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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014192
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】広告システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230119BHJP
【FI】
G06Q30/0241 446
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190338
(22)【出願日】2022-11-29
(62)【分割の表示】P 2021086893の分割
【原出願日】2015-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】512334202
【氏名又は名称】株式会社トラストワイズプロダクション
(74)【代理人】
【識別番号】110000224
【氏名又は名称】弁理士法人田治米国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 美春
(72)【発明者】
【氏名】山中 直彦
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 正宏
(57)【要約】
【課題】スタンプラリーのようなイベントを行うことを可能とする広告システムを提供する。
【解決手段】広告システムが、携帯端末10のユーザーが参加者となるイベントを管理する広告管理サーバ1を備え、イベント広告2の情報コード4が携帯端末10に読み込まれ、携帯端末10によって広告管理サーバ1がアクセスされることを契機として、該アクセスに対する特典を携帯端末10に通知する。イベント広告2は所定の複数箇所に設置され、イベント広告2が有する情報コード4が、個々の設置場所に割り当てられた場所コード、広告コード及び広告管理サーバのURL情報を含む。広告管理サーバ1は、携帯端末ごとにアクセスに対して特典を決定する機能、決定された特典の情報を該携帯端末に送信する機能、イベント開催期間の広告管理サーバへのアクセス回数を集計し、集計結果を出力する機能などを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末のユーザーが参加者となるイベントを管理する広告管理サーバを備えた広告システムで行われる広告方法であって、
広告管理サーバには、所定の複数の場所でイベントの対象となる旨の表示と共に表示される広告(以下、イベント広告という)が有する情報コード、該情報コードに対応するイベント広告の表示場所の情報、携帯端末に表示される広告の情報を含む広告情報、イベントの開催期間、携帯端末からのアクセスを無効とする場合の条件、イベントの特典、特典の付与ルールが登録され、
イベント広告の表示場所がweb上のサイトであり、
イベント広告が有する情報コードは広告管理サーバのURL情報を含み、
広告管理サーバは、該情報コードに含まれる広告管理サーバのURL情報に基づき携帯端末によってアクセスされた場合にそのアクセスの有効無効を判断し、
広告管理サーバがアクセスを有効と判断した場合に、そのアクセスを携帯端末ごとにイベント広告の表示場所と関連づけると共に該アクセスを特典の付与対象として登録し、
特典の付与ルールに基づき、携帯端末ごとに特典の付与対象として登録されたアクセスに対して特典を決定し、
決定した特典の情報を携帯端末に送信し、
イベント開催期間の広告管理サーバへのアクセス回数をイベント広告の表示場所ごとに集計し、出力する広告方法。
【請求項2】
携帯端末のユーザーが参加者となるイベントを管理する広告管理サーバを備えた広告システムであって、
広告管理サーバが、所定の複数の場所でイベントの対象となる旨の表示と共に表示される広告(以下、イベント広告という)が有する情報コード、該情報コードに対応するイベント広告の表示場所の情報、携帯端末に表示される広告の情報を含む広告情報、イベントの開催期間、携帯端末からのアクセスを無効とする場合の条件、イベントの特典、特典の付与ルールを記憶する機能、
イベント広告の表示場所がweb上のサイトであり、イベント広告が有する情報コードは広告管理サーバのURL情報を含み、該情報コードに含まれる広告管理サーバのURL情報に基づいて広告管理サーバが携帯端末によってアクセスされた場合にそのアクセスの有効無効を判断する機能、
アクセスを有効と判断した場合に、そのアクセスを携帯端末ごとにイベント広告の表示場所と関連づけ、特典の付与対象として登録する機能、
特典の付与ルールに基づき、携帯端末ごとに特典の付与対象として登録されたアクセスに
対して特典を決定する機能、
決定された特典の情報を該携帯端末に送信する機能、及び
イベント開催期間の広告管理サーバへのアクセス回数をイベント広告の表示場所ごとに集計し、集計結果を出力する機能を有する広告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末を利用した広告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
販売促進方法の一つとしてスタンプラリーが行われている。スタンプラリーでは、通常、商品又はサービスの販売会社がラリー主催者となってチェックポイントに台紙とスタンプを設置し、ラリー参加者がチェックポイントを順次まわって所定の台紙にスタンプを押し、所定数以上のスタンプを押した台紙をラリー主催者に提出すると、ラリー参加者にラリー主催者から景品等が提供される。
【0003】
このように台紙とスタンプを使用するスタンプラリーは、ラリー主催者にとっては、チェックポイントに台紙とスタンプを設置してそれを管理しなくてはならないために経費がかかり、ラリー参加者にとっては所定の台紙を持ち歩かねばならないという不便さがある。このため、携帯端末を用いてスタンプラリーを行う方法が提案されている。
【0004】
例えば、ラリー主催者が、スタンプラリーのチェックポイントを指定するスタンプラリーのキャンペーン広告の配信を携帯電話会社に依頼し、携帯端末のユーザーにキャンペーン広告が配信され、携帯端末のユーザーがキャンペーン広告を閲覧してチェックポイントに到達すると、携帯電話が通信している基地局の位置情報と現在時刻に対して携帯電話会社が電子署名したスタンプを携帯電話に送信する方法が提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、チェックポイントに非接触通信が可能なリーダ/ライタを設置すると共に、携帯端末のユーザーにはその携帯端末に特定のアプリケーションをダウンロードするように案内し、そのアプリケーションがダウンロードされた携帯端末がチェックポイントに到達すると、リーダ/ライタによる通信にてアプリケーション上でスタンプが押印されるようにする方法が提案されている(特許文献2)。この方法によれば、スタンプラリーで使用されるアプリケーションに広告を添付することができるので、効果的な広告の配信が可能になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004-139193号公報
【特許文献2】特開2007-11520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯端末を利用してスタンプラリーを行う従来の販売促進方法では、スタンプラリーによる広告効果を確認することが難しく、また、スタンプラリーを行うことによって携帯端末のユーザーに提示できる広告の種類や数も限られる。
【0008】
これに対し本発明は、スタンプラリーのようなイベントを行うことができ、イベントによる直接的な広告効果を容易に確認することができ、さらに、イベント中に広告主が所望の広告をユーザーに提示することも可能とする広告システムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、スタンプラリーのように、携帯端末のユーザーに廻遊させる所定のチェックポイントを定め、チェックポイントへの到達に対して特典を付与するイベントを行うにあたり、広告管理サーバが管理対象とする特定の機能を有する広告をチェックポイントとして使用し、チェックポイントとなる広告に携帯端末のユーザーが到達し、広告管理サーバにアクセスすることによりユーザーが特典を得られるようにすると、ユーザーはラリーのゲーム性がもたらす楽しさと特典の獲得意欲によりチェックポイントとなる広告を積極的に探すようになり、広告効果が増大すること、また、チェックポイントにおける広告管理サーバへのアクセスを集計することにより、携帯端末のユーザーに所定の広告を廻らせるというイベントの効果を確認できることを見出し、本発明を想到した。
【0010】
即ち、本発明は、携帯端末のユーザーが参加者となるイベントを管理する広告管理サーバと、イベントの対象となる広告として広告管理サーバに登録されており、イベントの対象となる旨の表示(以下、イベント対象表示という)と情報コードを有する広告(以下、イベント広告という)を備え、
イベント広告の情報コードが携帯端末に読み込まれ、携帯端末によって広告管理サーバがアクセスされることを契機として、該アクセスに対する特典を広告管理サーバが携帯端末に通知する広告システムであって、
イベント広告は所定の複数箇所に設置され、イベント広告が有する情報コードが、個々の設置場所に割り当てられた場所コード、個々のイベント広告に割り当てられた広告コード及び広告管理サーバのURL情報を含み、
広告管理サーバは、前記場所コードとそれに対応する設置場所の情報、前記広告コードとそれに対応する広告情報として広告主の情報、広告掲載日の情報、広告料の情報、イベントの開催期間、イベントの特典、特典の付与ルールを記憶する機能、
イベント広告の情報コードが携帯端末に読み込まれ、該携帯端末によって広告管理サーバがアクセスされた場合にそのアクセスの有効無効を判断する機能、
アクセスを有効と判断した場合に、そのアクセスを携帯端末ごとに場所コードと関連づけ、特典の付与対象として登録する機能、
特典の付与ルールに基づき、携帯端末ごとに特典の付与対象として登録されたアクセスに対して特典を決定する機能、
決定された特典の情報を該携帯端末に送信する機能、
携帯端末のユーザーによる特典の使用を広告管理サーバが通知された場合に、使用された特典に係るアクセスを特典の付与対象から除外する機能、及び
イベント開催期間の広告管理サーバへのアクセス回数をイベント広告の場所コードごとに集計し、集計結果を出力する機能、
を有する広告システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、上述の広告システムを用いる広告方法であって、
広告管理サーバを運営する広告管理者が、
場所コードとそれに対応する設置場所の情報、広告コードとそれに対応する広告情報として広告主の情報、広告掲載日の情報、広告料の情報、イベントの開催期間、イベントの特典、特典の付与ルールを広告管理サーバに登録し、
イベントの開催の告知後に広告管理サーバから出力される、イベント広告の設置場所ごとの広告管理サーバへのアクセス数の集計結果を広告主に報告すると共に広告料を請求する広告方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の広告システムによれば、広告管理サーバとイベント広告を備え、イベント広告が有する情報コードが携帯端末に読み込まれ、広告管理サーバがアクセスされると、広告管理サーバはそのアクセスの有効無効を場所コードに基づいて判断し、有効の場合にそのアクセスを特典の付与対象として登録し、所定の特定の付与ルールにしたがって、携帯端末ごとにアクセスに対して特典を決定し、その特典の情報を携帯端末に送信する。
したがって、携帯端末のユーザーは、スタンプラリーを楽しむゲーム感覚で複数箇所に設置されているイベント広告を探し出すので、イベント広告は単に設置されている広告に比して大きな広告効果をもたらす。
【0013】
特に、イベント広告を広告主の店舗又は施設内に設置した場合には、イベントにより店舗又は施設内へ直接的に集客することができる。
【0014】
さらに、広告管理サーバはユーザーのアクセスの有効無効を場所コードに基づいて判断できるので、イベント広告の設置場所ごとの集計が可能となり、広告主はイベントの効果を容易に知ることができる。
【0015】
また、広告管理サーバを管理する広告管理者にとって、一旦イベント広告となる広告の設置場所と広告主の情報等を広告管理サーバに登録した後は、登録した広告の中から、新たなイベントのテーマごとに適宜広告を選択してイベントを企画し、広告主に提案し、イベントを行うことで効率的な広告活動を展開することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例の広告システムの概略構成図である。
図2図2は、本システムを使用した広告方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
本システムは、例えば、ラリー参加者がチェックポイントを廻遊してスタンプを得、所定数のスタンプを得ることにより特典を得るスタンプラリーのように、携帯端末のユーザーが所定の複数箇所に設置された広告を探し出して広告に到達し、広告管理サーバにアクセスすることによりそのアクセスが記録され、アクセスに基づいて特典を得られるようにするイベントの実施に使用される。
【0018】
図1は、本発明の一実施例の広告システムの概略構成図である。
この広告システムは、広告業等を営む広告管理者が管理する広告管理サーバ1と、イベント広告2を備えている。
【0019】
<<イベント広告>>
イベント広告2は、イベントの対象となる広告として広告管理サーバ1に登録されており、イベントの対象となる旨の表示3と情報コード4を有している。イベント広告2に掲載される個々の広告内容5は、当該イベント広告2の広告主が適宜定める。
【0020】
イベントの対象となる旨の表示3としては、イベント広告2とそれ以外の広告とを見た目で区別できるようにする任意の文字列、マーク等とすることができる。この表示3は広告管理者が適宜定める。また、この表示3がどのような文字、マーク等で構成されるかは、イベントの開催を広く一般に知らせるイベント開催の告知で明らかにされる。
【0021】
情報コード4には、イベント広告2の個々の設置場所に割り当てられた場所コード、個々のイベント広告に割り当てられた広告コード及び広告管理サーバのURL情報が含まれる。情報コード4は広告管理者が発行する。
【0022】
情報コード4は、二次元コード、RFタグ等としてイベント広告2に設けられ、携帯端末10に読み込まれることにより、携帯端末10が広告管理サーバ1にアクセスすることを可能とする。
【0023】
二次元コードの具体的態様としては、イベント広告2が、看板、貼り紙、描画等でなされる場合に、その広告表示内に二次元コードを表示させてもよく、広告表示とは別に、二次元コードを表示した印刷物を広告表示に付帯させてもよい。イベント広告2がデジタルビジョンで映像によって表示される場合、当該広告映像の表示時間中に映像の一部に二次元コードが表示されるようにしてもよく、この広告映像中の二次元コードが広告の映像の表示時間に常に表示されるようにしてもよい。
【0024】
<<広告管理サーバ>>
広告管理サーバ1は一つ又は複数のコンピュータで構成され、記憶機能、通信機能、判断機能及び集計機能等を備える。
<広告管理サーバの記憶機能>
広告管理サーバ1の記憶部には、(a)前記場所コードとそれに対応する設置場所の情報、(b)前記広告コードとそれに対応する広告情報を記憶し、また、(c)イベント関連の情報としてイベントの開催期間、イベントの特典、特典の付与ルール等が記憶され、必要に応じて(d)その他の情報が記憶される。
これらは、広告管理者によって広告管理サーバに登録される。
【0025】
このうち、(a)設置場所の情報には、イベント広告を掲載する建造物壁面、自動販売機壁面、電柱、デジタルビジョン等の固定的な設置場所の住所等が含まれる。
イベント広告の設置場所は、電車、バス、タクシー等のように移動するものであっても設置先が特定できればよい。その場合、設置場所の情報には、路線名、運行域、運行時間、運行機関の運営会社等が含まれる。
【0026】
また、イベント広告の設置場所は、web上のサイトでも、一般人が閲覧可能であればよく、設置場所の情報にはそのサイトのURL、閲覧可能な時間等の情報を含めることができる。
【0027】
設置場所の情報には、広告主と広告設置場所提供者が異なる場合に、当該広告設置場所において広告の設置が可能な業種の種別、広告設置場所提供者の情報(ID)、広告設置場所の使用料等の情報も含めることができる。
【0028】
なお、本発明の広告システムにおいて、イベント広告2の設置場所を広告主の店舗又は施設内とすると、その店舗や施設はイベントによる集客の効果を直接的に享受できるので好ましい。
【0029】
(b)広告情報には、(b-1)広告主の情報、(b-2)広告掲載日の情報、及び(b-3)広告料の情報等が含まれる。広告情報には、(b-4)広告の種類や広告における表示内容も含めることが好ましい。
【0030】
ここで、(b-1)広告主の情報には、広告主の住所、氏名、広告主のID、広告主のURL、広告主の業種等を含めることができる。
【0031】
(b-2)広告掲載日の情報には、掲載開始日、掲載終了日、広告掲載期間等を含めることができる。なお、広告掲載日は、イベントの開催期間とは別個に定めることができる。
【0032】
(b-3)広告料の情報には、広告主に課金する広告掲載基本料、広告に付帯させた情報コードにより携帯端末から広告管理サーバがアクセスされた場合に、そのアクセス数に応じて課金するときの単価を含めることができる。
また、後述するように広告管理サーバ1が携帯端末10を広告主のホームページに遷移させ、携帯端末10に広告主の広告画面が表示されるようにした場合に、ホームページへの遷移回数に応じた課金単価を含めてもよい。
さらに、広告主のホームページにおいて、携帯端末10のユーザーが広告主の商品又はサービスの申し込みを完了した場合に課金されるようにしてもよく、その場合の商品又はサービスの申し込み数に応じた課金単価等を含めてもよい。
【0033】
(b-4)広告の種類としては、看板、貼り紙、描画、デジタルビジョン、web等の広告方法の種別や、不動産広告、求人広告、商品広告、サービス広告、音楽や演劇の公演広告、ブランディング等の広告内容の種別等を含めることができる。
また、広告の表示内容としては、広告の外観の縮小図等を含めることができる。
【0034】
不動産広告、求人広告、劇場広告、観光名所案内等の地域性のある広告内容を地域性のある広告媒体で当該地域の人々又は当該地域を観光等で訪れた人々に案内する点から、広告の種類としては、建造物、自動販売機、電柱等への看板の設置、張り紙の貼付、所定の場所に設置されたデジタルビジョンにおける映像表示等が好ましい。
【0035】
(c)イベント関連の情報
イベント関連の情報のうちイベントの開催期間に関する情報としては、イベント開催開始日、イベント終了日、イベント開催期間などを挙げることができる。
イベント開催期間は、毎月又は季節ごとに所定日数設けるようにしてもよい。
【0036】
イベントの特典に関する情報としては、例えば、所定期間内のアクセス数をランク分けした場合に、ランクに応じた特典を定めることができる。また、アクセス数と関わりなく、1回でもアクセスした場合に携帯端末ユーザーが得ることのできる特典を定めても良い。
より具体的には、商品やサービスのギフト、割引クーポン、特典を得られる特定場所等を挙げることができる。なお、広告管理者は、特典の提供を広告主に求めてもよく、広告管理者が広告主に請求する広告料の一部を特典の提供のために充当してもよい。
【0037】
特典の付与ルールは広告管理者が適宜定めることができる。例えば、所定期間内のアクセス数をランク分けし、そのランクに応じて特典を付与することができる。
同一アクセス数でも曜日や日にちによって、ランクを変えても良い。
【0038】
全ての設置場所のイベント広告2に基づいてアクセスした場合に、特に高いランクを得られるようにしてもよい。アクセスされた設置場所の組み合わせによって特典を変えたり、特典のランクを変えたりしてもよい。例えば、アクセス場所が広範囲にわたった場合に、高い特典を得られるようにする。
【0039】
なお、特典の付与ルールに関し、イベント広告を廻る順序を規定してもよいが、本システムは携帯端末のユーザーをイベント広告に到達させることを主要な効果とする点から、イベント広告を廻る順序は規定しない方が好ましい。
【0040】
(d)その他
広告管理サーバ1に記憶させるその他の情報としては、携帯端末10から広告管理サーバ1にアクセスがあっても、それを無効とする場合の条件を登録することができる。例えば、一つのイベント開催期間中における同一設置場所のイベント広告2の情報コード4の2度目以降の読み込みに基づくアクセスを無効とすることができる。
【0041】
<広告管理サーバの通信機能>
携帯端末10が情報コード4を2次元コード、又はRFタグに書き込まれた情報として有する場合に、広告管理サーバ1はその情報に基づいてインターネットと接続し、イベントの開催告知をネット上に公表したり、携帯端末10のユーザーに特典に関する情報等を提供したり、広告主にアクセス数の集計結果を送信したりする場合に使用する通信機能を有する。
この他、携帯端末10が情報コード4をRFタグに書き込まれた情報として有する場合には、広告管理サーバ1はRFタグと非接触通信するリーダ/ライタの機能を有する。
【0042】
<広告管理サーバ判断機能など>
広告管理サーバ1は、携帯端末10が広告管理サーバ1にアクセスすることにより、情報コード4が有する場所コードと広告コードを携帯端末10から読み取り、広告コードから当該イベント広告2の広告情報として登録されている種々の情報を参照する機能を有する。広告管理サーバ1は、携帯端末10が記憶している情報を利用できるようにしてもよい。
そして広告管理サーバ1は、場所コード、広告コード及び参照した情報に基づいて、
(i)該携帯端末10による広告管理サーバ1へのアクセスの有効無効を後述する判断機能、特に、一つのイベント開催期間に同一の携帯端末から同一のイベント広告に基づくアクセスが繰り返し行われた場合の2度目以降のアクセスの有効無効を所定のルールに基づいて判断する機能、
(ii)アクセスが有効であると判断した場合に、そのアクセスを携帯端末ごとに場所コードに関連づけて特典の付与対象として記憶する機能、
(iii)記憶されている特典の付与ルールに基づき、携帯端末10ごとに特典の付与対象として記憶されているアクセスに対して特典を決定する機能、
(iv)広告管理サーバ1が携帯端末10のユーザーに、当該携帯端末10からのアクセスに基づく特典情報を送信し、携帯端末10のユーザーがその特典情報に基づいて実際に特典を取得し、特典を取得したことが特典の取得先から広告管理サーバ1に通知された場合に、特典に係るアクセスを以降の特典の付与対象から除外する機能、
(v)イベント開催期間の広告管理サーバ1へのアクセス回数をイベント広告2の設置場所ごとに集計し、集計結果を出力する機能、
を有する。
【0043】
図2は、広告管理システムを使用した広告方法の流れ図である。以下、図2に付した符号にしたがってこの流れを説明する。
(1)この広告管理システムの使用に際しては、まず、広告管理者がイベントの開催を企画する。この企画で、イベントのテーマ、イベントの開催地域、イベントの開催時期、イベントにより携帯端末10のユーザーにもたらされる特典、特典付与のルールなどが決定される。
【0044】
(2)次に、広告管理者はイベント広告として広告を出す広告主を募集する。イベントには、当該イベントのテーマに広告内容が適合する複数の広告主A~Eが同時に参加することができる。イベントのテーマとしては、食べ物、ファッション、不動産、演劇等を挙げることができる。広告主の募集には特に制限はなく、インターネットを通じて行ってもよい。
【0045】
また、所定の場所に設置された広告として情報コードが広告管理サーバ1に登録されており、イベントと無関係に広告管理サーバ1で管理されている登録広告が存在する場合に、その登録広告をイベント広告とするように広告管理者が広告主に働きかけても良い。登録広告に対してイベントを組むことにより、登録広告の集客力を高めることができる。
【0046】
(3)広告管理者は、イベント広告2を所定の複数箇所に設置し、また、広告管理サーバ1に記憶させる前述の事項を広告管理サーバ1に登録する。イベント広告の設置場所に特に制限はないが、広告主の店舗又は施設内とすると、イベント広告により直接的に店舗や施設に集客できるので好ましい。
【0047】
(4)広告管理者は、イベントの開催告知を行う。
イベントの開催告知では、例えば図1に示したように、特定のイベント対象表示3を有するイベント広告2がイベント開催地域で複数箇所に設置されており、そのイベント広告2をイベント開催期間内に携帯端末10のユーザーが探し出し、イベント広告2が有する情報コード4を携帯端末10に読み込み、その読み込みにより案内される画面に従って携帯端末10がアクセスすると、そのアクセス数に基づいて特典が得られる旨を広く一般に公表する。
【0048】
イベントの開催告知では、イベント広告の設置場所を記載した開催地域のマップやイベン広告を探し出すためのヒントを添付してもよい。
【0049】
イベントの開催告知は、図1に示したように、街頭ビジョン11、自動販売機の側面等を利用した壁面広告12、インターネット13上の広告管理者のホームページ等で行うことができる。イベントの開催告知では、所定の場所に設置されているイベント広告2の探し方のヒントなどを掲載してもよい。
【0050】
イベントの開催告知により、携帯端末10のユーザーは、スタンプラリーのようなゲームの楽しさと、特典の獲得意欲により動機付けされ、積極的にイベントに参加し、イベント広告2を探し出す。
【0051】
(5)携帯端末10のイベント広告2への到達
携帯端末10のユーザーは、イベントの開催告知で知ったイベント対象表示3を目印とし、イベントの開催告知で入手したマップを手がかりにしてイベント広告2を探し、イベント広告2に到達する。
【0052】
(6)携帯端末10による情報コード4の読み込み
イベント広告2が情報コード4を二次元コードとして有する場合、イベント広告2に到達したユーザーが携帯端末10で二次元コードの読み取り操作を行うことにより、また、イベント広告2が情報コード4をRFタグとして有し、携帯端末がリーダ/ライタ機能を有する場合、携帯端末10が情報コード4にかざされることにより、情報コード4が携帯端末10に読み込まれる。
【0053】
(7)広告管理サーバ1に対するアクセス
情報コード4には広告管理サーバのURL情報が含まれるので、携帯端末10に情報コード4が読み込まれると、携帯端末10の画面には広告管理サーバ1へのアクセスの可否が問われ、携帯端末のユーザーがアクセスを許可すると広告管理サーバ1が携帯端末10によってアクセスされる。携帯端末10の設定によっては、ユーザーによるアクセスの許可の操作がない場合でも、携帯端末10に情報コード4が読み込まれることにより広告管理サーバ1がアクセスされる。あるいは、情報コード4が携帯端末10に読み込まれた場合に、自動的に携帯端末10が広告管理サーバ1をアクセスするアプリケーションが事前に携帯端末10にインストールされていると、携帯端末10に情報コード4が読み込まれることにより直ちに広告管理サーバ1が携帯端末10によってアクセスされる。
【0054】
(8)アクセスの有効無効の判断
広告管理サーバ1は携帯端末10にアクセスされると、情報コード4に含まれる場所コードと広告コードを携帯端末10から取得し、アクセスの有効無効を判断する。
この場合、まず、場所コードに基づくか判断をする。即ち、場所コードが広告管理サーバ1で管理対象から外れている場合にはアクセスを無効とし、管理対象に含まれている場合には広告コードに基づく判断を行う。そして、広告コードが管理対象から外れている場合にはアクセスを無効とし、広告コードが管理対象に含まれている場合には、広告コードからイベントの開催期間を参照し、アクセスが開催期間の範囲外であった場合には、アクセスを無効とし、開催期間内であった場合にはアクセスを有効とし、アクセスの日時とアクセスの場所コードと広告コードを広告管理サーバに記憶する。
【0055】
なお、アクセスの無効が、イベントの開催期間の範囲外であるなどの時間的な理由によるものである場合、広告管理サーバ1は携帯端末10に再度のアクセスを促す表示を送信することができる。
【0056】
また、イベント開催期間に基づく判断によりアクセスが有効とされる場合でも、当該アクセスが同一のイベント広告の情報コードの2度目以降の読み込みに基づくアクセスであるか否かを判断し、2度目以降のアクセスを無効とすることができる。これにより、複数箇所に設置されているイベント広告のできるだけ多くに携帯端末のユーザーを向けさせることができる。一方、イベント広告が、同一の携帯端末ユーザーが当該イベント広告の設置場所に繰り返し訪れることを誘う内容である場合、またイベント広告に複数のクイズやアンケートが掲載されており、携帯端末のユーザーがそれに一つずつ回答していく場合など、イベント広告の内容等に応じて広告管理サーバ1が複数回アクセスされることが予定される場合には、2度目以降のアクセスを有効とすることができる。
【0057】
同一のイベント広告の情報コードの2度目以降の読み込みに基づくアクセスに関し、アクセスの日にちが異なる場合には有効としてもよい。イベント広告の設置場所が広告主の店舗内又は施設内の場合には、日にちを変えて携帯端末のユーザーが繰り返し訪れること自体、イベントの成果となるので、アクセスを有効とし、ユーザーが特典を得られるようにすることが好ましいからである。
【0058】
また、同一のイベント広告の情報コードの2度目以降の読み込みに基づくアクセスに対し、アクセス自体は有効とするが、異なるイベント広告の情報コードの読み込みに基づくアクセスに対し、携帯端末のユーザーが享受できる特典の量又は質を落としても良い。
【0059】
(9)有効なアクセスの登録
有効無効の判断で有効とされたアクセスは、携帯端末ごとに場所コードと関連づけられて特典の付与対象として広告管理サーバに登録される。
【0060】
(10)広告主のホームページへの遷移
広告管理サーバ1への携帯端末10のアクセスが有効であった場合に、広告管理サーバ1は、携帯端末10の画面を広告主のホームページに遷移させてもよい。これにより、広告主は、イベント広告2を契機としてさらに自己の商品やサービスを携帯端末10のユーザーに紹介することができる。また、遷移した広告主のホームページ上でユーザーからの注文に応じることも可能となる。
【0061】
(11)特典の決定
広告管理サーバ1は、有効なアクセスとして登録されたアクセスに対し、該広告管理サーバに記憶されている特典付与のルールに基づいて特典を決定する。
【0062】
(12)特典情報の携帯端末への送信
決定された特典の情報は、広告管理サーバ1から携帯端末10に送信される。
【0063】
(13)特典の使用
特典の情報を得た携帯端末10のユーザーは特典を使用する。特典の具体的な使用方法としては、例えば、特典がイベントに参加した広告主の店舗で販売されている商品又はサービスの割引であるとき、広告管理サーバ1から送信された特典の情報を、イベントに参加している広告主の店舗で提示し、割引価格で商品又はサービスを購入する。
【0064】
(14)特典の使用状況の送信
特典を使用された店舗は、特典の使用に係る携帯端末の情報と特典の使用状況を広告管理サーバに送信する。
【0065】
(15)使用された特典に係るアクセスの特典付与対象からの除外
広告管理サーバ1は、使用された特典に係るアクセスを、以降の特典の付与対象から除外する。この除外の方法としては、例えば、特典の付与対象として登録されているアクセスから削除する。
【0066】
(16)携帯端末への現状の通知
広告管理サーバ1は、携帯端末10からの要求により、現時点でアクセスの達成により特典の付与対象となっているイベント広告と、今後のアクセスにより特典の付与対象となり得るイベント広告と、取得済みの特典に係るイベント広告を該携帯端末に通知することが好ましい。この通知は、例えば、イベントの開催予告で添付したマップ内に、当該ユーザーのアクセスの達成状況などを記入したものとすることができる。
これにより、携帯端末10のユーザーは、イベントにおける成果を随時確認し、イベントにより積極的に参加するようになる。
【0067】
(17)アクセスの集計
広告管理サーバ1は、イベント開催期間中の広告管理サーバ1へのアクセスの回数をイベント広告2の場所コードごとに集計し、集計結果を出力することが好ましい。広告管理者は、この出力結果を広告主に報告し、広告料を請求することができるので、広告主は納得して広告料を支払うことができる。
【0068】
(18)集計結果の送信
アクセスの集計結果は、広告主の要求により、随時広告主に送信できるようにすることが好ましい。これにより、広告主は、イベント広告2やその周囲の状況を変更し、広告の成果の改善を図ることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 広告管理サーバ
2 イベント広告
3 イベントの対象となる旨の表示
4 情報コード
5 広告内容
10 携帯端末
11 街頭ビジョン
12 壁面広告
13 インターネット
図1
図2