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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141616
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20230928BHJP
   H10B 43/40 20230101ALI20230928BHJP
   H10B 43/50 20230101ALI20230928BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230928BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20230928BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20230928BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11573
H01L27/11575
H01L29/78 371
H01L21/88 S
H01L21/88 T
H01L21/88 Z
H01L25/08 C
H01L21/60 311Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048021
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】川西 絢子
(72)【発明者】
【氏名】荒井 伸也
【テーマコード(参考)】
5F033
5F044
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033HH11
5F033HH19
5F033KK08
5F033KK11
5F033KK19
5F033MM01
5F033MM12
5F033MM13
5F033MM21
5F033NN30
5F033QQ48
5F033RR04
5F033RR06
5F033RR22
5F033TT04
5F033VV01
5F033VV07
5F033VV16
5F033WW01
5F033XX01
5F044RR03
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP42
5F083EP47
5F083EP48
5F083EP76
5F083ER03
5F083ER09
5F083ER14
5F083ER19
5F083ER22
5F083GA09
5F083GA10
5F083GA30
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA36
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA20
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR21
5F083PR40
5F083ZA28
5F083ZA29
5F101BA45
5F101BB04
5F101BC02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH04
5F101BH14
5F101BH23
(57)【要約】
【課題】歩留りを向上させる。
【解決手段】一実施形態のメモリデバイスは第1領域AR,IDR、第1領域を囲む第2領域DCR、及び第2領域を囲む第3領域ODRに分けられる面で接する第1及び第2チップを備える。第1チップは第1及び第2拡散領域が設けられた基板、第2領域で第1領域を囲む第1及び第2電極部BPd_2,BPd_3を含む。第2チップは配線層、第2領域で第1領域を囲み第1電極部と接する第3電極部BPd_2、第2領域で第1領域を囲み第2電極部と接する第4電極部BPd_3、配線層に接し第1領域を囲み第1拡散領域と電気的に接続される第1壁部、及び配線層に接し第1領域を囲み第2拡散領域と電気的に接続される第2壁部を含む。第1及び第3電極部、並びに第1壁部は連続した1個の導電体を含む。第1及び第2電極部、並びに第3及び第4電極部が第2領域に占める面積の第1及び第2割合の各々は3%以上40%以下である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域、前記第1領域を囲む第2領域、及び前記第2領域を囲む第3領域に分けられる第1面で接する第1チップ及び第2チップを備え、
前記第1チップは、
第1導電型の第1拡散領域及び前記第1導電型と異なる第2導電型の第2拡散領域が設けられる基板と、
前記第2領域で前記第1領域を囲む連続した1個の導電体を含む第1電極部と、
前記第2領域で前記第1電極部と離れて前記第1領域を囲む第2電極部と、
を含み、
前記第2チップは、
第1配線層と、
前記第2領域で前記第1領域を囲む連続した1個の導電体を含み、前記第1電極部と接する第3電極部と、
前記第2領域で前記第3電極部と離れて前記第1領域を囲み、前記第2電極部と接する第4電極部と、
前記第1配線層に接し、前記第1領域を囲む連続した1個の導電体を含み、前記第3電極部及び前記第1電極部を介して前記第1拡散領域と電気的に接続される第1壁部と、
前記第1配線層に接し、前記第1壁部と離れて前記第1領域を囲み、前記第4電極部及び前記第2電極部を介して前記第2拡散領域と電気的に接続される第2壁部と、
を含み、
前記第1電極部及び前記第2電極部が前記第2領域に占める面積の第1割合、並びに前記第3電極部及び前記第4電極部が前記第2領域に占める面積の第2割合の各々は、3%以上40%以下である、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1チップは、前記第3領域に設けられる第5電極部を更に含み、
前記第2チップは、前記第3領域に設けられ、前記第5電極部と接する第6電極部を更に含み、
前記第5電極部及び前記第6電極部は、前記基板から電気的に絶縁される、
請求項1記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第5電極部が前記第3領域に占める面積の第3割合、及び前記第6電極部が前記第3領域に占める面積の第4割合の各々は、3%以上20%以下である、
請求項2記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第5電極部が前記第3領域に占める面積の第3割合は、前記第1割合の1/3以上2/3以下であり、
前記第6電極部が前記第3領域に占める面積の第4割合は、前記第2割合の1/3以上2/3以下である、
請求項2記載のメモリデバイス。
【請求項5】
第1領域、前記第1領域を囲む第2領域、及び前記第2領域を囲む第3領域に分けられる第1面で接する第1チップ及び第2チップを備え、
前記第1チップは、
第1導電型の第1拡散領域及び前記第1導電型と異なる第2導電型の第2拡散領域を有する基板と、
前記第2領域で前記第1領域を囲む第1電極部と、
前記第2領域で前記第1電極部と離れて前記第1領域を囲む第2電極部と、
を含み、
前記第2チップは、
第1配線層と、
前記第2領域で前記第1領域を囲み、前記第1電極部と接する第3電極部と、
前記第2領域で前記第3電極部と離れて前記第1領域を囲み、前記第2電極部と接する第4電極部と、
前記第1配線層に接し、前記第1領域を囲み、前記第3電極部及び前記第1電極部を介して前記第1拡散領域と電気的に接続される第1壁部と、
前記第1配線層に接し、前記第1壁部と離れて前記第1領域を囲み、前記第4電極部及び前記第2電極部を介して前記第2拡散領域と電気的に接続される第2壁部と、
を含み、
前記第3電極部と前記第4電極部との間の距離は、前記第1壁部と前記第2壁部との間の距離より長い、
メモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なメモリデバイスとして、NANDフラッシュメモリが知られている。NANDフラッシュメモリのようなメモリデバイスにおいては、高集積化、大容量化のために3次元のメモリ構造が採用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0265314号明細書
【特許文献2】特開2020-92146号公報
【特許文献3】米国特許第10978505号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2021/0265293号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メモリデバイスの歩留りを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリデバイスは、第1面で接する第1チップ及び第2チップを備える。上記第1面は、第1領域、上記第1領域を囲む第2領域、及び上記第2領域を囲む第3領域に分けられる。上記第1チップは、基板と、第1電極部と、第2電極部と、を含む。上記基板には、第1導電型の第1拡散領域及び上記第1導電型と異なる第2導電型の第2拡散領域が設けられる。上記第1電極部は、上記第2領域で上記第1領域を囲む連続した1個の導電体を含む。上記第2電極部は、上記第2領域で上記第1電極部と離れて上記第1領域を囲む。上記第2チップは、第1配線層と、第3電極部と、第4電極部と、第1壁部と、第2壁部と、を含む。上記第3電極部は、上記第2領域で上記第1領域を囲む連続した1個の導電体を含み、上記第1電極部と接する。上記第4電極部は、上記第2領域で上記第3電極部と離れて上記第1領域を囲み、上記第2電極部と接する。上記第1壁部は、上記第1配線層に接し、上記第1領域を囲む連続した1個の導電体を含み、上記第3電極部及び上記第1電極部を介して上記第1拡散領域と電気的に接続される。上記第2壁部は、上記第1配線層に接し、上記第1壁部と離れて上記第1領域を囲み、上記第4電極部及び上記第2電極部を介して上記第2拡散領域と電気的に接続される。上記第1電極部及び上記第2電極部が上記第2領域に占める面積の第1割合、並びに上記第3電極部及び上記第4電極部が上記第2領域に占める面積の第2割合の各々は、3%以上40%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図。
図3】第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の概要を示す斜視図。
図4】第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図5】第1実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図6】第1実施形態に係るメモリデバイスの外側ダミーパッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図7】第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図8】第1実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における壁構造の一部及び貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図9】第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の一例を示す断面図。
図10】第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの断面構造の一例を示す断面図。
図11】第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリピラーの断面構造の一例を示す、図10のXI-XI線に沿った断面図。
図12】第2実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の第1例を示す断面図。
図13】第2実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の第2例を示す断面図。
図14】第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における壁構造の一部及び貼合パッドの平面レイアウトの第1例を示す平面図。
図15】第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの第1例を示す平面図。
図16】第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における壁構造の一部及び貼合パッドの平面レイアウトの第2例を示す平面図。
図17】第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの第2例を示す平面図。
図18】第1変形例に係るメモリデバイスの貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図。
図19】第1変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図20】第2変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。図面の寸法及び比率は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0008】
なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。同様の構成を有する要素同士を特に区別する場合、同一符号の末尾に、互いに異なる文字又は数字を付加する場合がある。
【0009】
1. 第1実施形態
1.1 構成
1.1.1 メモリシステムの構成
図1は、第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。メモリシステム1は、外部のホスト機器(図示せず)に接続されるように構成された記憶装置である。メモリシステム1は、例えば、SDTMカードのようなメモリカード、UFS(universal flash storage)、SSD(solid state drive)である。メモリシステム1は、メモリコントローラ2及びメモリデバイス3を含む。
【0010】
メモリコントローラ2は、例えば、SoC(system-on-a-chip)のような集積回路で構成される。メモリコントローラ2は、ホスト機器からの要求に基づいて、メモリデバイス3を制御する。具体的には、例えば、メモリコントローラ2は、ホスト機器から書込みを要求されたデータをメモリデバイス3に書き込む。また、メモリコントローラ2は、ホスト機器から読出しを要求されたデータをメモリデバイス3から読み出してホスト機器に送信する。
【0011】
メモリデバイス3は、不揮発性メモリである。メモリデバイス3は、例えば、NANDフラッシュメモリである。メモリデバイス3は、不揮発にデータを記憶する。
【0012】
メモリコントローラ2とメモリデバイス3との通信は、例えば、SDR(single data rate)インタフェース、トグルDDR(double data rate)インタフェース、又はONFI(Open NAND flash interface)に準拠する。
【0013】
1.1.2 メモリデバイスの構成
引き続き、図1に示すブロック図を参照して、第1実施形態に係るメモリデバイスの内部構成について説明する。メモリデバイス3は、例えばメモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、並びにセンスアンプモジュール16を備える。
【0014】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0~BLKn(nは1以上の整数)を含む。メモリセルアレイ10に含まれるブロックBLKの数は、1個でもよい。ブロックBLKは、複数のメモリセルの集合である。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられる。メモリセルアレイ10の詳細な構成については後述する。
【0015】
コマンドレジスタ11は、メモリデバイス3がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを記憶する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読み出し動作、書き込み動作、消去動作等を実行させる命令を含む。
【0016】
アドレスレジスタ12は、メモリデバイス3がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを記憶する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含む。例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0017】
シーケンサ13は、メモリデバイス3全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に保持されたコマンドCMDに基づいてドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16等を制御して、読出し動作、書込み動作、消去動作等を実行する。
【0018】
ドライバモジュール14は、読出し動作、書込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール14は、例えばアドレスレジスタ12に記憶されたページアドレスPAdに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0019】
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に記憶されたブロックアドレスBAdに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール15は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0020】
センスアンプモジュール16は、書込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール16は、読出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0021】
1.1.3 メモリセルアレイの回路構成
図2は、第1実施形態に係るメモリデバイスが備えるメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図である。図2では、メモリセルアレイ10に含まれる複数のブロックBLKのうちの1つのブロックBLKが示される。図2に示すように、ブロックBLKは、例えば5つのストリングユニットSU0~SU4を含む。
【0022】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL0~BLm(mは1以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含む。ビット線BLの数は、1本でもよい。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。各メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積部を含み、データを不揮発に保持する。選択トランジスタST1及びST2のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0023】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列接続される。選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0024】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ストリングユニットSU0~SU4内の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD4に接続される。複数の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに接続される。
【0025】
ビット線BL0~BLmには、それぞれ異なるカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0026】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、例えばセルユニットCUと呼ばれる。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0027】
なお、第1実施形態に係るメモリデバイス3が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。
【0028】
1.1.4 メモリデバイスの貼合構造
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の概要について説明する。
【0029】
1.1.4.1 貼合構造の概要
図3は、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の概要を示す斜視図である。
【0030】
図3に示すように、メモリデバイス3は、メモリチップ100及びCMOSチップ200を備える。メモリチップ100は、メモリセルアレイ10に対応する構造を含む。CMOSチップ200は、例えば、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16に対応する構造を含む。
【0031】
また、メモリチップ100及びCMOSチップ200の各々は、複数の貼合パッドBPを含む。メモリデバイス3は、メモリチップ100とCMOSチップ200とが、複数の貼合パッドBPを介して貼り合わされて形成される。
【0032】
以下では、メモリチップ100及びCMOSチップ200が貼り合わされる面(貼合面)をXY面とする。XY面において互いに直交する方向をX方向及びY方向とする。また、XY平面に略垂直であり、メモリチップ100からCMOSチップ200に向かう方向をZ1方向とする。XY平面に略垂直であり、CMOSチップ200からメモリチップ100に向かう方向をZ2方向とする。Z1方向及びZ2方向のいずれかを限定しない場合は、Z方向と表記する。
【0033】
1.1.4.2 貼合パッドの平面レイアウト
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの平面レイアウトについて説明する。図4は、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
【0034】
図4に示すように、メモリデバイス3のメモリチップ100とCMOSチップ200の貼合面は、例えばアクティブパッド領域AR、内側ダミーパッド領域IDR、放電用パッド領域DCR、外側ダミーパッド領域ODR、及びカーフ領域KRに分けられる。また、貼合パッドBPは、配置されている貼合面の領域に応じて、貼合パッドBPa、BPi、BPd、及びBPoに分類される。貼合パッドBPdは、貼合パッドBPd_2及びBPd_3を含む。
【0035】
アクティブパッド領域ARは、Z方向に見てメモリデバイス3の中央部に位置する矩形状の領域である。アクティブパッド領域ARの個数及び形状は、任意に設計され得る。アクティブパッド領域ARには、貼合パッドBPaが配置される。貼合パッドBPaは、メモリデバイス3を動作させる際に、信号又は電源の経路として機能する導電体である。貼合パッドBPaは、例えば、各々が矩形状の複数の電極を含む。貼合パッドBPaに含まれる複数の電極は、例えば、正方格子状に配置される。
【0036】
内側ダミーパッド領域IDRは、Z方向に見て放電用パッド領域DCRの内側に位置し、かつアクティブパッド領域ARの外周を囲む四角環状の領域である。内側ダミーパッド領域IDRには、貼合パッドBPiが配置される。貼合パッドBPiは、放電用パッド領域DCRの内側に位置し、かつメモリデバイス3を動作させる際に、信号及び電源のいずれの経路としても機能しない導電体である。貼合パッドBPiは、例えば、各々が矩形状の複数の電極を含む。貼合パッドBPiに含まれる複数の電極は、例えば、正方格子とは異なるパターンで配置される。
【0037】
放電用パッド領域DCRは、Z方向に見て内側ダミーパッド領域IDRの外周を囲む四角環状の領域である。放電用パッド領域DCRには、貼合パッドBPd_2及びBPd_3が配置される。貼合パッドBPd_2及びBPd_3の各々は、メモリチップ100側に発生する静電気をCMOSチップ200側に逃がすための放電経路として機能する導電体である。貼合パッドBPd_2及びBPd_3の各々は、例えば、連続した1個の電極を含む。貼合パッドBPd_2に含まれる1個の電極は、貼合パッドBPa及びBPiを囲む四角環状の形状を有する。貼合パッドBPd_3に含まれる1個の電極は、貼合パッドBPd_2と離間しつつ、貼合パッドBPd_2を囲む四角環状の形状を有する。
【0038】
外側ダミーパッド領域ODRは、Z方向に見て放電用パッド領域DCRの外周を囲む四角環状の領域である。外側ダミーパッド領域ODRには、貼合パッドBPoが配置される。貼合パッドBPoは、放電用パッド領域DCRの外側に位置し、かつメモリデバイス3を動作させる際に、信号及び電源のいずれの経路としても機能しない導電体である。貼合パッドBPoは、例えば、各々が矩形状の複数の電極を含む。貼合パッドBPoに含まれる複数の電極は、例えば、正方格子とは異なるパターンで配置される。なお、貼合パッドBPoに含まれる複数の電極の配置パターンは、貼合パッドBPiに含まれる複数の電極の配置パターンと同等でもよいし、異なっていてもよい。
【0039】
カーフ領域KRは、Z方向に見て外側ダミーパッド領域ODRの外周を囲む四角環状の領域である。カーフ領域KRは、半導体基板の最外周と接する。カーフ領域KRには、貼合パッドが設けられない。カーフ領域KRには、例えばメモリデバイス3の製造時に使用されるアライメントマーク等が設けられる。カーフ領域KR内の構造体の部分は、ウエハ上に複数形成されたメモリデバイス3をチップ毎に切り分けるダイシング工程によって除去されても良い。
【0040】
1.1.4.3 貼合パッドの被覆率
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの被覆率について説明する。貼合面の或る領域における貼合パッドBPの被覆率は、当該領域内に配置された貼合パッドBPが当該領域に占める面積の割合である。
【0041】
1.1.4.3.1 放電用パッド領域における被覆率
図5は、第1実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図5では、図4に示された放電用パッド領域DCRに配置された貼合パッドBPd_2及びBPd_3の一部が示される。
【0042】
図5に示すように、貼合パッドBPd_2及びBPd_3はそれぞれ、幅D2及びD3を有する。幅D2及びD3は、等しくてもよいし、互いに異なっていてもよい。幅D2及びD3は、例えば、0.1マイクロメートル(μm)以上1.0マイクロメートル以下である。
【0043】
放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率は、例えば、単位領域UDCRの面積に占める貼合パッドBPd_2及びBPd_3の面積の割合として算出される。単位領域UDCRは、例えば、貼合パッドBPd_2の幅D2の中心線と、貼合パッドBPd_3の幅D3の中心線と、を対向する2辺として有する矩形領域である。単位領域UDCRにおける貼合パッドBPd_2の幅D2の中心と貼合パッドBPd_3の幅D3の中心とを結ぶ辺の長さは、距離Pとして定義される。図5に示されるように、貼合パッドBPd_2及びBPd_3の各々が四角環状の形状を有する場合、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率は、例えば、(D2/2+D3/2)/Pのように表される。放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率は、例えば、3%以上40%以下となるように設計される。放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率が3%未満の場合、メモリチップ100側に発生する静電気をCMOSチップ200側に逃がすための放電経路としての機能が不十分となり得るため、好ましくない。放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率が40%を超える場合、メモリチップ100とCMOSチップ200との貼合工程において貼合不良が十分に抑制できない可能性があるため、好ましくない。
【0044】
1.1.4.3.2 外側ダミーパッド領域における被覆率
図6は、第1実施形態に係るメモリデバイスの外側ダミーパッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図6では、図4に示された外側ダミーパッド領域ODRに配置された貼合パッドBPoに含まれる複数の電極の一部が示される。また、図6では、説明の便宜上、外側ダミーパッド領域ODRを、一辺がLの正方格子状のマスに分割して示している。
【0045】
図6に示すように、外側ダミーパッド領域ODRにおいて、貼合パッドBPoに含まれる1個の電極は、1マスに対応して配置される。なお、貼合パッドBPoに含まれる1個の電極の面積は、1マスの面積(=L)と等しくてもよいし、異なっていてもよい。
【0046】
外側ダミーパッド領域ODRにおいて、貼合パッドBPoに含まれる複数の電極は、例えば、所定のパターンにしたがって配置される。図6の例では、15×15マスの単位領域UODR内に、15個の電極が配置されるパターンが示される。この場合、基準となる電極が配置されたマスに対して、X方向及びY方向にそれぞれ4マス及び1マス離れたマス、及びX方向及びY方向にそれぞれ1マス及び4マス離れたマスに、更なる電極が配置される。
【0047】
外側ダミーパッド領域ODRにおける貼合パッドBPoの被覆率は、例えば、単位領域UODRの面積に占める貼合パッドBPoの面積の割合として算出される。図6の例では、外側ダミーパッド領域ODRにおける貼合パッドBPoの被覆率は、例えば、3%以上20%以下となるように設計される。また、外側ダミーパッド領域ODRにおける貼合パッドBPoの被覆率は、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率の1/3以上2/3以下となるように設計されることが望ましい。上記条件が満たされない場合、メモリチップ100とCMOSチップ200との貼合工程において貼合不良が十分に抑制できない可能性があるため、好ましくない。
【0048】
1.1.4.3.3 アクティブパッド領域及び内側ダミーパッド領域における被覆率
アクティブパッド領域ARにおける貼合パッドBPaの被覆率の各々は、例えば、25%以下(より具体的には、例えば、16%)に設計される。
【0049】
内側ダミーパッド領域IDRにおける貼合パッドBPiの被覆率は、例えば、アクティブパッド領域ARにおける貼合パッドBPaの被覆率と、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率との間の大きさであることが望ましい。
【0050】
1.1.5 メモリデバイスの断面構造
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造について説明する。図7は、第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。
【0051】
図7に示すように、メモリチップ100は、半導体層101、絶縁層102、111、112、113、114、115、117、118、及び121、配線層103、106、108、及び116、導電体104、105、107、109、及び120、電極110、表面保護層119、並びにメモリピラーMPを含む。電極110は、電極110a、110i、110d、及び110oを含む。CMOSチップ200は、半導体基板201、N型不純物拡散領域NW、P型不純物拡散領域PW、トランジスタTR、ゲート絶縁膜202、ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209、電極211、並びに絶縁層212及び213を含む。電極211は、電極211a、211i、211d、及び211oを含む。
【0052】
1.1.5.1 メモリチップの断面構造
まず、メモリチップ100の構造について説明する。
【0053】
1.1.5.1.1 アクティブパッド領域の構造
メモリチップ100のアクティブパッド領域ARについて説明する。メモリチップ100のアクティブパッド領域ARには、メモリセルアレイ10、及びメモリセルアレイ10とCMOSチップ200とを接続するための各種配線が設けられる。すなわち、メモリチップ100のアクティブパッド領域ARは、メモリセルアレイ10が設けられるメモリ領域を含む。
【0054】
半導体層101は、X方向及びY方向に延びる。アクティブパッド領域ARに設けられた半導体層101は、ソース線SLとして機能する。例えば、半導体層101は、シリコンを含む。アクティブパッド領域ARでは、Z1方向における半導体層101の上面上に、複数の絶縁層102と複数の配線層103とが一層ずつ交互に積層されている。図7の例では、10層の絶縁層102と10層の配線層103とが1層ずつ交互に積層されている。換言すれば、CMOSチップ200と半導体層101との間に、Z方向に離れて積層された複数の配線層103が設けられている。配線層103は、X方向に延びる。配線層103は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGD及びSGSとして機能する。絶縁層102は、絶縁材料として、酸化シリコン(SiO)を含む。配線層103は、例えば、導電材料としてタングステン(W)を含む。
【0055】
アクティブパッド領域ARには、複数のメモリピラーMPが設けられる。1つのメモリピラーMPが1つのNANDストリングNSに対応する。メモリピラーMPは、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。メモリピラーMPは、複数の絶縁層102及び複数の配線層103を貫通(通過)する。メモリピラーMPのZ2方向の端部(底面)は、半導体層101に達する。メモリピラーMPは、半導体層を含む。メモリピラーMP内の半導体層の一部は、半導体層101と接する。メモリピラーMPの構造の詳細については、後述する。
【0056】
Z1方向におけるメモリピラーMPの上面上には、導電体104が設けられる。導電体104は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向における導電体104の上面上には、導電体105が設けられる。アクティブパッド領域ARに設けられた導電体105は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。更に、Z1方向における導電体105の上面上には、配線層106が設けられる。アクティブパッド領域ARには、例えば、X方向に並び、各々がY方向に延びる複数の配線層106が設けられる。複数のメモリピラーMPの各々は、導電体104及び105を介して、複数の配線層106のいずれかに電気的に接続される。メモリピラーMPが接続された配線層106は、ビット線BLとして機能する。導電体104は、例えば、タングステンを含む。導電体105及び配線層106は、例えば、銅(Cu)を含む。
【0057】
Z1方向における配線層106の上面上には、導電体107が設けられる。アクティブパッド領域ARに設けられた導電体107は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向における導電体107の上面上には、配線層108が設けられる。Z1方向における配線層108の上面上には、導電体109が設けられる。アクティブパッド領域ARに設けられた導電体109は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。アクティブパッド領域ARにおいて、Z1方向における導電体109の上面上には、電極110aが設けられる。電極110aは、CMOSチップ200の電極211aと電気的に接続される。電極110a及び211aは、貼合パッドBPaとして機能する。
【0058】
アクティブパッド領域ARにおける複数の配線層106の各々は、導電体107、配線層108、及び導電体109を介して、いずれかの電極110aに電気的に接続される。導電体107及び109、配線層108、並びに電極110aは、例えば、導電材料として銅を含む。なお、配線層106と電極110aとの間に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0059】
なお、図7では図示が省略されているが、アクティブパッド領域ARには、上述した電極110a以外にも、配線層103とCMOSチップ200との間を電気的に接続する電極110a、及び外部機器とCMOSチップ200との間を電気的に接続する電極110a等が設けられる。
【0060】
絶縁層111は、絶縁層102、配線層103、メモリピラーMP、導電体104、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109を覆うように、設けられる。Z1方向における絶縁層111の上面上には、絶縁層112が設けられる。絶縁層112と同層には、複数の電極110aが設けられる。絶縁層112は、CMOSチップ200の絶縁層213に接する。
【0061】
Z2方向における半導体層101の上面上には、絶縁層113及び114が積層される。そして、半導体層101並びに絶縁層113及び114を覆うように、絶縁層115が設けられる。絶縁層113及び115は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。絶縁層114には、金属(例えば銅)の酸化防止機能を有する絶縁材料が用いられる。絶縁層114は、例えば、炭窒化シリコン(SiCN)又は窒化シリコン(SiN)を含む。なお、絶縁層114は、省略されてもよい。
【0062】
Z2方向における絶縁層115の上面上には、配線層116が設けられる。アクティブパッド領域ARに設けられた配線層116は、半導体層101上の絶縁層113~115が除去された領域において、半導体層101と接する。アクティブパッド領域ARに設けられた配線層116は、半導体層101に接することにより、半導体層101(ソース線SL)とCMOSチップ200とを電気的に接続する配線層の一部として機能する。配線層116は、例えば、アルミニウム(Al)を含む。
【0063】
Z2方向における配線層116の上面上には、絶縁層117が設けられる。Z2方向における絶縁層117の上面上には、絶縁層118が設けられる。そして、Z2方向における絶縁層118の上面上には、表面保護層119が設けられる。絶縁層117は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。絶縁層118は、例えば、透水性の低い絶縁材料として、窒化シリコンを含む。表面保護層119は、例えば、ポリイミド等の樹脂材料を含む。
【0064】
1.1.5.1.2 内側ダミーパッド領域の構造
続いて、メモリチップ100の内側ダミーパッド領域IDRについて説明する。
【0065】
内側ダミーパッド領域IDRにおいて、絶縁層112と同層に、複数の電極110iが設けられる。複数の電極110iはそれぞれ、対応するCMOSチップ200の電極211iに接する。電極110i及び211iは、貼合パッドBPiとして機能する。複数の電極110iは、メモリチップ100内のメモリセルアレイ10及び各種配線、並びにCMOSチップ200内の半導体基板201及び各種配線に対して電気的に絶縁される。
【0066】
内側ダミーパッド領域IDRに設けられる半導体層101の内部には、絶縁層121が設けられる。内側ダミーパッド領域IDRに設けられる半導体層101は、ソース線SLとしては機能しない。
【0067】
1.1.5.1.3 放電用パッド領域の構造
続いて、メモリチップ100の放電用パッド領域DCRについて説明する。
【0068】
放電用パッド領域DCRには、壁構造W、及び壁構造WとCMOSチップ200とを接続するための各種配線が設けられる。壁構造Wは、例えば、壁構造W_1、W_2、W_3、及びW_4を含む。壁構造W_1~W_4はそれぞれ、導電体120_1~120_4を含む。
【0069】
導電体120_1は、Z方向に見て、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲む四角環状の形状を有する。導電体120_2は、Z方向に見て、導電体120_1を囲む四角環状の形状を有する。導電体120_3は、Z方向に見て、導電体120_2を囲む四角環状の形状を有する。導電体120_4は、Z方向に見て、導電体120_3を囲む四角環状の形状を有する。
【0070】
導電体120_1~120_4の各々は、Z方向に延びる。導電体120_1及び120_4の各々のZ2方向の端部は、例えば、絶縁層115に接する。導電体120_1及び120_4のZ2方向の端部は、半導体層101又は配線層116に接してもよいし、絶縁層111内部にあってもよい。導電体120_2及び120_3の各々のZ2方向の端部は、例えば、半導体層101及び絶縁層113~115が除去された領域において配線層116に接する。
【0071】
なお、放電用パッド領域DCRに設けられた配線層116は、アクティブパッド領域ARに設けられた配線層116及び内側ダミーパッド領域IDRに設けられた配線層116とは電気的に絶縁される。放電用パッド領域DCRに設けられた配線層116は、表面保護層119等によって覆われる。
【0072】
導電体120_1及び120_4の各々のZ1方向の端部は、導電体105に接続されない。導電体120_2のZ1方向の端部、及び導電体120_3のZ1方向の端部は、異なる導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110dを介して、CMOSチップ200の電極211dにそれぞれ電気的に接続される。
【0073】
以下、導電体120_2と電気的に接続された配線層108、並びに電極110d及び211dを特定する場合、配線層108_2、並びに電極110d_2及び211d_2とそれぞれ表記する。導電体120_3と電気的に接続された配線層108、並びに電極110d及び211dを特定する場合、配線層108_3、並びに電極110d_3及び211d_3とそれぞれ表記する。
【0074】
電極211d_2と電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_2、導電体109、及び電極110d_2は、例えば、Z方向に見て、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲む四角環状の形状を有する。また、例えば、Z方向に見て環状の形状を有する配線層108_2の幅は、同様に環状の形状を有する配線層106の幅よりも大きい。電極211d_3に電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_3、導電体109、及び電極110d_3はそれぞれ、例えば、Z方向に見て、電極211d_2に電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_2、導電体109、及び電極110d_2を囲む四角環状の形状を有する。また、例えば、Z方向に見て環状の形状を有する配線層108_3の幅は、同様に環状の形状を有する配線層106の幅よりも大きい。電極110d_2及び211d_2は、貼合パッドBPd_2として機能する。電極110d_3及び211d_3は、貼合パッドBPd_3として機能する。
【0075】
配線層108_2のうち導電体109が接続される部分は、配線層108_2のうち導電体107が接続される部分に対して、内側ダミーパッド領域IDR側に位置する。このように、配線層108_2の上下面に接続される導電体107及び導電体109は、Z方向に見て、互いに重なり合わない。これにより、貼合パッドBPd_2は、導電体120_2よりも、内側ダミーパッド領域IDR側に位置する。一方、配線層108_3のうち導電体109が接続される部分は、配線層108_3のうち導電体107が接続される部分に対して、外側ダミーパッド領域ODR側に位置する。このように、配線層108_3の上下面に接続される導電体107及び導電体109は、Z方向に見て、互いに重なり合わない。これにより、貼合パッドBPd_3は、導電体120_3よりも、外側ダミーパッド領域ODR側に位置する。このため、貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3との間の距離Pは、導電体120_2と導電体120_3との間の距離P0よりも長い。
【0076】
図8は、第1実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における壁構造の一部及び貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図8では、壁構造W_2(導電体120_2)及びW_3(導電体120_3)と、貼合パッドBPd_2及びBPd_3の平面レイアウトの一例が示される。
【0077】
図8に示すように、壁構造W_2は、Z方向に見て、貼合パッドBPd_2を囲むように設けられる。壁構造W_3は、Z方向に見て、壁構造W_2を囲むように設けられる。貼合パッドBPd_3は、Z方向に見て、壁構造W_3を囲むように設けられる。このように、壁構造W_2と壁構造W_3との間の距離P0よりも貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3との間の距離Pを長くすることにより、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及び貼合パッドBPd_3の被覆率を、低減させることができる。なお、放電用パッド領域DCRにおいて、配線層106の幅を配線層108の幅よりも大きくして、その上下面に接続される導電体105及び導電体107の位置を異ならせることで、貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3との間の距離Pが、導電体120_2と導電体120_3との間の距離P0より長くされてもよい。
【0078】
1.1.5.1.4 外側ダミーパッド領域の構造
続いて、再び図7を参照して、メモリチップ100の外側ダミーパッド領域ODRについて説明する。
【0079】
外側ダミーパッド領域ODRにおいて、絶縁層112と同層に、複数の電極110oが設けられる。複数の電極110oはそれぞれ、対応するCMOSチップ200の電極211oに接する。電極110o及び211oは、貼合パッドBPoとして機能する。複数の電極110oは、メモリチップ100内の各種配線、及びCMOSチップ200内の各種配線に対して電気的に絶縁される。
【0080】
外側ダミーパッド領域ODRに設けられた半導体層101は、アクティブパッド領域ARに設けられた半導体層101及び内側ダミーパッド領域IDRに設けられた半導体層101とは電気的に絶縁される。以下、外側ダミーパッド領域ODRに設けられた半導体層101を特定する場合、半導体層101_1と表記する。半導体層101_1の少なくとも一部は、表面保護層119によって覆われて(保護されて)いない。すなわち、半導体層101_1の少なくとも一部は、Z方向において、CMOSチップ200と表面保護層119との間に設けられていない。
【0081】
Z2方向における半導体層101_1の上面上には、Z2方向に延びる複数の突出部分PTが設けられる。突出部分PTは、例えば、絶縁層113を貫通する。Z2方向における突出部分PTの上面は、絶縁層114に接する。半導体層101_1の内部に設けられた絶縁層121のうち、Z方向に見て突出部分PTと重なる部分は、半導体層101_1によって分断される。突出部分PTは、メモリチップ100の製造工程において、半導体層101をメモリチップ100の基板(図示せず)に接地し、例えば、ドライエッチング時における半導体層101のチャージアップによるアーキングの抑制に使用される。なお、突出部分PTは、設けられていなくてもよい。
【0082】
1.1.5.1.5 カーフ領域の構造
続いて、メモリチップ100のカーフ領域KRについて説明する。
【0083】
カーフ領域KRには、電極110は設けられない。また、カーフ領域KRには、半導体層101及び配線層116、並びにこれらを保護する表面保護層119は設けられない。
【0084】
1.1.5.2 CMOSチップの断面構造
次に、CMOSチップ200の断面構造について説明する。
【0085】
アクティブパッド領域ARでは、Z2方向における半導体基板201の上面上に複数のトランジスタTRが設けられる。トランジスタTRは、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16内の素子として用いられる。トランジスタTRは、ゲート絶縁膜202、ゲート電極203、半導体基板201に形成された図示せぬソース及びドレインを含む。ゲート絶縁膜202は、Z2方向における半導体基板201の上面上に設けられる。ゲート電極203は、Z2方向におけるゲート絶縁膜202の上面上に設けられる。
【0086】
内側ダミーパッド領域IDR、放電用パッド領域DCR、及び外側ダミーパッド領域ODRには、ゲート絶縁膜202、及びゲート電極203は設けられない。一方、カーフ領域KRには、トランジスタTRの一部として機能しないゲート絶縁膜202、及びゲート電極203が設けられる。カーフ領域KRにおけるトランジスタTRの一部として機能しないゲート絶縁膜202、及びゲート電極203は、例えば、アライメントマークの形成に使用される。トランジスタTRの一部として機能しないゲート電極203の端部は、カーフ領域KRと外側ダミーパッド領域ODRとの間の境界を規定する場合がある。
【0087】
アクティブパッド領域ARでは、ゲート電極203、ソース、及びドレインのZ2方向における上面上に、導電体204が設けられる。アクティブパッド領域ARに設けられた導電体204は、Z方向に延伸する円柱形状を有する。放電用パッド領域DCRでは、半導体基板201に設けられたN型不純物拡散領域NW、及び半導体基板201に設けられたP型不純物拡散領域PWのZ2方向における上面上に、導電体204が設けられる。
【0088】
Z2方向における導電体204の上面上には、配線層205が設けられる。Z2方向における配線層205の上面上には、導電体206が設けられる。Z2方向における導電体206の上面上には、配線層207が設けられる。Z2方向における配線層207の上面上には、導電体208が設けられる。Z2方向における導電体208の上面上には、配線層209が設けられる。Z2方向における配線層209の上面上には、導電体210が設けられる。アクティブパッド領域ARに設けられた導電体204、206、208、及び210は、例えば、Z方向に延伸する円柱形状を有する。放電用パッド領域DCRに設けられた導電体204、206、208、及び210、並びに配線層205、207、209は、例えば、Z方向に見て、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲む四角環状の形状を有する。放電用パッド領域DCRに設けられたN型不純物拡散領域NW及びP型不純物拡散領域PWについては、これらと同様に四角環状の形状を有していてもよいし、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲むように、四角環状の形状に沿って互いに離れて並ぶ複数の領域を有するように設けられてもよい。なお、CMOSチップ200に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0089】
Z2方向における半導体基板201の上面上には、絶縁層212が設けられる。絶縁層212は、トランジスタTR、導電体204、配線層205、導電体206、配線層207、導電体208、配線層209、及び導電体210を覆うように設けられる。Z2方向における絶縁層212の上面上には絶縁層213が設けられる。
【0090】
アクティブパッド領域ARに設けられた導電体210のZ2方向における上面上には、絶縁層213の同層に電極211aが設けられる。内側ダミーパッド領域IDRにおいて、絶縁層213と同層に電極211iが設けられる。外側ダミーパッド領域ODRにおいて、絶縁層213と同層に電極211oが設けられる。複数の電極211i及び211oは、メモリチップ100内の各種配線、及びCMOSチップ200内の各種配線に対して電気的に絶縁される。放電用パッド領域DCRに設けられた導電体210のZ2方向における上面上には、絶縁層213と同層に電極211d_2及び211_3が設けられる。電極211d_2は、Z方向に見て、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲む四角環状の形状を有する。電極211d_3は、Z方向に見て、電極211d_2を囲む四角環状の形状を有する。
【0091】
ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209、並びに電極211a、211i、211d、及び211oは、導電材料により構成され、金属材料、p型半導体、またはn型半導体等を含み得る。電極211a、211i、211d、及び211oは、例えば、銅を含む。ゲート絶縁膜202、絶縁層212、及び絶縁層213は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。
【0092】
図7の例では、メモリチップ100の導電体120_2は、電極110d_2及び211d_2を介して、CMOSチップ200の半導体基板201のP型不純物拡散領域PWに電気的に接続される。メモリチップ100の導電体120_3は、電極110d_3及び211d_3を介して、CMOSチップ200の半導体基板201のN型不純物拡散領域NWに電気的に接続される。なお、導電体120_3がP型不純物拡散領域PWに電気的に接続され、導電体120_2がN型不純物拡散領域NWに電気的に接続されてもよい。
【0093】
1.1.6 貼合パッドの断面構造
次に、貼合パッドBPの断面構造について説明する。
【0094】
図9は、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の一例を示す断面図である。図9の例では、放電用パッド領域DCRの貼合パッドBPdに含まれる電極110d及び211d(すなわち、電極110d_2及び211d_2、又は電極110d_3及び211d_3)が示される。なお、以下の貼合パッドBPdに関する説明は、貼合パッドBPa、BPi、及びBPoについても、同様に成り立つ。
【0095】
図9に示すように、メモリチップ100とCMOSチップ200との貼合工程において、電極110dは、電極211dに接続される。図9の例では、貼合面における電極110dの面積と電極211dの面積とは、略等しい。このような場合、電極110dと電極211dとに銅を用いると、電極110dの銅と電極211dの銅とが一体化して、互いの銅の境界の確認が困難となり得る。但し、貼り合わせの位置ずれによる電極110dと電極211dとを貼り合わせた形状の歪み、銅のバリアメタルの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合わせが確認できる。
【0096】
また、電極110d及び211dをダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため、電極110dと電極211dとを貼り合わせた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。
【0097】
また、電極110dと電極211dとを貼り合わせた場合、これらを形成する銅の底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、銅を用いた一般的な配線層では、銅の上面に銅の酸化防止機能を有する絶縁層(窒化シリコンまたは炭窒化シリコン等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合わせの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0098】
1.1.7 メモリセルアレイの断面構造
図10は、第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの断面構造の一例を示す断面図である。図10では、メモリセルアレイ10に含まれる2個のメモリピラーMPが示される。
【0099】
図10に示すように、半導体層101は、例えば、3層の半導体層101a、101b、101cを含む。Z1方向における半導体層101aの上面上に、半導体層101bが設けられる。Z1方向における半導体層101bの上面上に、半導体層101cが設けられる。半導体層101bは、例えば、半導体層101aと半導体層101cとの間に設けられた絶縁層121を置き換えることにより形成される。半導体層101a~101cは、例えば、シリコンを含む。また、半導体層101a~101cは、例えば、半導体の不純物としてリン(P)を含む。
【0100】
Z1方向における半導体層101の上面上には、10層の絶縁層102と10層の配線層103とが1層ずつ交互に積層されている。図10の例では、10層の配線層103は、半導体層101に近い側から順に、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、及び選択ゲート線SGDとして機能する。なお、選択ゲート線SGS及びSGDとして機能する配線層103は、複数設けられてもよい。例えば、配線層103の導電材料として、窒化チタン(TiN)/タングステン(W)の積層構造が用いられ得る。この場合、TiNは、タングステンを覆うように形成される。窒化チタンは、例えばCVD(chemical vapor deposition)によりタングステンを成膜する際、タングステンの酸化を抑制するためのバリア層、あるいはタングステンの密着性を向上させるための密着層としての機能を有する。また、配線層103は、酸化アルミニウム(AlO)等の高誘電率材料を含み得る。この場合、高誘電率材料は、導電材料を覆うように形成される。例えば、配線層103の各々において、配線層103の上下に設けられた絶縁層102及びメモリピラーMPの側面と接するように高誘電率材料が設けられる。そして、高誘電率材料と接するように窒化チタンが設けられる。そして、窒化チタンと接し、配線層103の内部を埋め込むようにタングステンが設けられる。
【0101】
Z1方向における選択ゲート線SGDとして機能する配線層103の上面上には、絶縁層111が設けられる。
【0102】
メモリセルアレイ10内には、複数のメモリピラーMPが設けられている。メモリピラーMPは、Z方向に延びる略円柱形状を有している。メモリピラーMPは、10層の配線層103を貫通する。メモリピラーMPの底面は、半導体層101に達する。なお、メモリピラーMPは、Z方向に複数のピラーが連結された構造であってもよい。
【0103】
次に、メモリピラーMPの内部構成について説明する。メモリピラーMPは、ブロック絶縁膜140、電荷蓄積膜141、トンネル絶縁膜142、半導体膜143、コア膜144、及びキャップ膜145を含む。
【0104】
メモリピラーMPの側面の一部及びZ2方向の底面には、外側から順に、ブロック絶縁膜140、電荷蓄積膜141、及びトンネル絶縁膜142が積層される。より具体的には、半導体層101bの同層及びその近傍において、メモリピラーMPの側面のブロック絶縁膜140、電荷蓄積膜141、及びトンネル絶縁膜142が除去される。トンネル絶縁膜142の側面及び底面、並びに半導体層101bに接するように半導体膜143が設けられる。半導体膜143は、メモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2のチャネルが形成される領域である。半導体膜143の内部は、コア膜144により埋め込まれる。Z1方向におけるメモリピラーMPの上部では、半導体膜143及びコア膜144の上端に、キャップ膜145が設けられる。キャップ膜145の側面は、トンネル絶縁膜142に接する。キャップ膜145は、例えば、シリコンを含む。Z1方向におけるキャップ膜145の上面上には、導電体104が設けられる。Z1方向における導電体104の上面上には、導電体105が設けられる。導電体105は、配線層106に接続されている。
【0105】
図11は、第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリピラーの断面構造の一例を示す、図10のXI-XI線に沿った断面図である。より具体的には、図11は、配線層103を含む層におけるメモリピラーMPの断面構造を示す。
【0106】
配線層103を含む断面において、コア膜144は、例えば、メモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体膜143は、コア膜144の側面を囲む。トンネル絶縁膜142は、半導体膜143の側面を囲む。電荷蓄積膜141は、トンネル絶縁膜142の側面を囲む。ブロック絶縁膜140は、電荷蓄積膜141の側面を囲む。配線層103は、ブロック絶縁膜140の側面を囲む。
【0107】
半導体膜143は、メモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択トランジスタST1及びST2のチャネル(電流経路)として使用される。トンネル絶縁膜142及びブロック絶縁膜140のそれぞれは、例えば、酸化シリコンを含む。電荷蓄積膜141は、電荷を蓄積する機能を有する。電荷蓄積膜141は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0108】
メモリピラーMPと、ワード線WL0~WL7として機能する配線層103が組み合わされることにより、メモリセルトランジスタMT0~MT7が構成される。同様に、メモリピラーMPと、選択ゲート線SGDとして機能する配線層103とが組み合わされることにより、選択トランジスタST1が構成される。メモリピラーMPと、選択ゲート線SGSとして機能する配線層103とが組み合わされることにより、選択トランジスタST2が構成される。これにより、各メモリピラーMPは、1つのNANDストリングNSとして機能し得る。
【0109】
1.2 第1実施形態に係る効果
第1実施形態によれば、メモリデバイス3の歩留りを向上させることができる。本効果について以下に説明する。
【0110】
メモリチップ100とCMOSチップ200との貼合面は、アクティブパッド領域AR、内側ダミーパッド領域IDR、放電用パッド領域DCR、外側ダミーパッド領域ODR、及びカーフ領域KRに分けられる。放電用パッド領域DCRには、壁構造W_2とP型不純物拡散領域PWとの間を電気的に接続する貼合パッドBPd_2、及び壁構造W_3とN型不純物拡散領域NWとの間を電気的に接続する貼合パッドBPd_3が設けられる。貼合パッドBPd_2及び壁構造W_2の各々は、内側ダミーパッド領域IDR及びアクティブパッド領域ARを囲む、連続した1個の導電体を含む。貼合パッドBPd_3及び壁構造W_3の各々は、貼合パッドBPd_2及び壁構造W_2を囲む、連続した1個の導電体を含む。放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率は、3%以上40%以下に設計される。これにより、放電用パッド領域DCRの被覆率と近傍の領域の被覆率との差が過大になることを抑制できる。このため、メモリチップ100及びCMOSチップ200の各々における貼合面の形成工程においてCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の処理を行った際、放電用パッド領域DCRにおけるエロージョンによる段差の発生を抑制できる。したがって、メモリチップ100及びCMOSチップ200の貼合工程における貼合不良の発生を低減できる。
【0111】
具体的には、貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3との間の距離Pは、導電体120_2と導電体120_3との間の距離P0よりも長い。これにより、壁構造W_1~W_4の制約を満たしつつ、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率を、距離Pが距離P0と同等の長さとなる場合よりも低減することができる。
【0112】
補足すると、壁構造W_2は、配線層116とP型不純物拡散領域PWとの間を電気的に接続する導電体120_2を含む。壁構造W_3は、配線層116とN型不純物拡散領域NWとの間を電気的に接続する導電体120_3を含む。導電体120_2及び120_3は、Z方向に長い(深い)構造を有する。十分な精度の長さの導電体120_2及び120_3を形成するためには、導電体120_2及び120_3を挟むように配置される、導電体120_1を含む壁構造W_1及び導電体120_4を含む壁構造W_4を同時に形成することが望まれる。
【0113】
しかしながら、壁構造W_1~W_4の形成に割り当てられる領域は、限られる。このため、距離Pが距離P0と同等の場合、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率は、貼合不良の発生を十分に抑制できない可能性がある。一方、CMOSチップ200側のP型不純物拡散領域PW及びN型不純物拡散領域NWの形成に割り当てられる領域には、比較的余裕がある。
【0114】
第1実施形態によれば、Z方向に見て、配線層108_2の貼合パッドBPd_2と重なり合う部分は、導電体120_2と重なり合う部分よりも内側ダミーパッド領域IDR側に位置する。Z方向に見て、配線層108_3の貼合パッドBPd_3と重なり合う部分は、導電体120_3と重なり合う部分よりも外側ダミーパッド領域ODR側に位置する。これにより、壁構造W_11~W_4に関する制約を満たしつつ、距離Pを、距離P0よりも長くすることができる。
【0115】
また、外側ダミーパッド領域ODRには、半導体基板201から電気的に絶縁される貼合パッドBPoが形成される。外側ダミーパッド領域ODRにおける貼合パッドBPoの被覆率は、3%以上20%以下に設計される。又は、メモリチップ100及びCMOSチップ200の各々において、外側ダミーパッド領域ODRにおける貼合パッドBPoの被覆率は、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3の被覆率の1/3以上2/3以下に設計される。これにより、被覆率が0%であるカーフ領域KRと、被覆率が比較的大きい放電用パッド領域DCRとの間の被覆率の勾配をなだらかにすることができる。このため、放電用パッド領域DCR、外側ダミーパッド領域ODR、及びカーフ領域KRにおけるエロージョンによる段差の発生を抑制できる。したがって、メモリチップ100及びCMOSチップ200の貼合工程における貼合不良の発生を低減できる。
【0116】
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態に係るメモリデバイス3について説明する。第2実施形態に係るメモリデバイス3では、貼合パッドBPの面積がメモリチップ100側とCMOSチップ200側とで異なる点において、第1実施形態に係るメモリデバイス3と異なる。以下の説明では、第1実施形態と同等の構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0117】
2.1 貼合パッドの断面構造
図12は、第2実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の第1例を示す断面図である。図13は、第2実施形態に係るメモリデバイスの貼合パッドの断面構造の第2例を示す断面図である。図12及び図13は、第1実施形態における図9に対応する。図12の例では、放電用パッド領域DCRの貼合パッドBPd’に含まれる電極110d及び211d’(すなわち、電極110d_2及び211d_2’、又は電極110d_3及び211d_3’)が示される。図13の例では、放電用パッド領域DCRの貼合パッドBPd’に含まれる電極110d’及び211d(すなわち、電極110d_2’及び211d_2、又は電極110d_3’及び211d_3)が示される。
【0118】
図12に示される第1例では、電極211dに代えて、電極211d’が設けられる。電極211d’の貼合面における面積は、電極110dの貼合面における面積に対して小さい。
【0119】
図13に示される第2例では、電極110dに代えて、電極110d’が設けられる。電極110d’の貼合面における面積は、電極211dの貼合面における面積に対して小さい。
【0120】
2.2 第2実施形態に係る効果
第2実施形態によれば、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd’の貼合面における面積は、メモリチップ100側とCMOSチップ200側とで、異なる。これにより、貼合工程の際にメモリチップ100とCMOSチップ200との間で位置ずれが発生しても、貼合面における面積の小さな電極が、面積の大きな電極からはみ出すことが抑制される。
【0121】
また、放電用パッド領域DCRにおける貼合面における面積を小さくした電極の被覆率を、より小さくすることができる。これにより、放電用パッド領域DCRにおけるエロージョンによる段差の発生を抑制できる。したがって、メモリチップ100及びCMOSチップ200の貼合工程における貼合不良の発生を低減できる。
【0122】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係るメモリデバイス3について説明する。第3実施形態に係るメモリデバイス3では、放電用パッド領域DCRに設けられる貼合パッドの少なくとも一方が四角環状でない点において、第1実施形態に係るメモリデバイス3と異なる。以下の説明では、第1実施形態と同等の構成については説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0123】
3.1 貼合パッドの平面レイアウト
まず、第1例について説明する。第1例は、放電用パッド領域DCRにおける内側の貼合パッドが四角環状でない場合に対応する。
【0124】
図14は、第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における壁構造の一部及び貼合パッドの平面レイアウトの第1例を示す平面図である。図15は、第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの第1例を示す平面図である。図14及び図15はそれぞれ、第1実施形態における図9及び図5に対応する。
【0125】
図14に示すように、放電用パッド領域DCRには、貼合パッドBPd_2”及びBPd_3が配置される。そして、メモリチップ100には、貼合パッドBPd_2”に対応する壁構造W_2”、及び貼合パッドBPd_3に対応する壁構造W_3が更に設けられる。
【0126】
貼合パッドBPd_2”は、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲むように互いに離れて並ぶ複数の矩形状の導電体を含む。壁構造W_2”は、Z方向に見て、貼合パッドBPd_2”を囲むように互いに離れて並ぶ複数の矩形状の導電体を含む。
【0127】
壁構造W_3は、壁構造W_2”を囲む四角環状の形状を有する。貼合パッドBPd_3は、Z方向に見て、壁構造_3を囲む四角環状の形状を有する。
【0128】
貼合パッドBPd_2”と貼合パッドBPd_3との間の距離Pは、壁構造W_2”と壁構造W_3との間の距離P0よりも長い。
【0129】
図15に示すように、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2”及びBPd_3の被覆率は、例えば、単位領域UDCR1の面積に占める貼合パッドBPd_2”及びBPd_3の面積の割合として算出される。単位領域UDCR1は、例えば、貼合パッドBPd_2”の幅D2の中心線と、貼合パッドBPd_3の幅D3の中心線と、を対向する2辺として有する矩形領域である。単位領域UDCR1を形成する矩形領域の貼合パッドBPd_2”の幅D2の中心線に沿った辺の両端はそれぞれ、例えば、貼合パッドBPd_2”内の互いに隣り合う2個の電極の中心に位置する。放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2”及びBPd_3の被覆率は、例えば、3%以上40%以下となるように設計される。
【0130】
次に、第2例について説明する。第2例は、放電用パッド領域DCRにおける外側の貼合パッドが四角環状でない場合に対応する。
【0131】
図16は、第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における壁構造の一部及び貼合パッドの平面レイアウトの第2例を示す平面図である。図17は、第3実施形態に係るメモリデバイスの放電用パッド領域における貼合パッドの平面レイアウトの第2例を示す平面図である。図16及び図17はそれぞれ、第1実施形態における図9及び図5に対応する。
【0132】
図16に示すように、放電用パッド領域DCRには、貼合パッドBPd_2及びBPd_3”が配置される。そして、貼合パッドBPd_2に対応する壁構造W_2、及び貼合パッドBPd_3”に対応する壁構造W_3”が更に設けられる。
【0133】
貼合パッドBPd_2は、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲む四角環状の形状を有する。壁構造W_2は、Z方向に見て、貼合パッドBPd_2を囲む四角環状の形状を有する。
【0134】
壁構造W_3”は、壁構造W_2を囲むように互いに離れて並ぶ複数の矩形状の導電体を含む。貼合パッドBPd_3”は、Z方向に見て、壁構造W_3”を囲むように互いに離れて並ぶ複数の矩形状の導電体を含む。
【0135】
貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3”との間の距離Pは、壁構造W_2と壁構造W_3”との間の距離P0よりも長い。
【0136】
図17に示すように、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3”の被覆率は、例えば、単位領域UDCR2の面積に占める貼合パッドBPd_2及びBPd_3”の面積の割合として算出される。単位領域UDCR2は、例えば、貼合パッドBPd_2の幅D2の中心線と、貼合パッドBPd_3”の幅D3の中心線と、を対向する2辺として有する矩形領域である。単位領域UDCR2を形成する矩形領域の貼合パッドBPd_3”の幅D3の中心線に沿った辺の両端はそれぞれ、例えば、貼合パッドBPd_3”内の互いに隣り合う2個の電極の中心に位置する。放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPd_2及びBPd_3”の被覆率は、例えば、3%以上40%以下となるように設計される。
【0137】
3.2 第3実施形態に係る効果
第3実施形態の第1例によれば、貼合パッドBP_2”は、Z方向に見て、アクティブパッド領域AR及び内側ダミーパッド領域IDRを囲むように互いに離れて並ぶ複数の導電体を含む。第3実施形態の第2例によれば、貼合パッドBPd_3”は、Z方向に見て、壁構造W_3”を囲むように互いに離れて並ぶ複数の導電体を含む。これにより、貼合パッドBPd_2及びBPd_3のいずれも連続した1個の導電体として構成される場合よりも、放電用パッド領域DCRにおける貼合パッドBPdの被覆率をより小さくすることができる。これにより、放電用パッド領域DCRにおけるエロージョンによる段差の発生を抑制できる。したがって、メモリチップ100及びCMOSチップ200の貼合工程における貼合不良の発生を低減できる。
【0138】
4. 変形例等
4.1 第1変形例
上記第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態では、壁構造W_1~W_4よりもカーフ領域KR側に更なる壁構造が形成されない場合について説明したが、これに限られない。例えば、壁構造W_1~W_4よりもカーフ領域KR側に、更なる壁構造が形成されてもよい。
【0139】
図18は、第1変形例に係るメモリデバイスの貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図である。図18は、第1実施形態における図4に対応する。
【0140】
図18に示すように、外側ダミーパッド領域ODRには、貼合パッドBPoに加えて、貼合パッドBPcが更に配置されてもよい。貼合パッドBPcは、例えば、連続した1個の電極を含む。貼合パッドBPcに含まれる1個の電極は、貼合パッドBPd_3を囲む四角環状の形状を有する。なお、貼合パッドBPoの少なくとも一部は、貼合パッドBPd_3と貼合パッドBPcとの間に配置されてもよい。貼合パッドBPoの少なくとも一部は、貼合パッドBPd_3とカーフ領域KRとの間に配置されてもよい。
【0141】
図19は、第1変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。図19は、第1実施形態における図7に対応する。
【0142】
図19に示すように、外側ダミーパッド領域ODRには、メモリチップ100に設けられた壁構造W_5、及び壁構造W_5と半導体基板201とを接続する各種配線が設けられる。壁構造W_5は、導電体120_5を含む。
【0143】
導電体120_5は、Z方向に見て、導電体120_4を囲む四角環状の形状を有する。導電体120_5は、Z方向に延びる。導電体120_5のZ2方向の端部は、例えば、半導体層101_1よりもカーフ領域KR側の絶縁層115に接する。すなわち、導電体120_5は、Z方向に見て、表面保護層119によって覆われていない領域に位置する。導電体120_5は、対応する導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110cを介して、CMOSチップ200の電極211cと電気的に接続される。電極110c及び211cは、貼合パッドBPcに対応する。すなわち、電極110c及び211cの各々は、Z方向に見て、電極110d_3及び211d_3を囲む四角環状の形状を有する。電極211cは、対応する導電体210、配線層209、導電体208、配線層207、導電体206、配線層205、及び導電体204を介して、半導体基板201と電気的に接続される。
【0144】
導電体120_5と電極110cとの間を電気的に接続する導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109の各々は、例えば、Z方向に見て四角環状の形状を有する。半導体基板201と電極211cとの間を電気的に接続する導電体210、配線層209、導電体208、配線層207、導電体206、配線層205、及び導電体204の各々は、例えば、Z方向に見て四角環状の形状を有する。
【0145】
以上のような構成により、壁構造W_5、及び壁構造W_5と半導体基板201とを接続する各種配線は、ダイシング工程において、メモリデバイス3の端部にクラックや絶縁層の剥離等が発生した際、アクティブパッド領域ARにクラックあるいは剥離が到達するのを抑制する更なる壁構造(クラックストッパ)の一部として機能することができる。このため、メモリデバイス3の歩留まりを向上させることができる。
【0146】
4.2 第2変形例
また、上記第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態、並びに第1変形例では、Z方向に見て、壁構造W_2及びW_3がそれぞれ貼合パッドBPd_2及びBPd_3と重なり合わない場合について説明したが、これに限られない。例えば、壁構造W_2及びW_3はそれぞれ、貼合パッドBPd_2及びBPd_3と重なり合うように構成されてもよい。また、壁構造W_1及びW_4の少なくとも一方は、省略されてもよい。以下では、第1変形例と異なる構成について主に説明する。第1変形例と同等の構成については、説明を省略する。
【0147】
図20は、第2変形例に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。図20は、第1変形例における図19に対応する。
【0148】
図20に示すように、放電用パッド領域DCRには、メモリチップ100に設けられた壁構造W_1~W_3、及び壁構造W_1~W_3と半導体基板201とを接続する各種配線が設けられる。図19で示された壁構造W_4は、設けられない。
【0149】
壁構造W_2、貼合パッドBPd_2、並びに壁構造W_2と貼合パッドBPd_2とを接続する導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_2、及び導電体109は、Z方向に見て、互いに重なり合う。つまり、壁構造W_2、貼合パッドBPd_2、並びに壁構造W_2と貼合パッドBPd_2とを接続する導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_2、及び導電体109は、全体としてXY平面に沿って屈曲することなくZ方向に並ぶ。
【0150】
同様に、壁構造W_3、貼合パッドBPd_3、並びに壁構造W_3と貼合パッドBPd_3とを接続する導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_3、及び導電体109は、Z方向に見て、互いに重なり合う。つまり、壁構造W_3、貼合パッドBPd_3、並びに壁構造W_3と貼合パッドBPd_3とを接続する導電体105、配線層106、導電体107、配線層108_3、及び導電体109は、全体としてXY平面に沿って屈曲することなくZ方向に並ぶ。
【0151】
これにより、壁構造W_2と壁構造W_3との間の距離、及び貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3との間の距離は、距離P’で略等しくなる。
【0152】
第2変形例によれば、壁構造W_4が省略されることによって、壁構造W_1~W_3の形成に割り当てられる領域に関する制約が緩和される。これにより、壁構造W_2と貼合パッドBPd_2との間の構造、及び壁構造W_3と貼合パッドBPd_3との間の構造の各々を屈曲させなくても、被覆率についての要件を満たしつつ、貼合パッドBPd_2と貼合パッドBPd_3との間の距離P’を確保することが可能となる。
【0153】
また、第2変形例では、壁構造W_5が設けられる。これにより、壁構造W_5を省略された壁構造W_4の代用としても機能させることができる。このため、壁構造W_4の省略が壁構造W_2及びW_3の形成に与える影響を抑制することができる。
【0154】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0155】
1…メモリシステム
2…メモリコントローラ
3…メモリデバイス
10…メモリセルアレイ
11…コマンドレジスタ
12…アドレスレジスタ
13…シーケンサ
14…ドライバモジュール
15…ロウデコーダモジュール
16…センスアンプモジュール
100…メモリチップ
101…半導体層
102,111,112,113,114,115,117,118,121,212,213…絶縁層
103,106,108,116,205,207,209…配線層
104,105,107,109,120,204,206,208,210…導電体
110,211…電極
119…表面保護層
140…ブロック絶縁膜
141…電荷蓄積膜
142…トンネル絶縁膜
143…半導体膜
144…コア膜
145…キャップ膜
200…CMOSチップ
201…半導体基板
202…ゲート絶縁膜
203…ゲート電極
図1
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