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  • 特開-ソレノイド装置 図1
  • 特開-ソレノイド装置 図2A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141546
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ソレノイド装置
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20230928BHJP
   F16K 31/06 20060101ALN20230928BHJP
【FI】
H01F7/16 E
H01F7/16 N
H01F7/16 D
F16K31/06 305E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022047920
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】高田 勇司
【テーマコード(参考)】
3H106
5E048
【Fターム(参考)】
3H106DA02
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106EE07
3H106GA13
3H106GA15
5E048AA08
5E048AD03
(57)【要約】
【課題】プランジャの移動終了位置の付近において、プランジャがコアの底部に近づく方向への吸引力を強めたソレノイド装置を提供する。
【解決手段】ソレノイド装置1は、軸方向に沿って貫通した貫通孔を有する筒状のボビン2と、ボビン2の外周部に巻回されたコイル3と、磁性材からなり、ボビン3の貫通孔内に配置され、軸方向一方側に底部を有する筒状のコア4と、コア4の内側に配置され、コイル3の通電に伴う磁力によってコア4の底部に向かって移動する柱状又は筒状のプランジャ8とを備え、コア4の内周面は、軸方向一方側の底部から軸方向他方側に向かって内径が漸減するテーパー状傾斜面を有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って貫通した貫通孔を有する筒状のボビンと、
前記ボビンの外周部に巻回されたコイルと、
磁性材からなり、前記ボビンの貫通孔内に配置され、軸方向一方側に底部を有する筒状のコアと、
前記コアの内側に配置され、前記コイルの通電に伴う磁力によって前記コアの底部に向かって移動する柱状又は筒状のプランジャとを備え、
前記コアの内周面は、軸方向一方側の前記底部から軸方向他方側に向かって内径が漸減するテーパー状傾斜面を有するソレノイド装置。
【請求項2】
前記コアは、前記貫通孔内の軸方向一方側に配置された第1コア部材と、磁気ギャップを介して前記第1コア部材に隣り合う、前記貫通孔内の軸方向他方側に配置された第2コア部材とを含み、
前記第1コア部材の内周面に前記テーパー状傾斜面が設けられる、請求項1に記載のソレノイド装置。
【請求項3】
前記第1コア部材は、内周面の全体が前記テーパー状傾斜面である、請求項2に記載のソレノイド装置。
【請求項4】
前記プランジャは、前記テーパー状傾斜面に対向する区間の外径が一定である、請求項1から3のいずれか1項に記載のソレノイド装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソレノイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソレノイド装置の一例として、特許文献1に記載のソレノイド装置が知られている。特許文献1に記載のソレノイド装置は、軸方向に沿って貫通した筒状のボビンと、ボビンの外周部に巻回されたコイルと、磁性材からなり、貫通孔の軸方向一方側に配置された筒状のコアと、磁性材からなり、貫通孔の軸方向他方側に配置され、コアに対し磁性的に連続しないで隣り合う筒状のヨークと、コアとヨークとを磁気的に不連続な状態で保持する筒状の樹脂部材とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-126917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のソレノイド装置は、コアの内周面の全体をストレートに形成してある。つまり、コア内に収納されるプランジャとの間隔が、コアの内周部の口元側と底部側で一定に保たれている。したがって、プランジャの外周部からコアの内周部への磁気の流れは、プランジャのストローク全域で一定に保たれる。
【0005】
ソレノイド装置に求められる要件は、ソレノイド装置の用途に応じて異なる。一例として、プランジャがコアの底部に最も近づく移動終了位置の付近において、プランジャがコアの底部に近づく方向への吸引力を強めることが要求される場合がある。しかしながら、コアの内周部がストレートに加工されたソレノイド装置では、上記の要求を満たすことは難しい。
【0006】
本発明の目的は、プランジャの移動終了位置の付近において、プランジャがコアの底部に近づく方向への吸引力を強めたソレノイド装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の例示的な第1発明は、軸方向に沿って貫通した貫通孔を有する筒状のボビンと、ボビンの外周部に巻回されたコイルと、磁性材からなり、ボビンの貫通孔内に配置され、軸方向一方側に底部を有する筒状のコアと、コアの内側に配置され、コイルの通電に伴う磁力によってコアの底部に向かって移動する柱状又は筒状のプランジャとを備え、コアの内周面は、軸方向一方側の底部から軸方向他方側に向かって内径が漸減するテーパー状傾斜面を有するソレノイド装置である。
【発明の効果】
【0008】
本願の例示的な第1発明によれば、プランジャの移動終了位置の付近において、プランジャがコアの底部に近づく方向への吸引力を強めたソレノイド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るソレノイド装置の断面図である。
図2A図2Aは、図1に示すソレノイド装置のプランジャ移動前の状態を示す部分断面図である。
図2B図2Bは、図1に示すソレノイド装置のプランジャ移動後の状態を示す部分断面図である。
図3A図3Aは、テーパー無しのフロントコアを用いた場合の磁束の流れを示す部分断面図である。
図3B図3Bは、テーパー有りのフロントコアを用いた場合の磁束の流れを示す部分断面図である。
図4図4は、テーパー無しのフロントコアを用いた場合の吸引力特性およびテーパー有りのフロントコアを用いた場合の吸引力特性を示す図である。
図5図5は、図1に示すソレノイド装置の変形例を示す断面図である。
図6図6は、図1に示すソレノイド装置の別の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るソレノイド装置について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸を設定する。一例として、X軸とY軸を含むXY平面が水平となり、Z軸が鉛直となる。本明細書において、上下方向、水平方向、上側および下側などの位置関係を表す用語は、単に各部の相対的な位置関係を説明するために使用している。したがって、各部の実際の位置関係等は、これらの用語で示される位置関係等と異なっていてもよい。また、本明細書では、コイルの通電に伴う磁力によってプランジャが移動する方向、つまり、コアの底部側を「軸方向一方側」と言う。また、軸方向一方側の反対側を「軸方向他方側」と言う。
【0011】
図1に示すソレノイド装置1は、ボビン2と、コイル3と、コア4と、プランジャ8と、ピン9と、ケース10とを有している。
ケース10は、筒状の部材である。ケース10は、鉄等の磁性を有する金属材料、すなわち、磁性材で構成されている。
【0012】
ケース10の内側には、ボビン2が配置されている。ボビン2は、X軸と平行に延びる貫通孔を有する筒状の部材である。貫通孔の内径は、X軸方向に沿って一定である。ボビン2は、例えば、ポリエステルやポリイミド等の各種樹脂材料で構成されている。
【0013】
ボビン2の外周部には、導電性を有するコイル3が巻回されている。また、ボビン2の貫通孔内には、コア4が配置されている。コア4は、全体として円筒状に形成されている。コア4は、フロントコア5と、バックコア6とを有している。フロントコア5は、ボビン2の貫通孔内の軸方向一方側に配置される第1コア部材である。バックコア6は、ボビン2の貫通孔内の軸方向他方側に配置される第2コア部材である。フロントコア5およびバックコア6は、鉄等の磁性を有する金属材料、すなわち、磁性材で構成されている。
【0014】
フロントコア5とバックコア6の間には、X軸方向に磁気を流れにくくするための磁気ギャップ部7が設けられている。つまり、コア4は、フロントコア5と、磁気ギャップ部7を介してフロントコア5に隣り合うバックコア6とを含んでいる。磁気ギャップ部7は、例えば、非磁性の樹脂カラー部材で構成される。したがって、フロントコア5とバックコア6は、磁気ギャップ部7の存在によって、X軸方向において磁気的に分離された状態となる。
【0015】
なお、磁気ギャップ部7は、非磁性の部材を用いた構成に限定されない。一例として、フロントコア5とバックコア6を単一の部材で形成し、フロントコア5とバックコア6の間に、極肉薄に形成したくびれ部を磁気ギャップ部7として設けてもよい。別の例として、フロントコア5とバックコア6を単一の部材で形成し、フロントコア5とバックコア6の間に、多数の孔を径方向に貫通させて形成した磁気ギャップ部7を設けてもよい。あるいは、フロントコア5とバックコア6を空間的に離間させるだけでもよい。また、フロントコア5またはバックコア6の少なくとも一方の表面に非磁性化加工を施した場合には、フロントコア5とバックコア6を互いに接触するように配置しても構わない。
【0016】
フロントコア5は、軸方向一方側の端部に底部51を有している。フロントコア5の底部51には、フロントコア5の底部51をX軸方向に貫通する開口部52を設けてある。ピン9は、フロントコア5の底部51に設けられた開口部52を通り、軸方向一方側の端部がケース10から突き出るように配置される。
【0017】
コア4の内側、すなわち、フロントコア5とバックコア6の内側には、プランジャ8がX軸方向に沿って往復動可能に配置されている。プランジャ8は、内部に空洞を有する円筒状でもよく、内部に空洞を有しない円柱状でもよい。プランジャ8は、鉄等の磁性を有する金属材料、すなわち、磁性材で構成されている。ボビン2、コア4およびプランジャ8は、共通の軸Oを中心として同心状に配置されている。
【0018】
プランジャ8は、全体としてX軸方向に沿って外径が変化しないストレート形状である。ただし、プランジャ8は、完全なストレート形状であることは要求されず、少なくとも、後述するテーパー状傾斜面に対向する区間の外径が一定であればよい(図2B参照)。また、プランジャ8の軸方向一方側の端部は、C面カットやR面カットなどの面取り加工が施されていてもよい。つまり、「テーパー状傾斜面に対向する区間の外径が一定」とは、プランジャの端部に施される一般的な加工を排除するものではない。
【0019】
プランジャ8は、コイル3の通電に伴う磁力によって、軸方向一方側に向かって移動、すなわち、フロントコア5の底部51に向かって移動する。また、コイル3の通電を解除することで、コイルバネ等の不図示の付勢部材の作用によって、軸方向他方側に向かって移動、すなわち、フロントコア5の底部51から離れる方向に移動する。このプランジャ8の往復動は、ピン9を介して不図示の外部装置に伝達される。
【0020】
ここで、コア4の内周面は、軸方向一方側の底部から軸方向他方側に向かって内径が漸減するテーパー状傾斜面を有している。つまり、コア4の内周面の内径は、軸方向一方側の底部が最大であり、プランジャ8の外径と略同じになるまで軸方向他方側に向かって徐々に小さくなる。本実施形態では、フロントコア5の内周面にテーパー状傾斜面55を設けてある。以下、テーパー状傾斜面55について、図2Aおよび図2Bを参照して説明する。
【0021】
図2Aは、プランジャ8の移動前の状態を示している。また、図2Bは、プランジャ8の移動後の状態を示している。図2Aおよび図2Bにおいて、「P1」は、X軸方向におけるプランジャ8の底面81の移動開始位置であり、ストローク開始点とも称される。また、「P2」は、X軸方向におけるプランジャ8の底面81の移動終了位置であり、ストローク終了点とも称される。図2Aおよび図2Bでは、移動開始位置P1をフロントコア5の内側面の上端に合わせてあり、移動終了位置P2をフロントコア5の内側面の下端に合わせてある
【0022】
テーパー状傾斜面55は、例えば、フロントコア5の内周面のうち、移動開始位置P1から移動終了位置P2までの区間に設けられる。本実施形態では、フロントコア5の内周面の上端および下端と移動開始位置P1および移動終了位置P2とが一致しているので、フロントコア5の内周面の全体をテーパー状傾斜面55にしてある。一方、バックコア6は、内側面の全体をストレートに形成してある。
【0023】
テーパー状傾斜面55は、X軸方向に沿った長さLと、X軸に直交する方向に沿った深さDによって規定することができる。テーパー状傾斜面55の長さLは、テーパー状傾斜面55の上端と下端の間の距離である。テーパー状傾斜面55の深さDは、テーパー状傾斜面55の上端での内径φ1と、テーパー状傾斜面55の下端での内径φ2との差分である。また、テーパー状傾斜面55の傾斜角度θは、長さLと深さDによって定まる。すなわち、θ=tan-1(D/L)である。長さLと深さDの比(L:D)は、望ましくは(2:3)~(2:4)の範囲である。すなわち、L/D=1.5~2であることが望ましい。また、傾斜角度θは、望ましくは0.25°~5°の範囲である。
【0024】
上記のようなテーパー状傾斜面55をフロントコア5に設けることで、プランジャ8が移動終了位置P2に近づいた際に、プランジャ8の底面81からフロントコア5の底部51に流れる磁束量を増加させることができる。図3Aには、比較例として、テーパー無しのフロントコア5’を用いた場合の磁束の流れを示してある。テーパー無しのフロントコア5’は、内側面の全体をストレートに形成してある。図3Bには、テーパー有りのフロントコア5を用いた場合の磁束の流れを示してある。テーパー有りのフロントコア5は、上述したようなテーパー状傾斜面55を有している。
【0025】
図3Aおよび図3Bでは、磁束の流れを黒矢印で表現している。ここで、コイル3の通電に伴ってプランジャ8内を流れる磁束量を6gと仮定する。テーパー無しのフロントコア5’を用いた場合には、図3Aに示すように、プランジャ8の外周面からフロントコア5’の内周面に向かって4gの磁束が流れ、プランジャ8の底面からフロントコア5’の底部に向かって2gの磁束が流れる。これに対し、テーパー有りのフロントコア5を用いた場合には、図3Bに示すように、プランジャ8の外周面からフロントコア5の内周面に向かって2gの磁束が流れ、プランジャ8の底面からフロントコア5の底部に向かって4gの磁束が流れる。
【0026】
つまり、テーパー有りのフロントコア5を用いることで、プランジャ8が移動終了位置P2に近づくにつれて、プランジャ8の外周面とフロントコア5の内周面の間の距離が徐々に大きくなる。したがって、プランジャ8の外周面からフロントコア5の内周面に向かって流れる磁束量が減少していき、これに伴って、プランジャ8の底面からフロントコア5の底部に向かって流れる磁束量が相対的に増加することになる。
【0027】
図4には、比較のために、テーパー無しのフロントコア5’を用いた場合の吸引力特性C1と、テーパー有りのフロントコア5を用いた場合の吸引力特性C2とを示してある。図4に示すグラフにおいて、横軸はストローク位置(mm)であり、縦軸は吸引力(N)である。
【0028】
図4によれば、ストローク位置が0~2.6(mm)の区間では、テーパー無しのフロントコア5’の方がテーパー有りのフロントコア5よりも吸引力が強い。一方、ストローク位置が2.6~3.0(mm)の区間では、テーパー有りのフロントコア5の方がテーパー無しのフロントコア5’よりも吸引力が強くなっている。
【0029】
以上のように、図1に示すソレノイド装置1は、軸方向に沿って貫通した貫通孔を有する筒状のボビン2と、ボビン2の外周部に巻回されたコイル3と、磁性材からなり、ボビン3の貫通孔内に配置され、軸方向一方側に底部を有する筒状のコア4と、コア4の内側に配置され、コイル3の通電に伴う磁力によってコア4の底部に向かって移動する柱状又は筒状のプランジャ8とを備え、コア4の内周面は、軸方向一方側の底部から軸方向他方側に向かって内径が漸減するテーパー状傾斜面を有している。
【0030】
このように、内周面にテーパー状傾斜面を有するコアを用いることで、プランジャの移動終了位置の付近において、プランジャの底面からコアの底部に向かって流れる磁束量を相対的に増加させることができる。その結果、プランジャがコアの底部に近づく方向への吸引力が強められる。したがって、外乱などによって外部装置からピンを介して伝達される、吸引力とは逆方向の力に対する耐力を高めることが可能である。
【0031】
また、コア4は、軸方向一方側に配置されたフロントコア5と、磁気ギャップ部7を介してフロントコア5に隣り合う、軸方向他方側に配置されたバックコア6とを含み、フロントコア5の内周面にテーパー状傾斜面55を設けてある。つまり、フロントコアとバックコアを含むコアによって形成される磁気回路において、プランジャからの磁束が流れ込むフロントコア側にテーパー状傾斜面を設けてある。したがって、プランジャの底面からコアの底部に向かって流れる磁束量を効率よく増加させることができる。
【0032】
また、フロントコア5は、内周面の全体がテーパー状傾斜面55となっている。したがって、フロントコアの全域において、プランジャの外周面からフロントコアの内周面に向かって流れる磁束量を徐々に減少させながら、プランジャの底面からコアの底部に向かって流れる磁束量を相対的に増加させることができる。
【0033】
ここで、上記の説明では、フロントコア5の内周面の全体をテーパー状傾斜面55にしているが、これは一例に過ぎない。例えば、図5に変形例を示すように、フロントコア5の内周面における底面側の一部区間のみにテーパー状傾斜面56を設けてもよい。また、図6に別の変形例を示すように、フロントコア5の内周面の全体をテーパー状傾斜面57とすると共に、バックコア6の内周面における底面側の一部区間にもテーパー状傾斜面65を設けてもよい。つまり、ソレノイド装置のコアの内周面に対し、ソレノイド装置に求められる要件に応じた任意のテーパー状傾斜面を設けることができる。
【0034】
また、上記の説明では、ボビン2、コア4およびプランジャ8は、全体として円筒状または円柱状であるが、これに限定されない。例えば、ボビン2、コア4およびプランジャ8は、角筒状または角柱状であってもよい。
【0035】
以上、本発明に係るソレノイド装置について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ソレノイド装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、ソレノイド装置に任意の構成物が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1…ソレノイド装置、2…ボビン、3…コイル、4…コア、5…フロントコア、6…バックコア、7…磁気ギャップ部、8…プランジャ、9…ピン9、10…ケース、51…底部、52…開口部、55,56,57,65:テーパー状傾斜面、O…軸、P1…移動開始位置、P2…移動終了位置、L…長さ、D…深さ、φ1,φ2…内径、θ…傾斜角度

図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6