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  • 特開-車両衝突装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141712
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】車両衝突装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/02 20120101AFI20230928BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20230928BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20230928BHJP
   B60W 40/105 20120101ALI20230928BHJP
   B60W 40/13 20120101ALI20230928BHJP
【FI】
B60W50/02
B60W40/02
B60W50/04
B60W40/105
B60W40/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048172
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】石坂 俊
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA63
3D241BB71
3D241BB72
3D241BB74
3D241BB76
3D241BB77
3D241BB78
3D241BB80
3D241DB02Z
3D241DB46Z
3D241DC33Z
3D241DC41Z
(57)【要約】
【課題】車両を減速又は停止させること。
【解決手段】車両衝突装置10は、車両の一部制御ができない場合に、車両の周囲の物体を検知する検知部13と、車両を物体に衝突させて車両を減速又は停止させる衝突部15と、を備える。車両衝突装置10は、物体について車両を衝突させた場合のリスク評価を行う評価部14をさらに備え、衝突部15は、リスク評価に基づいて車両を物体に衝突させてもよい。評価部14は、車両の速度又は重量の少なくとも一方に基づいてリスク評価を行ってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の一部制御ができない場合に、前記車両の周囲の物体を検知する検知部と、
前記車両を前記物体に衝突させて前記車両を減速又は停止させる衝突部と、
を備える車両衝突装置。
【請求項2】
前記物体について前記車両を衝突させた場合のリスク評価を行う評価部をさらに備え、
前記衝突部は、前記リスク評価に基づいて前記車両を前記物体に衝突させる、
請求項1に記載の車両衝突装置。
【請求項3】
前記評価部は、前記車両の速度又は重量の少なくとも一方に基づいて前記リスク評価を行う、
請求項2に記載の車両衝突装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、車両を物体に衝突させて車両を減速又は停止させる車両衝突装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、車両を、走行中に認識された障害物との衝突を回避するように制御するための方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-60964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、車両の一部制御ができない場合に、車両を減速又は停止させることが好ましい。そのような場合において、上記方法による制御では、障害物との衝突は回避することができるものの、車両を減速又は停止させることはできない。そこで、車両を減速又は停止させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る車両衝突装置は、車両の一部制御ができない場合に、車両の周囲の物体を検知する検知部と、車両を物体に衝突させて車両を減速又は停止させる衝突部と、を備える。
【0006】
このような側面においては、車両の一部制御ができない場合に、車両を周囲の物体に衝突させて車両を減速又は停止させることができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、車両を減速又は停止させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る自動運転システムの構成例を示すブロック図である。
図2図1に示された車両衝突装置により実行される衝突手順の一例を示すフローチャートである。
図3図1に示された車両衝突装置により実行される衝突手順の別の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における本開示での実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0010】
図1は、自動運転システム1の構成例を示すブロック図である。自動運転システム1は、車両に搭載されており、車両の自動運転を制御する。自動運転システム1は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信器20と、地図データベース30と、周辺状況センサ40と、車両状態センサ50と、通信装置60と、走行装置70と、車両衝突装置10と、を備えている。
【0011】
GPS受信器20は、複数のGPS衛星から送信される信号を受信し、受信信号に基づいて車両の位置及び方位を算出する。GPS受信器20は、算出した情報を車両衝突装置10に送信する。
【0012】
地図データベース30は、道路における各レーンの境界位置を示す情報等を予め記憶しているデータベースである。地図データベース30は、例えば所定の記憶装置に格納されている。
【0013】
周辺状況センサ40は、車両の周辺の状況を検出する。周辺状況センサ40としては、例えば、ライダー、レーダー、カメラ等が用いられる。ライダーは、光を利用して車両の周囲の物標を検出する。レーダーは、電波を利用して車両の周囲の物標を検出する。カメラは、車両の周囲の状況を撮像する。周辺状況センサ40は、検出した情報を車両衝突装置10に送信する。
【0014】
車両状態センサ50は、車両の走行状態を検出する。車両状態センサ50としては、例えば、車速センサ、舵角センサ、ヨーレートセンサ、加速度センサなどが例示される。車速センサは、車両の速度を検出する。舵角センサは、車両の操舵角を検出する。ヨーレートセンサは、車両のヨーレートを検出する。加速度センサは、車両に作用する加速度を検出する。車両状態センサ50は、検出した情報を車両衝突装置10に送信する。
【0015】
通信装置60は、例えばV2X通信(車車間通信および路車間通信)を行う。具体的には、通信装置60は、他の車両との間でV2V通信(車車間通信)を行う。また、通信装置60は、周囲のインフラとの間でV2I通信(路車間通信)を行う。V2X通信を通して、通信装置60は、車両の周囲の環境に関する情報を取得することができる。通信装置60は、取得した情報を車両衝突装置10に送信する。
【0016】
走行装置70は、操舵装置、駆動装置、制動装置、トランスミッション等を含んでいる。操舵装置は、車輪を転舵する。駆動装置は、駆動力を発生させる動力源である。駆動装置としては、エンジンや電動機が例示される。制動装置は、制動力を発生させる。
【0017】
車両衝突装置10は、車両の自動運転を制御する自動運転制御を行う。車両衝突装置10は、プロセッサ、記憶装置及び入出力インタフェースを備えるマイクロコンピュータである。車両衝突装置10は、ECU(Electronic Control Unit)とも呼ばれる。車両衝突装置10は、入出力インタフェースを通して各種情報を受け取る。そして、車両衝突装置10は、受け取った情報に基づいて自動運転制御を行う。
【0018】
車両衝突装置10は、機能ブロックとして、判定部11と、喚起部12と、検知部13(検知部)と、評価部14(評価部)と、衝突部15(衝突部)と、を備えている。これらの機能ブロックは、車両衝突装置10のプロセッサが記憶装置に格納された制御プログラムを実行することにより実現される。制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。
【0019】
車両衝突装置10の各機能ブロックは、車両衝突装置10内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、車両衝突装置10の機能ブロックの一部は、車両衝突装置10とは異なるコンピュータ装置であって、車両衝突装置10とネットワーク接続されたコンピュータ装置内において、車両衝突装置10と情報を適宜送受信しつつ機能してもよい。また、車両衝突装置10の一部の機能ブロックは無くてもよいし、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックに統合してもよいし、一つの機能ブロックを複数の機能ブロックに分解してもよい。
【0020】
判定部11は、車両の一部制御ができるか否かを判定する。
【0021】
一部制御は、例えば、加減速度の制御である。一般的に、車両の制御には、加減速度の制御(縦制御)と操舵制御(横制御)の2つに大別される。操舵系が失陥した場合は、ブレーキ系統はステアリング系統とは独立といえるので、制動させればよい。一方、縦制御が失陥した場合は、かじ取りは出来るが減速できない。この場合は、車両を物体に衝突して(ぶつけて)でも減速させるしかないし、かじ取りができれば周囲の物体に車両を衝突させることは可能である。例えば、かじ取りができれば壁に寄せることはできる。そこで、判定部11は、車両の加減速度の制御ができるか否かを判定してもよい。すなわち、車両衝突装置10は、縦制御の失陥に重きを置いてもよい。
【0022】
判定部11は、車両のコントロール(車両コントロール)が可能であるか否かを判定ししてもよい。判定部11は、他者に危害を与えるリスクが低いと判断できるような車両コントロールが可能であるか否かを判定してもよい。判定部11は、車両コントロールが十分にできるか又は十分にできなくなったかを判定してもよい。判定部11は、車両の部品の故障を検知して車両コントロールが必要量できるか否かを判定してもよい。判定部11は、車両の操舵又制動が失陥又は故障したか否かを判定してもよい。判定部11は、車両が制御不能になったか否かを判定してもよい。なお、本実施形態の以降において、「車両の一部制御ができない」は、車両コントロールが不可能である、他者に危害を与えるリスクが低いと判断できるような車両コントロールが不可能である、車両コントロールが十分にできなくなった、車両コントロールが必要量できない、車両の操舵又制動が失陥又は故障した、若しくは、車両が制御不能になった、などに適宜置き換えてもよい。
【0023】
判定部11は、判定結果を喚起部12及び検知部13に出力する。
【0024】
喚起部12は、判定部11による判定結果に基づいて、他者又は他の車両などに注意喚起を行う。例えば、喚起部12は、判定部11から入力された判定結果が、車両の一部制御ができない旨の結果である場合、車両の一部制御ができないと判定してから車両が停車に至るまで、警音器、ライト(灯火器)又はその他HMI(Human Machine Interface)を用いて緊急事態の発生を他者に伝達する。
【0025】
検知部13は、車両の一部制御ができない場合に、車両の周囲の物体を検知する。検知部13は、判定部11によって車両の一部制御ができないと判定された場合に、車両の周囲の物体を検知してもよい。例えば、検知部13は、判定部11から入力された判定結果が、車両の一部制御ができない旨の結果である場合、周辺状況センサ40によって検出された車両の周辺の状況を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて車両の周囲(周辺、付近、近辺、傍、近隣、近傍、所定の距離以内)の物体(障害物)を検知する。物体は、例えば、縁石、隔壁、(他の)車両(例えば駐車中の無人の車両など)、人家又はガードレールなどである。
【0026】
検知部13は、車両の一部制御ができない場合に、車両の周囲の一つ以上(又は複数)の物体を検知してもよい。
【0027】
検知部13は、検知結果を評価部14及び衝突部15に出力する。
【0028】
評価部14は、(検知部13によって検知された)物体について車両を衝突させた場合のリスク評価を行う。例えば、評価部14は、検知部13から入力された検知結果が示す一つ以上の物体について、車両を衝突させた場合のリスク評価を行う。評価部14は、車両の速度又は重量の少なくとも一方に基づいてリスク評価を行ってもよい。
【0029】
評価部14は、物体について、同定処理を行ってからリスク評価を行ってもよい。同定処理を行うことで、自車両の衝突による停止に引き換えて損害が大きくなる物体(例えば他車両及び人家など)を(以後の処理から対象外とすることで、又は、後述の優先度づけで低い優先度をつけることで)除外することができる。
【0030】
評価部14によるリスク評価は、所定の観点に基づく優先度づけであってもよい。例えば、検知部13によって複数の物体が検知された場合、検知された複数の物体について、観点「(車両を衝突させた場合に)周囲に影響を与えない」及び観点「(車両を衝突させた場合に)車両の現在車速又は車重の少なくとも一方で停車できそうか」に基づいて優先度づけすることで、リスク評価を行う。観点「(車両を衝突させた場合に)周囲に影響を与えない」については、例えば、ガードレールは優先度を高くつけてもよいし(衝突させてもよい)、人家は優先度を低くつけてもよいし(できれば衝突させたくない)、周囲に歩行者がいる場合は優先度を低くつけてもよい(できれば衝突させたくない)。観点「(車両を衝突させた場合に)車両の現在車速又は車重の少なくとも一方で停車できそうか」については、例えば、車両の現在車速(速度)が「10km/h」であれば優先度を高くつけてもよいし(衝突させてもよい)、車両の現在車重(重量)が「10t」であれば優先度を低くつけてもよいし(できれば衝突させたくない)、車両の現在車速が「5km/h」かつ車両の現在車重が「10t」であれば優先度を高くつけてもよい(衝突させてもよい)。評価部14による観点に基づく優先度づけは、例えば、物体、現在車速又は現在車重の少なくとも1つと観点に基づく優先度とから構成される教師データで学習済みの学習済みモデルを用いて実現してもよい。
【0031】
評価部14は、GPS受信器20から取得した車両の位置及び方位、地図データベース30から取得した道路のレーンに関する情報、周辺状況センサ40から取得した車両の周辺の状況を示す情報、車両状態センサ50から取得した車両の状態を示す情報、又は、通信装置60から取得した指示、の少なくとも1つに基づいてリスク評価を行ってもよい。
【0032】
評価部14は、リスク評価の評価結果を衝突部15に出力する。
【0033】
衝突部15は、車両を(検知部13によって検知された)物体に(あえて)衝突させて(ぶつけさせて)車両を減速又は停止させる。具体的には、衝突部15は、車両を物体に衝突させるよう、走行装置70に含まれる各装置を制御する。
【0034】
衝突部15は、リスク評価に基づいて車両を物体に衝突させてもよい。例えば、衝突部15は、評価部14から入力された評価結果が示す優先度のうち、最も優先度が高い物体に車両を衝突させてもよい。これにより、特定の物体(候補)を選定して車両を衝突させることができる。また、他者に与える危害を小さくすることができる。
【0035】
続いて、図2を参照しながら、車両衝突装置10が実行する衝突処理の例を説明する。図2は、図1に示された車両衝突装置10により実行される衝突手順の一例を示すフローチャートである。
【0036】
まず、検知部13が、車両の一部制御ができない場合に、車両の周囲の物体を検知する(ステップS1)。次に、衝突部15が、車両をS1にて検知された物体に衝突させて車両を減速又は停止させる(ステップS2)。
【0037】
続いて、図3を参照しながら、車両衝突装置10が実行する衝突処理の別の例を説明する。図3は、図1に示された車両衝突装置10により実行される衝突手順の別の一例を示すフローチャートである。
【0038】
まず、判定部11が、車両の故障(の発生)を検知する(ステップS10、故障検知処理)。S10にて、判定部11は故障の深刻度を推定してもよい。次に、判定部11が、車両制御が可能か否かを判定する(ステップS11、車両制御可否判定)。S11にて、判定部11はS10にて推定された深刻度に基づいて判定してもよい。S11にて、判定部11は車両の自車速度と自車重量にさらに基づいて判定してもよい。S11にて車両制御が可能であると判定された場合(S11:YES)、車両衝突装置10は所定の処理(例えば故障対応の処理)を実施して(ステップS12、故障対応処理)、処理を終了する。
【0039】
一方、S11にて車両制御が可能ではないと判定された場合(S11:NO)、喚起部12が、警音器又はライト(灯火器)などのHMIを作動させて注意喚起する(ステップS13、注意喚起処理)。次に、車両衝突装置10(又は検知部13)が、車両の自車速度と自車重量を取得する(ステップS14、車両情報取得処理)。次に、検知部13が、車両の周囲の物体(障害物)を検知(検出)する(ステップS15、周囲物体検出処理)。次に、評価部14が、S15にて検知された物体の同定及び衝突のリスク評価を行う(ステップS16、物体の同定・リスク評価処理)。次に、評価部14が、S16にて行われたリスク評価の結果、衝突リスクは許容可能か否かを判定する(ステップS17、衝突可否判定)。S17にて衝突リスクは許容可能ではないと判定された場合(S17:NO)、処理はS14に戻る。一方、S17にて衝突リスクは許容可能であると判定された場合(S17:YES)、衝突部15が、車両をS15にて検知された物体に衝突させるように可能な範囲で制御し、減速・停車させ(ステップS18、衝突させての減速停車制御)、処理を終了する。
【0040】
続いて、実施形態に係る車両衝突装置10の作用効果について説明する。
【0041】
車両衝突装置10によれば、検知部13が、車両の一部制御ができない場合に、車両の周囲の物体を検知し、衝突部15が、車両を検知部13によって検知された物体に衝突させて車両を減速又は停止させる。この構成により、車両の一部制御ができない場合に、車両を周囲の物体に衝突させて車両を減速又は停止させることができる。
【0042】
また、車両衝突装置10によれば、評価部14が、検知部13によって検知された物体について車両を衝突させた場合のリスク評価を行い、衝突部15は、評価部14によって行われたリスク評価に基づいて車両を当該物体に衝突させてもよい。この構成により、リスク評価に基づいて車両を物体に衝突させることができるので、例えば、リスク評価の低い衝突をさせることができる。
【0043】
また、車両衝突装置10によれば、評価部14は、車両の速度又は重量の少なくとも一方に基づいてリスク評価を行ってもよい。この構成により、車両の速度又は重量の少なくとも一方に基づいたより正確なリスク評価を行うことができる。
【0044】
本実施形態の車両衝突装置10による処理方法は、自動運転車の緊急退避方法でもある。車両衝突装置10によれば、無人の自動運転車両においても、ドライバ(人間の運転者)が実施する最終手段である、車両を物体(障害物)にぶつけて車両を停止させる制御を行うことができる。これにより、緊急時における周囲(車両)への影響を最小限に抑えることができる。
【0045】
車両衝突装置10は、自動運転車の操舵又は制動の故障時、つまり車両コントロールが十分にできなくなったと判断した場合に、より危害の少ない手段で車両を停止させる技術である。車両衝突装置10は、プロのドライバ(人間の運転者)が行う最終手段を自動運転車でも実現することで、全ての合理的な手段が尽きた場合にでも、ぶつけるべき候補を選定し、他者への影響を最小限にする停止方法を自動化することができる。これにより、無人の故障車を停止させることができ、この技術を実装せずに他者を巻き込むことで被害が大きくなってしまう場合と比べれば、周囲(車両)への影響を最小限にできる。
【0046】
本実施形態において、車両は自動運転であることを想定したが、これに限らず、有人運転の車両に車両衝突装置10を搭載し、同様の処理を実現させてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…車両衝突装置、11…判定部、12…喚起部、13…検知部、14…評価部、15…衝突部、20…GPS受信器、30…地図データベース、40…周辺状況センサ、50…車両状態センサ、60…通信装置、70…走行装置。
図1
図2
図3