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特開2023-141634印刷装置、制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141634
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】印刷装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/70 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048051
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100182936
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 晃男
【テーマコード(参考)】
2C058
【Fターム(参考)】
2C058AB12
2C058AC06
2C058AE04
2C058AF06
2C058AF31
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA24
2C058LA26
2C058LB06
2C058LC02
2C058LC07
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を損なうことなく被印刷媒体の排出を制御する。
【解決手段】印刷装置(1)は、情報処理装置(2)が送信した印刷データを受信する受信部(通信部124)と、受信部により受信した印刷データに基づいて被印刷媒体(3)への印刷を行った後、次の印刷データを受信して被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する制御部(120)と、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が送信した印刷データを受信する受信部と、
前記受信部により受信した印刷データに基づいて被印刷媒体への印刷を行った後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記印刷データを送信した前記情報処理装置が前記次の印刷データを送信することを示す情報を前記受信部により受信した場合に、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記印刷データに基づく前記被印刷媒体への印刷が終了してからの経過時間を、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記印刷データに基づく前記被印刷媒体への印刷が終了した時刻よりも後の時刻を、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間に設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記次の印刷データを送信することを示す前記情報を受信したときに設定した前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間と、前記次の印刷データを送信することを示す前記情報を受信する前に設定されている前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間のうちの、先に到来する時間に基づいて、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記印刷データを送信した前記情報処理装置が前記次の印刷データを送信することを示す情報を送信しなかった場合、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を、前記印刷データに基づく前記被印刷媒体への印刷を終了した直後に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記印刷データとともに送信された被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を示す情報を前記受信部により受信した場合に、受信した前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を示す前記情報に基づいて、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
印刷装置のコンピュータが、
情報処理装置が送信した印刷データを受信することと、
受信した印刷データに基づいて前記印刷装置の印刷部に被印刷媒体への印刷を行わせた後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記印刷装置のカット部に前記被印刷媒体のカットを実施させるまでの時間を制御することと、
を実行することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
情報処理装置が送信した印刷データを受信することと、
受信した印刷データに基づいて印刷装置の印刷部に被印刷媒体への印刷を行わせた後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記印刷装置のカット部に前記被印刷媒体のカットを実施させるまでの時間を制御することと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
テープ状の被印刷媒体に対して印刷を行う印刷装置には、印刷後に被印刷媒体をカットし、被印刷媒体における印刷(印字)が行われた領域を含む部分をラベルとして排出することが可能なものがある。この種の印刷装置には、ユーザがカット動作を行うタイミングを監視することなく、印刷装置内に残った印字済みのラベルやタグを自動的に排出する機能を備えたものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-238745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した印字済みのラベルやタグを自動的に排出する機能は、印刷装置の利用状況によっては、ユーザにとっての利便性に欠けることがある。例えば、印字済みのラベルやタグを印刷装置内に残した状態で被印刷媒体への印刷を続けて行わせることをユーザが望んでいる場合に、ユーザの要望に反して印字済みのラベルやタグが自動的に排出されてしまうことがある。
【0005】
本発明の一側面に係る目的は、ユーザの利便性を損なうことなく被印刷媒体の排出を制御することが可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る印刷装置は、情報処理装置が送信した印刷データを受信する受信部と、前記受信部により受信した印刷データに基づいて被印刷媒体への印刷を行った後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様によれば、ユーザの利便性を損なうことなく被印刷媒体の排出を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る印刷装置の一例を説明する図である。
図2】一実施形態に係る印刷装置における被印刷媒体に対する処理を行う機構の例を説明する図である。
図3】印刷装置を利用したラベル作成の第1の例を説明する図である。
図4】印刷装置を利用したラベル作成の第2の例を説明する図である。
図5】ラベル作成の第2の例でラベルを作成する手順の従来例を説明するシーケンス図である。
図6】一実施形態に係る印刷装置及び情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。
図7】一実施形態に係る情報処理装置が行う処理の一例を説明するフローチャートである。
図8】一実施形態に係る印刷装置が行う処理の一例を説明するフローチャートである。
図9】一実施形態に係る印刷処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、本発明に係る印刷装置の一例として、テープ状の被印刷媒体への印刷及び被印刷媒体のカットを行うことが可能な、ラベルプリンタ等の呼ばれる印刷装置を挙げる。また、例示する印刷装置は、サーマルヘッドにより、感熱材料層を有する被印刷媒体に熱を印加して印刷を行う感熱式のものとする。以下の説明では、例示する感熱式の印刷装置における周知のハードウェア構成、機能構成、及び動作等に関する詳細な説明を省略する。
【0010】
図1は、一実施形態に係る印刷装置の一例を説明する図である。図1に例示した印刷装置1は、スマートフォンやタブレット型コンピュータ等の情報処理装置2との無線通信が可能であり、情報処理装置2から印刷装置1に転送(送信)された印刷データに基づいて被印刷媒体3への印刷を行うことができる。
【0011】
印刷装置1は、被印刷媒体3が収容されたカートリッジを装着可能なカートリッジ装着部を有する装置筐体101と、装置筐体101のカートリッジ装着部を覆うように装置筐体101に対して着脱自在な蓋部102とを含む。装置筐体101に装着されるカートリッジには、テープ状の被印刷媒体3を巻き取ってロール状にしたテープロール4が収容されている。印刷装置1は、テープロール4からほどかれてカートリッジの外部に引き出された被印刷媒体3に印刷を行う。装置筐体101内には、カートリッジの外部に引き出された被印刷媒体3を搬送する搬送機構、被印刷媒体3への印刷を行う印刷機構、及び被印刷媒体3をカットするカット機構が、被印刷媒体3の搬送経路に沿って配設されている。搬送経路に沿って搬送される被印刷媒体3は、装置筐体101に設けられた排出口103から印刷装置1の外部に排出させることができる。
【0012】
図1に例示した印刷装置1の装置筐体101の外面には、複数の操作ボタン104と、複数の表示ランプ105とが配設されている。複数の操作ボタン104は、例えば、印刷装置1の電源をオン・オフするボタン、無線通信の種類(規格)を選択するボタン、被印刷媒体3を搬送するボタン、及び印刷装置1に蓄積された印刷データに基づく被印刷媒体への印刷をリピートするボタンを含む。複数の表示ランプ105は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の発光部品である。複数の表示ランプ105は、例えば、電源のオン・オフの状態を示す表示ランプ、及び無線通信の種類や通信状況を示す表示ランプを含む。
【0013】
印刷装置1は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy(登録商標))、及びWi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信規格に従って外部装置と無線通信を行うことができる。情報処理装置2は、印刷装置1に実装された近距離無線通信規格に従った無線通信が可能であり、かつ印刷装置1に転送する印刷データを作成するためのアプリケーションプログラムを実行可能な電子機器であればよい。情報処理装置2は、上述したスマートフォンやタブレット型コンピュータに限らず、他の形態の汎用コンピュータ又は専用コンピュータであってもよい。情報処理装置2の利用者は、被印刷媒体3に印刷させるオブジェクト(文字や図形等)のレイアウトを編集し、印刷イメージを作成することができる。例えば、情報処理装置2の利用者は、表示装置と入力装置とが一体化されたタッチパネルディスプレイ201を操作して印刷イメージを作成することができる。情報処理装置2は、作成された印刷イメージと印刷装置1に実行させる印刷処理等に関する各種設定とに基づいて印刷データを生成する。
【0014】
本実施形態に係る印刷装置1及び情報処理装置2は、図1に例示したような外観構成に限らず、他の外観構成であってもよい。印刷装置1は、被印刷媒体3に印刷させるオブジェクトの入力に利用可能なキーボード装置や、キーボード装置により入力された情報等を表示するドットマトリクス型のディスプレイ等が設けられているものであってもよい。情報処理装置2は、ノートブック型コンピュータやデスクトップ型コンピュータ等であってもよい。
【0015】
図2は、一実施形態に係る印刷装置における被印刷媒体に対する処理を行う機構の例を説明する図である。図2には、被印刷媒体3の搬送経路を直線状にし、搬送経路に沿って配設される上述した搬送機構、印刷機構、及びカット機構における主要な構成要素を模式的に示している。図2における上流及び下流は、搬送経路及び被印刷媒体3における被印刷媒体3の搬送方向に沿った相対的な位置関係を示す。
【0016】
テープロール4からほどかれてカートリッジから引き出された被印刷媒体3は、サーマルヘッド111とプラテンローラ112との間を通る搬送経路に沿って搬送される。サーマルヘッド111は、印刷機構の構成要素の1つであり、被印刷媒体3に熱を印加する発熱素子が被印刷媒体3の搬送方向と直交する方向に複数個並んでいる。プラテンローラ112は、搬送機構の構成要素の1つであり、側面(円周面)が被印刷媒体3における被印刷面(サーマルヘッド111と接する面)とは反対側の面に接するように配置されている。サーマルヘッド111とプラテンローラ112とは、少なくとも被印刷媒体3を搬送する間(被印刷媒体3への印刷を行っている間を含む)、被印刷媒体3を挟持する。以下の説明では、搬送経路における、サーマルヘッド111とプラテンローラ112とにより被印刷媒体3を挟持する位置を「印刷位置」という。
【0017】
本実施形態に係る印刷装置1におけるプラテンローラ112は、被印刷媒体3を下流側に移動させる回転方向への回転(正転)と、被印刷媒体3を上流側に移動させる回転方向への回転(逆転)とを行うことができる。すなわち、本実施形態に係る印刷装置1では、被印刷媒体3を搬送経路下流に向けて搬送する順方向搬送と、被印刷媒体3を搬送経路上流に向けて搬送する逆方向搬送とを行うことができる。
【0018】
印刷経路における印刷位置の下流側には、被印刷媒体3をフルカットするフルカッター113と、被印刷媒体3をハーフカットするハーフカッター114とが配設されている。フルカッター113は、例えば、被印刷媒体3への印刷が終了した後、被印刷媒体3の全体をカットして印刷が行われた領域を含む部分(ラベル)と、次回以降の印刷に利用可能な部分とに分離するカッターである。ハーフカッター114は、被印刷媒体3を部分的にカットするカッターである。例えば、被印刷媒体3が感熱材料層を含む基材層と、粘着層と、セパレータ(剥離紙)とを積層した多層構造である場合、ハーフカッター114は、基材層及び粘着層のみをカットする。ハーフカッター114は、例えば、カットラインに沿ってカットされた区間とカットされていない区間とが存在するように(例えば、ミシン目のように)被印刷媒体3をカットするカッターであってもよい。以下の説明では、搬送経路における、フルカッター113により被印刷媒体3をカットする位置を「フルカット位置」といい、ハーフカッター114により被印刷媒体3をカットする位置を「ハーフカット位置」という。
【0019】
本実施形態の印刷装置1は、上述したように、被印刷媒体3を搬送経路上流側に向けて搬送することができる。この種の印刷装置1では、例えば、印刷位置の下流側であって印刷位置に近接する「頭出し位置(図2参照)」に被印刷媒体3の先端(最も下流側の端部)が位置するように被印刷媒体3を搬送してから、印刷を開始することができる。また、この種の印刷装置1では、例えば、被印刷媒体3における先端から所定の距離だけ上流側の位置にハーフカットを施した後、被印刷媒体3のハーフカットされた位置が印刷位置又は頭出し位置に位置するように被印刷媒体3を搬送してから、印刷を開始することができる。更に、この種の印刷装置1では、被印刷媒体3への印刷が終了した後、被印刷媒体3における印刷が行われた領域よりも上流側の所定の位置をフルカットし、印刷が行われた領域を含む被印刷媒体3の切断片(ラベル)を排出口103から排出することができる。
【0020】
図3は、印刷装置を利用したラベル作成の第1の従来例を説明する図である。図3には、図6図9を参照して後述するフルカット実施時間を設定せずに複数のラベルを続けて作成する従来の作成手順の第1の例を示している。続けて作成する複数のラベルの例として、図3には、「あいうえお」という文字列が印刷されたラベルと、「かきくけこ」という文字列が印刷されたラベルとの2枚のラベルを例示している。ラベルの作成に用いる被印刷媒体3は、感熱材料層を含む基材層、粘着層、及びセパレータが積層されたものとする。
【0021】
図3に示した作成手順の第1の従来例では、まず、「あいうえお」という文字列を被印刷媒体3に印刷させるための第1の印刷データを情報処理装置2から印刷装置に送信する。第1の印刷データを受信した印刷装置は、「あいうえお」という文字列が印刷された領域306を含む第1のラベル300を作成する。第1のラベル300は、作成開始時に被印刷媒体3の先端であった始端301から距離L0だけ上流側に位置するライン302にハーフカットが施されており、領域306はライン302から終端303までの区間305内に含まれる。すなわち、第1のラベル300における始端301からライン302までの区間304とライン302から終端303までの区間305とのうち、ラベルとして使用されるのは、区間305の部分のみである。第1のラベル300における始端301からライン302までの区間304は、耳部等と呼ばれる区間であり、例えば、第1のラベル300における区間305の基材層及び粘着層をセパレータから剥がしやすくするために設けられる。
【0022】
第1のラベル300を作成した後、「かきくけこ」という文字列を被印刷媒体3に印刷させるための第2の印刷データを情報処理装置2から印刷装置に送信すると、印刷装置は、「かきくけこ」という文字列が印刷された領域316を含む第2のラベル310を作成する。このとき、印刷装置は、第1のラベル300を作成したときに行ったフルカットにより生じた被印刷媒体3の新たな先端311が第2のラベル310の始端311になるように、第1のラベル300の作成時と同様の手順で第2のラベル310を作成する。このため、第2のラベル310は、作成開始時に被印刷媒体3の先端であった始端311から距離L0だけ上流側に位置するライン312にハーフカットが施されており、領域316はライン312から終端313までの区間315内に含まれる。すなわち、第2のラベル310における始端311からライン312までの区間314(耳部)とライン312から終端313までの区間315とのうち、ラベルとして使用されるのは、区間315の部分のみである。
【0023】
このように、作成手順の第1の従来例では、受信した印刷データに基づいて被印刷媒体3に印刷する処理が終了する毎に、自動的に被印刷媒体3をフルカットしてラベルを作成することができる。しかしながら、このような作成手順では、図3に例示したように、第1の印刷データに基づいて作成した第1のラベル300、及び第2の印刷データに基づいて作成した第2のラベル310の両方に、耳部(区間304及び区間314)が設けられる。すなわち、第1の従来例に従って第1のラベル300及び第2のラベル310を作成したときに消費される被印刷媒体3の長さLE1は、下記式1で表される。
LE1=L0×2+L1+L2 (式1)
式1において、L1は第1のラベル300のラベルとして使用される区間305の長さであり、L2は第2のラベル310のラベルとして使用される区間315の長さである。
【0024】
各ラベル300、310の耳部(区間304及び区間314)は、印刷データに基づく印刷が行われない部分であり、ラベルとして使用されない。このため、作成手順の第1の従来例に従ってラベルを作成する場合、ラベルとして使用されない被印刷媒体3の量が多くなってしまう。
【0025】
図4は、印刷装置を利用したラベル作成の第2の従来例を説明する図である。図4には、図6図9を参照して後述するフルカット実施時間を設定せずに複数のラベルを続けて作成する従来の作成手順の第2の例を示している。続けて作成する複数のラベルの例として、図4には、「あいうえお」という文字列が印刷された第1のラベルと、「かきくけこ」という文字列が印刷された第2のラベルとの2枚のラベルを例示している。ラベルの作成に用いる被印刷媒体3は、感熱材料層を含む基材層、粘着層、及びセパレータが積層されたものとする。
【0026】
図4に示した作成手順の第2の従来例では、まず、「あいうえお」という文字列を被印刷媒体3に印刷させるための第1の印刷データを情報処理装置2から印刷装置に送信する。第1の印刷データを受信した印刷装置は、被印刷媒体3の先端301から距離L0だけ上流側に位置するライン302をハーフカットした後、ライン302よりもさらに上流側の部分に「あいうえお」という文字列を印刷し、被印刷媒体3をフルカットせずに第1の印刷データに基づく処理を終了する。
【0027】
第1の印刷データに基づく処理が終了した後、「かきくけこ」という文字列を被印刷媒体3に印刷させるための第2の印刷データを情報処理装置2から印刷装置に送信すると、印刷装置は、被印刷媒体3における「あいうえお」という文字列が印刷された領域306よりも上流側に位置するライン307をハーフカットする。その後、印刷装置は、図4に例示したように、被印刷媒体3のライン307が印刷位置に位置するように被印刷媒体3を搬送し、「かきくけこ」という文字列を被印刷媒体3に印刷する。このときも、印刷装置は、被印刷媒体3をフルカットせずに第2の印刷データに基づく処理を終了する。
【0028】
第2の印刷データに基づく処理が終了した後、例えば、フルカットの実行(実施)を指示するコマンドが情報処理装置2から印刷装置に送信されると、印刷装置は、被印刷媒体3における「かきくけこ」という文字列が印刷された領域316よりも上流側のラインをフルカットする。これにより、図4に例示したように、「あいうえお」という文字列が印刷された領域306と「かきくけこ」という文字列が印刷された領域316とを含む、1枚のラベル320が作成される。
【0029】
第2の従来例により作成されるラベル320は、ライン302及びライン307にハーフカットが施されている。すなわち、ラベル320における基材層及び粘着層の組は、始端301からライン302までの区間304(耳部)、ライン302からライン307までの区間305、及びライン307から終端313までの区間315の3個の区間に分離されている。「あいうえお」という文字列が印刷された領域306は区間305内にあり、「かきくけこ」という文字列が印刷された領域316は区間315内にある。すなわち、第2の従来例により作成された1枚のラベル320は、区間305を第1のラベルとして使用し、区間315を第2のラベルとして使用することができる。更に、ラベル320における耳部は区間304のみである。従って、第2の従来例に従って第1のラベル及び第2のラベルとして利用可能な部分を含む1枚のラベル320を作成したときに消費される被印刷媒体3の長さLE2は、下記式2で表される。
LE1=L0+L1+L2 (式2)
【0030】
このように、作成手順の第2の従来例では、受信した印刷データに基づく被印刷媒体への印刷が終了した後で、印刷装置にフルカットの実施を指示することにより、ラベルとして使用されない被印刷媒体3の量を減らすことができる。
【0031】
しかしながら、作成手順の第2の従来例でラベルを作成する場合、ユーザの利便性が低下するおそれがある。
【0032】
図5は、ラベル作成の第2の従来例でラベルを作成する手順の一例を説明するシーケンス図である。
【0033】
図4を参照して上述したラベルの作成手順の第2の従来例では、例えば、図5に示すように、まず、情報処理装置2においてユーザからの入力に応じた印刷イメージの編集が行われる(ステップS21)。その後、印刷実行のための操作が行われると、情報処理装置2は、印刷イメージに基づく印刷データを生成し(ステップS22)、印刷装置との無線接続処理(ステップS23)を行う。ステップS23において、情報処理装置2は、まず、印刷装置に対して無線接続のリクエストを送信する。リクエストを受信した印刷装置は、そのリクエストを送信した情報処理装置2との無線接続処理(ステップS11)を行う。ステップS23及びステップS11の無線接続処理には、例えば、UDP(User Datagram Protocol)が使用される。
【0034】
ステップS23及びステップS11の無線接続処理により情報処理装置2から印刷装置に印刷データを送信可能な状態になると、情報処理装置2は、印刷装置に第1の印刷データを送信し(ステップS24)、印刷装置からの印刷終了通知の受信を待つ。第1の印刷データを受信した印刷装置は、第1の印刷データに基づく印刷処理(ステップS12)を行い、印刷終了通知を情報処理装置2に送信する(ステップS13)。
【0035】
印刷装置からの印刷終了通知を受信した後、印刷装置への次の印刷データの送信を希望するユーザは、情報処理装置2を操作して、情報処理装置2から印刷装置に第2の印刷データを送信することができる(ステップS25)。第2の印刷データを生成する処理は、印刷終了通知を受信する前に行われてもよいし、印刷終了通知を受信した後で行われてもよい。情報処理装置2は、第2の印刷データを送信した後、印刷装置からの印刷終了通知の受信を待つ。第2の印刷データを受信した印刷装置は、第2の印刷データに基づく印刷処理(ステップS14)を行い、印刷終了通知を情報処理装置2に送信する(ステップS15)。
【0036】
印刷装置からの印刷終了通知を受信した後、ラベルの作成の終了を希望するユーザは、例えば、情報処理装置2を操作して、情報処理装置2から印刷装置にフルカット指示を送信することができる(ステップS26)。情報処理装置2は、フルカット指示を送信した後、印刷装置からのフルカット終了通知の受信を待つ。フルカット指示を受信した印刷装置は、フルカット処理(ステップS16)を行い、フルカット終了通知を情報処理装置2に送信する(ステップS17)。
【0037】
印刷装置からのフルカット終了通知を受信した後、ラベルの作成の終了を希望するユーザは、例えば、情報処理装置2を操作して、情報処理装置2と印刷装置との無線接続を解除する処理(ステップS27)を行うことができる。情報処理装置2の無線接続解除処理に応答して印刷装置が情報処理装置との無線接続を解除する処理(ステップS18)を行うと、情報処理装置2と印刷装置との無線接続が解除される。情報処理装置2と印刷装置との無線接続が解除されると、印刷装置は、別の情報処理装置2と無線接続、又は同一の情報処理装置2と再度無線接続し、新たな印刷データに基づく被印刷媒体3への印刷を行うことができる。
【0038】
このように、ラベル作成手順の第2の従来例では、情報処理装置2から印刷装置にフルカット指示に送信することにより、印刷装置が被印刷媒体3をフルカットし、図4に例示したようなラベル320が排出される。このため、例えば、情報処理装置2のユーザがフルカット指示を送信するための操作を行うまで、印刷装置は無線接続中の情報処理装置2から次の印刷データが送信されるのを待ち続けることになる。
【0039】
また、情報処理装置2との無線接続が可能な印刷装置は、一般に、複数の情報処理装置2と同時に無線接続することができない。このため、ある情報処理装置2と無線接続された印刷装置は、その情報処理装置2からのフルカット指示に応じてフルカットを行い、その情報処理装置2との無線接続を解除するまで、他の情報処理装置2からの印刷データを受信することができない。1個の印刷装置を1人のユーザのみが使用する場合には、印刷装置がこのような動作するものであっても、そのユーザの所望のタイミングでフルカットを行わせることができる。しかしながら、例えば、1個の印刷装置を複数のユーザが利用可能な場合には、他のユーザが利用することを考慮して印刷装置にフルカットを行わせることになるため、ユーザの利便性が低下するおそれがある。
【0040】
図6は、一実施形態に係る印刷装置及び情報処理装置の構成例を説明するブロック図である。図6に例示した印刷装置1及び情報処理装置2の各ブロックは、機能的な構成を例示するものであり、各ブロックの機能は、例えば、印刷装置1及び情報処理装置2が備えるハードウェア、及びハードウェアが実行するソフトウェアによって実施される。
【0041】
印刷装置1は、制御部120、記憶部121、入力部122、表示部123、通信部124、検知部125、搬送部126、印刷部127、及びカット部128を含む。
【0042】
検知部125は、印刷装置1にカートリッジが装着されているか否かの検知、装着されたカートリッジから供給される被印刷媒体3の種類(例えば、被印刷媒体3の幅、被印刷面の色等)の検知を行う。搬送部126は、上述した搬送機構と対応し、プラテンローラ112と、プラテンローラ112に連結されたモータと、モータを駆動させる駆動回路とを含む。印刷部127は、上述した印刷機構と対応し、サーマルヘッド111と、サーマルヘッド111の発熱素子に電流を印加する駆動回路とを含む。カット部128は、上述したカット機構と対応し、フルカッター113及びハーフカッター114と、フルカッター113及びハーフカッター114を動作させるモータと、モータを駆動させる駆動回路とを含む。
【0043】
制御部120は、印刷装置1の各種動作を制御する。制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部121に格納されたプログラムを実行することにより、印刷装置1の動作を制御する。制御部120としてのプロセッサは、図8及び図9を参照して後述する、印刷データに基づいて被印刷媒体への印刷を行う処理と、フルカット実施時間に基づいてフルカットを実施するタイミングを制御する処理と含むプログラムを実行することができる。
【0044】
制御部120は、判定部120a及び駆動制御部120bを含む。判定部120aは、設定されたフルカット実施時間に基づいてフルカットを実施するか否かを判定する。駆動制御部120bは、搬送部126、印刷部127、及びカット部128の動作に関する各種制御を行う。駆動制御部120bは、例えば、搬送部126のプラテンローラ112に連結されたモータの回転方向、回転速度、及び回転数(回転角度)を制御するための制御信号を生成し、モータを回転(駆動)させる駆動回路に出力する。駆動制御部120bは、例えば、印刷部127のサーマルヘッド111が備える発熱素子への電流の印加を制御するための制御信号を生成し、発熱素子に電流を印加する駆動回路に出力する。駆動制御部120bは、例えば、カット部128のフルカッター113及びハーフカッター114に連結されたモータの動作を制御するための制御信号を生成し、モータを回転させる駆動回路に出力する。
【0045】
記憶部121は、制御部120としてのプロセッサが実行するプログラム、プログラム実行中に参照するデータ及び生成されるデータ等の各種情報が格納される。記憶部121は、主記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部121は、主記憶装置としてのRAM及びROMの他に、例えば、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含んでもよい。記憶部121は、主記憶装置としてのRAM及びROM等の印刷装置1に内蔵された記憶装置の他に、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリや、カード型メモリ等の可搬型記録媒体を含んでもよい。
【0046】
入力部122は、印刷装置1の動作に関する各種入力を受け付ける。入力部122は、図1を参照して上述した複数の操作ボタン104を含む。入力部122は、文字や図形等のオブジェクトの入力が可能なキーボード等の入力装置を含んでもよい。表示部123は、印刷装置1の動作に関する各種情報や、入力部122により入力された各種情報等を表示する。表示部123は、図1を参照して上述した複数の表示ランプ105を含む。表示部123は、文字や図形等の情報を表示することが可能なドットマトリクス型の表示装置(例えば、液晶表示装置等)を含んでもよい。また、印刷装置1は、表示部123としての液晶表示装置の表示面に、入力部122としての位置検出器(デジタイザ)を重ねて配置したタッチパネルディスプレイを備えるものであってもよい。
【0047】
通信部124は、既知の近距離無線通信規格に従って、情報処理装置2等の外部装置と無線通信を行う。通信部124は、例えば、BLEやWi-Fi等の無線通信規格に従った無線通信を行うことができる。通信部124は、無線通信に加え、例えば、USBケーブル等の伝送ケーブルを介して情報処理装置2等の外部装置と通信することが可能なものであってもよい。通信部124は、情報処理装置2から送信された印刷データを受信する受信部の一例である。通信部124(受信部)は、印刷データとともに、続けて印刷するか否かを示す情報(情報処理装置2が次の印刷データを送信するか否かを示す情報)を受信することができる。
【0048】
なお、本実施形態の印刷装置1は、図6に複数のブロックで例示されている複数の機能が単一のハードウェアにより実施されてもよい。例えば、印刷装置1は、制御部120として機能するプロセッサと、記憶部121としてのRAM及びROMの一部又は全部とを含む、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の単一の集積回路装置を備えるものであってもよい。
【0049】
情報処理装置2は、制御部220、記憶部221、入力部222、表示部223、及び通信部224を含む。
【0050】
制御部220は、情報処理装置2の各種動作を制御する。制御部220は、例えば、CPU等のプロセッサであり、記憶部221に格納されたプログラムを実行することにより、情報処理装置2の動作を制御する。制御部220としてのプロセッサは、図7を参照して後述する、印刷イメージを編集する処理と、印刷データを生成する処理と、続けて印刷を行うか否かを選択(指定)する処理とを含むプログラムを実行することができる。
【0051】
制御部220は、編集部220a及び印刷データ生成部220bを含む。編集部220aは、ユーザの入力操作に応答して被印刷媒体3に印刷させる文字や図形等のオブジェクトのレイアウトデータ(印刷イメージ)を作成する。編集部220aは、例えば、表示部223に表示させる編集画面内に印刷イメージを表示させる。印刷データ生成部220bは、編集部220aにより作成した印刷イメージを印刷装置1における被印刷媒体3への印刷に対応した形式のデータに変換した印刷データを生成する。印刷データ生成部220bが生成する印刷データは、例えば、印刷データに基づく印刷イメージの印刷を行う回数、図3及び図4を参照して上述した耳部(区間304及び区間314)の有無の設定、続けて印刷を行うか否かを示す情報等を含んでもよい。
【0052】
記憶部221は、制御部220としてのプロセッサが実行するプログラム、プログラム実行中に参照するデータ及び生成されるデータ等の各種情報が格納される。記憶部221は、主記憶装置としてのRAM及びROMを含む。記憶部221は、主記憶装置としてのRAM及びROMの他に、例えば、SSDやHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置を含んでもよい。記憶部221は、主記憶装置としてのRAM及びROM等の情報処理装置2に内蔵された記憶装置の他に、例えば、USBメモリや、カード型メモリ等の可搬型記録媒体を含んでもよい。
【0053】
入力部222は、情報処理装置2の動作に関する各種入力を受け付ける。入力部222は、図1を参照して上述したタッチパネルディスプレイ201の位置検出器(デジタイザ)を含む。入力部222は、文字や図形等のオブジェクトの入力及び入力したオブジェクトの位置の変更等に利用可能な、キーボード、マウス等の入力装置を含んでもよい。表示部223は、情報処理装置2の動作に関する各種情報や、入力部222により入力された各種情報等を表示する。表示部223は、図1を参照して上述したタッチパネルディスプレイ201の表示装置であり得る。表示部223は、タッチパネルディスプレイ201とは別の(入力とは別体の)ドットマトリクス型の表示装置(例えば、液晶表示装置等)を含んでもよい。
【0054】
通信部224は、既知の近距離無線通信規格に従って、印刷装置1等の外部装置と無線通信を行う。通信部224は、例えば、BLEやWi-Fi等の無線通信規格に従った無線通信を行うことができる。通信部224は、近距離無線通信に加え、例えば、USBケーブル等の伝送ケーブルを介して印刷装置1等の外部装置と通信することが可能なものであってもよい。
【0055】
なお、本実施形態の情報処理装置2は、図6に複数のブロックで例示されている複数の機能が単一のハードウェアにより実施されてもよい。例えば、情報処理装置2は、制御部220として機能するプロセッサと、記憶部221としてのRAM及びROMの一部又は全部とを含む、FPGA、ASIC等の単一の集積回路装置を備えるものであってもよい。また、本実施形態の情報処理装置2は、図6に単一のブロックで例示されている機能が複数のハードウェアにより実施されてもよい。例えば、制御部220の機能は、CPUとDSP(Digital Signal Processor)とにより実施されてもよい。更に、本実施形態の情報処理装置2は、図6を参照して上述した機能に加え、別の機能を実施可能なものであってもよい。例えば、情報処理装置2は、上述したスマートフォンのように、電話網を介した通話が可能なものであってもよい。
【0056】
図7は、一実施形態に係る情報処理装置が行う処理の一例を説明するフローチャートである。情報処理装置2のユーザが印刷装置1を利用したラベルの作成のためのアプリケーションを実行(起動)する操作を行うと、情報処理装置2は、図7に例示した処理を開始する。
【0057】
情報処理装置2は、まず、ユーザからの入力に応じた印刷イメージの編集を行う(ステップS201)。ステップS201において、情報処理装置2は、オブジェクトの入力、位置の変更等の操作を受け付けるとともに、印刷に関する各種設定に対する操作を受け付ける。印刷に関する各種設定に対する操作は、例えば、印刷枚数、続けて印刷をするか否かを選択(指定)する操作等を含む。続けて印刷をするか否かの選択は、印刷データを送信した後で、別の印刷データを送信するか否かの選択である。その後、印刷実行のための操作が行われると、情報処理装置2は、印刷イメージに基づく印刷データを生成し(ステップS202)、印刷装置1との無線接続処理(ステップS203)を行う。
【0058】
印刷装置1と無線接続されて印刷データを送信可能な状態になると、情報処理装置2は、続けて印刷をすることが選択されているか否かを判定する(ステップS204)。続けて印刷をしない場合(ステップS204;NO)、情報処理装置2は、印刷データのみを印刷装置1に送信し(ステップS205)、印刷装置1からの印刷終了通知の受信を待つ(ステップS207)。続けて印刷をする場合(ステップS204;YES)、情報処理装置2は、印刷データと、続けて印刷をすることを示す情報とを送信し(ステップS206)、印刷装置1からの印刷終了通知の受信を待つ(ステップS207)。なお、ステップS205及びS206で印刷装置1に送信する情報は、これに限定されない。例えば、ステップS205は続けて印刷しないことを示す情報を含む印刷データを印刷装置1に送信する処理であり、ステップS206は続けて印刷することを示す情報を含む印刷データを印刷装置1に送信する処理であってもよい。
【0059】
ステップS205又はS206の後、情報処理装置2は、印刷装置1からの印刷終了通知を受信するまで、ステップS207の判定を繰り返す。印刷終了通知を受信すると(ステップS207;YES)、情報処理装置2は、続けて印刷をすることが設定されているか否かを判定する(ステップS208)。ステップS208の判定結果は、直近に行ったステップS204の判定結果と一致する。続けて印刷をする場合(ステップS208;YES)、情報処理装置2が行う処理は、例えば、ステップS201に戻る(この場合、ステップS203の無線接続処理は省略されてもよい)。ステップS208の判定を行う時点で次に送信する印刷データの生成が完了している場合、情報処理装置2が行う処理は、例えば、ステップS204に戻ってもよい。
【0060】
続けて印刷をしない場合(ステップS208;NO)、情報処理装置2は、印刷装置1との無線接続を解除する処理(ステップS209)を行い、図7に例示した処理を終了する。なお、情報処理装置2が行う処理は、ステップS204の判定が省略され、印刷データを送信する際に、常に、続けて印刷するか否かを示す情報を印刷データとともに(又は印刷データに含めて)印刷装置1に送信する処理であってもよい。
【0061】
このように、本実施形態に係る情報処理装置2は、印刷データを印刷装置1に送信(転送)する際に、続けて印刷をするか否かを示す情報も送信する。そして、本実施形態に係る印刷装置1は、印刷データとともに受信した、続けて印刷をするか否かを示す情報に基づいて印刷終了後のフルカットを実施するまでの時間を設定し、設定した時間に基づいてフルカットを実施する。
【0062】
図8は、一実施形態に係る印刷装置が行う処理の一例を説明するフローチャートである。図9は、一実施形態に係る印刷処理の一例を説明するフローチャートである。印刷装置1は、電源をオンにすると、所定のセルフチェックを実行する。セルフチェックでは、例えば、搬送機構、印刷機構、及びカット機構、並びに無線通信機能のエラーの有無のチェック、印刷装置1にカートリッジが装着されており被印刷媒体3が搬送経路上にあるか否かのチェック等が行われる。セルフチェックでエラーが検出されず、被印刷媒体3が搬送経路上にあることが確認されると、印刷装置1は、待機状態に移行して、図8に例示したメイン処理を開始する。
【0063】
メイン処理を開始すると、印刷装置1は、待機状態のまま、情報処理装置2からの無線接続要求を受信したか否かの判定を行う(ステップS101)。無線接続要求を受信するまで(ステップS101;NO)、印刷装置1は、フルカット実施時間の設定に基づくフルカットの実施に関する処理(ステップS107~S111)を行いながら、ステップS101の判定を続ける。ステップS107~S111の処理については後述する。無線接続要求を受信すると(ステップS101;YES)、印刷装置1は、情報処理装置2との無線接続処理(ステップS102)を行い、その後、情報処理装置2からの印刷データを受信したか否かの判定を行う(ステップS103)。情報処理装置2からの印刷データを受信するまで(ステップS103;NO)、印刷装置1は、フルカット実施時間の設定に基づくフルカットの実施に関する処理(ステップS107~S111)を行いながら、ステップS103の判定を続ける。
【0064】
情報処理装置2からの印刷データを受信すると(ステップS103;YES)、印刷装置1は、受信した印刷データに基づいて被印刷媒体3への印刷を行う印刷処理(ステップS104)を実施する。ステップS104の印刷処理として、本実施形態の印刷装置1は、例えば、図9に例示したフローチャートに沿った処理を行う。
【0065】
印刷処理において、印刷装置1は、まず、印刷データとともに続けて印刷することを示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS121)。印刷装置1は、例えば、続けて印刷することを示す情報を受信した場合、印刷データに続けて印刷することを示す情報が含まれる場合、又は続けて印刷しないことを示す情報を受信していない場合等、続けて印刷しないことを明確に示す情報を受信していない場合に、続けて印刷する情報を受信した(ステップS121;YES)と判定する。
【0066】
続けて印刷することを示す情報を受信した場合(ステップS121;YES)、印刷装置1は、現在行っている印刷処理が終了した後に実施するフルカットの実施時間を仮設定する(ステップS122)。フルカットの実施時間は、受信した印刷データに基づく印刷が行われた被印刷媒体3の部分をラベルとして排出するためのフルカットを実施するまでの時間である。例えば、印刷データとともにフルカットの実施時間を示す情報を受信した場合、印刷装置1は、受信した情報に基づいてフルカットの実施時間を仮設定する。フルカットの実施時間を示す情報は、例えば、被印刷媒体3への印刷が終了した時刻からの経過時間であってもよいし、フルカットを実施する時刻又は日時であってもよい。フルカットの実施時間を示す情報を受信していない場合、印刷装置1は、例えば、印刷装置1においてあらかじめ設定されている、被印刷媒体3への印刷が終了した時刻からの経過時間、フルカットを実施する時刻又は日時等に基づいて、フルカットの実施時間を仮設定する。
【0067】
ステップS122の処理の後、印刷装置1は、図3及び図4を参照して説明した耳部(例えば、第1のラベル300の区間304)を設けるためのハーフカットを実施し(ステップS123)、その後、受信した印刷データに基づく被印刷媒体3への印刷を行う(ステップS124)。また、続けて印刷することを示す情報を受信していない場合(ステップS121;NO)、印刷装置1は、ステップS122の処理を省略して、ステップS123及びS124の処理を行う。
【0068】
ステップS124の後、印刷装置1は、再度、続けて印刷することを示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS125)。ステップS125の判定結果は、現在行っている印刷処理におけるステップS121の判定結果と一致する。続けて印刷することを示す情報を受信していない場合(ステップS125;NO)、印刷装置1は、被印刷媒体3をフルカットし(ステップS126)、例えば、図3に例示した第1のラベル300のようなラベルを排出する。被印刷媒体3をフルカットした後、印刷装置1は、印刷完了通知を情報処理装置2に送信し(ステップS127)、図9に例示した印刷処理(すなわち、図8のステップS104)を終了する。
【0069】
これに対し、続けて印刷することを示す情報を受信した場合(ステップS125;YES)、印刷装置1は、印刷終了後のフルカットを実施せずに、フルカット実施時間を設定する処理(ステップS128~S131)を行う。
【0070】
続けて印刷することを示す情報を受信しなかった場合、印刷装置1は、次に、フルカット実施時間が設定されているか否かを判定する(ステップS128)。ステップS128において、印刷装置1は、現在行っているステップS122においてフルカット実施時間を仮設定したか否かではなく、フルカットを実施するまでの時間として正式に設定されているフルカット実施時間の有無を判定する。言い換えると、ステップS128において、印刷装置1は、現在行っている印刷処理よりも前に行われた印刷処理においてフルカット実施時間が設定されているか否かを判定する。
【0071】
フルカット実施時間が設定されていない場合(ステップS128;NO)、印刷装置1は、ステップS122で仮設定したフルカット実施時間(仮設定時間)を、正式なフルカット実施時間に設定する(ステップS129)。フルカット実施時間を設定すると、印刷装置1は、印刷完了通知を情報処理装置2に送信し(ステップS127)、図9に例示した印刷処理(図8のステップS104)を終了する。
【0072】
フルカット実施時間が設定されている場合(ステップS128;YES)、印刷装置1は、次に、設定されているフルカット実施時間(設定時間)が到来するまでの時間間隔が、ステップS122で仮設定したフルカット実施時間(仮設定時間)が到来するまでの時間間隔以下であるか否かを判定する(ステップS130)。言い換えると、ステップS130において、印刷装置1は、現在設定されているフルカット実施時間(設定時間)に基づいて実施されるフルカットと、ステップS122で仮設定したフルカット実施時間(仮設定時間)に基づいて実施されるフルカットとのどちらが先に実施されるかを判定する。
【0073】
設定時間が到来するまでの時間間隔が、仮設定時間が到来するまでの時間間隔以下である場合(ステップS130;YES)、印刷装置1は、フルカット実施時間の設定を、設定時間、すなわち現在設定されているフルカット実施時間のままにする(ステップS131)。仮設定時間が到来するまでの時間間隔が、設定時間が到来するまでの時間間隔よりも短い場合(ステップS130;NO)、印刷装置1は、ステップS122で仮設定したフルカット実施時間(仮設定時間)を、正式なフルカット実施時間に設定する(ステップS129)。すなわち、正式なフルカット実施時間が設定されている場合、印刷装置1は、その設定されている実施時間により特定される時刻と、ステップS122で仮設定したフルカット実施時間(仮設定時間)により特定される時刻とのうちの、先に到来する時刻と対応する実施時間を、新たなフルカット実施時間に設定する。ステップS129又はS131によりフルカット実施時間を設定すると、印刷装置1は、印刷完了通知を情報処理装置2に送信し(ステップS127)、図9に例示した印刷処理(図8のステップS104)を終了する。
【0074】
図8の印刷処理(ステップS104)を終了すると、印刷装置1は、印刷処理(ステップS104)において利用した印刷データとともに続けて印刷することを示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS105)。ステップS105の判定結果は、直近に行った印刷処理におけるステップS121及びS125(図9を参照)の判定結果と一致する。続けて印刷することを示す情報を受信した場合(ステップS105;YES)、印刷装置1が行う処理は、ステップS103に戻る。続けて印刷することを示す情報を受信していない場合(ステップS105;NO)、印刷装置1は、情報処理装置2との無線接続を解除する処理(ステップS106)を行った後、ステップS101に戻る。
【0075】
このように、情報処理装置2からの印刷データを受信した印刷装置1は、印刷データに基づいて被印刷媒体3への印刷を行うときに、続けて印刷をするか否かに応じて、被印刷媒体3への印刷が完了した後の処理を変更する。続けて印刷をしない場合には、図9を参照して上述したように、印刷が完了した後、被印刷媒体3をフルカットして印刷処理を終了する。続けて印刷をする場合には、図9を参照して上述したように、印刷が完了した後、フルカットを実施せず、フルカットを実施するまでの時間を設定して印刷処理を終了する。なお、続けて印刷をしない場合に実施されるフルカットは、フルカットを実施するまでの時間を印刷完了直後(例えば、1秒以下又は数秒程度の短時間)に設定したフルカットと見做すことができる。
【0076】
次に、情報処理装置2からの印刷データを受信していないときに印刷装置1が行うステップS107~S111の処理について説明する。情報処理装置2と無線接続をしていない場合(ステップS101;NO)、又は無線接続している情報処理装置2からの印刷データを受信していない場合(ステップS103;NO)、印刷装置1は、ステップS107~S111の処理を行う。
【0077】
ステップS107において、印刷装置1は、フルカット実施時間が設定されているか否かを確認する。印刷装置1は、例えば、図9を参照して例示した印刷処理のステップS129又はS131で設定されたフルカット実施時間を保持しているか否かを確認する。フルカット実施時間が設定されていない場合(ステップS107;NO)、印刷装置1は、フルカットを実施せずに、情報処理装置2と無線接続中であるか否かを判定する(ステップS111)。無線接続中である場合(ステップS111;YES)、印刷装置1が行う処理はステップS103に戻り、無線接続中ではない場合(ステップS111;NO)、印刷装置1が行う処理はステップS101の判定に戻る。
【0078】
フルカット実施時間が設定されている場合(ステップS107;YES)、印刷装置1は、フルカットの実施時間が到来しているか否かを判定する(ステップS108)。フルカット実施時間が印刷処理を終了してからの経過時間で示される場合、ステップS108において、印刷装置1は、例えば、印刷終了時に作動を開始させたタイマーが作動中(カウント中)である場合、到来していないと判定する。また、フルカット実施時間が時刻又は日時で示される場合、ステップS108において、印刷装置1は、例えば、印刷装置1に内蔵された時計又はカレンダーにより特定される現在の時刻又は日時がフルカット実施時間により示される時刻又は日時よりも前である場合に、到来していないと判定する。フルカットの実施時間が到来していない場合(ステップS108;NO)、印刷装置1は、フルカットを実施せずに、情報処理装置2と無線接続中であるか否かを判定する(ステップS111)。無線接続中である場合(ステップS111;YES)、印刷装置1が行う処理はステップS103に戻り、無線接続中ではない場合(ステップS111;NO)、印刷装置1が行う処理はステップS101の判定に戻る。
【0079】
フルカットの実施時間が到来している(又は実施時間を過ぎている)場合(ステップS108;YES)、印刷装置1は、被印刷媒体3をフルカットする処理を実施し(ステップS109)、フルカット実施時間の設定を解除する(ステップS110)。ステップS109において、印刷装置1は、例えば、搬送経路における印刷位置からフルカット位置までの距離と対応する搬送量だけ被印刷媒体3を順方向搬送してから、被印刷媒体3をフルカットする。これにより、例えば、印刷が終了した時点で搬送を停止させた被印刷媒体3におけるオブジェクトが印刷された領域(例えば、図3及び図4に例示した領域306、316)よりも上流側の位置で被印刷媒体3をフルカットすることができる。ステップS109及びS110の後、印刷装置1は、情報処理装置2と無線接続中であるか否かを判定する(ステップS111)。無線接続中である場合(ステップS111;YES)、印刷装置1が行う処理はステップS103に戻り、無線接続中ではない場合(ステップS111;NO)、印刷装置1が行う処理はステップS101の判定に戻る。
【0080】
このように、本実施形態の印刷装置1は、受信した印刷データに基づいて被印刷媒体3への印刷を行った後、次の印刷データを受信して被印刷媒体3への印刷を行うことが可能な状態で、被印刷媒体3のフルカットを実施するまでの時間を制御する。例えば、被印刷媒体3への印刷を続けて行うことを示す情報を印刷データとともに受信した場合には、その印刷データに基づいた被印刷媒体3への印刷が終了した後、被印刷媒体3のフルカットを実施するまでの時間を設定して、次の印刷データの受信を待つ。すなわち、本実施形態の印刷装置1は、例えば、図5を参照して上述したようなフルカット指示を情報処理装置2から受信することなく、設定された時間が到来したときに被印刷媒体3を自動的にフルカットすることができる。また、印刷装置1は、被印刷媒体3への印刷を続けて行うことを示す情報を受信しなかった場合には、印刷データに基づいた被印刷媒体3が終了したタイミング被印刷媒体3を自動的にフルカットする。また、印刷装置1においてフルカット実施時間を設定し、フルカットを実施するまでの時間を制御することにより、情報処理装置2と印刷装置1との無線接続が解除された後でも、フルカットを実施することができる。このため、本実施形態の印刷装置1では、ユーザの所望の時間にフルカットを実施させることができ、利便性が向上する。特に、1個の印刷装置1を複数のユーザで共有している場合、その印刷装置1は、ある情報処理装置2から受信した印刷データに基づく印刷を行った後、その情報処理装置2との無線接続を解除して、他の情報処理装置2からの印刷データを受信することが可能になる。そのため、本実施形態の印刷装置1は、例えば、1人のユーザの情報処理装置2が無線接続中であることによる他のユーザの印刷待ちの頻度や待ち時間を低減し、ユーザの利便性が向上する。
【0081】
また、本実施形態の印刷装置1では、印刷処理においてフルカット実施時間を設定する際に、すでに設定されている実施時間(設定時間)と、仮設定した実施時間(仮設定時間)とのうちの先に到来する時間をフルカット実施時間にする。このため、続けて印刷することを示す情報を受信する毎にフルカット実施時間が延長されてフルカットの実施が遅延することによる、ユーザの利便性の低下を防ぐことができる。更に、フルカットを実施する時間を被印刷媒体3への印刷が終了してからの経過時間や、具体的な時刻又は日時にすることで、フルカットが実施されるタイミングをユーザが把握しやすく、作成されたラベルを印刷装置1の前に長時間放置してしまうことによる紛失等を防げる。特に、フルカットを実施するまでの時間をユーザが選択可能であって、印刷データとともにフルカットを実施するまでの時間を示す情報を情報処理装置2から印刷装置1に送信することにより、フルカットが実施されるタイミングをユーザがより一層把握しやすくなる。
【0082】
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎない。すなわち、本発明に係る印刷装置、制御方法、及びプログラムは、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、様々な変形、変更が可能である。
【0083】
例えば、図9を参照して上述した印刷処理では、続けて印刷することを示す情報を受信していない場合に、印刷終了時にフルカットを実施する。しかしながら、本発明に係る印刷装置1が行う印刷処理は、これに限らず、例えば、続けて印刷することを示す情報を受信したか否かによらず、印刷終了時にフルカットを実施せずにフルカット実施時間を設定する処理であってもよい。
【0084】
また、印刷装置1は、例えば、情報処理装置2と無線接続して印刷データとともに続けて印刷することを示す情報を受信した場合であって、所定の期間が経過するまでに次の印刷データを受信しなかった場合、その情報処理装置2との無線接続を解除してもよい。このようにすることで、例えば、1個の印刷装置1を複数のユーザで共有する場合に、情報処理装置2からの次の印刷データの受信待ちの状態が継続することにより他の情報処理装置2から印刷データを送信することができない事態の発生を防ぐことができる。
【0085】
また、本発明に係る印刷装置1は、被印刷媒体3をハーフカットするハーフカッター114が省略されたものであってもよい。印刷装置1は、上述した感熱式のものに限らず、インクリボンのインクを加熱して転写する熱転写式のものであってもよいし、他の印刷方式(例えば、インクジェット式や電子写真式)のものであってもよい。
【0086】
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
情報処理装置が送信した印刷データを受信する受信部と、
前記受信部により受信した印刷データに基づいて被印刷媒体への印刷を行った後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする印刷装置。
[付記2]
前記制御部は、前記印刷データを送信した前記情報処理装置が前記次の印刷データを送信することを示す情報を前記受信部により受信した場合に、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を設定する
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
[付記3]
前記制御部は、前記印刷データに基づく前記被印刷媒体への印刷が終了してからの経過時間を、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間に設定する
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
[付記4]
前記制御部は、前記印刷データに基づく前記被印刷媒体への印刷が終了した時刻よりも後の時刻を、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間に設定する
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
[付記5]
前記制御部は、前記次の印刷データを送信することを示す前記情報を受信したときに設定した前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間と、前記次の印刷データを送信することを示す前記情報を受信する前に設定されている前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間のうちの、先に到来する時間に基づいて、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
[付記6]
前記制御部は、前記印刷データを送信した前記情報処理装置が前記次の印刷データを送信することを示す情報を送信しなかった場合、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を、前記印刷データに基づく前記被印刷媒体への印刷を終了した直後に設定する
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
[付記7]
前記制御部は、前記印刷データとともに送信された被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を示す情報を前記受信部により受信した場合に、受信した前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を示す前記情報に基づいて、前記被印刷媒体のカットを実施するまでの時間を制御する
ことを特徴とする付記1~6のいずれかに記載の印刷装置。
[付記8]
印刷装置のコンピュータが、
情報処理装置が送信した印刷データを受信することと、
受信した印刷データに基づいて前記印刷装置の印刷部に被印刷媒体への印刷を行わせた後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記印刷装置のカット部に前記被印刷媒体のカットを実施させるまでの時間を制御することと、
を実行することを特徴とする制御方法。
[付記9]
コンピュータに、
情報処理装置が送信した印刷データを受信することと、
受信した印刷データに基づいて印刷装置の印刷部に被印刷媒体への印刷を行わせた後、次の印刷データを受信して前記被印刷媒体への印刷を行うことが可能な状態で、前記印刷装置のカット部に前記被印刷媒体のカットを実施させるまでの時間を制御することと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0087】
1 印刷装置
101 装置筐体
102 蓋部
103 排出口
104 操作ボタン
105 表示ランプ
111 サーマルヘッド
112 プラテンローラ
113 フルカッター
114 ハーフカッター
2 情報処理装置
201 タッチパネルディスプレイ
120、220 制御部
121、221 記憶部
122、222 入力部
123、223 表示部
124、224 通信部
125 検知部
126 搬送部
127 印刷部
128 カット部
3 被印刷媒体
300、310、320 ラベル
304 耳部
305、315 (ラベルとして使用される)区間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9