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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141834
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】応答システム、及び応答方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/527 20060101AFI20230928BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20230928BHJP
   G06Q 10/20 20230101ALI20230928BHJP
【FI】
H04M3/527
H04M11/00 302
G06Q10/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048359
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】大野 博樹
(72)【発明者】
【氏名】長原 優
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕美
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 美佐
(72)【発明者】
【氏名】野田 彩夏
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201BA13
5K201BC14
5K201CA01
5K201CA07
5K201CB05
5K201CB12
5K201DC02
5K201EC06
5K201EC09
5K201ED05
5K201EF10
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】IVRの利便性を向上させる。
【解決手段】電話番号を宛先とするメッセージサービスを用いて、ユーザにより指定された振分番号を、通信端末を介して取得する取得部と、前記振分番号を前記通信端末の電話番号に対応づけた振分情報を記憶する記憶部と、前記メッセージサービスを介して、事業者の電話番号に発信する案内を含む案内メッセージを前記通信端末に送信するメッセージ送信部と、前記事業者の電話番号宛てに着信があった場合、発信元の電話番号と前記振分情報とに基づいて、前記ユーザにより指定された振分番号を特定し、前記特定した振分番号に応じた応答を行う応答部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号を宛先とするメッセージサービスを用いて、ユーザにより指定された振分番号を、通信端末を介して取得する取得部と、
前記振分番号を前記通信端末の電話番号に対応づけた振分情報を記憶する記憶部と、
前記メッセージサービスを介して、事業者の電話番号に発信する案内を含む案内メッセージを前記通信端末に送信するメッセージ送信部と、
前記事業者の電話番号宛てに着信があった場合、発信元の電話番号と前記振分情報とに基づいて、前記ユーザにより指定された振分番号を特定し、前記特定した振分番号に応じた応答を行う応答部と
を備える応答システム。
【請求項2】
前記メッセージ送信部は、前記振分番号に対応する質問を含む質問メッセージを前記通信端末に送信し、
前記取得部は、前記質問メッセージに対する回答に基づいて前記振分番号を取得する、
請求項1に記載の応答システム。
【請求項3】
電話回線を通じて、前記振分番号に対応する質問を含む音声ガイダンスを前記通信端末に送信する音声案内部、を更に備え、
前記応答部は、前記電話回線が切断された場合、前記メッセージ送信部に、前記通信端末に、前記ユーザが指定した前記振分番号を確認する確認メッセージを送信するように依頼し、
前記メッセージ送信部は、前記音声ガイダンスに対する回答に基づいて取得された前記振分番号を含む前記確認メッセージを前記通信端末に送信し、
前記取得部は、前記確認メッセージに対する回答に基づいて、前記ユーザによって確認された前記振分番号を取得する、
請求項1に記載の応答システム。
【請求項4】
前記応答部は、前記メッセージ送信部によって前記通信端末に前記案内メッセージが送信された第1時刻から、前記通信端末から前記事業者の電話番号宛てに着信があった第2時刻までに経過した時間が閾値未満である場合、前記応答を行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の応答システム。
【請求項5】
コンピュータが行う応答方法であって、
取得部が、電話番号を宛先とするメッセージサービスを用いて、ユーザにより指定された振分番号を、通信端末を介して取得し、
記憶部が、前記振分番号を前記通信端末の電話番号に対応づけた振分情報を記憶し、
メッセージ送信部が、前記メッセージサービスを介して、事業者の電話番号に発信する案内を含む案内メッセージを前記通信端末に送信し、
応答部が、前記事業者の電話番号宛てに着信があった場合、発信元の電話番号と前記振分情報とに基づいて、前記ユーザにより指定された振分番号を特定し、前記特定した振分番号に応じた応答を行う
応答方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答システム、及び応答方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IVR(Interactive Voice Response)を利用した自動音声によるサービスがある。例えば、IVR機能を備えたサーバは、ユーザの通信端末と接続状態になると自動音声による案内を行う。特許文献1には、電話に応答しなかったユーザに対し、SMSなどの電話番号を宛先とするメッセージサービスを用いて、自動音声の内容に対応したテキストメッセージをユーザの通信端末に送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-88491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IVRを利用した自動音声による案内では、「Aの方は1番、Bの方は2番、…を押してください」などと全文を読み上げるまでに延々と時間がかる場合が多い。また、音声を最後まで聞かないと操作する番号が判らない、聞き逃してしまった場合に聞き返す手段がない、途中で電話を切ると最初からやり直さなければならない場合があり、必ずしも利便性がよいものではなかった。利便性を向上させるという観点において特許文献1の技術には改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、IVRの利便性を向上させることができる応答システム、及び応答方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る応答システムは、電話番号を宛先とするメッセージサービスを用いて、ユーザにより指定された振分番号を、通信端末を介して取得する取得部と、前記振分番号を前記通信端末の電話番号に対応づけた振分情報を記憶する記憶部と、前記メッセージサービスを介して、事業者の電話番号に発信する案内を含む案内メッセージを前記通信端末に送信するメッセージ送信部と、前記事業者の電話番号宛てに着信があった場合、発信元の電話番号と前記振分情報とに基づいて、前記ユーザにより指定された振分番号を特定し、前記特定した振分番号に応じた応答を行う応答部とを備える。
【0007】
また、本発明は、上述の応答システムにおいて、前記メッセージ送信部は、前記振分番号に対応する質問を含む質問メッセージを前記通信端末に送信し、前記取得部は、前記質問メッセージに対する回答に基づいて前記振分番号を取得する。
【0008】
また、本発明は、上述の応答システムにおいて、電話回線を通じて、前記振分番号に対応する質問を含む音声ガイダンスを前記通信端末に送信する音声案内部、を更に備え、前記応答部は、前記電話回線が切断された場合、前記メッセージ送信部に、前記通信端末に、前記ユーザが指定した前記振分番号を確認する確認メッセージを送信するように依頼し、前記メッセージ送信部は、前記音声ガイダンスに対する回答に基づいて取得された前記振分番号を含む前記確認メッセージを前記通信端末に送信し、前記取得部は、前記確認メッセージに対する回答に基づいて、前記ユーザによって確認された前記振分番号を取得する。
【0009】
また、本発明は、上述の応答システムにおいて、前記応答部は、前記メッセージ送信部によって前記通信端末に前記案内メッセージが送信された第1時刻から、前記通信端末から前記事業者の電話番号宛てに着信があった第2時刻までに経過した時間が閾値未満である場合、前記応答を行う。
【0010】
また、本発明に係る応答方法は、コンピュータが行う応答方法であって、取得部が、電話番号を宛先とするメッセージサービスを用いて、ユーザにより指定された振分番号を、通信端末を介して取得し、記憶部が、前記振分番号を前記通信端末の電話番号に対応づけた振分情報を記憶し、メッセージ送信部が、前記メッセージサービスを介して、事業者の電話番号に発信する案内を含む案内メッセージを前記通信端末に送信し、応答部が、前記事業者の電話番号宛てに着信があった場合、発信元の電話番号と前記振分情報とに基づいて、前記ユーザにより指定された振分番号を特定し、前記特定した振分番号に応じた応答を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、IVRの利便性を向上させることができる。また、事業者がIVRを利用する動機の一つに、オペレータに直接つながる内線番号をユーザに知らせたくないという事情がある。本発明では、IVRに着信があった際、オペレータに転送可能な振分番号をすでに取得している。このため、途中で電話が切られた場合であっても、ユーザに内線番号を知らせずにIVRの代表番号に発呼させつつも、ユーザに最初から番号操作をやり直させるような負荷をかけることなく、再接続の方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態に係る応答システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係るメッセージ配信サーバ10の構成例を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係る振分情報120の構成例を示す図である。
図4】第1の実施形態に係るIVRサーバ30の構成例を示すブロック図である。
図5】第1の実施形態に係る応答システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図6】第1の実施形態に係る通信端末20に通知されるメッセージの例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る通信端末20に通知されるメッセージの例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る通信端末20に通知されるメッセージの例を示す図である。
図9A】第2の実施形態に係る応答システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図9B】第2の実施形態に係る応答システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
図10】第2の実施形態に係る通信端末20に通知されるメッセージの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
<応答システム1の構成>
図1は、応答システム1の構成例を示すブロック図である。応答システム1は、例えば、メッセージ配信サーバ10と、通信端末20と、第2通信端末21と、IVRサーバ30と、を備える。応答システム1におけるこれらの構成要素(メッセージ配信サーバ10と、通信端末20と、IVRサーバ30)は通信可能に接続されている。
【0015】
メッセージ配信サーバ10は、サーバ装置、クラウドサーバ、PC(Personal Computer)などのコンピュータである。メッセージ配信サーバ10は、電話番号を宛先とするメッセージサービスであるRCS(Rich Communication Services)を用いたサービスを提供する事業者が管理するサーバ装置である。メッセージ配信サーバ10は、ユーザが所有する通信端末20に対し、RCSを用いたメッセージ(RCSメッセージ)を送信する。
【0016】
通信端末20は、ユーザが所有する通信装置である。通信端末20は、例えば、スマートフォン又は携帯電話など、電話番号を対応づけることが可能な通信装置である。通信端末20は、ユーザ等によって通信事業者との間で通信端末20を用いた通信サービスを利用するための契約がなされることにより、契約した通信事業者が提供する通信サービスを用いて通信することが可能となる。通信端末20には電話番号が割り当てられており、この電話番号を送信先とした通信、すなわちRCSを用いた通信を行う機能を有する。また、通信端末20は、電話回線を通じた音声通話を行う機能を有する。
【0017】
IVRサーバ30は、サーバ装置、クラウドサーバ、PCなどのコンピュータである。IVRサーバ30は、IVR(Interactive Voice Response)を用いた自動音声による案内を行う事業者によって管理される。IVRサーバ30は、顧客であるユーザの通信端末20に対しIVRを用いた自動音声による案内を行う。
【0018】
IVRサーバ30は、ユーザからの問い合わせに応じた応答を行う。
【0019】
まず、従来の応答方法について説明する。
IVRサーバ30は、通信端末20から着信があると、「音声ガイダンスの後に番号をお選びください」などの自動音声の後に問い合わせ内容を尋ねる音声ガイダンスを流し、問合せの内容に応じた番号(以下、振分番号という)をプッシュ操作で指定するように促す。IVRサーバ30は、ユーザによるプッシュ操作に基づいて振分番号を取得し、取得した振分番号に応じてユーザからの問合せ内容を特定する。IVRサーバ30は、特定した内容に応じて、問い合わせに対応可能な窓口を選択し、選択した窓口に通信端末20からの電話を自動転送する。つまり、IVRサーバ30は、問い合わせ内容を特定したうえで、対応可能なオペレータの端末と通信端末20を接続させ、オペレータがユーザからの問い合わせに対応できるようにする。これにより、IVRサーバ30はユーザからの問い合わせに応じた応答を行う。
【0020】
これに対し、本実施形態では、メッセージ配信サーバ10が振分番号を取得できるようにした。
【0021】
まず、メッセージ配信サーバ10は、質問メッセージQM(図6参照)をユーザの通信端末20に送信する。質問メッセージQMには、音声ガイダンスに対応するテキストT(図6参照)と共に、RCSで利用可能な操作ボタン、例えばチップリストB1(図6参照)が含まれる。ユーザは、質問メッセージQMに示されたテキストを視認し、該当する操作ボタンを選択してタップ操作を行う。メッセージ配信サーバ10は、ユーザによるタップ操作に基づいて振分番号を取得し、取得した振分番号を通信端末20の電話番号に対応づけた情報(後述する振分情報120)をIVRサーバ30に通知する。
【0022】
次に、メッセージ配信サーバ10は、案内メッセージAM(図8参照)をユーザの通信端末20に送信する。案内メッセージAMには、IVRにて対応する事業者等の問合せ先、例えば代表の電話番号を案内するテキストと共に、問合せ先に発呼するための操作ボタンが含まれる。ユーザは、案内メッセージAMに示されたテキストを視認し、発呼する操作ボタンに対しタップ操作を行う。通信端末20は、ユーザによるタップ操作に基づいて問い合わせ先に発呼する。
【0023】
IVRサーバ30は、着信を受けた端末の電話番号と振分情報120に基づいて、ユーザが問い合わせている内容に対応する振分番号を特定する。IVRサーバ30は、特定した振分番号に応じた窓口に通信端末20からの電話を自動転送する。
【0024】
これにより、本実施形態の応答システム1では、IVRの利便性を向上させることが可能となる。すなわち、音声を読み上げる代わりに、音声に対応する文章をテキストで視認できるようにし、音声を読み上げに時間を要しないようにすることができる。また、テキストで視認できるようにしたことにより、音声を最後まで聞かないと操作する番号が判らない、聞き逃してしまった場合に聞き返す手段がないといった不都合を解消させ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0025】
<メッセージ配信サーバ10の構成>
ここで、メッセージ配信サーバ10の構成について説明する。図2は、メッセージ配信サーバ10の構成を示すブロック図である。メッセージ配信サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、通信端末20、及びIVRサーバ30と通信を行う。
【0026】
記憶部12は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、または、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部12は、メッセージ配信サーバ10の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0027】
記憶部12は、例えば、振分情報120を記憶する。図3は、振分情報120の構成例を示す図である。
振分情報120は、振分番号に電話番号を対応づけた情報である。振分情報120は、例えば、問合せごとに作成される。振分情報120は、例えば、問合せID、携帯電話番号、時限、及び振分番号などの項目に対応する情報により構成される。
問合せIDは、ユーザから受けた問合せを識別する識別情報である。携帯電話番号は、ユーザの携帯電話番号である。時限は、ユーザが問合せをした日時である。
振分番号は、質問に対する回答に応じた番号である。例えば、「Aの方は1番、Bの方は2番、…」などの質問に対し、ユーザにより1番が選択された場合、振分番号は「1」である。質問は1つとは限らず、複数回行われる場合もある。振分番号は、質問の数に応じて設定される。この図の例では、3つの質問のそれぞれに対する回答が「1」、」「3」、「5」であることが示されている。
【0028】
図2の説明に戻り、制御部13は、メッセージ配信サーバ10の各構成を制御する。制御部13は、例えば、メッセージ配信サーバ10のCPU(Central Processing Unit)が記憶部12に予め記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部13は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路として実現されてもよい。制御部13は、例えば、取得部130と、メッセージ送信部131と、IVR連携部132とを備える。
【0029】
取得部130は、通信端末20、又はIVRサーバ30から通知された各種の情報を、通信部11を介して取得する。例えば、取得部130は、通信端末20から通知された振分番号を、通信部11を介して取得し、取得した振分番号に通信端末20の電話番号を対応づけて振分情報120を生成し、記憶部12に記憶させる。
【0030】
メッセージ送信部131は、通信端末20にメッセージを送信する。メッセージ送信部131は、通信部11を介して通信端末20にRCSを用いたメッセージを送信するように、通信事業者に要求(配信リクエスト)をする。これにより、通信事業者を介して、RCSメッセージが通知される。
例えば、メッセージ送信部131は、通信端末20に質問メッセージQMを送信する。また、メッセージ送信部131は、通信端末20に案内メッセージAMを送信する。メッセージ送信部131は、例えば、予め作成されたシナリオに沿って、通信端末20にメッセージを送信する。
【0031】
IVR連携部132は、振分情報120をIVRサーバ30に送信する。例えば、IVR連携部132は、質問メッセージQMに対する回答が得られる度に、その回答に対応する振分情報120をIVRサーバ30に送信する。或いは、問い合わせに対する一連の質問メッセージQMに対するそれぞれの回答が得られたタイミングで、それぞれの回答に対応する振分情報120をまとめてIVRサーバ30に送信するようにしてもよい。
【0032】
<IVRサーバ30の構成>
ここで、IVRサーバ30の構成について説明する。図4は、IVRサーバ30の構成を示すブロック図である。IVRサーバ30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備える。通信部31は、通信端末20、及びメッセージ配信サーバ10と通信を行う。通信部31は、例えば、通信端末20と電話回線等を通じた通話による通信を行い、メッセージ配信サーバ10とはデジタル通信回線等を介した情報のやりとりを行う。
【0033】
記憶部32は、記憶媒体、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、または、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部32は、IVRサーバ30の各種の処理を実行するためのプログラム、及び各種の処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0034】
制御部33はIVRサーバ30の各構成を制御する。制御部33は、例えば、IVRサーバ30のCPUが記憶部32に予め記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、制御部33は、ASIC等の集積回路として実現されてもよい。制御部33は、例えば、取得部330と、音声案内部331と、応答部332とを備える。
【0035】
取得部330は、通信端末20、又はメッセージ配信サーバ10から通知された各種の情報を、通信部31を介して取得する。例えば、メッセージ配信サーバ10から通知された振分情報120を、通信部31を介して取得し、振分情報120を記憶部32に記憶させる。
【0036】
音声案内部331は、従来の応答方法による自動音声を用いて、振分番号を取得する。例えば、音声案内部331は、通信端末20から着信があった場合、「音声ガイダンスの後に番号をお選びください」などの自動音声の後に問い合わせ内容を尋ねる音声ガイダンスを流し、振分番号をプッシュ操作で指定するように促す。音声案内部331は、ユーザによるプッシュ操作に基づいて振分番号を取得し、取得した振分番号を応答部332に出力する。なお、本実施形態において、メッセージ配信サーバ10から振分情報120が通知される場合、音声案内部331による振分番号の取得を省略することができる。
【0037】
応答部332は、ユーザからの問合せに応答する。IVR連携部132は、通信端末20から着信があると、着信した電話番号と、記憶部32に記憶された振分情報の電話番号とを突合させることにより、着信があったユーザの問合せに対応する振分番号を特定する。IVR連携部132は、特定した振分番号に応じて、問い合わせに対応可能な窓口を選択し、選択した窓口に通信端末20からの電話を自動転送する。
【0038】
ここで、応答部332は、ユーザからの問合せに応答することが可能な時間に制限を設けるようにしてもよい。
【0039】
上述したように、本実施形態では、案内メッセージAM(図8参照)に、事業者等の問合せ先に発呼するための操作ボタンを含めることによって、ユーザに対し問合せ先への発呼を促している。このため、ユーザが、今回の案内メッセージAMにて通知された操作ボタンを、別のタイミングで別の問合せをする際に利用することも想定される。
【0040】
この対策として、応答部332は、ユーザが問合せをした日時から所定の制限時間を超えないタイミングで着信があった場合に限りユーザからの問合せに応答する。つまり、応答部332は、ユーザが問合せをした日時から所定の制限時間を経過した後に着信があった場合、ユーザからの問合せに応答しない。着信に対応する振分情報が、ユーザが問い合わせたい内容を示していない可能性が高いためである。
【0041】
例えば、応答部332は、通信端末20から着信があると、着信があったユーザの問合せに対応する振分番号を特定すると共に、振分情報に示されている時限(ユーザが問合せをした日時)と現在時刻との差が閾値未満であるか否かを判定する。応答部332は、差が閾値未満であれば、ユーザからの問合せに応答する。一方、応答部332は、差が閾値以上であれば、ユーザからの問合せに応答しない。
【0042】
<処理の流れ>
ここで、応答システム1がユーザからの問い合わせに応答をする処理の流れを説明する。図5は、第1の実施形態の応答システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【0043】
ステップS0:通信端末20は、問合せメッセージをメッセージ配信サーバ10に送信する。問合せメッセージは事業者等に問合せを行うメッセージである。例えば、メッセージサービスにおいて事業者のアカウントが設けられ、そのアカウントを宛先として問合せメッセージを送信することにより、各種の問い合わせを行うことができる問合せサービスが提供される。ユーザは、例えば、このような問い合わせサービスを利用して、通信端末20から問合せメッセージを送信する。
【0044】
なお、ステップS0では通信端末20から問い合わせる場合を例示したが、これに限定されない。応答システム1では、メッセージ配信サーバ10から通信端末20に、各種の通知、例えば、保険の満期に伴う契約内容の見直しや、各種の手続を行うように催促する通知、商品アンケートなどを知らせる通知を行うように構成されてもよい。
【0045】
ステップS1:メッセージ配信サーバ10は、問合せメッセージを受信すると、チャット形式にて、最初の質問(第1質問)を含むメッセージ(第1質問メッセージ)を通信端末20に送信する。
ステップS2:通信端末20は、第1質問メッセージを受信すると、第1質問に対する回答を、チップリストなどから選択し、タップ操作をする。これにより、選択された番号(第1振分番号)が第1質問に対する回答としてメッセージ配信サーバ10に送信される。
ステップS3:メッセージ配信サーバ10は、第1振分番号を受信すると、次の質問(第2質問)を含むメッセージ(第2質問メッセージ)を通信端末20に送信する。
ステップS4:通信端末20は、第2質問メッセージを受信すると、第2質問に対する回答を、チップリストなどから選択し、タップ操作をする。これにより、選択された番号(第2振分番号)が第2質問に対する回答としてメッセージ配信サーバ10に送信される。
このようなステップS3及びS4に示す質問とその回答の送受が、質問の数に応じて繰り返される。
【0046】
ステップS5:メッセージ配信サーバ10は、問合せに対する一連の質問に対する振分番号を受信すると、受信した振分番号に、通信端末20の電話番号を対応づけることにより、振分情報120を生成する。通信端末20は、生成した振分情報120を記憶部12に記憶させる。
ステップS6:メッセージ配信サーバ10は、振分情報120をIVRサーバ30に通知する。
ステップS7:IVRサーバ30は、メッセージ配信サーバ10から振分情報120を受信し、受信した情報を記憶部32に記憶させる。
【0047】
ステップS8:一方、メッセージ配信サーバ10は、問合せに対する一連の質問に対する振分番号を受信すると、通信端末20に案内メッセージAMを送信する。案内メッセージAMには、事業者等の問合せ先に発呼するための操作ボタンが含まれる。
ステップS9:通信端末20は、案内メッセージAMを受信する。ユーザが、問合せ先に発呼するための操作ボタンをタップ操作すると、通信端末20は、IVRサーバ30に発呼を行う。
【0048】
ステップS10:IVRサーバ30は、通信端末20から着信を受けると、着信した電話番号と、記憶部32に記憶された振分情報の電話番号とを突合させることにより、着信があったユーザの問合せに対応する振分番号を特定する。
ステップS11:IVRサーバ30は、通信端末20から着信に対応する振分情報に示されている時限(ユーザが問合せをした日時)と現在時刻との差が閾値未満であるか否かを判定する。応答部332は、差が閾値未満であれば、振分番号に応じて問い合わせに対応可能な窓口を選択し、選択した窓口に通信端末20からの電話を自動転送するなどしてユーザからの問合せに応答する。
【0049】
<通信端末20に通知されるメッセージについて>
ここで、通信端末20に通知されるメッセージについて、図6図8を用いて説明する。図6図8は、通信端末20に通知されるメッセージの例を示す図である。図6図8には、質問メッセージQMとその回答の例が示されている。図8には、さらに、案内メッセージAMの例が示されている。
【0050】
図6に示すように、応答システム1では、メッセージサービスに設けられた事業者のアカウント、この図の例では「XXカードの公式アカウント」のチャットルームにて質問メッセージQMを用いたチャット形式のやり取りが行われる。図6には、質問メッセージQM1として、「…メニューを下から選んでください」などのテキストと共に、チップリストB1を用いた複数の選択肢が通知される。例えば、複数の選択肢として「(1)カード入会」、「(2)紛失・盗難」、「(3)カード利用」等が提示される。この図の例では、「(3)カード利用」がタップ操作された例が示されている。すなわち、質問メッセージQM1に対する回答である「(3)カード利用」を含む回答メッセージRM1が、通信端末20からメッセージ配信サーバ10に通知されたことが示されている。
【0051】
図7には、図6に示す質問メッセージQM1に「(3)カード利用」と回答した場合になされる質問メッセージQM2の例が示されている。この図では、「カードの利用に関するお問い合わせですね。今回はどのようなお問い合わせでしょうか」などのテキストと共に、リッチカードB2用いた複数の選択肢が通知された例が示されている。例えば、複数の選択肢として、大きく「照会」と「増額」に分類される。「照会」には、例えば、「(1)支払い残高」、「(2)利用可能額」、「(3)利用残高」の3つの選択肢が提示される。「増額」には、例えば、「(4)ショッピング」、「(5)キャッシング(国内)」、「(6)利用残高(海外)」の3つの選択肢が提示される。この図の例では、「(4)ショッピング枠の増額」がタップ操作された例が示されている。すなわち、質問メッセージQM2に対する回答である「(4)ショッピング枠の増額」を含む回答メッセージRM2が、通信端末20からメッセージ配信サーバ10に通知されたことが示されている。
【0052】
図8には、図7に示す質問メッセージQM2に「(4)ショッピング枠の増額」と回答した場合になされる質問メッセージQM3の例が示されている。この図では、「ショッピング利用可能額の変更ですね。今回の変更は一時的な増額ですか。それとも継続的な増額をご希望ですか」などのテキストと共に、チップリストを用いた複数の選択肢が通知された例が示されている。例えば、複数の選択肢として、「(1)一時的」、「(2)継続」の2つの選択肢が提示される。この図の例では、「(1)一時的な増額」がタップ操作された例が示されている。すなわち、質問メッセージQM3に対する回答である「(1)一時的な増額」を含む回答メッセージRM3が、通信端末20からメッセージ配信サーバ10に通知されたことが示されている。
【0053】
図8には、質問メッセージQM3に「(1)一時的な増額」と回答し、問合せに関する一連の質問に対する回答が完了した場合になされる案内メッセージAMの例が示されている。この図では、「一時的な増額ですね…下記の発信ボタンをY分以内に押してください。」などのテキストと共に、発信ボタンが通知された例が示されている。
【0054】
以上説明した通り、第1の実施形態の応答システム1は、取得部(取得部130又は取得部330)と、記憶部12と、メッセージ送信部131と、応答部332とを備える。取得部130は、RCS(電話番号を宛先とするメッセージサービスの一例)を用いて、ユーザにより指定された振分番号を、通信端末20を介して取得する。記憶部12は、振分番号を通信端末20の電話番号に対応づけた振分情報120を記憶する。メッセージ送信部131は、メッセージサービスを介して、事業者の電話番号に発信する案内を含む案内メッセージAMを通信端末20に送信する。応答部332は、事業者の電話番号宛てに着信があった場合、発信元の電話番号と、振分情報(例えば、メッセージ配信サーバ10から通知された振分情報120)とに基づいて、ユーザにより指定された振分番号を特定する。応答部332は、特定した振分番号に応じた応答を行う。
【0055】
これにより、実施形態の応答システム1では、メッセージサービスを用いて振分番号を取得することができ、音声ガイダンスによる質問を行う必要がない。また、メッセージサービスは電話番号を宛先とするため、ユーザがメッセージサービスを介して指定した振分番号を、ユーザの電話番号(通信端末20の電話番号)と対応づけて記憶させておくことができる。このため、ユーザから電話回線を介した音声通話の着信があった場合に、電話番号をキーとして突合させることにより、ユーザがメッセージサービスを介して指定した振分番号を特定することができる。したがって、問合せ先の代表電話番号に着信があった時点で振分番号を特定することができるため、音声ガイダンスによる質問を省略することが可能となる。すなわち、既存のIVRのサービスをそのまま利用することができ、且つ、従来のIVRよりも利便性を向上させることができる。
【0056】
また、第1の実施形態にかかる応答システム1では、メッセージ送信部131は、振分番号に対応する質問を含む質問メッセージQMを通信端末20に送信する。取得部130は、質問メッセージQMに対する回答に基づいて振分番号を取得する。これにより、第1の実施形態の応答システム1では、メッセージサービスを利用したチャット形式のやり取りなどによって振分番号を取得することができるため、自動音声を延々と聞き続ける必要がない。また、RCSを利用すれば、チップリストやリッチカードなどを用いることができ、タップ操作するという容易な操作によりユーザが振分番号を指定することができ、利便性を向上させることができる。
【0057】
<第2の実施形態>
ここで、第2の実施形態について説明する。本実施形態では、IVRによる音声案内の途中で回線が切断された場合に、メッセージサービスを利用してリカバリ(復活)を図るという点において上述した実施形態と相違する。
回線が切断された場合において、ユーザが問合せを継続させたい意思を示した場合には、メッセージ配信サーバ10が通信端末20に案内メッセージAMを送信する。これにより、通信端末20が発信ボタンを用いてIVRサーバ30に発呼することが可能となる。
また、通信端末20が発信ボタンを用いてIVRサーバ30に発呼した場合には、問合せの内容に対応する振分番号を特定できるようにする。これにより、回線が切断された場合であっても問合せを復活させて問合せを継続させることができるようにした。
【0058】
図9図9A図9B)は、第2の実施形態の応答システム1が行う処理の流れを示すシーケンス図である。
【0059】
ステップS100:通信端末20は、IVRサーバ30に発呼し、自動音声を利用した各種の問合せを行う。ここで、IVRサーバ30から通信端末20に各種の通知を行うための発呼がなされてもよい。この場合、例えば、通信端末20は、IVRサーバ30からの着信に対し、その着信があった番号に折り返しの発呼を行う。
ステップS101:IVRサーバ30は、自動音声を利用して第1質問を読み上げ、音声案内を行う。
ステップS102:ユーザは自動音声を聴き、自動音声でなされた指示にしたがって第1質問に対する回答に対応する番号をプッシュ操作する。これにより、第1振分番号が第1質問に対する回答として通信端末20からIVRサーバ30に送信される。
ステップS103:IVRサーバ30は、通信端末20から受信した振分番号を、通信端末20の電話番号と対応づけてメッセージ配信サーバ10に送信する。これにより、振分情報がメッセージ配信サーバ10に通知される。例えば、メッセージ配信サーバ10は、IVRサーバ30から受信した振分情報を、振分情報120として記憶部12に記憶させる。
【0060】
ステップS104:IVRサーバ30は、第2質問を読み上げ、音声案内を行う。
ステップS105:ユーザは自動音声を聴き、第2質問に対する回答に対応する番号をプッシュ操作することにより、第2振分番号が第2質問に対する回答としてIVRサーバ30に送信される。
ステップS106:IVRサーバ30は、通信端末20から受信した振分番号を、通信端末20の電話番号と対応づけてメッセージ配信サーバ10に送信する。
このようなステップS104~S106に示す質問とその回答の送受、及びメッセージ配信サーバ10への振分情報の通知が、質問の数に応じて繰り返される。
ステップS107:IVRサーバ30は、振分番号に応じて、問い合わせに対応可能なオペレータに電話を転送する。
ステップS108:通信端末20は、転送先のオペレータに問い合わせをする。
このような、ユーザとオペレータとのやり取りは、対応履歴として記録される。例えば、ユーザが問い合わせた具体的な内容についてオペレータがどのように対応したかを示す情報が対応履歴として記憶される。
【0061】
ここで、オペレータとの通話中に回線が切断されたとする。ここでの回線は、ステップS108に示すオペレータとユーザとの通話を接続させていた電話回線である。
【0062】
ステップS109:IVRサーバ30は、回線が切断された場合、メッセージ配信サーバ10にユーザに問合せを継続する意思があるか確認するように依頼する通知を行う。
【0063】
図9Bには、図9Aに続く処理の流れが示されている。図9Bに示すステップS109は、図9Aに示すステップS109と同一である。
ステップS110:メッセージ配信サーバ10は、IVRサーバ30からの依頼に応じて、振分番号と共に、確認メッセージKM(図10参照)を送信する。確認メッセージKMはユーザが指定した振分番号を確認するメッセージであって、例えば、問合せを継続させる場合には操作ボタンを操作するように依頼する旨のテキストが示されている。操作ボタンには、例えば、ステップS107においてオペレータの電話に転送されるまでに、ユーザがした回答した振分番号の履歴が示されている。
ステップS111:ユーザが、操作ボタンをタップ操作すると、通信端末20は、メッセージ配信サーバ10に振分番号と共に、ユーザが問合せを継続させる意思を有する旨の通知を行う。
ステップS112:メッセージ配信サーバ10は、通信端末20から、振分番号と、ユーザが問合せを継続させる意思を有する旨の通知を受信すると、振分番号と通信端末20の電話番号を対応づけた振分情報120を改めて生成し、生成した振分情報120をIVRサーバ30に送信する。
ステップS113~S117に示す処理は、図5のステップS7~S11と同等である。このため、これらの説明を省略する。なお、ステップS117において応答する際、IVRサーバ30は、オペレータに電話を転送するとともに、対応履歴をオペレータの端末に表示するようにしてもよい。ここでの対応履歴は、ステップS108において回線が切断される前にやりとりされた内容であり、例えば、ユーザが問い合わせた具体的な内容についてオペレータがどのように対応したかを示す情報である。
【0064】
図10は、本実施形態において通信端末20に通知されるメッセージの例を示す図である。図10に示すように、確認メッセージKMとして、「…電話が切れてしまった場合…ボタンを押してください」などのテキストと共に、チップリストを用いた操作ボタンが通知される。例えば、操作ボタンには「(1)→(5)→(3)」、などと、振分番号の履歴が提示される。この操作ボタンに、振分番号に対応する質問の内容、例えば、「カード利用におけるショッピング枠の一時的な増額」などの文言が示されていてもよい。
【0065】
ユーザが操作ボタンをタップ操作すると、ユーザが振分番号に対応する問合せを継続する意思を有する旨を示す回答メッセージRMが、メッセージ配信サーバ10に通知される。
【0066】
メッセージ配信サーバ10は、ユーザが振分番号に対応する問合せを継続する意思を有する旨を示す回答メッセージRMを受信すると、通信端末20に案内メッセージAMを通知する。
【0067】
以上説明した通り、第2の実施形態の応答システム1では、音声案内部331を備える。音声案内部331は、電話回線を通じて、振分番号に対応する質問を含む音声ガイダンスを通信端末20に送信する。応答部332は、電話回線が切断された場合、通信端末20にユーザが指定した振分番号を確認する確認メッセージKMを送信するように、メッセージ送信部131に依頼する。メッセージ送信部131は、音声ガイダンスに対する回答に基づいて取得された振分番号を含む確認メッセージKMを、通信端末20に送信する。取得部130は、確認メッセージKMに対する回答に基づいて、ユーザによって確認された振分番号を取得する。これにより、第2の実施形態に係る応答システム1では、回線が切断された場合であっても、問合せを継続させることができる。したがって、音声ガイダンスの途中で電話を切っても最初からやり直す手間がかからない。また、本実施形態では、ユーザに確認メッセージKMを通知して問合せを継続させる意思を有するか確認した上で、問合せを継続させることができる。したがって、ユーザが問合せを止めるつもりで電話を切った場合にまで問合せを継続させてしまうような不都合が発生することを抑制することができる。
【0068】
上述した実施形態における応答システム1及びメッセージ配信サーバ10の全部又は一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0069】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0070】
例えば、上述した少なくとも一つの実施形態では、メッセージ配信サーバ10とIVRサーバ30が連携してユーザの問合せに応答する場合を例示して説明したが、これに限定されない。メッセージ配信サーバ10とIVRサーバ30とが、1つのサーバ装置により実現されてもよい。この場合、サーバ装置は、少なくとも、取得部130と、メッセージ送信部131と、応答部332のそれぞれに対応する機能を備える。また、サーバ装置は、音声案内部331に対応する機能をさらに備えてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1…応答システム、10…メッセージ配信サーバ、11…通信部、12…記憶部、120…振分情報、13…制御部、130…取得部、131…メッセージ送信部、132…IVR連携部、20…通信端末、30…IVRサーバ、331…音声案内部、332…応答部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10