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特開2023-141821ステータ製造方法、ステータコア及びステータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141821
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ステータ製造方法、ステータコア及びステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20230928BHJP
   H02K 1/18 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H02K15/02 D
H02K1/18 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048336
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000144027
【氏名又は名称】株式会社ミツバ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】大久保 雅通
【テーマコード(参考)】
5H601
5H615
【Fターム(参考)】
5H601AA09
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601EE03
5H601EE14
5H601EE20
5H601GA03
5H601GA13
5H601GB05
5H601GB12
5H601GB33
5H601GB48
5H601GC02
5H601GC12
5H601GD02
5H601GD08
5H601GD13
5H601GD22
5H601GD32
5H601GD33
5H601KK07
5H601KK08
5H601KK30
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB07
5H615BB14
5H615BB16
5H615PP01
5H615PP06
5H615QQ08
5H615QQ19
5H615SS04
5H615SS05
5H615SS11
(57)【要約】
【課題】精度よく製造できるとともに、組み立て作業性を向上できるステータ製造方法、ステータコア及びステータを提供する。
【解決手段】ステータ製造方法は、打ち抜き工程と、切り込み工程と、切り起こし戻し工程と、積層工程と、展開工程と、巻回工程と、展開戻し工程と、を有する。打ち抜き工程は、ステータコアプレート13を、電磁鋼板から打ち抜く。切り込み工程は、バックヨークプレート18にせん断加工を施し、1箇所のみに切り離し部16を形成するとともに、切り込み部15を形成する。切り起こし戻し工程は、バックヨークプレート18の切り起こされた箇所を押し戻して平坦にする。積層工程は、複数のステータコアプレート13を積層する。展開工程は、ステータコアプレート13を展開する。巻回工程後、バックヨークプレート18を環状に戻す。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のバックヨークプレート、及び前記バックヨークプレートの内周縁から径方向内側に向かって突出する複数のティースプレートを有するステータコアプレートを、電磁鋼板から打ち抜く打ち抜き工程と、
前記打ち抜き工程後、前記バックヨークプレートにおける周方向で隣り合う前記ティースプレート間にせん断加工を施し、前記バックヨークプレートの1箇所のみに切り離し部を形成するとともに、前記切り離し部以外の箇所は前記バックヨークプレートが切り離れないように切り込み部を形成する切り込み工程と、
前記切り込み工程後、前記バックヨークプレートのうちの前記切り込みを形成したことによる切り起こされた箇所を押し戻して平坦にする切り起こし戻し工程と、
前記切り起こし戻し工程後、複数の前記ステータコアプレートを積層し、積層された複数の前記バックヨークプレートからなるバックヨーク、及び積層された複数の前記ティースプレートからなるティースを有するステータコアを形成する積層工程と、
前記切り起こし戻し工程後、又は前記積層工程後、前記切り離し部を切り離すように開くとともに前記切り込み部を開き、前記ティースプレートの前記突出する方向と交差する方向に周方向で隣り合う各前記ティースプレートが並ぶように前記ステータコアプレートを展開する展開工程と、
前記展開工程後、前記ティースにコイルを巻回する巻回工程と、
前記巻回工程後、前記バックヨークを環状に戻す展開戻し工程と、
を有する
ことを特徴とするステータ製造方法。
【請求項2】
前記切り込み工程において、前記切り離し部を周方向で隣り合う前記ティースプレート間の中央からずれた位置に形成することにより、前記切り離し部を挟んで両側に位置する2つの前記ティースプレートから前記切り離し部に至る間の各々の長さを異ならせ、2つの前記ティースプレートのうちの一方から前記切り離し部に至る間の長さの長い長尺バックヨークプレートと、2つの前記ティースプレートのうちの他方から前記切り離し部に至る間の長さが前記長尺バックヨークプレートよりも短い短尺バックヨークプレートと、を形成し、
前記打ち抜き工程、前記切り込み工程、及び前記切り起こし戻し工程のいずれかにおいて、前記長尺バックヨークプレートとなる箇所の前記切り離し部の近傍に係合部を形成し、
前記展開工程後に前記積層工程を行い、
前記積層工程において、前記長尺バックヨークプレートと前記短尺バックヨークプレートとが1枚ずつ互い違いとなるように前記ステータコアプレートを積層し、
前記展開戻し工程において、軸方向で重なる各前記係合部同士を係合させることにより、積層された各前記バックヨークプレートの前記切り離し部が形成された端部同士を連結する
ことを特徴とする請求項1に記載のステータ製造方法。
【請求項3】
前記係合部は、前記バックヨークプレートの一部を厚さ方向に突き出してなるボスである
ことを特徴とする請求項2に記載のステータ製造方法。
【請求項4】
前記打ち抜き工程において、前記バックヨークプレートにおける前記ティースの根本に対応する箇所が、前記ティースに対して交差する方向に延びるように、前記電磁鋼板から前記バックヨークプレートを多角形状に打ち抜く
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のステータ製造方法。
【請求項5】
複数の第1分割コアプレートを環状に連結してなる第1ステータコアプレートと、
複数の第2分割コアプレートを環状に連結してなる第2ステータコアプレートと、
を備え、
前記第1ステータコアプレートと前記第2ステータコアプレートとを1枚ずつ互い違いに積層してなるステータコアであって、
前記第1分割コアプレートは、
周方向に延びる第1分割バックヨークプレートと、
前記第1分割バックヨークプレートから径方向内側に向かって突出する第1ティースプレートと、
を有し、
前記第1ステータコアプレートは、周方向で隣り合う前記第1分割バックヨークプレートの周方向端部同士を連結してなり、
前記第2分割コアプレートは、
周方向に延びる第2分割バックヨークプレートと、
前記第2分割バックヨークプレートから径方向内側に向かって突出する第2ティースプレートと、
を有し、
前記第2ステータコアプレートは、周方向で隣り合う前記第2分割バックヨークプレートの周方向端部同士を連結してなり、
複数の前記第1分割バックヨークプレートのうち、周方向で隣り合う任意の2つの前記第1分割バックヨークプレートは、対応する前記第1ティースプレートから互いの方向に向かって突出する周方向の長さが異なる長尺第1分割バックヨークプレートと短尺第1分割バックヨークプレートとを別々に有し、
複数の前記第2分割バックヨークプレートのうち、前記長尺第1分割バックヨークプレートと軸方向で重なる箇所を、前記短尺第1分割バックヨークプレートの周方向の長さと同じ周方向の長さで形成された短尺第2分割バックヨークプレートとし、
複数の前記第2分割バックヨークプレートのうち、前記短尺第1分割バックヨークプレートと軸方向で重なる箇所を、前記長尺第1分割バックヨークプレートの周方向の長さと同じ周方向の長さで形成された長尺第2分割バックヨークプレートとし、
前記長尺第1分割バックヨークプレート及び前記長尺第2分割バックヨークプレートは、互いに軸方向で重なる箇所に形成された互いに係合される係合部をそれぞれ有する
ことを特徴とするステータコア。
【請求項6】
前記係合部は、前記長尺第1分割バックヨークプレート及び前記長尺第2分割バックヨークプレートの一部を厚さ方向に突き出してなるボスである
ことを特徴とする請求項5に記載のステータコア。
【請求項7】
前記第1分割バックヨークプレート及び前記第2分割バックヨークプレートは直線状に形成されており、
前記第1ステータコアプレート及び前記第2ステータコアプレートの外周面は、多角形状に形成されている
ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のステータコア。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のステータコアと、
前記ステータコアの前記第1ティースプレート及び前記第2ティースプレートに巻回されるコイルと、
前記ステータコアの外周面が嵌合される筒状のケースと、
を備える
ことを特徴とするステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ製造方法、ステータコア及びステータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばインナーロータ型のブラシレスモータは、円筒状に形成されたステータと、円柱状に形成され、ステータの径方向内側に回転自在に設けられたロータと、を備える。ステータは、円筒状のバックヨーク及びバックヨークから径方向内側に向かって突出する複数のティースを備えたステータコアと、ティースに巻回されるコイルと、を備える。コイルに通電すると、ティースに鎖交磁束が形成される。この鎖交磁束とロータに設けられたマグネットとの間で磁気的な吸引力や反発力が生じ、ロータが回転される。
【0003】
ステータコアは、鉄損を軽減するために電磁鋼板を積層することにより形成される場合が多い。また、コイルの占積率を高めるために、ステータコアをティースごとに周方向に分割して分割コア(分割積層鉄心)を形成する場合がある。分割コアごとにコイルを巻回することにより、コイルを巻回する際の作業が制限を受けにくくなる。このため、コイルの占積率を向上できる。
【0004】
分割コアの製造方法としては、まず、電磁鋼板から分割コアとなる分割コアプレート(ブランク、鉄心片)を複数打ち抜く。続いて、これら分割コアプレートを複数積層することにより分割コアを形成する。
分割コアを形成した後、分割コアごとにコイルを巻回する。この後、各分割コアにおけるバックヨークの周方向両端同士を環状に連結してステータが形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、分割コアを容易に連結するために、バックヨークの周方向両端に溝部を形成するとともに、この溝部に突起を設ける場合がある。このように構成することで、任意のバックヨークの溝部に、周方向で隣り合う他のバックヨークの周方向端部を挿入する。そして、突起によって、周方向で隣り合う2つのバックヨークを連結する(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2020/194787号
【特許文献2】特開2020-174507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1では、バックヨークの周方向両端の製造誤差により、連結したバックヨークの間に微小隙間が形成される場合がある。この場合、コイルへの通電時に生じるロータとの磁気的な吸引力や反発力によってステータコアが変形してしまう可能性があった。
また、連結したバックヨークに必要以上に局所的な圧力がかかる場合がある。この場合、分割コアの連結時にバックヨークが変形してしまう可能性があった。
【0008】
上述の特許文献2では、バックヨークの剛性によって、溝部に差し込む他のバックヨークが突起に突き当たり、この突起を乗り越えられない可能性があった。このため、無理に連結しようとして突起が変形してしまったり、組み立て作業自体が煩わしいものとなったりする可能性があった。
【0009】
本発明は、精度よく製造できるとともに、組み立て作業性を向上できるステータ製造方法、ステータコア及びステータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係るステータ製造方法は、環状のバックヨークプレート、及び前記バックヨークプレートの内周縁から径方向内側に向かって突出する複数のティースプレートを有するステータコアプレートを、電磁鋼板から打ち抜く打ち抜き工程と、前記打ち抜き工程後、前記バックヨークプレートにおける周方向で隣り合う前記ティースプレート間にせん断加工を施し、前記バックヨークプレートの1箇所のみに切り離し部を形成するとともに、前記切り離し部以外の箇所は前記バックヨークプレートが切り離れないように切り込み部を形成する切り込み工程と、前記切り込み工程後、前記バックヨークプレートのうちの前記切り込みを形成したことによる切り起こされた箇所を押し戻して平坦にする切り起こし戻し工程と、前記切り起こし戻し工程後、複数の前記ステータコアプレートを積層し、積層された複数の前記バックヨークプレートからなるバックヨーク、及び積層された複数の前記ティースプレートからなるティースを有するステータコアを形成する積層工程と、前記切り起こし戻し工程後、又は前記積層工程後、前記切り離し部を切り離すように開くとともに前記切り込み部を開き、前記ティースプレートの前記突出する方向と交差する方向に周方向で隣り合う各前記ティースプレートが並ぶように前記ステータコアプレートを展開する展開工程と、前記展開工程後、前記ティースにコイルを巻回する巻回工程と、前記巻回工程後、前記バックヨークを環状に戻す展開戻し工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ステータコア及びステータを精度よく製造できるとともに、ステータコア及びステータの組み立て作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態におけるブラシレスモータの径方向に沿う断面図である。
図2】本発明の第1実施形態におけるステータコアプレートの平面図である。
図3図2のIII部拡大図である。
図4図2のIV部拡大図である。
図5】本発明の第1実施形態におけるステータコアの展開図である。
図6】本発明の第2実施形態におけるステータコアの側面図である。
図7】本発明の第2実施形態における第1ステータコアプレートを示し、(a)は平面図、(b)は展開図である。
図8】本発明の第2実施形態における第2ステータコアプレートを示し、(a)は平面図、(b)は展開図である。
図9】本発明の第2実施形態における積層工程後のステータコアの側面図である。
図10】本発明の第2実施形態の変形例におけるボスの一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
<ブラシレスモータ>
図1は、本発明の第1実施形態に係るステータ2が適用されたブラシレスモータ1の径方向に沿う断面図である。
ブラシレスモータ1は、例えば車両に搭載される電装品(例えば、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源である。
【0015】
図1に示すように、ブラシレスモータ1は、環状のステータ2と、ステータ2の径方向内側に配置され、ステータ2に対して回転自在に支持されたロータ3と、を備える。以下の説明では、ロータ3の回転軸線Cと平行な方向を単に軸方向と称する。ロータ3の回転方向を周方向と称する。軸方向及び周方向に直交するロータ3の径方向は、ステータ2の径方向と一致している。
【0016】
<ロータ>
ロータ3は、シャフト4と、シャフト4に嵌合固定された円柱状のロータコア5と、を備える。ロータコア5には、外周面にマグネット5aが設けられている。マグネット5aによって、ロータコア5の外周面に表面磁束が形成される。なお、マグネット5aは、ロータコア5の外周面に設けられる場合に限られるものではなく、例えばロータコア5の外周面寄りに埋設されていてもよい。
【0017】
<ステータ>
ステータ2は、ステータ2の外郭を形成するステータケース6と、ステータケース6内に嵌合されたステータコア7と、ステータコア7に巻回されたコイル8と、を備える。
ステータケース6は、金属材料により、径方向に沿う断面が角丸正六角形の筒部6aを有する。このようなステータケース6に、例えばシャフト4の一端が回転自在に支持される。
【0018】
ステータコア7は、電磁鋼板にプレス加工を施して打ち抜いた複数のステータコアプレート13(図2参照)を積層して形成される。ステータコア7は、ステータケース6の形状に対応するように角丸正六角形の筒状に形成されたバックヨーク11と、バックヨーク11から径方向内側に向かって突出する複数(本実施形態では6個)のティース12と、が一体成形されたものである。各ティース12にインシュレータ9の上からコイル8が例えば集中巻き方式により巻回されている。
【0019】
ここで、ステータコア7は、ティース12ごとに分割された複数(本実施形態では6個)の分割コア10を環状に連結して形成される。分割コア10は、バックヨーク11の各角部11aに形成された切り込み部15及び切り離し部16により、周方向で分割された形になる。切り込み部15は、バックヨーク11の各角部11aにおける径方向内側に形成されている。切り離し部16は、バックヨーク11の各角部11aにおける径方向全体に渡って形成されている。これら切り込み部15及び切り離し部16の詳細については後述する。
【0020】
分割コア10は、ステータケース6の内側面に沿うように軸方向からみて直線状に延びる分割バックヨーク14と、分割バックヨーク14の周方向中央から径方向内側に向かって突出する1個のティース12と、により構成される。軸方向からみて、分割バックヨーク14の延在方向に対し、ティース12の延在方向は直交している。各分割バックヨーク14の周方向両端のうち、切り込み部15が形成されている箇所の径方向外側が、周方向で隣り合う分割コア10同士を連結する連結部17として機能している。
【0021】
<ステータの製造方法>
次に、ステータ2の製造方法について説明する。
まず、ステータコア7の製造方法について説明する。
図2は、ステータコアプレート13の平面図である。図3は、図2のIII部拡大図である。図4は、図2のIV部拡大図である。
【0022】
図2から図4に示すように、まず、電磁鋼板Pにプレス加工を施してステータコアプレート13を打ち抜く(打ち抜き工程)。打ち抜きは、プレス加工によるせん断加工を施すことにより行われる。打ち抜き工程でのステータコアプレート13は、角丸正六角形の環状のバックヨークプレート18と、バックヨークプレート18の内周縁から径方向内側に向かって突出する複数(本実施形態では6個)のティースプレート19と、が一体となっている。
【0023】
打ち抜き工程では、ステータコアプレート13に、このステータコアプレート13の一部を厚さ方向に突き出すことにより、複数のボス21が形成される。複数のボス21は、プレス加工による絞り加工を施すことにより行われる。ボス21は、例えばティースプレート19に配置される。各ステータコアプレート13のボス21は、各ステータコアプレート13を積層する際に厚さ方向で嵌合される。これにより、積層された各ステータコアプレート13が一体化される。
【0024】
打ち抜き工程では、バックヨークプレート18の複数(本実施形態では6個)の角部18a(つまり、周方向で隣り合うティースプレート19間)のうち、1箇所を除いた残りの箇所に、捨て孔22が形成される。捨て孔22は、プレス加工によるせん断加工を施すことにより行われる。捨て孔22は、角部18aにおける周方向のほぼ中央で、かつ径方向のほぼ中央に配置される。捨て孔22は、後述する切り込み工程で利用される。
【0025】
続いて、バックヨークプレート18の捨て孔22を形成した箇所にプレス加工を施して切り込み部15を形成するとともに、捨て孔22が形成されていない角部18aにプレス加工を施して切り離し部16を形成する(切り込み工程)。切り込み部15及び切り離し部16は、プレス加工によるせん断加工を施すことにより行われる。
切り込み部15は、角部18aの内周縁における周方向中央から捨て孔22に至る間に、径方向に沿って形成される。捨て孔22を形成することにより、切り込み部15によって角部18aの径方向全体に渡って亀裂が形成されてしまうことが防止される。切り離し部16は、角部18aの周方向中央に、角部18aの径方向全体に渡って形成される。
【0026】
切り込み部15及び切り離し部16を形成することにより、バックヨークプレート18を周方向に分割した分割バックヨークプレート23が形成される。各分割バックヨークプレート23の周方向中央に、内周縁から径方向内側に突出するティースプレート19がそれぞれ1個形成される。分割バックヨークプレート23とティースプレート19とにより、分割コアプレート20が形成される。周方向で隣り合う分割コアプレート20は、捨て孔22の径方向外側を介して連結される。捨て孔22の径方向外側の箇所は、周方向で隣り合う分割コアプレート20を連結する連結部17として機能する。一方、切り離し部16では、この切り離し部16を挟んで両側の分割コアプレート20が互いに完全に切り離される。
【0027】
切り込み部15及び切り離し部16は、せん断加工を施すことにより形成されるので、切り込み部15及び切り離し部16を挟んで両側の分割バックヨークプレート23が互いに逆方向に切り起こされる。このため、切り込み工程後に、プレス加工を施して切り起こされた箇所を押し戻し、分割バックヨークプレート23を平坦にする(切り起こし戻し工程)。
次に、複数のステータコアプレート13を積層する(積層工程)。積層された複数の分割コアプレート20により、複数の分割コア10が形成される(図1参照)。これら分割コア10により、ステータコア7が形成される。
【0028】
図5は、ステータコア7の展開図である。
図5に示すように、積層工程の後、切り離し部16を切り離すように開くとともに切り込み部15を開き、ステータコア7を展開する(展開工程)。展開工程では、分割バックヨーク14が直線状に一列に並ぶように展開される。この結果、ティース12は、ティース12の分割バックヨーク14からの突出方向に対し、直交する方向に並ぶ。
【0029】
ここで、軸方向からみて分割バックヨーク14が直線状に延びているので、展開工程においてステータコア7を展開しやすくできる。展開後の各分割バックヨーク14を直線状に並べることにより、各ティース12も一方向に並べやすくできる。
ステータコア7を展開することにより、分割コア10を環状に連結した状態よりも各ティース12の間隔を広げることができる。
【0030】
次に、ステータコア7を展開した状態で、各ティース12にインシュレータ9(図1参照)の上からコイル8を集中巻き方式により巻回する(巻回工程)。分割コア10を環状に連結した状態よりも各ティース12の間隔が広がっているので、各ティース12に容易にコイル8を巻回できる。
【0031】
次に、分割コア10(バックヨーク11)を環状に戻す(展開戻し工程)。すなわち、バックヨーク11の周方向両端となる切り離し部16同士を突き合わせる。
ここで、バックヨーク11に形成した切り込み部15や切り離し部16は、元々バックヨーク11が環状の状態のときに形成したものであるので、展開戻し工程によってバックヨーク11を環状に戻した際、各分割バックヨーク14の間に隙間が形成されることがない。
【0032】
バックヨーク11を環状に戻したのち、ステータケース6にステータコア7を挿入、又は圧入する。ステータケース6にステータコア7を挿入し接着、又は圧入することにより、バックヨーク11の環状に戻した状態が維持される。これにより、ステータ2の製造が完了する。
【0033】
このように、上述の第1実施形態では、ステータ2を製造するにあたって、打ち抜き工程と、切り込み工程と、切り起こし戻し工程と、積層工程と、展開工程と、巻回工程と、展開戻し工程と、を有する。環状のバックヨークプレート18を打ち抜いた後、このバックヨークプレート18に切り込み部15及び切り離し部16を形成し、バックヨーク11を展開している。このため、再びバックヨーク11を環状に戻した際、製造誤差により周方向で隣り合う分割バックヨーク14同士の間に隙間が生じたり、分割バックヨーク14に必要以上に局所的な圧力がかかったりしてしまうことを防止できる。しかも、せん断加工を施すことにより、切り込み部15や切り離し部16を形成するので、切り込み部15や切り離し部16を形成するにあたって削り代が発生しない。よって、ステータコア7を精度よく製造できる。
【0034】
また、切り込み部15を形成してステータコア7を展開するので、バックヨーク11がティース12ごとに完全に分割されない。これに加え、ステータコア7を精度よく製造できるので、展開戻し工程において容易にステータコア7を組み立てることができる。
ステータコア7の製造精度を高めつつ、ステータコア7(ステータ2)の組み立て性も向上できるので、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「全ての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」、及び目標9「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの促進を図る」に貢献することが可能となる。
【0035】
ステータケース6及びステータコア7は、軸方向からみて角丸正六角形の筒状に形成されている。このため、ステータケース6及びステータコア7が円筒状の場合と比較して、ブラシレスモータ1の径方向の幅をできる限り小さくできる。よって、ブラシレスモータ1を扁平化できる。
また、軸方向からみて分割バックヨーク14が直線状に延びているので、展開工程においてステータコア7を展開しやすくできる。展開後の各分割バックヨーク14を直線状に並べることにより、各ティース12も一方向に並べやすくできる。このため、ステータ2の製造作業性を向上できる。
【0036】
上述の第1実施形態では、ステータケース6にステータコア7を挿入、又は圧入することにより、バックヨーク11の環状に戻した状態を維持する場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、展開戻し工程においてバックヨーク11の周方向両端となる切り離し部16同士を突き合わせた後、切り離し部16に溶接を施してバックヨーク11の環状に戻した状態を維持してもよい。
【0037】
上述の第1実施形態では、ステータ2の製造方法において、積層工程後に展開工程を行う場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、先に展開工程を行って各ステータコアプレート13を展開し、その後に積層工程を行うようにしてもよい。
【0038】
[第2実施形態]
次に、図1を援用し、図6から図9に基づいて、本発明の第2実施形態について説明する。以下の図において、前述の第1実施形態同一態様には同一符号を付して説明を省略する。
図6は、第2実施形態におけるステータコア207の側面図である。
第2実施形態において、ブラシレスモータ1は、環状のステータ202と、ステータ202の径方向内側に配置され、ステータ202に対して回転自在に支持されたロータ3と、を備える点、ステータ202は、ステータコア207と、ステータコア7に巻回されたコイル8と、を備える点、等の基本的構成は、前述の第1実施形態と同様である。
【0039】
図6に示すように、第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態のステータコア7は1種類のステータコアプレート13を複数積層して形成されているのに対し、第2実施形態のステータコア207は2種類のステータコアプレート213a,213b(第1ステータコアプレート213a、第2ステータコアプレート213b)を1枚ずつ互い違いに複数積層して形成されている点にある。
【0040】
図7は、第1ステータコアプレート213aを示し、(a)は平面図、(b)は展開図である。図8は、第2ステータコアプレート213bを示し、(a)は平面図、(b)は展開図である。図7(a)、図8(a)は、前述の図2に対応している。図7(b)、図8(b)は、前述の図5に対応している。
図7(a)、図7(b)に示すように、第1ステータコアプレート213aは、複数(本実施形態で6個)の第1分割コアプレート220a同士が、連結部17を介して連結されている。一方、第1切り離し部216aを有する2つの第1分割コアプレート220aは、互いに完全に切り離されている。
【0041】
ここで、前述の第1実施形態におけるステータコアプレート13と本第2実施形態における第1ステータコアプレート213aとの相違点は、第1実施形態における切り離し部16の形成位置と、第2実施形態における第1切り離し部216aの形成位置と、が異なる点にある。すなわち、第1ステータコアプレート213aでは、第1切り離し部216aは、角部18aの周方向中央に径方向に沿って形成されていない。第1ステータコアプレート213aの第1切り離し部216aは、角部18aの内周縁における周方向中央から径方向に対して斜めに延び、角部18aの外周縁に至る。
【0042】
より具体的には、第1切り離し部216aは、この第1切り離し部216aを挟んで両側に位置される2つの第1分割バックヨークプレート223aのうち、一方の第1分割バックヨークプレート223aにおける内周縁の延在方向に沿って形成されている。この結果、第1切り離し部216aを有する2つの第1分割バックヨークプレート223aは、対応するティースプレート19から互いの方向に向かって突出する周方向の長さが異なる長尺第1分割バックヨークプレート24aと、短尺第1分割バックヨークプレート24bと、を別々に有する。
【0043】
長尺第1分割バックヨークプレート24aにおける対応するティースプレート19から第1切り離し部216aに至る長さLa(以下、単に長尺第1分割バックヨークプレート24aの長さLaと称する)は、短尺第1分割バックヨークプレート24bにおける対応するティースプレート19から第1切り離し部216aに至る長さLb(以下、単に短尺第1分割バックヨークプレート24bの長さLbと称する)よりも長い。長尺第1分割バックヨークプレート24aには、第1切り離し部216a寄りの周方向端部に、連結ボス221が形成されている。
【0044】
図8(a)、図8(b)に示すように、第2ステータコアプレート213bの基本的構成は、第1ステータコアプレート213aと同様である。すなわち、第2ステータコアプレート213bは、複数(本実施形態で6個)の第2分割コアプレート220b同士が、連結部17を介して連結されている。一方、第2切り離し部216bを有する2つの第2分割コアプレート220bは、互いに完全に切り離されている。
【0045】
ここで、第2ステータコアプレート213bの第2切り離し部216bも第1ステータコアプレート213aの第1切り離し部216aと同様に、角部18aの内周縁における周方向中央から径方向に対して斜めに延び、角部18aの外周縁に至る。しかしながら、第2ステータコアプレート213bおける第2切り離し部216bの向きは、第1ステータコアプレート213aと同一方向からみたとき、この第1ステータコアプレート213aにおける第1切り離し部216aの向きと角部18aの周方向中央を中心に対称となる向きになる。
【0046】
このため、第1ステータコアプレート213aと同一方向から第2ステータコアプレート213bをみたとき、第1ステータコアプレート213aの長尺第1分割バックヨークプレート24aが形成されている側には、短尺第2分割バックヨークプレート25bが形成される。第1ステータコアプレート213aの短尺第1分割バックヨークプレート24bが形成されている側には、長尺第2分割バックヨークプレート25aが形成される。
【0047】
長尺第2分割バックヨークプレート25aにおける対応するティースプレート19から第2切り離し部216bに至る長さLc(以下、単に長尺第2分割バックヨークプレート25aの長さLcと称する)は、長尺第1分割バックヨークプレート24aの長さLaと同一である。短尺第2分割バックヨークプレート25bにおける対応するティースプレート19から第2切り離し部216bに至る長さLd(以下、単に短尺第2分割バックヨークプレート25bの長さLdと称する)は、短尺第2分割バックヨークプレート25bの長さLbと同一である。長尺第2分割バックヨークプレート25aには、第2切り離し部216b寄りの周方向端部に、連結ボス221が形成されている。
【0048】
<ステータの製造方法>
次に、第2実施形態におけるステータ202の製造方法について説明する。
第2実施形態において、ステータ202の製造方法として、打ち抜き工程、切り込み工程、切り起こし戻し工程、積層工程、展開工程、巻回工程、及び展開戻し工程を有する点は、前述の第1実施形態と同様である。
ここで、第2実施形態では、積層工程よりも先に展開工程を行う。積層工程では、第1ステータコアプレート213aと第2ステータコアプレート213bとが1枚ずつ互い違いになるように順に積層する。
【0049】
図9は、積層工程後のステータコア207の側面図である。
図9に示すように、積層工程後で、かつ展開戻し工程前(以下、単に展開戻し工程前と称する)のステータコア207において、第2切り離し部216bを有する長手方向一方の端部(図9における左側の端部)では、長尺第1分割バックヨークプレート24aと短尺第2分割バックヨークプレート25bとが1枚ずつ互いに違いに積層される。
展開戻し工程前のステータコア207において、第2切り離し部216bを有する長手方向他方の端部(図9における右側の端部)では、短尺第1分割バックヨークプレート24bと長尺第2分割バックヨークプレート25aとが1枚ずつ互いに違いに積層される。
【0050】
このため、展開戻し工程前において、ステータコア207の長手方向一端には、軸方向で並ぶ長尺第1分割バックヨークプレート24aの間に、第1凹部26aが形成される。展開戻し工程前において、ステータコア207の長手方向他端には、軸方向で並ぶ長尺第2分割バックヨークプレート25aの間に、第2凹部26bが形成される。
【0051】
展開戻し工程では、第1凹部26aに長尺第2分割バックヨークプレート25aを挿入し、この長尺第2分割バックヨークプレート25aの第2切り離し部216bと短尺第2分割バックヨークプレート25bの第2切り離し部216bとを突き合わせる。これと同時に、第2凹部26bに長尺第1分割バックヨークプレート24aを挿入し、この長尺第1分割バックヨークプレート24aの第1切り離し部216aと短尺第1分割バックヨークプレート24bの第1切り離し部216aとを突き合わせる。
【0052】
このとき、長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aは、互いの連結ボス221を乗り上げるように若干弾性変形しながら対応する凹部26a,26bに挿入される。そして、各々切り離し部216a,216b同士が突き当たると、長尺第1分割バックヨークプレート24aの連結ボス221と長尺第2分割バックヨークプレート25aの連結ボス221とが軸方向(厚さ方向)で重なり、それぞれ嵌合される。これにより、ステータ2の製造が完了する。
【0053】
ここで、各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bは、角部18aの内周縁における周方向中央から径方向に対して斜めに延び、角部18aの外周縁に至る。切り離し部216a,216bは、2つの分割バックヨークプレート223a,223bのうち、一方の分割バックヨークプレート223a,223bにおける内周縁の延在方向に沿って形成されている。このため、展開戻し工程において、各第1切り離し部216a同士を突き当てると、長尺第1分割バックヨークプレート24aによって、短尺第1分割バックヨークプレート24bの径方向外側への移動が規制される(図7(a)参照)。また、展開戻し工程において、各第2切り離し部216b同士を突き当てると、長尺第2分割バックヨークプレート25aによって、短尺第2分割バックヨークプレート25bの径方向外側への移動が規制される(図8(a)参照)。
【0054】
したがって、上述の第2実施形態によれば、前述の第1実施形態と同様の効果を奏する。これに加え、長尺第1分割バックヨークプレート24aと短尺第2分割バックヨークプレート25bとを1枚ずつ互い違いに積層している。短尺第1分割バックヨークプレート24bと長尺第2分割バックヨークプレート25aとを1枚ずつ互い違いに積層している。そして、長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aにそれぞれ連結ボス221を形成し、これら連結ボス221を軸方向で重なり合わせることで切り離し部216a,216bを含む端部同士を連結している。このため、第1実施形態のようにステータケース6を用いることなく、ステータコア207を環状に維持でき、ステータ202の製造作業性を向上できる。
【0055】
また、各ステータコアプレート213a,213bの1枚置きに凹部26a,26bが形成され、これら凹部26a,26bに長尺第1分割バックヨークプレート24aや長尺第2分割バックヨークプレート25aを挿入する形になる。1枚置きなので、展開戻し工程において各分割バックヨークプレート24a,25aを容易に弾性変形させることができる。このため、長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aを、互いの連結ボス221を乗り上げるように若干弾性変形しながら対応する凹部26a,26bに挿入できる。よって、各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bを含む端部同士を容易に連結でき、ステータ202の製造作業性をさらに向上できる。
【0056】
各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bを含む端部同士を容易に連結する手段として、連結ボス221を採用している。このため、安価に、かつ確実に各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bを含む端部同士を連結できる。連結ボス221にすることにより、長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aが、互いの連結ボス221を乗り上げやすくできる。
【0057】
[第2実施形態の変形例]
図10は、第2実施形態の変形例におけるボス21の一部拡大断面図である。
図10に示すように、長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aに形成された連結ボス221を、突出高さHが凹部26a,26bの挿入方向に向かうに従って漸次低くなるように形成してもよい。すなわち、連結ボス221の突出高さHは、長尺第1分割バックヨークプレート24aや長尺第2分割バックヨークプレート25aを受け入れる側がこの受け入れる側とは反対側と比較して低い。
【0058】
このように構成することで、各凹部26a,26bに対して長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aをさらに挿入しやすくできる。長尺第1分割バックヨークプレート24a及び長尺第2分割バックヨークプレート25aが、互いの連結ボス221をさらに乗り上げやすくすることができる。
【0059】
上述の第2実施形態では、各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bを含む端部同士を連結する手段として、連結ボス221を採用している。しかしながらこれに限られるものではなく、各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bを含む端部同士を係合できる構成であればよい。例えば鍵状の爪部を形成し、各ステータコアプレート213a,213bの切り離し部216a,216bを含む端部同士を係合してもよい。
【0060】
上述の第2実施形態では、長尺第2分割バックヨークプレート25aの長さLcは、長尺第1分割バックヨークプレート24aの長さLaと同一である場合について説明した。短尺第2分割バックヨークプレート25bの長さLdは、短尺第1分割バックヨークプレート24bの長さLbと同一である場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、各長さLa,Lcが異なっていてもよい。各長さLb,Ldが異なっていてもよい。長尺第1分割バックヨークプレート24aの長さLaと短尺第1分割バックヨークプレート24bの長さLbとが異なっていればよい。長尺第2分割バックヨークプレート25aの長さLcと短尺第2分割バックヨークプレート25bの長さLdとが異なっていればよい。
【0061】
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、ブラシレスモータ1は、車両に搭載される電装品(例えば、パワーウインドウ、サンルーフ、電動シート等)の駆動源である場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、さまざまな電動品の駆動源として、ブラシレスモータ1を用いることができる。
【0062】
上述の実施形態では、ブラシレスモータ1は、ティース12を6個有する場合について説明した。ステータケース6は、径方向に沿う断面が角丸正六角形の筒部6aを有する場合について説明した。ステータコア7,207は、ステータケース6の形状に対応するように角丸正六角形の筒状に形成されたバックヨーク11を有する場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、ステータケース6やステータコア7,207のバックヨーク11は、筒状であればよい。ステータケース6やステータコア7,207のバックヨーク11は、円筒形状でもよい。ティース12の個数も6個に限られるものではない。ティース12の個数に応じて筒状の多角形状を変更してよい。
【符号の説明】
【0063】
1…ブラシレスモータ、2…ステータ、3…ロータ、4…シャフト、5…ロータコア、6…ステータケース、6a…筒部、7…ステータコア、8…コイル、10…分割コア、11…バックヨーク、11a…各角部、12…ティース、13…ステータコアプレート、14…分割バックヨーク、15…切り込み部、16…切り離し部、17…連結部、18…バックヨークプレート、18a…角部、19…ティースプレート、20…分割コアプレート、21…ボス、22…捨て孔、23…分割バックヨークプレート、24a…長尺第1分割バックヨークプレート、24b…短尺第1分割バックヨークプレート、25a…長尺第2分割バックヨークプレート、25b…短尺第2分割バックヨークプレート、26a…第1凹部、26b…第2凹部、202…ステータ、207…ステータコア、213a…第1ステータコアプレート、213b…第2ステータコアプレート、216a…第1切り離し部、216b…第2切り離し部、220a…第1分割コアプレート、220b…第2分割コアプレート、221…連結ボス、223a…第1分割バックヨークプレート、223b…第2分割バックヨークプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10