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特開2023-141545処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラム
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  • 特開-処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141545
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230928BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047919
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】504381021
【氏名又は名称】株式会社JEMS
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】深山 慎二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】森口 嵩之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】排出事業者による産業廃棄物の処理の状況の確認に関する負担を低減することができる処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラムを提供する。
【解決手段】産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データである施設画像データD4を取得する第1取得手段(通信部23)と、産業廃棄物の処理事業者による施設の説明に関する音声データである施設説明データD5を取得する第2取得手段(通信部23)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データを取得する第1取得手段と、
産業廃棄物の処理事業者による当該施設の説明に関する音声データを取得する第2取得手段と、
を備えることを特徴とする処理状況確認支援装置。
【請求項2】
産業廃棄物の処理事業者の施設において取得された臭気に係るデータである臭気データを取得する第3取得手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の処理状況確認支援装置。
【請求項3】
産業廃棄物の処理事業者の施設において取得された振動に係るデータである振動データを取得する第4取得手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理状況確認支援装置。
【請求項4】
産業廃棄物の処理事業者の施設において取得された騒音レベルに係るデータである騒音レベルデータを取得する第5取得手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の処理状況確認支援装置。
【請求項5】
産業廃棄物の排出事業者が産業廃棄物の処理の委託先の処理事業者に対して確認すべき項目に係るデータである確認項目データを取得する第6取得手段を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の処理状況確認支援装置。
【請求項6】
前記確認項目データは、事前に前記排出事業者が前記処理事業者から回答を得ることができる項目に係るデータである事前確認項目データと、前記排出事業者が自ら確認することを要する項目に係るデータである当日確認項目データと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の処理状況確認支援装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の処理状況確認支援装置を含む処理状況確認支援システムであって、
前記処理事業者が使用する端末装置である処理事業者端末と、
当該システムを管理する管理事業者が使用する管理事業者端末と、
を備えることを特徴とする処理状況確認支援システム。
【請求項8】
前記第1取得手段は、前記画像データを、前記処理事業者端末から取得し、
前記第2取得手段は、前記音声データを、前記処理事業者端末から取得することを特徴とする請求項7に記載の処理状況確認支援システム。
【請求項9】
前記第1取得手段は、前記画像データを、前記管理事業者端末から取得し、
前記第2取得手段は、前記音声データを、前記管理事業者端末から取得することを特徴とする請求項7に記載の処理状況確認支援システム。
【請求項10】
産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データを取得する第1取得ステップと、
産業廃棄物の処理事業者による当該施設の説明に関する音声データを取得する第2取得ステップと、
を含むことを特徴とする処理状況確認支援方法。
【請求項11】
コンピュータを、
産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データを取得する第1取得手段、
産業廃棄物の処理事業者による当該施設の説明に関する音声データを取得する第2取得手段、
として機能させることを特徴とする処理状況確認支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物処理法では、産業廃棄物を排出する排出事業者が、産業廃棄物を処理する処理事業者に産業廃棄物の処理を委託する際に、委託先の処理事業者による産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行うことが、努力義務として求められており、排出事業者は通常、このような努力義務を果たすため、処理事業者を訪問し、適正な処理が行われているかに関する確認を行っている。
そこで、このような確認を支援するため、例えば、確認項目を一覧的に記載したチェックリスト等が作成されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】愛知県環境局ホームページ、[令和4年2月25日検索]、インターネット<URL:https://www.pref.aichi.jp/kankyo/sigen-ka/hourei/jyorei-2/jigyou/jigyou1.html>、あいちの環境/資源循環・廃棄物情報/廃棄物の適正な処理の促進に関する条例のあらまし/事業者の方へのお知らせ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなチェックリストを使用すれば、排出事業者は産業廃棄物の処理の状況に関する確認において確認すべき項目について知ることはできるものの、排出事業者が処理事業者を訪問して確認作業を行うことを要する点に変わりはないことから、排出事業者の確認の負担の低減は十分ではなかった。
【0005】
本発明の課題は、排出事業者による産業廃棄物の処理の状況の確認に関する負担を低減することができる処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、処理状況確認支援装置において、
産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データを取得する第1取得手段と、
産業廃棄物の処理事業者による当該施設の説明に関する音声データを取得する第2取得手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の処理状況確認支援装置において、
産業廃棄物の処理事業者の施設において取得された臭気に係るデータである臭気データを取得する第3取得手段を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の処理状況確認支援装置において、
産業廃棄物の処理事業者の施設において取得された振動に係るデータである振動データを取得する第4取得手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の処理状況確認支援装置において、
産業廃棄物の処理事業者の施設において取得された騒音レベルに係るデータである騒音レベルデータを取得する第5取得手段を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の処理状況確認支援装置において、
産業廃棄物の排出事業者が産業廃棄物の処理の委託先の処理事業者に対して確認すべき項目に係るデータである確認項目データを取得する第6取得手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の処理状況確認支援装置において、
前記確認項目データは、事前に前記排出事業者が前記処理事業者から回答を得ることができる項目に係るデータである事前確認項目データと、前記排出事業者が自ら確認することを要する項目に係るデータである当日確認項目データと、を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、
請求項1から6のいずれか一項に記載の処理状況確認支援装置を含む処理状況確認支援システムであって、
前記処理事業者が使用する端末装置である処理事業者端末と、
当該システムを管理する管理事業者が使用する管理事業者端末と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の処理状況確認支援システムにおいて、
前記第1取得手段は、前記画像データを、前記処理事業者端末から取得し、
前記第2取得手段は、前記音声データを、前記処理事業者端末から取得することを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の処理状況確認支援システムにおいて、
前記第1取得手段は、前記画像データを、前記管理事業者端末から取得し、
前記第2取得手段は、前記音声データを、前記管理事業者端末から取得することを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、処理状況確認支援方法において、
産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データを取得する第1取得ステップと、
産業廃棄物の処理事業者による当該施設の説明に関する音声データを取得する第2取得ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、処理状況確認支援プログラムにおいて、
コンピュータを、
産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データを取得する第1取得手段、
産業廃棄物の処理事業者による当該施設の説明に関する音声データを取得する第2取得手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、排出事業者による産業廃棄物の処理の状況の確認に関する負担を低減することができる処理状況確認支援装置、処理状況確認支援方法及び処理状況確認支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る処理状況確認支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態に係る処理状況確認支援システムの動作の流れの概略を示すフローチャートである。
図3】本発明の実施形態に係る処理状況確認支援システムの動作の流れの詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1から図3に基づいて、本発明の実施形態である処理状況確認支援システム100について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0020】
[第1 構成の説明]
処理状況確認支援システム100は、図1に示すように、本システムの管理者が所持する端末装置である管理事業者端末1と、本システムを利用する排出事業者が所持する端末装置である排出事業者端末2と、本システムを利用する処理事業者が所持する端末装置である処理事業者端末3と、を備えて構成されている。
また、各装置の間は、図1に示すように通信ネットワークNを介して接続されている。
【0021】
[1 管理事業者端末]
管理事業者端末1は、例えば、本システムを管理・運営する企業等が使用するPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末等の情報機器であり、図1に示すように、例えば、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、撮像部16と、収音部17と、発音部18と、を備えて構成されている。
【0022】
制御部11は、管理事業者端末1の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、CPUと、記憶部12に記憶されたプログラム等との協働により、管理事業者端末1の各部を統括制御する。
【0023】
記憶部12は、管理事業者端末1の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等の管理事業者端末1の運用に必要となるデータを、制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0024】
また、記憶部12には、管理事業者端末1を動作させるための制御部11への各種命令を含むプログラムが記憶され、後述の動作の説明において述べる管理事業者端末1の動作は、このようなプログラムと制御部11との協働によって実現されることとなる。
【0025】
通信部13は、管理事業者端末1と、本システムを構成する他の装置との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタなどを有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0026】
表示部14は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を当該ディスプレイに表示する。
【0027】
操作部15は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等を備え、これらのキーを用いた操作入力に応じた操作信号を制御部11へと出力する。操作部15は、例えば、表示部14と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよい。
【0028】
撮像部16は、例えば、レンズ等の光学系と、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像素子と、を有し、レンズの光軸方向の画像(静止画及び動画を含む。)を撮像する。撮像部16は、撮像した画像のデータを、制御部11へと出力する。
【0029】
収音部17は、一般的なマイクロフォンを備え、周囲の音波を集め、これを電気信号に変換する。収音部17は、変換した電気信号を、制御部11へと出力する。
【0030】
発音部18は、一般的なスピーカを備え、制御部11から出力された制御信号に基づいた音声を発する。
【0031】
[2 排出事業者端末]
排出事業者端末2は、例えば、産業廃棄物を排出する排出事業者が使用するPC、スマートフォン、タブレット端末等の情報機器であり、図1に示すように、例えば、管理事業者端末1と同様に、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、表示部24と、操作部25と、撮像部26と、収音部27と、発音部28と、を備えて構成されている。
【0032】
[3 処理事業者端末]
処理事業者端末3は、例えば、産業廃棄物を処理する処理事業者が使用するPC、スマートフォン、タブレット端末等の情報機器であり、図1に示すように、例えば、管理事業者端末1及び排出事業者端末2と同様に、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、表示部34と、操作部35と、撮像部36と、収音部37と、発音部38と、を備えて構成されている。
【0033】
[4 通信ネットワーク]
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、電話回線網、携帯電話通信網、無線LAN通信網等であり、図1に示すように、処理状況確認支援システム100を構成する各装置の間を接続する。
通信ネットワークNとしては、上記のように各装置間を繋ぎ、これらの間でデータの送受信を行うことが可能なものであれば特に限定されない。
【0034】
[第2 動作の説明]
以下、本実施形態に係る処理状況確認支援システム100の使用時の動作について、図2及び図3のフローチャートに従って説明する。
本システムの動作は、図2に示すように、大きく分けて、チェックリストの提供(ステップS1)、事前確認(ステップS2)及び当日確認(ステップS3)の3つのステップからなる。
【0035】
[1 ステップS1:チェックリストの提供]
まず、本システムを使用して、排出事業者が処理事業者に対して産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行う場合、確認を行う排出事業者及び確認先の処理事業者の両者に対して、確認時のチェックリストとして使用するデータである確認項目データD1が提供される。
【0036】
具体的には、管理事業者端末1において、制御部11が、確認項目データD1を通信部13から通信ネットワークNを介して排出事業者端末2へと送信し、通信部23によって確認項目データD1を受信した排出事業者端末2において、受信したデータを記憶部22に記憶させる(ステップS1-1)。確認項目データD1は、予め管理事業者端末1の記憶部12に記憶させておいてもよいし、管理事業者端末1において外部の装置から逐一取得した上で送信するようにしてもよい。
【0037】
また、管理事業者端末1において、制御部11が、確認項目データD1を通信部13から通信ネットワークNを介して処理事業者端末3へと送信し、通信部33によって確認項目データD1を受信した処理事業者端末3において、受信したデータを記憶部32に記憶させる(ステップS1-2)。
【0038】
確認項目データD1は、排出事業者が、産業廃棄物の処理の委託先の処理事業者に対して確認すべき項目を一覧的にまとめたデータであり、事前に、すなわち排出事業者自ら確認する前に、処理事業者から回答を得ることができる確認項目に関するデータ(事前確認項目データD11)と、排出事業者が自ら確認することを要する項目に関するデータ(当日確認項目データD12)と、を含む。
事前確認項目データD11に係る確認項目は、例えば、処理事業者の企業の概要、事業場の概要、最終処分先等の項目を含む。また、当日確認項目データD12に係る確認項目は、例えば、工場の状況、保管場の状況、清掃・メンテナンス状況、安全対策状況等の項目を含む。
【0039】
確認項目データD1は、例えば、各自治体等において公開しているリストを基に、適宜必要な確認項目を追加する等して作成の上、管理事業者端末1の記憶部12、又は管理事業者端末1と通信ネットワークNを介して接続された外部の装置に記憶させておけばよい。
【0040】
なお、確認項目データD1に係る確認項目は、一律ではなく、例えばステップS1-1で確認項目データD1の提供を受けた排出事業者において適宜項目の追加等のカスタマイズを行うことができるように、処理事業者に対しては、ステップS1-2で、カスタマイズ済みのデータが提供されるようにしてもよい。
【0041】
[2 ステップS2 事前確認]
確認項目データD1が提供されると、事前確認を実施する。
【0042】
具体的には、まず、排出事業者において、排出事業者端末2の操作部25を用いて、処理事業者に対する質問事項を入力し、質問事項が入力されると、排出事業者端末2の制御部21は、入力された質問事項に関するデータ(質問事項データD2)を、通信部23から通信ネットワークNを介して、処理事業者端末3へと送信する(ステップS2-1)。
【0043】
処理事業者端末3においては、通信部33によって質問事項データD2を受信すると、制御部31が、質問事項データD2に係る質問事項を表示部34に表示させ、これを確認した処理事業者において、処理事業者端末3の操作部35を用いて、確認項目データD1の事前確認項目データD11に関する回答及び質問事項データD2に関する回答を入力する。回答が入力されると、処理事業者端末3の制御部31は、入力された回答に関するデータ(事前回答データD3)を、通信部33から通信ネットワークNを介して、排出事業者端末2へと送信する(ステップS2-2)。
【0044】
これによって、排出事業者端末2において制御部21が、事前回答データD3に係る回答を表示部24に表示させることで、排出事業者は、事前確認項目データD11に係る確認項目及び質問事項データD2に係る質問事項の両者に対する処理事業者の回答を、ステップS3における排出事業者自身による確認作業の実施前に確認することができる。
【0045】
[3 ステップS3:当日確認]
ステップS2まで完了すると、排出事業者が、処理事業者に対し、排出事業者が自ら確認することを要する項目(当日確認項目データD12に係る確認項目)の確認を行う。
【0046】
この際には、まず、処理事業者端末3から排出事業者端末2へと動画が配信される状態(処理事業者端末3において撮像された動画がリアルタイムに送信される状態)を確立する(ステップS3-1)。
すなわち、処理事業者端末3の撮像部36によって撮像された動画に係るデータが、通信ネットワークNを介して、排出事業者端末2へとリアルタイムに送信され、通信部23によってこれを受信した排出事業者端末2において、受信したデータに係る動画が、制御部21によってリアルタイムに表示部24に表示されるようにする(ステップS3-1)。
【0047】
さらに、排出事業者端末2と処理事業者端末3との間での通話状態(音声をリアルタイムでやり取りできる状態)を確立する(ステップS3-2)。
すなわち、排出事業者端末2の収音部27によって収音された音声に係るデータが、通信ネットワークNを介して、処理事業者端末3へとリアルタイムに送信され、通信部33によってこれを受信した処理事業者端末3において、受信したデータに係る音声がリアルタイムに発音部38から発せられるようにし、処理事業者端末3の収音部37によって収音された音声に係るデータが、通信ネットワークNを介して、排出事業者端末2へとリアルタイムに送信され、通信部23によってこれを受信した排出事業者端末2において、受信したデータに係る音声がリアルタイムに発音部28から発せられるようにする。
【0048】
ステップS3-1及びステップS3-2が完了した状態で、排出事業者は処理事業者に対し、当日確認項目データD12において確認することを要する処理事業者の施設(例えば、産業廃棄物の処理を行う工場、産業廃棄物を保管する保管場等)の撮像を依頼し、依頼を受けた処理事業者において、処理事業者端末3を使用して当該施設の撮像を行うことで、撮像部36によって撮像された当該施設の画像に係るデータ(施設画像データD4)が、通信ネットワークNを介して排出事業者端末2へと送信され、通信部23によってこれを受信した排出事業者端末2において、施設画像データD4に係る画像が、制御部21によって表示部24に表示される(ステップS3-3)。これによって、排出事業者において、確認を要する施設の状態を確認することができる。
【0049】
また、ステップS3-1及びステップS3-2が完了した状態で、排出事業者が処理事業者に対し、当日確認項目データD12において確認することを要する処理事業者の施設に関する事項(例えば清掃及びメンテナンスの状況、安全対策の状況等)について質問をし、質問を受けた処理事業者において、当該質問事項について説明を行うことで、処理事業者端末3の収音部37によって収音された処理事業者による説明に係る音声データ(施設説明データD5)が、通信ネットワークNを介して排出事業者端末2へと送信され、通信部23によってこれを受信した排出事業者端末2において、施設説明データD5に係る音声が発音部28から発せられる(ステップS3-4)。これによって、排出事業者において、確認を要する事項についての説明を処理事業者から受けることができる。
【0050】
[第3 効果の説明]
次に、本実施形態に係る処理状況確認支援システム100の効果について説明する。
【0051】
本実施形態に係る処理状況確認支援システム100によれば、排出事業者端末2において、産業廃棄物の処理事業者の施設が撮像された画像データである施設画像データD4と、産業廃棄物の処理事業者による施設の説明に関する音声データである施設説明データD5と、を取得し、施設画像データD4に係る画像を表示部24に表示させ、施設説明データD5に係る音声を発音部28から発することで、排出事業者は、施設画像データD4に係る画像により、排出事業者の施設の状態を確認できるとともに、施設説明データD5に係る音声により、排出事業者による施設の説明を聞くことができる。
これによって、排出事業者は、処理事業者を訪問せずとも処理事業者による産業廃棄物の処理の状況を確認できることから、排出事業者による処理事業者に対する産業廃棄物の処理の状況の確認に関する負担を低減することができる。
【0052】
また、管理事業者端末1から排出事業者端末2へと、産業廃棄物の処理の状況に関する確認において、排出事業者が処理事業者に対して確認すべき項目をまとめたデータである確認項目データD1を送信することで、排出事業者は、確認項目データD1に係る確認項目に沿って確認作業を実施できることから、排出事業者の負担をさらに低減することができる。
【0053】
また、確認項目データD1が、事前に処理事業者から回答を得ることができる確認項目に関するデータである事前確認項目データD11と、排出事業者が自ら確認することを要する確認項目に関するデータである当日確認項目データD12と、を含むことで、事前確認項目データD11に係る確認項目について事前に処理事業者から回答を得た上で、当日確認項目データD12に係る確認項目についてのみ排出事業者自ら確認することが可能となり、効率的に確認作業を実施することが可能となる。
【0054】
[第4 変形例]
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0055】
[1 変形例1:当日確認への管理事業者の関与]
上記動作の説明においては、ステップS3の当日確認を、排出事業者端末2を使用する排出事業者及び処理事業者端末3を使用する処理事業者のみが関与して行う場合について説明したが、管理事業者端末1を使用する管理事業者も関与して行うようにしてもよい。
この場合、以下の2パターンが考えられる。
【0056】
[(1) 変形例1-1:事前指南の実施]
ステップS3-1からステップS3-4が実施されるに先立って、管理事業者から排出事業者へと、当日確認における確認のポイントについての指南が行われるようにしてもよい。
この場合、例えば、管理事業者端末1から排出事業者端末2へと、通信ネットワークNを介して、当日確認における確認ポイントをまとめた文書に係るデータが送信されるようにすればよい。
また、例えば、管理事業者端末1と排出事業者端末2との間での通話状態(音声をリアルタイムでやり取りできる状態)を確立した上で、管理事業者と排出事業者との会話時に管理事業者端末1から排出事業者端末2に提供される音声によって、当日確認における確認ポイントに係る情報が送信されるようにしてもよい。
【0057】
これによって、排出事業者は、管理事業者から事前に確認ポイントについて指南を受けた上で、当日確認を実施することができることから、確認漏れのない当日確認を実施し易くなる。
【0058】
[(2) 変形例1-2:管理事業者による立会]
ステップS3の当日確認を、管理事業者が処理事業者に立ち会って行うようにしてもよい。
【0059】
この場合、当日確認時に、管理事業者(管理事業者自身又は所定の協力機関)の担当者が処理事業者を訪問し、管理事業者の担当者が、排出事業者に代わってステップS3-3における撮像場所を指示すると共に、ステップS3-4における質問を行い、管理事業者の指示に従って撮像された施設画像データD4が、処理事業者端末3から排出事業者端末2へと送信され、管理事業者の質問事項について説明した音声としての施設説明データD5が、処理事業者端末3から排出事業者端末2へと送信されることとなる。
【0060】
これによって、処理事業者に対する撮像場所の指示及び処理事業者への質問が、管理事業者によってなされることから、変形例1-1よりもさらに確実に、確認漏れのない当日確認を実施することが可能となる。
【0061】
なお、この場合、処理事業者端末3に替えて、管理事業者端末1を使用して当日確認を行うようにしてもよい。
この場合、管理事業者端末1から排出事業者端末2へと動画が配信される状態とし、管理事業者端末1と排出事業者端末2との間での通話状態を確立した上で、管理事業者が管理事業者端末1の撮像部16を使用して、確認を要する処理事業者の施設を撮像すると共に、管理事業者から処理事業者への質問事項について処理事業者が説明した音声を、管理事業者端末1の収音部17によって収音する。
これによって、施設画像データD4及び施設説明データD5が、管理事業者端末1から排出事業者端末2へと送信されることとなる。
【0062】
[2 変形例2:センサの追加]
上記動作の説明においては、ステップS3の当日確認を、処理事業者端末3に備えられた撮像部26によって撮像された画像及び収音部27によって収音された音声のみに基づいて行う場合について説明したが、これに加えて、さらなるセンサを処理事業者端末3に備えることで、当該センサによる情報も使用して、当日確認を行うことができるようにしてもよい。
【0063】
例えば、処理事業者端末3が臭気に対するセンサを備えるようにした上で、当該センサによって取得されたデータが処理事業者端末3から排出事業者端末2へと送信されるようにし、排出事業者端末2は、通信部23によって受信することによって、当該データを取得する。これによって、排出事業者において、臭気に関する情報も使用して当日確認を実施することが可能となる。
【0064】
また、例えば、処理事業者端末3が振動に対するセンサを備えるようにした上で、当該センサによって取得されたデータが処理事業者端末3から排出事業者端末2へと送信されるようにし、排出事業者端末2は、通信部23によって受信することによって、当該データを取得する。これによって、排出事業者において、振動に関する情報も使用して当日確認を実施することが可能となる。
【0065】
また、例えば、処理事業者端末3が騒音レベルに対するセンサを備えるようにした上で、当該センサによって取得されたデータが処理事業者端末3から排出事業者端末2へと送信されるようにし、排出事業者端末2は、通信部23によって受信することによって、当該データを取得する。これによって、排出事業者において、騒音レベルに関する情報も使用して当日確認を実施することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
100 処理状況確認支援システム
1 管理事業者端末
2 排出事業者端末(処理状況確認支援装置)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部(第1取得手段、第2取得手段、第3取得手段、第4取得手段、第5取得手段、第6取得手段)
24 表示部
25 操作部
26 撮像部
27 収音部
28 発音部
3 処理事業者端末
N 通信ネットワーク
D1 確認項目データ
D11 事前確認項目データ
D12 当日確認項目データ
D4 施設画像データ(画像データ)
D5 施設説明データ(音声データ)
図1
図2
図3