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特開2023-141987コイルユニット、ワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置、及びワイヤレス電力伝送システム
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  • 特開-コイルユニット、ワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置、及びワイヤレス電力伝送システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141987
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】コイルユニット、ワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置、及びワイヤレス電力伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20230928BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230928BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048616
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】山嶋 雅之
(72)【発明者】
【氏名】志尾▲崎▼ 涼
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼田 浩一
(57)【要約】
【課題】赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができるコイルユニットを提供する。
【解決手段】コイルと、前記コイルを収容する筐体と、を備え、前記筐体は、前記コイルのコイル面と直交する2つの方向のうちの第1方向と交差する第1部材を有し、前記第1部材が有する面のうち前記コイルと反対側の第1面上には、前記第1面上の領域のうちの予め決められた第1領域を示すマーカが設けられており、前記マーカの表面の材質は、赤外線を反射する材質である、コイルユニット。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルと、
前記コイルを収容する筐体と、
を備え、
前記筐体は、前記コイルのコイル面と直交する2つの方向のうちの第1方向と交差する第1部材を有し、
前記第1部材が有する面のうち前記コイルと反対側の第1面には、予め決められた第1領域を示すマーカが設けられており、
前記マーカが有する面のうち前記コイルと反対側の面の材質は、赤外線を反射する材質である、
コイルユニット。
【請求項2】
前記マーカの赤外線の反射率は、赤外線を用いた撮像を行う撮像部により撮像可能な反射率である、
請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項3】
前記第1方向と反対の方向に向かって前記第1面を見た場合において、前記第1領域の形状は、矩形状であり、
前記マーカは、前記第1領域が有する4つの角のうちの第1角の位置を示す第1マーカと、前記4つの角のうちの第2角の位置を示す第2マーカとを含む、
請求項1又は2に記載のコイルユニット。
【請求項4】
前記マーカは、更に、前記4つの角のうちの第3角の位置を示す第3マーカを含む、
請求項3に記載のコイルユニット。
【請求項5】
前記第1面と直交する方向から前記第1面を見た場合において、前記第1領域の形状は、楕円形状であり、
前記マーカは、前記第1領域の円周と前記第1領域の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第4マーカと、前記第1領域の円周と前記第1領域の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第5マーカとを含み、更に、前記第1領域の円周と前記第1領域の長軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置を示す第6マーカと、前記第1領域の円周と前記第1領域の短軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置を示す第7マーカとの少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載のコイルユニット。
【請求項6】
前記第1面と直交する方向から前記第1面を見た場合において、前記第1領域の形状は、楕円形状であり、
前記マーカは、前記第1領域の長軸と前記第1領域の短軸との交点の位置を示す第8マーカと、前記第1領域の円周と前記第1領域の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第9マーカと、前記第1領域の円周と前記第1領域の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第10マーカとを含む、
請求項1又は2に記載のコイルユニット。
【請求項7】
前記第1面と直交する方向から前記第1面を見た場合において、前記第1領域の形状は、円形状であり、
前記マーカは、前記第1領域の中心の位置を示す第11マーカと、前記第1領域の円周上の位置のうちの第1位置を示す第12マーカとを含む、
請求項1又は2に記載のコイルユニット。
【請求項8】
前記マーカは、前記第1領域の輪郭を示す線状のマーカである、
請求項1又は2に記載のコイルユニット。
【請求項9】
前記第1領域は、前記コイルと磁気結合する磁束が鎖交する領域である、
請求項1から8のうちいずれか一項に記載のコイルユニット。
【請求項10】
請求項1から9のうちいずれか一項に記載のコイルユニットを備える、
ワイヤレス送電装置。
【請求項11】
請求項1から9のうちいずれか一項に記載のコイルユニットを備える、
ワイヤレス受電装置。
【請求項12】
ワイヤレス送電装置と、ワイヤレス受電装置とを備えるワイヤレス電力伝送システムであって、
前記ワイヤレス送電装置と前記ワイヤレス受電装置との少なくとも一方は、請求項1から9のうちいずれか一項に記載のコイルユニットを備える、
ワイヤレス電力伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルユニット、ワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置、及びワイヤレス電力伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁界を介したワイヤレス電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムに関する技術の研究、開発が行われている。ワイヤレス電力伝送システムは、送電コイルを備えたワイヤレス送電装置と受電コイルを備えたワイヤレス受電装置との間において、ワイヤレス電力伝送を行う。なお、本明細書において、ワイヤレス電力伝送は、ワイヤレスによる電力の伝送のことである。また、本明細書では、説明の便宜上、ワイヤレス送電装置の筐体が有する面のうち、コイルと磁気結合する磁束が主として鎖交する面のことを、ワイヤレス送電装置の磁束鎖交面と称して説明する。すなわち、本明細書では、ワイヤレス送電装置が有する面のうちワイヤレス電力伝送時において送電コイルと受電コイルとの間に位置する面を、ワイヤレス送電装置の磁束鎖交面と称して説明する。また、本明細書では、説明の便宜上、ワイヤレス受電装置の筐体が有する面のうち、コイルと磁気結合する磁束が主として鎖交する面のことを、ワイヤレス受電装置の磁束鎖交面と称して説明する。すなわち、本明細書では、ワイヤレス受電装置が有する面のうちワイヤレス電力伝送時において送電コイルと受電コイルとの間に位置する面を、ワイヤレス受電装置の磁束鎖交面と称して説明する。また、本明細書では、鉛直方向を下又は下方向と称し、鉛直方向と反対の方向を上又は上方向と称して説明する。
【0003】
ここで、鉛直方向においてワイヤレス電力伝送を行うワイヤレス電力伝送システムでは、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置とは、送電コイルと受電コイルとが鉛直方向において対向するように配置される。このため、当該ワイヤレス電力伝送システムでは、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置とのうち下側に配置された装置の磁束鎖交面上には、ねじ等の導電性を有する異物が落下したまま留まってしまうことがある。この場合、当該ワイヤレス電力伝送システムは、ワイヤレス電力伝送時に異物を発熱させてしまう。これは、発熱した異物による当該磁束鎖交面の変形を誘発させることに繋がるため、望ましいことではない。
【0004】
これに関し、赤外線センサの一種である焦電センサを用いて、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置とのうち下側に配置された装置の磁束鎖交面上に異物が存在しているか否かを検出するワイヤレス電力伝送システムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013-252039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置とのうち下側に配置された装置の磁束鎖交面上に異物が存在しているか否かを、焦電センサに代えて、赤外線カメラによって検出する方法も知られている。しかしながら、この方法では、磁束鎖交面の近傍に発熱する物体が存在すると、この物体から放射される赤外線により、実際には磁束鎖交面上に異物が存在していないにもかかわらず、磁束鎖交面上における異物の存在を検出してしまう場合があった。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができるコイルユニット、ワイヤレス送電装置、ワイヤレス受電装置、及びワイヤレス電力伝送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、コイルと、前記コイルを収容する筐体と、を備え、前記筐体は、前記コイルのコイル面と直交する2つの方向のうちの第1方向と交差する第1部材を有し、前記第1部材が有する面のうち前記コイルと反対側の第1面には、予め決められた第1領域を示すマーカが設けられており、前記マーカが有する面のうち前記コイルと反対側の面の材質は、赤外線を反射する材質である、コイルユニットである。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記に記載のコイルユニットを備える、ワイヤレス送電装置である。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記に記載のコイルユニットを備える、ワイヤレス受電装置である。
【0011】
また、本発明の一態様は、ワイヤレス送電装置と、ワイヤレス受電装置とを備えるワイヤレス電力伝送システムであって、前記ワイヤレス送電装置と前記ワイヤレス受電装置との少なくとも一方は、上記に記載のコイルユニットを備える、ワイヤレス電力伝送システムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ワイヤレス電力伝送システム1の構成の一例を示す図である。
図2】鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第1例を示す上面図である。
図3】鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第2例を示す上面図である。
図4】鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第3例を示す上面図である。
図5図4に示した第1面M1上に設けられたマーカMK3の構成の他の例を示す図である。
図6】鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第4例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、実施形態におけるコイルは、ある領域とある物体との少なくとも一方の周囲に巻回された導線のことを意味し、これらの導線から他の回路へと接続される引き出し線としての導線を含んでいない。しかしながら、当該コイルは、ある領域とある物体との少なくとも一方の周囲に巻回された導線から他の回路へと接続される引き出し線としての導線を含む構成であってもよい。また、本明細書において参照する複数の図のうちの一部の図に示した三次元座標系TCは、各図における方向を示す三次元直交座標系である。以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるX軸を、単にX軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるY軸を、単にY軸と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、三次元座標系TCにおけるZ軸を、単にZ軸と称して説明する。また、以下では、一例として、三次元座標系TCが描かれた各図において、Z軸の負方向が鉛直方向、すなわち、重力方向と一致している場合について説明する。また、以下では、説明の便宜上、導電性を有する異物を、単に異物と称して説明する。
【0015】
<ワイヤレス電力伝送システムの構成>
以下、図1を参照し、ワイヤレス電力伝送システム1の構成について説明する。図1は、ワイヤレス電力伝送システム1の構成の一例を示す図である。
【0016】
ワイヤレス電力伝送システム1は、鉛直方向においてワイヤレス電力伝送を行う。ワイヤレス電力伝送システム1は、ワイヤレス送電装置10と、ワイヤレス受電装置20と、撮像部30と、検出装置40を備える。なお、ワイヤレス電力伝送システム1は、撮像部30と検出装置40とのうちのいずれか一方又は両方を備えない構成であってもよい。また、ワイヤレス電力伝送システム1では、撮像部30と検出装置40とのうちのいずれか一方又は両方は、ワイヤレス受電装置20と一体に構成されてもよい。
【0017】
ワイヤレス送電装置10は、送電ユニット11と、送電コイルユニット12を備える。一方、ワイヤレス受電装置20は、受電コイルユニット21と、受電ユニット22を備える。そして、ワイヤレス受電装置20は、負荷と接続可能である。負荷は、電力の需要状態(貯蔵状態又は消費状態)に応じて、等価抵抗値が時間とともに変わる抵抗負荷である。図1に示した例では、ワイヤレス受電装置20は、このような負荷として、移動体に搭載されたバッテリーと接続されている。ただし、図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、当該バッテリーが省略されている。移動体は、例えば、AGV(Automated Guided vehicle;無人搬送車)である。なお、移動体は、AGVに代えて、電気により制御される他の装置であってもよい。また、ワイヤレス受電装置20は、当該バッテリーに代えて、移動体に搭載されたモーターに接続される構成であってもよく、他の負荷に接続される構成であってもよい。また、ワイヤレス受電装置20は、負荷を備える構成であってもよい。
【0018】
送電ユニット11は、送電コイルユニット12に接続されている。また、送電ユニット11は、送電ユニット11と別体の電源と接続される。送電ユニット11は、当該電源から入力される交流電圧を所望の電圧値の直流電圧に変換する。送電ユニット11は、変換した直流電圧を駆動周波数の交流電圧に変換する。そして、送電ユニット11は、駆動周波数の交流電圧を送電コイルユニット12に供給する。ここで、当該電源は、例えば、外部の商用電源等である。
【0019】
送電ユニット11は、例えば、AC(Alternating Current)/DC(Direct Current)コンバータ、インバータ等を備える。ここで、当該インバータは、複数のスイッチング素子がブリッジ接続されたスイッチング回路等により構成される。なお、送電ユニット11は、AC/DCコンバータに代えて、交流電圧を所望の電圧値の直流電圧に変換する他の回路を備える構成であってもよい。当該他の回路は、整流平滑回路とPFC(Power Factor Correction)回路とを組み合わせた回路であってもよく、当該整流平滑回路とスイッチング回路とを組み合わせた回路であってもよい。当該整流平滑回路は、交流電圧を整流して直流電圧に変換する回路である。当該PFC回路は、力率改善を行う回路である。当該スイッチング回路は、スイッチングコンバータ等である。また、送電ユニット11は、当該インバータに代えて、直流電圧を交流電圧に変換する他の回路を備える構成であってもよい。
【0020】
送電コイルユニット12は、送電コイルL1と、送電コイルL1を収容する筐体CS1を備える。
【0021】
送電コイルL1は、ワイヤレス電力伝送用のアンテナとして機能するコイルである。すなわち、送電コイルL1は、送電ユニット11から供給される交流電圧に応じて交流磁界を発生させる。これにより、送電コイルユニット12は、送電コイルL1を介したワイヤレス電力伝送によって電力をワイヤレス受電装置20に送電する。なお、図1では、図を簡略化するため、送電コイルL1が長方形状の物体として描かれている。
【0022】
ここで、送電コイルL1として巻回される導線は、例えば、リッツ線である。リッツ線は、銅、アルミニウム等からなる導線である。なお、送電コイルL1として巻回される導線は、リッツ線に代えて、他の素材により構成された導線であってもよい。
【0023】
送電コイルL1は、ワイヤレス電力伝送によって受電コイルユニット21に電力を送電する場合において、受電コイルユニット21と向き合うように設置される。図1に示した例では、送電コイルL1は、当該場合において、移動体が有する面のうち受電コイルユニット21が搭載された面と鉛直方向において向かい合うように、送電コイルユニット12内に設置されている。このため、当該例では、送電コイルL1のコイル面は、XY平面と平行又は略平行である。ここで、送電コイルL1のコイル面は、送電コイルL1として巻回された導体と、送電コイルL1が有する開口部とを含む厚みを持った仮想的な面のことである。また、当該例では、送電コイルL1を備えた送電コイルユニット12は、送電ユニット11とともに地面Gに設置されている。ここで、当該例では、送電ユニット11と送電コイルユニット12とは、別体である。なお、送電ユニット11と送電コイルユニット12とは、一体に構成されてもよい。
【0024】
筐体CS1は、送電コイルL1を収容する容器であり、例えば、略直方体形状の容器である。なお、筐体CS1は、略直方体形状の容器に代えて、送電コイルL1を収容可能な他の形状の容器であってもよい。筐体CS1は、筐体CS1の外表面を構成する部材として、第1部材CV1を有する。
【0025】
第1部材CV1は、送電コイルL1のコイル面と直交する2つの方向のうちの第1方向A1と交差する部材である。ここで、第1方向A1は、送電コイルL1のコイル面と直交する2つの方向のうち、ワイヤレス電力伝送によって受電コイルユニット21に電力を送電する場合において、送電コイルL1から受電コイルユニット21に向かう方向として決められる方向のことである。すなわち、図1に示した例では、第1方向A1は、Z軸の正方向である。
【0026】
第1部材CV1は、第1面M1を有する。第1面M1は、第1部材CV1が有する面のうち送電コイルL1と反対側の面のことである。第1面M1には、撮像部30により撮像される領域として、予め決められた第1領域RA1を示すマーカが設けられている。図1では、図が煩雑になるのを防ぐため、当該マーカは、省略されている。第1領域RA1は、第1方向A1に向かって第1面M1を見た場合において、送電コイルL1と重なる領域を含む領域である。換言すると、第1領域RA1は、ワイヤレス電力伝送において、第1面M1上の領域のうち送電コイルL1と磁気結合する磁束が鎖交する磁束鎖交領域、すなわち、第1面M1に含まれる磁束鎖交面上の領域を含む領域のことである。このため、第1領域RA1は、第1面M1上の領域のうち磁束鎖交領域以外の非磁束鎖交領域とともに磁束鎖交領域を含んでいてもよく、磁束鎖交領域そのものであってもよい。なお、図1に示した例では、第1面M1は、送電コイルL1のコイル面と平行又は略平行な面であるが、送電コイルL1のコイル面と非平行な面であってもよく、平面に代えて、凹凸を有する歪んだ面であってもよく、送電コイルL1のコイル面と平行な仮想的な面に対して傾斜する傾斜面を有する面であってもよい。
【0027】
なお、実施形態では、ワイヤレス送電装置10を制御する制御回路は、ワイヤレス送電装置10とワイヤレス受電装置20との間で行われるワイヤレス電力伝送を制御する。当該制御回路は、当該ワイヤレス電力伝送を制御可能な回路であれば、如何なる回路であってもよい。このため、実施形態では、ワイヤレス送電装置10を制御する制御回路についての説明を省略する。
【0028】
受電コイルユニット21は、受電コイルL2と、受電コイルL2を収容する筐体CS2を備える。
【0029】
受電コイルL2は、ワイヤレス電力伝送用のアンテナとして機能するコイルである。すなわち、受電コイルユニット21は、受電コイルL2を介したワイヤレス電力伝送によって電力をワイヤレス送電装置10から受電する。そして、受電コイルL2は、受電した電力に応じた交流電圧を、受電ユニット22に供給する。なお、図1では、図を簡略化するため、受電コイルL2が長方形状の物体として描かれている。
【0030】
受電コイルL2として巻回される導線は、例えば、リッツ線である。なお、受電コイルL2として巻回される導線は、リッツ線に代えて、他の素材により構成された導線であってもよい。
【0031】
受電コイルL2は、ワイヤレス電力伝送によって送電コイルユニット12から電力を受電する場合において、送電コイルユニット12と向き合うように設置される。より具体的には、受電コイルL2は、ワイヤレス電力伝送によって送電コイルユニット12から電力を受電する場合において、送電コイルL1と向き合うように設置される。図1に示した例では、受電コイルL2は、当該場合において、地面Gに設置された送電コイルユニット12の送電コイルL1と向かい合うように、移動体の下面に設置されている。このため、当該例では、受電コイルL2のコイル面は、XY平面と平行又は略平行である。ここで、受電コイルL2のコイル面は、受電コイルL2として巻回された導体と、受電コイルL2が有する開口部とを含む厚みを持った仮想的な面のことである。また、当該例では、受電コイルL2を備えた受電コイルユニット21は、受電ユニット22とともに移動体に設置されている。ただし、当該例では、受電コイルユニット21と受電ユニット22とは、別体である。なお、受電コイルユニット21と受電ユニット22とは、一体に構成されてもよい。
【0032】
筐体CS2は、受電コイルL2を収容する容器であり、例えば、略直方体形状の容器である。なお、筐体CS2は、略直方体形状の容器に代えて、受電コイルL2を収容可能な他の形状の容器であってもよい。筐体CS2は、筐体CS2の外表面を構成する部材として、第1部材CV2を有する。
【0033】
第1部材CV2は、受電コイルL2のコイル面と直交する2つの方向のうちの第1方向A2と交差する部材である。ここで、第1方向A2は、受電コイルL2のコイル面と直交する2つの方向のうち、ワイヤレス電力伝送によって送電コイルユニット12から電力を受電する場合において、受電コイルL2から送電コイルユニット12に向かう方向として決められる方向のことである。すなわち、図1に示した例では、第1方向A2は、Z軸の負方向である。
【0034】
第1部材CV2は、第1面M2を有する。第1面M2は、第1部材CV2が有する面のうち受電コイルL2と反対側の面のことである。すなわち、第1面M2は、ワイヤレス電力伝送において、第1面M2上の領域のうち受電コイルL2と磁気結合する磁束が鎖交する磁束鎖交領域、すなわち、第1面M2に含まれる磁束鎖交面を含む面のことである。なお、図1に示した例では、第1面M2は、受電コイルL2のコイル面と平行又は略平行な面であるが、受電コイルL2のコイル面と非平行な面であってもよく、平面に代えて、凹凸を有する歪んだ面であってもよく、受電コイルL2のコイル面と平行な仮想的な面に対して傾斜する傾斜面を有する面であってもよい。
【0035】
受電ユニット22は、受電コイルユニット21に接続される。また、実施形態では、受電ユニット22は、負荷(図1に示した例では、移動体)と接続される。また、受電ユニット22は、受電コイルL2から供給される交流電圧を整流して直流電圧に変換する。受電ユニット22は、負荷と接続されている場合、変換した直流電圧を負荷に供給する。なお、ワイヤレス受電装置20では、受電ユニット22は、充電回路を介して負荷と接続される構成であってもよい。
【0036】
受電ユニット22は、例えば、整流回路、平滑化回路等を備える。ここで、当該整流回路は、交流電圧を整流する回路である。また、当該平滑化回路は、当該整流回路により整流された電圧を平滑化して直流電圧に変換する回路である。なお、受電ユニット22は、当該整流回路、当該平滑化回路に加えて、過電圧防止回路等の他の回路を備える構成であってもよい。
【0037】
なお、実施形態では、ワイヤレス受電装置20を制御する制御回路は、ワイヤレス送電装置10とワイヤレス受電装置20との間で行われるワイヤレス電力伝送を制御する。当該制御回路は、当該ワイヤレス電力伝送を制御可能な回路であれば、如何なる回路であってもよい。このため、実施形態では、ワイヤレス受電装置20を制御する制御回路についての説明を省略する。
【0038】
撮像部30は、例えば、赤外線を照射し、反射された赤外線を用いて撮像を行う赤外線カメラである。撮像部30は、有線又は無線によって検出装置40と通信可能に接続される。
【0039】
撮像部30は、ワイヤレス電力伝送によって受電コイルユニット21が送電コイルユニット12から電力を受電する場合において、第1領域RA1が撮像可能な位置に設けられる。図1に示した例では、ワイヤレス電力伝送システム1によるワイヤレス電力伝送は、移動体の位置及び姿勢が所定の充電位置及び充電姿勢と一致している場合において行われる。このため、当該例では、撮像部30は、受電コイルユニット21に対して相対的に予め決められる位置のうち、第1領域RA1を撮像可能な位置であると推定される位置に設けられる。また、当該例では、撮像部30は、撮像部30の光軸AXが第1領域RA1と斜交するように設けられている。この場合、撮像部30は、第1領域RA1を斜めから見下ろすように撮像する。これにより、撮像部30は、画角が狭かったとしても、第1領域RA1の全体を含む範囲を撮像範囲として撮像することができる。なお、撮像部30は、撮像部30の光軸AXが第1領域RA1と直交するように設けられてもよい。
【0040】
ここで、移動体の位置は、例えば、移動体の重心の位置によって表されるが、これに代えて、移動体に対応付けられた他の位置によって表されてもよい。また、移動体の姿勢は、例えば、移動体の重心に対応付けられた仮想的な三次元座標系の各座標軸の方向によって表されるが、これに代えて、移動体に対応付けられた他の方向によって表されてもよい。移動体の位置及び姿勢が所定の充電位置及び充電姿勢と一致している場合、送電コイルL1のコイル面及び受電コイルL2のコイル面の両方と直交する方向における送電コイルL1のコイル面と受電コイルL2のコイル面との重なりは、最大又は略最大になる。また、当該場合、送電コイルL1のコイル面と受電コイルL2のコイル面との間の最短距離が予め決められた距離と一致する。なお、当該予め決められた距離は、ワイヤレス電力伝送システム1によるワイヤレス電力伝送の伝送効率が、所望の許容値以上となるように決められる距離である。
【0041】
撮像部30は、検出装置40からの要求に応じて、撮像部30が撮像可能な撮像範囲を撮像する。撮像部30は、撮像部30が撮像可能な撮像範囲を撮像した場合、撮像した撮像画像を検出装置40に出力する。なお、撮像部30は、静止画像を撮像する構成であってもよく、動画像を撮像する構成であってもよい。
【0042】
検出装置40は、移動体の位置及び姿勢が所定の充電位置及び充電姿勢と一致した場合、撮像部30が撮像可能な撮像範囲を撮像部30に撮像させる。ここで、検出装置40は、移動体の位置及び姿勢が所定の充電位置及び充電姿勢と一致したか否かを、既知の方法によって特定する構成であってもよく、これから開発される方法によって特定する構成であってもよい。
【0043】
検出装置40は、撮像部30が撮像画像を撮像する毎に、撮像部30が撮像した撮像画像を撮像部30から取得する。検出装置40は、撮像画像を取得する毎に、取得した撮像画像に基づいて、第1領域RA1上に異物が存在しているか否かを検出する。検出装置40は、このような検出を、既知の検出方法によって行う構成であってもよく、これから開発される方法で行ってもよい。検出装置40は、例えば、第1領域RA1上に異物が存在していないと判定した場合、特に何もしない。一方、検出装置40は、例えば、第1領域RA1上に異物が存在していると判定した場合、第1領域RA1上に異物が存在していることを警告するアラートを出力する構成であってもよく、ワイヤレス送電装置10にワイヤレス電力伝送を停止させる要求を出力する構成であってもよく、他の処理を行う構成であってもよい。
【0044】
ここで、検出装置40は、第1領域RA1の近傍に発熱する物体が存在すると、この物体から放射される赤外線により、実際には第1領域RA1上に異物が存在していないにもかかわらず、第1領域RA1上における異物の存在を検出してしまう場合があった。これは、検出装置40に上記のアラートを不要に出力させてしまうこと、ワイヤレス送電装置10にワイヤレス電力伝送を不要に停止させてしまうこと等に繋がるため、望ましくない。
【0045】
そこで、第1面M1には、以下において説明するようなマーカが設けられている。このマーカは、第1領域RA1を示すマーカであり、且つ、赤外線を反射するマーカである。このようなマーカが第1面M1に設けられていることにより、検出装置40は、第1領域RA1の近傍に発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1を精度よく特定することができ、その結果、第1領域RA1上に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、このようなマーカが第1面M1に設けられていることにより、第1領域RA1の近傍に発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1上に異物が存在しているか否かを検出装置40に精度よく検出させることができる。換言すると、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。なお、実施形態では、ワイヤレス電力伝送システム1においてワイヤレス電力伝送行う場合、送電コイルL1と受電コイルL2とが対向するように、ワイヤレス送電装置10がワイヤレス受電装置20の直下に位置するのだった。しかしながら、これは一例に過ぎず、ワイヤレス電力伝送システム1においてワイヤレス電力伝送行う場合、送電コイルL1と受電コイルL2とが対向するように、ワイヤレス受電装置20がワイヤレス送電装置10の直下に位置する構成であってもよい。この場合、ワイヤレス送電装置10は、例えば、ワイヤレス受電装置20に代えて、移動体に搭載される。また、この場合、ワイヤレス受電装置20は、例えば、ワイヤレス送電装置10に代えて、地面Gに設置される。そして、この場合、以下において説明する第1面M1の構成は、第1面M2が有することになる。また、この場合、撮像部30及び検出装置40のそれぞれは、ワイヤレス送電装置10に備えられる。なお、以下において説明する第1面M1の構成は、第1面M1と第1面M2との両方が有してもよい。
【0046】
<第1面の構成>
以下、第1面M1の構成について説明する。
【0047】
図2は、鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第1例を示す上面図である。図2では、第1領域RA1は、点線によって囲まれた領域として示されている。また、図2に示した例では、第1方向A1と反対の方向は、Z軸の負方向、すなわち、鉛直方向である。そして、当該例では、第1方向A1と反対の方向から第1面M1を見た場合において、第1領域RA1の形状は、矩形状である。この場合、第1面M1には、第1領域RA1を示すマーカとして、マーカMK1が設けられている。
【0048】
ここで、以下では、説明の便宜上、図2に示した矩形状の第1領域RA1が有する4つの角のうち、Y軸の負方向側に位置し、且つ、X軸の負方向側に位置している角を、第1角と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、図2に示した矩形状の第1領域RA1が有する4つの角のうち、Y軸の正方向側に位置し、且つ、X軸の負方向側に位置している角を、第2角と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、図2に示した矩形状の第1領域RA1が有する4つの角のうち、Y軸の正方向側に位置し、且つ、X軸の正方向側に位置している角を、第3角と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、図2に示した矩形状の第1領域RA1が有する4つの角のうち、Y軸の負方向側に位置し、且つ、X軸の正方向側に位置している角を、第4角と称して説明する。
【0049】
矩形状の第1領域RA1の特定には、第1角~第4角のうちの少なくとも2つの角の位置を特定する必要がある。このため、マーカMK1は、第1角の位置を示す第1マーカMK11と、第2角の位置を示す第2マーカMK12と、第3角の位置を示す第3マーカMK13と、第4角の位置を示す第4マーカMK14とのうちの少なくとも2つのマーカを含んでいる。なお、マーカMK1は、第1マーカMK11と、第2マーカMK12と、第3マーカMK13と、第4マーカMK14とのうちの少なくとも2つのマーカに加えて、第1領域RA1の輪郭上の位置のうち第1角~第4角それぞれの位置以外の1つ以上の位置を示す1つ以上のマーカを含む構成であってもよい。また、第1マーカMK11~第4マーカMK14の4つのマーカのうちの一部又は全部は、第1面M1上に添付されるシート状の物体(例えば、シール等)であってもよく、第1面M1の一部であってもよい。ここで、本実施形態では、ある位置を示すあるマーカが当該物体であった場合、第1面M1に設けられた当該マーカが有する面のうち送電コイルL1と反対側の面には、当該位置を示す図形(例えば、点、矢印、円等)、数値、文字等が赤外線を反射する材質によって描かれている。また、本実施形態では、ある位置を示すあるマーカが第1面M1の一部であった場合、当該マーカは、当該マーカの形状によって当該位置を示す。そして、当該場合、当該マーカが有する面のうち送電コイルL1と反対側の面の材質は、赤外線を反射する材質である。なお、本実施形態において、あるマーカがある位置を示す方法は、これら以外の既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。また、本実施形態において、赤外線を反射する材質は、グラファイト、アルミナ、シリカ、雲母、シリコン等であるが、これらに限られるわけではない。また、このような材質の赤外線の反射率は、赤外線を用いた撮像を行う撮像部30により撮像可能な反射率であれば、如何なる反射率であってもよい。例えば、このような材質の赤外線の反射率は、0.1~0.9の範囲内の反射率であるが、これに限られるわけではない。
【0050】
例えば、マーカMK1は、図2に示したように、第1マーカMK11と、第2マーカMK12と、第3マーカMK13と、第4マーカMK14との4つのマーカを含む構成であってもよい。なお、図2では、図が煩雑になるのを防ぐため、第1マーカMK11~第4マーカMK14のそれぞれを、四角形状の物体として示している。マーカMK1がこれら4つのマーカを含む場合、検出装置40は、撮像部30により撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK11~第4マーカMK14のそれぞれが示す位置を、当該撮像画像上における第1角~第4角それぞれの位置として特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上において特定した4つの位置に角を有する矩形状の領域を、当該撮像画像上における第1領域RA1として特定する。これにより、検出装置40は、図2に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。なお、本実施形態において、ある位置を示すあるマーカが撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上の当該マーカが示す当該位置を特定する方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。
【0051】
また、例えば、マーカMK1は、第1マーカMK11と、第2マーカMK12と、第3マーカMK13との3つのマーカを含む構成であってもよい。マーカMK1がこれら3つのマーカを含む場合、検出装置40は、撮像部30から取得した撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK11~第3マーカMK13のそれぞれが示す位置を、当該撮像画像上における第1角~第3角それぞれの位置として特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上において特定した3つの位置に基づいて、第1領域RA1の対角線を特定し、特定した対角線と、当該3つの位置とに基づいて、第1領域RA1を特定する。これによっても、検出装置40は、図2に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。このような当該撮像画像上における第1領域RA1の特定方法は、マーカMK1が第1マーカMK11、第2マーカMK12、第4マーカMK14の3つのマーカを含む場合、マーカMK1が第1マーカMK11、第3マーカMK13、第4マーカMK14の3つのマーカを含む場合、マーカMK1が第2マーカMK12、第3マーカMK13、第4マーカMK14の3つのマーカを含む場合のうちのいずれの場合に対しても、同様に適用可能である。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、第1マーカMK11と、第2マーカMK12と、第3マーカMK13と、第4マーカMK14との4つのマーカの中から任意に選択された3つのマーカをマーカMK1が含む場合であっても、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0052】
また、例えば、マーカMK1は、第1マーカMK11及び第2マーカMK12の2つのマーカを含む構成であってもよい。マーカMK1がこれら2つのマーカを含む場合、検出装置40には、第1マーカMK11と第2マーカMK12とを結ぶ直線が、矩形状の第1領域RA1が有する4つの辺のうちのいずれの辺であるかを示す情報と、第1領域RA1が有する4つの辺それぞれの寸法を示す情報と、撮像部30により撮像された撮像画像上での距離を現実世界の距離に変換するために必要な各種の情報との3つの情報が記憶されている。また、検出装置40は、当該場合、撮像部30から取得した撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK11及び第2マーカMK12のそれぞれが示す位置を、当該撮像画像上における第1角及び第2角それぞれの位置として特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上において特定した2つの位置と、予め記憶された当該3つの情報とに基づいて、当該撮像画像上における第1領域RA1を特定する。これによっても、検出装置40は、図2に示した第1領域RA1を精度よく特定することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。このような当該撮像画像上における第1領域RA1の特定方法は、マーカMK1が第2マーカMK12、第3マーカMK13の2つのマーカを含む場合、マーカMK1が第3マーカMK13、第4マーカMK14の2つのマーカを含む場合、マーカMK1が第4マーカMK14、第1マーカMK11の2つのマーカを含む場合のうちのいずれの場合に対しても、同様に適用可能である。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、第1マーカMK11と、第2マーカMK12と、第3マーカMK13と、第4マーカMK14との4つのマーカの中から任意に選択された隣り合う2つのマーカをマーカMK1が含む場合であっても、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0053】
また、例えば、マーカMK1は、第1マーカMK11及び第3マーカMK13の2つのマーカを含む構成であってもよい。マーカMK1がこれら2つのマーカを含む場合、検出装置40には、第1マーカMK11と第3マーカMK13とを結ぶ直線が、矩形状の第1領域RA1が有する2つの対角線のうちのいずれの対角線であるかを示す情報と、第1領域RA1が有する4つの辺それぞれの寸法を示す情報と、撮像部30により撮像された撮像画像上での距離を現実世界の距離に変換するために必要な各種の情報との3つの情報が記憶されている。また、検出装置40は、当該場合、撮像部30から取得した撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK11及び第3マーカMK13のそれぞれが示す位置を、当該撮像画像上における第1角及び第3角それぞれの位置として特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上において特定した2つの位置に基づいて、当該撮像画像上において第1角と第3角とを結ぶ対角線を特定し、特定した対角線と、当該2つの位置と、予め記憶された当該3つの情報とに基づいて、当該撮像画像上における第1領域RA1を特定する。これによっても、検出装置40は、図2に示した第1領域RA1を精度よく特定することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。このような当該撮像画像上における第1領域RA1の特定方法は、マーカMK1が第2マーカMK12、第4マーカMK14の2つのマーカを含む場合に対しても、同様に適用可能である。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、第1マーカMK11と、第2マーカMK12と、第3マーカMK13と、第4マーカMK14との4つのマーカの中から任意に選択された対角線上に並ぶ2つのマーカをマーカMK1が含む場合であっても、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0054】
なお、上記において説明した第1領域RA1の形状は、図2に示した矩形状に代えて、図3に示したように、円形状であってもよい。図3は、鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第2例を示す上面図である。図3でも、第1領域RA1は、点線によって囲まれた領域として示されている。また、図3に示した例でも、第1方向A1と反対の方向は、Z軸の負方向、すなわち、鉛直方向である。そして、当該例では、第1方向A1と反対の方向から第1面M1を見た場合において、第1領域RA1の形状は、前述した通り、円形状である。この場合、第1面M1には、第1領域RA1を示すマーカとして、マーカMK2が設けられている。
【0055】
円形状の第1領域RA1の特定には、第1領域RA1の中心の位置と、第1領域RA1の円周上の位置のうちの少なくとも1つとを特定する必要がある。このため、マーカMK2は、当該中心の位置を示す第1マーカMK21と、第1領域RA1の円周上の位置のうちの1つの位置として予め決められた第1位置を示す第2マーカMK22との2つのマーカを含んでいる。なお、マーカMK2は、これら2つのマーカに加えて、第1領域RA1の円周上の位置のうち第1位置と異なる1つ以上の位置のそれぞれを示す1つ以上のマーカを含む構成であってもよい。また、第1マーカMK21、第2マーカMK22の2つのマーカのうちのいずれか一方又は両方は、第1面M1状に添付されるシート状の物体(例えば、シール等)であってもよく、第1面M1の一部であってもよい。また、図3では、図が煩雑になるのを防ぐため、第1マーカMK21、第2マーカMK22のそれぞれを、四角形状の物体として示している。また、以下では、一例として、第1位置が、第1領域RA1の円周上の位置のうち、最もX軸の正方向側に位置する位置である場合について説明する。
【0056】
例えば、マーカMK2が第1マーカMK21と第2マーカMK22との2つのマーカを含む構成であった場合、検出装置40は、撮像部30により撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK21が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の中心の位置として特定し、当該撮像画像上において第2マーカMK22が示す位置を、当該撮像画像上における第1位置として特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上における当該中心の位置と第1位置とを結ぶ直線の長さを半径として特定し、特定した半径と、当該撮像画像上における当該中心の位置とに基づいて、当該撮像画像上における第1領域RA1として特定する。これにより、検出装置40は、図3に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0057】
なお、上記において説明した第1領域RA1の形状は、図4に示したように、楕円形状であってもよい。図4は、鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第3例を示す上面図である。図4でも、第1領域RA1は、点線によって囲まれた領域として示されている。また、図4に示した例でも、第1方向A1と反対の方向は、Z軸の負方向、すなわち、鉛直方向である。そして、当該例では、第1方向A1と反対の方向から第1面M1を見た場合において、第1領域RA1の形状は、前述した通り、楕円形状である。この場合、第1面M1には、第1領域RA1を示すマーカとして、マーカMK3が設けられている。
【0058】
楕円形状の第1領域RA1は、第1領域RA1の長軸と第1領域RA1の短軸との交点の位置と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置とを特定することにより特定することができる。このため、マーカMK3は、第1領域RA1の長軸と第1領域RA1の短軸との交点の位置を示す第1マーカMK31と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第2マーカMK32と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第3マーカMK33との3つのマーカを含んでいる。なお、以下では、一例として、第2マーカMK32が示す位置が、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちY軸の正方向側の点の位置である場合について説明する。また、以下では、一例として、第3マーカMK33が示す位置が、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちX軸の正方向側の点の位置である場合について説明する。また、マーカMK3は、これら3つのマーカに加えて、第1領域RA1の円周上の位置のうち第2マーカMK32及び第3マーカMK33のそれぞれが示す位置と異なる1つ以上の位置のそれぞれを示す1つ以上のマーカを含む構成であってもよい。また、第1マーカMK31~第3マーカMK33の3つのマーカのうちの一部又は全部は、第1面M1状に添付されるシート状の物体(例えば、シール等)であってもよく、第1面M1の一部であってもよい。また、図4では、図が煩雑になるのを防ぐため、第1マーカMK31~第3マーカMK33のそれぞれを、四角形状の物体として示している。
【0059】
例えば、マーカMK3が第1マーカMK31~第3マーカMK33の3つのマーカを含む構成であった場合、検出装置40は、撮像部30により撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK31が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の長軸と当該撮像画像上における第1領域RA1の短軸との交点の位置として特定する。また、当該場合、検出装置40は、当該撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第2マーカMK32が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の円周と、当該撮像画像上における第1領域RA1の長軸との交点の位置として特定する。また、当該場合、検出装置40は、当該撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第3マーカMK33が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の円周と、当該撮像画像上における第1領域RA1の短軸との交点の位置として特定する。そして、検出装置40は、このようにして特定した3つの位置に基づいて、当該撮像画像上における楕円形状の第1領域RA1として特定する。これにより、検出装置40は、図4に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0060】
ここで、楕円形状の第1領域RA1は、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点それぞれの位置と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点それぞれの位置とを特定することにより特定することもできる。このため、マーカMK3は、図5に示したように、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第1マーカMK41と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置を示す第2マーカMK42と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第3マーカMK43と、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第4マーカMK44との4つのマーカを含む構成であってもよい。図5は、図4に示した第1面M1上に設けられたマーカMK3の構成の他の例を示す図である。なお、以下では、一例として、第1マーカMK41が示す位置が、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちY軸の正方向側の点の位置である場合について説明する。また、以下では、一例として、第2マーカMK42が示す位置が、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちY軸の負方向側の点の位置である場合について説明する。また、以下では、一例として、第3マーカMK43が示す位置が、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちX軸の負方向側の点の位置である場合について説明する。また、以下では、一例として、第4マーカMK44が示す位置が、第1領域RA1の円周と第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちX軸の正方向側の点の位置である場合について説明する。また、マーカMK3は、これら4つのマーカに加えて、第1領域RA1の円周上の位置のうちこれら4つのマーカのそれぞれが示す位置と異なる1つ以上の位置のそれぞれを示す1つ以上のマーカを含む構成であってもよい。また、マーカMK3は、これら4つのマーカに加えて、第1領域RA1の長軸と、第1領域RA1の短軸との交点の位置を示すマーカを含む構成であってもよい。また、第1マーカMK41~第4マーカMK44の4つのマーカのうちの一部又は全部は、第1面M1状に添付されるシート状の物体(例えば、シール等)であってもよく、第1面M1の一部であってもよい。また、図5では、図が煩雑になるのを防ぐため、第1マーカMK41~第4マーカMK44のそれぞれを、四角形状の物体として示している。
【0061】
例えば、マーカMK3が第1マーカMK41~第4マーカMK44との4つのマーカを含む構成であった場合、検出装置40は、撮像部30により撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第1マーカMK41が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の円周と当該撮像画像上における第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置として特定する。また、当該場合、検出装置40は、当該撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第2マーカMK42が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の円周と、当該撮像画像上における第1領域RA1の長軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置として特定する。また、当該場合、検出装置40は、当該撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第3マーカMK43が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の円周と、当該撮像画像上における第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置として特定する。また、当該場合、検出装置40は、当該撮像画像に基づいて、当該撮像画像上において第4マーカMK44が示す位置を、当該撮像画像上における第1領域RA1の円周と、当該撮像画像上における第1領域RA1の短軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置として特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上において特定した4つの位置に基づいて、当該撮像画像上における楕円形状の領域を、当該撮像画像上における第1領域RA1として特定する。これにより、検出装置40は、図5に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0062】
また、マーカMK3は、第1マーカMK41と、第2マーカMK42と、第3マーカMK33との3つのマーカを含む構成であってもよい。この場合、例えば、検出装置40は、撮像部30により撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上における第1マーカMK41が示す位置と、当該撮像画像上における第2マーカMK42が示す位置と、当該撮像画像上における第3マーカMK43が示す位置と特定し、特定したこれら3つの位置に基づいて、当該撮像画像上における楕円形状の領域の長軸及び短軸のそれぞれに相当する直線を特定する。そして、検出装置40は、当該撮像画像上において特定した2つの直線に基づいて、当該撮像画像上における第1領域RA1を特定する。これによっても、検出装置40は、図5に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。このような当該撮像画像上における第1領域RA1の特定方法は、マーカMK3が第1マーカMK41、第2マーカMK42、第4マーカMK44の3つのマーカを含む場合、マーカMK3が第1マーカMK41、第3マーカMK43、第4マーカMK44の3つのマーカを含む場合、マーカMK3が第2マーカMK42、第3マーカMK43、第4マーカMK44の3つのマーカを含む場合のうちのいずれの場合に対しても、同様に適用可能である。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、第1マーカMK41と、第2マーカMK42と、第3マーカMK43と、第4マーカMK44との4つのマーカの中から任意に選択された3つのマーカをマーカMK1が含む場合であっても、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0063】
なお、上記において説明した第1領域RA1の形状は、図6に示したように、特定の名称が割り当てられていない形状であってもよい。図6は、鉛直方向に向かって見た場合の第1面M1の構成の第4例を示す上面図である。図6では、第1領域RA1は、太線によって囲まれた領域として示されている。また、図6に示した例でも、第1方向A1と反対の方向は、Z軸の負方向、すなわち、鉛直方向である。そして、当該例では、第1方向A1と反対の方向から第1面M1を見た場合において、第1領域RA1の形状は、前述した通り、特定の名称が割り当てられていない形状であり、歪んだ輪郭を有する形状である。この場合、第1面M1には、第1領域RA1を示すマーカとして、マーカMK4が設けられている。
【0064】
特定の名称が割り当てられていない形状の第1領域RA1の特定には、例えば、第1方向A1と反対の方向に向かって第1面M1を見た場合における第1領域RA1の輪郭を特定する必要がある。このため、マーカMK4は、当該輪郭を示す線状のマーカである。なお、マーカMK4は、当該輪郭を示すことが可能な範囲内において、点線状のマーカであってもよく、一点鎖線状のマーカであってもよく、他の種類の線状のマーカであってもよい。また、マーカMK4は、当該輪郭を示すことが可能なマーカであれば、如何なる形状のマーカであってもよい。また、マーカMK4は、第1面M1状に添付されるシート状の物体(例えば、シール等)であってもよく、第1面M1の一部であってもよい。
【0065】
例えば、検出装置40は、撮像部30により撮像された撮像画像に基づいて、当該撮像画像上においてマーカMK4が示す輪郭の内側の領域を、当該撮像画像上における歪んだ形状の第1領域RA1として特定する。これにより、検出装置40は、図6に示した第1領域RA1を精度よく特定することができ、第1領域RA1の近傍において発熱する物体が存在していたとしても、第1領域RA1内に異物が存在しているか否かを精度よく検出することができる。すなわち、ワイヤレス送電装置10は、赤外線カメラによる第1領域RA1上の異物の検出精度を向上させることができる。なお、マーカMK4は、歪んだ形状の第1領域RA1を示す構成に代えて、矩形状、円形状、楕円形状等の特定の名称が割り当てられている形状の第1領域RA1を示す構成であってもよい。すなわち、マーカMK4は、如何なる形状の第1領域RA1であっても、示すことができる。
【0066】
なお、上記において説明した各マーカのうちの一部又は全部は、導電性を有さない材質で構成されていてもよく、導電性を有する材質で構成されていてもよい。ここで、ワイヤレス送電装置10は、導電性を有する材質で構成されたマーカが、第1領域RA1上の位置のうち、送電コイルL1のコイル面の中心付近の直上の位置等の磁束密度の低い位置に設けられる場合、当該マーカの発熱を抑制することができる。また、ワイヤレス送電装置10は、導電性を有さない材質で構成されたマーカが第1領域RA1に設けられる場合、当該マーカの発熱を、より確実に抑制することができる。
【0067】
また、上記において説明した各マーカの形状が円形状のように対称性の高い形状であった場合、ワイヤレス送電装置10は、当該各マーカの材質が導電性を有していたとしても、渦電流の発生を抑制することができるため、当該各マーカが発熱してしまうことを抑制することができる。なお、例えば、矩形状は、円形状よりも対称性が低い形状である。
【0068】
また、上記において説明した各マーカの大きさは、撮像部30により撮像された撮像画像上において当該各マーカを検出可能な最小の大きさ以上のであれば、如何なる大きさであってもよい。なお、当該最小の大きさは、撮像部30の解像度によって決まる。
【0069】
また、上記において説明した各マーカの厚さは、表皮深さ以上の厚さであれば、如何なる厚さであってもよい。
【0070】
また、上記において説明した事項は、上記において説明したワイヤレス電力伝送システム1の特徴を損なわない限りにおいて、如何様に組み合わされてもよい。
【0071】
以上のように、実施形態に係るコイルユニット(上記において説明した例では、送電コイルユニット12、受電コイルユニット21)は、コイル(上記において説明した例では、送電コイルL1、受電コイルL2)と、コイルを収容する筐体(上記において説明した例では、筐体CS1、筐体CS2)と、を備え、筐体は、コイルのコイル面と直交する2つの方向のうちの第1方向(上記において説明した例では、第1方向A1、第1方向A2)と交差する第1部材(上記において説明した例では、第1部材CV1、第1部材CV2)を有し、第1部材が有する面のうちコイルと反対側の第1面(上記において説明した例では、第1面M1、第1面M2)には、予め決められた第1領域(上記において説明した例では、第1領域RA1)を示すマーカ(上記において説明した例では、マーカMK1、マーカMK2、マーカMK3、マーカMK4)が設けられており、マーカが有する面のうちコイルと反対側の面の材質は、赤外線を反射する材質である。これにより、コイルユニットは、赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0072】
また、コイルユニットでは、マーカの赤外線の反射率は、赤外線を用いた撮像を行う撮像部により撮像可能な反射率である、構成が用いられてもよい。
【0073】
また、コイルユニットでは、第1方向と反対の方向に向かって第1面を見た場合において、第1領域の形状は、矩形状であり、マーカ(上記において説明した例では、マーカMK1)は、第1領域が有する4つの角のうちの第1角の位置を示す第1マーカ(上記において説明した例では、例えば、第1マーカMK11)と、4つの角のうちの第2角の位置を示す第2マーカ(上記において説明した例では、例えば、第2マーカMK12)とを含む、構成が用いられてもよい。
【0074】
また、コイルユニットでは、マーカ(上記において説明した例では、マーカMK1)は、更に、4つの角のうちの第3角の位置を示す第3マーカ(上記において説明した例では、例えば、第3マーカMK13)を含む、構成が用いられてもよい。
【0075】
また、コイルユニットでは、第1面と直交する方向から第1面を見た場合において、第1領域の形状は、楕円形状であり、マーカ(上記において説明した例では、マーカMK3)は、第1領域の円周と第1領域の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第4マーカ(上記において説明した例では、第1マーカMK41)と、第1領域の円周と第1領域の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第5マーカ(上記において説明した例では、例えば、第3マーカMK43)とを含み、更に、第1領域の円周と第1領域の長軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置を示す第6マーカ(上記において説明した例では、例えば、第2マーカMK42)と、第1領域の円周と第1領域の短軸とが交差する2つの点のうちの他方の点の位置を示す第7マーカ(上記において説明した例では、例えば、第4マーカMK44)との少なくとも一方を含む、構成が用いられてもよい。
【0076】
また、コイルユニットでは、第1面と直交する方向から第1面を見た場合において、第1領域の形状は、楕円形状であり、マーカ(上記において説明した例では、マーカMK3)は、第1領域の長軸と第1領域の短軸との交点の位置を示す第8マーカ(上記において説明した例では、第1マーカMK31)と、第1領域の円周と第1領域の長軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第9マーカ(上記において説明した例では、第2マーカMK32)と、第1領域の円周と第1領域の短軸とが交差する2つの点のうちの一方の点の位置を示す第10マーカ(上記において説明した例では、第3マーカMK33)とを含む、構成が用いられてもよい。
【0077】
また、コイルユニットでは、第1面と直交する方向から第1面を見た場合において、第1領域の形状は、円形状であり、マーカ(上記において説明した例では、マーカMK2)は、第1領域の中心の位置を示す第11マーカ(上記において説明した例では、第1マーカMK21)と、第1領域の円周上の位置のうちの第1位置を示す第12マーカ(上記において説明した例では、第2マーカMK22)とを含む、構成が用いられてもよい。
【0078】
また、コイルユニットでは、マーカ(上記において説明した例では、マーカMK4)は、第1領域の輪郭を示す線状のマーカである、構成が用いられてもよい。
【0079】
また、コイルユニットでは、第1領域は、コイルと磁気結合する磁束が鎖交する領域である、構成が用いられてもよい。
【0080】
また、実施形態に係るワイヤレス送電装置(上記において説明した例では、ワイヤレス送電装置10)は、上記に記載のコイルユニットを備える。これにより、ワイヤレス送電装置は、赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0081】
また、実施形態に係るワイヤレス受電装置(上記において説明した例では、ワイヤレス受電装置20)は、上記に記載のコイルユニットを備える。これにより、ワイヤレス受電装置は、赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0082】
また、実施形態に係るワイヤレス電力伝送システム(上記において説明した例では、ワイヤレス電力伝送システム1)は、ワイヤレス送電装置と、ワイヤレス受電装置とを備えるワイヤレス電力伝送システムであって、ワイヤレス送電装置とワイヤレス受電装置との少なくとも一方は、上記に記載のコイルユニットを備える。これにより、ワイヤレス電力伝送システムは、赤外線カメラによる第1領域上の異物の検出精度を向上させることができる。
【0083】
以上、本発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…ワイヤレス電力伝送システム、10…ワイヤレス送電装置、11…送電ユニット、12…送電コイルユニット、20…ワイヤレス受電装置、21…受電コイルユニット、22…受電ユニット、30…撮像部、40…検出装置、AX…光軸、CS1、CS2…筐体、CV1、CV2…第1部材、G…地面、L1…送電コイル、L2…受電コイル、M1、M2…第1面、MK1、MK2、MK3、MK4…マーカ、MK11、MK21、MK31、MK41…第1マーカ、MK12、MK22、MK32、MK42…第2マーカ、MK13、MK33、MK43…第3マーカ、MK14、MK44…第4マーカ、RA1…第1領域、TC…三次元座標系
図1
図2
図3
図4
図5
図6