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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141661
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】電子機器の筐体構造
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/18 20060101AFI20230928BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H05K7/18 D
H05K5/02 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048096
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】古川 亮
【テーマコード(参考)】
4E360
【Fターム(参考)】
4E360AB08
4E360AB09
4E360AB52
4E360EA03
4E360EA21
4E360EC04
4E360EC05
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED03
4E360ED28
4E360EE20
4E360GA08
4E360GA11
4E360GA31
4E360GA52
4E360GB99
4E360GC02
(57)【要約】
【課題】筐体の矯正力を維持しつつ、無線通信ユニットの配置を可能とする。
【解決手段】筐体1は、右側及び左側の側板20、30の間に架け渡されるサポートフレーム60と、縦片部50aと横片部50bとが接続されたL字形状を有し、縦片部50aと横片部50bとが接続する根元部50cが右側の側板20側に位置するフロントフレーム50と、を備えている。根元部50cは、右側の側板20の下端側に固定される第1固定部51を含み、横片部50bは、根元部50cから左側の側板30に向かって延在しており、左側の側板30の下端側に固定される第2固定部52を含む。縦片部50aは、根元部50cから上方向に延在しており、右側の側板20の上端側に固定される第3固定部53を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向するように配置される右側及び左側の側板と、
前記右側及び左側の側板の下方に位置し、前記右側及び左側の側板の下端側がそれぞれ固定されて前記右側及び左側の側板の下端側の間隔を規定するボトムシャーシと、
前記右側及び左側の側板の間に架け渡されるように延在し、前記右側及び左側の側板の上端側がそれぞれ固定されて前記右側及び左側の側板の上端側の間隔を規定するサポートフレームと、
縦片部と横片部とが接続されたL字形状を有し、縦片部と横片部とが接続する根元部が前記右側及び左側の側板のうち一方の側板側に位置するフロントフレームと、を備え、
前記根元部は、前記一方の側板の下端側に固定される第1固定部を含み、
前記横片部は、前記根元部から他方の側板に向かって延在しており、前記他方の側板の下端側に固定される第2固定部を含み、
前記縦片部は、前記根元部から上方向に延在しており、前記一方の側板の上端側に固定される第3固定部を含む
電子機器の筐体構造。
【請求項2】
前記フロントフレームは、前記根元部における剛性を補強する補剛構造を備える
請求項1記載の電子機器の筐体構造。
【請求項3】
前記電子機器は、無線通信用の通信ユニットを含み、
前記通信ユニットは、前記他方の側板の近傍であって、前記フロントフレームと前記サポートフレームとの間に配置される
請求項1又は2記載の電子機器の筐体構造。
【請求項4】
前記第1固定部は、前記一方の側板の下端側に固定されることで、上下方向及び左右方向における前記フロントフレームの位置を規制し、
前記第2固定部は、前記他方の側板の下端側に固定されることで、前記第1固定部を中心とする前記フロントフレームの回転を規制する
請求項1から3いずれか一項記載の電子機器の筐体構造。
【請求項5】
前記第1固定部は、前記一方の側板に設けられた第1穴部に挿通される舌片形状を有し、
前記第1固定部が前記第1穴部に挿入された状態では、前記第1穴部における上側及び下側の縁部によって前記第1固定部の上下方向の移動が規制され、且つ、前記第1穴部における右側及び左側の縁部によって前記第1固定部の左右方向の移動が規制され、
前記第2固定部は、前記他方の側板に設けられた第2穴部に挿通される舌片形状を有し、
前記第2固定部が前記第2穴部に挿入された状態では、前記第2穴部における上側及び下側の縁部によって前記第2固定部の上下方向の移動が規制される
請求項4記載の電子機器の筐体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の筐体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの構造体には、様々な電子機器が搭載されている。例えば特許文献1、2には、電子機器を収容する筐体構造が開示されている。筐体の各面の垂直及び水平が保たれていない場合、構造体に対する組み付け精度が悪化したり、筐体を構造体に組み付けられなかったりすることがある。そこで、筐体の周囲にフレームを取り付けて、筐体を矯正する手法が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2017/022066号
【特許文献2】特開2005-129669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレームに対して筐体の矯正力を求めると、筐体に取り付けられるフレームの面積が大きくなる傾向があり、フレームによって覆われる範囲が増えてしまう。近距離無線通信などのアンテナを内蔵した無線通信ユニットを筐体内部に備える電子機器にあっては、無線通信ユニットの電波が遮蔽されしまうため、無線通信ユニットを配置することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、筐体の矯正力を維持しつつ、無線通信ユニットの配置を可能とする電子機器の筐体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の第1の態様によれば、互いに対向するように配置される右側及び左側の側板と、右側及び左側の側板の下方に位置し、右側及び左側の側板の下端側がそれぞれ固定されて右側及び左側の側板の下端側の間隔を規定するボトムシャーシと、右側及び左側の側板の間に架け渡されるように延在し、右側及び左側の側板の上端側がそれぞれ固定されて右側及び左側の側板の上端側の間隔を規定するサポートフレームと、縦片部と横片部とが接続されたL字形状を有し、縦片部と横片部とが接続する根元部が右側及び左側の側板のうち一方の側板側に位置するフロントフレームと、を備え、根元部は、一方の側板の下端側に固定される第1固定部を含み、横片部は、根元部から他方の側板に向かって延在しており、他方の側板の下端側に固定される第2固定部を含み、縦片部は、根元部から上方向に延在しており、一方の側板の上端側に固定される第3固定部を含む電子機器の筐体構造が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、筐体の矯正力を維持しつつ、無線通信ユニットの配置を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る電子機器の筐体構造を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る電子機器の筐体構造を示す正面図である。
図3図3は、本実施形態に係る電子機器の筐体構造を示す分解斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係る第1固定部による位置決め機能を説明する図である。
図5図5は、本実施形態に係る第2固定部により回り止め機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1乃至図3を参照し、本実施形態に係る電子機器の筐体構造について説明する。本実施形態では、方向の定義として、左右方向、前後方向、及び上下方向を用いる。左右方向及び前後方向は水平方向において直交する2つの方向に対応し、左右方向の左右は、後から前を見たときの向きとする。上下方向は鉛直方向に対応する。ただし、これらの方向は、本実施形態に係る筐体構造を説明するために、便宜的に用いられるに過ぎない。
【0010】
本実施形態に係る筐体構造は、車両に搭載する電子機器、例えばカーナビゲーション装置の筐体1に応用することができる。このカーナビゲーション装置は、例えば車両のインストルメントパネルの内部に搭載されており、筐体1の両側面(具体的には、後述する右側及び左側の側板20、30)に取り付けたブラケットなどを介して車両に取り付けられる。
【0011】
筐体1は、ボトムシャーシ10と、右側及び左側の側板20、30と、後板40と、フロントフレーム50と、サポートフレーム60とを備えている。図面では一部の造形が省略されているが、筐体1には、電子機器の放熱のために必要な造形、及びカーナビゲーション装置を取り付けるために必要な造形などが施されている。
【0012】
ボトムシャーシ10は、筐体1の下部を構成する部材であり、板金で形成されている。
【0013】
ボトムシャーシ10における右側及び左側の縁辺部には、上方へと立ち上げられた右側及び左側の立ち上がり片12、13が設けられている。右側及び左側の立ち上がり片12、13は、両者の間隔が予め定められた寸法となるように精度よく仕上げられている。また、ボトムシャーシ10の後側の縁辺部には、上方へと立ち上げられた後側立ち上がり片14が設けられている。
【0014】
右側及び左側の側板20、30は、筐体1の右部及び左部を構成する部材であり、板金で形成されている。右側及び左側の側板20、30は、互いに対向するように配置されている。右側の側板20は、ボトムシャーシ10に右側の縁辺部に配置されており、その下端側が右側の立ち上がり片12にねじなどで固定されている。左側の側板30は、ボトムシャーシ10に左側の縁辺部に配置されており、その下端側が左側の立ち上がり片13にねじなどで固定されている。
【0015】
図3に示すように、右側の側板20の前側縁辺部には、左方向に向かって折り曲げられたフランジ片21が設けられている。フランジ片21は、第1穴部22、第3穴部23、及び係合片24を備えている。第1穴部22は、フランジ片21の下端側に設けられており、フロントフレーム50の固定に利用される。第3穴部23は、フランジ片21の上端側に設けられており、フロントフレーム50の固定に利用される。係合片24は、フランジ片21の上端側に設けられており、サポートフレーム60の固定に利用される。
【0016】
左側の側板30の前側縁辺部には、右方向に向かって折り曲げられたフランジ片31が設けられている。フランジ片31は、第2穴部32、及び係合片33を備えている。第2穴部32は、フランジ片31の下端側に設けられており、フロントフレーム50の固定に利用される。係合片33は、フランジ片21の上端側に設けられており、サポートフレーム60の固定に利用される。左側の側板30の下端から係合片33までの距離は、右側の側板20の下端から係合片24までの距離と等しくなるように形成されている。
【0017】
なお、右側及び左側の側板20、30を、右側及び左側の立ち上がり片12、13に固定する場合に、後述する舌片及び穴部を利用した位置決め機能及び回転止め機能を奏する固定方法を適用してもよい。
【0018】
後板40は、筐体1の後部を構成する部材であり、板金で形成されている。後板40は、ボトムシャーシ10の後側の縁辺部に配置されており、その下端側が後側の立ち上がり片14にねじなどで固定されている。
【0019】
フロントフレーム50は、筐体1の前部に設けられている。筐体1の前部は開放されており、このフロントフレーム50によって部分的に閉塞される。フロントフレーム50は、右側及び左側の側板20、30にそれぞれ固定されている。
【0020】
フロントフレーム50は、縦片部50aと横片部50bとが接続されたL字形状を有しており、板金で形成されている。縦片部50aと横片部50bが接続する部位である根元部50cは、右側及び左側の側板20、30のうち、右側の側板20側に位置している。縦片部50aは、根元部50cから上方に延在している。横片部50bは、根元部50cから左側の側板30に向かって左右方向に延在している。
【0021】
図3及び図4に示すように、根元部50cは、第1固定部51を含んでいる。第1固定部51は、後方に向かって延出する舌片形状を有している。第1固定部51は、右側のフランジ片21に設けられる第1穴部22に挿通されることで、右側の側板20の下端側に固定される。
【0022】
図3及び図5に示すように、横片部50bは、第2固定部52を含んでいる。第2固定部52は、後方に向かって延出する舌片形状を有している。第2固定部52は、左側のフランジ片31に設けられる第2穴部32に挿通されることで、左側の側板30の下端側に固定される。
【0023】
図3に示すように、縦片部50aは、第3固定部53を含んでいる。第3固定部53は、後方に向かって延出する舌片形状を有している。第3固定部53は、右側のフランジ片21に設けられる第3穴部23に挿通されることで、右側の側板20の上端側に固定される。
【0024】
フロントフレーム50は、根元部50cにおける剛性を補強する補剛構造を備えている。具体的には、根元部50cの上縁辺50caは、縦片部50aから横片部50bに向かって傾斜する形状に仕上げられており、根元部50cにおける幅が拡大されている。また、根元部50cから横片部50bに掛けて、フレーム面の一部が凸状に隆起するように絞り加工により形成された凸状部50cbが設けられている。
【0025】
サポートフレーム60は、筐体1の前部に設けられており、フロントフレーム50の横片部50bよりも上方に配置されている。筐体1の前部は、サポートフレーム60によって部分的に閉塞される。サポートフレーム60は、右側及び左側の側板20、30に固定されている。
【0026】
サポートフレーム60は、右側及び左側の側板20、30の間に架け渡されるように延在している。サポートフレーム60は、板金で形成されている。
【0027】
本実施形態において、サポートフレーム60は、ナビゲーション装置の一部を構成するユニット100を筐体1内に固定するブラケットである。ユニット100は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)などディスクを読み取るディスクユニットや、ハードディスクを備えるハードディスクユニットである。ユニット固定用のブラケットをサポートフレーム60として兼用することにより、部品点数の削減及び構造の簡素化を図ることができる。また、筐体1の前部に設けられる部品点数を削減することができるので、電波が遮蔽される領域を抑制することができる。
【0028】
サポートフレーム60は、右側の係合溝61を含んでいる。右側の係合溝61は、サポートフレーム60の下縁辺の右側に設けられた切欠きにより構成されている。右側の係合溝61は、右側のフランジ片21に設けられた係合片24と係合することにより、右側の側板20の上端側に固定される。
【0029】
サポートフレーム60は、左側の係合溝62を含んでいる。左側の係合溝62は、サポートフレーム60の下縁辺の左側に設けられた切欠きにより構成されている。左側の係合溝62は、左側のフランジ片31に設けられた係合片33と係合することにより、左側の側板30の上端側に固定される。
【0030】
右側及び左側の係合溝61、62は、両者の間隔が予め定められた寸法となるように精度よく形成されている。
【0031】
以下、本実施形態に係る筐体構造によって実現される筐体1の矯正機能を説明する。まず、図3に示すように、右側及び左側の側板20、30の下端側は、それぞれ右側及び左側の立ち上がり片12、13に固定されている。右側及び左側の立ち上がり片12、13の間隔は一定の精度で仕上げられているので、右側及び左側の側板20、30の下端側の間隔の精度が保証される。
【0032】
また、右側の側板20の上端側に設けられた係合片24は、サポートフレーム60の右側の係合溝61と係合する。同様に、左側の側板30の上端側に設けられた係合片33は、サポートフレーム60の左側の係合溝62と係合する。右側及び左側の係合溝61、62の間隔は一定の精度で仕上げられているので、右側及び左側の側板20、30の上端側の間隔の精度が保証される。加えて、右側の側板20の下端から係合片24までの距離と、左側の側板30の下端から係合片33までの距離とは等しくなるように設定されている。
【0033】
このような関係により、右側及び左側の側板20、30は互いに平行であることが保証される。
【0034】
つぎに、図4に示すように、舌片形状の第1固定部51は、左右方向に幅広に形成されている。一方、第1固定部51が挿入される第1穴部22は、左右方向に幅広な開口形状に形成されている。このとき、第1穴部22の上側の縁部22aには、下向きに突き出した凸部が形成されており、第1穴部22の下側の縁部22bには、上向きに突き出した凸部が形成されている。そして、上側の縁部22aと下側の縁部22bとの間の距離は、第1固定部51の上下方向の厚さと同等か、僅かに大きい程度に形成されている。加えて、第1穴部22の右側の縁部22cと左側の縁部22dとの間の距離は、第1固定部51の左右方向の幅と同等か、僅かに大きい程度に形成されている。
【0035】
第1固定部51が第1穴部22に挿入されることで、第1固定部51は、右側の側板20の下端側に固定される。そして、第1固定部51が第1穴部22に挿入された状態では、第1穴部22における上側及び下側の縁部22a、22bによって第1固定部51の上下方向の移動が規制される。同様に、第1穴部22における右側及び左側の縁部22c、22dによって第1固定部51の左右方向の移動が規制される。これにより、第1固定部51が上下及び左右に対する位置決め機能を発揮することで、上下方向及び左右方向におけるフロントフレーム50の位置が規制される。
【0036】
フロントフレーム50は、上下方向及び左右方向における位置が規制されるだけであるため、第1固定部51を中心とする回転が許容されている。これに対して、図5に示すように、舌片形状の第2固定部52は、上下方向に幅広に形成されている。このとき、第2固定部52が挿入される第2穴部32の上側の縁部32aと下側の縁部32bとの間の距離は、第2固定部52の上下方向の幅と同等か、僅かに大きい程度に形成されている。
【0037】
第2固定部52が第2穴部32に挿入されることで、第2固定部52は、左側の側板30の下端側に固定される。そして、第2固定部52が第2穴部32に挿入された状態では、第2穴部32における上側及び下側の縁部32a、32bによって第2固定部52の上下方向の移動が規制される。これにより、第2固定部52が回転止めとして機能することで、フロントフレーム50の回転が規制される。
【0038】
右側及び左側の側板20、30がボトムシャーシ10に固定された状態で、第1穴部22の高さと第2穴部32の高さは互いに一致するように設定されている。したがって、第1及び第2固定部51、52が固定されることで、フロントフレーム50の横片部50bの水平が保証される。
【0039】
図1乃至図3に示すように、第3固定部53は第3穴部23に挿入される。これにより、第3固定部53は、右側の側板20の上端側に固定される。ここで、フロントフレーム50は、第1固定部51と第2固定部52と結んだ直線と、第1固定部51と第3固定部53とを結んだ直線とが直角となるように、予め形成されている。フロントフレーム50の横片部50bは水平が保証されているので、第3固定部53も第3穴部23に挿入されることで、右側の側板20が垂直であることが保証される。上述したように、右側及び左側の側板20、30は互いに平行であることから、右側及び左側の側板20、30がそれぞれボトムシャーシ10に対して垂直であることが保証される。
【0040】
以上説明したように、本実施形態の筐体構造によれば、フロントフレーム50及びサポートフレーム60を備えることで、筐体1の矯正を精度よく行うことができる。このとき、筐体1前側における開放領域はフレームによって全域が覆われるのではなく、フロントフレーム50及びサポートフレーム60によって部分的に覆われているだけである。したがって、筐体1の前側の領域を部分的に開放することができる。例えば、図2に示すように、左側の側板30の近傍であって、フロントフレーム50とサポートフレーム60との間に、無線通信を行うアンテナを内蔵した無線通信ユニット150を配置することができる。これにより、電波の影響がない範囲に、無線通信ユニット150を配置することができる。
【0041】
したがって、本実施形態の筐体構造によれば、筐体1の矯正力を維持しつつ、無線通信ユニット150の配置を可能とする電子機器の筐体構造を提供することができる。
【0042】
また、本実施形態において、フロントフレーム50は、根元部50cにおける剛性を補強する補剛構造を備えている。この構成によれば、フロントフレーム50について高い剛性が担保されるので、筐体1の矯正を適切に実現することができる。
【0043】
また、本実施形態において、根元部50cに設けられる第1固定部51は、上下方向及び左右方向におけるフロントフレーム50の位置を規制する位置決め機能を備えている。また、横片部50bに設けられる第2固定部52は、第1固定部51を中心とするフロントフレーム50の回転を規制する回転止め機能を備えている。これにより、フロントフレーム50を水平に固定することができる。
【0044】
第1固定部51は、水平及び垂直を保つ基準であり、位置決め機能を発揮する。一方で、本実施形態に示す手法とは逆に、根元部50cに設けられる第1固定部51に回転止め機能を持たせ、第2固定部52に位置決め機能を持たせることもできる。しかしながら、根元部50cにある第1固定部51は、第3固定部53に対して垂直を保証する部位でもあるので、第1固定部51に回転止め機能を持たせた場合には、第3固定部53に対して垂直を保証することができない可能性がある。一方で、本実施形態に係る構成によれば、根元部50cの第1固定部51が位置決め機能を発揮し、横片部50b側の第2固定部52が回転止め機能を発揮することで、第3固定部53に対して垂直を保証することができる。これにより、筐体1の矯正を実効的に行うことができる。
【0045】
なお、本実施形態では、サポートフレーム60として、ユニット100を筐体1内に固定するブラケットを利用している。しかしながら、ブラケットを流用せずに、専用の部品をサポートフレーム60として利用してもよい。しかしながら、ブラケットを流用することで、部品点数の削減、軽量化などを図ることができる。また、筐体1の前部に設けられる部品点数を削減することができるので、電波が遮蔽される領域を抑制することができる。
【0046】
以上詳述した実施形態は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形した変形例としてもよい。
【0047】
本実施形態に係る筐体構造は、電子機器としてカーナビゲーション装置を例示したが、これに限定されることなく、車両に搭載される電子機器に対して広く適用することができる。また、本実施形態に係る筐体構造は、車両に搭載される電子機器に限らず、種々の対象物に搭載される電子機器に対して適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 筐体
10 ボトムシャーシ
12、13、14 立ち上がり片
20 右側の側板
21 右側のフランジ片
22 第1穴部
23 第3穴部
24 右側の係合片
30 左側の側板
31 左側のフランジ片
32 第2穴部
33 左側の係合片
40 後板
50 フロントフレーム
50a 縦片部
50b 横片部
50c 根元部
51 第1固定部
52 第2固定部
53 第3固定部
60 サポートフレーム
61 右側の係合溝
62 左側の係合溝
図1
図2
図3
図4
図5