(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141752
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/08 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B05C11/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048232
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002428
【氏名又は名称】芝浦メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】林 航之介
(72)【発明者】
【氏名】樋口 晃一
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042AA07
4F042AB00
4F042BA05
4F042BA12
4F042DH09
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB13
4F042EB17
4F042EB27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カップの内壁面に留まる処理液に、新たに飛散した処理液が衝突することによるミストの発生を抑制し、そのミストが基板に付着することを防止することが出来る基板処理装置、基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板Wを保持する保持部11と、保持部11に設けられ、前記保持部11と共に基板Wを回転させる駆動部12と、基板Wを処理するために、基板Wの被処理面に対して処理液を供給する供給部13と、基板Wを囲うように設けられる第1のカップC1と、第1のカップC1を囲うように設けられ、内壁面の性質が第1のカップC1と異なる第2のカップC2と、第1のカップC1及び第2のカップC2を移動させ、基板Wから飛散する処理液を、第1のカップC1の内壁面または第2のカップC2の内壁面の一方に受けさせる移動制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する保持部と、
前記保持部に設けられ、前記保持部と共に前記基板を回転させる駆動部と、
前記基板を処理するために、前記基板の被処理面に対して処理液を供給する供給部と、
前記基板を囲うように設けられる第1のカップと、
前記第1のカップを囲うように設けられ、内壁面の性質が前記第1のカップと異なる第2のカップと、
前記第1のカップ及び前記第2のカップを移動させ、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けさせる移動制御部と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記第1のカップの内壁面は、親水性であり、
前記第2のカップの内壁面は、疎水性である、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記移動制御部は、
前記処理液が高粘性である場合、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第1のカップの内壁面に受けさせ、
前記処理液が低粘性である場合、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第2のカップの内壁面に受けさせる、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第1のカップの内壁面は、疎水性であり、
前記第2のカップの内壁面は、親水性である、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記移動制御部は、
前記処理液が高粘性である場合、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第2のカップの内壁面に受けさせ、
前記処理液が低粘性である場合、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第1のカップの内壁面に受けさせる、
請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けられ、前記基板側に跳ね返る前記処理液の飛沫を検出する検出部を更に備え、
前記検出部が所定の量以上の前記処理液の飛沫を検出した場合、前記駆動部は、前記基板の回転数を低下させる、
請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けられ、前記基板側に跳ね返る前記処理液の飛沫を検出する検出部を更に備え、
前記検出部が所定の量以上の前記処理液の飛沫を検出した場合、前記供給部は、前記基板に供給する前記処理液の供給量を減少させる、
請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けられ、前記基板側に跳ね返る前記処理液の飛沫を検出する検出部を更に備え、
前記検出部が所定の量以上の前記基板側に跳ね返る前記処理液の飛沫を検出した場合、前記駆動部は、前記基板の回転数を低下させ、前記供給部は、前記基板に供給する前記処理液の供給量を減少させる、
請求項1乃至5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項9】
基板を保持するステップと、
保持した前記基板を回転させるステップと、
前記基板を処理するために、前記基板の被処理面に対して処理液を供給するステップと、
前記基板を囲うように設けられる第1のカップ及び前記第1のカップを囲うように設けられ、内壁面の性質が前記第1のカップと異なる第2のカップを移動させ、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けさせるステップと、
を備える基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、半導体ウェーハなどの基板を回転させながら、基板の被処理面に対して処理液を供給し、エッチング処理や洗浄処理等を行う枚葉式の基板処理装置が知られている。基板処理装置は、基板保持部と、回転駆動部と、処理液供給部と、処理液回収部とを備える。基板保持部は、テーブルに設けられたチャックピンにより基板の端部を保持する。回転駆動部は、基板保持部と共に基板を回転させる。処理液供給部は、回転する基板の被処理面に向けて処理液を吐出する。処理液回収部は、回転する基板から飛散する処理液を回収する。具体的には、回転駆動部を包囲するように設けられたカップにより、飛散した処理液を受ける。処理液は、カップの内壁面を伝って下方に流れ、カップの底部に設けられた配管から回収され、再利用される。
【0003】
基板処理は、一般的に、複数種の処理液を切り替えて行われる。そのため、処理液を受けるカップについては、例えば特許文献1に記載されているように、上下に移動することで高さを変更することにより、基板から飛散する処理液を、処理液の種類ごとに受けることの出来る技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数種の処理液により基板処理を行う場合、例えば処理液の粘性の違いにより、処理液がカップの内壁面に留まることがある。このカップの内側に留まる処理液に対して、新たに飛散した処理液が衝突すると、処理液が弾けてミスト状になる。このミスト状になった処理液は、カップの外側に飛散するおそれや、基板側に跳ね返って基板に付着するおそれがあった。特に、基板に付着した処理液のミストが乾燥することにより、製品不良につながりかねないという問題があった。
【0006】
本発明は、カップの内壁面に留まる処理液に、新たに飛散した処理液が衝突することによるミストの発生を抑制し、そのミストが基板に付着することを防止することが出来る基板処理装置、基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板処理装置は、基板を保持する保持部と、前記保持部に設けられ、前記保持部と共に前記基板を回転させる駆動部と、前記基板を処理するために、前記基板の被処理面に対して処理液を供給する供給部と、前記基板を囲うように設けられる第1のカップと、前記第1のカップを囲うように設けられ、内壁面の性質が前記第1のカップと異なる第2のカップと、前記第1のカップ及び前記第2のカップを移動させ、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けさせる移動制御部と、を備える。
【0008】
本発明の基板処理方法は、基板を保持するステップと、保持した前記基板を回転させるステップと、前記基板を処理するために、前記基板の被処理面に対して処理液を供給するステップと、前記基板を囲うように設けられる第1のカップ及び前記第1のカップを囲うように設けられ、内壁面の性質が前記第1のカップと異なる第2のカップを移動させ、前記基板から飛散する前記処理液を、前記第1のカップの内壁面または前記第2のカップの内壁面の一方に受けさせるステップと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の基板処理装置、基板処理方法は、カップの内壁面に留まる処理液に対して、新たに飛散した処理液が衝突することによるミストの発生を抑制し、そのミストが基板に付着することを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】実施形態の基板処理装置において、第1のカップが下方に移動した状態を示す図。
【
図4】実施形態の基板処理装置の作用を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(構成)
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の基板処理装置1は、
図1に示すように、例えば半導体ウェーハなどの基板Wの面(以下、被処理面ともいう。)に対して処理液を供給し、エッチング処理や洗浄処理を行う枚葉式の基板処理装置である。基板処理装置1は、基板Wを保持する保持部11と、保持部11と共に基板Wを回転させる駆動部12と、基板Wに処理液を供給する供給部13と、基板Wに供給された処理液を排出する排出部14と、基板Wから飛散し、後述のカップCにより受けられて跳ね返った処理液を検出する検出部15と、を備える。基板処理装置1は、後述の制御部8を備え、この制御部8により制御される。
【0012】
保持部11は、テーブルTと、テーブルTの天面に設けられるチャックピンPとを備える。テーブルTは、例えば円筒形状のステージである。チャックピンPは、テーブルTの天面に設けられ、基板Wの縁を保持する。
【0013】
駆動部12は、保持部11に設けられる。駆動部12は、例えばモータなどの駆動源により、基板Wに直交する軸を中心に、保持部11と共に保持部11が保持した基板Wを回転させる。基板Wの回転数は、制御部8により制御される。
【0014】
供給部13は、基板Wの両面に対向して設けられ、駆動部12により回転する基板Wの両面に向けて、処理液を吐出するノズルである。供給部13は、基板Wの各面に対して1つ設けられても良いし、複数設けられても良いが、以下では各面に対して1つ設けられているものとして説明する。基板Wの両面のうちテーブルTの天面と同じ向きの面(表面)に対向するノズルは、図示しないノズル移動機構に接続され、基板Wの表面の中心に対向する吐出位置と、この吐出位置から基板Wの径方向外側の待機位置との間を往復可能に設けられる。基板Wの両面のうちテーブルTの天面に対向する面(裏面)に対向するノズルは、テーブルTの中心に設けられた図示しない中空部に設けられる。なお、このノズルは、駆動部12の影響を受けず、テーブルTと共に回転しないように不動に設けられる。ノズルの移動及び処理液の供給量は、制御部8により制御される。
【0015】
本実施形態の処理液としては、BHF(Buffered Hydrogen Fluoride)、DIW(DeIonized Water)、オゾン水、HF(Hydrogen Fluoride)を用いる。
【0016】
BHFは、高純度のフッ化水素酸の水溶液とフッ化アンモニウムの水溶液とを混合した水溶液である。BHFは、基板Wの面に形成された酸化膜や、基板Wの面(被処理面)に付着した金属不純物などを除去するためのエッチング液として用いられる。また、BHFは、高粘性となっている。
【0017】
DIWは、不純物をほとんど含まない純水である。DIWは、基板Wからエッチング液を除去するためのリンス液として用いられる。また、DIWは、低粘性となっている。
【0018】
オゾン水は、オゾンの水溶液である。オゾン水は、BHFやHFによって酸化膜が除去され、Siが露出した基板Wの面に酸化膜を形成するために用いられる。また、オゾン水は、低粘性となっている。
【0019】
HFは、フッ化水素酸の水溶液である。HFは、BHFと同様に、基板Wの面に形成された酸化膜や、基板Wの面に付着した金属不純物などを除去するためのエッチング液として用いられる。また、HFは、低粘性となっている。
【0020】
排出部14は、基板Wの面から飛散する処理液を受け、排出する容器である。排出部14は、駆動部12が保持した基板Wを包囲するように設けられ、基板Wの面から飛散する処理液を受けるカップCと、カップCの底部に設けられ、カップCの内壁面を伝ってきた処理液を排出する配管Dとを備える。
【0021】
カップCは、第1のカップC1と、第2のカップC2と、を備える。第1のカップC1及び第2のカップC2は、基板Wの面(表面)を露出させる開口を有する円筒形状で、いずれも基板Wを囲うように設けられる。第2のカップC2は、第1のカップC1よりも径が大きく、第1のカップC1を囲うように設けられる。第1のカップC1及び第2のカップC2の開口を形成する上部の壁面は、径方向の内側に向けて傾斜するように屈曲している。この屈曲した部分(以下、屈曲部ともいう。)の先端は、基板Wを保持する保持部11に近接して設けられる。後述するように、第1のカップC1及び第2のカップC2には、それぞれの内壁面を伝って流れる処理液を排出するために、第1の配管D1及び第2の配管D2が設けられているが、第2のカップC2の内壁面で受けた処理液は、第1のカップC1の屈曲部の上面に妨げられ、誤って第1の配管D1に流れ込まないようになっている(
図2参照)。
【0022】
第1のカップC1の内壁面は、例えば細かい溝が無数に刻まれ、親水性となっている。第2のカップC2の内壁面は、例えばPFAによってコーティングされ、あるいはPTFEからなり、疎水性となっている。このように、第1のカップC1と第2のカップC2とは、内壁面の性質が異なる。
【0023】
第1のカップC1は、移動機構M1を備える。移動機構M1は、制御部8により制御され、第1のカップC1を上下に移動させる。第2のカップC2は、移動機構M2を備える。移動機構M2は、制御部8により制御され、第2のカップC2を上下に移動させる。
図1に示すように、第1のカップC1が上方に移動した状態であると、基板Wから飛散する処理液は、第1のカップC1の内壁面で受けられる。一方で、
図2に示すように、第2のカップC2が上方に移動した状態であって、第1のカップC1が下方に移動した状態であると、基板Wから飛散する処理液に対して第2のカップC2の内壁面が露出する。これにより、基板Wから飛散する処理液は、第2のカップC2の内壁面で受けられる。
【0024】
以下、処理液の粘性とカップCの内壁面の性質との関係について、本願発明者らが発見した知見を説明する。
【0025】
高粘性の処理液を受ける場合、低粘性の処理液を受ける場合に比して、カップCの内壁面に処理液が留まり易い。そのため、高粘性の処理液は、低粘性の処理液に比して、カップCの内壁面において盛り上がった状態(液滴の接触角が大きい状態)で留まり易い。この盛り上がった状態の処理液に対して、新たに基板Wから飛散してくる処理液が衝突すると、その衝撃で処理液が弾けて細分化され、ミスト状となる。ミスト状となった処理液は、衝突の衝撃により基板W側に跳ね返り、基板Wの被処理面に付着することで、製造不良のおそれを招いていた。
【0026】
高粘性の処理液は、その粘性の高さにより、弾けにくいものである。しかしながら、上述のようにカップCの内壁面に盛り上がった状態で留まる液滴となると、新たに基板Wから飛散してくる処理液と衝突して、液滴の形状が崩れ、弾けることによりミスト状となってしまう。この時、カップCの内壁面が親水性であると、内壁面に受けられる処理液は、カップCの内壁面に広がるように留まる。すなわち、カップCの内壁面が疎水性である場合に比して、内壁面に受けられる処理液が平坦な形状(液滴の接触角が小さい状態)となり易い。このような平坦な形状で付着した処理液に対しては、新たに基板Wから飛散してきた処理液に衝突しても形状が崩れにくいため、弾けてミスト状となるおそれも少ない。すなわち、衝突の衝撃により処理液がミスト状となり、基板W側に跳ね返るおそれが少なくなる。従って、高粘性の処理液に対しては、親水性の第1のカップC1で受けることが好ましい。
【0027】
一方で、低粘性の処理液であっても、内壁面が親水性のカップCで受ける場合、カップCの内壁面において平坦な形状(液滴の接触角が小さい状態)となり易い。しかしながら、低粘性の処理液は、処理液の粘性そのものにより、高粘性の処理液に比して弾けやすい。すなわち、低粘性の処理液は、カップCの内壁面に留まるだけでも新たに基板Wから飛散してくる処理液が衝突すると、その衝撃で弾けてミスト状になり易い。この時、カップCの内壁面が疎水性であると、低粘性の処理液は、その粘性の低さのために、カップCの内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、少量でもカップCの内壁面に留まりにくく、カップCの内壁面を伝って下方に流れ落ちやすい。そのため、カップCの内壁面に留まる処理液に新たに基板Wから飛散してくる処理液が衝突するおそれが抑制され、処理液がミスト状になりにくい。処理液がミスト状となりにくいので、処理液が基板W側に跳ね返り、基板Wに付着するおそれが抑制される。従って、低粘性の処理液に対しては、疎水性の第2のカップC2で受けることが好ましい。
【0028】
以上のように、処理液の粘性に応じて、内壁面が親水性の第1のカップC1と内壁面が疎水性の第2のカップC2とを適切に使い分けて処理液を受けることにより、処理液がミスト状になるおそれを抑制することが出来る。処理液がミスト状となりにくいので、処理液が基板W側に跳ね返り、基板Wに付着するおそれが抑制される。なお、どの処理液に対して、いずれの性質の内壁面のカップCで受けることが適切であるかは、予め実験などによって、ミスト発生量を測定することにより求めることが出来る。本実施形態においては、BHFに対しては親水性の内壁面を有する第1のカップC1を、DIW、オゾン水、HFに対しては疎水性の内壁面を有する第2のカップC2をそれぞれ用いて処理液を受けることとする。
【0029】
配管Dは、第1のカップC1の底面に設けられる第1の配管D1と、第1のカップC1の外側において第2のカップC2の底面に設けられる第2の配管D2とを備える。第1の配管D1は、第1のカップC1の内壁面を伝ってきた処理液を排出(排液)する。第2の配管D2は、第2のカップC2の内壁面を伝ってきた処理液を排出(排液)する。具体的には、第1の配管D1及び第2の配管D2は、それぞれ図示しない気液分離装置に接続される。カップCの内壁面を伝ってきた処理液は、気液分離装置により、処理液の回収タンクもしくは工場の排液設備に送られ、排出される。また、気液分離装置は、処理液の種類により送液する先を変更することが出来、これにより、処理液の種類ごとに排出することが出来る。なお、排気は、気液分離装置により、工場の排気設備に送られ、排出される。
【0030】
検出部15は、例えば光電センサなどのセンサである。以下では、検出部15を、投光部と受光部が一体となっている反射型の光電センサとして説明する。検出部15は、カップCの上方であって、カップCの昇降動作に支障をきたさない位置に設けられる。また、検出部15は、その光軸が基板Wの面と平行となるように設けられる。検出部15の光軸の高さは、例えば、上方に移動したカップCの上端よりも若干高い高さである。検出部15は、基板Wから飛散し、カップCの内壁面に受けられ、カップCの内壁面から基板W側に跳ね返る処理液の飛沫(以下、ミストともいう。)を検出する。これにより、検出部15は、その光軸に届く高さまで跳ね返る処理液の飛沫(ミスト)を検出する。検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出した場合、制御部8の制御により、駆動部12は基板Wの回転数を低下させ、供給部13は処理液の供給量を減少させる。
【0031】
制御部8は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成され、基板処理装置1の各構成を制御する。制御部8は、
図3に示すように、保持制御部81と、駆動制御部82と、供給制御部83と、移動制御部84と、記憶部85と、設定部86と、入出力制御部87と、を備える。
【0032】
保持制御部81は、保持部11を制御し、基板Wを保持させる。駆動制御部82は、駆動部12を制御し、基板Wを回転または停止させる。また、駆動制御部82は、駆動部12を制御し、基板Wの回転数を変える。例えば、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出した場合、基板Wの回転数を低下させる。
【0033】
供給制御部83は、供給部13を制御し、ノズルを移動させ、さらに処理液を供給または停止させる。また、供給制御部83は、供給部13を制御し、処理液の供給量を変える。例えば、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出した場合、処理液の供給量を減少させる。
【0034】
移動制御部84は、排出部14が備える第1のカップC1及び第2のカップC2を制御する。具体的には、第1のカップC1が備える移動機構M1と、第2のカップC2が備える移動機構M2とを制御し、第1のカップC1及び第2のカップを移動させる。例えば、第1のカップC1及び第2のカップC2が上昇した状態で、第1のカップC1を昇降させることにより、基板Wから飛散する処理液に対して、第1のカップC1の内壁面で受けるか、第2のカップC2の内壁面で受けるかを選択することが出来る。すなわち、移動制御部84は、第1のカップC1及び第2のカップC2を移動させ、基板Wから飛散する処理液を、第1のカップC1の内壁面または第2のカップC2の内壁面の一方に受けさせる。これにより、処理液の種類に応じてミストの発生しにくいカップCを選択することが出来る。また、選択したカップCの底部に設けられる配管Dにより、処理液をその種類ごとに排出することが出来る。
【0035】
記憶部85は、HDDまたはSSD等の記録媒体である。記憶部85には、システムの動作に必要なデータ、プログラムが予め記憶され、また、システムの動作に必要なデータを記憶する。設定部86は、入力に従って情報を記憶部85に設定する処理部である。入出力制御部87は、制御対象となる各構成との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
【0036】
制御部8には、入力装置91、出力装置92が接続されている。入力装置91は、オペレータが、制御部8を介して基板処理装置1を操作するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の入力手段である。オペレータは、入力装置91によって、記憶部85に設定される各種の情報を入力することができる。出力装置92は、装置の状態を確認するための情報を、オペレータが視認可能な状態とするディスプレイ、ランプ、メータ等の出力手段である。例えば、出力装置92は、入力装置91からの情報の入力画面を表示することができる。
【0037】
(作用)
基板処理装置1の作用について、
図4のフローチャートを参照して説明する。前提として、基板Wは、保持部11のテーブルTに設けられたチャックピンPに保持されているものとする。また、第1のカップC1及び第2のカップC2は、
図1に示すように、移動機構M1及び移動機構M2により上方に移動されている。すなわち、基板Wから飛散する処理液は、第1のカップC1の内壁面に受けられる。なお、この前提は、まず、第1のカップC1及び第2のカップC2を下降させ、基板処理装置1に基板Wを搬送し、次に、保持部11に基板Wを保持させ、第1のカップC1及び第2のカップC2を上昇させることにより実現される。
【0038】
まず、駆動制御部82の制御により、駆動部12は、所定の回転数で基板Wを回転させる(ステップS01)。次に、供給制御部83の制御により、供給部13は、基板Wの被処理面に対して所定量のBHFを供給し、基板Wから飛散するBHFを親水性の第1のカップC1に受けさせる(ステップS02)。内壁面が親水性の第1のカップC1で受けられたBHFは、第1の配管D1から排液される。この時、高粘性のBHFは、第1のカップC1の内壁面に広がるように留まり、平坦な形状(液滴の接触角が小さい状態)となり易いので、新たに飛散するBHFと衝突して弾けることによるミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制される。これにより、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0039】
BHFによる基板Wのエッチングが所定の時間行われると、供給制御部83の制御により、供給部13は、BHFの供給を停止する(ステップS03)。続いて、移動制御部84の制御により、排出部14は、
図2に示すように、第1のカップC1を下方に移動させ、予め上方に移動していた第2のカップC2を露出させる(ステップS04)。第2のカップC2が露出すると、供給制御部83の制御により、供給部13は、BHFを基板Wから除去するために、供給する処理液をBHFからDIWに切り替え、基板Wの面に対して所定量のDIWを供給し、内壁面が疎水性の第2のカップC2に受けさせる(ステップS05)。第2のカップC2に受けられたDIWは、第2のカップC2の内壁面を下方に伝い、第2の配管D2から排液される。この時、低粘性のDIWは、その粘性の低さのために、疎水性の第2のカップC2の内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、第2のカップC2の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、新たに飛散するDIWと衝突するおそれが抑制され、これにより、ミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制され、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0040】
DIWによる基板Wのリンスが所定の時間行われると、供給制御部83の制御により、供給部13は、DIWの供給を停止する。移動制御部84は、第1のカップC1を下降させ、第2のカップC2を上昇させた状態を維持する。次に、供給制御部83の制御により、供給部13は、基板Wの被処理面上に酸化膜を形成するために、供給する処理液をDIWからオゾン水に切り替え、基板Wの面に対して所定量のオゾン水を供給し、内壁面が疎水性の第2のカップC2に受けさせる(ステップS06)。第2のカップC2に受けられたオゾン水は、第2のカップC2の内壁面を下方に伝い、第2の配管D2から排液される。この時、低粘性のオゾン水は、その粘性の低さのために、疎水性の第2のカップC2の内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、第2のカップC2の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、新たに飛散するオゾン水と衝突するおそれが抑制され、これにより、ミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制され、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0041】
オゾン水による基板Wに対する酸化膜の形成が所定の時間行われると、供給制御部83の制御により、供給部13は、オゾン水の供給を停止する。移動制御部84は、第1のカップC1を下降させ、第2のカップC2を上昇させた状態を維持する。次に、供給制御部83の制御により、供給部13は、基板Wから酸化膜を除去するために、供給する処理液をオゾン水からHFに切り替え、基板Wの被処理面に対して所定量のHFを供給し、内壁面が疎水性の第2のカップC2に受けさせる(ステップS07)。第2のカップC2に受けられたHFは、第2のカップC2の内壁面を下方に伝い、第2の配管D2から排液される。この時、低粘性のHFは、その粘性の低さのために、疎水性の第2のカップC2の内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、第2のカップC2の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、新たに飛散するHFと衝突するおそれが抑制され、これにより、ミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制され、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0042】
HFによる基板Wのエッチングが所定の時間行われると、供給制御部83の制御により、供給部13は、HFの供給を停止する。移動制御部84は、第1のカップC1を下降させ、第2のカップC2を上昇させた状態を維持する。次に、供給制御部83の制御により、供給部13は、基板Wに酸化膜を形成するために、供給する処理液をHFからオゾン水に切り替え、基板Wの被処理面に対して所定量のオゾン水を供給し、内壁面が疎水性の第2のカップC2に受けさせる(ステップS08)。第2のカップC2に受けられたオゾン水は、第2のカップC2の内壁面を下方に伝い、第2の配管D2から排液される。この時、低粘性のオゾン水は、その粘性の低さのために、疎水性の第2のカップC2の内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、第2のカップC2の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、新たに飛散するオゾン水と衝突するおそれが抑制され、これにより、ミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制され、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0043】
オゾン水による基板Wに対する酸化膜の形成が所定の時間行われると、供給制御部83の制御により、供給部13は、オゾン水の供給を停止する。移動制御部84は、第1のカップC1を下降させ、第2のカップC2を上昇させた状態を維持する。次に、供給制御部83の制御により、供給部13は、基板WからHFを除去するために、供給する処理液をオゾン水からDIWに切り替え、基板Wの被処理面に対して所定量のDIWを供給し、内壁面が疎水性の第2のカップC2に受けさせる(ステップS09)。第2のカップC2に受けられたDIWは、第2のカップC2の内壁面を下方に伝い、第2の配管D2から排液される。この時、低粘性のDIWは、その粘性の低さのために、疎水性の第2のカップC2の内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、第2のカップC2の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、新たに飛散するDIWと衝突するおそれが抑制され、これにより、ミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制され、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0044】
DIWによる基板Wのリンスが所定の時間行われると、供給制御部83の制御により、供給部13は、DIWの供給を停止する(ステップS10)。最後に、駆動制御部82の制御により、駆動部12は、基板Wの回転数を上昇させる(ステップS11)。これにより、基板WからDIWを振り切り、基板Wを乾燥させる。振り切られたDIWは、第2のカップC2の内壁面で受けられ、第2の配管D2から排液される。この時、低粘性のDIWは、その粘性の低さのために、疎水性の第2のカップC2の内壁面に付着する力が弱く、液玉状(液滴の接触角が大きい状態)となる。すなわち、第2のカップC2の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、新たに飛散するDIWと衝突するおそれが抑制され、これにより、ミストの発生及び基板W側への跳ね返りが抑制され、基板Wの被処理面にミストが付着することを抑制することが出来る。
【0045】
また、上述のステップS01~11における基板Wの処理において、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出した場合、駆動制御部82の制御により、駆動部12は基板Wの回転数を低下させ、供給制御部83の制御により、供給部13は処理液の供給量を減少させてもよい。これにより、カップCの内壁面に受けられる処理液の勢いが抑えられ、また処理液の量も減少するので、処理液の粘性に適した内壁面を有するカップCを選択してもミストを十分に抑制出来ない場合にも、処理液の衝突によるミストの発生及び基板W側への跳ね返りを効果的に抑制することが出来る。これにより、基板Wの被処理面にミストが付着することを効果的に抑制することが出来る。
【0046】
基板Wの回転数の低下は、所定の回転数まで一律に低下させてもよいし、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出しなくなるまで徐々に低下させてもよい。この場合、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出しなくなった時点で、基板Wの回転数を維持すればよい。
【0047】
処理液の供給量の低下は、所定の供給量まで一律に低下させてもよいし、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出しなくなるまで徐々に低下させてもよい。この場合、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出しなくなった時点で、処理液の供給量を維持すればよい。
【0048】
また、検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出しなくなった時点で維持された基板Wの回転数や処理液の供給量は、記憶部85に記憶され、次回以降の基板Wの処理に用いられても良い。なお、次回以降の基板Wの処理において、再度検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出した場合は、基板Wの回転数や処理液の供給量を再度調整し、この調整した基板Wの回転数や処理液の供給量を新たに用いるようにしても良い。
【0049】
(効果)
(1)本実施形態の基板処理装置1は、基板Wを保持する保持部11と、保持部11に設けられ、前記保持部11と共に基板Wを回転させる駆動部12と、基板Wを処理するために、基板Wの被処理面に対して処理液を供給する供給部13と、基板Wを囲うように設けられる第1のカップC1と、第1のカップC1を囲うように設けられ、内壁面の性質が第1のカップC1と異なる第2のカップC2と、第1のカップC1及び第2のカップC2を移動させ、基板Wから飛散する処理液を、第1のカップC1の内壁面または第2のカップC2の内壁面の一方に受けさせる移動制御部84と、を備える。これにより、処理液の粘性に応じて処理液を受けるのに適した内壁面を有するカップCを選択することが出来る。例えば、カップCの内壁面に受けられて留まる高粘性の処理液に対しては、内壁面における液滴の接触角を小さくすることが出来るようなカップCを選択し、カップCの内壁面に受けたとき弾けてミスト状になりやすい低粘性の処理液に対しては、内壁面に留まりにくいようなカップCを選択することが出来る。これにより、内壁面に留まる処理液が新たに飛散する処理液と衝突してミストが発生するおそれや、内壁面に処理液を留まらせずに新たに飛散する処理液と衝突するおそれを抑制し、これによりミストの発生を抑制することが出来る。いずれの場合であっても、ミストの発生を抑制することにより、ミストが基板Wの被処理面に付着することを抑制することが出来る。
【0050】
(2)本実施形態の第1のカップC1の内壁面は、親水性であり、第2のカップC2の内壁面は、疎水性である。これにより、処理液がBHFなどの高粘性のものに対しては、親水性の第1のカップC1の内壁面で受けることにより、内壁面における処理液の接触角を小さくし、新たに飛散する処理液と衝突してミストが発生するおそれを抑制することが出来る。また、処理液がDIW、オゾン水、HFなどの低粘性のものに対しては、疎水性の第2のカップC2の内壁面で受けることにより、内壁面における処理液の接触角を大きくし、処理液を留まらせずに新たに飛散する処理液と衝突するおそれを抑制し、これによりミストの発生を抑制することが出来る。いずれの場合であっても、ミストの発生を抑制することにより、ミストが基板Wの被処理面に付着することを抑制することが出来る。
【0051】
(3)本実施形態の基板処理装置1は、第1のカップC1の内壁面または第2のカップC2の内壁面の一方に受けられ、基板W側に跳ね返る処理液の飛沫を検出する検出部15を更に備え、検出部15が所定の量以上の処理液の飛沫を検出した場合、駆動部12は、基板Wの回転数を低下させ、供給部13は、基板Wに供給する処理液の供給量を減少させる。これにより、カップCの内壁面に受けられる処理液の勢いが抑えられ、また処理液の量も減少するので、処理液の粘性に適した内壁面を有するカップCを選択してもミストを十分に抑制出来ない場合にも、処理液の衝突によるミストの発生及び基板W側への跳ね返りを効果的に抑制することが出来る。これにより、基板Wの被処理面にミストが付着することを効果的に抑制することが出来る。
【0052】
[変形例]
(1)上記実施形態においては、第1のカップC1を親水性とし、第1のカップC1の外側に設けられる第2のカップC2を疎水性としたが、これに限られない。第1のカップC1を疎水性とし、第1のカップC1の外側に設けられる第2のカップC2を親水性としても良い。この場合、上記実施形態と同様に、初めに高粘性の処理液であるBHFによる処理を行い、続いて低粘性の処理液であるDIW、オゾン水、HFによる処理を行うとすると、BHFによる処理の段階では、第1のカップC1を下方に移動させ、基板Wから飛散する処理液に対して第2のカップC2を露出させておく。これにより、高粘性のBHFは、外側に設けられる親水性の第2のカップC2により受けられるので、内壁面における処理液の接触角を小さくし、新たに飛散する処理液と衝突してミストが発生するおそれを抑制することが出来る。一方で、DIW、オゾン水、HFによる処理の段階では、第1のカップC1を上方に移動させ、基板Wから飛散する処理液に対して第1のカップC1を対向させておく。これにより、低粘性のDIW、オゾン水、HFは、疎水性の第1のカップC1により受けられ、第1のカップC1の内壁面に留まることなく次々に流れていくので、内壁面に処理液を留まらせずに新たに飛散する処理液と衝突するおそれを抑制し、これによりミストの発生を抑制することが出来る。いずれの場合であっても、ミストの発生を抑制することにより、ミストが基板Wの被処理面に付着することを抑制することが出来る。
【0053】
(2)上記実施形態の検出部15が所定量以上の処理液の飛沫を検出した場合、駆動制御部82の制御により、駆動部12は基板Wの回転数を低下させ、供給制御部83の制御により、供給部13は処理液の供給量を減少させるものとしたが、これに限られない。例えば、駆動部12は基板Wの回転数を低下させるが、供給部13は処理液の供給量を減少させなくても良い。また、供給部13は処理液の供給量を減少させるが、駆動部12は基板Wの回転数を低下させなくても良い。なお、検出部15を省略し、検出部15の検出に応じて基板Wの回転数や処理液の供給量を制御しなくても良い。
【0054】
(3)上記実施形態の検出部15は、投光部と受光部が一体となっている反射型の光電センサとしたが、これに限られない。例えば、投光部と受光部が別体となっている透過型の光電センサでも良い。また、検出部15は、光電センサに限らず、赤外線(IR)カメラ、CCDカメラ、CMOSカメラなどであっても良い。
【0055】
(4)上記実施形態の処理液は、BHF、DIW、オゾン水、HFとしたが、これに限られない。例えば、硫酸、リン酸など、基板Wを処理するのに適した処理液であればどのようなものを用いても良い。また、上記実施形態の処理液を用いる順序は一例であり、どのような順序で処理液を用いても良い。例えば、低粘性の処理液、高粘性の処理液、低粘性の処理液の順序で用いても良い。この場合、基板Wから飛散する処理液に対しては、疎水性の第2のカップC2の内壁面、親水性の第1のカップC1の内壁面、疎水性の第2のカップC2の内壁面を、それぞれ対向させて、各処理液を受ければ良い。
【0056】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
1 基板処理装置
11 保持部
12 駆動部
13 供給部
14 排出部
15 検出部
8 制御部
81 保持制御部
82 駆動制御部
83 供給制御部
84 移動制御部
85 記憶部
86 設定部
87 入出力制御部
91 入力装置
92 出力装置
C カップ
C1 第1のカップ
C2 第2のカップ
D 配管
D1 第1の配管
D2 第2の配管
M1、M2 移動機構
P チャックピン
T テーブル
W 基板