IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

<>
  • 特開-操作装置 図1
  • 特開-操作装置 図2
  • 特開-操作装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141413
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20230928BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B60R16/02 630L
G06F3/02 F
B60R16/02 610Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047726
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 至
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴夫
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020AA15
5B020BB10
5B020CC15
(57)【要約】
【課題】運転席の位置による音の聞こえ方の差を抑制することができる操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置1は、センタークラスタ82に配置された筐体10と、筐体10の前面11の左側に配置され、操作を受け付ける左側操作部20と、前面11の右側に配置され、操作を受け付ける右側操作部21と、左側操作部20になされた操作を検出する左側操作検出部30と、右側操作部21になされた操作を検出する右側操作検出部31と、左側操作検出部30及び右側操作検出部31が配置された基板17と、受け付けた操作に応じて音を出力し、左側操作検出部30と右側操作検出部31の間であって運転席及び助手席からの距離が等しくなるように基板17に配置された出力部4と、を備えて概略構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転席と助手席の斜め前方に位置するセンタークラスタに配置された筐体と、
前記筐体の前面の左側に配置され、操作を受け付ける左側操作部と、
前記前面の右側に配置され、操作を受け付ける右側操作部と、
前記左側操作部になされた操作を検出する左側操作検出部と、
前記右側操作部になされた操作を検出する右側操作検出部と、
前記左側操作検出部及び前記右側操作検出部が配置された基板と、
受け付けた操作に応じて音を出力し、前記左側操作検出部と前記右側操作検出部の間であって前記運転席及び前記助手席からの距離が等しくなるように前記基板に配置された出力部と、
を備えた操作装置。
【請求項2】
前記左側操作部と前記左側操作検出部を電気的に接続して信号を伝送する第1の伝送路、及び前記右側操作部と前記右側操作検出部を電気的に接続して信号を伝送する第2の伝送路は、経路が互いに等しい、
請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記左側操作部及び前記右側操作部は、タッチ操作を受け付け、
前記左側操作検出部及び前記右側操作検出部は、前記左側操作部及び前記右側操作部になされたタッチ操作を静電容量方式によって検出する、
請求項1又は2に記載の操作装置。
【請求項4】
前記左側操作検出部及び前記右側操作検出部は、左側半導体素子及び右側半導体素子に設けられ、
前記出力部は、前記左側半導体素子及び前記右側半導体素子の素子中心を結んだ直線の中点に中心を一致させて配置される、
請求項3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記基板に配置されると共に、前記左側操作検出部及び前記右側操作検出部と電気的に接続され、前記左側操作検出部及び前記右側操作検出部が検出したタッチ操作に応じて前記出力部を制御して音を出力させる制御部を備えた、
請求項3又は4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記車両の空調装置と電気的に接続され、受け付けたタッチ操作に基づいて前記空調装置を制御する、
請求項5に記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、タッチパネル式ディスプレイと、反応音を発生するためのスピーカと、を備えた車載ディスプレイ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この車載ディスプレイ装置は、反応音領域データに基づいてタッチパネル式ディスプレイに操作入力された入力位置が反応音領域に入る場合にスピーカで反応音を発生させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-18587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車載ディスプレイ装置は、例えば、タッチパネル式ディスプレイが薄くて細長く、筐体がそれに応じた形状を有している場合、静電検出機能と反応音を出力する出力機能との干渉を避けるために筐体の左右のいずれか一方に静電検出機能、他方に出力機能と分けて配置されると、運転席が左にある場合と右にある場合で音の聞こえ方が異なる問題がある。
【0006】
従って本発明の目的は、運転席の位置による音の聞こえ方の差を抑制することができる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、車両の運転席と助手席の斜め前方に位置するセンタークラスタに配置された筐体と、筐体の前面の左側に配置され、操作を受け付ける左側操作部と、前面の右側に配置され、操作を受け付ける右側操作部と、左側操作部になされた操作を検出する左側操作検出部と、右側操作部になされた操作を検出する右側操作検出部と、左側操作検出部及び右側操作検出部が配置された基板と、受け付けた操作に応じて音を出力し、左側操作検出部と右側操作検出部の間であって運転席及び助手席からの距離が等しくなるように基板に配置された出力部と、を備えた操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、運転席の位置による音の聞こえ方の差を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、操作装置の一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置が配置された車室内の一例を示す図である。
図2図2(a)は、操作装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、出力部の配置の一例を示す図であり、図2(c)は、基板の配置の一例である。
図3図3(a)は、操作装置の右ハンドル車における運転者までの距離の一例を示す図であり、図3(b)は、操作装置の左ハンドル車における運転者までの距離の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態の要約)
実施の形態に係る操作装置は、車両の運転席と助手席の斜め前方に位置するセンタークラスタに配置された筐体と、筐体の前面の左側に配置され、操作を受け付ける左側操作部と、前面の右側に配置され、操作を受け付ける右側操作部と、左側操作部になされた操作を検出する左側操作検出部と、右側操作部になされた操作を検出する右側操作検出部と、左側操作検出部及び右側操作検出部が配置された基板と、受け付けた操作に応じて音を出力し、左側操作検出部と右側操作検出部の間であって運転席及び助手席からの距離が等しくなるように基板に配置された出力部と、を備えて概略構成されている。
【0011】
この操作装置は、出力部が運転席と助手席から等距離となる位置に配置されるので、この構成を採用しない場合と比べて、左側に運転席及びステアリングが配置される左ハンドル車、又は右側に運転席及びステアリングが配置される右ハンドル車に配置されても運転者に対する音の聞こえ方の差を抑制することができる。
【0012】
[実施の形態]
(操作装置1の概要)
図1(a)は、実施の形態に係る操作装置の一例を示す図であり、図1(b)は、操作装置が配置された車室内の一例を示す図である。図2(a)は、実施の形態に係る操作装置のブロック図の一例であり、図2(b)は、出力部の配置の一例を示す図であり、図2(c)は、変形例に係る基板の配置の一例である。図3(a)は、実施の形態に係る操作装置の右ハンドル車における運転者までの距離の一例を示す図であり、図3(b)は、操作装置の左ハンドル車における運転者までの距離の一例を示す図である。
【0013】
右ハンドル車とは、図3(a)に示すように、ステアリング83が右側、つまり運転席が右側シート80となる車両である。また左ハンドル車とは、図3(b)に示すように、ステアリング83が左側、つまり運転席が左側シート81となる車両である。
【0014】
図1(b)、図2(b)、図3(a)及び図3(b)では、右側シート80に着座する運転者9の頭部中心90と、左側シート81に着座する運転者9の頭部中心91と、の位置を白い丸で模式的に示している。図1(b)及び図2(b)に示す中心線100、距離101、距離102及び直線103は、車両8を上から見た際の中心線100、距離101、距離102及び直線103を示している。
【0015】
なお以下に記載する実施の形態に係る各図において、図形間の比率や形状は、実際の比率や形状とは異なる場合がある。また図2(a)では、主な信号や情報の流れを矢印で示している。
【0016】
操作装置1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、車両8の運転席と助手席の斜め前方に位置するセンタークラスタ82に配置された筐体10と、筐体10の前面11の左側に配置され、操作を受け付ける左側操作部20と、前面11の右側に配置され、操作を受け付ける右側操作部21と、左側操作部20になされた操作を検出する左側操作検出部30と、右側操作部21になされた操作を検出する右側操作検出部31と、左側操作検出部30及び右側操作検出部31が配置された基板17と、受け付けた操作に応じて音を出力し、左側操作検出部30と右側操作検出部31の間であって運転席及び助手席からの距離101及び距離102が等しくなるように基板17に配置された出力部4と、を備えて概略構成されている。
【0017】
なお右ハンドル車の場合、運転席が右側シート80であり、助手席が左側シート81となる。また左ハンドル車の場合、運転席が左側シート81であり、助手席が右側シート80となる。
【0018】
本実施の形態の左側操作部20及び右側操作部21は、タッチ操作を受け付けるように構成されている。そのため左側操作検出部30及び右側操作検出部31は、左側操作部20及び右側操作部21になされたタッチ操作を静電容量方式によって検出するように構成されている。
【0019】
この左側操作検出部30及び右側操作検出部31は、図2(b)に示すように、左側半導体素子32及び右側半導体素子33に設けられている。出力部4は、図2(b)に示すように、左側半導体素子32及び右側半導体素子33の素子中心320及び素子中心330を結んだ直線103の中点に中心40を一致させて配置されている。
【0020】
操作装置1は、図2(a)及び図2(b)に示すように、基板17に配置されると共に、左側操作検出部30及び右側操作検出部31と電気的に接続され、左側操作検出部30及び右側操作検出部31が検出したタッチ操作に応じて出力部4を制御して音を出力させる制御部5を備えている。
【0021】
操作装置1は、図2(a)に示すように、車両8の車載装置85を制御対象としている。本実施の形態の操作装置1の制御部5は、一例として、車載装置85として車両8の空調装置と電気的に接続され、受け付けたタッチ操作に基づいて空調装置を制御するように構成されている。空調装置は、例えば、操作装置1になされたタッチ操作に基づいて設定温度の調整、風量の調整、吹出口の切り替えなどを行う。
【0022】
なお車載装置85は、空調装置に限定されず、車両全体の設定や自動運転機能の制御を行う車両制御装置、車室内の温度を調整する空調装置、現在地の地図や目的地までの誘導を行うナビゲーション装置、画像を表示する表示装置、音楽や映像を再生する音楽及び映像再生装置などであっても良い。
【0023】
(筐体10の構成)
筐体10は、図1(a)に示すように、配置スペースが限られるセンタークラスタ82に配置できるように、低背であり、かつ車両8の左右に細長い形状を有している。筐体10は、前面11がセンタークラスタ82から露出している。
【0024】
この前面11には、左側操作部20及び右側操作部21の複数のタッチスイッチ22が上下に並んでいる。なお操作装置1は、前面11の中央に表示部が設けられ、この表示部の左側に左側操作部20、及び右側に右側操作部21が配置される構成などであっても良い。
【0025】
(左側操作部20及び右側操作部21の構成)
左側操作部20及び右側操作部21は、一例として、図1(a)に示すように、矩形を有する、複数のタッチスイッチ22を備えている。このタッチスイッチ22は、タッチ操作によってオン、オフが切り替わるものである。タッチスイッチ22は、例えば、導電性を有する銅などの金属材料によって矩形の板形状とされた検出電極を備えて構成されている。
【0026】
なお変形例として左側操作部20及び右側操作部21は、タッチスイッチ22の他にダイヤルの回転操作を受け付ける回転操作部やスライド操作を受け付けるスライド操作部などが共に設けられても良い。
【0027】
左側操作部20は、図1(a)に示すように、前面11の左右の境界を示す境界線110から左側において点線で囲まれた複数のタッチスイッチ22を有している。左側操作部20は、一例として、上段に5つのタッチスイッチ22と、下段に5つのタッチスイッチ22と、を備えている。
【0028】
左側操作部20は、図2(b)に示すように、上段と下段のタッチスイッチ22が一体となったタッチシート200と、コネクタ171を介して左側操作検出部30と電気的に接続されるフレキシブルケーブル201と、を有している。
【0029】
右側操作部21は、前面11の境界線110から右側において点線で囲まれた複数のタッチスイッチ22を有している。右側操作部21は、一例として、下段に5つのタッチスイッチ22と、上段に5つのタッチスイッチ22と、を備えている。
【0030】
右側操作部21は、図2(b)に示すように、上段と下段のタッチスイッチ22が一体となったタッチシート210と、コネクタ173を介して右側操作検出部31と電気的に接続されるフレキシブルケーブル211と、を有している。
【0031】
フレキシブルケーブル201及びフレキシブルケーブル211は、タッチスイッチ22の検出電極と電気的に接続された配線が機材となるフィルムに形成されている。
【0032】
左側操作部20は、図2(a)に示すように、フレキシブルケーブル201を介して静電信号Sを左側操作検出部30に出力する。また右側操作部21は、フレキシブルケーブル211を介して静電信号Sを右側操作検出部31に出力する。
【0033】
(基板17の構成)
基板17は、一例として、矩形状を有する板状のリジット基板である。この基板17は、図1(a)及び図2(b)に示すように、筐体10の下面14に平行して配置される。また基板17は、左側半導体素子32、右側半導体素子33、出力部4及び制御部5が設置面170に配置されている。
【0034】
なお変形例としての基板17は、一例として、図2(c)に示すように、筐体10の前面11と平行に配置される。この基板17は、左側半導体素子32の素子中心320と、右側半導体素子33の素子中心330と、を結ぶ直線103の上であって、出力部4の中心40が素子中心320と素子中心330の中点に一致するように配置されるので、細長い形状とすることができる。よって操作装置1は、この構成を採用しない場合と比べて、高さ方向のみならず、前面11から後面12までの長さを短くしてより小型化することができる。
【0035】
(左側操作検出部30及び右側操作検出部31の構成)
左側操作検出部30は、左側操作部20の検出電極を充電し、充電した検出電極から電荷を読み出し、読み出した電荷から算出した静電容量と予め定められたしきい値とを比較してタッチ操作の有無を判定するように構成されている。
【0036】
同様に、右側操作検出部31は、右側操作部21の検出電極を充電し、充電した検出電極から電荷を読み出し、読み出した電荷から算出した静電容量と予め定められたしきい値とを比較してタッチ操作の有無を判定するように構成されている。
【0037】
なお左側操作検出部30及び右側操作検出部31は、例えば、複数のタッチスイッチ22との接続を周期的に切り替えながら電荷を読み出すように構成されている。
【0038】
左側操作検出部30は、左側操作部20から読み出した静電信号Sに基づいてタッチ操作を判定し、タッチ操作が検出されたタッチスイッチ22の情報を含む判定情報Sを生成して制御部5に出力する。
【0039】
右側操作検出部31は、右側操作部21から読み出した静電信号Sに基づいてタッチ操作を判定し、タッチ操作が検出されたタッチスイッチ22の情報を含む判定情報Sを生成して制御部5に出力する。
【0040】
本実施の形態の左側操作検出部30及び右側操作検出部31は、自己容量方式によってタッチ操作を検出するがこれに限定されず、縦横に交差するように設けられた検出電極によって二次元的なタッチ位置を検出する、相互容量方式によってタッチ操作を検出するように構成されても良い。
【0041】
また本実施の形態の左側操作部20、左側操作検出部30、右側操作部21及び右側操作検出部31は、静電容量方式によってタッチスイッチ22になされたタッチ操作を検出するように構成されたがこれに限定されない。変形例として左側操作部20、左側操作検出部30、右側操作部21及び右側操作検出部31は、例えば、タッチ操作に伴ってタッチスイッチ22に付加された圧力を検出するように構成されても良いし、タッチ操作に伴ってオン、オフするマイクロスイッチを備えて構成されても良い。
【0042】
圧力を検出する場合、左側操作部20及び右側操作部21がタッチスイッチ22ごとに付加された圧力を検出する圧力センサシートとして構成され、左側操作検出部30及び右側操作検出部31がしきい値以上の圧力に基づいてタッチ操作を判定するように構成される。
【0043】
マイクロスイッチのオン、オフに応じてタッチ操作を判定する場合、左側操作部20及び右側操作部21がマイクロスイッチを備えて構成され、左側操作検出部30及び右側操作検出部31がマイクロスイッチから出力される出力信号に基づいてタッチ操作が検出されたタッチスイッチ22を判定する。
【0044】
左側操作部20と左側操作検出部30を電気的に接続して信号を伝送する第1の伝送路202、及び右側操作部21と右側操作検出部31を電気的に接続して信号を伝送する第2の伝送路212は、経路が互いに等しくなるようにされている。
【0045】
第1の伝送路202は、図2(b)に示すように、左側操作部20から左側操作検出部30が設けられた左側半導体素子32までの伝送路、つまりフレキシブルケーブル201、コネクタ171及び配線群172を含む伝送路である。配線群172は、基板17に設けられ、コネクタ171と左側半導体素子32とを電気的に接続する複数の配線である。
【0046】
第2の伝送路212は、図2(b)に示すように、右側操作部21から右側操作検出部31が設けられた右側半導体素子33までの伝送路、つまりフレキシブルケーブル211、コネクタ173及び配線群174を含む伝送路である。配線群174は、基板17に設けられ、コネクタ173と右側半導体素子33とを電気的に接続する複数の配線である。
【0047】
なお左側操作部20及び右側操作部21が同じ構成を有している場合、左側操作検出部30及び右側操作検出部31を同じ回路構成とすることができるので、左側半導体素子32及び右側半導体素子33は、同じ半導体素子を使用することができる。
【0048】
(出力部4の構成)
出力部4は、一例として、圧電素子によって構成されたスピーカを含む回路であるがボイスコイルによって構成されたスピーカを含む回路であっても良い。出力部4は、制御部5から出力される制御信号Sに基づいてタッチ操作を受け付けたことを示すフィードバック音を出力する。なお出力部4の中心40は、スピーカの中心である。出力される音は、一例として、タッチ操作を受け付けたことを示すフィードバック音であるがこれに限定されない。
【0049】
筐体10は、一例として、出力部4の音を外に出力し易いように、後面12、上面13及び下面14に複数の小さな貫通孔が設けられても良いし、側面15及び側面16に複数の小さな貫通孔が設けられても良い。
【0050】
(制御部5の構成)
制御部5は、例えば、記憶されたプログラムに従って、取得したデータに演算、加工などを行うCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などから構成されるマイクロコンピュータである。このROMには、例えば、制御部5が動作するためのプログラムが格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果などを格納する記憶領域として用いられる。また制御部5は、その内部にクロック信号を生成する手段を有し、このクロック信号に基づいて動作を行う。
【0051】
制御部5は、図2(b)に示すように、基板17の設置面170に配置されている。制御部5は、一例として、左側半導体素子32からの距離と右側半導体素子33からの距離とが等しくなるように配置される。
【0052】
制御部5は、左側操作検出部30から取得した判定情報S、及び右側操作検出部31から取得した判定情報Sに基づいてタッチ操作が検出されたタッチスイッチ22の情報を含む操作情報Sを生成して車載装置85に出力する。
【0053】
・距離101及び距離102について
操作装置1は、複数のタッチスイッチ22を左側操作部20及び右側操作部21に分けると共に、操作検出部を左側半導体素子32及び右側半導体素子33に分けて基板17に配置したので、中心線100に沿って出力部4を配置することで音の聞こえ方の差を抑制することができる。
【0054】
具体的には、出力部4は、図2(b)に示すように、少なくとも中心線100上に中心40が位置することにより、運転席が右側シート80である際の運転者9の頭部中心90から中心40までの距離101、運転席が左側シート81である際の運転者9の頭部中心91までの距離102が等しくなるように配置されている。
【0055】
この中心線100は、図1(b)、図2(b)、図3(a)及び図3(b)に示すように、車両8の左右方向の中心を通り、前方と後方を通る直線である。中心線100上の点は、右ハンドル車の運転席に着座する運転者9の頭部中心90までの距離101と、左ハンドル車の運転席に着座する運転者9の頭部中心91までの距離102と、が等しくなる。
【0056】
従って出力部4は、中心線100上に中心40が位置するように配置されることで、右ハンドル車の運転者9までの距離101と、左ハンドル車の運転者9までの距離102と、が等しくなるので、音の聞こえ方の差が抑制される。
【0057】
なお基板17が前面11と平行に配置された場合、図2(c)に示すように、出力部4は、中心線100と基板17が交差する点であって、素子中心320及び素子中心330とを結ぶ直線103の中点に中心40が一致するように配置される。
【0058】
(実施の形態の効果)
本実施の形態に係る操作装置1は、運転席の位置による音の聞こえ方の差を抑制することができる。具体的には、車両8は、図3(a)及び図3(b)に示すように、販売される国によって同じ車種であっても右ハンドル車及び左ハンドル車が製造される。操作装置1は、出力部4が左右のいずれかに偏って配置された場合、右ハンドル車と左ハンドル車とでは、出力部4から運転者までの距離が異なって音の聞こえ方に差が生じる。しかし操作装置1は、右側シート80と左側シート81からの距離101及び距離102が等しい位置に配置されるので、右ハンドル車であっても左ハンドル車であっても音の聞こえ方の差を抑制することができる。
【0059】
操作装置1は、中心40が中心線100上となるように出力部4を配置したので、左側半導体素子32及び右側半導体素子33を、出力部4を挟んで左右に配置し、左側操作部20から左側半導体素子32までの第1の伝送路202、及び右側操作部21から右側半導体素子33までの第2の伝送路212を同じ長さとすることができる。操作装置1は、タッチ操作を検出する回路である左側操作検出部30及び右側操作検出部31と、これらの回路と干渉し易い出力部4と、を干渉が抑制されるように間隔を取って配置することができ、また第1の伝送路202及び第2の伝送路212を、タッチシートを左右に分けない場合と比べて短くすることができるので、外部ノイズなどの影響を受け難く、タッチ検出の誤判定を抑制することができる。
【0060】
操作装置1は、タッチ操作を検出する回路を小さく左側操作検出部30と右側操作検出部31とに分けることで、出力部4と干渉しないように小さいスペースに配置することができるので、この構成を採用しない場合と比べて、小型化し易く、高さ方向を薄く、つまり低背とすることができる。
【0061】
操作装置1は、車両8が備えているスピーカを使用することなく、装置単独でも運転席の位置による音の聞こえ方の差を抑制することができる。
【0062】
以上、本発明のいくつかの実施の形態及び変形例を説明したが、これらの実施の形態及び変形例は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。また、これら実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態及び変形例は、発明の範囲及び要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1…操作装置、4…出力部、5…制御部、8…車両、10…筐体、11…前面、17…基板、20…左側操作部、21…右側操作部、22…タッチスイッチ、30…左側操作検出部、31…右側操作検出部、32…左側半導体素子、33…右側半導体素子、40…中心、80…右側シート、81…左側シート、82…センタークラスタ、85…車載装置、100…中心線、101…距離、102…距離、103…直線、202…第1の伝送路、212…第2の伝送路、320…素子中心、330…素子中心
図1
図2
図3