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▶ 住友重機械搬送システム株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023141993
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ピッキング装置、自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20230928BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20230928BHJP
   B25J 9/02 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B65G1/04 555Z
B25J9/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048627
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】川野 勉
(72)【発明者】
【氏名】河野 龍太
【テーマコード(参考)】
3C707
3F022
3F072
【Fターム(参考)】
3C707AS03
3C707BS05
3C707CS05
3C707CT03
3C707CV05
3C707CW05
3C707CY13
3C707DS01
3C707FS01
3C707FT02
3C707FT11
3C707FU01
3C707HS27
3C707KS03
3C707KS36
3C707KV11
3C707LT06
3C707LT12
3C707MT04
3C707NS06
3C707NS19
3F022EE02
3F022FF02
3F022JJ01
3F022JJ13
3F022KK11
3F022MM01
3F022MM66
3F072AA06
3F072GA10
3F072GD06
3F072GE05
3F072GF04
3F072KD01
3F072KD21
(57)【要約】
【課題】本開示の目的の一つは、荷を精度よく積み付け可能なピッキング装置を提供することにある。
【解決手段】ある態様のピッキング装置10は、荷12に対して相対移動可能に設けられ、荷12を保持可能な吊具2と、吊具2とは別に独立昇降可能に設けられ、荷を少なくとも2方向から検出可能な検出機構3と、を備え、検出機構3で検出した荷12に関する情報に基づいて、吊具2および検出機構3の少なくとも一方の位置を制御する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上の荷に対して相対移動可能に設けられ、荷を保持可能な吊具と、
前記吊具との相対位置を上下に変えることができるように設けられ、少なくとも2方向から荷を検出可能な第1検出機構と、
を備え、
前記第1検出機構で検出した荷に関する情報に基づいて、前記吊具および前記第1検出機構の少なくとも一方の位置を制御する、ピッキング装置。
【請求項2】
前記第1検出機構は、検出対象の荷に対して相対的に昇降可能に設けられる、請求項1に記載のピッキング装置。
【請求項3】
前記第1検出機構は、検出対象の荷を挟む位置に配置される2つの第1検出装置を含む、請求項1または2に記載のピッキング装置。
【請求項4】
前記第1検出機構は、前記吊具で保持した荷の下面を支持するための荷受部に取り付けられる、請求項1から3のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項5】
前記荷受部は、前記吊具に対して昇降可能である、請求項4に記載のピッキング装置。
【請求項6】
前記第1検出機構とは別に、検出対象の荷に対して相対的に昇降可能に設けられ、少なくとも2方向から当該荷を検出可能な第2検出機構を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項7】
前記第2検出機構は、検出対象の荷を挟む位置に配置される2つの第2検出装置を含む、請求項6に記載のピッキング装置。
【請求項8】
前記第2検出機構は、荷を積み付けるための領域に設けられる、請求項6または7に記載のピッキング装置。
【請求項9】
前記吊具を移動させるための機構とは別に、地上の荷と前記吊具で保持された荷の間の相対位置を変更可能な相対位置変更機構を備える、請求項1から8のいずれか1項に記載のピッキング装置。
【請求項10】
荷を保管する保管部を有する棚と、前記保管部の荷を移動させるピッキング装置と、を備える自動倉庫システムであって、
前記ピッキング装置は、
地上の荷に対して相対移動可能に設けられ、荷を保持可能な吊具と、
前記吊具との相対位置を上下に変えることができるように設けられ、少なくとも2方向から荷を検出可能な第1検出機構と、を備え、
前記第1検出機構で検出した荷に関する情報に基づいて、前記吊具および前記第1検出機構の少なくとも一方の位置を制御する、自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング装置および自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ある収容部の荷を、別の収容部へ移動させるピッキング装置が知られている。本出願人は、特許文献1において、ピッキング装置を備える自動倉庫システムに関する技術を開示した。このピッキング装置は、保持部と、保持部の底面に設けられた複数の吸着部と、ガントリ型のクレーン機構とを備えており、一の収容部の上方から対象の荷を取り出し、水平方向に移動させ、上方から他の収容部のパレットに当該対象の荷を降ろすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-200185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、以下の認識を得た。ピッキング装置において、荷が積載されたパレットから一部の荷を取り出して別のパレットに積み付けるとき、荷を安定して保持する観点から、積み付けた荷同士の隙間は小さいことが望ましい。荷同士の隙間を小さくするためには、荷を精度よく積み付けることが重要である。しかし、特許文献1に記載のピッキング装置は、荷を精度よく積み付けるという観点からは改善の余地がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、荷を精度よく積み付け可能なピッキング装置を提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のピッキング装置は、地上の荷に対して相対移動可能に設けられ、荷を保持可能な吊具と、吊具との相対位置を上下に変えることができるように設けられ、少なくとも2方向から荷を検出可能な第1検出機構と、を備え、第1検出機構で検出した荷に関する情報に基づいて、吊具および第1検出機構の少なくとも一方の位置を制御する。
【0007】
本発明の別の態様は自動倉庫システムである。この自動倉庫システムは、荷を保管する保管部を有する棚と、保管部の荷を移動させるピッキング装置と、を備える自動倉庫システムであって、ピッキング装置は、地上の荷に対して相対移動可能に設けられ、荷を保持可能な吊具と、吊具との相対位置を上下に変えることができるように設けられ、少なくとも2方向から荷を検出可能な第1検出機構と、を備え、第1検出機構で検出した荷に関する情報に基づいて、吊具および第1検出機構の少なくとも一方の位置を制御する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、荷を精度よく積み付け可能なピッキング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の自動倉庫システムを概略的に示す平面図である。
図2】複数の荷が積層された荷姿の一例を示す斜視図である。
図3】実施形態のピッキング装置の一例を示す正面図である。
図4図3のピッキング装置の第1姿態を示す図である。
図5図3のピッキング装置の第2姿態を示す図である。
図6】ピッキング装置のピッキング動作の一例を示すフローチャートである。
図7図6のピッキング動作の第1の過程を概略的に示す図である。
図8図6のピッキング動作の第2の過程を概略的に示す図である。
図9図6のピッキング動作の第3の過程を概略的に示す図である。
図10図6のピッキング動作の第4の過程を概略的に示す図である。
図11図6のピッキング動作の第5の過程を概略的に示す図である。
図12図6のピッキング動作の第6の過程を概略的に示す図である。
図13図6のピッキング動作の第7の過程を概略的に示す図である。
図14図6のピッキング動作の第8の過程を概略的に示す図である。
図15図6のピッキング動作の第9の過程を概略的に示す図である。
図16図6のピッキング動作の第10の過程を概略的に示す図である。
図17図6のピッキング動作の第11の過程を概略的に示す図である。
図18図6のピッキング動作の第12の過程を概略的に示す図である。
図19図6のピッキング動作の第13の過程を概略的に示す図である。
図20図6のピッキング動作の第14の過程を概略的に示す図である。
図21図6のピッキング動作の第15の過程を概略的に示す図である。
図22図6のピッキング動作の第16の過程を概略的に示す図である。
図23図6のピッキング動作の第17の過程を概略的に示す図である。
図24図6のピッキング動作の第18の過程を概略的に示す図である。
図25図6のピッキング動作の第19の過程を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を好適な実施形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0012】
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
図面を参照して実施形態に係るピッキング装置10を備えた自動倉庫システム100の構成を説明する。図1は、自動倉庫システム100を概略的に示す平面図である。
【0014】
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX方向、X方向に直交する水平な方向をY方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ方向とするXYZ直交座標系を定める。また、X方向を横方向と、Y方向を前後方向と、Z方向を上下方向ということがある。このような方向の表記は自動倉庫システム100の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム100は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。
【0015】
本明細書では、荷について下記の用語を用いる。内容物を収容した段ボール等のケースを「荷」という。荷には複数の物品が収容されてもよい。また、空荷のパレットを単に「パレット11」という。一のパレット11上に荷12が単数または複数載置されたものを「荷集合」という。以下の説明で「荷12」というときは、荷12単独の場合と、パレット11に搭載された状態の荷12の場合とを含む。荷12はピッキングを行うときに取り扱いされる最小単位であってもよい。
【0016】
図2は、複数の荷12が積層された荷姿の一例を示す斜視図である。内容物を取り出すために開封されることが想定された面を「反底面」といい、反底面とは反対側の面を底面という。図2では、反底面が上向で、底面が下向である状態の荷12を示す。荷12は、反転装置(不図示)により反転され、底面が上向面で反底面が下向面である反転状態でピッキング等の荷扱いがなされてもよい。反底面は、底面よりも開封容易であってもよいし、底面は、反底面よりも高強度であってもよい。表示方法の一例として、ケースの側面に印字された文字が反転した向きであれば反転状態であるとしてもよい。
【0017】
先に、自動倉庫システム100の全体構成を説明する。図1に示すように、自動倉庫システム100は、荷12を保管可能な複数の保管部52を有する棚5と、棚5に入庫または出庫のために荷12を移動する移動手段74、75、76と、荷12を保持して移動させるピッキング装置10と、制御部78とを主に備える。
【0018】
移動手段74、75、76は、第1移動手段74(例えば、第1台車)と、第2移動手段75(例えば、第2台車)と、第3移動手段76(例えば、昇降装置)とを含む。第1移動手段74、第2移動手段75および第3移動手段76は、荷12を、Y方向、X方向およびZ方向に移動させる搬送手段を構成する。第1移動手段74は、荷12をX方向に沿って移動させうる。第2移動手段75は、荷12をY方向に沿って移動させうる。第3移動手段76は、荷12をZ方向に移動させうる。
【0019】
例えば、搬送手段は、荷12を棚5の保管部52から搬出できる。例えば、搬送手段は、荷12を棚5の保管部52に搬入できる。例えば、搬送手段は、荷12を棚5の一の保管部52から棚5の他の保管部52に搬送できる。
【0020】
棚5は、多数の荷12を保管可能な保管スペースであり、保管棚と称されることがある。本実施形態の棚5は、第2走行路73を挟んで図中右側の棚55と、図中左側の棚56に区分されている。棚5の構成は、複数の荷12を収容、保管可能であれば、特に限定されない。この例では、棚5は、X方向、Y方向およびZ方向(段方向)に沿って配列された複数の保管部52を含む。X方向、Y方向に配列された複数の保管部52を保管ステージという。言い換えると、棚5は、段方向に配列された複数段(例えば、3段)の保管ステージを備える。各保管部52は、荷12を収容可能に構成されている。
【0021】
棚5には、第1移動手段74が走行するための第1走行路71(例えば、第1レール)と、第2移動手段75が走行するための第2走行路73(例えば、第2レール)とが設けられる。第1走行路71は、棚55、56およびピッキング空間58においてX方向に延設される。第1移動手段74は、各保管部52の下部を走行できる。第2走行路73は、棚55、56およびピッキング空間58に隣接してY方向に延設される。
【0022】
第1移動手段74は、モータ(不図示)によって車輪を駆動し、空荷または荷12を搭載した状態で第1走行路71をX方向に走行する。第1移動手段74は、第2移動手段75および第3移動手段76に乗降できる。第2移動手段75は、モータ(不図示)によって車輪を駆動し、第2走行路73をY方向に走行する。第2移動手段75は、空荷の状態または荷12を搭載した状態の第1移動手段74を移送する。第3移動手段76は、第2走行路73に隣接して設けられる。第3移動手段76は、第1移動手段74および荷12を任意の保管ステージから他の保管ステージに昇降させることができる。図1の例では、全段に対して単一の入出庫部77が設けられ、入出庫部77に第3移動手段76が連設されている。
【0023】
この例では、入庫対象の荷12は、フォークリフトなどの外部搬送手段(不図示)によって入出庫部77に搬入され、第3移動手段76によって目的の段に移送される。出庫対象の荷12は、保管されていた段から第3移動手段76によって入出庫部77の段に昇降され、入出庫部77に移送され、入出庫部77から外部搬送手段によって運び出される。
【0024】
制御部78は、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成され、ユーザからの操作結果に基づき、入庫、出庫、搬出、移送等のために荷12の移動を制御する。一例として、制御部78は、入出庫用の領域と保管部との間や、複数の保管部間で荷12を移送するように、第1移動手段74、第2移動手段75および第3移動手段76の動作を制御する。また、制御部78は、荷12をピッキングするためにピッキング装置10の動作を制御する。
【0025】
(ピッキング装置)
実施形態のピッキング装置10は、単一種の荷が積まれた単載パレットを複数準備し(例えば、入庫により)、客先の要望に合わせて複数種の荷を混載した混載パレットを作成する用途に好適である。混載パレットを作成する場合に、ピッキング装置10は、単載パレットの1層分の荷のうち一部の荷(1つ以上の荷)を取り出して混載パレットに移載する際、移載先の混載パレットの荷の状況を把握して、移載する荷の積み付け位置を高精度に制御することができる。
【0026】
図1図3図4図5を参照して、ピッキング装置10を説明する。図3(A)は、ピッキング装置10の一例を概略的に示す正面図である。この図では、一部の柱、梁、フレームなどの記載を省略している。
【0027】
ピッキング空間58は、ピッキング装置10を用いてピッキングを行うためのスペースである。ピッキング空間58は、棚56の外部に設けられてもよいが、この例では棚56内に設けられている。
【0028】
ピッキング空間58には、ピッキング前の荷12(以下、「第1荷集合121」という)を載置するための第1領域521と、ピッキング後の荷12(以下、「第2荷集合122」という)を載置するための第2領域522とが設けられる。ピッキング装置10は、第1領域521の第1荷集合121から取り出した荷12を、第2領域522に移動し、第2領域522の第2荷集合122に積み付けることができる。
【0029】
なお、第1領域521および第2領域522は、ピッキング空間58内の特定の場所を指すものではなく、荷12を一時的に保管する領域を指している。したがって、ピッキング空間58における第1領域521および第2領域522の位置や範囲はピッキング作業ごとに変化する場合もある。本実施形態の第1領域521および第2領域522は、保管部52と同様の構成を有する。
【0030】
本実施形態のピッキング空間58には、第1走行路71がX方向に延設されている。第1領域521および第2領域522は、第1走行路71上に設けられている。第1移動手段74は、第1領域521および第2領域522の下部を走行できる。ピッキング前の第1荷集合121は、第1移動手段74によって第1領域521に運び入れされる。ピッキング装置10は、第1荷集合121から所定の荷12を吸着して持ち上げ、移動させて、第2荷集合122に積み入れする。ピッキング後の第2荷集合122は、第1移動手段74によって第2領域522から運び出される。
【0031】
図3(A)に示すように、ピッキング装置10は、ピッキング前の第1荷集合121から1以上の荷12をピッキングして第2荷集合122へ移載する。本実施形態のピッキング装置10は、いわゆるガントリ型のクレーン機構60に支持されている。クレーン機構60は、一対の横梁63と、横桁62と、クレーン台車64と、吊具昇降機構66とを備える。一対の横梁63は、ピッキング空間58の上部空間においてY方向両側に離隔して設けられる。横梁63の両端は、縦柱61の上端に支持される。
【0032】
横桁62は、Y方向に延びるレール状の構造体で、一対の横梁63の間に架け渡される。横桁62は、横梁63上をX方向に自走可能に構成される。横桁62は、クレーンガータと称されることがある。クレーン台車64は、横桁62上をY方向に自走可能な台車である。吊具昇降機構66は、ピッキング装置10をクレーン台車64に吊下げるとともに、ピッキング装置10をZ方向に上下動させることができる。
【0033】
クレーン機構60は、ピッキング装置10を水平なX方向およびY方向に自在に移動可能に支持している。また、クレーン機構60は、ピッキング装置10を段方向(Z方向)に移動可能に支持している。
【0034】
図4は、ピッキング装置10の第1姿態を概略的に示す図であり、吊具2がクレーン機構60に対して最も下降し、且つ、荷受部9が吊具2に対して最も下降した状態を示す。図5は、ピッキング装置10の第2姿態を概略的に示す図であり、吊具2および荷受部9が最も上昇した状態を示す。図4(A)、図5(A)は正面図であり、図4(B)、図5(B)は側面図である。これらの図では、説明に重要でない一部の柱やフレームなどの記載を省略している。
【0035】
図3図4に示すように、ピッキング装置10は、吊具2と、荷受部9と、第1検出機構3と、第2検出機構4と、第3検出機構16と、相対位置変更機構8と、を備える。第1検出機構3、第2検出機構4および第3検出機構16を総称するときは検出手段という。
【0036】
図4の例では、吊具2は、吊具本体22と、荷12を保持可能な保持部6を有し、地上の荷12(以下、「地上荷」ということがある)に対して相対移動可能に設けられる。本明細書で「地上」は、ピッキング空間58の下面であって、第1領域521および第2領域522を含む領域を意味する。吊具本体22は、複数のフレーム材を組み合わせることによって形成された略長方形の平行六面体形状を有する。吊具本体22は、吊具昇降機構66の下端に連結され、吊具昇降機構66の上端はクレーン機構60のクレーン台車64に連結される。
【0037】
吊具昇降機構66は、クレーン台車64に連結されるガイド部661と、第1スライダ662と、第2スライダ663とを有する。第1スライダ662は、ガイド部661に対して上下にスライドできる。第2スライダ663は、第1スライダ662に対して上下にスライドできる。吊具昇降機構66は、制御部78の制御に基づいて、モータを含む駆動手段(不図示)によって、第1スライダ662および第2スライダ663を上下に移動させることにより、吊具本体22を昇降させることができる。
【0038】
保持部6は、ピッキング対象の荷12を保持可能であり、吊具2の下方に取り付けられる。この例の保持部6は、複数の吸着部68と、複数の吸着部68を支持するブラケット67とを備える。複数の吸着部68は、Y方向およびX方向に所定の間隔でマトリックス状に配置される。
【0039】
吸着部68は、吸着パッドを有し、真空発生源(不図示)により生成された大気圧よりも低圧の空気(以下、「吸引流体」という)が通され、吸着部68の吸着パッドに発生させた負圧によって、荷12を吸着するための吸着力を発生させる。真空発生源は、真空ポンプ、エジェクタ、真空ブロアなどを含んで構成できる。真空発生源からの吸引流体は、配管(不図示)を通じて吸着部68に供給される。
【0040】
吸着部68が荷12を吸着可能な吸着力を発生することを、吸着部68は「オン状態」といい、オン状態でない状態を「オフ状態」という。保持部6は、制御部78の制御に基づいて、複数の吸着部68のそれぞれのオン/オフ状態を切り替えることにより、吸着対象の荷12に対応する領域の吸着部68をオン状態にし、当該吸着対象の荷12を吸着して保持できる。
【0041】
荷受部9は、吊具2の保持部6で保持した荷12(以下、「保持荷」いうことがある)の下面を支持するための機構である。図4の例では、荷受部9は、複数の支持部材91と、一対の展開機構92と、一対の退避機構93とを含む。支持部材91は、X方向に延びる円筒パイプで、荷12を支持するときは、当該荷12の下面に展開される。一対の展開機構92は、吊具2のX方向両側に離間して配置され、展開された複数の支持部材91の両端を支持できる。複数の支持部材91はスラットと称されることがある。
【0042】
一対の退避機構93は、退避した複数の支持部材91の両端を支持できる。展開機構92はY方向に延び、退避機構93はZ方向に延び、それぞれ角張ったC字状の断面を有する。展開機構92の一端と退避機構93の下端は連結され、正面視で横向きのL字状を呈する。複数の支持部材91は、制御部78の制御に基づいて、展開機構92と退避機構93との間で移動する。
【0043】
荷受部9は、吊具2との相対位置を上下に変えることができるように設けられる。荷受部9は、吊具昇降機構66とは別の昇降機構により独立して昇降可能であってもよいが、図4の例では、吊具2に支持される。荷受部9は、荷受部昇降機構96を介して吊具本体22に連結され、荷受部昇降機構96によって、吊具2との相対位置を上下に変えることができる。
【0044】
荷受部昇降機構96は、吊具本体22に連結されるガイド部961と、ガイド部961に対して上下にスライド可能なスライド部962とを有する。スライド部962は、荷受部9の退避機構93に連結される。荷受部昇降機構96は、制御部78の制御に基づいて、モータを含む駆動手段(不図示)によって、スライド部962を上下に移動させることにより、荷受部9を昇降させることができる。
【0045】
第1検出機構3は、吊具2との相対位置を上下に変えることができるように設けられる。第1検出機構3は、吊具2および荷受部昇降機構96とは別の昇降機構により独立して昇降可能であってもよいが、図4の例では、荷受部9に固定され、荷受部9と一体的に移動する。この構成により、第1検出機構3は、検出対象の荷12に対して相対的に昇降できる。第1検出機構3は、吊具昇降機構66および荷受部昇降機構96の一方または両方によって、地上荷に対して、相対的に昇降できる。第1検出機構3は、荷受部昇降機構96によって、保持荷に対して、相対的に昇降できる。
【0046】
第1検出機構3は、少なくとも2方向から荷12を検出できる。第1検出機構3の検出対象の荷12は、保持荷および地上荷の一方であってもよいが、この例では両方である。第1検出機構3は、検出対象の荷12を囲むように互いに離間して配置された複数の第1検出装置32を含み得る。特に、第1検出機構3は、検出対象の荷12を挟む位置に配置される2つの第1検出装置32を含み得る。
【0047】
図3(B)は、第1検出機構3の配置の一例を示す模式図である。図3(B)の例では、第1検出機構3は、検出対象の荷12を囲む矩形の4隅に配置された4つの第1検出装置32を含む。図3(B)では、第1検出装置32のレーザの照射方向を4分円で示しており、それぞれの照射範囲は荷12を含む。4つの第1検出装置32の光軸L3は水平であり、照射光は図示の矢印の向きに照射される。つまり、第1検出装置32は、矢印の向きにある物体までの距離を検出できる。4つの第1検出装置32の光軸L3の高さは互いに異なっていてもよいが、この例では、同じである。
【0048】
第2検出機構4は、第1検出機構3とは別に設けられ、検出対象の荷12に対して相対的に昇降可能に設けられ、少なくとも2方向から当該荷12を検出できる。第2検出機構4は、荷12を積み付けるための第2領域522に設けられる。第2検出機構4の検出対象の荷12は、地上荷および保持荷の一方であってもよいが、この例では両方である。
【0049】
図3(C)は、第2検出機構4の配置の一例を示す模式図である。図3(C)の例では、第2検出機構4は、検出対象の荷12を囲む矩形の4隅に配置された4つの第2検出装置42を含む。図3(C)では、第2検出装置42のレーザの照射方向を4分円で示しており、それぞれの照射範囲は荷12を含む。4つの第2検出装置42の光軸L4は水平であり、照射光は図示の矢印の向きに照射される。つまり、第2検出装置42は、矢印の向きにある物体までの距離を検出できる。4つの第2検出装置42の光軸L4の高さは互いに異なっていてもよいが、この例では同じである。
【0050】
第2検出機構4は、検出対象の荷12に対して相対的に昇降可能に設けられる。図3(C)では、4つの第2検出装置42は、4隅に立設された支柱44に上下にスライド移動可能に設けられる。特に、各第2検出装置42は、制御部78の制御に基づいて、モータを含む駆動手段(不図示)によって、上下に移動できる。
【0051】
第3検出機構16は、吊具本体22の上部に固定され、上方から地上荷または保持荷の状態を検出できる。
【0052】
第1検出機構3、第2検出機構4および第3検出機構16(以下、「検出機構」と総称する)は、荷12を検出可能であれば構成に限定はないが、この例では、レーザ照射に対する散乱光を測定し、対象までの距離を検知可能なレーザセンサを含む。一例として、検出機構は、LIDAR(Light Detection and Ranging)を含む。検出機構は、それぞれの検出結果を制御部78に送信できる。
【0053】
保持荷を地上荷に積み付ける制度は高いことが望ましい。そこで、実施形態は吊具2を移動させるためのクレーン機構60とは別に、地上の荷12と吊具2で保持された荷12の間の相対位置を変更可能な相対位置変更機構8を備える。実施形態では、第1検出機構3および第2検出機構4は、地上荷と保持荷の相対位置を検出し、相対位置変更機構8は、当該相対位置の検出結果に基づいてこれらの荷の位置を修正し、位置修正後に保持荷を地上荷に積み付けする。
【0054】
相対位置変更機構8は、地上荷と保持荷の一方を移動させるものであってもよいし、これらの両方を移動させるものであってもよい。図4の例では、相対位置変更機構8は、吊具2に設けられ、モータを含む駆動手段(不図示)により保持部6を水平移動させることにより、保持荷の位置を修正できる。
【0055】
制御部78は、第1検出機構3と第2検出機構4の少なくとも一方の検出機構で検出した荷12に関する情報に基づいて、上述の駆動手段を制御し、もって吊具2、第1検出機構3および第2検出機構4の少なくとも1つの位置を変更できる。制御部78は、荷12に関する当該情報に基づいて、相対位置変更機構8を制御し、もって地上荷と保持荷の相対位置を修正できる。
【0056】
以上のように構成された、ピッキング装置10のピッキング動作の一例を説明する。図6は、ピッキング装置10の動作S110を示すフローチャートである。図7図25は、動作S110の各過程を概略的に示す図である。これらの図では、説明に重要でない部材の記載を省略している。動作S110は、第1領域521の第1荷集合121(地上荷)からピッキング対象の荷12(以下、「対象荷12A」という)を持ち上げて、第2領域522の第2荷集合122に積み付ける動作である。
【0057】
動作S110は、図7に示すように、ピッキング装置10が第1領域521の地上荷である第1荷集合121の上方に位置する状態で開始される。動作S110が開始されると、図8に示すように、制御部78は、第3検出機構16により対象荷12Aの位置ずれを検出し、対象荷とピッキング装置10の干渉がないことを確認する(ステップS111)。
【0058】
ステップS111を実行した後、図9に示すように、制御部78は、第1検出機構3が対象荷12Aよりも低い位置になるよう、荷受部9を下降させるとともに、保持部6の下端が対象荷12Aに接するまで、吊具2を下降させる(ステップS112)。この下降の途中で、第1検出機構3の光軸L3は対象荷12Aと交差する。このステップにおいて、制御部78は、所望の位置決め精度を確保し、高さのバラツキを抑制するように、第1検出機構3の検出結果に基づいて保持部6の高さ位置を制御する。
【0059】
ステップS112を実行した後、図10に示すように、制御部78は、対象荷12Aに対応する領域の吸着部68をオン状態にし、対象荷12Aを吸着する(ステップS113)。図10では、オン状態の吸着部68を黒に塗りつぶして示している。
【0060】
ステップS113を実行した後、図11に示すように、制御部78は、吸着した対象荷12Aを保持して、吊具2を上昇させる(ステップS114)。このステップにおいて、制御部78は、第1検出機構3の検出結果に基づいて、吸着された対象荷12Aが第1荷集合121から正常に分離され、正常姿勢で保持されているかを確認する。この確認動作は、第1検出機構3を上昇させながら実行できる。
【0061】
ステップS114を実行した後、図12に示すように、制御部78は、対象荷12Aを保持した状態で吊具2をさらに上昇させる(ステップS115)。このステップにおいて、制御部78は、第1検出機構3の検出結果に基づいて、対象荷12Aと第1荷集合121の高さ間隔が、複数の支持部材91を展開できる間隔を超えたかを確認する。この確認動作は、吊具2を上昇させながら実行できる。
【0062】
ステップS115を実行した後、図13に示すように、制御部78は、対象荷12Aを保持した状態で吊具2をさらに上昇させながら、複数の支持部材91を展開する(ステップS116)。
【0063】
ステップS116を実行した後、図14に示すように、制御部78は、複数の支持部材91が対象荷12Aの下面を支持可能な高さまで、荷受部9を上昇させる(ステップS117)。このステップは、吊具2を上昇させながら実行できる。
【0064】
ステップS117を実行した後、図15に示すように、制御部78は、第1検出機構3の検出結果に基づいて、対象荷12Aの高さを確認する(ステップS118)。このステップで、対象荷12Aの高さを確認したら、制御部78は、複数の支持部材91が対象荷12Aの下面に接するように荷受部9を上昇させる。このステップは、吊具2を上昇させながら実行できる。
【0065】
ステップS118を実行した後、図16に示すように、制御部78は、クレーン機構60により、第2領域522の地上荷である第2荷集合122の上方位置まで、ピッキング装置10を移動させる(ステップS119)。このステップで、制御部78は、第2検出機構4の検出結果に基づいて、第2荷集合122の位置や姿勢を確認する。この確認動作は第2検出機構4を上下に移動させながら実行できる。また、必要に応じて、第2荷集合122を事前に旋回しておいてもよい。
【0066】
ステップS119を実行した後、図17に示すように、制御部78は、対象荷12Aが第2荷集合122の予定位置(破線の枠で示す)の上方にくるように、ピッキング装置10を移動させる(ステップS120)。このステップで、制御部78は、第1検出機構3によって対象荷12Aの位置を検出し、第2検出機構4によって予定位置に隣接する荷(以下、「隣接荷12B」という)の位置を検出し、対象荷12Aと隣接荷12Bの隙間が所定範囲内になるようにクレーン機構60および相対位置変更機構8を制御する。
【0067】
ステップS120を実行した後、図18に示すように、制御部78は、対象荷12Aを第2荷集合122の予定位置に降ろすために吊具2と荷受部9を下降させる(ステップS121)。
【0068】
ステップS121を実行した後、図19に示すように、制御部78は、荷受部9が第2荷集合122と干渉しない高さまで、吊具2と荷受部9をさらに下降させる(ステップS122)。
【0069】
ステップS122を実行した後、図20に示すように、制御部78は、複数の支持部材91を退避機構93に退避させる(ステップS123)。この結果、対象荷12Aの下方が開き、対象荷12Aを予定位置まで下げうる状態になる。
【0070】
ステップS123を実行した後、図21に示すように、制御部78は、吊具2に対して荷受部9を上昇させる(ステップS124)。この結果、荷受部9が第2荷集合122と干渉しない状態になる。
【0071】
ステップS124を実行した後、図22に示すように、制御部78は、対象荷12Aを下げるために吊具2をさらに下降させる(ステップS125)。このステップでは、対象荷12Aが予定位置から所定の高さH(例えば、30mm)になるまで吊具2を下降させる。
【0072】
ステップS125を実行した後、図23に示すように、制御部78は、第1検出機構3によって対象荷12Aの位置を検出し、第2検出機構4によって隣接荷12Bの位置を検出し、これらの検出結果に基づいて相対位置変更機構8を制御し、対象荷12Aと隣接荷12Bの間の隙間gを減らす(ステップS126)。
【0073】
ステップS126を実行した後、図24に示すように、制御部78は、吊具2を下降させ、対象荷12Aを予定位置に降ろす(ステップS127)。このステップでは、制御部78は、対象荷12Aを吸着していた吸着部68をオフ状態にする。
【0074】
ステップS127を実行した後、図25に示すように、制御部78は、クレーン機構60によりピッキング装置10を所定位置まで上昇させる(ステップS128)。このステップでは、空荷の吊具2と荷受部9が上昇する。
【0075】
ピッキング装置10が所定位置まで上昇したら、動作S110は終了する。上述の各ステップは一例であって、各種の変形が可能である。
【0076】
以上のように構成されたピッキング装置10の特徴を説明する。ピッキング装置10は、地上の荷12に対して相対移動可能に設けられ、荷12を保持可能な吊具2と、吊具2との相対位置を上下に変えることができるように設けられ、少なくとも2方向から荷12を検出可能な第1検出機構3と、を備える。ピッキング装置10は、第1検出機構3で検出した荷12に関する情報に基づいて、吊具2および第1検出機構3の少なくとも一方の位置を制御する。
【0077】
この構成によれば、持ち上げた荷12を積み付ける場合に、荷12の積み付け位置の精度を向上できる。このように位置精度を高めることにより、互いに隣接する荷12同士の隙間を小さくできる。少なくとも2方向から荷12を検出するので、荷12の位置を高精度に検出できる。
【0078】
一例として、第1検出機構3は、検出対象の荷12に対して相対的に昇降可能に設けられる。この場合、昇降する第1検出機構3の検出結果により、検出対象の荷12の立体的な位置、形状および姿勢を検出できる。
【0079】
一例として、第1検出機構3は、検出対象の荷12を挟む位置に配置される2つの第1検出装置32を含む。この場合、荷12を挟む位置から検出するので、両側から荷12の位置と形状を検出できる。
【0080】
一例として、第1検出機構3は、吊具2で保持した荷12の下面を支持するための荷受部9に取り付けられる。この場合、荷受部9を昇降させる機構で、第1検出機構3を昇降させることができる。第1検出機構3のために専用の昇降機構を設ける場合よりも、小型化、軽量化、低コスト化に有利である。
【0081】
一例として、荷受部9は、吊具2に対して昇降可能である。この場合、荷受部9は、吊具2と一体的に昇降することができる他に、吊具2とは別に昇降することとができる。
【0082】
一例として、第1検出機構3とは別に、検出対象の荷12に対して相対的に昇降可能に設けられ、少なくとも2方向から当該荷12を検出可能な第2検出機構4を備える。この場合、第1検出機構3による保持荷の検出結果と、第2検出機構4による地上荷の検出結果とから、保持荷と地上荷の相対位置関係を高精度に把握できる。
【0083】
一例として、第2検出機構4は、検出対象の荷12を挟む位置に配置される2つの第2検出装置42を含む。この場合、荷12を挟む位置から検出するので、両側から荷12の位置と形状を検出できる。
【0084】
一例として、第2検出機構4は、荷12を積み付けるための第2領域522に設けられる。この場合、第2領域522に置かれた地上荷の位置を高精度に検出できる。
【0085】
一例として、吊具2を移動させるための機構60とは別に、地上の荷12と吊具2で保持された荷12の間の相対位置を変更可能な相対位置変更機構8を備える。この場合、これらの荷の相対位置を微調整して、これらの荷の間の隙間を小さくできる。
【0086】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明した。前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。また、図面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0087】
(変形例)
以下、変形例を説明する。変形例の図面および説明では、実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施形態と重複する説明を適宜省略し、実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0088】
実施形態の説明では、第1、第2検出機構3、4は、側面から検出対象の荷12を検出する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1、第2検出機構は、上方または下方から検出対象の荷を検出可能な検出装置を含むことができる。
【0089】
実施形態の説明では、相対位置変更機構8が吊具2に設けられ、保持荷の位置を修正する例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、相対位置変更機構は、地上荷の位置を変更可能な手段(例えば、台車)を含み、当該手段により地上荷の位置を修正する構成であってもよい。
【0090】
実施形態の説明では、ピッキング装置10が、自動倉庫に適用される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明のピッキング装置は、自動倉庫以外でもアームロボットを使用したデパレイズ装置やパレタイズ装置にも適用できる。
【0091】
実施形態の説明では、ピッキング空間58が、棚5と一体的に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、ピッキング空間58は、棚5の外部に設けられてもよい。この場合、荷12は、フォークリフトなどの搬送機構によって、棚5とピッキング空間58との間で搬送されてもよい。
【0092】
実施形態の説明では、ピッキング空間58が棚5と同じ平面に設けられる例を示したが、本発明はこれに限定されず、ピッキング空間58は棚5とは異なる平面に設けられてもよい。また、ピッキング装置10の一部が棚5と同じ平面に設けられ、他の部分が棚5の平面範囲から外へ張り出してもよい。
【0093】
実施形態の説明では、第2移動手段75と第3移動手段76が別個に備えられる例を示したが、これに限定されない。第2移動手段として、荷12を段方向および列方向に移動可能な移動手段(例えば、スタッカークレーン)を採用してもよい。この場合、スタッカークレーンは、第1移動手段を搭載できないものであってもよいし、荷12とともに第1移動手段を搭載可能なものであってもよい。
【0094】
実施形態の説明では、全段に対して単一の入出庫部77が設けられ、入出庫部77に第3移動手段76が連設される例を示したが、これに限定されない。各段それぞれに入出庫部が設けられ、入出庫する荷は、フォークリフトによって各段の入出庫部に出し入れされてもよい。また、入出庫部は入庫部と出庫部とに分けられていてもよい。
【0095】
実施形態の説明では、ピッキング装置10が、ガントリ型のクレーン機構60によって天井側から支持される例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ピッキング装置は多関節ロボットや別構成の支持手段によって支持されてもよい。また、ピッキング装置は側方の横壁に取付けられ、側方から支持される構成であってもよい。
【0096】
これらの各変形例は、実施形態と同様の作用と効果を奏する。
【0097】
上述した各実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0098】
2 吊具、 3 第1検出機構、 4 第2検出機構、 5 棚、 8 相対位置変更機構、 9 荷受部、 10 ピッキング装置、 12 荷、 32 第1検出装置、 42 第2検出装置、 52 保管部、 66 吊具昇降機構、 100 自動倉庫システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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