部である第1開閉部と接続される。前記第2スイッチ装置は、第4接続端子及び第5接続端子と、第2開閉部と、第6接続端子と、を備える。前記第4接続端子及び前記第5接続端子は、前記交流電源と前記負荷との直列回路が接続される。前記第2開閉部は、前記第4接続端子と前記第5接続端子との間に接続され、前記交流電源から前記負荷への給電路を遮断又は導通する。前記第6接続端子は、前記第4接続端子及び前記第2開閉部と接続される。前記第3接続端子と、前記第5接続端子とが接続される。前記第2接続端子と、前記第6接続端子とが接続される。前記第1接続端子と、前記第4接続端子との間に前記交流電源と前記負荷との直列回路が接続される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、並列に接続された他のスイッチ装置の状態を判定することができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る配線システムの接続関係を示す概略的な回路図である。
【
図2】
図2は、同上の配線システムの構成を示す概略的な回路図である。
【
図3】
図3は、同上の配線システムに含まれる第2スイッチ装置の第1の切替動作を示すタイミングチャートである。
【
図4】
図4は、同上の配線システムに含まれる第1スイッチ装置の第1の切替動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】
図5は、比較例の第2スイッチ装置における第2の切替動作を示すタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、比較例の第1スイッチ装置における第2の切替動作を示すタイミングチャートである。
【
図7】
図7は、同上の配線システムに含まれる第2スイッチ装置の第2の切替動作を示すタイミングチャートである。
【
図8】
図8は、同上の配線システムに含まれる第1スイッチ装置の第2の切替動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施形態に係るスイッチ装置1及び配線システム10について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態(変形例を含む)は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0011】
(1)概要
以下、スイッチ装置1及び配線システム10の概要について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0012】
配線システム10は2つのスイッチ装置1(第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1B)を備える。
図1に示すように、第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bは並列に接続されている。ここで、第1スイッチ装置1Aと第2スイッチ装置1Bとは、例えば住居等の施設内において、距離を隔てた2箇所に各々設置される。
【0013】
第1スイッチ装置1Aは、交流電源PSと負荷LDとの間に接続される。
【0014】
第1スイッチ装置1Aは、
図1及び
図2に示すように、交流電源PSと負荷LDとの直列回路が接続される第1接続端子C1及び第2接続端子C2と、開閉部(第1開閉部2A)と、充電部3Aと、電圧検出部4Aと、判定部51Aと、を備える。
【0015】
第1開閉部2Aは、第1接続端子C1と第2接続端子C2との間に接続され、交流電源PSから負荷LDへの給電路を遮断又は導通する。
【0016】
充電部3Aは、第1開閉部2Aの両端間の電圧によって充電される。
【0017】
電圧検出部4Aは、充電部3Aに入力される入力電圧V4Aを検出する。
【0018】
判定部51Aは、電圧検出部4Aの検出結果、及び、第1開閉部2Aの両端の電圧V2Aの少なくとも一方に基づいて、第1スイッチ装置1Aと並列に接続される第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。
【0019】
ここにおいて、「第2スイッチ装置1Bが導通状態」とは、交流電源PSから第2スイッチ装置1Bを介して負荷LDに交流電力が供給されている状態であり、「第2スイッチ装置1Bが遮断状態」とは、交流電源PSから第2スイッチ装置1Bを介して負荷LDに交流電力が供給されていない状態である。
【0020】
この構成によって、電圧検出部4Aの検出結果、及び、第1開閉部2Aの両端の電圧V2Aの少なくとも一方が、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかによって変化するため、判定部51Aは、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定することができる。これにより、例えば、第2スイッチ装置1Bの状態の切り替わりに応じて、第1スイッチ装置1Aの状態(導通状態又は遮断状態)を切り替えることにより、複数箇所(本実施形態では2箇所)で交流電源PSから負荷LDへの給電路の遮断又は導通の制御が可能となる。
【0021】
(2)詳細
以下、本実施形態の配線システム10について、
図1~
図8を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
(2.1)配線システムの全体構成
配線システム10は、第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bを備える。
【0023】
第1スイッチ装置1Aは、
図1に示すように、交流電源PSと負荷LDとの間に接続されており、交流電源PSから負荷LDに供給される交流電力を制御する。ここで、交流電源PSは、例えば商用の交流電源である。また、負荷LDは、例えば住宅用の照明器具である。なお負荷LDは照明器具に限定されず、換気装置等であってもよい。
【0024】
第1スイッチ装置1Aは、
図2に示すように、第1接続端子C1と、第2接続端子C2と、第1開閉部2Aと、駆動部6Aと、整流部7Aと、降圧部8Aと、電圧検出部4Aと、定電圧部9Aと、処理部5Aと、検知部11Aと、を備える。また、第1スイッチ装置1Aは、第1接続端子C1及び第1開閉部2Aと接続される第3接続端子C3を更に備える。
【0025】
第1開閉部2Aは、第1接続端子C1と第2接続端子C2との間に接続され、交流電源PSから負荷LDへの給電路を遮断又は導通する素子である。
【0026】
第1開閉部2Aは、例えば双方向の電流を遮断又は導通することができる半導体スイッチング素子であり、より詳細には、ゲート端子21Aを有する双方向サイリスタ(トライアック)である。ゲート端子21Aは、駆動部6Aに電気的に接続されている。駆動部6Aからゲート端子21Aに所定のゲート電圧Vgt以上の電圧V21Aが入力されると、第1開閉部2Aは開状態から閉状態に切り替わる。
【0027】
駆動部6Aは、第1開閉部2Aの開閉状態の切り替えを行う。駆動部6Aは、抵抗R1と、抵抗R2と、第3開閉部12と、を含む。第3開閉部12は、例えば半導体スイッチング素子であり、より詳細にはN型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)である。
【0028】
整流部7Aは、ダイオードブリッジ回路を含む。整流部7Aは入力端子C71、C72と、出力端子C73、C74を有する。整流部7Aは、交流電源PSから入力端子C71、C72間に印加される交流電圧Vacを全波整流して出力端子C73、C74間に出力する。
【0029】
入力端子C71は、抵抗R1を介して、第2接続端子C2に接続されている。また、入力端子C71と抵抗R1との接続点は、ゲート端子21Aに接続されている。入力端子C72は、第3接続端子C3に接続されている。出力端子C73は、第3開閉部12のソースに接続されている。出力端子C74は、抵抗R2を介して、第3開閉部12のドレインに接続されている。
【0030】
降圧部8Aは、整流部7Aの後段に電気的に接続されている。詳細には、降圧部8Aは整流部7Aの出力端子C74と出力端子C73との間に接続されている。降圧部8Aは、整流部7Aによって全波整流された交流電圧Vacを所定の電圧まで降圧して入力電圧V4Aとして出力する。降圧部8Aは、例えば、抵抗、ツェナーダイオード、半導体スイッチング素子等を含む。
【0031】
定電圧部9Aは、降圧部8Aの後段に電気的に接続されており、入力電圧V4Aを所定の電圧の直流電圧に変換して出力する。定電圧部9Aは、ダイオードD1と、充電部3Aと、レギュレータ13と、を含む。ここで、充電部3Aは、例えばコンデンサのような容量性負荷である。また、レギュレータ13は、例えば三端子レギュレータである。
【0032】
ダイオードD1のアノードは降圧部8Aの出力端子に接続されている。ダイオードD1のカソードはレギュレータ13の入力端子に接続されている。充電部3Aは、ダイオードD1のカソードとレギュレータ13の入力端子との接続点と、回路のグランドGNDとの間に接続されている。ダイオードD1は、例えば、降圧部8Aへの電流の逆流を防止する。充電部3Aは、降圧部8Aからの入力電圧V4Aによって充電される。レギュレータ13は、充電部3Aの両端の電圧を所定の電圧の直流電圧に変換して出力する。
【0033】
電圧検出部4Aは、降圧部8Aの出力端子とダイオードD1のアノードとの間の接続点に接続されている。電圧検出部4Aは、降圧部8Aから充電部3Aに入力される入力電圧V4Aを検出する。電圧検出部4Aは、入力電圧V4Aが所定値Vb以上である場合に、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを処理部5Aが備える判定部51Aに入力する。また電圧検出部4Aは、入力電圧V4Aが所定値Vbより小さい場合に、第1電圧値VLoとは異なる第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0034】
検知部11Aは、定電圧部9Aの出力端子に電気的に接続されており、定電圧部9Aから出力される直流電圧によって動作する。検知部11Aは、人による操作を検知する。検知部11Aは、例えば物体の存否を非接触で検知する近接検知センサである。具体的には、検知部11Aは、例えば赤外線又は超音波等を利用して検知エリアにおける物体の存否を検知する近接検知センサである。
【0035】
検知部11Aは、例えば手を検知部11Aに近づける等の人による操作を検知すると、処理部5Aが備える制御部52Aに検知信号S1を出力する。
【0036】
処理部5Aは、定電圧部9Aの出力端子に電気的に接続されており、定電圧部9Aから出力される直流電圧によって動作する。
【0037】
処理部5Aは、判定部51Aと、制御部52Aと、を備える。
【0038】
判定部51Aは、電圧検出部4Aから入力される電圧信号Voutの入力電圧レベルに基づいて、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。ここで、電圧信号Voutの入力電圧レベルとは、例えば所定時間Ts内に電圧検出部4Aから入力される電圧信号Voutの時間平均値である。なお、入力電圧レベルは時間平均値に限定されず、例えば電圧検出部4Aから所定回数入力された電圧信号Voutの平均値等でもよい。また、電圧信号Voutの入力電圧レベルは、特定の時点における電圧信号Voutの瞬時値でもよい。
【0039】
また、判定部51Aは、所定時間Ts内に電圧検出部4Aから入力される電圧信号Voutの時間平均値である入力電圧レベルに基づいて、第2スイッチ装置1Bが導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態であるか否かを更に判定する。換言すると、第2スイッチ装置1Bの状態は、導通状態、遮断状態、及び、導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態を含み、判定部51Aは、第2スイッチ装置1Bの状態を、導通状態、遮断状態、及び、切替状態のいずれかであると判定する。判定部51Aによる判定動作については、「(2.2)配線システムの動作」において詳細に説明する。
【0040】
制御部52Aは、判定部51Aの判定結果に基づいて、第1開閉部2Aの開閉状態を制御して、第1スイッチ装置1Aを導通状態と遮断状態とに切り替える。また、制御部52Aは、検知部11Aの検知結果に基づいて、第1開閉部2Aの開閉状態を制御して、第1スイッチ装置1Aを導通状態と遮断状態とに切り替える。
【0041】
より詳細には、制御部52Aは、駆動部6Aに切替信号S2を出力し、駆動部6Aが切替信号S2に基づいて第3開閉部12の開閉状態を切り替える。第3開閉部12が閉状態になると、整流部7Aより後段の降圧部8A、電圧検出部4A、定電圧部9A、処理部5A、検知部11Aを含む回路に、抵抗R2が並列に接続される。これにより、整流部7Aのより後段の回路のインピーダンスが低下するため、抵抗R1の両端間に印加される電圧が大きくなる。抵抗R1と、第1開閉部2Aのゲート端子21Aとは電気的に接続されているため、抵抗R1の両端間に印加される電圧である電圧V21Aがゲート電圧Vgt以上になると第1開閉部2Aは開状態から閉状態に切り替わり、第1開閉部2Aが導通する。第3開閉部12が開状態になった後、ゲート端子21Aにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Aが入力されない状態となっても、第1開閉部2Aは閉状態を保つ。ゲート端子21Aにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Aが入力されていない状態で、第1開閉部2Aに流れる電流が0になったとき、第1開閉部2Aは閉状態から開状態に切り替わる。つまり、制御部52Aは、駆動部6Aを介して第1開閉部2Aの開閉状態を制御して、第1スイッチ装置1Aを導通状態と遮断状態とに切り替える。
【0042】
処理部5Aは、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとを含むコンピュータシステムにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラム(アプリケーション)を実行することで、処理部5Aとして機能する。プログラムは、ここでは処理部5Aのメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。なお、
図2において、処理部5Aが備える判定部51A及び制御部52Aは、実体のある構成を示しているわけではなく、処理部5Aによって実現される機能を示している。
【0043】
第2スイッチ装置1Bは、
図1及び
図2に示すように、交流電源PSと負荷LDとの間に、第1スイッチ装置1Aと並列に接続されており、交流電源PSから負荷LDに供給される交流電力を制御する。
【0044】
第2スイッチ装置1Bは、交流電源PSと負荷LDとの直列回路が接続される第4接続端子C4と、第5接続端子C5と、第4接続端子C4と第5接続端子C5との間に接続され、交流電源PSから負荷LDへの給電路を遮断又は導通する第2開閉部2Bと、を備える。また、第2スイッチ装置1Bは、第4接続端子C4及び第2開閉部2Bと接続される第6接続端子C6を更に備える。
【0045】
また第2スイッチ装置1Bは、駆動部6Bと、整流部7Bと、降圧部8Bと、電圧検出部4Bと、充電部3Bを有する定電圧部9Bと、判定部51B及び制御部52Bを備える処理部5Bと、検知部11Bと、を備える。
【0046】
本実施形態では、第2開閉部2B、駆動部6B、整流部7B、降圧部8B、電圧検出部4B、定電圧部9B、判定部51B、制御部52B及び検知部11Bは、第1スイッチ装置1Aの第1開閉部2A、駆動部6A、整流部7A、降圧部8A、電圧検出部4A、定電圧部9A、判定部51A、制御部52A及び検知部11Aと各々同様の構成、機能を有しているため説明を省略する。
【0047】
上述したように、第1スイッチ装置1Aと第2スイッチ装置1Bとは、交流電源PSと負荷LDとの間に、並列に接続されている。具体的には、
図1及び
図2に示すように、第3接続端子C3と第5接続端子C5とが電気的に接続されている。また、第2接続端子C2と第6接続端子C6とが電気的に接続されている。また、第1接続端子C1と、第4接続端子C4との間に交流電源PSと負荷LDとの直列回路が接続されている。
【0048】
(2.2)配線システムの動作
本実施形態の配線システム10の動作について以下に説明する。
【0049】
(2.2.1)第1の切替動作
第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1B共に遮断状態である状態から第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bを導通状態に切り替える場合の第1の切替動作を、
図3及び
図4を参照して説明する。
【0050】
まず、第2スイッチ装置1Bの動作を
図3を参照して説明する。
図3は、第2スイッチ装置1Bの動作を示すタイミングチャートである。
図3は、上段から順に、交流電源PSによって第4接続端子C4と第5接続端子C5との間に印加される交流電圧Vac、第2開閉部2Bのゲート端子21Bに入力される電圧V21B、第2開閉部2Bの両端間の電圧V2Bを示している。
【0051】
時点t0は第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bが共に遮断状態にある状態における任意の時点であり、例えば交流電圧Vacの負極性から正極性へのゼロクロス点である。
【0052】
例えば時点t0から交流電圧Vacの2周期分の時間が経過した時点t1において、第2スイッチ装置1Bの検知部11Bに人が手を近づけると、検知部11Bは制御部52Bに検知信号S1を入力する。
【0053】
時点t0から時点t1までの期間(第1期間T1)は、第1開閉部2A及び第2開閉部2Bは開状態である。つまり、
図3に示すように、第1期間T1においては、第2開閉部2Bの両端間の電圧V2Bは交流電圧Vacとなる。
【0054】
時点t1において検知部11Bから検知信号S1が入力されると、制御部52Bは、駆動部6Bを介して第2開閉部2Bの開閉状態を制御して、第2スイッチ装置1Bを遮断状態から導通状態に切り替える。具体的には、制御部52Bは、駆動部6Bに第2開閉部2Bのゲート端子21Bに電圧V21Bを入力させる。電圧V21Bは、一定周期の矩形波信号であり、一定間隔で、時間Δt1の間、ゲート電圧Vgt以上となる。また、電圧V21Bは、交流電圧Vacの半周期の間のゼロクロス点を含まない期間において、時間Δt1の間、ゲート電圧Vgt以上となる。つまり、時間Δt1は、交流電圧Vacの半周期よりも短い。
【0055】
時点t1から微小時間Δt2が経過する時点t2までは、第2開閉部2Bのゲート端子21Bに入力される電圧V21Bの値は略ゼロである。つまり、第1期間T1と同じく、時点t1から時点t2までの時間Δt2の期間は、第2開閉部2Bは開状態である。つまり、時点t1から時点t2までの時間Δt2の期間は、第2開閉部2Bの両端間の電圧V2Bは交流電圧Vacとなる。
【0056】
次に時点t2から時間Δt1の間、第2開閉部2Bのゲート端子21Bにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Bが出力される。つまり時点t2において第2開閉部2Bは閉状態となる。閉状態となった第2開閉部2Bは、次のゼロクロス点(正極側から負極側へのゼロクロス点)である時点t3まで閉状態を保持する。これによって、時点t2から時点t3の間、第2開閉部2B間の電圧V2Bは略ゼロとなる。
【0057】
時点t3において、第2開閉部2Bが開状態となると、第2開閉部2B間の電圧V2Bは交流電圧Vacとなる。
【0058】
時点t3から微小時間Δt2が経過した時点t4において、再び第2開閉部2Bのゲート端子21Bにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Bが出力され、第2開閉部2Bが閉状態となる。第2開閉部2Bは、次のゼロクロス点である時点t5まで閉状態を保持する。これによって、時点t4から時点t5の間、第2開閉部2B間の電圧V2Bは略ゼロとなる。
【0059】
つまり、第2スイッチ装置1Bが導通状態となる時点t1以降の第2期間T2においては、交流電圧Vacの半周期毎に、ゼロクロス点から微小時間Δt2が経過するまでの間、交流電圧Vacが電圧V2Bとして出力される。
【0060】
以降、第2スイッチ装置1Bは同様の動作を繰り返し行う。
【0061】
次に、第1スイッチ装置1Aの動作を
図4を参照して説明する。
図4は、第1スイッチ装置1Aの動作を示すタイミングチャートである。
図4は、上段から順に、第1開閉部2A間の電圧V2A、降圧部8Aから充電部3Aに入力される入力電圧V4A、充電部3Aの充電電圧V3A、電圧検出部4Aから判定部51Aに入力される電圧信号Voutを示している。
【0062】
図4に示すように、第1期間T1において、第1スイッチ装置1Aは第2スイッチ装置1Bと同じく遮断状態であり、第1開閉部2Aは開状態である。つまり、第1期間T1においては、第1開閉部2Aの両端間の電圧V2Aは交流電圧Vacと等しくなる。電圧V2Aは、
図2に示すように、第1スイッチ装置1Aの整流部7Aの入力端子C71、C72に入力される。入力端子C71、C72に入力された電圧V2Aは、整流部7Aによって全波整流された後、降圧部8Aによって降圧され、入力電圧V4Aとして充電部3Aに出力される。充電部3Aは入力電圧V4Aによって充電される。
【0063】
電圧検出部4Aは、入力電圧V4Aを検出する。電圧検出部4Aは、入力電圧V4Aが所定値Vb以上である場合に、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを処理部5Aが備える判定部51Aに入力する。電圧検出部4Aは、入力電圧V4Aが所定値Vbより小さい場合に、第1電圧値VLoとは異なる第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。例えば、第2電圧値VHiは、例えば第1電圧値VLoよりも大きい値である。
【0064】
第1期間T1においては、
図4に示すように、入力電圧V4Aは、交流電圧Vacのゼロクロス点の近傍の微小時間Δt4において所定値Vbより小さくなり、微小時間Δt4以外の期間で所定値Vb以上となる。つまり、第1期間T1においては、電圧検出部4Aは、微小時間Δt4において、第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力し、微小時間Δt4以外の期間において、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0065】
第2期間T2においては、
図1及び
図2に示すように、第1開閉部2Aと第2開閉部2Bとは並列に接続されているため、第1開閉部2Aの両端間の電圧V2Aは、第2開閉部2Bの両端間の電圧V2Bと等しくなる。つまり、第2期間T2においては、交流電圧Vacの半周期毎に、微小時間Δt2の間、交流電圧Vacが電圧V2Aとして出力される。電圧V2Aは、整流部7Aの入力端子C71、C72に入力される。入力端子C71、C72に入力された電圧V2Aは、整流部7Aによって全波整流された後、降圧部8Aによって降圧され、充電部3Aに入力電圧V4Aとして出力される。充電部3Aは入力電圧V4Aによって充電される。
【0066】
第2期間T2において、入力電圧V4Aは、
図4に示すように、微小時間Δt2の一部において所定値Vb以上となり、第2開閉部2Bが閉状態である期間(例えばt2とt3との間の期間及びt4とt5との間の期間)を含む期間Δt5において、所定値Vaより小さくなる。期間Δt5は微小時間Δt4に対して十分長い期間である。このように、第2期間T2においては、電圧検出部4Aは、微小時間Δt2の一部において、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを判定部51Aに入力し、期間Δt5において第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0067】
以上説明したように、第1期間T1と、第2期間T2とでは、判定部51Aに入力される電圧信号Voutのパターンが異なるため、第1スイッチ装置1Aは、第2スイッチ装置1Bの状態が遮断状態から導通状態に切り替わったことを検知し、自らも遮断状態から導通状態に切り替わることができる。以下に第1スイッチ装置1Aが遮断状態から導通状態に切り替わる動作について説明する。
【0068】
判定部51Aは、所定時間Ts内に電圧検出部4Aから入力される電圧信号Voutの時間平均値である入力電圧レベルに基づいて、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。ここで、所定時間Tsは例えば交流電圧Vacの2周期分の時間である。所定時間Tsは、導通状態から遮断状態、或いは、遮断状態から導通状態に切り替わる時間が、ユーザが違和感を感じることのない程度の時間に収まっていれば、適宜変更が可能である。
【0069】
判定部51Aは、所定時間Ts毎に入力電圧レベルを算出し、算出した入力電圧レベルを前回算出した入力電圧レベルと比較する。具体的には、判定部51Aは、
図4に示すように、時点t0から所定時間Tsが経過した時点t1において、第1期間T1における入力電圧レベルを算出する。また判定部51Aは、時点t1から所定時間Tsが経過した時点t6において、第2期間T2における入力電圧レベルを算出する。時点t6において、判定部51Aは、第1期間T1の入力電圧レベルと、第2期間T2の入力電圧レベルを比較する。
【0070】
第1期間T1では、
図4に示すように、微小時間Δt4において、第2電圧値VHiの電圧信号Voutが判定部51Aに入力され、微小時間Δt4以外の期間において第1電圧値VLoの電圧信号Voutが判定部51Aに入力される。一方、第2期間T2では、期間Δt5において、第2電圧値VHiの電圧信号Voutが判定部51Aに入力され、期間Δt5以外の期間において第1電圧値VLoの電圧信号Voutが判定部51Aに入力される。ここで、上述のように、期間Δt5は微小時間Δt4に対して十分長い期間であるため、第2期間T2において所定時間Tsに第1電圧値VLoが判定部51Aに入力される期間は、第1期間T1において所定時間Tsに第1電圧値VLoが判定部51Aに入力される期間よりも短くなる。換言すると、第2期間T2において所定時間Tsに第2電圧値VHiが判定部51Aに入力される期間は、第1期間T1において所定時間Tsに第2電圧値VHiが判定部51Aに入力される期間よりも長くなる。よって、第2期間T2における入力電圧レベルの方が第1期間T1における入力電圧レベルよりも大きくなる。つまり、第2スイッチ装置1Bの状態が導通状態であるときの入力電圧レベルは、第2スイッチ装置1Bが遮断状態にあるときの入力電圧レベルよりも大きい。
【0071】
このように、判定部51Aは、入力電圧レベルが所定の基準値よりも大きくなったことを検知し、時点t6において、第2スイッチ装置1Bが導通状態にあると判定する。所定の基準値は、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるときの入力電圧レベルよりも低く、第2スイッチ装置1Bが遮断状態にあるときの入力電圧レベルよりも大きい値に設定されている。
【0072】
制御部52Aは、時点t6において、第2スイッチ装置1Bが導通状態にあるとする判定部51Aの判定結果に基づいて、第1開閉部2Aの開閉状態を制御して第1スイッチ装置1Aを導通状態にする。これにより、第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bが遮断状態の場合に、第2スイッチ装置1Bを導通状態に切り替えることで、第1スイッチ装置1Aも導通状態に切り替えることができる。具体的には、制御部52Aは、第1開閉部2Aが、交流電圧Vacの半周期毎に、ゼロクロス点から微小時間Δt2が経過するまでの間のみ開状態となり、それ以外の期間で閉状態となるように制御する。
【0073】
(2.2.2)第2の切替動作
以下に、第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1B共に導通状態である状態から第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bを遮断状態に切り替える場合の第2の切替動作を、
図5~
図8を参照して説明する。
【0074】
まず、本実施形態の構成に対する比較例における、第2の切替動作について
図5及び
図6を参照して説明する。
【0075】
時点t7は第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bが共に導通状態にある状態における任意の時点であり、例えば交流電圧Vacの負極性から正極性へのゼロクロス点である。
【0076】
例えば時点t7から交流電圧Vacの2周期分の時間が経過した時点t8において、第2スイッチ装置1Bの検知部11Bに人が手を近づけると、検知部11Bは制御部52Bに検知信号S1を入力する。
【0077】
ここで
図5に示すように、時点t7から時点t8までの期間(第3期間T3)においては、第2スイッチ装置1Bは導通状態であり、制御部52Bが、駆動部6Bに第2開閉部2Bのゲート端子21Bに電圧V21Bを入力させている。つまり、第3期間T3においては、
図3に示した第2期間T2と同様に、交流電圧Vacの半周期毎に、ゼロクロス点から微小時間Δt2が経過するまでの間、交流電圧Vacが電圧V2Bとして出力される。
【0078】
時点t8において検知部11Bから検知信号S1が入力されると、制御部52Bは、駆動部6Bを介して第2開閉部2Bの開閉状態を制御して、第2スイッチ装置1Bを導通状態から遮断状態に切り替える。具体的には、制御部52Bは、駆動部6Bに第2開閉部2Bのゲート端子21Bに電圧V21Bの入力を停止させ、第2開閉部2Bを開状態とする。
【0079】
第1開閉部2Aと第2開閉部2Bとは並列に接続されているため、時点t8以降の第4期間T4において電圧V2Bは電圧V2Aと等しくなる。ここで、
図6に示すように、第3期間T3及び第4期間T4において第1スイッチ装置1Aは導通状態である。つまり、第4期間T4においては、第2スイッチ装置1Bは遮断状態であるが、電圧V2Bは、第1スイッチ装置1Aが導通状態のときの電圧V2Aと等しくなる。具体的には、第4期間T4において、電圧V2A及び電圧V2Bは、交流電圧Vacの半周期毎に、微小時間Δt2の間のみ交流電圧Vacとなり、第1開閉部2Aが閉状態となる期間において略ゼロとなる。
【0080】
次に
図6を参照して比較例の第1スイッチ装置1Aにおける動作を説明する。
【0081】
上述したように、第3期間T3において、第1スイッチ装置1Aは導通状態であり、電圧V2Aは、交流電圧Vacの半周期毎に、第1開閉部2Aが開状態となる微小時間Δt2の間のみ交流電圧Vacとなり、第1開閉部2Aが閉状態となる期間において略ゼロとなる。
【0082】
電圧V2Aは、整流部7Aの入力端子C71、C72に入力される。入力端子C71、C72に入力された電圧V2Aは、整流部7Aによって全波整流された後、降圧部8Aによって降圧され、充電部3Aに入力電圧V4Aとして出力される。充電部3Aは入力電圧V4Aによって充電される。
【0083】
第3期間T3において、入力電圧V4Aは、
図6に示すように、交流電圧Vacの半周期毎に、第1開閉部2Aが開状態である微小時間Δt2の一部において所定値Vb以上となり、第1開閉部2Aが閉状態である期間を含む期間Δt5において放電し、所定値Vbより小さくなる。つまり、第3期間T3においては、電圧検出部4Aは、微小時間Δt2の一部において、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを判定部51Aに入力し、期間Δt5において第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0084】
また、上述したように、第4期間T4においても、第1スイッチ装置1Aは導通状態である。すなわち、第4期間T4において、電圧検出部4Aは、微小時間Δt2の一部において、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを判定部51Aに入力し、期間Δt5において第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0085】
このように、実施形態の比較例においては、第3期間T3と、第4期間T4とでは、判定部51Aに入力される電圧信号Voutのパターンが同一のため、第1スイッチ装置1Aは、第2スイッチ装置1Bの状態が導通状態から遮断状態に切り替わったことを検知することができない。
【0086】
次に、本実施形態の構成における、導通状態から遮断状態への切替動作について
図7及び
図8を参照して説明する。
【0087】
時点t9は第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bが共に導通状態にある状態における任意の時点であり、例えば交流電圧Vacの負極性から正極性へのゼロクロス点である。
【0088】
例えば時点t9から交流電圧Vacの2周期分の時間が経過した時点t10において、第2スイッチ装置1Bの検知部11Bに人が手を近づけると、検知部11Bは制御部52Bに検知信号S1を入力する。
【0089】
ここで、
図7に示すように、時点t9から時点t10までの期間(第5期間T5)においては、第2スイッチ装置1Bは導通状態であり、電圧V2Bは、交流電圧Vacの半周期毎に、第2開閉部2Bが開状態となる微小時間Δt2の間のみ交流電圧Vacとなり、第2開閉部2Bが閉状態となる期間において略ゼロとなる。
【0090】
時点t10において検知部11Bから検知信号S1が出力されると、制御部52Bは、駆動部6Bを制御して、第2開閉部2Bのゲート端子21Bに入力されている電圧V21Bの波形を変化させて、第2スイッチ装置1Bを導通状態から切替状態にする。切替状態において、制御部52Bは、交流電源PSから供給される交流電圧Vacの極性が切り替わるゼロクロス点を少なくとも含む期間において、第2開閉部2Bを閉状態に維持する。詳細には、制御部52Bは、切替状態においては、電圧V21Bがゲート電圧Vgt以上となる期間を時間Δt1から、時間Δt1よりも長い時間Δt3に変化させる。上述したように、Δt1は、交流電圧Vacの半周期の間のゼロクロス点を含まないが、Δt3は交流電圧Vacの1周期の間のゼロクロス点である時点t12及びt15を含む。以下に切替状態での第2スイッチ装置1Bの動作を説明する。
【0091】
時点t10から微小時間Δt2が経過する時点t11までは、第2開閉部2Bのゲート端子21Bに入力される電圧V21Bの値は略ゼロである。つまり、時点t10から時点t11までの期間は、第2開閉部2Bは開状態であり、電圧V2Bは交流電圧Vacとなる。
【0092】
次に、時点t11から期間Δt3の間、第2開閉部2Bのゲート端子21Bにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Bが出力される。つまり時点t11において第2開閉部2Bは閉状態となる。上述のように時点t11からの期間Δt3は交流電圧Vacの次のゼロクロス点である時点t12を含むので、閉状態となった第2開閉部2Bは、時点t12のさらに次のゼロクロス点である時点t13まで閉状態を保持する。これによって、時点t11から時点t13の間、第2開閉部2B間の電圧V2Bは略ゼロとなる。
【0093】
時点t13において、第2開閉部2Bが開状態となると、第2開閉部2B間の電圧V2Bは交流電圧Vacとなる。
【0094】
時点t13から微小時間Δt2が経過した時点t14において、再び第2開閉部2Bのゲート端子21Bにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Bが出力され、第2開閉部2Bが閉状態となる。そして時点t14から期間Δt3の間、第2開閉部2Bのゲート端子21Bにゲート電圧Vgt以上の電圧V21Bが出力される。上述のように時点t14からの期間Δt3は次のゼロクロス点である時点t15を含むので、閉状態となった第2開閉部2Bは、時点t15のさらに次のゼロクロス点である時点t16まで閉状態を保持する。これによって、時点t14から時点t16までの間、第2開閉部2B間の電圧V2Bは略ゼロとなる。
【0095】
つまり、時点t10から時点t16までの第6期間T6においては、電圧V2Bは、交流電圧Vacの1周期毎に、第2開閉部2Bが開状態となる微小時間Δt2の間のみ交流電圧Vacとなり、第2開閉部2Bが閉状態となる期間において略ゼロとなる。
【0096】
時点t16において、制御部52Bは、駆動部6Bを介して第2開閉部2Bの開閉状態を制御して、第2スイッチ装置1Bを導通状態から遮断状態に切り替える。つまり、時点t16以降の第7期間T7において、第2スイッチ装置1Bは遮断状態となる。
【0097】
次に
図8を参照して第1スイッチ装置1Aにおける動作を説明する。
【0098】
上述したように、第5期間T5において、第1スイッチ装置1Aは導通状態であり、電圧V2Aは、交流電圧Vacの半周期毎に、第1開閉部2Aが開状態となる微小時間Δt2の間のみ交流電圧Vacとなり、第1開閉部2Aが閉状態となる期間において略ゼロとなる。
【0099】
電圧V2Aは、整流部7Aの入力端子C71、C72に入力される。入力端子C71、C72に入力された電圧V2Aは、整流部7Aによって全波整流された後、降圧部8Aによって降圧され、充電部3Aに入力電圧V4Aとして出力される。充電部3Aは入力電圧V4Aによって充電される。
【0100】
第5期間T5において、入力電圧V4Aは、交流電圧Vacの半周期毎に、微小時間Δt2の一部において所定値Vb以上となり、第1開閉部2Aが閉状態である期間を含む期間Δt5において、所定値Vbより小さくなる。つまり、第5期間T5においては、電圧検出部4Aは、微小時間Δt2の一部において、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを判定部51Aに入力し、期間Δt5において第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0101】
第6期間T6においては、電圧V2Aは電圧V2Bと等しくなるため、電圧V2Aは、交流電圧Vacの1周期毎に、第2開閉部2Bが開状態となる微小時間Δt2の間のみ交流電圧Vacとなり、第2開閉部2Bが閉状態となる期間において略ゼロとなる。
【0102】
電圧V2Aは、整流部7Aの入力端子C71、C72に入力される。入力端子C71、C72に入力された電圧V2Aは、整流部7Aによって全波整流された後、降圧部8Aによって降圧され、入力電圧V4Aとして充電部3Aに出力される。充電部3Aは入力電圧V4Aによって充電される。
【0103】
第6期間T6において、入力電圧V4Aは、
図8に示すように、交流電圧Vacの1周期毎に、微小時間Δt2の一部において所定値Vb以上となり、第2開閉部2Bが閉状態である期間を含む期間Δt6において、所定値Vbより小さくなる。ここで、第6期間T6において第2開閉部2Bが連続して閉状態である期間は、第5期間T5において第2開閉部2Bが連続して閉状態である期間よりも交流電圧Vacの半周期分長い。すなわち、期間Δt6は期間Δt5よりも交流電圧Vacの半周期分長い。
【0104】
第6期間T6においては、電圧検出部4Aは、微小時間Δt2の一部において、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを判定部51Aに入力し、期間Δt6において第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力する。
【0105】
このように、第5期間T5と、第6期間T6とでは、判定部51Aに入力される電圧信号Voutのパターンが異なるため、第1スイッチ装置1Aは、第2スイッチ装置1Bの状態が遮断状態から切替状態に切り替わったことを検知し、自らも遮断状態から導通状態に切り替わることができる。以下に第1スイッチ装置1Aが遮断状態から導通状態に切り替わる動作について説明する。
【0106】
判定部51Aは、交流電圧Vacの2周期分の時間である所定時間Ts内に電圧検出部4Aから入力される電圧信号Voutの時間平均値である入力電圧レベルに基づいて、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか切替状態であるかを判定する。
【0107】
判定部51Aは、
図8に示すように、時点t9から所定時間Tsが経過した時点t10において、第5期間T5における入力電圧レベルを算出する。また判定部51Aは、時点t10から所定時間Tsが経過した時点t16において、第6期間T6における入力電圧レベルを算出する。ここで、判定部51Aは、第5期間T5の入力電圧レベルと、第6期間T6の入力電圧レベルを比較する。
【0108】
第5期間T5では、
図8に示すように、期間Δt5以外の、微小時間Δt2の一部の期間において第1電圧値VLoの電圧信号Voutが判定部51Aに入力される。第5期間T5の間に、微小時間Δt2は4回存在する。一方、第6期間T6では、期間Δt5よりも交流電圧Vacの半周期分長い期間Δt6以外の、微小時間Δt2の一部の期間において第1電圧値VLoの電圧信号Voutが判定部51Aに入力される。第6期間T6の間に、微小時間Δt2は2回存在する。したがって、第6期間T6における所定時間Tsに第1電圧値VLoが判定部51Aに入力される期間は、第5期間T5における所定時間Tsに第1電圧値VLoが判定部51Aに入力される期間よりも短くなる。換言すると、第6期間T6における所定時間Tsに第2電圧値VHiが判定部51Aに入力される期間は、第5期間T5における所定時間Tsに第2電圧値VHiが判定部51Aに入力される期間よりも長くなる。よって、入力電圧レベルは、第6期間T6の方が第5期間T5よりも大きくなる。つまり、第2スイッチ装置1Bの状態が切替状態にあるときの入力電圧レベルは、第2スイッチ装置1Bが導通状態であるときの入力電圧レベルよりも大きい。
【0109】
このように、導通状態にある第1スイッチ装置1Aの判定部51Aは、時点t16において、入力電圧レベルが大きくなったことを検知し、第2スイッチ装置1Bが導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態にあると判定する。
【0110】
時点t16において、判定部51Aが第2スイッチ装置1Bが切替状態にあると判定すると、制御部52Aは、第1スイッチ装置1Aを遮断状態に切り替える。つまり時点t16以降の第7期間T7において、第1スイッチ装置1Aは遮断状態となる。
【0111】
これにより、第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1Bが導通状態の場合に、第2スイッチ装置1Bを切替状態を経て遮断状態に切り替えることで、第1スイッチ装置1Aも遮断状態に切り替えることができる。
【0112】
以上の動作により複数箇所(本実施形態では2箇所)における交流電源PSから負荷LDへの給電路の遮断又は導通の制御が可能となる。
【0113】
(3)変形例
以下、実施形態の変形例を列挙する。ただし上記実施形態と共通する構成要素については同じ参照符号を付して、適宜その説明を省略する。また、以下に説明する変形例の各構成は、上記実施形態で説明した各構成と適宜組み合わせて適用可能である。
【0114】
判定部51Aは、第1開閉部2Aの両端間の電圧(電圧V2A)に基づいて、第1スイッチ装置1Aと並列に接続される第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定してもよい。つまり、判定部51Aは、電圧V2Aの波形に基づいて第2スイッチ装置1Bが導通状態であるか遮断状態であるかを判定してもよい。この場合、例えば電圧検出部4Aが、電圧V2Aを直接検出するように構成されていればよい。
【0115】
第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1B共に遮断状態である状態から、第2スイッチ装置1Bを操作して導通状態に切り替えるときに、第2スイッチ装置1Bは遮断状態と導通状態との間に切替状態となってよい。この場合、第1スイッチ装置1Aの判定部51Aが、第2スイッチ装置1Bの状態が切替状態であると判定すると、第1スイッチ装置1Aの制御部52Aは、第1スイッチ装置1Aを導通状態に切り替えればよい。
【0116】
第1スイッチ装置1A及び第2スイッチ装置1B共に遮断状態である状態から、第2スイッチ装置1Bを操作して導通状態に切り替えたときに、制御部52Aは第1スイッチ装置1Aを遮断状態のままに維持してもよい。また、第1スイッチ装置1Aが遮断状態であり、第2スイッチ装置1Bが導通状態となった状態においては、交流電源PSから負荷LDへの給電路は導通状態である。つまり、このときユーザが第1スイッチ装置1Aを操作する場合、ユーザは交流電源PSから負荷LDへの給電路を遮断することを意図している。つまりこの場合に、第1スイッチ装置1Aがユーザによって操作された場合には、第1スイッチ装置1Aの検知部11Aは制御部52Aに、第1スイッチ装置1Aを遮断状態に維持するように指示する検知信号S1を入力すればよい。また、制御部52Aは、第2スイッチ装置1Bに、第1スイッチ装置1Aが操作されたことを通知するように第1開閉部2Aの開閉状態を制御すればよい。第2スイッチ装置1Bは、第1スイッチ装置1Aが操作されたことを通知された場合、導通状態から遮断状態に切り替わるように構成されればよい。
【0117】
電圧検出部4Aは、充電部3Aの充電電圧V3Aを検出するように構成されてもよい。この場合、
図4、
図6及び
図8に示すように、電圧検出部4Aは、充電電圧V3Aが所定値Va以上である場合に、第1電圧値VLoの電圧信号Voutを処理部5Aが備える判定部51Aに入力するように構成されればよい。また電圧検出部4Aは、充電電圧V3Aが所定値Vaより小さい場合に第2電圧値VHiの電圧信号Voutを判定部51Aに入力するように構成されればよい。
【0118】
第1開閉部2A及び第2開閉部2Bは、双方向サイリスタに限らず、その他の半導体スイッチであってもよい。第1開閉部2A及び第2開閉部2Bの各々は、例えば電気的に直列に接続された、2つのMOSFETであってもよい。2つのMOSFETは、ソース端子同士が互いに接続される、つまり、いわゆる逆直列に接続されることにより、双方向の電流の通過/遮断を切り替える。さらにまた、第1開閉部2A及び第2開閉部2Bの各々は、例えば、GaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップの半導体材料を用いたダブルゲート(デュアルゲート)構造の半導体素子であってもよい。
【0119】
検知部11A、11Bは、近接検知センサに限らず、例えば、明るさセンサであってもよい。又は、検知部11A、11Bは、近接検知センサと明るさセンサとの両方を有していてもよい。また、検知部11A、11Bは、人がハンドルを押す操作を検知するスイッチ、又は人のタッチ操作を検出可能なタッチパネルであってもよい。
【0120】
また、配線システムは、2つのスイッチ装置1を備えているが、交流電源PSと負荷LDとの直列回路に対して並列に接続された3つ以上のスイッチ装置1を備えていてもよい。
【0121】
実施形態にて、充電電圧V3A及び所定値Va等の2値間の比較において、「以上」としているところは、2値が等しい場合、及び2値の一方が他方を超えている場合との両方を含む。ただし、これに限らず、ここでいう「以上」は、2値の一方が他方を超えている場合のみを含む「より大きい」と同義であってもよい。つまり、2値が等しい場合を含むか否かは、基準値等の設定次第で任意に変更できるので、「以上」か「より大きい」かに技術上の差異はない。同様に、「未満」においても「以下」と同義であってもよい。
【0122】
(4)まとめ
以上述べたように、第1の態様に係るスイッチ装置(1)は、交流電源(PS)と負荷(LD)との間に接続される第1スイッチ装置(1A)として用いられるスイッチ装置であって、第1接続端子(C1)及び第2接続端子(C2)と、開閉部(2A)と、充電部(3A)と、電圧検出部(4A)と、判定部(51A)と、を備える。第1接続端子(C1)及び第2接続端子(C2)は、交流電源(PS)と負荷(LD)との直列回路が接続される。開閉部(2A)は、第1接続端子(C1)と第2接続端子(C2)との間に接続され、交流電源(PS)から負荷(LD)への給電路を遮断又は導通する。充電部(3A)は、開閉部(2A)の両端間の電圧(V2A)によって充電される。電圧検出部(4A)は、充電部(3A)に入力される入力電圧(V4A)を検出する。判定部(51A)は、電圧検出部(4A)の検出結果、及び、開閉部(2A)の両端間の電圧(V2A)の少なくとも一方に基づいて、第1スイッチ装置(1A)と並列に接続される第2スイッチ装置(1B)が導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。
【0123】
この態様によれば、電圧検出部(4A)の検出結果、及び、第1開閉部(2A)の両端間の電圧(V2A)の少なくとも一方は、第2スイッチ装置(1B)が導通状態であるか遮断状態であるかによって変化するため、第1スイッチ装置(1A)と並列に接続された第2スイッチ装置(1B)の状態を判定することができる。
【0124】
第2の態様に係るスイッチ装置(1)では、第1の態様において、電圧検出部(4A)は、充電部(3A)への入力電圧(V4A)が所定値(Vb)以上である場合に、第1電圧値(VLo)の電圧信号(Vout)を判定部(51A)に入力する。電圧検出部(4A)は、充電部(3A)への入力電圧(V4A)が所定値(Vb)より小さい場合に、第1電圧値(VLo)とは異なる第2電圧値(VHi)の電圧信号(Vout)を判定部(51A)に入力する。判定部(51A)は、電圧検出部(4A)から入力される電圧信号(Vout)の入力電圧レベルに基づいて、第2スイッチ装置(1B)が導通状態であるか遮断状態であるかを判定する。
【0125】
この態様によれば、定電圧部(9A)の一部である充電部(3A)への入力電圧(V4A)を第2スイッチ装置(1B)の状態の判定に利用することができ、回路構成を簡素化できる。
【0126】
第3の態様に係るスイッチ装置(1)では、第1又は第2の態様において、判定部(51A)の判定結果に基づいて、開閉部(2A)の開閉状態を制御して、第1スイッチ装置(1A)を導通状態と遮断状態とに切り替える制御部(52A)を更に備える。
【0127】
この態様によれば、複数箇所における交流電源(PS)から負荷(LD)への給電路の遮断又は導通の制御が可能となる。
【0128】
第4の態様に係るスイッチ装置(1)では、第3の態様において、人による操作を検知する検知部(11A)を更に備える。制御部(52A)は、検知部(11A)の検知結果に基づいて、開閉部(2A)の開閉状態を制御して、第1スイッチ装置(1A)を導通状態と遮断状態とに切り替える。
【0129】
この態様によれば、第1スイッチ装置(1A)の状態を人による操作によって切り替えることができる。
【0130】
第5の態様に係るスイッチ装置(1)では、第4の態様において、検知部(11A)は、物体の存否を非接触で検知する近接検知センサである。
【0131】
この態様によれば、第1スイッチ装置(1A)の状態を、第1スイッチ装置(1A)に直接触れずに切り替えることができる。
【0132】
第6の態様に係るスイッチ装置(1)では、第1~第5のいずれかの態様において、判定部(51A)は、第2スイッチ装置(1B)の状態を、導通状態、遮断状態、及び、導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態のいずれかであると判定する。
【0133】
この態様によれば、スイッチ装置(1)は第2スイッチ装置(1B)が導通状態と遮断状態とに切り替わったことを検知することができる。
【0134】
第7の態様に係るスイッチ装置(1)では、第6の態様において、電圧検出部(4A)は、充電部(3A)への入力電圧(V4A)が所定値(Vb)以上である場合に、第1電圧値(VLo)の電圧信号(Vout)を判定部(51A)に入力する。電圧検出部(4A)は、充電部(3A)への入力電圧(V4A)が所定値(Vb)より小さい場合に、第1電圧値(VLo)とは異なる第2電圧値(VHi)の電圧信号(Vout)を判定部(51A)に入力する。第2スイッチ装置(1B)の状態が導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態であるときの、電圧検出部(4A)から入力される電圧信号(Vout)の入力電圧レベル、第2スイッチ装置(1B)の状態が導通状態であるときの入力電圧レベル、第2スイッチ装置(1B)の状態が遮断状態であるときの入力電圧レベルの順に大きい。
【0135】
この態様によれば、判定部(51A)は、第2スイッチ装置(1B)が導通状態、遮断状態及び切替状態のうち、いずれの状態にあるかを判定することができる。
【0136】
第8の態様に係るスイッチ装置(1)では、第6又は第7の態様において、判定部(51A)の判定結果に基づいて、開閉部(2A)の開閉状態を制御して、第1スイッチ装置(1A)を導通状態と遮断状態とに切り替える制御部(52A)を更に備える。第1スイッチ装置(1A)が導通状態のとき、判定部(51A)が、第2スイッチ装置(1B)の状態が導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態であると判定すると、制御部(52A)は、第1スイッチ装置(1A)を遮断状態に切り替える。
【0137】
この態様によれば、第2スイッチ装置(1B)の状態の変化に基づいて、第1スイッチ装置(1A)を導通状態から遮断状態に切り替えることができる。
【0138】
第9の態様に係る配線システム(10)は、第1~第8のいずれかの態様の第1スイッチ装置(1A)と、第1スイッチ装置(1A)と並列に接続される第2スイッチ装置(1B)と、を備える。第1スイッチ装置(1A)は、第1接続端子(C1)及び第1開閉部(2A)と接続される第3接続端子(C3)を更に備える。第2スイッチ装置(1B)は、交流電源(PS)と負荷(LD)との直列回路が接続される第4接続端子(C4)及び第5接続端子(C5)と、第2開閉部(2B)と、第6接続端子(C6)と、を備える。第2開閉部(2B)は、第4接続端子(C4)と第5接続端子(C5)との間に接続され、交流電源(PS)から負荷(LD)への給電路を遮断又は導通する。第6接続端子(C6)は、第4接続端子(C4)及び第2開閉部(2B)と接続される。第3接続端子(C3)と、第5接続端子(C5)とが接続される。第2接続端子(C2)と、第6接続端子(C6)とが接続される。第1接続端子(C1)と、第4接続端子(C4)との間に交流電源(PS)と負荷(LD)との直列回路が接続される。
【0139】
この態様によれば、第2スイッチ装置(1B)が導通状態であるか遮断状態であるかを判定することができる配線システム(10)を提供することができる。
【0140】
第10の態様に係る配線システム(10)では、第9の態様において、第2スイッチ装置(1B)の状態は、導通状態、遮断状態及び導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態を含む。第2スイッチ装置(1B)は、導通状態と遮断状態とが切り替わる途中の切替状態である場合に、交流電源(PS)から供給される交流電圧(Vac)の極性が切り替わるゼロクロス点を少なくとも含む期間において、第2開閉部(2B)を閉状態に維持する。
【0141】
この態様によれば、切替状態における第2開閉部(2B)の両端間の電圧(V2B)を、導通状態及び遮断状態における電圧(V2B)から変化させることができる。
【0142】
なお、第2~第8の態様はスイッチ装置(1)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。また、第10の態様は配線システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略が可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 スイッチ装置
10 配線システム
11A 検知部
1A 第1スイッチ装置
1B 第2スイッチ装置
2A 第1開閉部
2B 第2開閉部
3A 充電部
4A 電圧検出部
51A 判定部
52A 制御部
9A 定電圧部
C1 第1接続端子
C2 第2接続端子
C3 第3接続端子
C4 第4接続端子
C5 第5接続端子
C6 第6接続端子
LD 負荷
PS 交流電源
Ts 所定時間
V2A 電圧
V2B 電圧
V4A 入力電圧
Vb 所定値
Vac 交流電圧
VHi 第2電圧値
VLo 第1電圧値
Vout 電圧信号