(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141966
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20230928BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048579
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】井口 直
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR05
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より小さい面積を有する記憶装置を提供する。
【解決手段】記憶装置において、メモリ領域MAにメモリピラーMPが形成される。メモリピラーMPの積層体52は、フォトリソグラフィー及び異方性エッチングにより、メモリホールが形成される。メモリホールは、メモリピラーが形成される予定の領域に位置し、絶縁体71、SM2、35、SM、34、33、導電体65~62を貫く。メモリホールの底は、導電体61中に位置する。メモリホールの表面上に積層体が形成される。積層体の表面上に半導体51が形成される。半導体の表面上にコア50が形成されることで、メモリホールの中心がコア50により埋め込まれ、その後、コアの上部が除去され、そこに半導体が形成され、さらに、メモリピラーの上面上に絶縁体71が形成される。引き出し領域に形成される支持ピラーHRは、前記各絶縁体を貫き、絶縁体71の上面から絶縁体33の上面に亘って延びる。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離れて第1軸に沿って並ぶ複数の第1導電体と、
前記第1軸に沿って延び、前記複数の第1導電体と対向し、半導体及び前記半導体を囲む膜を含んだメモリピラーと、
前記第1軸に沿って延びる複数のコンタクトプラグと、
を備え、
前記複数のコンタクトプラグの各々は第2導電体と、前記第2導電体を囲む第1絶縁体とを含み、
前記第1絶縁体は、前記複数の第1導電体と前記第2導電体との間に位置し、
前記複数のコンタクトプラグの各々は下面において前記複数の第1導電体のうちの重複しない1つの上面と接しており、
前記複数のコンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ、第2コンタクトプラグ及び第3コンタクトプラグを含み、
前記第1コンタクトプラグと前記第2コンタクトプラグとは前記第1軸と交わる第2軸に沿って隣り合って配置され、
前記第3コンタクトプラグは、前記第2軸において、前記第1コンタクトプラグと前記第2コンタクトプラグの間に位置し、前記第1軸及び前記第2軸と直交する第3軸において異なる位置に配置されている
記憶装置。
【請求項2】
前記複数のコンタクトプラグは、第4コンタクトプラグをさらに含み、
前記第3コンタクトプラグと前記第4コンタクトプラグとは前記第2軸に沿って隣り合って配置され、
前記第2コンタクトプラグは、前記第2軸において、前記第3コンタクトプラグと前記第4コンタクトプラグの間に位置する、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項3】
前記複数のコンタクトプラグの各々は、前記第2軸及び前記第3軸からなる第1面に沿って六角形状を有する、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項4】
前記複数のコンタクトプラグの各々は、前記第2軸及び前記第3軸からなる第1面に沿って円形状を有する、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項5】
前記第1軸に沿って延び、前記複数の第1導電体を貫く複数の絶縁体をさらに備え、
前記複数の絶縁体は、前記複数のコンタクトプラグの各々の形状の中心から逸れた領域に位置する、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項6】
前記メモリピラーの前記膜は、
前記半導体と前記第1導電体の間に設けられた第2絶縁体と、
前記第2絶縁体と前記第1導電体との間に設けられた電荷蓄積膜と、
前記電荷蓄積膜と前記第1導電体との間に設けられた第3絶縁体と、
を備える、
請求項1に記載の記憶装置。
【請求項7】
前記第1軸に沿って延び、上端が前記複数の第1導電体のうち最上層に設けられた導電体より上方に位置し、下端が前記複数の第1導電体のうち最下層に設けられた導電体に接している第4絶縁体と、
前記第1軸に沿って延び、上端が前記複数のコンタクトプラグの各々の下面と接し、下端が前記複数の第1導電体のうち最下層に設けられた前記導電体に接している複数の第5絶縁体と、
をさらに備え、
前記複数の第5絶縁体は、前記複数のコンタクトプラグの各々の形状の中心から逸れた領域に位置する、
請求項1に記載の記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、概して記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリセルが3次元に配置された記憶装置が知られている。記憶装置は、より小さい面積を有することを求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
より小さい面積を有する記憶装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態による記憶装置は、複数の第1導電体と、メモリピラーと、複数のコンタクトプラグと、を備える。上記複数の第1導電体は、互いに離れて第1軸に沿って並ぶ。上記メモリピラーは、上記第1軸に沿って延び、上記複数の第1導電体と対向し、半導体及び上記半導体を囲む膜を含む。上記複数のコンタクトプラグは、上記第1軸に沿って延びる。上記複数のコンタクトプラグの各々は第2導電体と、上記第2導電体を囲む第1絶縁体とを含む。上記第1絶縁体は、上記複数の第1導電体と上記第2導電体との間に位置する。上記複数のコンタクトプラグの各々は下面において上記複数の第1導電体のうちの重複しない1つの上面と接している。上記複数のコンタクトプラグは、第1コンタクトプラグ、第2コンタクトプラグ及び第3コンタクトプラグを含む。上記第1コンタクトプラグと上記第2コンタクトプラグとは上記第1軸と交わる第2軸に沿って隣り合って配置されている。上記第3コンタクトプラグは、上記第2軸において、上記第1コンタクトプラグと上記第2コンタクトプラグの間に位置し、上記第1軸及び上記第2軸と直交する第3軸において異なる位置に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の記憶装置の構成要素及び構成要素の接続の例を示す図。
【
図2】第1実施形態の記憶装置の1つのブロックの構成要素及び構成要素の接続を示す図。
【
図3】第1実施形態の記憶装置のメモリセルアレイの一部の平面レイアウトの例を示す図。
【
図4】第1実施形態の記憶装置のメモリ領域の一部の平面レイアウトの例を示す図。
【
図5】第1実施形態の記憶装置のメモリ領域の一部の断面の構造を示す図。
【
図6】第1実施形態の記憶装置のメモリピラーの断面の構造の例を示す図。
【
図7】第1実施形態の記憶装置の引出し領域の一部の平面レイアウトの例を示す図。
【
図8】第1実施形態の記憶装置のメモリ領域及び引出し領域の一部の断面の構造を示す図。
【
図9】第1実施形態の記憶装置のメモリ領域及び引出し領域の一部の断面の構造を示す図。
【
図10】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図11】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図12】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図13】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図14】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図15】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図16】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図17】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図18】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図19】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図20】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図21】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図22】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図23】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図24】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図25】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図26】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図27】第1実施形態の記憶装置の製造工程中の一ステップの間の断面の構造の例を示す図。
【
図28】参考用の記憶装置の引出し領域の一部の平面レイアウトの例を示す図。
【
図29】第2実施形態の記憶装置の引出し領域の一部の平面レイアウトの例を示す図。
【
図30】第2実施形態の記憶装置の引出し領域の一部の平面レイアウトの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の記述において、或る記述済みの実施形態に後続する実施形態では、記述済みの実施形態と異なる点が主に記述される。或る実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。よって、或る実施形態についての記述は、先行する実施形態についての記述と同じ内容を、必要な場合を除いて、原則、含まない。或る実施形態中又は相違する実施形態に亘って略同一の機能及び構成を有する複数の構成要素は、互いに区別されるために、参照符号の末尾にさらなる数字又は文字が付加される場合がある。
【0008】
図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なり得る。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。平面図において、図の視認性の向上のためにハッチングが付加されている場合がある。平面図に付加されたハッチングは、ハッチングが付加された構成要素の素材及び(又は)特性とは必ずしも関連していない。
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、或る第1要素が別の第2要素に「接続されている」とは、第1要素が直接的又は常時或いは一時的に導電性となる要素を介して第2要素に接続されていることを含む。
【0010】
以下、xyz直交座標系が用いられて、実施形態が記述される。図の縦軸のプラス方向は上側、マイナス方向は下側と称される場合がある。図の横軸のプラス方向は右側、マイナス方向は左側と称される場合がある。
【0011】
1.第1実施形態
1.1.構成(構造)
1.1.1.記憶装置
図1は、第1実施形態の記憶装置の構成要素及び構成要素の接続の例を示す。記憶装置1は、メモリセルを使用してデータを記憶する装置である。記憶装置1は、外部のメモリコントローラによって制御される。記憶装置1は、例えばメモリコントローラから受け取られたコマンドCMD及びアドレス情報ADDに基づいて動作する。記憶装置1は、書き込まれるデータDATを受け取り、記憶装置1に記憶されているデータを出力する。記憶装置1は、例えば、1つの半導体チップとして構成される。
【0012】
記憶装置1は、メモリセルアレイ10、ロウデコーダ11、レジスタ12、シーケンサ13、ドライバ14、及びセンスアンプ15等の構成要素を含む。
【0013】
メモリセルアレイ10は、メモリセルトランジスタの組及びメモセルトランジスタと接続される構成要素の集合である。メモリセルアレイ10は、複数のメモリブロック(ブロック)BLK(BLK_0、BLK_1、…)を含む。各ブロックBLKは、複数のメモリセルトランジスタMT(図示せず)を含む。メモリセルアレイ10は、ワード線WL(図示せず)及びビット線BL(図示せず)等の配線、メモリセルトランジスタMTに接続される配線も含む。
【0014】
ロウデコーダ11は、ブロックBLKを選択するための回路である。ロウデコーダ11は、レジスタ12から受け取られたブロックアドレスに基づいて選択された1つのブロックBLKにドライバ14から供給される電圧を転送する。
【0015】
レジスタ12は、記憶装置1によって受け取られたコマンドCMD及びアドレス情報ADDを保持する回路である。コマンドCMDは、シーケンサ13にデータリード、データ書込み、及びデータ消去を含む種々の動作を指示する。アドレス情報ADDは、メモリセルアレイ10中のアクセスの対象を指定する。
【0016】
シーケンサ13は、記憶装置1全体の動作を制御する回路である。シーケンサ13は、レジスタ12から受け取られたコマンドCMDに基づいて、ロウデコーダ11、ドライバ14、及びセンスアンプ15を制御して、データリード、データ書込み、データ消去を含む種々の動作を実行する。
【0017】
ドライバ14は、複数の相違する大きさの電圧を生成し、記憶装置1の動作に必要な種々の電圧を幾つかの構成要素に印加する回路である。生成される複数の電圧のうちの、シーケンサ13による制御及びアドレス情報ADDに基づいて選択されたものをロウデコーダ11に供給する。
【0018】
センスアンプ15は、メモリセルアレイ10に記憶されているデータに基づく信号を出力する回路である。センスアンプ15は、メモリセルトランジスタMTの状態をセンスし、センスされた状態に基づいてリードデータを生成し、又は、書込みデータをメモリセルトランジスタMTに転送する。
【0019】
1.1.2.メモリセルアレイの回路構成
図2は、第1実施形態の記憶装置の1つのブロックBLKの構成要素及び構成要素の接続を示す。複数のブロックBLK、例えば全てのブロックBLKは、
図2に示される構成要素及び接続を含む。
【0020】
1つのブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。
図2は、4つのストリングユニットSU_0~SU_3の例を示す。
【0021】
m本のビット線BL_0~BL_m-1の各々は、各ブロックBLKにおいて、ストリングユニットSU_0~SU_3の各々からの1つのNANDストリングNSと接続されている。mは正の整数である。
【0022】
各NANDストリングNSは、1つの選択ゲートトランジスタST、複数のメモリセルトランジスタMT、及び1つの選択ゲートトランジスタDT(DT0、DT1、DT2、又はDT3)を含む。
図2は、8つのメモリセルトランジスタMT0~MT7の例に基づく。メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート電極、及び周囲から絶縁された電荷蓄積膜を含み、電荷蓄積膜中の電荷の量に基づいてデータを不揮発に記憶する素子である。選択ゲートトランジスタST、メモリセルトランジスタMT、及び選択ゲートトランジスタDTは、この順で、ソース線SLと1つのビット線BLとの間に直列に接続されている。
【0023】
相違する複数のビット線BLとそれぞれ接続された複数のNANDストリングNSは1つのストリングユニットSUを構成する。各ストリングユニットSUにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲート電極は、ワード線WL0~WL7とそれぞれ接続されている。1つのストリングユニットSU中でワード線WLを共有するメモリセルトランジスタMTの組は、セルユニットCUと称される。
【0024】
選択ゲートトランジスタDT0~DT3はストリングユニットSU_0~SU_3にそれぞれ属する。
図2において、選択ゲートトランジスタDT2、DT3は図示されていない。ストリングユニットSU_0の複数のNANDストリングNSの各々の選択ゲートトランジスタDT0のゲートは選択ゲート線SGDL0に接続されている。同様に、ストリングユニットSU_1、SU_2、及びSU_3のそれぞれの複数のNANDストリングNSの各々の選択ゲートトランジスタDT1、DT2、及びDT3のゲートは選択ゲート線SGDL1、SGDL2、及びSGDL3に接続されている。
【0025】
選択ゲートトランジスタSTのゲートは選択ゲート線SGSLに接続されている。
【0026】
1.1.3.メモリセルアレイの平面レイアウト
図3は、第1実施形態の記憶装置のメモリセルアレイの一部の平面レイアウトの例を示す。
図3は、4つのブロックBLK_0~BLK_3が形成されている領域を、xy面に沿って示す。
図3に示される構造が、y軸に沿って、繰り返し設けられている。
【0027】
図3に示されように、メモリセルアレイ10は、メモリ領域MA、並びに引出し領域HA1及びHA2を含む。引出し領域HA1、メモリ領域MA、及び引出し領域HA2は、この順で、x軸に沿って並ぶ。メモリセルアレイ10には、複数の部材SLT及びSHEが設けられている。
【0028】
メモリ領域MAは、複数のNANDストリングNSを含む領域である。引出し領域HAは、その中にメモリセルトランジスタが形成される積層構造に接続されるコンタクトプラグが設けられる領域である。
【0029】
複数の部材SLTは、x軸に沿って延び、y軸に沿って並ぶ。各部材SLTは、隣り合うブロックBLKの間の境界に位置する。部材SLTは、メモリ領域MA並びに引出し領域HA1及びHA2を横切る。各部材SLTは、例えば、絶縁体及び(又は)板状のコンタクトが埋め込まれた構造を有する。各部材SLTは、自身を介して隣り合う積層構造を分断する。
【0030】
複数の部材SHEは、x軸に沿って延び、y軸に沿って並ぶ。隣り合う各2つの部材SLTの間に複数の部材SHEが位置している。
図4は、4つの部材SHEの例を示す。各部材SHEは、x軸に沿ってメモリ領域MAを横切る。各部材SHEの両端はそれぞれ、引出し領域HA1及びHA2中に位置する。各部材SHEは、例えば、絶縁体を含む。各部材SHEは、自身を介して隣り合う選択ゲート線SGDLを分断する。部材SLT及びSHEによって区切られた各領域は、1つのストリングユニットSUが形成される領域である。
【0031】
1.1.4.メモリ領域の平面レイアウト
図4は、第1実施形態の記憶装置のメモリ領域の一部の平面レイアウトの例を示す。
図4は、1つのブロックBLK、すなわち、ストリングユニットSU0~SU4を含む領域と、このブロックを挟む2つの部材SLTとを示す。
図4に示されるように、メモリセルアレイ10は、メモリ領域MAにおいて、複数のメモリピラーMP、複数のコンタクトプラグCV、及び複数の導電体25を含む。各部材SLTは、コンタクトLI及びスペーサSPを含む。
【0032】
メモリピラーMPは、その内部にメモリセルトランジスタMTが形成される構造である。メモリピラーMPは、半導体、導電体、及び絶縁体の1つ以上を含む。メモリピラーMPは、1つのNANDストリングNSとして機能する。複数のメモリピラーMPは、2つの部材SLTの間の領域において、千鳥配列に分布している。すなわち、複数のメモリピラーMPは、複数の、y軸に沿う列状に配置され、メモリピラーMPの各列は、y軸に沿ってジグザグに配置している。換言すると、各列は、2つのサブ列を含む。一方のサブ列のメモリピラーMPの各々のy軸上の座標は、もう1つのサブ列のメモリピラーMPの隣り合う2つの間のy軸上の座標に位置する。各列は、例えば、24個のメモリピラーMPを含む。
【0033】
部材SHEは、例えば、
図4の上側から数えて、5番目、10番目、15番目、20番目のメモリピラーMPと、それぞれ重なっている。
【0034】
各導電体25は、1つのビット線BLとして機能する。導電体25は、y軸に沿って延び、x軸に沿って並ぶ。各導電体25は、ストリングユニットSU毎に、少なくとも1つのメモリピラーMPと重なるように配置される。
図4は、2つの導電体25が、1つのメモリピラーMPと重なるように配置される例を示す。各メモリピラーMPは、このメモリピラーMPと重なる複数の導電体25のうち1つの導電体25と、コンタクトプラグCVを介して電気的に接続される。
【0035】
コンタクトLIは、導電体からなる。コンタクトLIは、xz面に沿って広がり、板状の形状を有する。スペーサSPは、絶縁体であり、コンタクトLIの側面上に位置し、例えば、コンタクトLIの側面を覆う。
【0036】
1.1.5.メモリ領域の断面構造
図5は、第1実施形態の記憶装置のメモリ領域の一部の断面の構造を示す。具体的には、
図5は、
図4のV-V線に沿った断面を示す。
【0037】
図5に示されるように、メモリセルアレイ10は、基板20、導電体21及び22、複数の導電体23、導電体24及び25、並びに絶縁体30~37をさらに含む。
図5は、8つの導電体23の例を示す。絶縁体30~37は、絶縁体31を除き、例えば酸化シリコンを含む。
【0038】
基板20は、例えばp型の半導体の基板である。基板20の上面上に、絶縁体30が位置する。半導体基板20及び絶縁体30中には、図示せぬ回路が形成されている。回路は、例えば、ロウデコーダ11、ドライバ14、及び(又は)センスアンプ15であり、図示せぬトランジスタを含む。
【0039】
絶縁体31は、絶縁体30の上面上に位置する。絶縁体31は、例えば、絶縁体31の上方の構造から、基板20及び絶縁体30に含まれるトランジスタへの水素の侵入を抑制する。絶縁体31は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0040】
絶縁体32は、絶縁体31の上面上に位置する。
【0041】
導電体21は、絶縁体32の上面上に位置する。導電体21は、xy平面に沿って広がり、板状の形状を有する。導電体21は、ソース線SLの少なくとも一部として機能する。導電体21は、例えば、リンがドープされたシリコンを含む。
【0042】
絶縁体33は、導電体21の上面上に位置する。
【0043】
導電体22は、絶縁体33の上面上に位置する。導電体22は、xy平面に沿って広がり、板状の形状を有する。導電体22は、選択ゲート線SGSLの少なくとも一部としてとして機能する。導電体22は、例えばタングステンを含む。
【0044】
複数の絶縁体34及び複数の導電体23は、導電体22の上面上に、z軸に沿って1つずつ交互に位置する。よって、導電体23は、互いに離れて、又は間隔を有してz軸に沿って並ぶ。絶縁体34及び導電体23は、xy平面に沿って広がり、板状の形状を有する。複数の導電体23は、基板20の側から順に、それぞれワード線WL0~WL7として機能する。導電体23は、例えばタングステンを含む。
【0045】
絶縁体35は、最上の導電体23の上面上に位置する。
【0046】
導電体24は、絶縁体35の上面上に位置する。導電体24は、xy平面に沿って広がり、板状の形状を有する。導電体24は、選択ゲート線SGDLの少なくとも一部として機能する。導電体24は、例えばタングステンを含む。
【0047】
絶縁体36は、導電体24の上面上に位置する。
【0048】
導電体25は、絶縁体36の上面上に位置する。導電体25は、線状の形状を有し、y軸に沿って延びる。導電体25は、1つのビット線BLの少なくとも一部として機能する。
図5に示されるyz面とは異なるyz面においても導電体25が設けられており、よって、導電体25は、x軸に沿って、間隔を有して並ぶ。導電体25は、例えば銅を含む。
【0049】
絶縁体37は、導電体25の上面上に位置する。
【0050】
メモリピラーMPは、z軸に沿って延び、柱の形状を有する。メモリピラーMPは、絶縁体33~35及び導電体22~24からなる積層構造中に位置し、絶縁体33~35及び導電体22~24を貫通又は通過する。メモリピラーMPの上面は、導電体24よりも上方に位置する。メモリピラーMPの下面は、導電体21中に位置する。メモリピラーMPと導電体22とが接する部分は、選択ゲートトランジスタSTとして機能する。メモリピラーMPと1つの導電体23とが接する部分は、1つのメモリセルトランジスタMTとして機能する。メモリピラーMPと導電体24とが接する部分は、選択ゲートトランジスタDTとして機能する。
【0051】
メモリピラーMPは、例えば、コア50、半導体51、及び積層体52を含む。コア50は、絶縁体からなり、例えば、酸化シリコンを含む。コア50は、z軸に沿って延び、柱の形状を有する。半導体51は、例えば、シリコンを含む。半導体51は、コア50の表面を覆う。積層体52は、半導体51の側面及び下面を覆う。積層体52は、導電体21中で開口しており、開口中に導電体21が部分的に位置する。開口中で、導電体21と半導体51は接する。
【0052】
上記のように、1つのメモリピラーMPと1つの導電体25とは、コンタクトプラグCVによって接続されている。
【0053】
部材SLTは、導電体22~24を分断する。部材SLTの上面は、メモリピラーMPの上面よりも上方に位置する。コンタクトLIの下面は、導電体21と接する。スペーサSPは、コンタクトLIと導電体22~24との間に位置し、コンタクトLIと導電体22~24とを絶縁する。コンタクトLIは、ソース線SLの一部として機能する。
【0054】
部材SHEは、導電体24を分断する。部材SHEの下面は、絶縁体35中に位置する。部材SHEは、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0055】
図6は、第1実施形態の記憶装置のメモリピラーの断面の構造の例を示す。具体的には、
図6は、
図5のVI-VI線に沿った断面を示す。
図6に示されるように、積層体52は、例えばトンネル絶縁体53、電荷蓄積膜54、及びブロック絶縁体55を含む。
【0056】
トンネル絶縁体53は、半導体51の側面を囲む。電荷蓄積膜54は、トンネル絶縁体53の側面を囲む。ブロック絶縁体55は、電荷蓄積膜54の側面を囲む。導電体23は、ブロック絶縁体55の側面を囲む。
【0057】
半導体51は、メモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択ゲートトランジスタDT及びSTのチャネル(電流経路)として機能する。トンネル絶縁体53及びブロック絶縁体55の各々は、例えば、酸化シリコンを含む。電荷蓄積膜54は、電荷を蓄積する。電荷蓄積膜54は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0058】
1.1.6.引出し領域の構造
図7は、第1実施形態の記憶装置の引出し領域の一部の平面レイアウトの例を示す。
図7は、2つの部材SLTの間の領域の一部を、xy面に沿って示す。
図7は、導電体24が含まれる層をz軸上での上方から見られた場合のレイアウトを示す。
【0059】
図7に示されるように、引出し領域HA1は、複数の支持ピラーHR、及び複数のコンタクトプラグCCを含む。
【0060】
支持ピラーHRは、引出し領域HA1の全体に亘って分布している。支持ピラーHRは、例えば、酸化シリコン等の絶縁体からなる。支持ピラーHRは、柱の形状を有し、z軸に沿って延びる。支持ピラーHRは、後に
図8を参照して記述されるように、絶縁体36の層から導電体22の層に亘って延びる。幾つかの支持ピラーHRは、コンタクトプラグCCと、少なくとも部分的に重なっている。コンタクトプラグCCと重なっている支持ピラーHRのうちのコンタクトプラグCCと重なっている部分は、その上面において、コンタクトプラグCCと接しており、絶縁体36中に位置しない。支持ピラーHRは、1以上のコンタクトプラグCC、例えば、各コンタクトプラグCCの中心には位置せず、中心から逸れた領域に位置する。
【0061】
コンタクトプラグCCは、例えば四角形の形状を有する。コンタクトプラグCCは、x軸に沿う複数の行を構成する。
図7は、例として、3行のコンタクトプラグCCを示す。コンタクトプラグCCの行は、コンタクトプラグセットと称される場合がある。コンタクトプラグCCは、千鳥配列に分布しており、すなわち、隣り合う2行のコンタクトプラグCCの位置は、互いにずらされている。具体的には、以下の通りである。隣り合う2行にそれぞれ属する2つのコンタクトプラグCCは、x軸上で相違する座標上に位置する。例えば、2行のコンタクトプラグCCのうちの一方の行の各コンタクトプラグCCのx軸上の座標は、2行のコンタクトプラグCCのうちの他方の行の隣り合う2つのコンタクトプラグCCの間の領域のx軸上の座標と同じである。例えば、一方の行の各コンタクトプラグCCのx軸上の座標は、他方の行の隣り合う2つのコンタクトプラグCCの間の領域のx軸上の中央の座標と実質的に同じである。一方、別の1行を挟んだ2行のコンタクトプラグCCのx軸上の座標は、互いに、実質的に同じである。すなわち、別の1行を挟んだ2行のうちの一方の行の各コンタクトプラグCCのx軸上の座標は、他方の行の各コンタクトプラグCCのx軸上の座標と実質的に同じである。本明細書及び特許請求の範囲で「実質的に同じ」は、同じであることを意図されているものの、製造技術及び(又は)測定技術の限界に起因して生じる誤差を許容することを意味する。
【0062】
換言すると、2つの行は、x軸に沿って、ジグザグに配置されたコンタクトプラグCCを含む。
【0063】
行を使用して記述されているコンタクトプラグCCの配置は、列を使用する記述にも当てはまる。列に関する記述は、上の記述の「行」を「列」に、「x軸」を「y軸」に置き換えた記述に相当する。
【0064】
コンタクトプラグCCは、それぞれの下面において、相違する導電体23の上面と接する。具体的な例は、以下の通りである。
【0065】
最も下の行のコンタクトプラグCCは、左から右に向かって順にCC0、CC3、CC6と称される。コンタクトプラグCC0の下面は、ワード線WL0として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC3の下面は、ワード線WL3として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC6の下面は、ワード線WL6として機能する導電体23の上面と接する。
【0066】
下から2番目の行のコンタクトプラグCCは、左から右に向かって順にCC1、CC4、CC7と称される。コンタクトプラグCC1の下面は、ワード線WL1として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC4の下面は、ワード線WL4として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC7の下面は、ワード線WL7として機能する導電体23の上面と接する。
【0067】
最も上の行のコンタクトプラグCCは、左から右に向かって順にCC2、CC5、CC8と称される。コンタクトプラグCC2の下面は、ワード線WL2として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC5の下面は、ワード線WL5として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC8の下面は、ワード線WL8として機能する導電体23の上面と接する。
【0068】
図5を参照して記述されているように、相違するワード線WLとして機能する導電体23は、相違する高さ又は層中に位置する。よって、コンタクトプラグCCは、このコンタクトプラグCCが接する導電体23の位置に基づく位置の下面を有する。
【0069】
図7を参照して上記されているように、コンタクトプラグCCと少なくとも部分的に重なっている支持ピラーHRのうちのコンタクトプラグCCと重なっている部分の上面は、このコンタクトプラグCCの下面と接する。よって、支持ピラーHRは、この支持ピラーHRが部分的に重なるコンタクトプラグCCの位置に基づく上面を有する。
【0070】
図8及び
図9は、第1実施形態の記憶装置のメモリ領域及び引出し領域の一部の断面の構造を示す。具体的には、
図8は、
図7のVIII-VIII線に沿って引出し領域HA1の断面を示すとともに、
図5に示されるメモリ領域MAの一部を示す。
図9は、
図7のIX-IX線に沿った断面を示す。
【0071】
図8及び
図9に示されるように、各コンタクトプラグCCは、導電体24及び絶縁体35を貫く。幾つかのコンタクトプラグCCはさらに、1つ以上の導電体23を貫く。1つ以上の導電体23、及び絶縁体34の1つ以上を貫く。各コンタクトプラグCCは、導電体61及びスペーサ62を含む。
【0072】
導電体61は、下面において、z軸上での下方に向かう突起を有する。突起の下面は、1つの導電体23の上面と接している。突起の下面はまた、1つ又は複数の支持ピラーHRの上面と接し得る。コンタクトプラグCCの側面は、スペーサ62により覆われている。スペーサ62は、例えば酸化シリコンである。スペーサ62の側面は、導電体24及び絶縁体35と接する。幾つかのコンタクトプラグCCのスペーサ62はさらに、1つ以上の導電体23、及び絶縁体34の1つ以上と接する。スペーサ62により、導電体61は、自身の下面で接する導電体23以外の導電体23から絶縁されている。
【0073】
図7を参照して記述されているように、相違するコンタクトプラグCCは、下面において、相違する導電体23と接する。コンタクトプラグCC0の下面は、ワード線WL0として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC1の下面は、ワード線WL1として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC2の下面は、ワード線WL2として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC3の下面は、ワード線WL3として機能する導電体23の上面と接する。コンタクトプラグCC6の下面は、ワード線WL6として機能する導電体23の上面と接する。
【0074】
コンタクトプラグCCの上面上に導電体60が設けられている。
【0075】
図7乃至
図9を参照して、引出し領域HA1が記述され、中でもコンタクトプラグCC0~CC8について記述されている。他のコンタクトプラグCC及び引出し領域HA2についても、
図7乃至
図9を参照して記述されている引出し領域HA1及びコンタクトプラグCC0~CC8と同様である。すなわち、引出し領域HA2は、引出し領域HA1の平面レイアウトがy軸に沿って反転された平面レイアウトを有する。コンタクトプラグCC0~CC8以外のコンタクトプラグCCは、下面において、他のコンタクトプラグCCが接する導電体23と異なる導電体23と接する。
【0076】
【0077】
図10に示されるように、基板20上に回路(図示せず)が形成された後、基板20の上面上に、絶縁体31及び32、導電体61、絶縁体62、63、及び64、並びに導電体65が、この順に堆積される。導電体61、絶縁体62、63、及び64、並びに導電体65の組は、導電体21が形成される予定の領域を占める。
【0078】
導電体65の上面上に、絶縁体33が形成される。
【0079】
絶縁体33の上面上に、複数の絶縁体SM及び複数の絶縁体34が1つずつ交互に堆積される。最下に位置する絶縁体SMは、導電体22が形成される予定の領域を占める。残りの絶縁体SMは、導電体23が形成される予定の領域に位置する。絶縁体SMは、例えば窒化シリコンを含む。
【0080】
最上の絶縁体SMの上面上に、絶縁体35、絶縁体SM2、及び絶縁体71が、この順に堆積される。絶縁体SM2は、導電体24が形成される予定の領域に位置する。絶縁体71は、絶縁体36の一部を構成する。絶縁体SM2は、例えば窒化シリコンを含む。
【0081】
図11に示されるように、メモリピラーMPが形成される。ただし、メモリピラーMPの積層体52は、この段階では、開口を有していない。具体的には、以下の通りである。すなわち、フォトリソグラフィー及び異方性エッチングにより、メモリホールが形成される。メモリホールは、メモリピラーMPが形成される予定の領域に位置する。メモリホールは、絶縁体71、SM2、35、SM、34、33、導電体65、絶縁体64、63、及び62を貫く。メモリホールの底は、導電体61中に位置する。メモリホールの表面上に積層体52、すなわち、トンネル絶縁体53、電荷蓄積膜54、及びブロック絶縁体55が形成される。積層体52の表面上に半導体51が形成される。半導体51の表面上にコア50が形成されることにより、メモリホールの中心がコア50により埋め込まれる。その後、コア50の上部が除去され、除去された部分に半導体51が形成される。こうしてメモリピラーMPが形成され、その後、メモリピラーMPの上面上に絶縁体が形成される。
図11では、この絶縁体は、絶縁体71の一部として描かれている。
【0082】
支持ピラーHRが形成される。各支持ピラーHRは、絶縁体71、SM2、35、SM、及び34を貫く。各支持ピラーHRは、絶縁体71の上面から絶縁体33の上面に亘って延びる。
【0083】
図12及び
図13のステップ、並びに後続のステップにおいて、コンタクトプラグCCのためのコンタクトホールCHが形成される。
図7~
図9を参照して記述されているように、コンタクトプラグCCは、自身が接する導電体23の位置に基づいて、相違する高さに位置する底を有する。よって、コンタクトホールCHも、導電体61によって埋め込まれる前の段階で、相違する深さに位置する底を有する。その目的で、より深い位置において底を有するコンタクトホールCHは、
図14に示されるステップに後続するステップにおいて、底をさらにエッチングされる。
図12及び
図13のステップから開始するステップによって、各コンタクトホールCHが自身に固有の目標(標的)の深さを有するように、エッチングが行われる。より深い目標深さを有するべきコンタクトホールCHは、繰り返しエッチングされる。一方、目標深さに達したコンタクトホールCHは、別のコンタクトホールCHに対するさらなるエッチングの間、後述の埋め込み材NGにより埋め込まれている。
【0084】
図12及び
図13に示されるように、コンタクトホールCHの一部が形成される。コンタクトホールCHは、コンタクトプラグCCが形成される領域である。形成は、具体的には、以下の通りである。
【0085】
フォトリソグラフィーによって、絶縁体71の上面上にマスクが形成される。マスクは、コンタクトプラグCC0~CC8が形成される予定の領域の上方において開口を有する。マスクを介した異方性エッチングによって、コンタクトホールCH0~CH8が形成される。コンタクトホールCH0~CH8は、絶縁体71及びSM2を貫いて、絶縁体35の上面に達する。
【0086】
図14に示されるように、
図14以降を参照して記述されるステップによって、コンタクトホールCH7及びCH8(図示せず)の底が目的深さまで下げられる。このとき、コンタクトホールCHの目的深さより浅い目的深さを有するコンタクトホールCHは埋め込み材NG(図示せず)により埋め込まれている。一方、コンタクトホールCH7及びCH8より深い目的深さを有するコンタクトホールCH、すなわち、コンタクトホールCH0~CH5の底は、エッチングによって、より深い位置まで達する。この結果、コンタクトホールCH0~CH6は、ワード線WL6として機能する導電体23が形成される予定の領域に位置する絶縁体SMの上面上の絶縁体34の上面に達する。
【0087】
図15に示されるように、コンタクトホールCH6が埋め込み材NGにより埋め込まれる。埋め込み材NGは、例えば、ネガレジストである。具体的には、ここまでの工程によって得られる構造の上面にネガレジストが塗布される。次に、構造の上面上に、埋め込み材NGが埋め込まれる予定の領域、すなわち、コンタクトホールCH6の上方において開口を有するマスクが形成される。ネガレジストが、マスクの開口を介して感光される。この結果、ネガレジストのうちのマスクの開口の下方の部分、すなわち、コンタクトホールCH6中の部分が硬化する。その後、ネガレジストの硬化していない部分が除去される。
【0088】
図16及び
図17示されるように、ここまでの工程で得られる構造に対して、異方性エッチングが行われる。エッチングは、絶縁体SM及び34の組と、埋め込み材NGとの間で高い選択比を有する条件で行われる。この結果、コンタクトホールCHのうち、埋め込み材NGで埋め込まれていないもの、すなわち、コンタクトホールCH0~CH5の底がエッチングされる。エッチングによって、コンタクトホールCH0~CH5の底は、ワード線WL5として機能する導電体23が形成される予定の領域に位置する絶縁体SMの上面上の絶縁体34の上面に達する。
【0089】
図18及び
図19に示されるように、
図15~
図17を参照して記述されるステップと同様のステップの繰り返しにより、コンタクトホールCH0~CH4の底がエッチングされる。この過程で、コンタクトホールCH4は、目的深さに達した後、埋め込み材NGによって埋め込まれる。目的深さに達したコンタクトホールCHが埋め込まれながらのエッチングによって、コンタクトホールCH0~CH3の底は、ワード線WL3として機能する導電体23が形成される予定の領域に位置する絶縁体SMの上面上の絶縁体34の上面に達する。
【0090】
図20及び
図21に示されるように、
図15~
図17を参照して記述されるステップと同様のステップの繰り返しにより、目的深さに達したコンタクトホールCHが埋め込まれながらのエッチングによって、コンタクトホールCH0~CH2の底がエッチングされる。この結果、コンタクトホールCH0~CH2の底は、それぞれ、ワード線WL0、WL1、及びWL2として機能する導電体23が形成される予定の領域に位置する絶縁体SMの上面上の絶縁体34の上面に達する。
【0091】
図22に示されるように、各コンタクトホールCH中の埋め込み材NGが除去される。除去は、ウェットエッチング又はアッシングにより行われることが可能である。ここまでのステップで得られる構造の上面上の全面に、絶縁体62が堆積される。絶縁体62は、各コンタクトホールCHの側面及び底面を覆う。絶縁体62は、さらに、絶縁体71の上面、及びコンタクトホールCHと重なっていない支持ピラーHRの上面を覆う。
【0092】
コンタクトホールCHが、埋め込み材72により埋め込まれる。埋め込み材72は、例えば、アモルファスシリコンである。
【0093】
図23に示されるように、フォトリソグラフィー及び異方性エッチングによって、スリットSLIが形成される。スリットSLIは、部材SLTが形成される予定の領域に位置する。スリットSLIは、底において、絶縁体64の上面に達する。スリットSLIの表面上に絶縁体75が形成される。絶縁体75のうちのスリットSLIの底の部分、及び絶縁体64のうちのスリットSLIの下方の部分が除去される。この結果、スリットSLIの底で、絶縁体63が露出する。
【0094】
図24に示されるように、ウェットエッチングによって、スリットSLIの底、すなわち、絶縁体63が薬液に晒される。薬液によって、絶縁体63が除去される。このとき、メモリピラーMPの積層体52のうちの絶縁体63の層に位置する部分が除去され、除去された部分で半導体51が露出する。
【0095】
図25に示されるように、ウェットエッチングによって、スリットSLIの底の絶縁体63が位置していた空間から薬液が進行する。薬液によって、絶縁体62及び64が除去される。絶縁体62及び64が位置していた空間に導電体が埋め込まれることにより、導電体21が形成される。
【0096】
絶縁体75が除去される。絶縁体75が除去されることにより、スリットSLI中で、絶縁体SM及びSM2が露出する。ウェットエッチングによって、絶縁体SM及びSM2の露出した部分が薬液に晒される。薬液の進行によって、絶縁体SM及びSM2が除去され、スリットSLI中で、絶縁体SM及びSM2が位置していた領域が開口する。この間、絶縁体SM及びSM2が位置していた領域に空間が形成される。このことは、製造中の記憶装置1のこの間の構造を弱め、特に、構造の中で高アスペクト比の部分を不安定にさせる。これに対して、多数の支持ピラーHRが設けられていることによって、構造の形状が崩れることが抑制される。
【0097】
スリットSLI中の開口から、絶縁体SM及びSM2が位置していた領域に導電体が埋め込まれることにより、導電体22、23、及び24が形成される。
【0098】
図26に示されるように、スリットSLIの側面がスペーサSPにより覆われる。スリットSLIが導電体により埋め込まれることにより、部材SLTが形成される。
【0099】
埋め込み材72が除去される。絶縁体62のうちの絶縁体71の上面及びコンタクトホールCHと重なっていない支持ピラーHRの上面上の部分が除去される。この結果、コンタクトホールCHの側面及び底面に、絶縁体62が残存する。コンタクトホールCHの底面に対する異方性エッチングが行われる。これにより、絶縁体62のうちのコンタクトホールCHの底面の部分が除去される。この結果、各コンタクトホールCHの底面で、絶縁体34が部分的に露出する。
【0100】
コンタクトホールCHの底に対してさらなる異方性エッチングが行われる。これにより、各絶縁体34のうちの各コンタクトホールCHの下方の部分が除去される。これにより、各コンタクトホールCHの底で、導電体23が露出する。このエッチングの間、コンタクトホールCHと重なっている支持ピラーHRも部分的に除去される。部分的に除去された支持ピラーHRの上面は、1つの導電体23の上面と並ぶ。
【0101】
図7を参照して記述されているように、支持ピラーHRは、コンタクトプラグCCの中央には位置しない。このため、コンタクトホールCHの底を導電体23に接続するためのエッチングのとき、コンタクトホールCHの底が、支持ピラーHRと接する面積が抑制される。
【0102】
図27に示されるように、コンタクトホールCHが導電体により埋め込まれる。これにより、コンタクトプラグCCが形成される。
【0103】
絶縁体36の残りの部分、導電体60、コンタクトプラグCV、導電体25、及び絶縁体37が形成されることにより、
図8及び
図9に示される構造が完成する。
【0104】
1.3.利点(効果)
第1実施形態によれば、以下に記述されるように、小さい面積を有する引出し領域を含んだ記憶装置が提供されることが可能である。
【0105】
図28は、参考用の記憶装置の引出し領域101を示す。引出し領域101において、第1実施形態の導電体23に相当する導電体102と接するコンタクトプラグ103は、行列状に配置されることが考えられる。しかしながら、記憶装置の大容量化の目的で、多くの導電体が設けられると、多数の導電体に合わせて多数のコンタクトプラグが必要である。このため、引出し領域が大きな面積を有する必要がある。
【0106】
第1実施形態によれば、コンタクトプラグCCは、千鳥配列に分布している。このため、コンタクトプラグCCは、コンタクトプラグ103の配置よりも密に配置されている。よって、コンタクトプラグ103とコンタクトプラグCCの寸法、特にxy面に沿った断面積が同じである場合、同じ数のコンタクトプラグ103又はCCの配置のために、必要な引出し領域HA1の面積は、必要な引出し領域101の面積より小さい。
【0107】
第1実施形態によれば、支持ピラーHRは、コンタクトプラグCCの中央には位置しない。このため、コンタクトホールCHの底を導電体23に接続するためのエッチングのとき、コンタクトホールCHの底が、支持ピラーHRと接する面積が抑制される。よって、コンタクトホールCHの底のxy面に沿った面の面積のうち、導電体23とが接する部分が小さくなることが抑制される。このことは、コンタクトプラグCCと導電体23との間の抵抗を小さく抑える。
【0108】
2.第2実施形態
第2実施形態は、コンタクトプラグCCのxy面に沿った形状の点で、第1実施形態と異なる。
【0109】
図29は、第2実施形態の記憶装置の引出し領域の一部の平面レイアウトの例を示す。
図29は、
図7と同じ領域を示し、すなわち、2つの部材SLTの間の領域の一部を、xy面に沿って示す。
図29は、導電体24が含まれる層をz軸に沿った上方から見られた場合のレイアウトを示す。
【0110】
図29に示されるように、各コンタクトプラグCCは、六角形状を有する。例えば、各コンタクトプラグCCの或る対向する(実質的に平行な)2つの辺は、x軸に沿って延びる。残る4つの辺は、x軸及びy軸の両方と交わる。換言すると、各コンタクトプラグCCは、第1実施形態での四角形状のコンタクトプラグCCの形状の4つの角が切り取られた形状を有する。よって、各コンタクトプラグCCの頂点の位置は、四角形状のコンタクトプラグCCの頂点の位置よりも中心に近い。このような形状に基づいて、隣り合うコンタクトプラグCCの最小間隔は大きい。隣り合うコンタクトプラグCCの最小間隔は、隣り合う2つのコンタクトプラグCCのそれぞれの縁を結ぶ複数の仮想直線のうちで最短の仮想直線の長さである。第2実施形態での2つのコンタクトプラグCCの最小間隔は、コンタクトプラグCCが第1実施形態の配置と同一に配置されているとともに六角形状を有することに基づいて、2つのコンタクトのそれぞれの相対する頂点の間の距離である。
【0111】
コンタクトプラグCCの配置は、第1実施形態での配置と同じであり、すなわち、千鳥配列に分布している。
【0112】
支持ピラーHRは、1以上のコンタクトプラグCCの4つの頂点VXの近傍の領域に位置する支持ピラーHRを含む。4つの頂点VXは、コンタクトプラグCCのx軸に沿って延びる2つの辺の一方と他の辺が成す2つの頂点VX、及びコンタクトプラグCCのx軸に沿って延びる2つの辺の他方と他の辺が成す2つの頂点VXである。支持ピラーHRは、例えば、各コンタクトプラグCCの4つの頂点VXの近傍の領域に位置する。
【0113】
支持ピラーHRは、例えば、xy面に沿って見られる場合に4つの頂点VXのうちの1~4つの頂点VXの近傍で、コンタクトプラグCCと重ならない領域に位置する。又は、支持ピラーHRは、xy面に沿って見られる場合に4つの頂点VXのうちの1~4つの頂点VXを含むように位置する。
図29は、この例を示す。又は、支持ピラーHRは、xy面に沿って見られる場合に4つの頂点VXのうちの1~4つの頂点VXの近傍で、コンタクトプラグCCと完全に重なる領域に位置する。
【0114】
支持ピラーHRは、1以上のコンタクトプラグCC、例えば、各コンタクトプラグCCの中央には位置しない。
【0115】
支持ピラーHRの配置は、1以上のコンタクトプラグCCの4つの頂点VXの1つ以上の近傍の領域に位置するとともに、1以上のコンタクトプラグCC、例えば、各コンタクトプラグCCの中央には位置しない限り、他の任意の領域に位置する支持ピラーHRを含み得る。
図29は、支持ピラーHRが、行列状に配置されている例を示す。
【0116】
第2実施形態によれば、コンタクトプラグCCは、第1実施形態の配置と同一に配置されている。また、第2実施形態によれば、第1実施形態と同じく、支持ピラーHRは、コンタクトプラグCCの中央には位置しない。このため、第1実施形態と同じ利点を得られる。
【0117】
さらに、第2実施形態によれば、以下に記述されるように、設計及び想定されている構造との違いを抑制された構造を有する記憶装置が提供されることが可能である。第1実施形態の
図12~
図21を参照して記述されている方法でコンタクトホールCHが形成される場合、形成の過程で、絶縁体34、SM、及びSM2の構造(以下、「積層構造」と称される場合がある)の一部が高いアスペクト比を有する状態が生じ得る。例えば、
図19の状態が該当し、記憶装置の大容量化の目的でより多くの導電体23が設けられると、アスペクト比はより高い。アスペクト比は、隣り合うコンタクトホールCHの距離に依存する。
【0118】
第2実施形態によれば、各コンタクトプラグCCは、六角形状を有する。コンタクトプラグCCの最小間隔は、一方のコンタクトプラグCCの頂点VXと他方のコンタクトプラグCCの頂点VXとの間の距離である。このため、隣り合うコンタクトプラグCCの最小間隔は広く、コンタクトプラグCCが四角形状である場合の隣り合うコンタクトプラグCCの最小間隔より広い。このため、コンタクトホールCHの形成の過程で生じる積層構造の一部のアスペクト比は、コンタクトプラグCCが四角形状である場合の積層構造の一部のアスペクト比より小さい。よって、積層構造の一部は、安定しており、少なくともコンタクトプラグCCが四角形状である場合よりも安定している。このことは、記憶装置1の製造の過程で構造が崩れ、その結果、完成した記憶装置1の構造が設計及び想定されている構造と異なることを抑制する。
【0119】
上記のように、第2実施形態によれば、コンタクトプラグCCが第1実施形態と同一の配置であることに基づいて、コンタクトプラグCCの最小間隔は、斜めに並ぶ2つのコンタクトのそれぞれの相対する頂点の間の距離である。このため、コンタクトプラグCCの隣り合う2つの行の距離は、参考用の記憶装置での隣り合う2つの行の距離より小さい。ここで、隣り合う2つのコンタクトプラグの行の距離は、一方のコンタクトプラグCCの行のy軸上での中央の座標と、他方のコンタクトプラグCCの行のy軸上での中央の座標との差である。コンタクトプラグCCの最小間隔が斜めに並ぶことに基づいて、2つのコンタクトプラグCCの隣り合う行の距離は、参考用の記憶装置のコンタクトプラグ103の隣り合う行の距離より小さくても、参考用の記憶装置のコンタクトプラグ103の最小間隔と同じ最小間隔が維持されることが可能である。よって、第2実施形態によれば、コンタクトプラグCCは、参考用の記憶装置でのコンタクトプラグ103の最小間隔と同等の最小間隔を有するとともに、参考用の記憶装置でのコンタクトプラグ103よりも密に配置されることが可能である。すなわち、第2実施形態によれば、参考用の記憶装置との同等の構造の強度と、参考用の記憶装置の引出し領域101よりも小さい面積を有する引出し領域HAとの両方が実現されることが可能である。
【0120】
第2実施形態のコンタクトプラグCCは、
図30に示されるように、xy面に沿って円形であってもよい。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0122】
1…記憶装置、10…メモリセルアレイ、11…ロウデコーダ、12…レジスタ、13…シーケンサ、14…ドライバ、15…センスアンプ、BLK…ブロック、WL…ワード線、BL…ビット線、MT…メモリセルトランジスタ、MA…メモリ領域、HA1…引出し領域、HA2…引出し領域、SLT…部材、SHE…部材、MP…メモリピラー、CV…コンタクトプラグ、22…導電体、23…導電体、24…導電体