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特開2023-141858光ファイバフェルールの端面研磨用装置、光ファイバフェルールの端面研磨用装置に使用するオフセットリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141858
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】光ファイバフェルールの端面研磨用装置、光ファイバフェルールの端面研磨用装置に使用するオフセットリング
(51)【国際特許分類】
   B24B 19/00 20060101AFI20230928BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20230928BHJP
   G02B 6/25 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B24B19/00 603E
B24B41/06 Z
G02B6/25 301
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048395
(22)【出願日】2022-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-31
(71)【出願人】
【識別番号】000147350
【氏名又は名称】株式会社精工技研
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】田中 悠輝
【テーマコード(参考)】
2H038
3C034
3C049
【Fターム(参考)】
2H038CA22
3C034AA07
3C034AA13
3C034AA19
3C034BB76
3C034DD08
3C034DD20
3C049AA05
3C049AB04
3C049AB08
3C049CA01
3C049CB03
3C049CB04
(57)【要約】
【課題】本発明は、オフセットリングをホルダー保持台の上部に載置することにより、研磨工程毎に繰り返される光ファイバフェルールの端面研磨用装置への研磨用ホルダーの保持や解放する作業負荷を低減させ、部材の摩耗も低減させることが可能となる光ファイバフェルールの端面研磨用装置を提供する。
【解決手段】光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置であって、前記保持解放部は、前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、前記ホルダー保持台の上部に載置するオフセットリングと、該オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置であって、
前記保持解放部は、
前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、
前記ホルダー保持台の上部に載置するオフセットリングと、
該オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、
を有することを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項2】
前記ホルダー保持台の上面側に取り付けられた保持ピンと、
前記研磨用ホルダーをホルダー保持台の上面に保持又は解放するための保持バーと、
前記保持バーに固定されたハンドルと、を有し、
前記保持ピンと前記ハンドルとの間に前記軸受が構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項3】
前記オフセットリングの上面側は、
前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、
前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線上を略中心に形成された凹部と、
前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に上面部と、
が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項4】
前記保持ピンを前記ホルダー保持台に付勢するためのばねを有し、
前記軸受が前記オフセットリングの前記上面部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受を押上げ、
前記軸受が前記オフセットリングの前記凹部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受の押上げを解放する、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項5】
前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記上面部までの距離と、前記軸受の外径と前記軸受の内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより大きく、
前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記凹部までの距離と、前記軸受の前記外径と前記軸受の前記内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより小さい、
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項6】
前記オフセットリングは樹脂を使用していることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項7】
前記ホルダー保持台と前記オフセットリングの間に回転防止具を有し、
前記回転防止具の厚さは、前記ホルダー保持台の外径と前記オフセットリングの内径の差よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項8】
前記回転防止具は弾性体であることを特徴とする請求項7の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項9】
光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置に使用されるオフセットリングであって、
前記オフセットリングは、前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台の上部に載置され、
前記オフセットリングの上面側には、
前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、
前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線状を略中心に形成された凹部と、
前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に上面部と、
が形成されていることを特徴とするオフセットリング。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ付きフェルールを研磨用ホルダーの挿入孔に挿入保持させ、自転・公転可能なターンテーブルを用いて、多数の光ファイバ付きフェルールの端面を同時に研磨する光ファイバフェルールの端面研磨用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ同士の接続部分において、光接続ロスを少なく伝送するためには、光ファイバの端面を研磨する必要がある。通常、接続される双方の光ファイバの先端部分は、ガラス製の光ファイバがセラミックや樹脂製等のフェルールによって覆われた状態となっており、光ファイバの端面をフェルールの端面と共に研磨することで、接続部同士を突き当てた際に光ファイバ同士が隙間無く当接され、光接続ロスを少なく伝送するようにしている。
【0003】
フェルールを光ファイバフェルールの端面研磨用装置で研磨する際には、フェルールを研磨用ホルダーの挿入孔に挿入し、フェルールを光ファイバフェルールの端面研磨用装置の研磨面に対して一定の姿勢で保持し、その状態で研磨用ホルダーを光ファイバフェルールの端面研磨用装置に固定して研磨する方法が利用されている。
【0004】
引用文献1では、研磨用装置の四隅に4つのポストが設けられ、各ポストには加圧レバーが取り付けられている。研磨用ホルダーの四隅の円弧状縁部を4本のポストの円筒頂部に上から載せ、各加圧レバーを引き上げながら回して、各加圧ピンが研磨用ホルダプレートの四隅を上から押すようにセットしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-181608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように研磨作業を進める中で、研磨工程毎に研磨用ホルダーの清掃や研磨材の交換作業を実施する必要があり、その研磨工程毎に研磨用ホルダーを光ファイバフェルールの端面研磨用装置に保持、解放する作業を繰り返し行うことになる。研磨用ホルダーを光ファイバフェルールの端面研磨用装置に保持、解放する作業は、作業者が手動で行うのが一般的であり、作業者への負荷が大きく、また、研磨用ホルダーを光ファイバフェルールの端面研磨用装置に保持、解放する作業は、部材の摩耗が発生するため、研磨性能への影響が懸念され、定期的なメンテナンス等を行う必要が生じる。
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明は、オフセットリングをホルダー保持台の上部に載置することにより、研磨工程毎に繰り返される光ファイバフェルールの端面研磨用装置への研磨用ホルダーの保持や解放する作業負荷を低減させ、部材の摩耗も低減させることが可能となる光ファイバフェルールの端面研磨用装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置であって、前記保持解放部は、前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、前記ホルダー保持台の上部に載置するオフセットリングと、該オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、を有することを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨用装置が提供される。
【0009】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記ホルダー保持台の上面側に取り付けられた保持ピンと、前記研磨用ホルダーを前記ホルダー保持台の上面に保持又は解放するための保持バーと、前記保持バーに固定されたハンドルと、を有し、前記保持ピンと前記ハンドルとの間に前記軸受がある構成としても良い。
【0010】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記オフセットリングの上面側は、前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線上を略中心に形成された凹部と、前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に上面部と、が形成さられている構成としても良い。
【0011】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記保持ピンを前記ホルダー保持台に付勢するためのばねを有し、前記軸受が前記オフセットリングの上面部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受を押上げ、前記軸受が前記オフセットリングの凹部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受の押上げを解放する構成としても良い。
【0012】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記上面部までの距離と、前記軸受の外径と前記軸受の内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより大きく、前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記凹部までの距離と、前記軸受の前記外径と前記軸受の前記内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより小さくする構成としても良い。
【0013】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記オフセットリングは樹脂を使用する構成としても良い。
【0014】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記ホルダー保持台と前記オフセットリングの間に回転防止具を有し、前記回転防止具の厚さは、前記ホルダー保持台の外径と前記オフセットリングの内径の差よりも大きくする構成としても良い。
【0015】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置においては、前記回転防止具は弾性体である構成としても良い。
【0016】
本発明に係るオフセットリングにおいては、光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置に使用されるオフセットリングであって、前記オフセットリングは、前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台の上部に載置され、前記オフセットリングの上面側には、前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線状に形成された凹部と、前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に上面部と、が形成されているオフセットリングが提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る光ファイバ研磨用装置によれば、研磨工程毎に繰り返される光ファイバフェルールの端面研磨用装置への研磨用ホルダーの保持や解放する作業負荷を低減するとともに、部材の摩耗も低減させることができ、安定した研磨を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】光ファイバフェルールの端面研磨用装置40の斜視図
図2】光ファイバフェルールの端面研磨用装置40に研磨用ホルダー50を保持した時の斜視図
図3】オフセットリング10に研磨用ホルダー50を載置した時の説明用拡大斜視図
図4】従来の研磨装置を使用した場合の研磨用ホルダー50の摩耗例を示す拡大斜視図
図5a】光ファイバフェルールの端面研磨用装置40に研磨用ホルダー50を解放した時の保持解放部30の拡大斜視図
図5b】光ファイバフェルールの端面研磨用装置40に研磨用ホルダー50を解放から保持へ移行する時の保持解放部30の拡大斜視図
図5c】光ファイバフェルールの端面研磨用装置40に研磨用ホルダー50を保持した時の保持解放部30の拡大斜視図
図6】オフセットリング10の斜視図
図7】回転防止具15の斜視図
図8】オフセットリング10の上面図
図9】保持解放部30の研磨用ホルダー50を保持した時の断面図
図10a】保持解放部30の移行時、解放時の高さ関係を説明するための断面図
図10b】保持解放部30の保持時の高さ関係を説明するための断面図
図11】軸受20の正面図
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。係る実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0020】
以下、一例として示す図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、本願光ファイバフェルールの端面研磨用装置40(以下、研磨用装置40と記載)の斜視図であり、図2は、研磨用装置40に研磨用ホルダー50を固定した時の斜視図であり、図3は、オフセットリング10に研磨用ホルダー50を載置した時の説明用拡大斜視図である。
【0021】
研磨用装置40の四隅に4つの保持解放部30が設けられている。保持解放部30にはそれぞれオフセットリング10と軸受20が設けられている。研磨用ホルダー50の四隅の円弧状縁部53を、各保持解放部30のオフセットリング10のホルダー切欠部11に合わせてホルダー保持台の上面36に載置する。各保持解放部30のハンドル31を用いて手動で操作し、研磨用ホルダー50を研磨用装置40に固定する。研磨用ホルダー50を研磨装置40に固定、または、固定を解除する際に生じる部材の摩耗を抑える機構であり、樹脂又は金属製のオフセットリング10をホルダー保持台34に固定し、保持ピン32とハンドル31の間に軸受20を装着することにより、研磨装置40の耐久性が向上し、研磨性能の悪化を防ぐことが可能となり、これまで部材の摩耗が発生した際には、摩耗した部材の交換が必要であったが、部材の交換が必要なくなり、メンテナンスや作業効率低下を抑えることが可能となった。
【0022】
研磨用装置40は研磨盤(研磨パッドと研磨フィルム)を使用し、研磨を行う。フェルール(図示せず)は、光コネクタ(図示せず)に組み込まれており、研磨用ホルダー50は複数の光コネクタを装着することで、複数のフェルールを保持することができる。複数の光コネクタを研磨用ホルダー50に装着した状態で研磨用装置40を作動させる。研磨用装置40に使用する研磨盤をフェルールの先端に押し当てて、フェルールに対して相対的に移動させることにより、研磨フィルムの表面でフェルールの先端面を研磨する。研磨用ホルダー50に複数の光コネクタを装着することで、複数のフェルールを同時に研磨することができる。
【0023】
図3は、保持解放部30の一部部材を図示せずにオフセットリング10のホルダー切欠部11に合わせて研磨用ホルダー50の円弧状縁部53がホルダー保持台34に載置されている状態を明確にした説明用図面である。オフセットリング10のホルダー切欠部11は、研磨用ホルダー50の円弧状縁部53が載置されるように設計されている。ホルダー切欠部11の最適な形状については、後述説明する。円弧状縁部53を、各保持解放部30のオフセットリング10のホルダー切欠部11に合わせてホルダー保持台の上面36に載置し、各保持解放部30のハンドル31を用いて着脱操作し、研磨用ホルダー50を研磨用装置40に固定する。
【0024】
図4は、従来の研磨装置を使用した場合の研磨用ホルダー50の四隅の一部を拡大した斜視図であり、研磨用ホルダー50の上面には、保持バー33との摩耗による傷の発生する箇所を分かりやすく記載している。機構上、保持解放部30は、保持ピン32の内部に設けたばね35により、常に下向きに強い押圧力がかかっており、保持バー33と研磨用ホルダー50を擦り合わせながら着脱操作を行うため、保持バー33と研磨用ホルダー50の摩耗が発生し、それに伴い、加圧力のばらつきが発生し、研磨精度が悪化するという懸念事項がある。
【0025】
研磨工程は通常4工程以上の場合が多く、その工程間で研磨用ホルダー50の研磨用装置40からの着脱が研磨工程毎の研磨パッドや研磨フィルム、清掃を主な目的に行われる。研磨用ホルダー50は4箇所の保持解放部30で着脱操作が行われることから、研磨工程が終了するまでに着脱操作を繰り返す必要があり、ばね35により加圧された保持解放部30の着脱操作による作業者の負担が大きくなっている。
【0026】
図5aは、研磨用装置40から研磨用ホルダー50を解放した時の保持解放部30の拡大斜視図であり、図5bは、研磨用装置40から研磨用ホルダー50を解放から保持へ移行した時の保持解放部30の拡大斜視図であり、図5cは、研磨用装置40に研磨用ホルダー50を保持した時の保持解放部30の拡大斜視図である。
【0027】
ホルダー保持台の上面36にオフセットリング10を載置し、研磨用ホルダー50を研磨用装置40に固定する際に、保持解放部30を、ハンドル31を用いて手動で操作し、研磨用ホルダー50を固定する。保持解放部30は、少なくとも、研磨用装置40のベースプレート41に固定されたホルダー保持台34と、ホルダー保持台34の上部に載置するオフセットリング10と、オフセットリング10の上面部13に摺動する軸受20を有している。
【0028】
ホルダー保持台34を研磨用装置40に研磨面と略垂直に固定し、ホルダー保持台の上面36に研磨用ホルダー50を載置している。保持ピン32に保持バー33を突設し、突き出した保持バー33の片側にハンドル31を螺合して連結させることにより固定し、ホルダー保持台34を中心に研磨面と略平行方向にハンドル31を回転させ、保持バー33を研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52へ乗り上げさせることで、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持される。この時、保持ピン32と保持バー33とハンドル31と軸受20は、ハンドル31に螺合した保持バー33を保持ピン32に設けた貫通孔にネジで固定し、保持ピン32とハンドル31の間に軸受20を装着することにより連結して動いている。
【0029】
本実施例では、ホルダー50の上面に固定用溝52を設けているが、固定用溝52はある方が好ましいが、本発明を実施するうえで必ず形成しなければならないことは無く、仮に固定用溝52が形成されていなくても、本発明の効果を得ることは可能である。
【0030】
また、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持されている状態は、オフセットリング10の凹部12に軸受20がある状態であり、その状態で研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52に保持バー33がある状態となる。
【0031】
図5aは、研磨用ホルダー50を解放している状態であり、解放とは、研磨用装置40から研磨用ホルダー50を取り出すことが可能な状態を言う。ハンドル31に固定した反対側の突き出した保持バー33を研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52への乗り上げを解除するとともに、固定用溝52の位置の中心から略45°以上、略135°以内でホルダー保持台34を中心に研磨面と略平行方向にハンドル31を回転し、研磨用ホルダー50の上面に保持バー33がない状態となり、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかからなくなり、加圧保持されていない状態となる。よって、研磨用ホルダー50を研磨用装置40から取り外すことが可能となる。軸受20はオフセットリング10の上面部13にある。
【0032】
図5bは、研磨用ホルダー50を解放状態から固定状態、または固定状態から解放状態へ移行する状態である。保持バー33の移行時には、軸受20がオフセットリング10の上面部13にあり、研磨用ホルダー50と保持バー33の間に隙間が存在するため、部材同士の接触が無く、部材の摩耗を防ぐ機構となっている。
【0033】
図5cは、研磨用ホルダー50を保持している状態であり、ハンドル31に固定した反対側の突き出した保持バー33が研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52に乗り上げている。軸受20はオフセットリング10の凹部12の位置にあり、保持バー33を固定用溝52へ乗り上げさせることで、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持されている。保持バー33が固定用溝52に当接しており、軸受20はオフセットリング10の凹部12と当接していない。
【0034】
オフセットリング10の上面部13に軸受20があり、研磨用ホルダー50の上面に保持バー33がない場合は、保持ピン32の内部に設けたばね35のばね荷重による加圧保持が解放されている状態であり、研磨装置40から研磨用ホルダー50を取り出すことが可能となる。
【0035】
また、オフセットリング10は、上面側に向かって逃げ形状となっており、ホルダー保持台34を中心に研磨面と略平行方向にハンドル31を回転させる際にオフセットリング10がハンドル31やその周辺部に当接しないように設計されている。
【0036】
図6は、オフセットリング10の形状を示す斜視図である。オフセットリング10は、保持ピン32の上側から挿入するため、中央部には貫通孔が形成さられており、上面側には、研磨用ホルダー50を載置するためのホルダー切欠部11が研磨用ホルダー50の形状に合わせて形成されている。本実施例においては、四角形の研磨用ホルダー50に対し、研磨用装置40の四隅に4つの保持解放部30が設けられており、研磨用ホルダー50の四隅を保持解放している。また、オフセットリング10の下面側の内径部には、回転防止具15を設置するための溝部が形成されており、形状については、回転防止具15の数や形状により、適宜、最適な形状を設計することとする。また、回転防止具15を使用せずにネジやボルトなどを使用して固定することも可能である。
【0037】
図7は、回転防止具15の斜視図である。本実施例の回転防止具15は弾性体であり、例えば、ニトリルゴムやフッ素ゴム、シリコーンゴムなどが使用可能であり、太さは2.0mmであり、図9に記載のホルダー保持台34の外径D(30mm)とオフセットリング10の下面側に形成されている溝部の内径E(33.5mm)の差D-E(1.5mm)よりも大きく設計されている。回転防止具15をホルダー保持台34とオフセットリング10の間に入れることで、オフセットリング10をホルダー保持台34にナット等で固定しなくても抜け防止や回転防止の効果が十分にあることを確認している。回転防止具15の使用数については、1つでも使用していれば良く、本実施例では、より効果を得られるように2つの回転防止具15を使用したが、回転防止具15を使用する数や材質、形状については、適宜、最適な条件の回転防止具15を選定することとする。
【0038】
図8は、オフセットリング10の上面図である。オフセットリング10の上面側には、ホルダー切欠部11の略中心からオフセットリング10の略中心を結んだ直線上に凹部12が形成されている。研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52へ保持バー33が乗り上げることで、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持されるので、保持バー33に固定されているハンドル31と保持ピン32の間に設けられている軸受20が凹部12にあることが必要であり、研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52へ保持バー33が乗り上げる位置が凹部12の形成位置となる。
【0039】
本実施例において、研磨用ホルダー50の四隅を固定しており、オフセットリング10のホルダー切欠部11が形成されている範囲(角度)としては、略90°となる。ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線上の位置に凹部12の中心位置が形成されていることになる。本実施例では、凹部12の幅寸法については、上面部13より直径10mm、深さ0.9mmとしている。これは、研磨用ホルダー50の固定用溝部52に保持バー33が当接している時の凹部12から凹部12と同直径の軸受20が0.2mm浮いた状態となる。
【0040】
オフセットリング10のホルダー切欠部11は、凹部12の略中心からオフセットリング10の中心を結んだ延長線上に存在する切欠きであり、ホルダー切欠部11の幅寸法としては、オフセットリング10の中心より左右にそれぞれA°(本実施例では略45°)の幅寸法に加え、補足切欠き幅として、Bmm(本実施例では1.5mm程度)余分に切り落としてある。これにより、オフセットリング10をホルダー保持台34に装着する際の位置決めが容易となっている。本実施例では、ホルダー保持台34に1個の回転防止具15を嵌め込み、オフセットリング10の内径部にも1個の回転防止具15を嵌め込んだ状態で、オフセットリング10をホルダー保持台34の上側から押し込み、オフセットリング10のホルダー切欠部11と研磨用ホルダー50の四隅にある円弧状縁部53を微調整することで位置決めが容易に可能となる。
【0041】
図9は、保持解放部30の研磨用ホルダー50を保持した時の断面図である。研磨用ホルダー50を研磨用装置40に固定する際に、ホルダー保持台の上面36にオフセットリング10を載置し、保持解放部30のハンドル31を用いて手動で操作し、研磨用ホルダー50を研磨用装置40に加圧保持することができる。保持解放部30の構造としては、ホルダー保持台の上面36にオフセットリング10を載置し、オフセットリング10の凹部12、または、上面部13に摺動する軸受20を有している。研磨用ホルダー50は、オフセットリング10の切欠部11に合わせて、ホルダー保持台の上面36に載置されるが、オフセットリング10には研磨用ホルダー50の底面部は当接しておらず、ホルダー保持台の上面36に当接している。
【0042】
ホルダー保持台34を研磨用装置40のベースプレート41に研磨面と略垂直に嵌め込まれた状態で固定し、ホルダー保持台34の上面側に保持ピン32が取り付けられ、保持ピン32の内部にばね35が設けられている。ホルダー保持台の上面36に研磨用ホルダー50を載置し、保持ピン32に保持バー33を突設し、突き出した保持バー33の片側にハンドル31を螺合して連結させることにより固定し、ホルダー保持台34を中心に研磨面と略平行方向にハンドル31を回転させ、軸受20が凹部12にあることで、保持バー33を研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52へ乗り上げさせることになり、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持される。従来は、研磨用ホルダー50を研磨用装置40に保持解放する際、研磨用ホルダー50と保持バー33が接触、摺動することにより、部材が傷つき、部材同士の摩耗が生じていた。
【0043】
図10aは、保持解放部30の移行時、解放時の高さ関係を説明するための断面図である。図10bは、保持解放部30の研磨用ホルダー50保持時の断面図であり、同時に保持解放部30の研磨用ホルダー50保持時の高さ位置に関する説明図である。図11は、軸受20の正面図である。以下に高さ関係について、簡単な[数1]と[数3]を記載するとともに、実際に実施した数値を記載し[数2]と[数4]で説明する。
【0044】
部材の摩耗を防ぐために本願では、研磨用ホルダー50を載置するためのホルダー保持台の上面36からオフセットリング10の上面部13までの距離をX1とし、オフセットリング10の上面部13から軸受20の厚さとして、軸受20の外径Y1と内径Y2との差を半分にした厚さの合計が、研磨用ホルダー50の厚さZ1より大きくすることにより、ホルダー保持台34を中心に研磨面と略平行方向にハンドル31を回転させても、研磨用ホルダー50と保持バー33の間に隙間が存在し、部材同士の接触が無いため、部材の摩耗を防ぐ機構となっている。

[数1] X1+((Y1-Y2)/2) > Z1
【0045】
本実施例では、研磨用ホルダー50を載置するためのホルダー保持台の上面36を基準面とし、オフセットリング10の上面部13までの距離をX1=3.5mmとし、軸受20の外径Y1=10mmと軸受20の内径Y2=6mmとの差を半分にした厚さとの合計が5.5mmとなり、研磨用ホルダー50の厚さZ1=5.0mmより0.5mm大きくなり、ホルダー保持台34を中心に研磨面と略平行方向にハンドル31を回転させても、研磨用ホルダー50と保持バー33の間に0.5mmの隙間が存在し、部材同士の接触が無いため、部材の摩耗を防ぐことができる。

[数2] 3.5+((10-6)/2) > 5.0
【0046】
また、一方で研磨用ホルダー50を研磨用装置40に加圧保持するには、ホルダー保持台の上面36からオフセットリング10の凹部12までの距離をX2とし、オフセットリング10の上面から軸受20の外径Y1と内径Y2との差を半分にした厚さの合計が、ホルダー保持台の上面36から研磨用ホルダー50の固定用溝部52までの距離Z2より小さくすることにより、保持バー33を研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52へ乗り上げさせることができ、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持することができる。

[数3] X2+((Y1-Y2)/2) < Z2
【0047】
本実施例では、研磨用ホルダー50を載置するためのホルダー保持台の上面36を基準面とし、オフセットリング10の上面部13から凹部12までの距離をX2=2.6mmとし、軸受20の外径Y1=10mmと軸受20の内径Y2=6mmとの差を半分にした厚さの合計が4.6mmとなり、ホルダー保持台の上面36から研磨用ホルダー50の固定用溝部52までの距離Z2=4.8mmより小さくすることにより、保持バー33を研磨用ホルダー50の上面にある固定用溝52へ乗り上げさせることができ、保持ピン32の内部に設けたばね35により、ばね荷重が研磨用ホルダー50にかかり加圧保持することができる。

[数4] 2.6+((10-6)/2) < 4.8
【0048】
また、既に使用されている研磨用装置40の部品を専用部材として、修正や新規に製作する必要はなく、既存の研磨用装置40に後付けでオフセットリング10をホルダー保持台の上面36に載置するだけで、本願の効果を得ることが可能である。
【0049】
本発明は、光ファイバフェルールが脱着自在に取り付けられる研磨用ホルダー50を研磨用装置40に固定する際、研磨用ホルダー50及び保持バー33に生じる摩耗を抑える機構であり、保持バー33のハンドル31側に軸受20を、ホルダー保持台34には樹脂製のオフセットリング10を装着することで、研磨用ホルダー50の保持に伴う研磨用ホルダー50の外辺稜線51や研磨用装置40の保持バー33の摩耗による作業効率低下を抑えることが可能となる。また、メンテナンスも軸受20とオフセットリング10の交換のみで済むため、メンテナンス費用の低減も可能となる。
【符号の説明】
【0050】
10 オフセットリング
11 ホルダー切欠部
12 凹部
13 上面部
15 回転防止具
20 軸受
30 保持解放部
31 ハンドル
32 保持ピン
33 保持バー
34 ホルダー保持台
35 ばね
36 ホルダー保持台の上面
40 光ファイバフェルールの端面研磨用装置
41 ベースプレート
50 研磨用ホルダー
51 外辺稜線
52 固定用溝部
53 円弧状縁部

図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置であって、
前記保持解放部は、
前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、
前記ホルダー保持台の上部に載置するオフセットリングと、
前記ホルダー保持台の上面側に取り付けられた保持ピンと、
前記研磨用ホルダーを前記ホルダー保持台の上面に保持又は解放するための保持バーと、
前記保持バーに固定されたハンドルと、
前記ホルダー保持台を中心に前記ハンドルの回転に伴い前記オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、を有し、
前記研磨用ホルダーを保持する状態では、前記研磨用ホルダーの上面に前記保持バーが乗り上げており、
前記研磨用ホルダーを解放する状態では、前記研磨用ホルダーの上面に前記保持バーが無く、
前記研磨用ホルダーを保持する状態から解放する状態、または解放する状態から保持する状態へ移行する際に、前記軸受が前記オフセットリングの上面部にあり、前記研磨用ホルダーの上面と前記保持バーとの間に隙間があることを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項2】
前記オフセットリングの上面側は、
前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、
前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線上を略中心に形成された凹部と、
前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に上面部と、
が形成されていることを特徴とする請求項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項3】
前記保持ピンを前記ホルダー保持台に付勢するためのばねを有し、
前記軸受が前記オフセットリングの前記上面部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受を押上げ、
前記軸受が前記オフセットリングの前記凹部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受の押上げを解放する、
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項4】
前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記上面部までの距離と、前記軸受の外径と前記軸受の内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより大きく、
前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記凹部までの距離と、前記軸受の前記外径と前記軸受の前記内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより小さい、
ことを特徴とする請求項または請求項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項5】
前記オフセットリングは樹脂を使用していることを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項6】
前記ホルダー保持台と前記オフセットリングの間に回転防止具を有し、
前記回転防止具の厚さは、前記ホルダー保持台の外径と前記オフセットリングの内径の差よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項の何れか1項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項7】
前記回転防止具は弾性体であることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項8】
光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置に使用されるオフセットリングであって、
前記保持解放部は、
前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、
前記ホルダー保持台の上部に載置する前記オフセットリングと、
前記ホルダー保持台の上面側に取り付けられた保持ピンと、
前記研磨用ホルダーを前記ホルダー保持台の上面に保持又は解放するための保持バーと、
前記保持バーに固定されたハンドルと、
前記ホルダー保持台を中心に前記ハンドルの回転に伴い前記オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、を有し、
前記オフセットリングは、前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定された前記ホルダー保持台の上部に載置され、
前記オフセットリングの上面側には、
前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、
前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線状を略中心に形成された凹部と、
前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に前記上面部と、が形成され、
前記研磨用ホルダーを保持する状態から解放する状態、または解放する状態から保持する状態へ移行する際に、前記軸受が前記上面部にあり、前記研磨用ホルダーの上面と前記保持バーとの間に隙間を発生させることを特徴とするオフセットリング。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置であって、
前記保持解放部は、
前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、
前記ホルダー保持台の上部に載置するオフセットリングと、
前記ホルダー保持台の上面側に取り付けられた保持ピンと、
前記研磨用ホルダーを前記ホルダー保持台の上面に保持又は解放するための保持バーと、
前記保持バーに固定されたハンドルと、
前記ホルダー保持台を中心に前記ハンドルの回転に伴い前記オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、を有し、
前記研磨用ホルダーを保持する状態では、前記研磨用ホルダーの上面に前記保持バーが乗り上げており、
前記研磨用ホルダーを解放する状態では、前記研磨用ホルダーの上面に前記保持バーが無く、
前記研磨用ホルダーを保持する状態から解放する状態、または解放する状態から保持する状態へ移行する際に、前記軸受が前記オフセットリングの上面部にあり、前記研磨用ホルダーの上面と前記保持バーとの間に隙間があることを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項2】
前記オフセットリングの上面側は、
前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、
前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線上を略中心に形成された凹部と、
前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に上面部と、
が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項3】
前記保持ピンを前記ホルダー保持台に付勢するためのばねを有し、
前記軸受が前記オフセットリングの前記上面部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受を押上げ、
前記軸受が前記オフセットリングの前記凹部にある場合は、前記保持ピンと連動する前記保持バーと前記ハンドルと前記軸受の押上げを解放する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項4】
前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記上面部までの距離と、前記軸受の外径と前記軸受の内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより大きく、
前記研磨用ホルダーを載置するための前記ホルダー保持台の上面から前記オフセットリングの前記凹部までの距離と、前記軸受の前記外径と前記軸受の前記内径との差の半分を足した距離が、前記研磨用ホルダーの厚さより小さい、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項5】
前記オフセットリングは樹脂を使用していることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項6】
前記ホルダー保持台と前記オフセットリングの間に回転防止具を有し、
前記回転防止具の厚さは、前記ホルダー保持台の外径と前記オフセットリングの内径の差よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項7】
前記回転防止具は弾性体であることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバフェルールの端面研磨用装置。
【請求項8】
光ファイバフェルールが着脱自在に取り付けられる研磨用ホルダーを保持又は解放する4つの保持解放部を有する光ファイバフェルールの端面研磨用装置に使用されるオフセットリングであって、
前記保持解放部は、
前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定されたホルダー保持台と、
前記ホルダー保持台の上部に載置する前記オフセットリングと、
前記ホルダー保持台の上面側に取り付けられた保持ピンと、
前記研磨用ホルダーを前記ホルダー保持台の上面に保持又は解放するための保持バーと、
前記保持バーに固定されたハンドルと、
前記ホルダー保持台を中心に前記ハンドルの回転に伴い前記オフセットリングの上面部に摺動する軸受と、を有し、
前記オフセットリングは、前記光ファイバフェルールの端面研磨用装置のベースプレートに固定された前記ホルダー保持台の上部に載置され、
前記オフセットリングの上面側には、
前記研磨用ホルダーを載置するためのホルダー切欠部と、
前記ホルダー切欠部の略中心から前記オフセットリングの略中心を結んだ直線状を略中心に形成された凹部と、
前記ホルダー切欠部と前記凹部とは異なる位置に前記上面部と、が形成され、
前記研磨用ホルダーを保持する状態から解放する状態、または解放する状態から保持する状態へ移行する際に、前記軸受が前記上面部にあり、前記研磨用ホルダーの上面と前記保持バーとの間に隙間を発生させることを特徴とするオフセットリング。