(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141346
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20230928BHJP
E03C 1/05 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
A47K3/28
E03C1/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047622
(22)【出願日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒田 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】神代 啓輔
(72)【発明者】
【氏名】森 俊之
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
【Fターム(参考)】
2D060CA07
2D132FA02
2D132FB02
2D132FC04
2D132FH11
2D132FJ28
2D132FJ30
(57)【要約】
【課題】送信部を有するヘッド部の取り替えが容易で、拡張性が高く、ヘッド部とベース部との間における有線による電気的な接続が不要となるシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】シャワーヘッド10は、ヘッド部2と、ヘッド部2が着脱可能に装着されるベース部3と、を備える。ヘッド部2は、非接触受電部24を有する。ベース部3は、非接触給電部34を有する。ヘッド部2がベース部3に装着された状態において、ヘッド部2内のヘッド流路21とベース部3内のベース流路31とが通じ、かつ、非接触給電部34と非接触受電部24との間での受給電が可能な状態となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部と、
前記ヘッド部が着脱可能に装着されるベース部と、を備え、
前記ヘッド部は、非接触受電部を有し、
前記ベース部は、非接触給電部を有し、
前記ヘッド部が前記ベース部に装着された状態において、前記ヘッド部内のヘッド流路と前記ベース部内のベース流路とが通じ、かつ、前記非接触給電部と前記非接触受電部との間での受給電が可能な状態となる、
シャワーヘッド。
【請求項2】
前記ヘッド部は、前記ヘッド流路を内部に有するヘッドケースを更に有し、
前記ベース部は、前記ベース流路を内部に有するベースケースを更に有し、
前記ヘッドケースの表面の少なくとも一部が、前記受給電を行うための受電面となり、
前記ベースケースの表面の少なくとも一部が、前記受給電を行うための給電面となり、
前記ヘッド部が前記ベース部に装着された状態において、
前記受電面と前記給電面とは、互いに近接又は接触して対向し、
前記受電面の法線の向き及び前記給電面の法線の向きは、前記ベース流路を流れる水の向きと30度以上150度以下の角度をなす、
請求項1記載のシャワーヘッド。
【請求項3】
前記ベース部に一端部がそれぞれ接続されて送水路を構成するホースを更に備える、
請求項1又は2に記載のシャワーヘッド。
【請求項4】
前記ホースは、前記非接触給電部に電気的に接続される電源コードを有する、
請求項3に記載のシャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シャワーヘッドに関する。より詳細には、本開示は、ヘッド部及びベース部を有するシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヘッド部を備えた吐水装置が開示されている。ヘッド部は、湯水を吐水する吐水部と、吐水部からの湯水の吐水状態を切り替える操作部と、無線信号を送信する送信アンテナと、を有する点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された吐水装置にあっては、ヘッド部の用途に応じた取り替えは想定されておらず、拡張性が低いものであった。
【0005】
本開示の目的は、送信部を有するヘッド部の取り替えが容易で、拡張性が高く、ヘッド部とベース部との間における有線による電気的な接続が不要となるシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様のシャワーヘッドは、ヘッド部と、ベース部と、を備える。前記ベース部は、前記ヘッド部が着脱可能に装着される。前記ヘッド部は、非接触受電部を有する。前記ベース部は、非接触給電部を有する。前記ヘッド部が前記ベース部に装着された状態において、前記ヘッド部内のヘッド流路と前記ベース部内のベース流路とが通じ、かつ、前記非接触給電部と前記非接触受電部との間での受給電が可能な状態となる。
【発明の効果】
【0007】
本開示のシャワーヘッドにあっては、送信部を有するヘッド部の取り替えが容易で、拡張性が高く、ヘッド部とベース部との間における有線による電気的な接続が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係るシャワーヘッドを備えるシャワー装置の概略構成図である。
【
図2】
図2は、同上のシャワーヘッドの斜視図である。
【
図3】
図3は、同上のシャワーヘッドの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のシャワーヘッドにおけるアタッチメント(ヘッド部)の別例の簡略図である。
【
図5】
図5は、同上のシャワーヘッドにおけるアタッチメント(ヘッド部)の更なる別例の簡略図である。
【
図6】
図6A~
図6Cは、同上のシャワーヘッドにおける受電面の法線の向き、給電面の法線の向き及びベース部より吐出する水の向きの関係を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の第2実施形態に係るシャワーヘッドを備えるシャワー装置の概略構成図である。
【
図8】
図8は、本開示の第3実施形態に係るシャワーヘッドを備えるシャワー装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)概要
本開示に係るシャワー装置について説明する。以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎないものであり、以下の実施形態において、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0010】
図1に示すように、本開示に係るシャワーヘッド10は、ヘッド部2と、ヘッド部2が着脱可能に装着されるベース部3と、を備える。ヘッド部2は、非接触受電部24を有する。ベース部3は、非接触給電部34を有する。ヘッド部2がベース部3に装着された状態において、ヘッド部2内のヘッド流路21とベース部3内のベース流路31とが通じ、かつ、非接触給電部34と非接触受電部24との間での受給電が可能な状態となる。
【0011】
上記のシャワー装置にあっては、送信部を有するヘッド部の取り替えが容易で、拡張性が高く、ヘッド部とベース部との間における有線による電気的な接続が不要となる。
【0012】
(2)第1実施形態
以下、第1実施形態に係るシャワー装置1について、
図1~
図6に基づいて説明する。
【0013】
(2.1)シャワー装置の概要
図1に示すように、シャワー装置1は、シャワーヘッド10と、送水部4と、制御部5と、を備える。シャワー装置1は、主に浴室90に設置され、浴室90内にて水を吐出する。シャワー装置1は、配水管92を介して水道等からなる給水源91に接続され、給水源91より水(液体)が供給される。
【0014】
(2.2)シャワーヘッド
シャワーヘッド10は、浴室90内に設置される。シャワーヘッド10は、ヘッド部2とベース部3とを有する。ヘッド部2は、ベース部3に着脱可能に装着されて、ベース部3に支持される。
【0015】
シャワーヘッド10の把持部は、ヘッド部2により構成されてもよいし、ベース部3により構成されてもよいし、ヘッド部2及びベース部3の両方により構成されてもよい。また、シャワーヘッド10をホルダーに保持させる場合、ホルダーがヘッド部2を直接保持するようにしてもよいし、ホルダーがベース部3を直接保持し、ヘッド部2を間接的に保持するようにしてもよい。
【0016】
(2.2.1)ヘッド部
図1及び
図2に示すように、ヘッド部2は、外殻を構成するヘッドケース20を有する。ヘッドケース20は、樹脂により形成される。ヘッドケース20の内部には、ヘッド流路21が設けられる。
【0017】
ヘッド流路21は、樹脂又は金属からなるパイプ部材の内部空間により構成される。ヘッド流路21を構成するパイプ部材は、一直線状に延びる直管であり、パイプ部材の上流側(流入口側)の端部は、ヘッドケース20より突出して接続部(オス)211となっている。ヘッド流路21の下流側の端部は、吐出口212となっている。
【0018】
ヘッドケース20のヘッド流路21の下流側の端部に凹部が形成されており、この凹部には、着脱可能な先端部材29が装着される。先端部材29には、ヘッド流路21に通じる開口が形成されており、この開口が吐出口212となる。
【0019】
ヘッド流路21内を流れる水は、上流側より高圧を受けて、吐出口212より噴出される。このように、吐出口212から水が噴出されるように、ヘッド部2には吐出口212が一個のみ形成され、かつ、吐出口212の面積が小さく絞られている。
図1~
図3に示すシャワー装置1(シャワーヘッド10)におけるヘッド部2は、吐出口212から水の高圧噴射を行うことができるシャワーヘッド10を構成するアタッチメントである。
【0020】
図3に示すように、ヘッド部2は、ベース部3に装着されるための装着部22を有する。ヘッド部2のベース部3への装着とは、ヘッド部2とベース部3とが、互いの所定の部位同士が所定の向き(姿勢)で接触して、互いの相対位置が変わらないように保持されることをいう。第1実施形態においては、装着部22は、ヘッドケース20の一部に形成される。装着部22は、ヘッドケース20に、ヘッド流路21の延びる向きに平行に形成された溝により形成される。
【0021】
一方、後述するベース部3はベースケース30を有し、ベースケース30には、装着部22に対応する装着部32が形成される。装着部32は、ベースケース30より突出して、装着部22である溝に挿入される突条により形成される。
【0022】
ヘッド部2をベース部3に装着するには、まず、装着部22のベース部3側(後述する接続部(メス)311と接続される側)の端部に、装着部32のヘッド部2側(接続部311と反対側)の端部を挿入する。その後、ベースケース30の接続部311がヘッドケース20に近づくように、ヘッドケース20とベースケース30とを互いにスライドさせる。
図2に示すように、ヘッドケース20のベースケース30側の端面と、ベースケース30のヘッドケース20側の端面とが接触すると、それ以上のスライドが規制され、ヘッド部2がベース部3に装着された状態(装着状態という)となる。
【0023】
装着状態においては、ヘッド部2のヘッド流路21の上流側端部に位置する接続部211が、ベース部3のベース流路31の下流側端部に位置する接続部311に接続されて、ヘッド部2内のヘッド流路21とベース部3内のベース流路31とが通じる状態となる。ベース流路31内を流れる水が、漏れることなくヘッド流路21内に流入可能となる。
【0024】
(2.2.1.1)送信部
図1に示すように、ヘッド部2は、送信部23を有する。送信部23は、受信部11に対して、送水部4による吐水又は止水を行うための信号をはじめ、各種の信号を送信する。送信部23は、赤外線、電波又は超音波等の無線により信号を送信する。送信部23は、ヘッドケース20内に設けられ、ヘッドケース20に形成された開口又は信号を透過可能な部位を通って、信号を送信する。送信部23は、制御機能(制御部)及び発信素子を有する電子基板を有する。
【0025】
(2.2.1.2)操作部
ヘッド部2は、送信部23により信号を送信させるための操作部27を有する。操作部27は、ヘッドケース20に設けられ、シャワーヘッド10を掴む手のいずれかの指で操作可能である。操作部27は、ヘッドケース20に形成された開口より露出するように配置されるが、ヘッドケース20の表面の一部により構成されてもよい。操作部27は、押しボタンにより構成される。操作部27により、送水部4を駆動しての吐出口212からの吐水及び止水(吐水の停止)のための操作をはじめ、各種の動作の開始及び停止、量の調節、機能の発揮等を指示するための操作を行うことが可能である。送信部23は、操作部27においてなされた各種の操作に応じて、各種の操作にそれぞれ対応する操作信号を受信部11に対して送信する。
【0026】
(2.2.1.3)非接触受電部
図1及び
図3に示すように、ヘッド部2は、非接触受電部24を有する。非接触受電部24は、後述するベース部3の非接触給電部34と共に使用されて、いわゆるワイヤレス給電(無線給電)により受給電を行うものである。ワイヤレス給電の方式としては、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界結合方式、電波方式又はレーザー方式等、様々な既存の方式が適宜利用可能であり、詳細な説明は省略する。
【0027】
非接触受電部24は、ヘッドケース20に設けられる。非接触受電部24は、ヘッドケース20内に収容され、ヘッドケース20の一部を介して受給電が行われる。ヘッドケース20の表面のうち受給電が行われる部分を受電面201とする。受電面201は、ヘッド流路21の延びる方向に沿う。言い換えると、受電面201の法線の向き202は、
図1に示すように、ヘッド流路21の延びる方向に対して90度をなす。
【0028】
(2.2.1.4)蓄電部
ヘッド部2は、蓄電部25を有する。蓄電部25は、ヘッドケース20に設けられ、非接触受電部24と電気的に接続され、非接触受電部24にて受けた電気的エネルギーを蓄える。蓄電部25は、ヘッドケース20内に収容されている。蓄電部25としては、リチウムイオン電池をはじめとする各種のバッテリーが適宜利用可能であり、詳細な説明は省略する。蓄電部25は、上述した送信部23及び操作部27、後述する装着検知部26及び照明部28と電気的に接続され、これらに電力を供給する。
【0029】
(2.2.1.5)装着検知部
ヘッド部2は、装着検知部26を有する。装着検知部26は、ヘッド部2がベース部3に装着されていることを検知する。装着検知部26は、
図2に示すように、ヘッド部2がベース部3に対して装着状態にあることを検知する。
図1に示すように、第1実施形態においては、装着検知部26は、いわゆるリミットスイッチのような装置により構成される。装着検知部26は、装着状態においてヘッドケース20のベースケース30と接触する部分において、ヘッドケース20の表面より突出し、ヘッドケース20に没入可能な突出片を有する。この突出片がベースケース30に押されてヘッドケース20内に没入すると、装着検知部26が突出片の没入を検知し、装着状態であることが検知される。装着検知部26が装着状態であることを検知すると、装着状態を意味する信号が電子基板に送信される。
【0030】
(2.2.1.6)照明部
図1及び
図3に示すように、ヘッド部2は、照明部28を有する。照明部28は、ヘッドケース20に設けられ、ヘッドケース20に形成された開口又は透光性を有する部位を通って、光を照射する。第1実施形態においては、照明部28は、LEDを有するもので、ヘッドケース20の吐出口212の近傍に設けられている。第1実施形態では、照明部28は、ヘッドケース20の吐出口212の近傍に一個形成されている。照明部28が照射する光の向きは、吐出口212より吐出される水の向きと同じであり、吐出口212から高圧噴射される水が当たる予定位置の近傍を照明部28で照射することができる。
【0031】
(2.2.2)ベース部
図1及び
図2示すように、ベース部3は、外殻を構成するベースケース30を有する。ベースケース30は、樹脂により形成される。ベースケース30の内部に設けられるベース流路31は、樹脂又は金属からなるパイプ部材の内部空間により構成される。ベース流路31を構成するパイプ部材は、一直線状に延びる直管であり、パイプ部材の上流側(流入口側)の端部は、ベースケース30より突出して接続部(オス)33となっている。ベースケース30におけるベース流路31の下流側の端部となる部分は、上述したようにヘッド部2の接続部211が挿入される、凹部からなる接続部311となっている。
【0032】
図3に示すように、ベース部3にヘッド部2を装着するための装着部32は、ベースケース30の一部に形成される。装着部32は、ベースケース30に、ベース流路31の延びる向きに平行に形成される。ヘッド部2及びベース部3の装着状態において、ヘッド流路21の延びる方向とベース流路31の延びる方向は同じとなり、ヘッド流路21及びベース流路31は一直線状につながる。
【0033】
(2.2.2.1)非接触給電部
図1及び
図3に示すように、ベース部3は、非接触給電部34を有する。非接触給電部34は、上述したように非接触受電部24と共に使用されて受給電を行うものである。非接触給電部34は、ベースケース30に設けられる。非接触給電部34は、ベースケース30内に収容され、ベースケース30の一部を介して受給電が行われる。ベースケース30の表面のうち受給電が行われる部分を給電面301とする。給電面301は、ベース流路31の延びる方向に沿う。言い換えると、給電面301の法線の向き302は、
図1に示すように、ベース流路31の延びる方向に対して90度をなす。
【0034】
(2.3)送水部
送水部4は、ベース部3に向けて送水する。送水部4は、外殻を構成するケース40と、ケース40内に設けられる流路41と、を有する。ケース40は、浴室90の外部に浴室90に隣接して設置される。流路41の上流側端部には、上述した給水源91からの配水管92が接続される。また、流路41の下流側端部は、ベース部3に向けて送水するための管(第1実施形態においては後述するホース6)が接続される接続部42となる。
【0035】
送水部4は、吐水・止水切替部43を有する。吐水・止水切替部43は、ケース40に収容され、流路41の途中に設けられる。吐水・止水切替部43は、給水源91より供給される水のベース部3への吐水(送水)と止水(送水の停止)とを切り替える。吐水・止水切替部43は、電磁弁により構成される。
【0036】
送水部4は、高圧生成部44を有する。高圧生成部44は、ケース40に収容され、流路41の途中の吐水・止水切替部43より下流側の部分に設けられる。高圧生成部44は、給水源91より供給される水を高圧にしてベース部3に送水する。高圧生成部44は、ポンプにより構成される。
【0037】
送水部4は、流路切替弁45を有する。流路切替弁45は、ケース40に収容され、流路41の途中の高圧生成部44より下流側の部分に設けられる。流路切替弁45は、流路41を流れる水の供給先を切り替える。送水部4からの水の供給先は複数あり、そのうちの一つがベース部3である。他の供給先としては、浴室90に設けられるカラン等であるが、水の供給先は特に限定されない。流路切替弁45は、切替弁により構成される。
【0038】
吐水・止水切替部43、高圧生成部44及び流路切替弁45には、例えば商用電源等の電源より電力が供給される。
【0039】
(2.4)制御部
制御部5は、受信した信号に基づいて送水部4による吐水及び止水の制御を行う。第1実施形態においては、浴室90の外部に浴室90に隣接して制御ボックス50が設置され、制御ボックス50に制御部5が収容される。制御部5と送水部4とは電線51により電気的に接続されており、制御部5は、制御信号を送水部4に送信し、送水部4(吐水・止水切替部43、高圧生成部44及び流路切替弁45)を制御する。
【0040】
制御ボックス50には、受信部11が収容される。受信部11は、送信部23より送信された操作信号を受信する。受信部11は制御部5と電気的に接続されており、受信部11で受信された操作信号は、制御部5に送信される。制御部5は、送信部23より送信された各種の操作信号を受けて、各種の操作に対応する制御信号を吐水・止水切替部43、高圧生成部44又は流路切替弁45に送信して、これらを制御する。
【0041】
制御部5及び受信部11には、例えば商用電源等の電源より電力が供給される。
【0042】
(2.5)ホース
ホース6は、ベース部3と送水部4とに両端部がそれぞれ接続されて、送水部4からベース部3への送水路61を構成する。ホース6は、可撓性を有するゴム等からなるホース本体60を有し、ホース本体60の内部に送水路61が構成される。ホース6の上流側端部は、送水部4の流路41の下流側端部の接続部42に接続される。ホース6の下流側端部は、ベース部3のベース流路31の上流側端部の接続部33に接続される。ホース6の両端部と、接続部33、接続部42との接続においては、適宜の抜け止め構造、抜け止め手段が採用可能である。
【0043】
ホース6は、電源コード62を有する。電源コード62は、非接触給電部34に電気的に接続される。電源コード62は、ホース本体60の内部に埋設される。電源コード62の一端部は、非接触給電部34に電気的に接続された電源コード341に、電気的に接続される。
【0044】
電源コード62と電源コード341との接続には、例えばコネクタが利用可能である。すなわち、ホース6の一端部に一方のコネクタを取り付け、ベースケース30の接続部33を他方のコネクタで構成する。一方のコネクタに電源コード62を取り付け、他方のコネクタに電源コード341を取り付ける。両方のコネクタを接続した時に、電源コード62と電源コード341とを接続させることが可能となる。
【0045】
電源コード62の他端部は、送水部4の電線(不図示)を介して電源に電気的に接続される。電源コード62の他端部と送水部4の電線との接続にも、上述したコネクタが利用可能である。また、電源コード62と電源との間にアダプタが介在しても勿論よい。
【0046】
(2.6)装着
ヘッド部2をベース部3に装着するには、上述したように、ヘッド部2の装着部22のベース部3側の端部に、ベース部3の装着部32のヘッド部2側の端部を挿入してスライドさせる。
図2に示すように、ヘッドケース20の端面とベースケース30の端面とが接触すると、装着状態となる。
【0047】
装着状態においては、装着検知部26がヘッド部2のベース部3への装着を検知する。第1実施形態においては、ヘッド部2が有する送信部23は、装着検知部26がヘッド部2の装着を検知した時にのみ、信号を送信する。ヘッド部2がベース部3に装着されていない時には、送信部23が受信部11に向けて信号の送信を行わない。これにより、ヘッド部2がベース部3に装着されていない時に、誤って操作部27を操作して吐水の信号を送信してしまい、ヘッド部2の吐出口212ではなくベース部3のベース流路31の下流端から意図せぬ吐水が行われてしまうのが抑制される。
【0048】
ベース部3に対するヘッド部2の装着状態が解除されないように、装着状態の保持手段が設けられてもよい。装着状態の保持手段として、例えば固着具が用いられてもよい。すなわち、装着状態にあるヘッド部2とベース部3とを、ねじ等からなる固着具によりねじ止めして、装着状態を保持するようにしてもよい。また、固着具を用いず、機械的に装着状態を保持する構造を用いてもよい。また、機械的に装着状態を保持する構造において保持を解除する保持解除手段が設けられてもよい。
【0049】
装着状態においては、上述したようにヘッド流路21とベース流路31とが通じる状態となるのに加えて、非接触給電部34と非接触受電部24との間での受給電が可能な状態となる。すなわち、装着状態において、受電面201と給電面301とは、互いに近接又は接触して対向するため、ワイヤレス給電による受給電が可能となる。
【0050】
(2.7)ヘッド部の取り替え
ヘッド部2は、シャワーヘッド10を構成するアタッチメントであり、取り替えが可能である。
図1~
図3に示すヘッド部2(シャワーヘッド10)は、吐出口212から水の高圧噴射を行い、かつ、照明部28による光の照射が可能なものであった。これに対して、ヘッド部2の他例を
図4に示す。
【0051】
図4に示すヘッド部2は、頭皮のケアを行うためのアタッチメント12となっている。アタッチメント12は、
図1~
図3に示すアタッチメント(ヘッド部2)と比較して、照明部28を有しておらず、ヘッドケース20の形状及びヘッド流路21の構造が異なる。アタッチメント12は、内蔵するモータにて駆動されるもみ玉281を有する。もみ玉281を駆動するモータは、操作部27における操作(入力)により、電子基板が有する制御部により制御される。また、アタッチメント12では、吐出口212が複数個形成されている。このアタッチメント12により、頭皮にマッサージ効果を与えて、頭皮のケアを行うことができる。
【0052】
ヘッド部2の更に他例を
図5に示す。
図5に示すヘッド部2は、通常の身体洗浄用のシャワーを浴びせるためのアタッチメント13となっている。アタッチメント13は、
図1~
図3に示すアタッチメント(ヘッド部2)と比較して、照明部28を有しておらず、ヘッドケース20の形状及びヘッド流路21の構造が異なる。また、アタッチメント13は、
図1~
図3に示すアタッチメント(ヘッド部2)が有するもみ玉281を有していない。アタッチメント13では、吐出口212が複数個形成されている。このアタッチメント12により、身体の洗浄を行いやすい。
【0053】
(2.8)効果
シャワー装置1にあっては、ヘッド部2がベース部3に着脱可能に装着されるため、ヘッド部2を取り換えることで、用途に応じたアタッチメントを取り付けることができ、拡張性の高いシャワーヘッド10とすることができる。
【0054】
また、ヘッド部2とベース部3との間の受給電を非接触(ワイヤレス給電)により行うため、露出した端子同士を電気的に接続する必要がなく、安全に受給電を行うことができる。
【0055】
また、第1実施形態においては、
図6Aに示すように、装着状態において、受電面201の法線の向き202がベース流路31から吐出される水の向き312となす角度θ2と、給電面301の法線の向き302が水の向き312となす角度θ3は、90度である。
【0056】
ところで、非接触受電部24と非接触給電部34との間で非接触による受給電を行うにあたり、受電面201及び給電面301の面積が大きいほど、大きな電力で受給電を行うことができる。このため、受電面201及び給電面301の面積は大きくする方が好ましい。
【0057】
受電面201の法線の向き202及び給電面301の法線の向き302が、ベース流路31から吐出される水の向き312に対して90度をなすと、受電面201及び給電面301が水の向き312に沿うことになる。この場合、ベース流路31から水が吐出されている時にヘッド部2のベース部3への装着が解除されて、装着状態からヘッド部2が少し移動した時、ベース流路31から吐出される水は、受電面201及び給電面301に沿う方向に進む。このため、ベース流路31から吐出される水は、受電面201又は給電面301に当たって受電面201又は給電面301を押す方向に力を加えることが起こりにくい。この結果、ヘッド部2が装着状態から大きく移動してベース部3から完全に脱落するといったことが起こりにくくなる。
【0058】
しかしながら、
図6Bに示すように、法線の向き202と水の向き312とがなす角度θ2が150度を超え、かつ、法線の向き302と水の向き312とがなす角度θ3が30度未満となるような場合には、装着状態からヘッド部2が少し移動した時、ベース流路31から吐出される水は、受電面201に当たって受電面201を押す方向に大きな力を加え、受電面201で跳ね返った水が給電面301を押す方向に力を加える。この結果、ヘッド部2が装着状態から大きく移動してベース部3から完全に脱落するおそれがある。
【0059】
同様に、
図6Cに示すように、法線の向き302と水の向き312とがなす角度θ2が30度未満となり、かつ、法線の向き202と水の向き312とがなす角度θ3が150度を超えるような場合には、装着状態からヘッド部2が少し移動した時、ベース流路31から吐出される水は、給電面301に当たって給電面301を押す方向に大きな力を加え、給電面301で跳ね返った水が受電面201を押す方向に力を加える。この結果、ヘッド部2が装着状態から大きく移動してベース部3から完全に脱落するおそれがある。
【0060】
第1実施形態においては、受電面201の法線の向き202及び給電面301の法線の向き302が、ベース流路31から吐出される水の向き312に対して90度をなすため、装着状態からヘッド部2が少し移動した状態でベース流路31から水が吐出されても、ヘッド部2がベース部3から脱落しにくい。
【0061】
(3)第2実施形態
以下、第2実施形態に係るシャワー装置1について、
図7を参照して説明する。なお、第2実施形態に係るシャワー装置1は、第1実施形態に係るシャワー装置1と大部分において同じであるため、重複する説明については省略する。
【0062】
第1実施形態においては、ヘッド部2の非接触受電部24は、ベース部3の非接触給電部34との間で受給電が行われるものであった。これに対して、第2実施形態においては、ヘッド部2の非接触受電部24は、シャワーヘッドホルダ7の非接触給電部71との間で受給電が行われる。
【0063】
シャワー装置1は、ヘッド部2を保持するシャワーヘッドホルダ7を備える。シャワーヘッドホルダ7は、浴室90の壁部に設置されるスライドバー72と、スライドバー72に対してスライド可能に設けられるホルダ本体70と、を有する。ホルダ本体70は、ヘッド部2を支持し、ヘッド部2がホルダ本体70から脱落しないように保持する。
【0064】
ホルダ本体70には、非接触給電部71が設けられる。非接触給電部71は、ホルダ本体70のうち、ヘッド部2と接触してヘッド部2を保持する部分の内部に設けられる。これにより、ホルダ本体70にヘッド部2が保持された状態で、非接触受電部24と非接触給電部71との間で受給電が可能となる。ホルダ本体70にヘッド部2が保持されて非接触受電部24と非接触給電部71との間で受給電が可能な状態となると、自動的に受給電が行われてもよい。
【0065】
また、ヘッド部2に給電するにあたり、ベース部3に非接触給電部34を設ける必要がなく、かつ、ホース6に電源コード62を設ける必要がなくなる。
【0066】
(4)第3実施形態
以下、第3実施形態に係るシャワー装置1について、
図8を参照して説明する。なお、第3実施形態に係るシャワー装置1は、第2実施形態に係るシャワー装置1と大部分において同じであるため、重複する説明については省略する。
【0067】
第2実施形態においては、非接触給電部71は、ホルダ本体70のうち、ヘッド部2と接触してヘッド部2を保持する部分の内部に設けられていた。これに対して、第3実施形態においては、ホルダ本体70が直接ヘッド部2を保持する部分ではなく、ホルダ本体70に保持されたヘッド部2の非接触受電部24が設けられた部分と対向する部分に非接触給電部71が設けられている。
【0068】
これにより、ホルダ本体70にヘッド部2が保持された状態で、非接触受電部24と非接触給電部71との間で受給電が可能となる。ホルダ本体70にヘッド部2が保持されて非接触受電部24と非接触給電部71との間で受給電が可能な状態となると、自動的に受給電が行われてもよい。
【0069】
(5)変形例
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0070】
シャワー装置1が設置される場所は、浴槽が設置された浴室90に限定されず、シャワールームであってもよい。また、シャワー装置1が設置される場所は、浴室90及びシャワールーム以外のスペースであってもよいし、屋外であってもよい。シャワー装置1により吐出される水は、浴室90内にて吐出されなくてもよい。
【0071】
給水源91としては、水道の他、給湯器、貯水タンク等が適宜に利用され、特に限定されない。
【0072】
シャワー装置1に供給される液体は、水に限定されず、水及び湯をはじめ、他の物質を含む水溶液であってもよいし、水以外の液体であってもよい。給水源91は、水を供給するものに限定されない。
【0073】
シャワー装置1は、ホース6を備えなくてもよい。すなわち、ホース6は任意の構成であり、シャワー装置1に含まれなくてもよい。シャワー装置1の使用時に、ベース部3のベース流路31と送水部4の流路41とが接続されていればよい。
【0074】
ヘッドケース20及びベースケース30の形状、大きさ、材質等は特に限定されない。また、ヘッドケース20及びベースケース30は、シャワーヘッド10の外殻を構成するものであり、ヘッド部2がベース部3に装着された際に、ヘッドケース20及びベースケース30により形成される内部空間が密閉されることが好ましい。なお、ヘッドケース20及びベースケース30により形成される内部空間は、必ずしも密閉されなくてもよい。
【0075】
ヘッド流路21及びベース流路31を構成するパイプ部材は、樹脂又は金属等からなる可撓性を有しないものであってもよいし、ゴム等からなる可撓性を有するホースであってもよい。ヘッド流路21及びベース流路31を構成するパイプ部材は、一直線状に延びなくてもよい。
【0076】
先端部材29は、任意の構成であり、ヘッド部2に含まれなくてもよい。
【0077】
ヘッド流路21の接続部211及びベース流路31の接続部311は、上述したようなオス及びメスからなるものでなくてもよく、接続部211及び接続部311は特に限定されない。
【0078】
ヘッド部2に形成される装着部22は、溝に限定されず、ベース部3に形成される装着部32は、突条に限定されない。
【0079】
操作部27は、押しボタンではなく、スイッチ、タッチパネル等により構成されてもよい。操作部27は、送信部23を構成する電子基板に搭載されてもよい。
【0080】
ヘッドケース20の受電面201の法線の向き202がヘッド流路21の延びる方向に対してなす角度は、90度でなくてもよく、限定されない。ベースケース30の給電面301の法線の向き302がベース流路31の延びる方向に対してなす角度は、90度でなくてもよく、限定されない。
【0081】
第1実施形態においては、蓄電部25はヘッド部2に設けられているが、蓄電部25は、任意の構成であり、ヘッド部2に含まれなくてもよい。
【0082】
装着検知部26は、リミットスイッチを用いるようなものでなく、例えばヘッドケース20とベースケース30との相対的な位置関係を光学的に検知して、ヘッド部2のベース部3への装着を検知するものであってもよく、特に限定されない。
【0083】
装着検知部26はヘッド部2に設けられているが、装着検知部26は、任意の構成であり、ヘッド部2に含まれなくてもよい。
【0084】
照明部28が設けられる場所、個数は限定されない。また、照明部28は、任意の構成であり、ヘッド部2に含まれなくてもよい。
【0085】
ケース40は、浴室90内に設置されてもよい。
【0086】
吐水・止水切替部43は、電磁弁により形成されなくてもよく、他の種類の弁により構成されてもよい。また、吐水・止水切替部43は、例えばポンプにより構成されてもよく、特に限定されない。
【0087】
高圧生成部44は、任意の構成であり、送水部4に含まれなくてもよい。流路切替弁45は、任意の構成であり、送水部4に含まれなくてもよい。
【0088】
制御部5は、送水部4に設けられてもよい。すなわち、制御部5は、制御ボックス50ではなくケース40内に収容されてもよく、この場合には制御ボックス50は不要となる。
【0089】
受信部11は、制御部5(制御ボックス50)に設けられなくてもよい。また、受信部11は、制御部5と同様に送水部4(ケース40)に設けられてもよい。
【0090】
ホース6の代わりに、可撓性を有しない樹脂又は金属等からなる管が用いられてもよい。
【0091】
電源コード62は、内部の導体を絶縁体で被覆した状態で、ホース本体60の表面に貼り付けられてもよい。
【0092】
シャワーヘッド10のアタッチメント(ヘッド部2)は、上述したものに限定されない。
【0093】
装着状態において、受電面201の法線の向き202及び給電面301の法線の向き302は、ベース流路31を流れる水の向き312と30度以上150度以下の角度をなすことが好ましい。
【0094】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様のシャワーヘッド10は、ヘッド部2と、ヘッド部2が着脱可能に装着されるベース部3と、を備える。ヘッド部2は、非接触受電部24を有する。ベース部3は、非接触給電部34を有する。ヘッド部2がベース部3に装着された状態において、ヘッド部2内のヘッド流路21とベース部3内のベース流路31とが通じ、かつ、非接触給電部34と非接触受電部24との間での受給電が可能な状態となる。
【0095】
第1の態様では、ヘッド部2とベース部3との間における有線による電気的な接続が不要となる。
【0096】
第2の態様は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、ヘッド部2は、ヘッド流路21を内部に有するヘッドケース20を更に有する。ベース部3は、ベース流路31を内部に有するベースケース30を更に有する。ヘッドケース20の表面の少なくとも一部が、受給電を行うための受電面201となる。ベースケース30の表面の少なくとも一部が、受給電を行うための給電面301となる。ヘッド部2がベース部3に装着された状態において、受電面201と給電面301とは、互いに近接又は接触して対向する。ヘッド部2がベース部3に装着された状態において、受電面201の法線の向き202及び給電面301の法線の向き302は、ベース流路31を流れる水の向き312と30度以上150度以下の角度をなす。
【0097】
第2の態様では、ベース流路31から水が吐出されている時にヘッド部2のベース部3への装着が解除されて、装着状態からヘッド部2が少し移動しても、ヘッド部2がベース部3から完全に脱落するといったことが起こりにくくなる。
【0098】
第3の態様は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、ベース部3に一端部がそれぞれ接続されて送水路61を構成するホース6を更に備える。
【0099】
第3の態様では、ホース6を別に準備する必要がない。
【0100】
第4の態様は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、ホース6は、非接触給電部34に電気的に接続される電源コード62を有する。
【0101】
第4の態様では、ホース6を利用して、ベース部3まで電源コード62(有線)による送電が可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1 シャワー装置
10 シャワーヘッド
11 受信部
2 ヘッド部
23 送信部
25 蓄電部
26 装着検知部
27 操作部
3 ベース部
34 非接触給電部
4 送水部
44 高圧生成部
5 制御部
6 ホース
61 送水路
62 電源コード
7 シャワーヘッドホルダ
71 非接触給電部