(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141711
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】車両救援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20230928BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20230928BHJP
B65G 61/00 20060101ALN20230928BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/00 D
B65G61/00 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048171
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】石坂 俊
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA07
5H181AA27
5H181BB04
5H181FF22
5H181MB07
5H181MB08
(57)【要約】
【課題】故障車両を救援すること。
【解決手段】車両救援装置1は、管理下の管理車両2の運用に関する運用情報を格納する格納部10と、故障した故障車両を検知する検知部11と、故障車両の救援を行う救援車両を、運用情報に基づいて管理車両2から決定する決定部12と、故障車両又は救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する誘導部13と、を備える。検知部11は、故障車両の故障度合をさらに検知し、決定部12は故障度合にさらに基づいて救援車両を決定してもよいし、又は、誘導部13は故障度合に基づいて誘導してもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理下の管理車両の運用に関する運用情報を格納する格納部と、
故障した故障車両を検知する検知部と、
前記故障車両の救援を行う救援車両を、前記運用情報に基づいて前記管理車両から決定する決定部と、
前記故障車両又は前記救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する誘導部と、
を備える車両救援装置。
【請求項2】
前記検知部は、前記故障車両の故障度合をさらに検知し、
前記決定部は前記故障度合にさらに基づいて前記救援車両を決定する、又は、前記誘導部は前記故障度合に基づいて誘導する、
請求項1に記載の車両救援装置。
【請求項3】
前記運用情報は、前記管理車両が積載する荷物に関する情報、前記管理車両の現在地に関する情報、前記管理車両の目的地に関する情報、地図に関する情報、又は、道路に関する情報の少なくとも一つを含み、
前記救援は、前記故障車両から前記救援車両への積載する荷物の積みかえを含む、
請求項1又は2に記載の車両救援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、故障車両の救援を行う車両救援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、車両に異常状態が発生しているか否かを判定し、車両に異常状態が発生していると判定された場合に、報知手段を用いて車両の異常状態の発生を通知する異常判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記異常判定装置では、例えば車両の故障発生を通知することはできても、当該車両を救援することはできない。そこで、故障車両を救援することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る車両救援装置は、管理下の管理車両の運用に関する運用情報を格納する格納部と、故障した故障車両を検知する検知部と、故障車両の救援を行う救援車両を、運用情報に基づいて管理車両から決定する決定部と、故障車両又は救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する誘導部と、を備える。
【0006】
このような側面においては、故障車両又は当該故障車両の救援を行う救援車両の少なくとも一方の車両がもう一方の車両へ誘導されるため、誘導の結果、救援車両により故障車両を救援することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、故障車両を救援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る車両救援装置を含む車両救援システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る車両救援装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る車両救援装置で用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る車両救援装置が実行する救援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る車両救援装置が実行する救援処理の別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における本開示での実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0010】
図1は、実施形態に係る車両救援装置1を含む車両救援システム3のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示す通り、車両救援システム3は、車両救援装置1及び管理車両2(管理車両2a、管理車両2b、管理車両2c、…等の複数を総称して「管理車両2」と適宜記す)を含んで構成される。車両救援装置1と各管理車両2とは移動体通信ネットワーク等の無線ネットワークによって互いに通信接続され、互いに情報を送受信可能である。
【0011】
車両救援装置1は、故障した車両である故障車両を救援させるコンピュータ装置である。管理車両2は、車両救援装置1(又は車両救援装置1の管理者)の管理下の車両である。故障車両は、管理車両2(の何れか)であってもよい。
【0012】
車両は、トラック、自動車、二輪車、電車など、車輪のついた乗り物である。車両は、自動運転を行うものであってもよいし、自動運転を行わない(例えば、人である運転手が手動で運転を行う)ものであってもよい。
【0013】
本実施形態において車両は、自動運転のトラックを想定する。また、本実施形態において車両は、自車両の自動運転を制御する装置である自動運転制御装置を搭載することを想定する。自動運転制御装置は、通信を介して車両救援装置1から運転に関する指示である運転指示を受信し、受信した運転指示に従った運転を行ってもよい。なお、車両が自動運転を行わないものである場合は、例えば、車両救援装置1から受信した運転指示に従って運転手が運転を行うものとする。
【0014】
救援は、故障などにより困難な状況又は危険に陥っている車両を助けることである。故障車両の救援は、故障車両自体の救援(例えば、修理、燃油・水素・電気などのエネルギー補給など)であってもよいし、故障車両が行っている又は提供しているサービスの救援(例えば、サービスの継続又は再開など)であってもよい。本実施形態において救援は、トラックが積載している荷物の運搬サービスの継続(当初の予定通り荷物を運搬すること)を想定するが、これに限定するものではない。本実施形態において用語「救援」は、援護、救済、扶助、支援、援助、補助、救助、手伝い、手助け、支援、助力、補佐などに適宜置き換えてもよい。
【0015】
車両救援装置1は、故障車両の救援を行う車両である救援車両により故障車両を救援させてもよい。救援車両は、管理車両2(の何れか)であってもよい。救援は、故障車両から救援車両への積載する荷物の積みかえを含んでもよい。
【0016】
車両救援装置1は、故障車両又は救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導することで、救援を行ってもよい。より具体的には、車両救援装置1は、故障車両を救援車両へ誘導してもよいし、救援車両を故障車両へ誘導してもよいし、故障車両を救援車両へ誘導すると共に救援車両も故障車両へ誘導してもよい。
【0017】
誘導は、ある車両を別の車両(がいる位置)へ導くことである。本実施形態において用語「誘導」は、リード、案内、先導、導きなどに適宜置き換えてもよい。誘導は、例えば、誘導対象の車両の自動運転を制御することで導いてもよいし、誘導対象の車両の運転手にカーナビゲーションシステムなどを介して導いてもよい。
【0018】
図2は、実施形態に係る車両救援装置1の機能構成の一例を示す図である。
図2に示す通り、車両救援装置1は、格納部10(格納部)、検知部11(検知部)、決定部12(決定部)及び誘導部13(誘導部)を含んで構成される。
【0019】
車両救援装置1の各機能ブロックは、車両救援装置1内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、車両救援装置1の機能ブロックの一部は、車両救援装置1とは異なるコンピュータ装置であって、車両救援装置1とネットワーク接続されたコンピュータ装置内において、車両救援装置1と情報を適宜送受信しつつ機能してもよい。また、車両救援装置1の一部の機能ブロックは無くてもよいし、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックに統合してもよいし、一つの機能ブロックを複数の機能ブロックに分解してもよい。
【0020】
図3は、車両救援装置1で用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。車両救援装置1は物理的には、
図3に示すように、中央処理装置(プロセッサ)であるCPU(Central Processing Unit)100、主記憶装置であるRAM(Random access memory)101及びROM(Read Only Memory)102、キーボード、マイク及びディスプレイなどの入出力装置103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、並びに、ハードディスク及びSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置105を含むコンピュータシステムとして構成されている。CPU100、RAM101及びROM102、入出力装置103、通信モジュール104、及び、補助記憶装置105は、それぞれ複数で構成されてもよい。
図2に示す各機能ブロックの機能は、
図3に示すCPU100、RAM101などのハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU100の制御のもとで入出力装置103及び通信モジュール104を動作させるとともに、RAM101及び補助記憶装置105におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0021】
以下、
図2に示す車両救援装置1の各機能について説明する。
【0022】
格納部10は、管理下の管理車両2の運用に関する運用情報を格納する。本実施形態において用語「運用」は、活用、利用、使用などに適宜置き換えてもよい。運用情報は、管理車両2が積載する荷物に関する情報である荷物情報、管理車両2の現在地に関する情報である現在地情報、管理車両2の目的地に関する情報である目的地情報、地図に関する情報である地図情報(例えば、救援作業又は荷物の積み替えができる駐車場などの場所の情報を含む地図に関する情報)、又は、道路に関する情報である道路情報(例えば、渋滞情報)の少なくとも一つを含んでもよい。
【0023】
荷物情報は、例えば、積載している荷物の量である積載量、管理車両2の最大積載量、管理車両2に積載可能な荷物の残りの積載量、又は、荷物の詳細(種別、品目、個数など)の少なくとも一つを含んでもよい。
【0024】
現在地情報は、現在地の緯度及び経度、現在地を識別する識別情報、現在地の住所、又は、現在地の地域名の少なくとも一つを含んでもよい。
【0025】
目的地情報は、目的地の緯度及び経度、目的地を識別する識別情報、目的地の住所、又は、目的地の地域名の少なくとも一つを含んでもよい。
【0026】
図4は、運用情報のテーブル例を示す図である。
図4に示す運用情報のテーブル例では、管理車両2を識別する識別情報と、当該管理車両2の積載量と、当該管理車両2の現在地の緯度及び経度と、当該管理車両2の目的地の緯度及び経度とが対応付いている。例えば、
図4に示す運用情報のテーブル例の1レコード目は、識別情報「2a」の管理車両2の積載量が「1t」、現在地の緯度及び経度が「(35.68,139.69)」、並びに、目的地の緯度及び経度が「(35.69,139.76)」であることを示している。
【0027】
格納部10によって格納された運用情報は、現在(最新)の状況を反映するように車両救援装置1などによって適宜更新されてもよい。
【0028】
格納部10は、車両救援装置1におけるその他の算出などで利用される任意の情報及び車両救援装置1における算出の結果などを格納してもよい。格納部10によって格納された情報は、車両救援装置1の各機能によって適宜参照されてもよい。
【0029】
検知部11は、故障した故障車両を検知する。検知部11は、管理車両2のうち(管理車両2の中から)故障した故障車両を検知してもよい。例えば、検知部11は、通信を介して故障車両から故障したことを示す通知である故障通知を受信したことで、故障車両を検知する。故障通知に故障車両の識別情報が含まれ、検知部11は、故障通知に含まれる識別情報に基づいて故障車両を識別してもよい。検知部11は、通信を介して別の装置から故障通知を受信したことで、故障車両を検知してもよい。検知部11は、車両救援装置1のユーザによって入力された情報に基づいて故障車両を検知してもよい。
【0030】
検知部11は、故障車両の故障度合をさらに検知してもよい。すなわち、検知部11は、故障車両を検知すると共に当該故障車両の故障度合も検知してもよい。例えば、検知部11は、通信を介して故障車両から故障したこと及びその故障度合を示す通知である故障度合通知を受信したことで、故障車両及び故障度合を検知する。故障度合通知に故障車両の識別情報が含まれ、検知部11は、故障度合通知に含まれる識別情報に基づいて故障車両を識別してもよい。検知部11は、通信を介して別の装置から故障度合通知を受信したことで、故障車両及び故障度合を検知してもよい。検知部11は、車両救援装置1のユーザによって入力された情報に基づいて故障車両及び故障度合を検知してもよい。
【0031】
故障度合は、故障の深刻度を示してもよい。例えば、故障度合は、「0」、「1」及び「2」の3段階で示されてもよい。この場合、「0」は故障の深刻度が最も低く、「2」は故障の深刻度が最も高いことを示してもよい。その他、故障度合は、「0」から「1」までの実数値(例えば「0.75」など)で示されてもよい。この場合、「0」は故障の深刻度が最も低く、「1」は故障の深刻度が最も高いことを示してもよい。
【0032】
車両は、自車両に取り付けられた各種センサにより検出された異音及び振動などに基づいて自車両が故障したことを検知し、検知結果に基づいて車両救援装置1の検知部11に故障通知を送信してもよい。また、車両は、自車両に取り付けられた各種センサにより検出された異音及び振動などに基づいて自車両が故障したことを検知すると共に、検出された異音及び振動などの大きさなどに基づいて故障度合を検知し、検知結果に基づいて車両救援装置1の検知部11に故障度合通知を送信してもよい。
【0033】
検知部11は、検知した故障車両に関する情報(例えば故障車両の識別情報)を決定部12及び誘導部13に出力する。検知部11は、検知した故障車両に関する情報と検知した故障度合とを決定部12及び誘導部13に出力してもよい。
【0034】
決定部12は、(検知部11によって検知された)故障車両の救援を行う救援車両を、(格納部10によって格納された)運用情報に基づいて管理車両2から決定する。より具体的には、決定部12は、検知部11から故障車両に関する情報が入力されると、格納部10によって格納された運用情報を参照し、当該故障車両の救援を行う救援車両を、当該運用情報に基づいて管理車両2から決定する。
【0035】
図4に示す運用情報のテーブル例を用いて具体例を説明する。故障車両の識別情報が「2a」であるとした場合、例えば、決定部12は、
図4に示す運用情報のテーブル例を参照し、積載量が所定の量(例えば「2t」)以下である(かつ、識別情報が「2a」以外の管理車両2である)、識別情報が「2c」の管理車両2を救援車両として決定する。その他の決定例としては、積載可能な荷物の残りの積載量(不図示)が故障車両の積載量以上である管理車両2を救援車両として決定すること、現在地が故障車両の現在地に最も近い管理車両2を救援車両として決定すること、地図情報(例えば、救援作業又は荷物の積み替えができる駐車場などの場所の情報を含む地図に関する情報)又は道路情報(例えば、渋滞情報)の少なくとも一方にさらに基づいて故障車両の現在地に最も早く到達できる可能性がある管理車両2を救援車両として決定すること(例えば、故障車両が高架道路上にあって、他の管理車両2が地上の道路にある場合、高架上と高架下でそれぞれの現在地が極めて近かったとしても、救援車両が高架に進入しなければならないことを考えると、距離が多少離れていたとしても同じ高架道路上の管理車両2を誘導した方が早い場合もある)、目的地が故障車両の目的地に最も近い管理車両2を救援車両として決定すること、積載量が所定の量以下であり、かつ、現在地と故障車両の現在地と間の距離及び目的地と故障車両の目的地と間の距離の和が最小である管理車両2を救援車両として決定すること、などが挙げられる。
【0036】
決定部12は、(検知部11によって検知された)故障度合にさらに基づいて救援車両を決定してもよい。すなわち、決定部12は、故障車両の救援を行う救援車両を、運用情報と故障度合とに基づいて管理車両2から決定してもよい。より具体的には、決定部12は、検知部11から故障車両に関する情報と故障度合とが入力されると、格納部10によって格納された運用情報を参照し、当該故障車両の救援を行う救援車両を、当該運用情報と当該故障度合とに基づいて管理車両2から決定する。
【0037】
例えば、決定部12は、故障度合に基づいて故障車両の走行可能距離又は走行可能時間を推定する。具体的には、決定部12は、故障度合が「0」であれば故障車両の走行可能距離を「10km」又は走行可能時間を「1時間」と推定し、故障度合が「1」であれば故障車両の走行可能距離を「5km」又は走行可能時間を「30分」と推定し、故障度合が「2」であれば故障車両の走行可能距離を「1km」又は走行可能時間を「10分」と推定してもよい。続いて決定部12は、例えば、運用情報を参照して、現在地が、故障車両の現在地から推定した走行可能距離の範囲内に含まれる管理車両2を救援車両として決定してもよい。あるいは決定部12は、例えば、運用情報を参照して、現在地が、故障車両の現在地から推定した走行可能時間と所定の速度(例えば20km/h)との乗算値の範囲内に含まれる管理車両2を救援車両として決定してもよい。
【0038】
決定部12は、決定した救援車両に関する情報(例えば救援車両の識別情報)を誘導部13に出力する。
【0039】
誘導部13は、(検知部11によって検知された)故障車両又は(決定部12によって決定された)救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する。より具体的には、誘導部13は、検知部11から故障車両に関する情報(及び故障度合)が入力され、かつ、決定部12から救援車両に関する情報が入力されると、当該故障車両又は当該救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する。例えば、誘導部13は、故障車両に対して救援車両の位置へ移動する旨の運転指示を送信することで、故障車両を救援車両へ誘導する。また例えば、誘導部13は、救援車両に対して故障車両の位置へ移動する旨の運転指示を送信することで、救援車両を故障車両へ誘導する。また例えば、誘導部13は、故障車両に対して故障車両と救援車両との中間位置へ移動する旨の運転指示を送信すると共に、救援車両に対しても当該中間位置へ移動する旨の運転指示を送信することで、故障車両を救援車両へ誘導すると共に救援車両を故障車両へ誘導する。
【0040】
誘導部13は、(検知部11によって検知された)故障度合に基づいて誘導してもよい。例えば、誘導部13は、故障度合が「0」であれば故障車両を救援車両へ誘導してもよいし、故障度合が「1」であれば故障車両及び救援車両の双方をそれぞれ相手へ誘導してもよいし、故障度合が「2」であれば救援車両を故障車両へ誘導してもよい。
【0041】
続いて、
図5を参照しながら、車両救援装置1が実行する処理の例を説明する。
図5は、車両救援装置1が実行する救援処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
まず、検知部11が、故障した故障車両を検知する(ステップS1)。次に、決定部12が、S1にて検知された故障車両の救援を行う救援車両を、格納部10によって格納された運用情報に基づいて管理車両2から決定する(ステップS2)。次に、誘導部13が、S1にて検知された故障車両又はS2にて決定された救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する(ステップS3)。次に、S3の誘導の結果、S1にて検知された故障車両とS2にて決定された救援車両とが接近し、救援車両により故障車両を救援する(ステップS4)。すなわち、車両救援装置1は、故障車両を救援させている。
【0043】
続いて、
図6を参照しながら、車両救援装置1が実行する処理の別の例を説明する。
図6は、車両救援装置1が実行する救援処理の別の一例を示すフローチャートである。
【0044】
まず、検知部11が、故障車両及び故障度合を検知する(ステップS10)。次に、検知部11が、S10にて検知された故障度合が重大(所定の閾値よりも大きい)か否かを判定する(ステップS11)。S11にて故障度合が重大であると判定されると(S11:YES)、車両救援装置1(又は誘導部13)が、S10にて検知された故障車両を停止する(故障車両に停止する旨の運転指示を送信する)(ステップS12)。次に、決定部12が、S10にて検知された故障車両の救援を行う救援車両を、格納部10によって格納された運用情報に基づいて管理車両2から決定する(ステップS13)。次に、誘導部13が、S13にて決定された救援車両をS10にて検知された故障車両へ誘導する(ステップS14)。次に、誘導の結果、故障車両と救援車両とが接近し、救援車両により故障車両を救援して(ステップS15)、処理を終了する。すなわち、車両救援装置1は、故障車両を救援させている。
【0045】
一方、S11にて故障度合が重大ではないと判定されると(S11:NO)、決定部12が、S10にて検知された故障車両の走行可能距離又は走行可能時間を推定する(ステップS16)。次に、車両救援装置1(又は決定部12)が、S16にて推定された走行可能距離、S16にて推定された走行可能時間、又は、格納部10によって格納された運用情報(荷物情報、現在地情報、目的地情報、地図情報又は道路情報を含む)の少なくとも一つに基づいて、S10にて検知された故障車両の走行許可を判断する(ステップS17)。次に、車両救援装置1(又は決定部12)が、S17にて走行許可がされたか否かを判定する(ステップS18)。S18にて走行許可されなかった場合(S18:NO)、S12に進む。なお、S17にて、例えば地図情報又は道路情報に基づいて走行許可を判断することで、故障車両が走行可能距離又は走行可能時間を走り切れたとしても、走り切った先が救援に時間又は手間を要する場合(例えばトンネル内での停車など)、二次災害を引き起こすリスクを抑制することができる。
【0046】
一方、S18にて走行許可された場合(S18:YES)、決定部12が、S10にて検知された故障車両の救援を行う救援車両を、格納部10によって格納された運用情報に基づいて管理車両2から決定する(ステップS19)。次に、誘導部13が、S10にて検知された故障車両又はS19にて決定された救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導し(ステップS20)、S15に進む。
【0047】
続いて、実施形態に係る車両救援装置1の作用効果について説明する。
【0048】
車両救援装置1によれば、格納部10が、管理下の管理車両2の運用に関する運用情報を格納し、検知部11が、故障した故障車両を検知し、決定部12が、検知部11によって検知された故障車両の救援を行う救援車両を、格納部10によって格納された運用情報に基づいて管理車両2から決定し、誘導部13が、検知部11によって検知された故障車両又は決定部12によって決定された救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する。この構成により、故障車両又は当該故障車両の救援を行う救援車両の少なくとも一方の車両がもう一方の車両へ誘導されるため、誘導の結果、救援車両により故障車両を救援することができる。
【0049】
また、車両救援装置1によれば、検知部11が、故障車両の故障度合をさらに検知し、決定部12が、検知部11によって検知された故障度合にさらに基づいて救援車両を決定してもよい。この構成により、故障度合にさらに基づいて救援車両が決定されるため、故障度合に応じたより適切な救援車両を決定することができる。
【0050】
また、車両救援装置1によれば、検知部11が、故障車両の故障度合をさらに検知し、誘導部13が、検知部11によって検知された故障度合に基づいて誘導してもよい。この構成により、故障度合に基づいて誘導されるため、故障度合に応じたより適切な誘導を行うことができる。
【0051】
また、車両救援装置1によれば、運用情報は、管理車両2が積載する荷物に関する情報、管理車両2の現在地に関する情報、管理車両2の目的地に関する情報、地図に関する情報、又は、道路に関する情報の少なくとも一つを含み、救援は、故障車両から救援車両への積載する荷物の積みかえを含んでもよい。この構成により、例えば、故障車両から積みかえられた荷物を救援車両が替わりに運搬することで、故障車両が行っていた荷物運搬サービスを継続することができる。
【0052】
本実施形態の変形例について説明する。車両救援装置1の一部の機能ブロック又は全ての機能ブロックは、管理車両2それぞれに備えられていてもよい。例えば、管理車両2は、(車両救援装置1の)管理下の管理車両2の運用に関する運用情報を格納する格納部10と、故障した故障車両を検知する(自車両が故障車両であることを検知する)検知部11と、検知部11によって検知された故障車両(自車両)の救援を行う救援車両を、格納部10によって格納された運用情報に基づいて管理車両2から決定する決定部12と、検知部11によって検知された故障車両(自車両)又は決定部12によって決定された救援車両の少なくとも一方の車両をもう一方の車両へ誘導する誘導部13とを備えてもよい。一部の機能ブロックが車両救援装置1に備えられ、残りの機能ブロックが管理車両2それぞれに備えられる場合、両者の機能ブロックは(車両救援装置1と管理車両2との間の)通信を介して互いに情報を送受信して連携することで同様に機能する。
【符号の説明】
【0053】
1…車両救援装置、2…管理車両、3…車両救援システム、10…格納部、11…検知部、12…決定部、13…誘導部、100…CPU、101…RAM、102…ROM、103…入出力装置、104…通信モジュール、105…補助記憶装置。