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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142002
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】搬送装置、脱着治具及び搬送ローラ
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/53 20060101AFI20230928BHJP
   B65G 15/50 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B65G47/53 C
B65G15/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048642
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】592053778
【氏名又は名称】株式会社日本設計工業
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】弁理士法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名倉 成之
【テーマコード(参考)】
3F016
3F024
【Fターム(参考)】
3F016AA01
3F016CC01
3F016CG03
3F024CA06
3F024CB03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】底面に異形リング状縁部を有するワークを搬送する途中で、直交するコンベアに、ワークの変位や、回転なく移載することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置10は、底面に異形リング状縁部を有するワークWを、直線的に搬送するための直線状コンベア20と、直交する方向にワークWを搬送する直交コンベア30と、直交移載装置40と、を備え、直線状コンベアは、2条のゴム系タイミングベルト22A、22Bから構成され、直交コンベアは、平行な2条のゴム系直交タイミングベルト32A、32Bを有し、且つ、直線搬送面よりも低い高さの直交搬送面を構成し、直交移載装置は、回転軸が直線状コンベアの2条のタイミングベルトの搬送方向と平行にされた4本の搬送ローラ42A、42B、44A、44Bと、出側直交搬送ローラ45と、を有し、直線状コンベアの搬送面を昇降するコンベア昇降装置と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に異形リング状縁部を有するワークを、その底面を水平な直線搬送面に載置して直線的に搬送するための直線状コンベアと、前記直線状コンベアと直交する方向に前記ワークを搬送する直交コンベアと、前記直線状コンベアから前記直交コンベアに前記ワークを移載する直交移載装置と、を備えた搬送装置であって、
前記直線状コンベアは、平行な2条のゴム系タイミングベルトから構成され、前記2条のタイミングベルトにおける幅方向外側両端間の距離、及び、前記2条のタイミングベルト間の距離が、1条毎に、前記異形リング状縁部における少なくとも各2点で前記ワークが載置されるようにされてなり、
前記直交コンベアは、前記直線状コンベアにおける、平行な2条のゴム系タイミングベルトと同様の構成の、平行な2条のゴム系直交タイミングベルトを有し、且つ、前記直線状コンベアの搬送面よりも低い高さの直交搬送面を構成し、
前記直交移載装置は、回転軸が前記2条のタイミングベルトの搬送方向と平行にされた少なくとも4本の搬送ローラと、前記直線状コンベアの一部を構成するコンベアモジュールを、前記搬送面高さと前記直交搬送面よりも低い退避高さとの間で上下動可能とするコンベア昇降装置と、を有してなり、前記少なくとも4本の搬送ローラによる水平の移載搬送面の高さが前記直交搬送面と同一の高さとされ、
前記搬送ローラは、少なくとも前記2条のタイミングベルトを、その幅方向両側から挟み込む位置に配置された計4本を含み、且つ、各々はローラ軸方向中間部分が細径の非接触部とされ、前記非接触部のローラ軸方向両側部分が搬送すべきワークの底面に接触するように前記非接触部よりも太径の接触支持部とされ、
前記接触支持部は、前記直交コンベアにおける前記2条の直交タイミングベルトの幅方向両外側間範囲よりも長く構成され、前記直交コンベアにおける前記2条の直交タイミングベルトの前記幅方向両外側間の範囲であって、前記2条の直交タイミングベルトの搬送面の延長線上の範囲で前記直交搬送面を構成するように配置されたことを特徴とするワークの搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記2条のタイミングベルトの幅方向両外側端間の距離を、前記異形リング状縁部における最小外径よりも大きくしたことを特徴とするワークの搬送装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記搬送ローラは、鉄系金属からなる硬質ロールにおける前記非接触部の軸方向両側の外周に各々ゴムリングを嵌合して前記接触支持部が構成されていることを特徴とするワークの搬送装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記軸方向一対のゴムリングは、各々軸方向に2又は3分割された長さの小ゴムリングからなり、前記小ゴムリングは各々が前記硬質ロールに、軸方向に順次嵌合、且つ、順次取外し可能とされていることを特徴とするワークの搬送装置。
【請求項5】
請求項3又は4において、
前記直交移載装置は、前記1条のタイミングベルトのコンベア幅方向外側の、前記直交コンベアに臨む側の前記搬送ローラと、前記直交コンベアとの間に、更に1本の出側直交搬送ローラが備えられていることを特徴とするワークの搬送装置。
【請求項6】
鉄系金属からなる硬質ロールの軸方向両端部の外周に、各々軸方向に2又は3個の、同一サイズの小ゴムリングを嵌合してなる搬送ローラに対して、前記硬質ロールの軸線と直交する直平面内で、前記硬質ロールにおける、前記嵌合された小ゴムリング間の隣接面に挿入可能で、且つ、前記小ゴムリング装着状態の前記搬送ローラの軸方向に進退自在の一対の引離しプレートを有してなり、
前記一対の引離しプレートは、前記硬質ロールの軸線に対して直交し、且つ、前記隣接面を通る直平面内で、前記小ゴムリングを直径方向に挟み込むように進退自在で、前記硬質ロールの軸線方向から見て、前記小ゴムリング側が左右対称のU字形状に開口した凹部を備え、該凹部におけるU字の幅は、前記硬質ロールが入り込む大きさで、且つ、内径が前記小ゴムリングの外径よりも小さくされたことを特徴とする硬質ロールへの小ゴムリングの脱着治具。
【請求項7】
請求項6において、
内径が前記小ゴムリングの外径より大きく、外径が、前記硬質ロールを直径方向に挟み込んだ状態の、前記一対の引離しプレートにおける、前記小ゴムリングの外側領域に前記硬質ロールの軸方向に当接可能の大きさとされた脱着パイプを有することを特徴とする硬質ロールへの小ゴムリングの脱着治具。
【請求項8】
底面に異形リング状縁部を有するワークを、その底面を水平な直線搬送面に載置してローラ軸と直交する方向に直線的に搬送するためのコンベア用の搬送ローラであって、
前記搬送ローラは、前記異形リング状縁部に非接触となるようにローラ軸方向中間部分が細径の非接触部とされ、前記非接触部のローラ軸方向両側部分が搬送すべきワークの底面に接触するように前記非接触部よりも太径の接触支持部とされたことを特徴とする搬送ローラ。
【請求項9】
請求項8において、
前記搬送ローラは、鉄系金属からなる硬質ロールにおける前記非接触部の軸方向両側の外周に各々ゴムリングを嵌合して前記接触支持部が構成されていることを特徴とする搬送ローラ。
【請求項10】
請求項9において、
前記軸方向一対のゴムリングは、各々軸方向に2又は3分割された長さの小ゴムリングからなり、前記小ゴムリングは各々が前記硬質ロールに、軸方向に順次嵌合、且つ、順次取外し可能とされていることを特徴とする搬送ローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、底面に異形リング状縁部があるワークを、直線状搬送コンベアから位置ずれやねじれを生じることなく直交コンベアに移載することができる搬送装置、これに用いる硬質ロールへの小ゴムリングの脱着治具、及び、搬送ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
精密機械や、工具の軸が集中する変速機などの端面を覆うカバー、あるいは型成形される大型のガラス花器などを工場にて、コンベアで搬送することがある。これらのワークは、底面が非円形あるいは非方形である異形リング状縁部を有し、その底面外周あるいは底面外周近くに設けられた糸尻突起状の縁部がある場合、このワーク底面をコンベアによって搬送するとき、該コンベアの搬送面に対して、ワーク底面が左右不均一に接触することになる。
【0003】
また、ワークがコンベアベルトを次々と乗継いで移動する時、ワークと搬送面との摩擦係数が異なったり、上流のコンベアでの搬送面との接触位置と下流での搬送面との接触位置の変化により、ワークは二次元的にあるいは回転方向に移動しやすい。
【0004】
これに対して、2条のゴム系タイミングベルト上に、異形リング状縁部が、一部タイミングベルトからはみ出すような形で載置搬送すると、2条のタイミングベルト間の空間は異形リング状縁部に接触することがなく、且つ、タイミングベルトは、左右が同期して作動し、且つ、ゴムに対して滑ることが無いので、左右のベルト間の位相差が生じることはなく、ワークを問題なく搬送することができる。
【0005】
しかしながら、このようなワークを、2条のゴム系タイミングベルト上から、移載用コンベアにより直角に搬送方向を変換して、次の直交タイミングベルトに移載する時に、最初の異形リング状縁部と2条のゴム系タイミングベルトとの接触部分の間が、移載用コンベアに接触して、ワークの位置、又は姿勢が変更されてしまうという問題点が生じる。
【0006】
その対策として、例えばロボットによってワークを吊上げて、正しい位置に回転したり位置を戻して直交するコンベアの搬送面に下ろすことが考えられる。
【0007】
しかしながら、このようにすると、方向転換に時間がかかると共に、このロボットやセンサーのコストがかかり、これらに作動不良が生じた時に、ラインが停止してしまうリスクが大きくなるという問題点が残る。
【0008】
先行技術文献として、特許文献1があるが、2条ベルトによって搬送中にこれを直角方向などに方向転換する搬送装置は何ら開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭60-169148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、底面に異形リング状縁部を有するワークを搬送する途中で、直交するコンベアに、ワークが変位したり、回転したりすることがなく、直交するゴム系2条タイミングベルトに移載することができるようにした搬送装置、この搬送装置に用いる搬送ローラ、及び、この搬送ローラからのゴムリング脱着治具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、ワークを直線的に搬送する2条のゴム系タイミングベルトを挟み込むようにして設けられ、直交する方向に回転可能な搬送ローラを含む直交移載装置を設け、この搬送ローラの中間部を、直交するゴム系タイミングベルト間の隙間に対応する範囲で、搬送ローラ上のワークに非接触となるように細径部として、又、この細径部の軸方向両側に摩擦係数が大きいゴムリングを嵌合して、着実にワークを搬送することができるようにした。
【0012】
即ち、以下の実施例により、上記課題を解決することができる。
【0013】
本発明は、底面に異形リング状縁部を有するワークを、その底面を水平な直線搬送面に載置して直線的に搬送するための直線状コンベアと、前記直線状コンベアと直交する方向に前記ワークを搬送する直交コンベアと、前記直線状コンベアから前記直交コンベアに前記ワークを移載する直交移載装置と、を備えた搬送装置であって、前記直線状コンベアは、平行な2条のゴム系タイミングベルトから構成され、前記2条のタイミングベルトにおける幅方向外側両端間の距離、及び、前記2条のタイミングベルト間の距離が、1条毎に、前記異形リング状縁部における少なくとも各2点で前記ワークが載置されるようにされてなり、前記直交コンベアは、前記直線状コンベアにおける、平行な2条のゴム系タイミングベルトと同様の構成の、平行な2条のゴム系直交タイミングベルトを有し、且つ、前記直線状コンベアの搬送面よりも低い高さの直交搬送面を構成し、前記直交移載装置は、回転軸が前記2条のタイミングベルトの搬送方向と平行にされた少なくとも4本の搬送ローラと、前記直線状コンベアの一部を構成するコンベアモジュールを、前記搬送面高さと前記直交搬送面よりも低い退避高さとの間で上下動可能とするコンベア昇降装置と、を有してなり、前記少なくとも4本の搬送ローラによる水平の移載搬送面の高さが前記直交搬送面と同一の高さとされ、前記搬送ローラは、少なくとも前記2条のタイミングベルトを、その幅方向両側から挟み込む位置に配置された計4本を含み、且つ、各々はローラ軸方向中間部分が細径の非接触部とされ、前記非接触部のローラ軸方向両側部分が搬送すべきワークの底面に接触するように前記非接触部よりも太径の接触支持部とされ、前記接触支持部は、前記直交コンベアにおける前記2条の直交タイミングベルトの幅方向両外側間範囲よりも長く構成され、前記直交コンベアにおける前記2条の直交タイミングベルトの前記幅方向両外側間の範囲であって、前記2条の直交タイミングベルトの搬送面の延長線上の範囲で前記直交搬送面を構成するように配置されたことを特徴とするワークの搬送装置により、上記課題を解決するものである。
【0014】
また、本発明は、鉄系金属からなる硬質ロールの軸方向両端部の外周に、各々軸方向に2又は3個の、同一サイズの小ゴムリングを嵌合してなる搬送ローラに対して、前記硬質ロールの軸線と直交する直平面内で、前記硬質ロールにおける、前記嵌合された小ゴムリング間の隣接面に挿入可能で、且つ、前記小ゴムリング装着状態の前記搬送ローラの軸方向に進退自在の一対の引離しプレートを有してなり、前記一対の引離しプレートは、前記硬質ロールの軸線に対して直交し、且つ、前記隣接面を通る直平面内で、前記小ゴムリングを直径方向に挟み込むように進退自在で、前記硬質ロールの軸線方向から見て、前記小ゴムリング側が左右対称のU字形状に開口した凹部を備え、該凹部におけるU字の幅は、前記硬質ロールが入り込む大きさで、且つ、内径が前記小ゴムリングの外径よりも小さくされたことを特徴とする硬質ロールへの小ゴムリングの脱着治具により上記課題を解決するものである。
【0015】
また、本発明は、底面に異形リング状縁部を有するワークを、その底面を水平な直線搬送面に載置してローラ軸と直交する方向に直線的に搬送するためのコンベア用の搬送ローラであって、前記搬送ローラは、前記異形リング状縁部に非接触となるようにローラ軸方向中間部分が細径の非接触部とされ、前記非接触部のローラ軸方向両側部分が搬送すべきワークの底面に接触するように前記非接触部よりも太径の接触支持部とされたことを特徴とする搬送ローラにより上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、2条ゴム系タイミングベルトによって搬送された底面に異形リング状縁部を有するワークを、直交するゴム系タイミングベルトに、二次元方向にずれたり姿勢がねじれたりすることなく移載することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例に係る搬送装置を模式的に示す平面図
図2】同搬送装置によって搬送されるワーク及びこのワークに設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダーとの位置関係を示す斜視図
図3図1のIII-III線に沿う拡大側面図
図4図1の直交移載装置を拡大して示す平面図
図5】2条のゴム系タイミングベルトによって搬送され、直交する直交コンベアに移載される直前の状態から、移載終了後までの、タイミングベルトと異形リング状縁部との接触点を模式的に示す平面図
図6】直交移載装置における搬送ローラを構成する硬質ロール及びこれに嵌合されるゴムリングとゴムリングを取外すための治具を示す斜視図
図7】同治具の一部をゴムリング間に差込んだ状態の搬送ローラを示す斜視図
図8】上記実施例に係る搬送装置における制御装置を示すブロック図
図9】ゴムリングの取外しのための治具を搬送ローラに装着した状態を示す斜視図
図10】ゴムリングを硬質ロールから取外す過程を示す斜視図
図11】ワークの形状、大きさによってゴムリングの数を2又は3とする場合を模式的に比較して示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施例]
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る搬送装置10について説明する。
【0019】
図1に示されるように、搬送装置10は、底面1に異形リング状縁部2(図2参照)を有するワークWを、その底面1を水平な直線搬送面21(図3参照)に載置して直線的に搬送するための直線状コンベア20と、直線状コンベア20と直交する方向にワークWを搬送する直交コンベア30と、直線状コンベア20から直交コンベア30にワークWを移載する直交移載装置40と、を備えている。
【0020】
直線状コンベア20は、平行な2条のゴム系タイミングベルト22A、22Bを備え、これら2条のタイミングベルト22A、22Bにおける幅方向外側両端間の距離Lout、及び、2条のタイミングベルト22A、22B間の距離Linが、1条毎に、異形リング状縁部2における少なくとも各2点でワークWが載置されるように構成されている。
【0021】
直交コンベア30は、直線状コンベア20における、平行な2条のゴム系タイミングベルト22A、22Bと同様の構成の、平行な2条のゴム系直交タイミングベルト32A、32Bを有し、且つ、直線搬送面21よりも低い高さの直交搬送面31を構成している。
【0022】
直交移載装置40は、回転軸が2条のタイミングベルト22A、22Bの搬送方向と平行にされた4本の搬送ローラ42A、42B、44A、44Bと、出側直交搬送ローラ45と、直線状コンベア20の一部を構成する3つのコンベアモジュール24A、24B、24Cのうち、1つのコンベアモジュール24C(図4参照)の搬送面を、直線搬送面21の高さと直交搬送面31よりも低い退避高さ21Aとの間で上下動可能とするコンベア昇降装置26と、を有して構成されている。
【0023】
搬送ローラ42A、42B、44A、44B及び出側直交搬送ローラ45の水平の移載搬送面46の高さは、直交搬送面31と同一の高さとされている。
【0024】
搬送ローラ42A、42Bは、タイミングベルト22Aを、また、搬送ローラ44A、44Bはタイミングベルト22Bを、各々幅方向両側から挟み込む位置に配置されている。出側直交搬送ローラ45は、図1において、最も下側の搬送ローラ44Bと、直交コンベア30との間に、搬送ローラ42A~44Bと平行に配置されている。
【0025】
又、搬送ローラ42A~44B及び出側直交搬送ローラ45は、各々が、ローラ軸方向中間部分が細径の非接触部47とされ、非接触部47のローラ軸方向両側部分が搬送すべきワークWの底面1に接触するように、非接触部47よりも太径の接触支持部48A、48Bとされている。
【0026】
接触支持部48A、48Bは、直交コンベア30における2条のタイミングベルト32A、32Bの幅方向両外側間範囲よりも長く、且つ、幅方向両外側間の範囲で直交搬送面31を構成するように配置されている。
【0027】
ここでは、2条のタイミングベルト22A、22Bの幅方向両外側端間の距離Loutを、異形リング状縁部2における最小外径よりも大きくして、異形リング状縁部2が、直線状コンベア20に載置された時に、その直線搬送面21内において、タイミングベルト22A、22Bと、少なくともそれぞれ2箇所(図5の接触点23参照)で接触するようにされている。なお、図5の符号27は非接触点を示す。
【0028】
ここで、直交移載装置40における搬送ローラ42A~44B、及び、出側直交搬送ローラ45は、図6図7に拡大して示されるように、鉄系金属からなる硬質ロール50における軸方向中央位置の細径の非接触部47の軸方向両側の外周に、各々ゴムリング52、54を嵌合して構成され、これらの外周により接触支持部48A、48Bが構成されている。
【0029】
この実施例に係る搬送装置10は、図8に示されるように、制御装置60を備えている。この制御装置60は、直線状コンベア20、直交コンベア30、直交移載装置40、コンベア昇降装置26、BCR(バーコードリーダー)12を制御するものである。
【0030】
又、この実施例において、直交移載装置40における搬送ローラ42A~44Bと、出側直交搬送ローラ45とは、上記のように、硬質ロール50にゴムリング52、54を嵌合して構成されていて、これらのゴムリング52、54は、各々軸方向に2分割された長さの小ゴムリングから構成され、これら小ゴムリング52A、52B、54A、54Bは、各々が硬質ロール50に、軸方向に順次嵌合、且つ、順次取外し可能に構成されている。なお、ゴムリングは、三分割された長さの小ゴムリングから構成しても良い(詳細後述)。
【0031】
上記の、出側直交搬送ローラ45は、4本の搬送ローラ42A~44Bと、直交コンベア30との間に配置され、搬送ローラ42A~44Bによって搬出されたワークWを、直交コンベア30の直交搬送面に円滑に移載するように構成されている。
【0032】
上記のゴムリング52、54又は小ゴムリング52A~54Bは、硬質ロール50の軸方向の両端から圧入され、ワークWを滑ることなく直交コンベア30に移載出来るようにされている。
【0033】
このゴムリング52、54又は小ゴムリング52A~54Bは、硬質のゴム材を用いているが、ワークWとの接触により、表面が傷ついたり、摩耗したりするので、適宜交換する必要がある。
【0034】
次に、図6図7及び図9図10を参照して、鉄系金属からなる硬質ロール50に強く圧入されている小ゴムリング52A~54Bを、簡単に取外しできるようにした脱着治具70について説明する。
【0035】
脱着治具70は、図6図7に示されるように、硬質ロール50に嵌合された小ゴムリング52A~54B間の隣接面53、55に挿入可能で、且つ、ゴムリング装着状態の搬送ローラ42A~44B、45の軸方向に進退自在の一対の引離しプレート72A、72Bを含んでいる。
【0036】
これら一対の引離しプレート72A、72Bは、硬質ロール50の軸線に対して直交し、且つ、隣接面53、55を含む直平面内で、小ゴムリングを直径方向に挟み込むように進退自在で、硬質ロール50の軸線方向から見て、小ゴムリング側が左右対称のU字形状に開口した凹部74A、74Bを備え、該凹部74A、74BにおけるU字の幅は、硬質ロール50が入り込む大きさで、且つ、内径が小ゴムリングの外径より小さくされている。
【0037】
即ち、小ゴムリングを硬質ロール50から取外すとき、図9に示されるように、硬質ロール50と直交する平面内で左右から隣接面53、55間に、U字形の凹部74A、74Bを硬質ロール50の表面に当接するように押し込んで、2つの引離しプレート72A、72Bにより、硬質ロール50の隣接面53、55の軸方向位置で硬質ロール50を軸方向に取り囲む状態とする。
【0038】
次に、図9に示される状態で、図10に示されるように、硬質ロール50に対して引離しプレート72A、72Bの軸方向反対側から脱着パイプ76を挿嵌して、下側から、硬質ロール50を径方向に挟み込んだ引離しプレート72A、72Bを脱着パイプ76により押し上げると、小ゴムリング52Bに対して、その軸方向外側の小ゴムリング52Aを硬質ロール50から抜き出すことができる。ここで、脱着パイプ76の長さは、硬質ロール50よりも長く、且つ、内径はゴムリング52、54の外径よりも大きく、且つ、組合わされた状態の引離しプレート72A、72Bの外径よりも小さくされている。
【0039】
同様にして、小ゴムリング52Bの下側に引離しプレート72A、72Bを差し込んで、下方から脱着パイプ76によってこれら引離しプレート72A、72Bを押し上げれば、残った小ゴムリング52Bも取外すことができる。
【0040】
又、小ゴムリングの嵌合時には、最初に、小ゴムリング52Bを硬質ロール50に装着して、その上から、図9に示されるように組合わされた一対の引離しプレート72A、72Bを、脱着パイプ76によって図9において押し下げれば、小ゴムリング52Bは容易に、且つ、強く硬質ロール50に嵌合させることができる。同様のことを繰返して、小ゴムリング52Aを小ゴムリング52Bに隣接する位置まで押し下げて嵌合させることができる。
【0041】
なお上記実施例において、ゴムリング52、54は各々2個(2列)の小ゴムリング52A、52B、及び、小ゴムリング54A、54Bから構成されているが、図11の右半部に示されるように、各々3個(3列)の小ゴムリング52a、52b、52c、及び、小ゴムリング54a、54b、54cから構成してもよい。
【0042】
詳細には、搬送ローラに接するワークWにおける異形リング形状の違いにより、図11の左半部に示されるように小ゴムリングが2列でよい場合と、図11右半部に示されるように、3列にしないとワークWとの接触点がワーク中心を囲むように構成することが出来ない場合があるので、同一サイズの小ゴムリングの数(2又は3)により対応できるようにしている。
【符号の説明】
【0043】
1…底面
2…異形リング状縁部
10…搬送装置
12…BCR(バーコードリーダー)
12A…視野
14…バーコード
20…直線状コンベア
21…直線搬送面
21A…退避高さ
22A、22B、32A、32B…ゴム系タイミングベルト
23…接触点
24A、24B、24C…コンベアモジュール
26…コンベア昇降装置
27…非接触点
30…直交コンベア
31…直交搬送面
40…直交移載装置
42A、42B、44A、44B…搬送ローラ
45…出側直交搬送ローラ
46…移載搬送面
47…非接触部
48A、48B…接触支持部
50…硬質ロール
52、54…ゴムリング
52A、52B、52a、52b、52c、54A、54B、54a、54b、54c…小ゴムリング
53、55…隣接面
60…制御装置
70…脱着治具
72A、72B…引離しプレート
74A、74B…凹部
76…脱着パイプ
in…タイミングベルト間の距離
out…幅方向外側両端間の距離
W…ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11