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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141782
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】枠の取付構造及び枠の取付調整部品
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
E06B1/56 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048269
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】西川 忠伸
(72)【発明者】
【氏名】中桐 卓大
【テーマコード(参考)】
2E011
【Fターム(参考)】
2E011JA02
2E011KA02
2E011KB03
2E011KC02
2E011KC03
2E011KC04
2E011KC07
2E011KD26
2E011KD28
2E011KD35
2E011KE03
2E011KE04
2E011KE06
2E011KG06
(57)【要約】
【課題】躯体の開口部に枠を取り付ける取付構造において、枠の取付位置を容易に調整できる枠の取付構造を提供すること。
【解決手段】躯体9の開口部9aに枠を取り付ける枠の取付構造であって、躯体91,92に対する枠11,12の位置を調整可能であり、かつ、躯体91,92と枠11,12とを固定する調整固定部5,6を備え、調整固定部5,6は、上下方向Zに延びる第1長孔512a,612aを有する第1部材51,61と、室内外方向Yに延びる第2長孔521a,621aを有する第2部材52,62と、第1長孔512a,612a及び第2長孔521a,621aに貫通して第1部材51,61と第2部材52,62とを締結する第1締結部材53,63と、を有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
躯体の開口部に枠を取り付ける枠の取付構造であって、
前記躯体に対する前記枠の位置を調整可能であり、かつ、前記躯体と前記枠とを固定する調整固定部を備え、
前記調整固定部は、上下方向に延びる第1長孔を有する第1部材と、室内外方向に延びる第2長孔を有する第2部材と、前記第1長孔及び前記第2長孔に貫通して前記第1部材と前記第2部材とを締結する第1締結部材と、を有する、枠の取付構造。
【請求項2】
前記枠と前記調整固定部とを締結する第2締結部材を備え、
前記枠は、前記枠の長手方向に延びると共に前記第2締結部材の頭部が前記枠の長手方向に移動可能に配置される溝を有する、請求項1に記載の枠の取付構造。
【請求項3】
前記調整固定部は、前記枠の室内外方向の範囲の外側において、前記躯体に対する前記枠の位置を調整可能である、請求項1又は2に記載の枠の取付構造。
【請求項4】
躯体の開口部に枠を取り付ける枠の取付調整部品であって、
上下方向に延びる第1長孔を有する第1部材と、室内外方向に延びる第2長孔を有する第2部材と、前記第1長孔及び前記第2長孔に貫通して前記第1部材と前記第2部材とを締結する第1締結部材と、を有する、枠の取付調整部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、枠の取付構造及び枠の取付調整部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、躯体の開口部に枠を取り付ける枠の取付構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-108225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
躯体の開口部に枠を取り付ける取付構造において、枠を躯体の開口部に取り付ける際に、例えばRC造(鉄筋コンクリート造)の場合などに、躯体の開口部のコンクリート部分に凹凸があって、枠を取り付ける際に枠の取付位置の調整が必要なことがあった。枠の取付位置を容易に調整できることが求められる。
【0005】
本開示は、躯体の開口部に枠を取り付ける取付構造において、枠の取付位置を容易に調整できる枠の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、躯体の開口部に枠を取り付ける枠の取付構造であって、前記躯体に対する前記枠の位置を調整可能であり、かつ、前記躯体と前記枠とを固定する調整固定部を備え、前記調整固定部は、上下方向に延びる第1長孔を有する第1部材と、室内外方向に延びる第2長孔を有する第2部材と、前記第1長孔及び前記第2長孔に貫通して前記第1部材と前記第2部材とを締結する第1締結部材と、を有する、枠の取付構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るパノラマ窓を室内側から見た正面図である。
図2図1のA-A線断面図であって、パノラマ窓が閉位置に位置した状態を示す横断面図である。
図3図2に示す閉位置から、パノラマ窓が途中位置に移動した状態を示す横断面図である。
図4図3に示す途中位置から、パノラマ窓が開位置に位置した状態を示す横断面図である。
図5】シート状の気密材の詳細を説明する横断面図である。
図6】下枠調整固定部品を用いて下側躯体に下枠を取り付けた取付構造を示す断面図である。
図7】下枠調整固定部品を示す斜視図である。
図8】上枠調整固定部品を用いて上側躯体に上枠を取り付けた取付構造を示す断面図である。
図9】上枠調整固定部品を示す斜視図である。
図10】縦枠調整固定部品を用いて側方躯体に縦枠を取り付けた取付構造を示す断面図である。
図11】躯体に枠体を取り付ける手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態の建具としてのパノラマ窓1について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、パノラマ窓1は、枠体10と、枠体10内に配置されるパラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4と、を備える。パラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4は、それぞれ、複層ガラスにより構成される。
【0009】
なお、本明細書において、「見付方向」とは、建具の枠体10に納められるパラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4の面方向を意味する。見付方向において、図1における左右の方向を左右方向Xという。図1における左右方向Xの一方側(左側)をX1側といい、左右方向Xの他方側(右側)をX2側という。室内外方向を室内外方向Y(即ち、奥行き方向)という。室内外方向Yにおける室外側を室外側Y1といい、室内側を室内側Y2という。また、上下方向を上下方向Zという。「見付面」は、パノラマ窓1における室外側Y1及び室内側Y2に面するそれぞれの面を意味する。
【0010】
枠体10は、上枠11、下枠12及び一対の左右の縦枠13,14が、方形状に枠組みされている。上枠11、下枠12及び一対の縦枠13,14は、例えば、アルミニウムを押し出し成形することによって形成される。枠体10(上枠11、下枠12、縦枠13,14)は、枠の取付構造により、複数の上枠調整固定部品5(調整固定部品)、複数の下枠調整固定部品6(調整固定部品)及び複数の縦枠固定部品7を用いて、躯体9の開口部9aに取り付けられる。躯体9の開口部9aに枠体10を取り付ける取付構造の詳細については後述する。枠体10内には、パラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4が配置される。
【0011】
図2図4に示すように、パラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4は、それぞれ、3枚のガラス板(室外側ガラス板21,31,41、中間ガラス板22,32,42、室内側ガラス板23,33,43)と、スペーサ24,34,44と、一対の補強部材25,35,45と、気密材28,38,48と、を有する複層ガラスにより構成される。
【0012】
なお、図2図4に示すように、FIX障子4側の縦枠14の室内側Y2において、左右方向Xの内側の見込面には、中間部材145を介してカバー部材146が取り付けられている。これにより、FIX障子4の複層ガラス41,42,43間にあるスペーサ44は、室内側Y2から見えない構造となっている。パラレル移動障子2側の縦枠13の室内側Y2において、左右方向Xの内側の見込面には、カバー部材136が取り付けられている。パノラマ窓1において、FIX障子4を設けないこともあるが、FIX障子4を設けない場合において、スライド移動障子3が縦枠14側に設置される場合も同様に、中間部材145を介してカバー部材146が取り付けられる。この場合も同様に、スライド移動障子3の複層ガラス31,32,33間にあるスペーサ34は、室内側Y2から見えない構造となる。本実施形態においては、中間部材145及びカバー部材136,146ともにアルミニウムからなるが、樹脂で構成されてもよい。
【0013】
図2図4に示すように、FIX障子4は、枠体10内の左右方向XのX2側に固定される。パラレル移動障子2及びスライド移動障子3は、枠体10内のFIX障子4よりも左右方向XのX1側において、駆動部(図示せず)に駆動されることにより、閉位置(図1及び図2参照)と、途中位置(図3参照)と、開位置(図4参照)と、に移動可能である。
【0014】
パノラマ窓1が閉位置に位置した場合に、図2に示すように、パラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4は、枠体10内において、左右方向XのX1側からX2側に向けて、この順に一直線上に並んで配置される。
【0015】
パノラマ窓1を閉位置(図1及び図2参照)から開位置(図4参照)に移動させる場合には、図2に示す閉位置から、パラレル移動障子2を室内外方向Yの室内側Y2に移動させることで図3に示す途中位置に移動させて、図3に示す途中位置から、スライド移動障子3を見付方向の左右方向XのX1側に移動させることで、図4に示す開位置に移動させることができる。
【0016】
また、パノラマ窓1を開位置(図4参照)から閉位置(図1及び図2参照)に移動させる場合には、図4に示す開位置から、スライド移動障子3を見付方向の左右方向XのX2側に移動させることで図3に示す途中位置に移動させて、図3に示す途中位置から、パラレル移動障子2を室内外方向Yの室外側Y1に移動させることで、図2に示す開位置に移動させることができる。
【0017】
図2に示すように、パノラマ窓1が閉位置に位置した場合において、パラレル移動障子2のX1側に配置された補強部材25の室外側Y1の見付面には、縦枠13の室外側Y1に配置された室外側部分の室内側Y2の面に取り付けられた当接材13aが接触する。当接材13aは、軟質樹脂で形成されている。
【0018】
また、FIX障子4のX2側に配置された補強部材45の室外側Y1の見付面には、縦枠14の室外側Y1に配置された室外側部分の室内側Y2の面に取り付けられた当接材14aが接触する。FIX障子4のX2側に配置された補強部材45の室内側Y2の見付面には、縦枠14の室内側Y2に配置された室内側部分の室外側Y1の面に取り付けられた当接材14bが接触する。当接材14a及び当接材14bは、軟質樹脂で形成されており、FIX障子4のX2側に配置された補強部材45の室外側Y1の見付面及び室内側Y2の見付面に接触することで、FIX障子4の変形に追随してクッション的な役割を果たすことができる。
【0019】
図2に示すように、一対の縦枠13,14の呑み込み部には、それぞれ、シート状の気密材50が配置される。シート状の気密材50の周辺の構造について説明する。縦枠13,14に配置されるシート状の気密材50の周辺の構造は、左右対称の構造である。そのため、本実施形態においては、X2側の縦枠14に配置されるシート状の気密材50の周辺の構造について説明する。
【0020】
シート状の気密材50は、図5に示すように、見込方向Yに延びて形成され、室外側Y1において見込方向Yに延びる直線部531と、直線部531の室内側Y2の端部に接続され室内側Y2において見込方向Yに対して傾斜して延びる傾斜部532と、室外側Y1の端部の外周側に形成される室外側端部突出部533と、室内側Y2の端部の外周側に形成される室内側端部突出部534と、を有する。
【0021】
シート状の気密材50は軟質樹脂で形成され、図5に示すように、補強部材45と接触することで、補強部材45と縦枠14との間の気密性を高めることができる。シート状の気密材50の室外側端部突出部533及び室内側端部突出部534は、アルミニウム材料で形成された長尺の板状部材81の見込方向の両端に固定されている。シート状の気密材50の外周側に位置する板状部材81は、シート被固定部材82にネジ81aなどの固定部材で取り付けられる。このシート被固定部材82はさらに外周側に対向部材83を有し、シート被固定部材82と対向部材83は、ねじ83aにより、ねじ止めされている。このねじ83aを締めたり緩めたりすることで、シート状の気密材50の張り具合を調整できる。
【0022】
また、板状部材81は見込方向の室外側Y1の端部において外周側に折り曲げられる折り曲げ片811を有しており、折り曲げ片811の外周側の端部には、樹脂部材84が設置されている。この樹脂部材84は、縦枠14の呑み込み部において内周側に突出させた突出部141と接触している。突出部141は、縦枠14の呑み込み部においてX1側の面から左右方向XのX1側に突出する突出片141aと、突出片141aのX方向の途中の部分から室内側Y2に延出する延出部141bと、を有する。延出部141bは、ねじ83aにより、対向部材83の室外側Y1の部分に固定されている。
【0023】
このようにシート状の気密材50を用いることでFIX障子4に風圧などによる高さ方向もしくは幅方向(見込方向Y)の反りが生じた場合でも、シート状の気密材50と補強部材45との接触面積を確保できるため、気密性を維持することができる。特に大型のFIX障子4を用いる場合には、FIX障子4の反りも大きくなることから効果的である。
【0024】
枠体10を、複数の上枠調整固定部品5(調整固定部品)、複数の下枠調整固定部品6(調整固定部品)及び複数の縦枠固定部品7を介して、躯体9の開口部9aに取り付ける枠の取付構造について説明する。躯体9は、図1に示すように、躯体9の開口部9aの上方側に形成される上側躯体91と、躯体9の開口部9aの下方側に形成される下側躯体92と、躯体9の開口部9aの左右方向の側に形成される一対の側方躯体93と、を有する。上側躯体91、下側躯体92及び一対の側方躯体93は、例えばRC造(鉄筋コンクリート造)により構成される。
【0025】
まず、下枠調整固定部品6を用いて下枠12を下側躯体92に取り付ける取付構造について説明する。図6に示すように、下枠12は、上方に向けて開放する形状に形成される。下枠12は、下側躯体92の上方に配置され、室外側Y1及び室内側Y2の上端が、床面12aと同一平面上に位置するように配置される。
【0026】
下枠12は、図6に示すように、上方に向けて開放する断面視略コ字状に形成される。下枠12は、室外側L字状金属枠体124と、室内側下部L字状金属枠体125と、室内側上端金属部材126とに分割されている。
【0027】
室外側L字状金属枠体124は、室外側Y1に配置され、室内側Y2及び上方側に向けて開放するL字状に形成される。室内側下部L字状金属枠体125は、室外側L字状金属枠体124の室内側Y2に配置され、室外側Y1及び上方側に向けて開放するL字状に形成される。室内側上端金属部材126は、室外側L字状金属枠体124の室内側Y2の端部の上端に配置される。室外側L字状金属枠体124、室内側下部L字状金属枠体125及び室内側上端金属部材126は、アルミニウム材料により形成される。
【0028】
室外側L字状金属枠体124と室内側下部L字状金属枠体125とは、樹脂連結材127により連結されている。室内側下部L字状金属枠体125と室内側上端金属部材126とは、樹脂連結材128により連結されている。下枠12は、アルミニウム材料により形成される室外側L字状金属枠体124及び室内側下部L字状金属枠体125を、樹脂連結材127を介して接続することにより、室外側Y1の室外側L字状金属枠体124を伝わって室内側Y2に冷気が流入することを防ぐことができる。下枠12の室内側Y2の端部の見付面において、アルミニウム材料により形成される室内側下部L字状金属枠体125及び室内側上端金属部材126の上下方向の途中に樹脂連結材128を設けることにより、更に断熱性能を向上させることができる。特に、本実施形態のパノラマ窓1のように、通常より大きい建具においては、下枠12においてアルミニウムの面積も大きくなるため有効である。
【0029】
下枠調整固定部品6は、下側躯体92に対する下枠12の位置を調整可能であり、かつ、下側躯体92と下枠12とを固定する。下枠調整固定部品6は、下枠12の室内外方向Yの室内側Y2の外側に配置され、下枠12の室内外方向Yの下端部の室内側Y2の見付面に固定されている。つまり、下枠調整固定部品6は、下枠12の室内外方向Yの範囲の室内側Y2の外側において、下側躯体92に対する下枠12の位置を調整可能である。
【0030】
下枠調整固定部品6は、下枠12と下側躯体92とを、下枠12の室内外方向Yの位置及び上下方向Zの位置を調整した状態で固定する。下枠調整固定部品6は、図6及び図7に示すように、躯体側金具61(第1部材)と、枠側金具62(第2部材)と、位置調整ネジ63(第1締結部材)と、を有する。
【0031】
躯体側金具61は、下側躯体92に固定される。躯体側金具61は、下側躯体92の表面に固定される躯体側固定板611と、躯体側固定板611の左右方向XのX2側の端部から上方側に立設される躯体側連結板612と、を有する。
【0032】
躯体側固定板611は、左右方向X及び室内外方向Yに延びる板材により形成される。躯体側固定板611には、上下方向Zに貫通する貫通孔611aが形成されている。図6に示すように、下部側が下側躯体92に埋め込まれたボルト921の上部側が、躯体側固定板611の貫通孔611aに挿入されてナット922に固定されることで、躯体側固定板611は、下側躯体92に固定される。
【0033】
躯体側連結板612は、図6及び図7に示すように、室内外方向Y及び上下方向Zに延びる板材により形成される。躯体側連結板612には、左右方向Xに貫通すると共に上下方向Zに延びる躯体側縦長孔612a(第1長孔)が形成されている。躯体側縦長孔612aには、位置調整ネジ63が挿入される。位置調整ネジ63は、躯体側縦長孔612aに沿って移動可能に、躯体側縦長孔612aに挿入して配置される。躯体側連結板612は、躯体側縦長孔612aに挿入された位置調整ネジ63により枠側金具62に固定される。
【0034】
枠側金具62は、図6に示すように、下枠12の室内側Y2の見付面に固定される。枠側金具62は、図6及び図7に示すように、躯体側金具61の躯体側連結板612に沿って配置される枠側連結板621と、枠側連結板621の上端から左右方向XのX2側に延びる上面板622と、上面板622の室外側Y1の端部から下方側に立設される枠側固定板623と、を有する。
【0035】
枠側連結板621は、室内外方向Y及び上下方向Zに延びる板材により形成される。枠側連結板621には、左右方向Xに貫通すると共に室内外方向Yに延びる枠側横長孔621a(第2長孔)が形成されている。枠側横長孔621aには、位置調整ネジ63が挿入される。位置調整ネジ63は、枠側横長孔621aに沿って移動可能に、枠側横長孔621aに挿入して配置される。枠側連結板621は、枠側横長孔621aに挿入された位置調整ネジ63により躯体側金具61に固定される。
【0036】
位置調整ネジ63は、躯体側金具61と枠側金具62とを締結する。位置調整ネジ63は、躯体側金具61の躯体側連結板612の躯体側縦長孔612aと枠側金具62の枠側連結板621の枠側横長孔621aとの両方に貫通して配置される。
【0037】
位置調整ネジ63により躯体側金具61と枠側金具62とを固定する場合に、上下方向Zに延びる躯体側縦長孔612aにより、上下方向Zの位置を調整できると共に、室内外方向Yに延びる枠側横長孔621aにより、室内外方向Yの位置を調整できる。これにより、下枠調整固定部品6は、下枠12の上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整して固定できる。
【0038】
枠側固定板623は、左右方向X及び上下方向Zに延びる板材により形成される。枠側固定板623には、室内外方向Yに貫通する貫通孔623aが形成されている。枠側固定板623の貫通孔623aには、図6に示すように、下枠12の室内側Y2の見付面に形成された溝121に頭部641が取り付けられたボルト64の軸部642が挿入される。
【0039】
溝121は、図6に示すように、下枠12の室内側Y2の端部の見付面に形成され、室内側Y2に向けて開放する。溝121は、下枠12の長手方向である左右方向Xに延びる。溝121には、ボルト64(第2締結部材)の頭部641が、左右方向Xに移動可能に配置されている。ボルト64は、下枠12と下枠調整固定部品6とを締結する。ボルト64の軸部642は、枠側固定板623の貫通孔623aに挿入された状態で、ナット643により固定される。これにより、ボルト64を溝121に沿って移動させて下枠調整固定部品6と下枠12とを固定することで、下枠調整固定部品6を下枠12の左右方向X(長手方向)の任意の位置に配置できる。
【0040】
次に、上枠調整固定部品5を用いて上枠11を上側躯体91に取り付ける取付構造について説明する。図8に示すように、上枠11は、下方に向けて開放する形状に形成される。上枠11は、上側躯体91の下方に配置され、室外側Y1及び室内側Y2の下端が、天井面11aと同一平面上に位置するように配置される。
【0041】
上枠11は、図8に示すように、下方に向けて開放する断面視略コ字状に形成される。下枠12は、室外側L字状金属枠体114と、室内側上部L字状金属枠体115と、室内側下端金属部材116とに分割されている。
【0042】
室外側L字状金属枠体114は、室外側Y1に配置され、室内側Y2及び下方側に向けて開放するL字状に形成される。室内側下部L字状金属枠体115は、室外側L字状金属枠体114の室内側Y2に配置され、室外側Y1及び下方側に向けて開放するL字状に形成される。室内側下端金属部材116は、室外側L字状金属枠体114の室内側Y2の端部の下端に配置される。室外側L字状金属枠体114、室内側下部L字状金属枠体115及び室内側下端金属部材116は、アルミニウム材料により形成される。
【0043】
室外側L字状金属枠体114と室内側上部L字状金属枠体115とは、樹脂連結材117により連結されている。室内側上部L字状金属枠体115と室内側下端金属部材116とは、樹脂連結材118により連結されている。上枠11は、アルミニウム材料により形成される室外側L字状金属枠体114及び室内側上部L字状金属枠体115を、樹脂連結材117を介して接続することにより、室外側Y1の室外側L字状金属枠体114を伝わって室内側Y2に冷気が流入することを防ぐことができる。上枠11の室内側Y2の端部の見付面において、アルミニウム材料により形成される室内側下部L字状金属枠体115及び室内側下端金属部材116の上下方向の途中に樹脂連結材118を設けることにより、更に断熱性能を向上させることができる。特に、本実施形態のパノラマ窓1のように、通常より大きい建具においては、上枠11においてアルミニウムの面積も大きくなるため有効である。
【0044】
上枠調整固定部品5は、上側躯体91に対する上枠11の位置を調整可能であり、かつ、上側躯体91と上枠11とを固定する。上枠調整固定部品5は、上枠11の室内外方向Yの室内側Y2の外側に配置され、上枠11の室内外方向Yの下端部の室内側Y2の見付面に固定されている。つまり、上枠調整固定部品5は、上枠11の室内外方向Yの範囲の室内側Y2の外側において、上側躯体91に対する上枠11の位置を調整可能である。
【0045】
上枠調整固定部品5は、上枠11と上側躯体91とを、上枠11の室内外方向Yの位置及び上下方向Zの位置を調整した状態で固定する。上枠調整固定部品5は、図8及び図9に示すように、躯体側金具51(第1部材)と、枠側金具52(第2部材)と、位置調整ネジ53(第1締結部材)と、を有する。
【0046】
躯体側金具51は、上側躯体91に固定される。躯体側金具51は、上側躯体91の表面に固定される躯体側固定板511と、躯体側固定板511の左右方向XのX2側の端部から下方側に立設される躯体側連結板512と、を有する。
【0047】
躯体側固定板511は、左右方向X及び室内外方向Yに延びる板材により形成される。躯体側固定板511は、図8に示すように、上側躯体91の下面にスペーサ55を介して配置されている。躯体側固定板511には、上下方向Zに貫通する貫通孔511aが形成されている。上部側が上側躯体91に埋め込まれたボルト911の下部側が、躯体側固定板511の貫通孔511aに挿入されてナット912に固定されることで、躯体側固定板511は、上側躯体91に固定される。
【0048】
本実施形態においては、スペーサ55を上枠調整固定部品5と上側躯体91との間に配置することで、上下方向Zの位置を調整している。上枠調整固定部品5と下枠調整固定部品6とを部品共通化により製造コストを削減する観点から同じ部品により構成しているため、上下方向Zの位置が大きく異なることがあり、スペーサ55により上下方向Zの位置を調整している。なお、本実施形態においては、スペーサ55を上枠調整固定部品5と上側躯体91との間に配置しているが、これに限定されない。例えば、躯体側金具51や枠側金具52の上下方向Zの長さを長く形成することで、スペーサを設けないこともできる。
【0049】
躯体側連結板512は、図8及び図9に示すように、室内外方向Y及び上下方向Zに延びる板材により形成される。躯体側連結板512には、左右方向Xに貫通すると共に上下方向Zに延びる躯体側縦長孔512a(第1長孔)が形成されている。躯体側縦長孔512aには、位置調整ネジ53が挿入される。位置調整ネジ53は、躯体側縦長孔512aに沿って移動可能に、躯体側縦長孔512aに挿入して配置される。躯体側連結板512は、躯体側縦長孔512aに挿入された位置調整ネジ53により枠側金具52に固定される。
【0050】
枠側金具52は、図8に示すように、上枠11の室内側Y2の見付面に固定される。枠側金具52は、図8及び図9に示すように、躯体側金具51の躯体側連結板512に沿って配置される枠側連結板521と、枠側連結板521の下端から左右方向XのX2側に延びる下面板522と、下面板522の室外側Y1の端部から上方側に立設される枠側固定板523と、を有する。
【0051】
枠側連結板521は、室内外方向Y及び上下方向Zに延びる板材により形成される。枠側連結板521には、左右方向Xに貫通すると共に室内外方向Yに延びる枠側横長孔521a(第2長孔)が形成されている。枠側横長孔521aには、位置調整ネジ53が挿入される。位置調整ネジ53は、枠側横長孔521aに沿って移動可能に、枠側横長孔521aに挿入して配置される。枠側連結板521は、枠側横長孔521aに挿入された位置調整ネジ53により躯体側金具51に固定される。
【0052】
位置調整ネジ53は、躯体側金具51と枠側金具52とを締結する。位置調整ネジ53は、躯体側金具51の躯体側連結板512の躯体側縦長孔512aと枠側金具52の枠側連結板521の枠側横長孔521aとの両方に貫通して配置される。
【0053】
位置調整ネジ53により躯体側金具51と枠側金具52とを固定する場合に、上下方向Zに延びる躯体側縦長孔512aにより、上下方向Zの位置を調整できると共に、室内外方向Yに延びる枠側横長孔521aにより、室内外方向Yの位置を調整できる。これにより、上枠調整固定部品5は、上枠11の上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整して固定できる。
【0054】
枠側固定板523は、左右方向X及び上下方向Zに延びる板材により形成される。枠側固定板523には、室内外方向Yに貫通する貫通孔523aが形成されている。枠側固定板523の貫通孔523aには、図8に示すように、上枠11の室内側Y2の見付面に形成された溝111に頭部541が取り付けられたボルト54の軸部542が挿入される。
【0055】
溝111は、図8に示すように、上枠11の室内側Y2の端部の見付面に形成され、室内側Y2に向けて開放する。溝111は、上枠11の長手方向である左右方向Xに延びる。溝111には、ボルト54(第2締結部材)の頭部541が、左右方向Xに移動可能に配置されている。ボルト54は、上枠11と上枠調整固定部品5とを締結する。ボルト54の軸部542は、枠側固定板523の貫通孔523aに挿入された状態で、ナット543により固定される。これにより、ボルト54を溝111に沿って移動させて上枠調整固定部品5と上枠11とを固定することで、上枠調整固定部品5を上枠11の左右方向X(長手方向)の任意の位置に配置できる。
【0056】
次に、縦枠固定部品7を用いて左右の縦枠13,14を側方躯体93に取り付ける取付構造について説明する。左右の縦枠13,14は、図1に示すように、X1側に配置される縦枠13と、X2側に配置される縦枠14と、が存在する。X1側に配置される縦枠13とX2側に配置される縦枠14とは、左右の向きが異なるだけで、同様の構造である。そのため、X1側に配置される縦枠13を側方躯体93に取り付ける取付構造について説明する。
【0057】
図10に示すように、縦枠13は、左右方向Xの内側に向けて開放する形状に形成される。縦枠固定部品7は、縦枠13の室内外方向Yの室内側Y2の外側に配置される。縦枠固定部品7は、断面視L字状に形成され、縦枠13の室内側Y2の端部と側方躯体93とを接続する。
【0058】
縦枠固定部品7は、躯体側固定板711と、躯体側固定板711の室外側Y1の端部から左右方向Xの内側に立設される枠側固定板712と、を有する。
【0059】
躯体側固定板711は、室内外方向Y及び上下方向Zに延びる板材により形成される。躯体側固定板711は、側方躯体93に埋め込まれたボルト931及びナット932により、スペーサ933を介して、側方躯体93の左右方向の内側の面に固定される。
【0060】
枠側固定板712は、左右方向X及び上下方向Zに延びる板材により形成される。枠側固定板712には、室内外方向Yに貫通する貫通孔712aが形成されている。枠側固定板712の貫通孔712aには、縦枠13の室内側Y2の見付面に形成された溝131に頭部741が取り付けられたボルト74の軸部742が挿入される。
【0061】
溝131は、縦枠13の室内側Y2の端部の見付面に形成され、室内側Y2が開放すると共に上下方向Zに延びる。溝131には、ボルト74の頭部741が、上下方向Zに移動可能に配置されている。ボルト74の軸部742は、枠側固定板723の貫通孔723aに挿入された状態で、ナット743により固定される。これにより、ボルト74を溝131に沿って移動させて縦枠固定部品7と縦枠13とを固定することで、縦枠固定部品7を縦枠13の上下方向Z(長手方向)の任意の位置に配置できる。
【0062】
なお、縦枠13を側方躯体93に取り付ける構造は、これに限定されない。縦枠13を側方躯体93に取り付ける構造を、下枠12を下側躯体92に取り付ける構造と同様の構造として、上下方向Z及び室内外方向Yに調整可能な構造としてもよい。
【0063】
枠体10を躯体9に固定する手順について説明する。枠体10を躯体9に固定する場合には、下枠調整固定部品6を用いて下枠12を下側躯体92に固定した後に、上枠調整固定部品5を用いて上枠11を上側躯体91に固定する。そして、縦枠固定部品7を用いて左右の縦枠13,14を側方躯体93に固定する。
【0064】
まず、図11に示すように、複数の下枠調整固定部品6により、下枠12を下側躯体92に固定する。ここで、下枠12の左右方向Xの両端部には、組み立て後において縦枠13,14の一部を構成する縦枠下端部分138,148が連結されている。
【0065】
図6及び図7に示すように、下枠調整固定部品6の躯体側金具61を下側躯体92に埋め込まれたボルト921及びナット922により下側躯体92に固定すると共に、下枠調整固定部品6の枠側金具62をボルト64及びナット643により下枠12に固定する。
【0066】
下枠調整固定部品6の枠側金具62をボルト64により下枠12に固定する場合には、予め、下枠12の溝121に複数のボルト64の頭部641を挿入することで、下枠12の溝121に、ボルト64を左右方向Xに移動可能に配置する。そして、下枠調整固定部品6の左右方向Xの位置を調整した後に、下枠調整固定部品6の枠側金具62の枠側固定板623の貫通孔623aにボルト64の軸部642を挿入して、ナット643により固定する。これにより、下枠調整固定部品6の左右方向Xの取付位置を調整できる。
【0067】
続けて、躯体側金具61と枠側金具62とを位置調整ネジ63により固定する。位置調整ネジ63を、躯体側連結板612に形成される上下方向Zに延びる躯体側縦長孔612aと、枠側連結板621に形成される室内外方向Yに延びる枠側横長孔621aとに、挿入した状態で、躯体側金具61と枠側金具62との上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整した後に、位置調整ネジ63を締結して固定する。これにより、下枠12を、上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整した状態で、下側躯体92に固定できる。
【0068】
そして、図6に示すように、下枠12と下側躯体92との間にモルタル122を配置して、モルタル122の室外側Y1にシーリング材123を配置する。このようにして、下枠調整固定部品6を用いて下枠12の上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整して、下枠12を下側躯体92に固定できる。これにより、下枠12を最初に位置決めして固定する。
【0069】
次に、図11に示すように、複数の上枠調整固定部品5により、上枠11を上側躯体91に固定する。ここで、上枠11の左右方向Xの両端部には、組み立て後において縦枠13,14の一部を構成する縦枠上端部分が連結されている。
【0070】
図8及び図9に示すように、上枠調整固定部品5の躯体側金具51を上側躯体91に埋め込まれたボルト911及びナット912により上側躯体91に固定すると共に、上枠調整固定部品5の枠側金具52をボルト54及びナット543により上枠11に固定する。
【0071】
上枠調整固定部品5の枠側金具52をボルト54により上枠11に固定する場合には、予め、上枠11の溝111に複数のボルト54の頭部541を挿入することで、上枠11の溝111に、ボルト54を左右方向Xに移動可能に配置する。そして、上枠調整固定部品5の左右方向Xの位置を調整した後に、上枠調整固定部品5の枠側金具52の枠側固定板523の貫通孔523aにボルト54の軸部542を挿入して、ナット543により固定する。これにより、上枠調整固定部品5の左右方向Xの取付位置を調整できる。
【0072】
続けて、躯体側金具51と枠側金具52とを位置調整ネジ53により固定する。位置調整ネジ53を、躯体側連結板512に形成される上下方向Zに延びる躯体側縦長孔512aと、枠側連結板521に形成される室内外方向Yに延びる枠側横長孔521aとに、挿入した状態で、躯体側金具51と枠側金具52との上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整した後に、位置調整ネジ53を締結して固定する。これにより、上枠11を、上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整した状態で、上側躯体91に固定できる。
【0073】
そして、図8に示すように、上枠11と上側躯体91との間にシーリング材113を配置する。このようにして、上枠調整固定部品5を用いて上枠11の上下方向Z及び室内外方向Yの位置を調整して、上枠11を上側躯体91に固定できる。これにより、下枠12を位置決めして固定した後に、上枠11を位置決めして固定する。
【0074】
続けて、複数のL字状の縦枠固定部品7により、縦枠13,14を側方躯体93に固定する。この場合、図11に示すように、縦枠13,14を、下枠12の左右方向Xの端部に取り付けていた縦枠下端部分138,148と、上枠11に取り付けていた縦枠13,14の縦枠上端部分137,147との間に、左右方向Xの内側から挿入して配置する。
【0075】
この場合、縦枠13,14の上端切り欠き溝13c,14cを、上枠11の左右方向Xの両端部に連結される縦枠上端部分137,147に接続された接続突出部137a,147aに嵌め込んで締結することで、縦枠13,14を縦枠上端部分137,147に接続し、縦枠13,14の下端切り欠き溝13d,14dを、下枠12の左右方向Xの両端部に連結される縦枠下端部分138,148に接続された接続突出部138a,148aに嵌め込んで締結することで、縦枠13,14を縦枠下端部分138,148に接続する。この状態において、L字状の縦枠固定部品7により、図10に示すように、縦枠13,14を側方躯体93に固定する。ここで、下枠12及び上枠11を位置決めして固定した後に、縦枠13,14を固定するため、縦枠13,14を容易に固定できる。
【0076】
以上説明した本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。枠の取付構造は、躯体(上側躯体91,下側躯体92)に対する枠(上枠11,下枠12)の位置を調整可能であり、かつ、躯体(上側躯体91,下側躯体92)と枠(上枠11,下枠12)とを固定する調整固定部品(上枠調整固定部品5,下枠調整固定部品6)を備え、調整固定部品(上枠調整固定部品5,下枠調整固定部品6)は、上下方向Zに延びる躯体側縦長孔512a,612aを有する躯体側金具51,61と、室内外方向Yに延びる枠側横長孔521a,621aを有する枠側金具52,62と、躯体側縦長孔512a,612a及び枠側横長孔521a,621aに貫通して躯体側金具51,61と枠側金具52,62とを締結する位置調整ネジ53,63と、を有する。これにより、枠(上枠11,下枠12)の上下方向Z及び室内外方向Yを容易に調整して、躯体(上側躯体91,下側躯体92)に取り付けることができる。
【0077】
本実施形態においては、枠(上枠11,下枠12)は、枠(上枠11,下枠12)の長手方向に延びると共にボルト54,64の頭部541,641が枠(上枠11,下枠12)の長手方向に移動可能に配置される溝111,112を有する。これにより、ボルト54,64を溝111,121に沿って移動させて調整固定部品(上枠調整固定部品5,下枠調整固定部品6)と枠(上枠11,下枠12)とを固定することで、調整固定部品(上枠調整固定部品5,下枠調整固定部品6)を枠(上枠11,下枠12)の左右方向X(長手方向)の任意の位置に配置できる。
【0078】
本実施形態においては、調整固定部品(上枠調整固定部品5,下枠調整固定部品6)は、枠(上枠11,下枠12)の室内外方向Yの範囲の外側において、躯体(上側躯体91,下側躯体92)に対する枠(上枠11,下枠12)の位置を調整可能である。従来、RC造(鉄筋コンクリート造)においては、アンカーを使用した溶接や、ブラケットなどを用いて、枠の室内外方向Yの範囲内で、枠を固定するのが一般的であった。そのためには、枠と躯体との間に溶接やブラケットとの固定の作業をするためのスペースの確保が必要となり、その分、躯体から枠までの距離(見付寸法)が大きくなってしまう。これに対して、本開示においては、調整固定部品(上枠調整固定部品5,下枠調整固定部品6)が、枠(上枠11,下枠12)の室内外方向Yの範囲の外側において、躯体(上側躯体91,下側躯体92)に対する枠(上枠11,下枠12)の位置を調整可能であるため、躯体(上側躯体91,下側躯体92)から枠(上枠11,下枠12)までの距離(見付寸法、本実施形態においては上下方向の寸法)を小さくできる。
【0079】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0080】
前記実施形態においては、躯体9(上側躯体91、下側躯体92及び一対の側方躯体93)を、例えばRC造(鉄筋コンクリート造)により構成したが、これに限定されず、例えば木造でもよい。また、本実施形態では室内側Y2から見て左側から順に、パラレル移動障子2、スライド移動障子3及びFIX障子4が配置されているが、パラレル移動障子2とスライド移動障子3が隣接する並びであればよい。例えば、室内側Y2から見て左側から、FIX障子4、スライド移動障子3、パラレル移動障子2の順でもよいし、パラレル移動障子2、スライド移動障子3、スライド移動障子3、パラレル移動障子2の順で並んでもよく、これらの左右方向の両端又は一方の端にFIX障子4が配置されていてもよい。また、スライド移動障子3、パラレル移動障子2だけでもよい。
【符号の説明】
【0081】
11 上枠(枠)、12 下枠(枠)、5 上枠調整固定部品(調整固定部、取付調整部品)、6 下枠調整固定部品(調整固定部、取付調整部品)、51 躯体側金具(第1部材)、52 枠側金具(第2部材)、53 位置調整ネジ(第1締結部材)、54 ボルト(第2締結部材)、61 躯体側金具(第1部材)、62 枠側金具(第2部材)、63 位置調整ネジ(第1締結部材)、64 ボルト(第2締結部材)、91 上側躯体(躯体)、92 下側躯体(躯体)、111 溝、112 溝、512a 躯体側縦長孔(第1長孔)、521a 枠側横長孔(第2長孔)、541 頭部、612a 躯体側縦長孔(第1長孔)、621a 枠側横長孔(第2長孔)、641 頭部
図1
図2
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図5
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図11