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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141436
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】駐車支援システム及び駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047762
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 大陽
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴大
(72)【発明者】
【氏名】石川 雄一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 修
(72)【発明者】
【氏名】赤松 秀治
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC14
5H181CC30
5H181FF27
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】早期に精度よく駐車空間を検出することが可能な駐車支援システム等を提供する。
【解決手段】駐車支援システム1aは、車両1が駐車空間201に駐車するための支援を行う駐車支援システムであって、車両1に搭載された車載センサ10から、駐車空間201及び駐車空間201に隣接する駐車車両101及び102をセンシングしたセンシングデータを取得する取得部(車種推定部23)と、取得されたセンシングデータに基づいて駐車車両101及び102の車種を推定する車種推定部23と、推定された車種の諸元情報に基づいて、駐車空間201を検出する駐車空間検出部24とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象車両が駐車空間に駐車するための支援を行う駐車支援システムであって、
前記対象車両に搭載された車載センサから、前記駐車空間及び前記駐車空間に隣接する駐車車両をセンシングしたセンシングデータを取得する取得部と、
取得された前記センシングデータに基づいて前記駐車車両の車種を推定する車種推定部と、
推定された前記車種の諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する駐車空間検出部とを備える
駐車支援システム。
【請求項2】
前記車載センサは、カメラを含み、
前記車種推定部は、前記カメラが撮像した画像に対するパターン認識処理によって、前記車種を推定する
請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記諸元情報は、前記駐車車両の車両形状、及び、前記駐車車両における所定部位の第1位置を含み、
前記駐車空間検出部は、前記画像に映る前記駐車車両における前記所定部位の第2位置と、前記第1位置とに基づいて、前記対象車両に対する前記駐車車両の位置及び姿勢を推定し、推定された前記位置及び前記姿勢と、前記車両形状とを用いて前記駐車空間を検出する
請求項2に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記所定部位は、ナンバープレート及びタイヤの少なくとも一方を含む
請求項3に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
前記車載センサは、測距センサを含み、
前記車種推定部は、前記測距センサが取得した点群データに対するパターン認識処理によって、前記車種を推定する
請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項6】
前記諸元情報は、前記駐車車両の車両形状を含み、
前記駐車空間検出部は、前記点群データと、前記車両形状とに基づいて、前記対象車両に対する前記駐車車両の位置及び姿勢を推定し、推定された前記位置及び前記姿勢と、前記車両形状とを用いて前記駐車空間を検出する
請求項5に記載の駐車支援システム。
【請求項7】
さらに、前記対象車両の外部の装置と通信する無線通信部を備え、
前記諸元情報は、前記無線通信部を介して前記外部の装置から取得される
請求項1~6のいずれか1項に記載の駐車支援システム。
【請求項8】
前記諸元情報は、前記駐車車両のオーバーハング量を含み、
前記駐車空間検出部は、さらに、前記オーバーハング量に基づいて、前記駐車空間に設けられる輪留めの位置を推定する
請求項3、4、6のいずれか1項に記載の駐車支援システム。
【請求項9】
前記駐車空間検出部は、前記対象車両が前記駐車空間を横切る前に、前記駐車空間を検出する
請求項1~6のいずれか1項に記載の駐車支援システム。
【請求項10】
前記駐車空間は、第1駐車車両及び第2駐車車両に挟まれた空間であり、
前記センシングデータは、前記第1駐車車両、前記駐車空間及び前記第2駐車車両をセンシングしたデータであり、
前記駐車空間検出部は、前記第1駐車車両及び前記第2駐車車両それぞれの諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する
請求項1~6に記載の駐車支援システム。
【請求項11】
車両が駐車空間に駐車するための支援を行う駐車支援方法であって、
前記駐車空間及び前記駐車空間に隣接する駐車車両をセンシングしたセンシングデータを取得し、
取得された前記センシングデータに基づいて前記駐車車両の車種を推定し、
推定された前記車種の諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する
駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車支援システム及び駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両周辺を測距センサ、車載カメラなどの車載センサでセンシングし、センシング結果に基づいて駐車空間を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/208976号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駐車空間は、早期に精度よく検出されることが望まれる。
【0005】
そこで、本開示は、早期に精度よく駐車空間を検出することが可能な駐車支援システム及び駐車支援方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る駐車支援システムは、対象車両が駐車空間に駐車するための支援を行う駐車支援システムであって、前記対象車両に搭載された車載センサから、前記駐車空間及び前記駐車空間に隣接する駐車車両をセンシングしたセンシングデータを取得する取得部と、取得された前記センシングデータに基づいて前記駐車車両の車種を推定する車種推定部と、推定された前記車種の諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する駐車空間検出部とを備える。
【0007】
本開示の一態様に係る駐車支援方法は、車両が駐車空間に駐車するための支援を行う駐車支援方法であって、前記駐車空間及び前記駐車空間に隣接する駐車車両をセンシングしたセンシングデータを取得し、取得された前記センシングデータに基づいて前記駐車車両の車種を推定し、推定された前記車種の諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、早期に精度よく駐車空間を検出することが可能な駐車支援システム等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る駐車支援システムが使用される場面を説明するための図である。
図2図2は、実施の形態に係る駐車支援システムが搭載された車両の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る駐車支援システムの動作を示すフローチャートである。
図4図4は、図3に示すステップS40の第1例を説明するための第1図である。
図5図5は、図3に示すステップS40の第1例を説明するための第2図である。
図6A図6Aは、図3に示すステップS40の第2例を説明するための第1図である。
図6B図6Bは、図3に示すステップS40の第2例を説明するための第2図である。
図7図7は、実施の形態に係る駐車経路を説明するための図である。
図8図8は、実施の形態の変形例に係る駐車支援システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示に至った経緯)
本開示の説明に先立ち、本開示に至った経緯について図1を参照しながら説明する。図1は、以下で説明する実施の形態に係る駐車支援システムが使用される場面を説明するための図である。図1は、駐車支援システムが搭載された車両1が、駐車車両101及び102に挟まれた駐車空間201に駐車する場面の俯瞰図を示す。車両1は、以下で説明する実施の形態に係る車両であるが、当該車両1を用いて従来の課題についても説明する。なお、車両1は、紙面における右方向(駐車車両101から駐車車両102に向かう方向)に進んでいるものとする。
【0011】
駐車支援システムは、車両1が駐車空間201に駐車するための支援を行う情報処理システムである。図1の例では、駐車空間201は、駐車車両101及び102に挟まれた空間である。車両1は、車載センサ10を備えており、駐車支援システムは、車載センサ10のセンシングデータに基づいて駐車空間201を検出する。駐車空間201を検出するとは、例えば、駐車空間201の大きさを推定することを意味する。大きさは、例えば、駐車空間201の奥行きD、及び、幅Wを含む。奥行きDは、例えば、駐車車両101又は102の先端部から輪留め202までの距離であるが、駐車車両101又は102の車長であってもよい。
【0012】
車両1が駐車空間201に駐車するためには、駐車空間201の大きさ等を検出する必要があり、そのためには、駐車車両101及び102の駐車空間201側の形状の把握が必要となる。
【0013】
ここで、従来では、車載センサ10のセンシングデータから駐車車両101及び102の形状を把握している。この場合、車載センサ10の死角領域においては駐車車両101及び102の形状を把握することができないので、駐車車両101及び102の駐車空間201側の形状を取得するためには、車両1は、駐車空間201に近づく、又は、駐車空間201を横切る(通過する)必要がある。つまり、駐車空間201を検出するには、駐車空間201に近づく、又は、駐車空間201を横切る必要がある。よって、従来であれば、早期に駐車空間201を検出することが困難である。
【0014】
また、特許文献1の技術では、測距センサで取得した手前側障害物の輪郭点の検出履歴に基づいて、手前側障害物のコーナーの位置を検出し、車載カメラにより撮像された画像を用いて奥側障害物のコーナーの推定している。このような技術では、手前側障害物のコーナーの位置を検出するために手前側障害物の近くまで車両が近づく必要があり、早期に駐車空間を検出することが困難であり、かつ、測距センサからコーナー位置を検出する場合、反射点のばらつきなどから精度が不十分となることが起こり得る。
【0015】
そこで、本願発明者らは、早期に精度よく駐車空間201を検出することが可能な駐車支援システム等について鋭意検討を行い、以下に示す駐車支援システム等を創案した。
【0016】
本開示の一態様に係る駐車支援システムは、対象車両が駐車空間に駐車するための支援を行う駐車支援システムであって、前記対象車両に搭載された車載センサから、前記駐車空間及び前記駐車空間に隣接する駐車車両をセンシングしたセンシングデータを取得する取得部と、取得された前記センシングデータに基づいて前記駐車車両の車種を推定する車種推定部と、推定された前記車種の諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する駐車空間検出部とを備える。
【0017】
これにより、駐車車両の諸元情報を用いるので、対象車両からの死角領域を含む当該駐車車両の形状を正確に取得することができる。つまり、駐車空間を精度よく検出することができる。また、駐車車両の車種を推定できればよいので、駐車車両の周辺において駐車車両のコーナー位置の推定などのためにセンシングを行う必要がない。よって、本開示の一態様に係る駐車支援システムによれば、早期に精度よく駐車空間を検出することが可能である。
【0018】
また、例えば、前記車載センサは、カメラを含み、前記車種推定部は、前記カメラが撮像した画像に対するパターン認識処理によって、前記車種を推定してもよい。
【0019】
これにより、カメラにより撮像された画像から車種を推定することができる。
【0020】
また、例えば、前記諸元情報は、前記駐車車両の車両形状、及び、前記駐車車両における所定部位の第1位置を含み、前記駐車空間検出部は、前記画像に映る前記駐車車両における前記所定部位の第2位置と、前記第1位置とに基づいて、前記対象車両に対する前記駐車車両の位置及び姿勢を推定し、推定された前記位置及び前記姿勢と、前記車両形状とを用いて前記駐車空間を検出してもよい。
【0021】
これにより、駐車車両の位置及び姿勢を推定した結果に基づいて駐車空間を検出するので、より精度よく駐車空間を検出することが可能である。
【0022】
また、例えば、前記所定部位は、ナンバープレート及びタイヤの少なくとも一方を含んでもよい。
【0023】
これにより、同一車種であれば位置のズレが小さいナンバープレート及びタイヤの少なくとも一方を用いることで、駐車車両の位置及び姿勢をより正確に推定することができる。
【0024】
また、例えば、前記車載センサは、測距センサを含み、前記車種推定部は、前記測距センサが取得した点群データに対するパターン認識処理によって、前記車種を推定してもよい。
【0025】
これにより、測距センサにより取得された点群データから車種を推定することができる。
【0026】
また、例えば、前記諸元情報は、前記駐車車両の車両形状を含み、前記駐車空間検出部は、前記点群データと、前記車両形状とに基づいて、前記対象車両に対する前記駐車車両の位置及び姿勢を推定し、推定された前記位置及び前記姿勢と、前記車両形状とを用いて前記駐車空間を検出してもよい。
【0027】
これにより、駐車車両の位置及び姿勢を推定した結果に基づいて駐車空間を検出するので、より精度よく駐車空間を検出することが可能である。
【0028】
また、例えば、さらに、前記対象車両の外部の装置と通信する無線通信部を備え、前記諸元情報は、前記無線通信部を介して前記外部の装置から取得されてもよい。
【0029】
これにより、対象車両が諸元情報を記憶していなくてもよいので、対象車両のデータベースの容量を小さくすることができる。
【0030】
また、例えば、前記諸元情報は、前記駐車車両のオーバーハング量を含み、前記駐車空間検出部は、さらに、前記オーバーハング量に基づいて、前記駐車空間に設けられる輪留めの位置を推定してもよい。
【0031】
これにより、輪留めの位置が推定されるので、さらに精度よく駐車空間を推定することができる。
【0032】
また、例えば、前記駐車空間検出部は、前記対象車両が前記駐車空間を横切る前に、前記駐車空間を検出してもよい。
【0033】
これにより、対象車両が駐車空間を横切る前に駐車空間への駐車経路を生成することができる。
【0034】
また、例えば、前記駐車空間は、第1駐車車両及び第2駐車車両に挟まれた空間であり、前記センシングデータは、前記第1駐車車両、前記駐車空間及び前記第2駐車車両をセンシングしたデータであり、前記駐車空間検出部は、前記第1駐車車両及び前記第2駐車車両それぞれの諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出してもよい。
【0035】
これにより、2台の駐車車両により駐車空間が挟まれている場合でも、駐車空間を精度よく検出することができる。
【0036】
本開示の一態様に係る駐車支援方法は、車両が駐車空間に駐車するための支援を行う駐車支援方法であって、前記駐車空間及び前記駐車空間に隣接する駐車車両をセンシングしたセンシングデータを取得し、取得された前記センシングデータに基づいて前記駐車車両の車種を推定し、推定された前記車種の諸元情報に基づいて、前記駐車空間を検出する。
【0037】
これにより、上記の駐車支援システムと同様の効果を奏する。
【0038】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の非一時的記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め記憶されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0039】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0040】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0041】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0042】
また、本明細書において、一致などの要素間の関係性を示す用語、並びに、数値、および、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0043】
(実施の形態)
以下、本実施の形態に係る駐車支援システム及び当該駐車支援システムが搭載された車両について、図2図7を参照しながら説明する。
【0044】
[1.車両の構成]
まず、本実施の形態に係る駐車支援システム及び当該駐車支援システムが搭載された車両の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態に係る駐車支援システム1aが搭載された車両1の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る駐車支援システム1aは、車載センサ10のセンシングデータから駐車車両101及び102の車種を推定し、推定した車種の諸元情報を用いて、駐車空間201を検出する点に特徴を有する。なお、車種とは、例えば、車名であるが、車両の構造、大きさ、機能等が同じ又は近いものを分類したものであってもよい。車種は、例えば、「普通乗用車」、「小型貨物車」、「軽四輪乗用車」などの用途で分類されたものであってもよいし、「セダン」、「スポーツ」、「ステーションワゴン」などのボディタイプで分類されたものであってもよい。
【0045】
なお、図2では、駐車支援システム1aが車両1内に搭載されている例を示している。駐車支援システム1aは、例えば、単一の装置として実現されるが、これに限定されない。
【0046】
図2に示すように、車両1は、車載センサ10と、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)20と、データベース30とを備える。また、駐車支援システム1aは、ECU20が備える情報処理部22及び駐車空間検出部24と、データベース30とを含む。駐車支援システム1aは、さらに、車載センサ10及びセンサ制御部21の少なくとも一方を含んでいてもよい。車両1は、対象車両の一例である。
【0047】
駐車支援システム1aは、車両1が駐車空間201に駐車するための支援を行う情報処理システムである。駐車支援システム1aは、車両1が駐車空間201に駐車する場合、駐車空間201を検出するための処理を行う。駐車支援システム1aは、車両1が当該駐車空間に駐車可能であるか否かの判定、及び、車両1が駐車空間201に駐車するときの駐車経路の生成の少なくとも一方を行うための処理を行い、車両1の駐車を支援する。例えば、駐車支援システム1aは、駐車空間201の大きさ等を検出する。
【0048】
車載センサ10は、車両1の周辺に存在する障害物を検出するセンサである。車載センサ10は、カメラ及び測距センサの少なくとも一方を含む。カメラは、例えば、魚眼レンズを有する魚眼カメラであるが、視差を利用して障害物との間の距離を測定可能なステレオカメラであってもよい。また、カメラは、モノクロ画像を撮像するモノクロカメラであってもよいし、カラー画像を撮像するカラーカメラであってもよい。また、カメラは、例えば、駐車車両101、駐車空間201及び駐車車両102を含む画像を撮像する。カメラが撮像した画像は、センシングデータの一例である。
【0049】
また、測距センサは、音波、電波、電磁波又は光等を利用して障害物との間の距離を測定可能なソナー、レーダー、ライダー(Lidar)の少なくとも1つを含む。また、測距センサは、例えば、駐車車両101、駐車空間201及び駐車車両102を含む領域をセンシングしたセンシング結果(例えば、点群データ)を取得する。センシング結果(例えば、点群データ)は、センシングデータの一例である。
【0050】
車載センサ10は、車両1の前方をセンシング可能に取り付けられる。また、車載センサ10は、車両1の後方又は側方をセンシングできるように取り付けられていてもよい。車載センサ10は、例えば車両1に標準装備されているセンサである。
【0051】
ECU20は、車両1内の車載ネットワークに複数接続され、車両1の各部を制御する。ECU20は、センサ制御部21と、情報処理部22と、駐車空間検出部24とを備える。ECU20は、例えば、プロセッサ(マイクロプロセッサ)、メモリなどのデジタル回路、アナログ回路、通信回路などを含む装置である。メモリは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などであり、プロセッサにより実行される制御プログラム(コンピュータプログラム)を記憶することができる。例えば、プロセッサが、制御プログラムにしたがって動作することにより、ECU20は、センサ制御部21、情報処理部22及び駐車空間検出部24の機能を実現する。コンピュータプログラムは、所定の機能を実現するために、プロセッサに対する命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0052】
センサ制御部21は、車載センサ10を制御する。センサ制御部21は、車載センサ10を制御して、車両1の周辺のセンシングを行わせる。また、センサ制御部21は、車載センサ10が駐車空間201及びその両脇の駐車車両101及び102をセンシングしたセンシングデータを情報処理部22に出力する。
【0053】
センサ制御部21は、車載センサ10から取得したセンシングデータを、車載センサ10の視点から車両1を俯瞰する仮想視点のデータに視点を変換し、変換したデータ(例えば、俯瞰画像)を情報処理部22に出力してもよい。
【0054】
情報処理部22は、センサ制御部21から車載センサ10のセンシングデータを取得し、取得したセンシングデータを用いて情報処理を行う。本実施の形態では、情報処理部22は、センシングデータを取得し、取得したセンシングデータに基づいて駐車車両の車種を推定するための情報処理を実行する。情報処理部22は、センシングデータを取得する取得部として機能する。情報処理部22は、車種推定部23を有する。
【0055】
車種推定部23は、センシングデータに基づいて、駐車空間201の両脇に駐車している駐車車両101及び102それぞれの車種を推定する。車種推定部23は、センシングデータとして点群データを取得した場合、測距センサから取得した点群データに対するパターン認識処理によって、車種を推定する。例えば、車種推定部23は、駐車車両101及び102の点群データの形状(例えば、バンパー部分をセンシングして得られる点群データの形状)と、データベース30に記憶されている車種ごとの点群データの形状(例えば、バンパー部分における点群データの形状)とから駐車車両101及び102の車種を推定する。
【0056】
また、車種推定部23は、センシングデータとして画像(画像データ)を取得した場合、カメラが撮像した画像に対するパターン認識処理によって、車種を推定する。例えば、車種推定部23は、画像内の駐車車両101及び102の形状データと、データベース30に記憶されている車種ごとの形状データとから駐車車両101及び102の車種を推定する。
【0057】
なお、車種推定部23がセンシングデータから駐車車両101及び102の車種を推定する方法は上記に限定されず、既知のいかなる技術が用いられてもよい。
【0058】
駐車空間検出部24は、車種推定部23により推定された駐車車両101及び102の車種に基づいて、駐車空間を検出する。駐車空間検出部24は、推定された車種に基づいて当該車種における諸元情報を取得し、取得した諸元情報に基づいて、駐車空間201を検出する。本実施の形態では、駐車空間検出部24は、駐車車両101及び102それぞれの諸元情報を取得し、取得した駐車車両101及び102それぞれの諸元情報に基づいて、駐車空間201を検出する。
【0059】
データベース30は、自車両を含む複数の車両の情報を記憶する記憶装置である。データベース30には、自車両を含む複数の車両の車種ごとの諸元情報を記憶する。諸元情報には、車両の二次元又は三次元モデル、点群データなどが含まれる。また、諸元情報には、車幅、車長、車両外形、オーバーハング、ホイールベース、ナンバープレートの位置、ライト位置、エンブレム位置、ミラー位置、ピラー位置、ドア位置、センサ搭載位置、最低地上高、動力源及び全視点からのカメラ画像の少なくとも1つを含む。本実施の形態では、諸元情報は、車幅、車長及び車両外形を含む。
【0060】
[2.駐車支援システムの動作]
次に、上記のように構成される駐車支援システム1aの動作について、図3図7を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態に係る駐車支援システム1aの動作(駐車支援方法)を示すフローチャートである。なお、図3に示す動作のうち、例えばステップS50までの動作は、車両1が駐車空間201を横切る前に実行される。例えば、図3に示す動作の全てが、車両1が駐車空間201を横切る前に実行されてもよい。
【0061】
まず、車種推定部23は、センサ制御部21を介して、車両1に搭載された車載センサ10からセンシングデータを取得する(S10)。車種推定部23は、駐車空間201及び駐車空間201に隣接する駐車車両101及び102をセンシングしたセンシングデータを取得する。センシングデータの取得は、例えば、ドライバから駐車する操作を受け付けたことにより実行されてもよいし、車両1が駐車場に侵入したことにより実行されてもよい。
【0062】
次に、車種推定部23は、センシングデータに基づいて、駐車車両101及び102それぞれの車種を推定する(S20)。車種推定部23は、推定した車種を駐車空間検出部24に出力する。
【0063】
次に、駐車空間検出部24は、車種推定部23から取得した車種に基づいて、駐車車両101及び102の諸元(諸元情報)を取得する(S30)。駐車空間検出部24は、データベース30から、駐車車両101の車種に対応する諸元と、駐車車両102の車種に対応する諸元とを取得する。
【0064】
次に、駐車空間検出部24は、センシングデータと諸元との位置合わせを実行する(S40)。ステップS40は、車両1に対する駐車車両101及び102の位置及び姿勢を取得するための処理である。車載センサ10が測距センサである場合の位置合わせ方法を図4及び図5を参照しながら説明し、車載センサ10がカメラである場合の位置合わせ方法を図6A及び図6Bを参照しながら説明する。
【0065】
図4は、図3に示すステップS40の第1例を説明するための第1図である。図4の(a)は、車載センサ10で取得された駐車車両101のセンシングデータ(点群データ)を示し、図4の(b)は、駐車車両101の諸元情報111aを示し、図4の(c)は、駐車車両101の諸元情報111bを示す。諸元情報111aは、車両前側形状(フロントバンパー形状)を示し、諸元情報111bは、車両後側形状(リアバンパー形状)を示す。なお、図4の(a)~(c)は、俯瞰する仮想視点から見た場合の二次元形状を示す。諸元情報111a及び111bは、ステップS30で取得される。
【0066】
駐車空間検出部24は、点群データ、及び、諸元情報111aのマッチングと、点群データ、及び、諸元情報111bのマッチングとを実行する。マッチングとは、点群データの形状に近い又は点群データの形状と一致する車両形状を見つける処理である。
【0067】
なお、図4の(b)及び(c)では、諸元情報111a及び111bが線により車両形状を示すデータである例について説明したが、例えば、諸元情報111a及び111bは点により車両形状を示すデータ(点群データ)であってもよい。
【0068】
図5は、図3に示すステップS40の第1例を説明するための第2図である。図5は、俯瞰する仮想視点から見た場合の二次元形状を示す。図5は、点群データと諸元情報111aとが一致した場合の、センシングデータに諸元情報111が重畳されたデータ(例えば画像)を示す。諸元情報111は、駐車車両101を俯瞰する仮想視点から見た場合の駐車車両101全体の二次元形状を示す。
【0069】
図5に示すように、駐車空間検出部24は、諸元情報111のフロントバンパーが駐車車両101のフロントバンパーをセンシングして得られた点群データに沿うように、センシングデータ上に諸元情報111を配置する。これにより、車両1に対する駐車車両101の位置及び姿勢が推定される。なお、駐車車両102に対しても、駐車車両101と同様に、ステップS40の処理が行われる。
【0070】
図4及び図5に示すように、駐車空間検出部24は、駐車車両101の点群データと、駐車車両101の車両形状を示す諸元情報111、111a及び111bとに基づいて、車両1に対する駐車車両101の位置及び姿勢を推定する。
【0071】
図6Aは、図3に示すステップS40の第2例を説明するための第1図である。図6Bは、図3に示すステップS40の第2例を説明するための第2図である。図6Aは、車載センサ10が駐車車両101を前方から撮像した場合に得られる画像を示し、図6Bは、車載センサ10が駐車車両101を側方から撮像した場合に得られる画像を示す。センシングデータが画像である場合、諸元情報として、例えば、駐車車両101及び102それぞれに対する車両形状及び所定部位の位置がデータベース30から取得される。
【0072】
図6Aに示すように、画像には、駐車車両101のナンバープレート101aが映っている。また、図6Bに示すように、画像には、駐車車両101の前輪タイヤ101b及び後輪タイヤ101cが映っている。
【0073】
駐車空間検出部24は、図6A及び図6Bに示す画像の画像解析により、駐車車両101におけるナンバープレート101aの位置、前輪タイヤ101b及び後輪タイヤ101cの位置(例えば、車軸の位置)を検出する。駐車空間検出部24は、ナンバープレート101aの位置、前輪タイヤ101bの位置及び後輪タイヤ101cの位置の少なくとも1つを検出すればよい。ナンバープレート101a、前輪タイヤ101b及び後輪タイヤ101cは、所定部位の一例である。
【0074】
なお、所定部位は上記に限定されず、同一車種であれば位置が大きく異ならない部位であればよい。所定部位は、ライト、エンブレム、ミラー、ピラー、ドアなどの少なくとも1つであってもよい。例えば、カメラが駐車車両101及び102の側方を撮像している場合、所定部位としてタイヤ(前輪タイヤ101b及び後輪タイヤ101c)が用いられ、カメラが駐車車両101及び102の前後方向を撮像している場合、所定部位としてナンバープレート101a、ライトなどが用いられてもよい。また、駐車空間検出部24は、ステップS40において、上記で例示した複数の所定部位のうち2以上の部位の位置を検出してもよい。
【0075】
この場合、画像上の駐車車両101の所定部位の位置と、駐車車両101の諸元情報における所定部位の位置とが一致するように、当該画像上に駐車車両101の諸元情報111が重畳される。
【0076】
駐車空間検出部24は、画像に映る駐車車両101における所定部位の位置(第2位置の一例)と、諸元情報に含まれる駐車車両101における所定部位の位置(第1位置の一例)とに基づいて、車両1に対する駐車車両101の位置及び姿勢を推定する。なお、駐車車両102に対しても、駐車車両101と同様に、ステップS40の処理が行われる。
【0077】
なお、駐車空間検出部24は、駐車車両101及び102が映る画像に対してセマンテックセグメンテーションの処理を行い、駐車車両101及び102と周辺との境界の情報を取得し、当該境界の情報と、諸元情報として記憶されている駐車車両101及び102が映る画像に対してセマンテックセグメンテーションの処理を行うことで得られる境界の情報とに基づいて、車両1に対する駐車車両101及び102の位置及び姿勢を推定してもよい。
【0078】
図3を再び参照して、次に、駐車空間検出部24は、ステップS40において位置合わせを行った結果に基づいて、駐車空間201を検出する(S50)。駐車空間検出部24は、例えば、駐車車両101及び102における推定された位置及び姿勢と、駐車車両101及び102の諸元情報111及び112(車両形状の一例)とを用いて駐車空間201を検出する。図7は、本実施の形態に係る駐車経路を説明するための図である。図7は、俯瞰する仮想視点から見た場合の二次元形状を示す。
【0079】
図7に示すように、ステップS40において位置合わせを行った結果、センシングデータには、車両1と、駐車車両101に対応する諸元情報111と、駐車車両102に対応する諸元情報112とが含まれる。図7に示す画像は、駐車車両101、駐車空間201及び駐車車両102をセンシングして得られる俯瞰画像において、駐車車両101に対応する位置に諸元情報111が重畳され、駐車車両102に対応する位置に諸元情報112が重畳された画像である。例えば、当該画像には、車載センサ10により取得された駐車車両101及び102に関する情報は含まれなくてもよい。
【0080】
駐車空間検出部24は、図7に示すような諸元情報111及び112を含む画像に基づいて駐車空間201を検出する。駐車空間検出部24は、諸元情報111及び112の間の距離(図1に示す幅W)を算出し、算出された距離から所定距離差し引いた距離を駐車空間201の距離(幅)であるとしてもよい。駐車空間検出部24は、諸元情報111及び112の位置、及び、車幅に基づいて、駐車空間201の距離(幅)を算出可能である。
【0081】
また、駐車空間検出部24は、諸元情報に含まれる駐車車両101及び102の車長から駐車空間201の奥行きを算出する。
【0082】
上記のように、駐車空間検出部24は、諸元情報111及び112を用いて駐車空間201を検出することで、車載センサ10における死角領域の情報を、駐車空間201を横切らなくても取得することができる。よって、駐車空間検出部24は、駐車空間201に隣接する駐車車両101及び102の車種を推定することができれば、駐車空間201から離れた位置であっても、駐車空間201を検出可能である。
【0083】
なお、駐車空間検出部24は、さらに、駐車車両101及び102の位置及び姿勢、並びに、オーバーハング量に基づいて、駐車空間201に設けられる輪留め202(図1を参照)の位置を推定してもよい。例えば、駐車空間検出部24は、駐車車両101及び102のフロントオーバーハング量及びリアオーバーハング量の少なくとも一方に基づいて、駐車空間201の輪留め202の位置を推定してもよい。この場合、駐車空間検出部24は、諸元情報として、駐車車両101及び102のフロントオーバーハング量及びリアオーバーハング量の当該少なくとも一方がデータベース30から取得される。駐車空間検出部24は、例えば、駐車車両101が前向き駐車しているか否かを判定し、前向き駐車している場合、フロントオーバーハング量を取得し、駐車車両101がバック駐車している場合、リアオーバーハング量を取得してもよい。
【0084】
フロントオーバーハングは、車両のホイールベースからはみ出した部分のうち前方側の部分であり、フロントオーバーハング量は、車両の先端から前輪の中心までの長さである。また、リアオーバーハングは、車両のホイールベースからはみ出した部分のうち後方側の部分であり、リアオーバーハング量は、車両の後端から後輪の中心までの長さである。
【0085】
そして、駐車空間検出部24は、例えば、駐車車両101が前向き駐車している場合、諸元情報として取得した駐車車両101の車長とフロントオーバーハング量とに基づいて、例えば、駐車車両101の車長からフロントオーバーハング量を引いた長さから輪留め212の位置を推定してもよい。また、駐車空間検出部24は、例えば、駐車車両101がバック駐車している場合、諸元情報として取得した駐車車両101の車長とリアオーバーハング量とに基づいて、例えば、駐車車両101の車長からリアオーバーハング量を引いた長さから輪留め202の位置を推定してもよい。輪留め202の位置は、例えば、駐車空間201の車両1側の端部から輪留め202までの奥行きD(図1を参照)として推定される。駐車空間201の車両1側の端部(車両1が侵入する側の端部)は、図1の例では、駐車車両101のフロント側の端部である、これに限定されない。駐車空間201の車両1側の端部は、駐車区間を区切る駐車線の位置であってもよい。輪留め202の位置も、諸元情報111及び112を用いて推定される。なお、図7では、推定された輪留め202を、輪留め212として図示している。これにより、車両1の死角領域に輪留め202がある場合でも、輪留め202の位置を精度よく推定することができる。
【0086】
図3を再び参照して、駐車空間検出部24は、検出した駐車空間201に基づいて、車両1が当該駐車空間201に駐車可能か否かを判定する(S60)。駐車空間検出部24は、車両1の大きさ(車長及び車幅)と、駐車空間201の大きさ(奥行きD及び幅W)とに基づいて、車両1が駐車空間201に駐車可能か否かを判定する。また、駐車空間検出部24は、輪留め202の位置と、車両1の車長、フロントオーバーハング量及びリアオーバーハング量とに基づいて、車両1が駐車空間201に駐車可能か否かを判定してもよい。
【0087】
次に、駐車空間検出部24は、車両1が駐車空間201に駐車可能であると判定した場合(S60でYes)、駐車経路を生成する(S70)。駐車空間検出部24は、車両1の現在位置、駐車空間201の大きさ、駐車空間201までの距離などに応じて、駐車経路を生成する。駐車空間検出部24は、駐車空間201を横切る前、例えば、駐車車両101を横切る前に駐車経路を生成することができるので、図7に示すように、駐車空間201を横切る前の時点、例えば、駐車車両101を横切る前の時点で、前向き駐車する駐車経路を生成することが可能である。
【0088】
また、駐車空間検出部24は、ステップS70において、例えば、輪留め202の位置、フロントオーバーハング量及びリアオーバーハング量に基づいて、車両1を前向き駐車するかバック駐車するかを判定してもよい。
【0089】
また、駐車空間検出部24は、車両1が駐車空間201に駐車不可能であると判定した場合(S60でNo)、ステップS10に戻り、次の駐車空間201に対してステップS10以降の処理を実行する。
【0090】
以上のように、駐車支援システム1aは、車載センサ10のセンシングデータから駐車車両101及び102の車種を推定し、推定した車種の諸元情報を用いて、駐車空間201を検出する。
【0091】
(実施の形態の変形例)
以下、本変形例に係る駐車支援システムについて、図8を参照しながら説明する。図8は、本変形例に係る駐車支援システム1bの構成を示すブロック図である。本変形例に係る駐車支援システム1bは、複数の装置により実現される。
【0092】
図8に示すように、駐車支援システム1bは、車両300とサーバ400とを備える。
【0093】
車両300は、実施の形態に係る車両1が備えるデータベース30を備えておらず、かつ、無線通信部50を備える。
【0094】
無線通信部50は、車両300がサーバ400と通信するための通信回路(通信モジュール)である。無線通信部50は、車種推定部23が推定した車種を示す情報をサーバに送信し、サーバ400から当該車種の諸元情報を受信し、駐車空間検出部24に出力する。なお、無線通信部50とサーバ400の無線通信部410との通信方式は特に限定されない。通信方式は、電波通信であってもよいし、光通信であってもよい。
【0095】
サーバ400は、車種ごとの諸元情報を管理する。サーバ400は、例えば、パーソナルコンピュータなどにより実現されるが、これに限定されない。サーバ400は、無線通信部410と、制御部420と、データベース430とを有する。
【0096】
無線通信部410は、サーバ400が車両300と通信するための通信回路(通信モジュール)である。
【0097】
制御部420は、サーバ400の各構成要素を制御する。制御部420は、車両300から駐車車両101及び102の車種を示す情報を取得すると、当該車種の諸元情報をデータベース430から読み出し、読み出した諸元情報を無線通信部410を介して車両300に送信する制御を行う。
【0098】
データベース430は、車両300を含む複数の車両の情報を記憶する記憶装置である。データベース430は、実施の形態のデータベース30と同様の情報を記憶する。
【0099】
以上のように、駐車支援システム1bは、複数の装置(図8の例では、車両300及びサーバ400)により実現されてもよい。なお、駐車支援システム1bが複数の装置によって実現される場合、当該駐車支援システム1bが備える各構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。例えば、サーバ400は、ECU20が有する車種推定部23及び駐車空間検出部24の少なくとも一方の機能を有していてもよい。
【0100】
(その他の実施の形態)
以上、一つまたは複数の態様に係る駐車支援システム等について、実施の形態等に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態等に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0101】
例えば、上記実施の形態等における駐車空間は、両側に駐車車両が隣接していることに限定されない。本開示は、駐車空間の一方側にのみ駐車車両が隣接している場合にも適用可能である。例えば、本開示は、駐車空間の一方側にのみ駐車車両が隣接しており、他方側は壁である、又は、駐車車両以外の物体(障害物)が置かれている場合にも適用可能である。
【0102】
また、上記実施の形態等における駐車空間は、駐車用の区画線が設けられた空間であってもよいし、区画線が設けられていない空間であってもよい。
【0103】
また、上記実施の形態等では、車両が並列駐車する例について説明したが、本開示は、車両が縦列駐車する場合にも適用可能である。
【0104】
また、上記実施の形態等における車両は、自動運転車両であってもよいし、手動運転車両であってもよいし、自動運転と手動運転とを切り替え可能な車両であってもよい。
【0105】
また、上記実施の形態等において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0106】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0107】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0108】
また、上記実施の形態等で説明した各構成要素は、ソフトウェアとして実現されても良いし、典型的には、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらは、個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路(専用のプログラムを実行する汎用回路)又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続若しくは設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。更には、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて構成要素の集積化を行ってもよい。
【0109】
システムLSIは、複数の処理部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0110】
また、本開示の一態様は、図3に示される駐車支援方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。
【0111】
また、例えば、プログラムは、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示は、車両の駐車を支援するシステムなどに有用である。
【符号の説明】
【0113】
1、300 車両(対象車両)
1a、1b 駐車支援システム
10 車載センサ
20 ECU
21 センサ制御部
22 情報処理部
23 車種推定部
24 駐車空間検出部
30、430 データベース
50、410 無線通信部
101、102 駐車車両
101a ナンバープレート
101b 前輪タイヤ
101c 後輪タイヤ
111、111a、111b、112 諸元情報
201 駐車空間
202、212 輪留め
400 サーバ
420 制御部
D 奥行き
W 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8