(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141842
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】入場処理システム、携帯認証装置、入場処理装置および店舗システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20230928BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048373
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯貝 大成
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA73
(57)【要約】 (修正有)
【課題】人物の状態に応じた入場制限を人手によらず実施できる入場処理システム、携帯認証装置、入場処理装置及び店舗システムを提供する。
【解決手段】携帯認証装置11と、入場処理装置12と、を有する入場処理システムであって、携帯認証装置11は、生体センサ31と、第1インターフェース25と、記憶部24と、第1プロセッサ21と、を有する。第1プロセッサ21は、入場処理装置12に接続した状態において記憶部24が記憶する生体情報に対する生体センサ31が取得する生体情報による生体認証を実行する。入場処理装置12は、第2インターフェースと、第2プロセッサと、を有する。第2プロセッサは、第2インターフェースに接続した携帯認証装置11における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に、当該人物の入場を許可する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯認証装置と入場処理装置とを有する入場処理システムにおいて、
前記携帯認証装置は、
人物の生体情報を取得する生体センサと、
前記入場処理装置に接続する第1インターフェースと、
所持者の生体情報を記憶するメモリと、
前記入場処理装置に接続した状態において前記メモリが記憶する生体情報に対する前記生体センサが取得する生体情報による生体認証を実行する第1プロセッサと、を有し、
前記入場処理装置は、
前記携帯認証装置が接続される第2インターフェースと、
前記第2インターフェースに接続した前記携帯認証装置における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の入場を許可する第2プロセッサと、を有する、
入場処理システム。
【請求項2】
前記携帯認証装置において、
前記第1プロセッサは、前記生体認証が成功した後に前記入場処理装置からの要求に応じて前記生体認証が成功した人物の生体情報を前記入場処理装置へ送信し、
前記入場処理装置において、
さらに、入場者に関する情報を管理するサーバと通信する通信インターフェースを有し、
前記第2プロセッサは、前記第2インターフェースに接続した前記携帯認証装置における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の生体情報を前記携帯認証装置に要求し、前記携帯認証装置から取得した入場を許可する人物の生体情報を前記通信インターフェースにより前記サーバへ送信する、
請求項1に記載の入場処理システム。
【請求項3】
前記携帯認証装置において、
前記メモリは、前記所持者の決済情報をさらに記憶し、
前記第1プロセッサは、前記生体認証が成功した後に前記入場処理装置からの要求に応じて前記生体認証が成功した人物の生体情報と決済情報とを前記入場処理装置へ送信し、
前記入場処理装置において、
前記第2プロセッサは、前記第2インターフェースに接続した前記携帯認証装置における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の生体情報と決済情報とを前記携帯認証装置に要求し、前記携帯認証装置から取得した入場を許可する人物の生体情報と決済情報とを前記通信インターフェースにより前記サーバへ送信する、
請求項2に記載の入場処理システム。
【請求項4】
前記携帯認証装置は、
さらに、前記生体センサによって生体情報を取得する人物の体温を取得する体温取得部を有し、
前記第1プロセッサは、前記生体認証が成功した場合に前記体温取得部が取得する当該人物の体温を前記入場処理装置へ送信し、
前記入場処理装置において、
前記第2プロセッサは、前記携帯認証装置から取得する前記生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の入場を許可する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の入場処理システム。
【請求項5】
前記入場処理装置において、
前記第2インターフェースに接続した前記携帯認証装置において生体認証を実行する人物の体温を取得する体温取得部を有し、
前記第2プロセッサは、前記携帯認証装置における生体認証が成功し、かつ、前記体温取得部により取得した体温が正常値である場合に当該人物の入場を許可する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の入場処理システム。
【請求項6】
前記携帯認証装置において、
前記メモリは、さらに、前記所持者の基準体温を示す情報を記憶し、
前記第1プロセッサは、前記生体認証が成功した場合に前記メモリに記憶した情報から特定する基準体温を前記入場処理装置へ送信し、
前記入場処理装置において、
前記第2プロセッサは、前記携帯認証装置から取得する前記基準体温に基づいて当該人物の体温が正常値であるか否かを判定する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の入場処理システム。
【請求項7】
前記携帯認証装置において、
前記メモリは、さらに、前記入場処理装置により入場を許可された場合の体温を記憶し、
前記第1プロセッサは、前記生体認証が成功した場合に前記メモリに記憶した過去の体温から特定する基準体温を前記入場処理装置へ送信し、
前記入場処理装置において、
前記第2プロセッサは、前記携帯認証装置から取得する前記基準体温に基づいて当該人物の体温が正常値であるか否かを判定する、
請求項1乃至5の何れか1項に記載の入場処理システム。
【請求項8】
入場を制御する入場処理装置に接続するインターフェースと、
人物の生体情報を取得する生体センサと、
所持者の生体情報と決済情報とを記憶するメモリと、
前記インターフェースにより前記入場処理装置に接続した状態において前記メモリが記憶する生体情報に対する前記生体センサが取得する生体情報による生体認証が成功した後、前記入場処理装置からの要求に応じて前記生体認証が成功した人物の生体情報と決済情報とを前記入場処理装置へ送信するプロセッサと、
を有する携帯認証装置。
【請求項9】
さらに、前記生体センサによって生体情報を取得する人物の体温を取得する体温取得部を有し、
前記プロセッサは、前記生体認証が成功した場合に前記体温取得部が取得する当該人物の体温を前記入場処理装置へ送信する、
請求項8に記載の携帯認証装置。
【請求項10】
生体認証を行う携帯認証装置が接続されるインターフェースと、
入場者に関する情報を管理するサーバと通信する通信インターフェースと、
前記インターフェースに接続した前記携帯認証装置における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の入場を許可するとともに当該人物の生体情報と決済情報とを前記携帯認証装置に要求し、前記携帯認証装置から取得した入場を許可する人物の生体情報と決済情報とを前記通信インターフェースにより前記サーバへ送信するプロセッサと、
を有する入場処理装置。
【請求項11】
さらに、前記インターフェースに接続した前記携帯認証装置において生体認証を実行する人物の体温を取得する体温取得部を有し、
前記プロセッサは、前記携帯認証装置における生体認証が成功し、かつ、前記体温取得部により取得した体温が正常値である場合に当該人物の入場を許可する、
請求項10に記載の入場処理装置。
【請求項12】
携帯認証装置、入場処理装置、サーバおよび決済装置を有する店舗システムにおいて、
前記携帯認証装置は、
入場処理装置に接続する第1インターフェースと、
人物の生体情報を取得する第1生体センサと、
所持者の生体情報と決済情報とを記憶するメモリと、
前記入場処理装置に接続した状態において前記メモリが記憶する生体情報に対する前記第1生体センサが取得する生体情報による生体認証が成功した後、前記入場処理装置からの要求に応じて前記生体認証が成功した人物の生体情報と決済情報とを前記入場処理装置へ送信する第1プロセッサと、を有し、
前記入場処理装置は、
店舗の入口に設置され、前記携帯認証装置が接続される第2インターフェースと、
前記サーバと通信する第1通信インターフェースと、
前記第2インターフェースに接続した前記携帯認証装置における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の前記店舗への入場を許可するとともに当該人物の生体情報と決済情報とを前記携帯認証装置に要求し、前記携帯認証装置から取得した入場を許可する人物の生体情報と決済情報とを前記第1通信インターフェースにより前記サーバへ送信する第2プロセッサと、を有し、
前記サーバは、
前記入場処理装置および前記決済装置と通信する第2通信インターフェースと、
前記入場処理装置が入場を許可した人物の生体情報と決済情報とを含む入場者情報を記憶する記憶部と、
前記入場処理装置から受信する前記店舗への入場を許可した人物の生体情報と決済情報とを含む入場者情報を前記記憶部に記憶し、前記決済情報から受信する生体情報と前記記憶部に記憶する生体情報とを生体照合し、前記決済情報から受信する生体情報と一致する生体情報に対応する決済情報を前記決済装置へ送信する第3プロセッサと、を有し、
前記決済装置は、
前記サーバと通信する第3通信インターフェースと、
前記店舗内における決済を要求する決済者の生体情報を取得する第2生体センサと、
前記第2生体センサで取得した生体情報と一致する生体情報の人物の決済情報を前記サーバから取得し、前記サーバから取得した決済情報に用いて前記決済者に対する決済を実行する第4プロセッサと、を有する、
店舗システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、入場処理システム、携帯認証装置、入場処理装置および店舗システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が現金やクレジットカードを収納した財布あるいは電子決済用デバイスなどを所持する必要がなく、利用者の生体情報を用いて手軽に料金の支払いが行える支払いシステムが提案されている。例えば、利用者の顔画像とクレジットカード情報とを対応づけて登録しておくことで、顔認証を用いて料金の支払いを行う支払いシステムなどが提案されている。このような支払いシステムは、利用者の利便性向上だけでなく、店舗側の人員削減又は無人化などを目的としている。
【0003】
一方、多数の利用者が実際に出入りする店舗には、新型コロナウィルス等のウイルスの流行に応じてウイルス感染の拡大を防止するための対策が求められることがある。店舗におけるウイルスの感染拡大防止の対策としては、入店時の体温の計測などによって入場する人物の健康チェックを行い、ウイルス感染が疑われる人物を入店させないといった対応が考えられている。
【0004】
しかしながら、従来の店舗における感染拡大の防止対策は、店舗の係員による人的な作業によって、入店しようとする人物の体温計測などを実施し、計測した値と所定の許容範囲とを比較することによりウイルス感染が疑われる人物(例えば体温が高い人物)の入店制限を実施しているのが現状である。このため、上述したような支払いシステムを導入した店舗であっても、ウイルス感染拡大の防止対策を実施するために店舗側の人的な対応が必要なるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、人物の状態に応じた入場制限を人手によらず実施できる入場処理システム、携帯認証装置、入場処理装置および店舗システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、入場処理システムは、携帯認証装置と入場処理装置とを有する。携帯認証装置は、生体センサと第1インターフェースとメモリと第1プロセッサとを有する。生体センサは、人物の生体情報を取得する。第1インターフェースと、前記入場処理装置に接続する。メモリは、所持者の生体情報を記憶する。第1プロセッサは、入場処理装置に接続した状態においてメモリが記憶する生体情報に対する生体センサが取得する生体情報による生体認証を実行する。入場処理装置は、第2インターフェースと第2プロセッサとを有する。第2インターフェースは、携帯認証装置が接続される。第2プロセッサは、第2インターフェースに接続した携帯認証装置における生体認証が成功した人物の体温が正常値である場合に当該人物の入場を許可する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムにおける携帯認証装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムにおける入場処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムにおけるサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムにおける決済装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムにおける入場処理を説明するためのシーケンスである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムによる入場処理によってサーバに登録される入場者情報の例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システムによる決済処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、実施形態に係る携帯認証装置を有する入場処理システムを含む店舗システム1について説明する。
店舗システム1は、体温測定装置10、携帯認証装置11、入場処理装置12、サーバ13、決済装置14および入口ドア15などを有する。本実施形態において、店舗システム1は、例えば、小売店などの店舗に導入されることを想定し、店舗に入場した人物(入場者、来店者)が購入する商品の代金に対する決済を実施するシステムであるものとする。ただし、店舗システム1は、小売店以外の施設、決済を伴わない施設や場所などにおける入場処理を実行するシステムに適用するようにしても良い。
【0010】
体温測定装置10は、人物の体温を計測する。体温測定装置10は、入場の可否を判定するための人物の状態を計測する装置の一例である。本実施形態において、体温測定装置10は、入口に存在する人物の体温を計測し、計測した体温を携帯認証装置11又は入場処理装置12に供給するものとする。体温測定装置10は、例えば、カメラなどを用いて非接触で人物の体温を計測する装置であっても良いし、被測定者が接触して体温を計測する装置であっても良い。また、体温測定装置10は、店舗の入口付近に設置して携帯認証装置11又は入場処理装置12と通信する構成しても良いし、入場処理装置12又は携帯認証装置11が備える構成であっても良い。
【0011】
携帯認証装置11は、指紋などの生体情報で個人認証を実行する装置である。携帯認証装置11は、店舗の利用者が携帯する装置である。携帯認証装置11は、利用者が携帯可能な装置であれば良い。例えば、携帯認証装置11は、所謂ドングルと呼ばれる小型の装置であっても良いし、ICカードなどのカード状の装置であっても良い。本実施形態において、携帯認証装置11は、入場処理装置12に接続した状態で入場処理装置12から給電される電力で動作するドングル又はICカードであるものとする。
【0012】
入場処理装置12は、利用者に対する店舗内への入場を制御する入場処理を実行する。入場処理装置12は、来店した利用者が所持する携帯認証装置11と接続し、携帯認証装置11による生体認証による認証が成功した人物の店舗内への入場の可否を判定する。入場処理装置12は、携帯認証装置11での認証が成功した人物の店舗への入場を許可する場合に店舗の入口に設けた入口ドア15を開放する。また、入場処理装置12は、店舗への入場を許可する場合に携帯認証装置11から当該人物(所持者)に関する情報を入場者情報として取得し、取得した入場者情報をサーバ13に登録する。入場者情報としては、携帯認証装置11の所持者(入場者)本人の生体情報と決済に用いる決済情報とを含むものとする。
【0013】
入場処理装置12は、入場処理において、体温測定装置10が計測する認証が成功した人物の現在の体温を取得し、体温測定装置10で計測した体温に応じて当該人物の入場の可否を判定する。入場処理装置12は、体温測定装置10によって計測する体温を取得する構成を含む。入場処理装置12は、体温測定装置10を含む構成としても良いし、体温測定装置10と通信することにより体温測定装置10が計測した体温を取得する構成しても良い。
【0014】
また、入場処理装置12は、体温測定装置10が計測する体温を含む体温情報を携帯認証装置11から取得する構成としても良い。入場処理装置12が携帯認証装置11から体温情報を取得する構成とする場合、携帯認証装置11は、近距離無線通信などにより体温測定装置10と通信する構成を備えるものとする。この場合、携帯認証装置11は、体温測定装置10が計測した体温を取得し、体温測定装置10が計測した体温を含む体温情報を入場処理装置12へ供給する。また、入場処理装置12が携帯認証装置11から体温情報を取得する構成とする場合、携帯認証装置11は、体温測定装置10を備える構成としても良い。
【0015】
サーバ13は、入場処理装置12が入場を許可した人物に関する情報を管理する。サーバ13は、入場処理装置12から店舗に入場した人物の生体情報および決済情報を含む入場者情報を取得する。サーバ13は、入場処理装置12から取得する入場者情報を記憶する。サーバ13は、決済装置14から取得する決済対象者の生体情報と記憶している入場者情報の生体情報との生体認証に基づいて決済対象者を特定し、特定した決済対象者の決済情報を決済装置14へ供給する。さらに、サーバ13は、決済装置14による決済処理の結果などに基づいて記憶している入場者情報を更新するようにしても良い。
【0016】
決済装置14は、店舗に入場した人物に対する決済処理を実行する。例えば、決済装置14は、入場者(決済対象者)が購入を希望する商品に対する料金の決済処理を実行する。決済装置14は、店員が操作するレジであっても良いし、利用者自身が操作するセルフレジであっても良い。
【0017】
本実施形態において、決済装置14は、決済対象者の生体情報を取得し、サーバ13に店舗内の入場者の生体情報との生体認証を要求する。決済装置14は、生体認証によって特定された決済対象者(入場者)の決済情報をサーバ13から取得する。決済装置14は、サーバ13から取得する決済情報を用いて決済対象者に対する決済処理を実行する。決済装置14は、当該決済対象者に対する決済処理の結果をサーバ13へ供給する。さらに、決済装置14は、決済対象者が店舗から出場したことを検出し、当該決済対象者が店舗から出場したことをサーバ13へ通知するようにしても良い。
【0018】
次に、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられる携帯認証装置11の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられる携帯認証装置11の構成例を示すブロック図である。
携帯認証装置11は、人物から取得する生体情報を用いた生体照合によって人物を認証する生体認証機能を有する。実施形態において、携帯認証装置11は、生体情報の一例としての指紋を用いた指紋照合によって人物を認証する生体(指紋)認証機能を有するものとする。ただし、実施形態に係る携帯認証装置11が備える生体認証機能は、指紋による生体照合に限定されるものではなく、指紋以外の生体情報によって生体認証を行うものであっても良い。
【0019】
図2に示す構成例において、携帯認証装置11は、プロセッサ21、RAM22、ROM23、記憶部24、インターフェース(I/F)25、生体照合部26、表示部27、および、体温取得部29などを有する。
図2に示すような構成を備える携帯認証装置11は、所持者が携帯可能な筐体を有するものとする。例えば、携帯認証装置11は、携帯可能な小型の電子装置(ドングル)であっても良いし、スマートカードなどと称されるICカード等であっても良い。
【0020】
プロセッサ21は、種々の処理を実行する回路を含む。プロセッサ21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ21は、携帯認証装置11全体の制御を司る。プロセッサ21は、ROM23あるいは記憶部24に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現する。ただし、後述するプロセッサ21が実行する各種の機能のうち一部又は全部は、ハードウエア回路により実現されるようにしても良い。
【0021】
RAM22は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。また、RAM22は、プロセッサ21が処理中のデータなどを一時保管するバッファとしても機能する。例えば、RAM22は、インターフェース25を介して入場処理装置12などの外部装置との間で送受信するデータを一時保管する通信バッファとして機能する。
【0022】
ROM23は、不揮発性のメモリである。ROM23は、プロセッサ21が実行するプログラムおよび制御データなどが記憶される。ROM23に記憶される制御プログラムや制御データは、予め当該携帯認証装置11の仕様に応じて組み込まれる。例えば、携帯認証装置11がICカードである場合、ROM23には、外部装置(カードリーダライタ)から受信するコマンドに応じた処理をプロセッサ21が実行するためのプログラムが記憶される。
【0023】
記憶部24は、データの書き込みおよび書き換えが可能な不揮発性のメモリである。記憶部24は、当該携帯認証装置11の運用用途に応じたプログラムや種々のデータを記憶する。例えば、記憶部24には、プログラムファイルあるいはデータファイルなどが定義され、それらのファイルに制御プログラムや種々のデータが書き込まれる。また、記憶部24は、一部又は全部の領域が耐タンパー性を有し、セキュアにデータが格納できるものとする。
【0024】
本実施形態に係る携帯認証装置11において、記憶部24は、正当な所持者(登録者)の生体情報(指紋情報)、所持者の決済情報、および、所持者の基準体温を示す情報などを記憶する。
【0025】
記憶部24に記憶する所持者の生体情報は、生体照合部26による生体認証に用いる所持者の生体情報である。例えば、携帯認証装置11が指紋による生体認証を実行する場合、記憶部24は、所持者の指紋情報(指紋登録データ)を記憶する。所持者の指紋情報は、生体センサ31としての指紋センサで取得する指紋情報と照合するための指紋画像又は指紋の特徴データである。なお、記憶部24には、1人の所持者に対して複数の指ごとに指紋情報を登録して良い。
【0026】
記憶部24に記憶する所持者の決済情報は、携帯認証装置11の所持者が決済装置14による決済に用いる情報である。決済情報は、例えば、所持者が所有するクレジットカードの情報あるいは電子マネーの情報である。記憶部24は、予め所持者が指定した決済情報を記憶しておくものとする。
【0027】
所持者の基準体温は、当該携帯認証装置11の所持者の平常(健常)時における体温を示す情報であり、入場処理装置12が店舗への入場の可否を判定するための基準となる情報である。例えば、記憶部24は、予め所持者が設定した体温を基準体温として記憶するようにしても良い。また、記憶部24は、基準体温(平常時の体温)を示す情報として、店舗への入場が許可された場合に体温測定装置10が計測した体温を記憶しておくようにしても良い。この場合、プロセッサ21が記憶部24に記憶した過去の体温から当該所持者の基準体温を特定するようにすれば良い。
【0028】
なお、人物は、平常時(ウイルス感染による体調不良などがない状態)における平均的な体温が個人ごとに異なることが多い。このため、本実施形態に係る店舗システム1は、個人ごとに基準体温を特定し、個人ごとの基準体温を基準に現在の体温が許容範囲にあるか否かにより体温が正常値であるか否かを判定するものとする。ただし、店舗システム1としては、入場処理装置12に設定する共通の基準値(例えば、37.5度以上)を用いて体温が正常値であるか否かを判定する運用しても良い。
【0029】
インターフェース25は、当該携帯認証装置11を接続する上位装置としての入場処理装置12と通信するためのインターフェースである。インターフェース25は、通信制御部とインターフェース部とを有する。インターフェース25は、入場処理装置12が備えるインターフェースに対応した通信方式によって通信するものであれば良い。また、インターフェース25は、複数の通信方式(例えば、接触通信と非接触通信)をサポートするものとして構成しても良い。
【0030】
例えば、携帯認証装置11が入場処理装置12に接続する接続端子を備えるドングルである場合、インターフェース25は、入場処理装置12に接続するための接続端子を有する。携帯認証装置11としてのドングルが備える接続端子は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などの通信規格に準じたものである。携帯認証装置11は、入場処理装置12に接続端子を接続したインターフェース25を介して入場処理装置12と通信する。また、携帯認証装置11は、インターフェース25の接続端子を入場処理装置12に接続した状態において入場処理装置12から供給される電力によって動作し、生体認証などの処理を実行する。
【0031】
また、携帯認証装置11がICカードである場合、携帯認証装置11は、インターフェース25を介して接続する入場処理装置12から供給される電力により活性化し、入場処理装置12からのコマンドに応じて生体認証などの処理を実行する。例えば、携帯認証装置11としてのICカードが接触型のICカードである場合、インターフェース25は、入場処理装置12が備えるインターフェース(カードリーダライタ)に設けられたコンタクト部と物理的かつ電気的に接触するコンタクト部を備え、コンタクト部を介した信号の送受信を制御する通信制御回路などにより構成される。また、携帯認証装置11としてのICカードが非接触型のICカードである場合、インターフェース25は、入場処理装置12が備えるインターフェース(カードリーダライタ)と非接触(無線)で通信する通信部を構成する。
【0032】
生体照合部26は、生体センサ31および照合部32を有する。生体センサ31は、生体情報としての指紋情報を取得する生体情報取得部の一例である。本実施形態において、生体センサ31は、当該携帯認証装置11を操作する操作者の指紋情報(指紋画像)を読み取る指紋センサであるものとする。生体センサ31としての指紋センサは、指紋を読み取るセンサが携帯認証装置11の表面に露出するように設けられ、露出したセンサ部分に翳された人物の指の指紋を読み取る。
【0033】
照合部32は、プロセッサが生体認証用のプログラムを実行することにより生体センサ31が取得する生体情報としての指紋情報を用いた生体認証を実行する。例えば、照合部32は、MPUおよびメモリを備え、MPUが生体認証用プログラムを実行することにより生体センサ31としての指紋センサが読み取った指紋画像と記憶部24に登録している所持者の指紋画像(又は指紋の特徴データ)とを照合するにより生体(指紋)認証を実行する。
【0034】
なお、
図2に示す構成例では、プロセッサ21とは別に設けた照合部32が生体(指紋)照合による生体認証を実行する構成としたが、プロセッサ21が生体認証を実行するようにしても良い。プロセッサ21に生体認証を実行させる場合、生体センサ31が読み取った生体情報がプロセッサ21へ供給されるようにすれば良い。例えば、プロセッサ21は、生体センサ31としての指紋センサから供給される画像から指紋情報を抽出し、抽出した指紋情報と記憶部24に登録している登録者の指紋情報とを照合するようにすれば良い。
【0035】
表示部27は、動作状態などを表示する。例えば、表示部27は、動作状態に応じて点灯するLEDなどで構成される。
体温取得部29は、体温測定装置10が計測した体温を取得する。例えば、体温取得部29は、店舗の入口付近に設置された体温測定装置10と通信するための通信部として構成する。通信部としての体温取得部29は、体温測定装置10と通信することにより体温測定装置10が計測する体温を示す体温情報を取得するようにすれば良い。また、携帯認証装置11は、体温取得部29として体温測定装置10を備える構成しても良い。ただし、入場処理装置12が体温測定装置10から体温を示す体温情報を取得する構成とする場合、体温取得部29は、携帯認証装置11の構成としては省略される。
【0036】
次に、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられる入場処理装置12の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられる入場処理装置12の構成例を示すブロック図である。
図3に示す構成例において、入場処理装置12は、プロセッサ41、RAM42、ROM43、インターフェース(I/F)44、通信インターフェース(I/F)45、ドア制御部46、表示部47、操作部48、および、体温取得部49などを有する。
【0037】
プロセッサ41は、種々の処理を実行する回路を含む。プロセッサ41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ41は、入場処理装置12全体の制御を司る。プロセッサ41は、ROM43に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現する。ただし、後述するプロセッサ41が実行する各種の機能のうち一部又は全部は、ハードウエア回路により実現されるようにしても良い。
【0038】
RAM42は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。また、RAM42は、プロセッサ41が処理中のデータなどを一時保管するバッファとしても機能する。例えば、RAM42は、携帯認証装置11との間で送受信するデータやサーバ13などの外部装置との間で送受信するデータを一時保管する通信バッファとしても機能する。
【0039】
ROM43は、プログラムメモリとして機能する不揮発性のメモリである。ROM43は、プロセッサ41が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶する。例えば、ROM43には、後述する入場処理をプロセッサ41が実行するためのプログラムが記憶される。なお、入場処理装置12は、ROM43以外にプログラムや各種のデータなどを記憶するための書き換え可能な不揮発性メモリ(記憶部)を備える構成としても良い。
【0040】
インターフェース44は、携帯認証装置11を接続するためのインターフェースである。インターフェース44は、携帯認証装置11が備えるインターフェースの仕様に応じた構成を備える。例えば、携帯認証装置11がUSB(ユニバーサルシリアルバス)などの規格に準じた接続端子を備える場合、インターフェース44は、携帯認証装置11が備える接続端子が挿入(接続)されるコンタクト部を備える構成とする。また、携帯認証装置11がICカードで構成される場合、インターフェース44は、携帯認証装置11としてのICカードの仕様に応じたインターフェースで構成される。
【0041】
通信インターフェース45は、サーバ13などの外部装置と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース45は、サーバ13と通信可能となるインターフェースであれば良い。例えば、店舗システム1が入場処理装置12とサーバ13とをLAN(ローカルエリアネットワーク)で接続する構成である場合、通信インターフェース45は、LANインターフェースで構成される。なお、通信インターフェース45は、複数の通信方式をサポートするものとして構成しても良い。
【0042】
ドア制御部46は、入口ドア15の開閉を制御する。ドア制御部46は、プロセッサ41からの制御信号に応じて入口ドア15を開閉する。
表示部47は、操作案内などを表示する。例えば、表示部27は、ディスプレイ装置によって構成され、認証状態および入場処理結果などの案内を表示する。操作部48は、利用者からの操作指示を入力するための入力デバイスである。例えば、表示部47および操作部48は、タッチパネル付きの表示装置によって構成するようにしても良い。
【0043】
体温取得部49は、体温測定装置10が計測した体温を示す体温情報を取得する。例えば、体温取得部49は、体温測定装置10と通信するための通信部である。通信部としての体温取得部49は、体温測定装置10との通信によって体温測定装置10が計測する体温を示す体温情報を取得するようにすれば良い。また、入場処理装置12は、体温取得部49は、入場処理装置12が備える体温測定装置10であっても良い。また、体温測定装置10が計測する体温を携帯認証装置11が取得する構成とする場合、入場処理装置12は、インターフェース44により携帯認証装置11を介して体温情報を取得するようにすれば良い。
【0044】
次に、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられるサーバ13の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられるサーバ13の構成例を示すブロック図である。
図4に示す構成例において、サーバ13は、プロセッサ51、RAM52、ROM53、記憶部54、および、通信インターフェース(I/F)55などを有する。
【0045】
プロセッサ51は、種々の処理を実行する回路を含む。プロセッサ51は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ51は、サーバ13全体の制御を司る。プロセッサ51は、ROM53又は記憶部54に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現する。ただし、後述するプロセッサ51が実行する各種の機能のうち一部又は全部は、ハードウエア回路により実現されるようにしても良い。
【0046】
RAM52は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。また、RAM52は、プロセッサ51が処理中のデータなどを一時保管するバッファとしても機能する。例えば、RAM52は、入場処理装置12又は決済装置14との間で送受信するデータを一時保管する通信バッファとしても機能する。
【0047】
ROM53は、不揮発性のメモリである。ROM53は、プロセッサ51が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶する。例えば、ROM53は、プロセッサ51が後述する処理を実行するためのプログラムの一部又は全部を記憶するプログラムメモリとして機能する。例えば、ROM53は、プロセッサ51がサーバ13としての基本的な動作制御を実行するためのプログラムを記憶する。
【0048】
記憶部54は、データの書き込みおよび書き換えが可能な不揮発性のメモリである。記憶部54には、サーバ13を運用するためのプログラムや種々のデータが書き込まれる。本実施形態に係るサーバ13において、記憶部54は、入場処理装置12から供給される入場者情報を記憶する。記憶部54に記憶する入場者情報は、携帯認証装置11を用いて店舗に入場した入場者の生体情報(指紋情報)と決済情報とを含む情報である。
【0049】
通信インターフェース55は、入場処理装置12および決済装置14と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース55は、入場処理装置12および決済装置14と通信可能となるインターフェースであれば良い。例えば、店舗システム1においてサーバ13が入場処理装置12および決済装置14とLAN(ローカルエリアネットワーク)により接続する構成である場合、通信インターフェース55は、LANインターフェースで構成される。なお、通信インターフェース55は、複数の通信方式をサポートするものとして構成しても良い。
【0050】
次に、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられる決済装置14の構成について説明する。
図5は、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1に用いられる決済装置14の構成例を示すブロック図である。
図5に示す構成例において、決済装置14は、プロセッサ61、RAM62、ROM63、記憶部64、通信インターフェース(I/F)65、商品読取部66、表示部67、操作部68、および、生体センサ69などを有する。
【0051】
プロセッサ61は、種々の処理を実行する回路を含む。プロセッサ61は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。プロセッサ61は、決済装置14全体の制御を司る。プロセッサ61は、ROM63又は記憶部64に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理機能を実現する。ただし、後述するプロセッサ61が実行する各種の機能のうち一部又は全部は、ハードウエア回路により実現されるようにしても良い。
【0052】
例えば、プロセッサ61は、生体センサ69が読み取る生体情報に基づく生体認証をサーバ13に依頼し、サーバ13による生体認証の結果を取得する。また、プロセッサ61は、商品読取部66で商品から読み取る商品情報又は操作部68で入力される商品情報に基づいて決済対象の商品を登録する処理を実行する。また、プロセッサ61は、登録した商品の代金を特定し、決済対象とする商品に対する決済金額を決定する。さらに、プロセッサ61は、サーバ13から取得する決済情報に基づいて決定した決済金額を精算する決済処理を実行する。
RAM62は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。また、RAM62は、プロセッサ61が処理中のデータなどを一時保管するバッファとしても機能する。例えば、RAM62は、サーバ13との間で送受信するデータを一時保管する通信バッファとしても機能する。
【0053】
ROM63は、不揮発性のメモリである。ROM63は、プロセッサ61が実行するプログラムおよび制御データなどを記憶する。ROM63は、プロセッサ61が後述する処理を実行するためのプログラムの一部又は全部を記憶するプログラムメモリとして機能する。ROM63は、例えば、決済装置14に基本的な動作制御に関わるプログラムおよび制御データなどを記憶する。
【0054】
記憶部64は、データの書き込みおよび書き換えが可能な不揮発性のメモリである。記憶部64には、決済装置14の運用に必要なプログラムや種々のデータが書き込まれる。例えば、決済装置14は、登録した商品に対する代金を示すデータ、表示部67に表示する表示データ、操作部68を用いたオペレータによる操作によって登録が必要となる商品に関する情報などを記憶する。
【0055】
通信インターフェース65は、サーバ13と通信するためのインターフェースである。通信インターフェース65は、サーバ13と通信可能となるインターフェースであれば良い。例えば、店舗システム1において決済装置14がサーバ13とLAN(ローカルエリアネットワーク)で接続される構成である場合、通信インターフェース65は、LANインターフェースで構成される。
【0056】
商品読取部66は、決済の対象となる商品を特定する情報(商品情報)を読み取る。例えば、商品読取部66は、商品に添付される商品情報を示すバーコードを読み取る。また、商品読取部66は、商品に添付されたRFIDタグから商品情報を読み取るものであっても良いし、商品を撮影した画像から商品情報を特定するものであっても良い。
【0057】
表示部67は、決済装置を操作するオペレータ又は決済を行う入場者に対する案内などを表示する。例えば、表示部67は、ディスプレイ装置によって構成される。表示部67は、操作案内、登録した商品を示す情報、決済金額を示す情報などを表示する。操作部68は、操作指示を入力するための入力デバイスである。例えば、操作部68は、商品読取部66で商品情報が読み取れない商品の商品情報が入力されたり、決済の実行指示を入力されたりするものである。また、表示部67および操作部68は、タッチパネル付きの表示装置によって構成するようにしても良い。
【0058】
生体センサ69は、決済装置14を利用する人物の生体情報としての指紋情報を取得する生体情報取得部の一例である。本実施形態において、生体センサ69は、携帯認証装置11が備える生体センサ31と同様な生体情報として指紋情報(指紋画像)を読み取る指紋センサであるものとする。生体センサ69は、決済装置14を用いた決済の対象となる人物(入場者)の指の指紋を読み取れる位置に設置される。
【0059】
次に、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1による入場処理について説明する。
図6は、実施形態に係る入場処理システムとしての店舗システム1による入場処理の流れを説明するためのシーケンスである。
まず、携帯認証装置11のプロセッサ21は、当該携帯認証装置11の所持者の生体情報(指紋情報)および決済情報を記憶部24に記憶する登録処理を実行しておくものとする(ST10)。登録処理は、当該店舗システム1によって店舗へ入場する前であれば何時実施しても良い。例えば、プロセッサ21は、当該携帯認証装置11を特定の人物(所持者)用の携帯認証装置11として設定する処理(発行処理)において生体情報および決済情報の登録処理を実行する。また、携帯認証装置11がクレジットカード会社などの特定の発行者によって発行される運用する場合、発行者が実行する発行処理において、携帯認証装置11には、所持者の生体情報と決済情報とが登録される。
【0060】
生体情報と決済情報とが登録された携帯認証装置11を所持する人物は、店舗システム1を利用して店舗への入場および店舗内での決済が実行可能となる。店舗システム1が適用される店舗に入場する場合、携帯認証装置11を所持する人物(操作者)は、自身が所持する携帯認証装置11を入場処理装置12に接続させる操作を実行する。
【0061】
携帯認証装置11のプロセッサ21は、操作者による操作に応じてインターフェース25により入場処理装置12のインターフェース44に接続する(ST11)。携帯認証装置11が接続先の機器から供給される電力によって動作する機器である場合、携帯認証装置11は、インターフェース25を介して入場処理装置12から供給される電力によって起動し、入場処理装置12と通信可能な状態となる。
【0062】
入場処理装置12のプロセッサ41は、インターフェース44への機器の接続を監視している。プロセッサ41は、インターフェース44に機器が接続されたことを検知すると、インターフェース44に接続された機器との通信接続を試行する。プロセッサ41は、インターフェース44に接続された機器との通信接続が確立すると、インターフェース44に接続された機器との通信によりインターフェース44に接続された機器が生体認証機能を備える携帯認証装置11であることを認識する(ST12)。
【0063】
プロセッサ41は、インターフェース44に携帯認証装置11が接続されたことを認識すると、インターフェース44に接続された携帯認証装置11に対して生体認証を要求する(ST13)。
【0064】
携帯認証装置11のプロセッサ21は、インターフェース25を介して入場処理装置12からの生体認証の要求を受信する。プロセッサ21は、入場処理装置12からの生体認証の要求を受信すると、当該携帯認証装置11を操作(保持)する人物に対する生体認証を実行する(ST14)。例えば、プロセッサ21は、入場処理装置12からの生体認証の要求に応じて生体照合部26に対して生体情報による認証(本人確認)の実行を指示する。これにより、携帯認証装置11の生体照合部26は、生体センサ31による指紋情報の読取と照合部32による生体照合とを実行する。ここで、携帯認証装置11を入場処理装置12に接続させた人物は、生体センサ31としての指紋センサにおける指紋の読取位置に認証を用いる指を提示するものとする。
【0065】
生体センサ31は、当該携帯認証装置11を操作している人物の生体情報としての指紋情報を読み取る。生体センサ31は、読み取った指紋情報を照合部32へ供給する。照合部32は、生体センサ31が取得した生体情報と記憶部24に記憶(登録)している当該携帯認証装置11の所持者の生体情報とを照合することにより生体認証を行う。照合部32は、生体センサ31が取得した生体情報と記憶部24に登録している生体情報とが同一人物の生体情報である場合には認証成功をプロセッサ21へ出力し、同一人物の生体情報でない場合には認証失敗をプロセッサ21へ出力する。
【0066】
携帯認証装置11のプロセッサ21は、生体照合部26による生体認証が成功した場合、生体認証(本人確認)が成功した旨をインターフェース25により入場処理装置12へ通知する(ST14)。
なお、プロセッサ21は、生体照合部26による生体認証が失敗した場合、所定の再試行回数に達するまで生体認証の再試行を生体照合部26に指示するようにしても良い。携帯認証装置11のプロセッサ21は、所定の再試行回数の生体認証を実行しても認証が成功しない場合、入場処理装置12へ認証が失敗した旨(本人確認でない旨)を通知する。入場処理装置12は、携帯認証装置11から認証失敗の通知を受けた場合には当該携帯認証装置11を保持する人物の入場を不可とする。
【0067】
入場処理装置12は、インターフェース44により携帯認証装置11からの認証結果を受信する。入場処理装置12のプロセッサ41は、携帯認証装置11から認証成功の通知を受信すると、当該携帯認証装置11を操作(保持)する人物の体温を取得する処理を実行する。ここで、
図6に示す処理例としては、入場処理装置12は、体温測定装置10が計測する当該人物の体温を含む体温情報を携帯認証装置11から取得するものとして説明する。すなわち、
図6に示す処理例において、入場処理装置12のプロセッサ41は、携帯認証装置11から認証成功の通知を受信すると、当該携帯認証装置11に対して認証した人物(操作者)の体温を含む体温情報を要求する(ST16)。
【0068】
携帯認証装置11のプロセッサ21は、インターフェース25を介して入場処理装置12からの体温情報の要求を受信する。プロセッサ21は、入場処理装置12からの体温情報の要求に応じて、当該携帯認証装置11を操作する人物(認証が成功した操作者)の体温情報を取得する処理を実行する(ST17)。
【0069】
例えば、体温取得部29が非接触通信などによって体温測定装置10が計測する体温を取得する通信インターフェースである場合、携帯認証装置11のプロセッサ21は体温測定装置10が計測する体温を、体温取得部29としての通信インターフェースにより体温測定装置10から受信する。また、携帯認証装置11が体温取得部29として操作者の体温を計測する体温測定装置10を備える構成である場合、プロセッサ21は、体温取得部29としての体温測定装置10が計測する体温を取得する。
【0070】
プロセッサ21は、体温測定装置10が計測する体温を取得すると、当該人物の体温が正常値であるかを判定するための基準となる基準体温を特定する(ST18)。携帯認証装置11のプロセッサ21は、記憶部24に記憶している所持者の基準体温を特定するための情報に基づいて所持者の基準体温を特定する。
【0071】
例えば、携帯認証装置11は、所持者が自己申告する平常値の体温を基準体温として予め記憶部24に記憶(登録)しておくようにしても良い。この場合、携帯認証装置11のプロセッサ21は、記憶部24に予め記憶しておいた所持者の基準体温を読み出すことにより所持者の基準体温を特定する。
【0072】
また、携帯認証装置11は、所持者の過去の体温を記憶部24に記憶しておき、記憶部24に記憶した過去の体温から所持者の基準体温を特定するようにしても良い。例えば、携帯認証装置11は、後述する処理において入場処理装置12が入場を許可した場合の体温(過去の体温)を記憶部24に記憶しておく。プロセッサ21は、記憶部24に記憶した過去の体温の平均値又は中間値などの統計的な計算によって基準体温を特定すれば良い。また、プロセッサ21は、記憶部24に記憶した過去の体温のうちもっとも最近の体温を基準体温として特定するようにしても良い。
【0073】
携帯認証装置11のプロセッサ21は、体温測定装置10で計測した現在の体温と所持者の基準体温とを特定した場合、体温測定装置10で測定した体温と所持者の基準体温とを含む体温情報を入場処理装置12へ送信する(ST19)。
【0074】
入場処理装置12は、体温取得部49として機能するインターフェース44により携帯認証装置11から体温情報を取得する。ただし、当該人物の体温を入場処理装置12が携帯認証装置11を介さずに取得する構成とする場合、
図6に示す携帯認証装置11によるST17の処理に代えて、入場処理装置12が体温取得部49により体温測定装置10が計測する当該人物の体温を取得する処理が実行されるものとする。この場合、入場処理装置12は、携帯認証装置11から当該人物の基準体温を含む体温情報を取得するようにしても良い。
【0075】
入場処理装置12のプロセッサ41は、携帯認証装置11から体温情報を取得すると、当該人物の現在の体温が正常値であるか否かをチェックする(ST20)。プロセッサ41は、体温測定装置10で計測した体温(当該人物の現在の体温)が許容範囲内であるか否かにより体温が正常値であるか否かを判定する。プロセッサ41は、体温が許容範囲外で正常でない場合、入口ドア15を開放することなく、当該人物の入場を不可とする(ST21)。
【0076】
ここで、基準体温に対する許容範囲は、予め設定されているものとする。例えば、当該人物の基準体温を基準とする上限値を設定してき、プロセッサ41は、体温測定装置10で測定した体温(現在の体温)が上限値以下(許容範囲)であるか否かにより体温が正常値であるか否かを判定する。基準体温に対する上限値は、人間における体温の通常の変動幅、体温測定装置10の計測誤差、又は、環境等による変動幅などを考慮して設定すれば良い。これにより、入場処理装置12は、平常時の体温(基準体温)を基準とした上限値よりも体温が高ければ、当該人物の体温が正常値でないと判定できる。この結果として、入場処理装置12は、体温が正常な範囲を超えて高くなっている人物の入場を不可とすることが可能となる。
【0077】
また、基準体温に対する許容範囲としては、上述したような上限値に加えて、基準体温を基準とする下限値を設定しても良い。この場合、プロセッサ41は、体温が下限値以上かつ上限値以下(許容範囲)であるか否かにより正常値であるか否かを判定するようにすれば良い。これにより、入場処理装置12は、発熱等によって体温が高い人物だけでなく、体温測定装置10で計測した体温が極端に低い場合も正常値でないと判定できる。この結果として、入場処理装置12は、体温測定装置10で正しく体温が計測できていない人物や不正に体温が低くなるようにしている人物などの人物の入場を不可とすることも可能となる。
【0078】
ここで、体温測定装置10で計測した体温が許容範囲内の正常値であるものとする。この場合、入場処理装置12のプロセッサ41は、体温が許容範囲内の正常値であると判定した後、指紋情報および決済情報をインターフェース44に接続される携帯認証装置11に要求する(ST22)。
【0079】
携帯認証装置11は、インターフェース25により入場処理装置12からの生体(指紋)情報および決済情報の要求を受信する。携帯認証装置11のプロセッサ21は、要求に応じて、記憶部24に記憶している所持者の指紋情報と決済情報とをインターフェース25を介して入場処理装置12へ送信する(ST23)。
【0080】
入場処理装置12は、インターフェース44により携帯認証装置11からの指紋情報と決済情報とを取得する。入場処理装置12のプロセッサ41は、携帯認証装置11から指紋情報と決済情報とを取得すると、携帯認証装置11から取得した指紋情報および決済情報を含む入場者情報を生成する。例えば、プロセッサ41は、指紋情報、決済情報に加えて、入場時の体温を示す体温情報および入場日時などを含む入場者情報を生成するようにしても良い。
【0081】
入場処理装置12のプロセッサ41は、通信インターフェース45によりサーバ13と通信し、携帯認証装置11から取得した生体情報および決済情報などから生成した入場者情報の登録をサーバ13へ要求する(ST25)。
サーバ13は、通信インターフェース55により入場処理装置12からの入場者情報の登録要求を受信する。サーバ13のプロセッサ51は、入場処理装置12からの要求に応じて記憶部54に入場処理装置12からの入場者情報を記憶(登録)する(ST26)。
【0082】
図7は、サーバ13が記憶部54に保存する入場者情報の例である。
図7に示す例において、記憶部54に保存される入場者情報は、入場情報、指紋情報、決済情報、体温情報、出場情報である。入場情報は、入場日時および入場場所などの入場時の状況を示す情報である。指紋情報は、入場者の生体情報である。決済情報は、入場者が決済に用いる情報である。指紋情報および決済情報は、生体認証が成功した携帯認証装置11から取得する情報である。体温は、入場処理装置12が入場を許可した人物に対して体温測定装置10が計測した体温を示す情報である。出場情報は、当該人物が出場する場合に書き込まれる情報であり、出場日時および出場場所などの出場時の状況を示す情報である。
【0083】
入場処理装置12のプロセッサ41は、サーバ13に入場者情報を登録すると、ドア制御部46により入口ドア15を開放し、携帯認証装置11での認証が成功した人物の店舗への入場を許可する(ST26)。プロセッサ41は、入場を許可する場合、表示部47に入場を許可する旨の案内などを表示するようにしても良い。
【0084】
また、携帯認証装置11のプロセッサ21は、体温測定装置10で計測した体温を記録するようにしても良い。
図6に示す処理例において、携帯認証装置11のプロセッサ21は、入場処理装置12に指紋情報および決済情報を送信する場合に体温測定装置10が計測した体温を記憶部24に記憶する(ST27)。この場合、入場処理装置12は、体温が正常値である場合に指紋情報と決済情報を要求するので、携帯認証装置11のプロセッサ21は、正常値と判定された体温を所持者の過去の体温として記憶部24に記憶することとなる。これにより、プロセッサ21は、過去に正常値と判定された所持者の過去の体温に基づいて上述した基準体温を特定することも可能となる。
【0085】
上述した入場処理によれば、携帯認証装置を所持する人物は、入場処理装置に携帯認証装置を接続させて生体認証を実行させる。携帯認証装置は、入場処理装置に接続された場合に操作者である人物が所持者であるかを認証する生体認証を実行する。入場処理装置は、携帯認証装置による人物の生体認証が成功した場合、当該人物の体温が正常値であるかを確認する。入場処理装置は、当該人物の体温が正常値である場合、当該人物の店舗内への入場を許可する。さらに、入場処理装置は、入場を許可した人物の生体情報と決済情報とを携帯認証装置から取得し、携帯認証装置から取得した生体情報と決済情報とを含む入場者情報をサーバに登録する。
【0086】
これにより、携帯認証装置および入場処理装置を備える入場処理システムを含む店舗システムは、生体認証の成否だけでなく、体温が正常値であるかのチェック結果に応じて人物の入場を制御でき、生体認証が成功した人物であっても体温が正常値でなければ入場を不可とすることができるようになる。この結果、店舗システムによれば、体温が正常であることが確認した人物だけを入場させることができ、店員や店内の他の利用者にとって安全な環境としての店舗を提供できる。
【0087】
さらに、店舗システムは、生体認証が成功し、かつ、体温チェックによって体温が正常値であると確認された入場者の生体情報と決済情報とをサーバに登録する。これにより、店舗システムは、体温が正常値であると確認された入場者に対して生体情報を用いた本人確認および決済情報を用いた電子決済などを提供できる。
【0088】
次に、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システム1における決済処理および出場処理について説明する。
図8は、実施形態に係る入場処理システムを含む店舗システム1による決済処理および出場処理の流れを説明するためのシーケンスである。
上述した入場処理によって店舗内に入場した入場者(入場が許可された利用者)は、店舗内で購入する商品やサービスを選定する。利用者(決済者)は、購入する商品又はサービスを選ぶと、商品又はサービスに対する代金を決済装置14を用いて決済するための決済処理を要求する(ST51)。
【0089】
例えば、決済装置14が決済者自身が操作する装置(セルフレジ)である場合、決済者は、決済装置14の操作部68を用いて決済開始を指示する。また、決済装置14が店員(係員)により操作される装置である場合、決済者が決済装置14を操作する店員に対して決済開始を要求することにより、店員は、決済装置14に対して決済開始を指示する。
【0090】
決済装置14は、操作部68により決済開始の指示の入力を受け付ける。決済装置14のプロセッサ61は、決済開始の指示を受け付けると、決済者を特定する生体認証を実行するために生体情報としての指紋の提示を案内する(ST52)。例えば、プロセッサ61は、表示部67に生体センサ69としての指紋センサに決済者の指を提示する旨の案内を表示する。
【0091】
決済者は、決済装置14による案内に応じて指を生体センサ69としての指紋センサに提示する(ST53)。決済装置14の生体センサ69は、生体情報として、決済者が提示した指の指紋を読み取る(ST54)。決済装置14のプロセッサ61は、生体センサ69によって読み取った指紋情報を取得すると、生体センサ69によって読み取った指紋情報と認証要求とを通信インターフェース65によりサーバ13へ送信する(ST55)。
【0092】
サーバ13は、通信インターフェース55により決済装置14からの指紋情報と認証要求とを受信する。サーバ13のプロセッサ51は、受信した指紋情報と記憶部54に記憶している店舗内にいる入場者の指紋情報とを照合する指紋認証を実行する(ST56)。プロセッサ51は、受信した指紋情報(決済装置14の生体センサ69が読み取った指紋情報)と一致する指紋情報(同一人物と判定される指紋情報)を特定する。
【0093】
ここで、サーバ13のプロセッサ51は、店舗内にいる入場者の指紋情報から同一人物と判定される指紋情報の入場者が特定できた場合には認証が成功したものとし、店舗内にいる入場者の指紋情報に同一人物と判定される指紋情報が存在しなかった場合には認証が失敗したものとする。
【0094】
サーバ13のプロセッサ51は、生体認証が成功した場合、受信した指紋情報と一致した指紋情報に紐づく決済情報(一致した指紋情報の入場者の決済情報)を記憶部54から取得する(ST57)。プロセッサ51は、決済装置14から受信した指紋情報と一致した指紋情報に対応する決済情報を通信インターフェース55により決済装置14へ送信する(ST58)。決済装置14へ決済情報を送信する場合、プロセッサ51は、決済情報以外にも、受信した指紋情報と一致した指紋情報の入場者(決済者)に関する情報を決済装置14へ送信するようにしても良い。
【0095】
決済装置14は、生体センサ69で読み取った生体情報を送信した後、サーバ13から取得する決済情報を通信インターフェース65により受信する。決済装置14のプロセッサ61は、サーバ13から取得した決済情報をRAM62又は記憶部64などのメモリに保持し、決済対象とする商品(商品情報)の入力を案内する(ST59)。
【0096】
決済者は、決済装置14による案内に応じて決済対象とする商品を登録する作業を実行する(ST60)。例えば、決済者又は店員は、決済対象となる商品を決済装置14の商品読取部66の読取位置に提示することにより決済対象の商品の商品情報を示すバーコードを読み取らせる。また、決済者又は店員は、商品読取部66が読取可能な商品情報が表示されていない商品の商品情報については操作部68を用いて入力しても良い。
【0097】
決済装置14の商品読取部66は、所定の読取位置に提示された商品から商品情報を読み取り、商品情報の読取結果をプロセッサ61へ供給する。決済装置14のプロセッサ61は、商品読取部66によって読み取った商品情報をRAM62又は記憶部64に記憶する(ST61)。また、決済装置14のプロセッサ61は、操作部68による商品情報の入力も受け付ける。プロセッサ61は、操作部68により商品情報が入力された場合、入力された商品情報をRAM62又は記憶部64に記憶する。
【0098】
決済装置14のプロセッサ61は、決済対象とする商品の商品情報の入力が終了するまで、商品読取部66が読み取った商品情報および操作部68で入力された商品情報をRAM62又は記憶部64に記憶する。これにより、決済装置14のRAM62又は記憶部64には、決済対象とする商品の商品情報が蓄積される。
【0099】
決済者又は店員は、決済対象とする商品の商品情報の入力が終了すると、決済装置14の操作部68により決済実行(商品情報の入力終了)を指示する(ST62)。
決済装置14のプロセッサ61は、操作部68により決済実行の指示が入力されると、決済処理を実行する(ST63)。プロセッサ61は、商品情報が入力された全ての決済対象とする商品の代金を合計することにより決済金額を算出する。決済金額を算出すると、プロセッサ61は、算出した決済金額をサーバ13から取得した決済者の決済情報を用いて決済する処理を実行する。
【0100】
決済情報による決済処理が完了すると、プロセッサ61は、決済内容を通信インターフェース65によりサーバ13へ通知する(ST64)。例えば、プロセッサ61は、決済内容として、決済者を示す情報、決済金額、決済日時、決済処理を実行した決済装置を示す情報などをサーバ13へ通知する。
【0101】
サーバ13は、通信インターフェース55により決済装置14からの決済内容の通知を受信する。サーバ13のプロセッサ51は、通信インターフェース55により決済装置14から決済内容を受信すると、受信した決済内容を記憶部54に記憶する(ST65)。プロセッサ51は、決済内容を入場者情報と対応づけて記憶部54に記憶するようにしても良い。
【0102】
また、決済装置14が店舗の出口に連結している運用とする場合、決済装置14は、決済処理の終了に応じて当該決済者の出場をサーバ13に記録するようにしても良い。このような運用とする場合、決済装置14のプロセッサ61は、決済処理の完了に応じて当該決済者(入場者)の出場(決済完了)を示す情報をサーバ13へ通知する(ST66)。
【0103】
サーバ13のプロセッサ51は、通信インターフェース55により決済装置14から出場の通知(又は、決済完了の通知)を受信した場合、当該決済者(入場者)の入場者情報における出場情報に出場を示す情報を書き込む。
【0104】
なお、店舗システム1としては、サーバ13が決済装置14以外の装置(例えば、出口に設けた出場処理装置や出場を監視する監視装置など)から店舗から出場した人物(入場者)を示す情報を取得する構成としても良い。この場合、サーバ13は、決済装置14以外の装置から店舗から出場した人物(入場者)を示す情報を取得し、当該人物の入場者情報における出場情報を追記するようにしても良い。
【0105】
また、入場者情報の運用としては、出場した人物の入場者情報をサーバ13に保持しておかない(出場後に入場者情報を削除する)ようにしても良い。出場した人物の入場者情報を削除する運用とする場合、サーバ13のプロセッサ61は、決済装置14から出場の通知(又は、決済完了の通知)に応じて、当該決済者の入場者情報を記憶部54から削除するようにすれば良い。
【0106】
上述したように、実施形態に係る店舗システムにおいて、サーバは、携帯認証装置による生体認証が成功し、かつ、体温が正常値であった入場者の生体情報と決済情報とを保管する。決済装置は、決済を要求する決済者の生体情報を取得し、決済者の生体情報による生体認証をサーバへ依頼する。サーバは、決済装置からの生体情報と一致する生体情報の入場者を特定し、生体情報が一致する入場者の決済情報を決済装置へ供給する。決済装置は、サーバから取得する決済情報を用いて決済者に対する決済を実行する。
【0107】
これにより、店舗システムは、店舗への入場時に体温が正常値であることが確認されている人物である決済者に対して、決済装置での生体情報を用いた本人確認および当該決済者の決済情報を用いた電子決済などを提供できる。この結果、店舗側としては、体温が正常であることが確認されている人物だけが入場可能となる店員や店内の他の利用者にとって安全な環境において生体情報を用いた利便性の高い決済処理を提供できる。また、利用者としては、体温が正常値であることが確認された人物だけが入場できる安全な環境である店舗内において安心して買物などを行うことができ、生体情報を提示するだけで簡単に決済できる。
【0108】
上述の各実施形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1…店舗システム(入場処理システム)、10…体温測定装置、11…携帯認証装置、12…入場処理装置、13…サーバ、14…決済装置、15…入口ドア、21…プロセッサ(第1プロセッサ)、22…RAM、23…ROM、24…記憶部(メモリ)、25…インターフェース(第1インターフェース)、26…生体照合部、31…生体センサ(第1生体センサ)、32…照合部、41…プロセッサ(第2プロセッサ)、42…RAM、43…ROM、44…インターフェース(第2インターフェース)、45…通信インターフェース(第1通信インターフェース)、46…ドア制御部、47…表示部、48…操作部、49…体温取得部、51…プロセッサ(第3プロセッサ)、52…RAM、53…ROM、54…記憶部、55…通信インターフェース(第2通信インターフェース)、61…プロセッサ(第4プロセッサ)、62…RAM、63…ROM、64…記憶部、65…通信インターフェース(第3通信インターフェース)、66…商品読取部、67…表示部、68…操作部、69…生体センサ(第2生体センサ)。