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特開2023-141968アンテナ装置、アンテナ装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141968
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】アンテナ装置、アンテナ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20230928BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/06
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048581
(22)【出願日】2022-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1) 提出日 令和3年3月31日 提出物 株式会社光電製作所 令和2年度 研究成果報告書
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、総務省、「電波資源拡大のための研究開発」における「5.7GHz帯における高効率周波数利用技術の研究開発」委託事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】314012087
【氏名又は名称】株式会社光電製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】清田 春信
(72)【発明者】
【氏名】茂木 智広
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA04
5J021AB08
5J021CA03
5J045AA05
5J045AB06
5J045DA10
5J045FA02
5J045HA03
5J045JA04
5J045MA07
5J045NA01
(57)【要約】
【課題】製造が容易な高利得の小型アンテナを提供する。
【解決手段】本発明のアンテナ装置は、接地導電板、偶数個の平面アンテナ、分配部、支柱を備える。偶数個の平面アンテナは、それぞれ矩形状の導電性の板で形成され、接地導電板と所定の距離で平行に配置されている。分配部は、導電性の板で形成されており、送信信号を2つに分配する、もしくは2つの受信信号を合成する。支柱は、導電性であり、平面アンテナと接地導電板とを接続する。偶数個の平面アンテナと分配部とは、同一の導電性の板で形成されている。偶数個の平面アンテナは同数の2組に分けられており、それぞれの組に分配部で分配された送信信号が分配される、もしくはそれぞれの組からの受信信号が分配部で合成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地導電板と、
それぞれ矩形状の導電性の板で形成され、前記接地導電板と所定の距離で平行に配置された偶数個の平面アンテナと、
導電性の板で形成されており、送信信号を2つに分配する、もしくは2つの受信信号を合成する分配部と、
前記平面アンテナと前記接地導電板とを接続する導電性の支柱と、
を備え、
前記偶数個の平面アンテナと前記分配部とは、同一の導電性の板で形成されており、
前記偶数個の平面アンテナは同数の2組に分けられており、それぞれの組に前記分配部で分配された送信信号が分配される、もしくはそれぞれの組からの受信信号が前記分配部で合成される
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記平面アンテナよりも小さい矩形状の導電性の板で形成された平面無給電アンテナも備え、
前記平面無給電アンテナは、前記平面アンテナの前記接地導電板の反対側に、前記平面アンテナと並行に配置されている
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のアンテナ装置であって、
前記偶数個の平面アンテナは、前記分配部を通る直線について線対称な形状である
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のアンテナ装置であって、
互いに直交する2つの方向を第1方向と第2方向とし、前記平面アンテナの数は4であり、
前記平面アンテナの中心は、第1方向の辺と第2方向の辺からなるあらかじめ定めた正方形のそれぞれの頂点に配置されており、
前記平面アンテナは正方形であり、各辺は第1方向もしくは第2方向に並行であり、
前記分配部は2つあり、第1の分配部は第1方向に分配もしくは合成を行い、第2の分配部は第2方向に分配もしくは合成を行う
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項4記載のアンテナ装置であって、
前記平面アンテナは、前記第1の分配部を通る第2方向の直線について線対称な形状であり、かつ前記第2の分配部を通る第1方向の直線について線対称な形状である
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載されたアンテナ装置であって、
前記分配部の前記平面アンテナと接続されていない端子は、前記接地導電板の反対面に存在する回路に接続されている
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載されたアンテナ装置の製造方法であって、
前記偶数個の平面アンテナと前記分配部とを、プレス加工によって一体的に形成する
ことを特徴とするアンテナ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の平面アンテナを用いたアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンなどの高速移動体から映像無線送信する場合、ドローンの方向に関係しない水平面内無指向アンテナが使用されるが、アンテナ利得が低く無線回線の利得が十分確保できないため、長距離の伝送ができない。特に高精細映像伝送ではデータ量が多くなり、変調多値数を上げるので受信所要C/Nが大きくなる。送信出力を上げればバッテリ消費が増加し動作時間が減る、周波数帯域幅を広げることは利用できるチャネル数が減ってしまうので、利得の高い小型軽量なアンテナが必要である。また、これからドローンが普及し、量産化される場合にも量産性の高い構造が必要である。
【0003】
従来、立体構造を持つパッチアンテナにおいて、アレイ化するために、誘電体基板上に導線で形成した分配器を用いていた。また、立体構造を持つ平面アンテナを用いたアレイアンテナとしては、特許文献1などの分配導波路を設けたアレイアンテナの技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-168638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、誘電体基板上に導線で形成した分配器を用いる場合、誘電体基板による損失が大きくなり、アンテナ利得低下の要因となる。また、特許文献1の技術では、構造が複雑であり、加工時の工程時間が長くなるという欠点がある。本発明は、製造が容易な高利得の小型アンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアンテナ装置は、接地導電板、偶数個の平面アンテナ、分配部、支柱を備える。偶数個の平面アンテナは、それぞれ矩形状の導電性の板で形成され、接地導電板と所定の距離で平行に配置されている。分配部は、導電性の板で形成されており、送信信号を2つに分配する、もしくは2つの受信信号を合成する。支柱は、導電性であり、平面アンテナと接地導電板とを接続する。偶数個の平面アンテナと分配部とは、同一の導電性の板で形成されている。偶数個の平面アンテナは同数の2組に分けられており、それぞれの組に分配部で分配された送信信号が分配される、もしくはそれぞれの組からの受信信号が分配部で合成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明のアンテナ装置によれば、偶数個の平面アンテナと分配部とは、同一の導電性の板で形成さるので、部品点数を削減できるとともに、量産性の高い構造にできる。また、偶数個の平面アンテナを用いてアレイアンテナを形成しているので、製造が容易な高利得の小型アンテナを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1のアンテナ装置の構成例を示す斜視図。
図2】実施例1のアンテナ装置の構成例を示す平面図。
図3】変形例1のアンテナ装置の構成例を示す斜視図。
図4】変形例1のアンテナ装置の構成例を示す平面図。
図5】変形例2のアンテナ装置の構成例を示す平面図。
図6】中心導体171(Port1)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得を示す図。
図7】中心導体171(Port1)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得を示す図。
図8】中心導体171(Port1)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得と中心導体172(Port2)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得との分離度を示す図。
図9】中心導体171(Port1)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得と中心導体172(Port2)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得との分離度を示す図。
図10】中心導体172(Port2)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得を示す図。
図11】中心導体172(Port2)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得を示す図。
図12】中心導体172(Port2)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得と中心導体171(Port1)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得との分離度を示す図。
図13】中心導体172(Port2)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得と中心導体171(Port1)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得との分離度を示す図。
図14】中心導体171(Port1)および中心導体172(Port2)でのリターンロス(整合性)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0010】
図1は実施例1のアンテナ装置の構成例を示す斜視図、図2は実施例1のアンテナ装置の構成例を示す平面図である。アンテナ装置100は、接地導電板110、偶数個の平面アンテナ120、分配部130、支柱140を備える。偶数個の平面アンテナ120は、それぞれ矩形状の導電性の板で形成され、接地導電板110と所定の距離Dで平行に配置されている。図1の例では、平面アンテナ120は一般の長さがLの正方形である。図1,2の例では、平面アンテナ120は2つあり、図2には、“A”が付された平面アンテナ120と“B”が付された平面アンテナ120が示されている。
【0011】
アンテナ装置100で送受する電波の周波数は、例えば5~6GHzであり、Lは20mm~30mm、距離Dは2~3mmであり、具体的な値は適宜定めればよい。また、分配部130の太さは、1~2mmであり、具体的な値は適宜定めればよい。
【0012】
分配部130は、導電性の板で形成されており、送信信号を2つに分配する、もしくは2つの受信信号を合成する。アンテナ装置100が送信用のアンテナとして使用されるときは、送信信号を2つに分配する。また、アンテナ装置100が受信用のアンテナとして使用されるときは、2つの受信信号を合成する。支柱140は、導電性であり、平面アンテナ120と接地導電板110とを接続する。
【0013】
アンテナ装置100は、信号を入出力するための中心導体170と貫通孔111も備える。分配部130の平面アンテナ120と接続されていない端子は中心導体170に接続されている。中心導体170は、接地導電板110に形成された貫通孔111を通って、接地導電板110の反対面に存在する回路に接続されている。貫通孔111は、空気のままの方が望ましいが、絶縁体によって中心導体170と接地導電板110との間を絶縁してもよい。
【0014】
偶数個の平面アンテナ120と分配部130とは、同一の導電性の板で形成されている。偶数個の平面アンテナ120は同数の2組に分けられており、それぞれの組に分配部で分配された送信信号が分配される、もしくはそれぞれの組からの受信信号が分配部で合成される。偶数個の平面アンテナ120は、分配部130を通る直線について線対称な形状である。図2の例では、一点鎖線で示した直線について線対称な形状である。したがって、中心導体170から分配部130の両側を見たときの特性インピーダンスを同じにできる。また、分配部130に抵抗器のようなバランスを調整する構成部が不要となっている。
【0015】
図1,2の場合、2つの平面アンテナ120を並べることでアレイアンテナとして機能するので、指向性を高めることができ、高利得な小型アンテナにできる。また、偶数個の平面アンテナ120と分配部130とは同一の導電性の板で形成されているので、プレス加工を利用できる。そして、ネジ、ナット、あるいは半田付けにより組み立てればよい。よって、部品点数を削減できるとともに、量産性の高い構造にでき、製造が容易である。
[変形例1]
【0016】
図3は変形例1のアンテナ装置の構成例を示す斜視図、図4は変形例1のアンテナ装置の構成例を示す平面図である。アンテナ装置101は、接地導電板110、偶数個の平面アンテナ120、平面無給電アンテナ125、分配部130、支柱140、145を備える。図3,4の例では、平面アンテナ120と平面無給電アンテナ125は2つあり、図4には、“A”が付された平面無給電アンテナ125と“B”が付された平面無給電アンテナ125が示されている。
【0017】
接地導電板110、偶数個の平面アンテナ120、分配部130、支柱140は実施例1のアンテナ装置100と同じである。支柱145は、導体でも絶縁体でもよい。支柱145を導体にする場合は、高周波信号が流れない位置に配置すればよい。導体を用いた方が強度面で有利である。平面無給電アンテナ125は、平面アンテナ120よりも小さい矩形状の導電性の板で形成されている。平面無給電アンテナ125は、平面アンテナ120の接地導電板110の反対側に、平面アンテナ120と並行に、所定の距離dで配置されている。平面無給電アンテナ125は一般の長さがLの正方形である。距離dは例えば3mm程度であり、長さLは20mm以下であり、具体的な値は適宜定めればよい。
【0018】
平面アンテナ120よりも小さい矩形状の導電性の板である平面無給電アンテナ125は、電波を平面無給電アンテナ125の方向に導く機能を有する。したがって、指向性を高くできるので、実施例1のアンテナ装置100よりも利得を高くできる。また、実施例1と同様の効果を得られる。
[変形例2]
【0019】
図5は変形例2のアンテナ装置の構成例を示す平面図である。互いに直交する2つの方向を第1方向と第2方向とする。図5に示したアンテナ装置102は、4つの平面アンテナ120を有する。また、アンテナ装置102は、4つの平面無給電アンテナ125も有する。図5では、4つの平面無給電アンテナ125にそれぞれ“A”、“B”、“C”、“D”を付している。4つの平面アンテナ120の中心(対角線の交点)は、第1方向の辺と第2方向の辺からなるあらかじめ定めた正方形のそれぞれの頂点に配置されている。それぞれの頂点に、支柱140,145も配置されている。
【0020】
平面アンテナ120は正方形であり、各辺は第1方向もしくは第2方向に並行である。第1の分配部131は第1方向に分配もしくは合成を行い、第2の分配部132は第2方向に分配もしくは合成を行う。隣接する平面アンテナ120は、互いに同一の導電性の板で接続されている。つまり、偶数個の平面アンテナ120、第1の分配部131と第2の分配部132とは同一の導電性の板で形成されるので、プレス加工を利用できる。よって、部品点数を削減できるとともに、量産性の高い構造にでき、製造が容易である。
【0021】
平面アンテナ120は、第1の分配部131を通る第2方向の直線に対して線対称な形状であり、かつ前記第2の分配部を通る第1方向の直線に対して線対称な形状である。図5においては、平面アンテナ120は、第1の分配部131を通る第2方向の直線Yについて線対称である。また、第2の分配部132を通る第1方向の直線Xについて線対称である。
【0022】
アンテナ装置102は、信号を入出力するための中心導体171、172も備える。第1の分配部131の平面アンテナ120と接続されていない端子は、中心導体171に接続され、第2の分配部132の平面アンテナ120と接続されていない端子は、中心導体172に接続される。図示されていないが、中心導体171、172は、接地導電板110に形成された貫通孔を通って、接地導電板110の反対面に存在する回路に接続されている。中心導体171は第1の偏波の送信もしくは受信を行い、中心導体172は第1の偏波と直交する第2の偏波の送信もしくは受信を行う。
【0023】
図5においては、中心導体171で送信または受信する信号に対しては、“A”と“C”が付された平面アンテナ120を組、“B”と“D”が付された平面アンテナ120を組としている。また、中心導体172で送信または受信する信号に対しては、“A”と“B”が付された平面アンテナ120を組、“C”と“D”が付された平面アンテナ120を組としている。そして、それぞれの組に第1の分配部131,第2の分配部132で分配された送信信号が分配される、もしくはそれぞれの組からの受信信号が第1の分配部131,第2の分配部132で合成される。
【0024】
<シミュレーション>
周波数を5.7GHzとし、図5に示したアンテナ装置(図6図13では、「4素子パッチアンテナ」と表現している。)での放射パターン、アンテナ利得についてシミュレーションを行った。図6は中心導体171(Port1)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得を、図7は中心導体171(Port1)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得を示している。図8は中心導体171(Port1)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得と中心導体172(Port2)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得との分離度を示している。図9は中心導体171(Port1)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得と中心導体172(Port2)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得との分離度を示している。横軸は角度であり、縦軸は利得である。図8,9では、中心導体171(Port1)から送信(給電)された電波の最大の強度を0dBとしている。十分に高い利得、指向性、分離度を有していることが分かる。
【0025】
図10は中心導体172(Port2)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得を、図11は中心導体172(Port2)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得を示している。図12は中心導体172(Port2)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得と中心導体171(Port1)から送信(給電)された垂直方向(第2方向)主偏波利得との分離度を示している。図13は中心導体172(Port2)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得と中心導体171(Port1)から送信(給電)された水平方向(第1方向)主偏波利得との分離度を示している。横軸は角度であり、縦軸は利得である。図12,13では、中心導体172(Port2)から送信(給電)された電波の最大の強度を0dBとしている。十分に高い利得、指向性、分離度を有していることが分かる。
【0026】
図14は、中心導体171(Port1)および中心導体172(Port2)でのリターンロス(整合性)を示す図である。中心導体171(Port1)および中心導体172(Port2)で、周波数を5.7GHzでのリターンロスは十分小さく、整合していることが分かる。
【符号の説明】
【0027】
100,101,102 アンテナ装置
110 接地導電板
111 貫通孔
120 平面アンテナ
125 平面無給電アンテナ
130,131,132 分配部
140,145 支柱
170,171,172 中心導体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する2つの方向を第1方向と第2方向とし、
接地導電板と、
それぞれ、各辺が第1方向もしくは第2方向に並行な正方形の導電性の板で形成され、前記接地導電板と所定の距離で平行に配置された個の平面アンテナと、
それぞれ、導電性の板で形成されており、送信信号を2つに分配する、もしくは2つの受信信号を合成する2個の分配部と、
前記平面アンテナと前記接地導電板とを接続する導電性の支柱と、
を備え、
前記個の平面アンテナと前記2個の分配部とは、同一の導電性の板で形成されており、
前記4個の平面アンテナの中心は、第1方向の辺と第2方向の辺からなるあらかじめ定めた正方形のそれぞれの頂点に配置されており、
前記2個の分配部の一方である第1の分配部は第1方向に分配もしくは合成を行い、他方である第2の分配部は第2方向に分配もしくは合成を行い、
前記個の平面アンテナは、第1方向に2個ずつの2組に分けられるとともに第2方向に2個ずつの2組に分けられており、方向ごとのそれぞれの組に前記第1の分配部、または前記第2の分配部で分配された送信信号が分配される、もしくはそれぞれの組からの受信信号が前記第1の分配部、または前記第2の分配部で合成される
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記平面アンテナよりも小さい矩形状の導電性の板で形成された平面無給電アンテナも備え、
前記平面無給電アンテナは、前記平面アンテナの前記接地導電板の反対側に、前記平面アンテナと並行に配置されている
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のアンテナ装置であって、
前記平面アンテナは、前記第1の分配部を通る第2方向の直線について線対称な形状であり、かつ前記第2の分配部を通る第1方向の直線について線対称な形状である
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載されたアンテナ装置であって、
前記分配部の前記平面アンテナと接続されていない端子は、前記接地導電板の反対面に存在する回路に接続されている
ことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載されたアンテナ装置の製造方法であって、
前記個の平面アンテナと前記2個の分配部とを、プレス加工によって一体的に形成する
ことを特徴とするアンテナ装置の製造方法。