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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142082
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】支持装置および施工方法
(51)【国際特許分類】
   C21C 5/44 20060101AFI20230928BHJP
   F27D 1/16 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
C21C5/44 A
F27D1/16 Q
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048771
(22)【出願日】2022-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-22
(71)【出願人】
【識別番号】000001971
【氏名又は名称】品川リフラクトリーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】笹井 洋一
(72)【発明者】
【氏名】村上 陽介
(72)【発明者】
【氏名】小橋 尭文
(72)【発明者】
【氏名】田淵 将悟
【テーマコード(参考)】
4K051
4K070
【Fターム(参考)】
4K051AA02
4K051AB03
4K051BB02
4K051LF02
4K070AB18
4K070CC01
(57)【要約】
【課題】円筒状の容器に適用でき、かつ作業性に優れる支持装置および施工方法を実現する。
【解決手段】円筒状に積み上げられた複数の煉瓦Rの集合体である煉瓦ブロックRbを支持できる支持装置1であって、本体部2と、本体部2に対して放射状に配置され、煉瓦ブロックRbの底面を支持可能な複数の支持部3と、本体部2に対して放射状に配置され、煉瓦ブロックRbの内周面を吸着可能な複数の吸着部4と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に積み上げられた複数の煉瓦の集合体である煉瓦ブロックを支持できる支持装置であって、
本体部と、
前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、
前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備える支持装置。
【請求項2】
複数の前記支持部を前記本体部に対して放射状に前後動させることができる支持部駆動装置をさらに備える請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
複数の前記支持部の前後動が同期される請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記支持部駆動装置が電動式である請求項2または3に記載の支持装置。
【請求項5】
前記吸着部を前記本体部に対して放射状に前後動させることができる吸着部駆動装置と、
前記吸着部の前記煉瓦ブロックの内周面に対する当接面と、当該内周面との間を減圧して、前記吸着部に当該内周面を吸着させることができる減圧装置と、
それぞれの前記吸着部を放射状外側方向に付勢する弾性部材と、をさらに備える請求項1~4のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項6】
前記減圧装置が、エジェクタである請求項5に記載の支持装置。
【請求項7】
前記吸着部が、前記本体部に沿って上下に移動可能に設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項8】
前記本体部を所望の設置位置に位置合わせする芯出し装置をさらに備える請求項1~7のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項9】
前記本体部が吊り具を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項10】
溶融金属容器の内部に煉瓦を配置する施工方法であって、
複数の煉瓦を円筒状に積み上げて煉瓦ブロックを形成する工程と、
本体部と、前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備える支持装置を、前記煉瓦ブロックの内側に配置する工程と、
前記支持部を前記煉瓦ブロックの底面の下に挿入するとともに、前記吸着部に前記煉瓦ブロックの内周面を吸着させて、前記煉瓦ブロックを前記支持装置に支持させる工程と、
前記煉瓦ブロックを支持している前記支持装置を、前記溶融金属容器の内部に移動させる工程と、
前記溶融金属容器の内部において、前記支持装置による前記煉瓦ブロックの支持を解除して、当該煉瓦ブロックを前記溶融金属容器の内部に設置する工程と、を含む施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒状に積み上げられた複数の煉瓦の集合体である煉瓦ブロックを支持する支持装置、および、溶融金属容器の内部に煉瓦を配置する施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
溶融金属を取り扱う容器の内側に煉瓦を施工する際に、あらかじめ容器の外で組み上げた煉瓦ブロックを容器内に搬入して設置する、という方法が汎用される。たとえば、特開平11-12632号公報(特許文献1)には、容器外で組み上げた煉瓦ブロックを封入袋に封入した後に、袋内を減圧して袋を煉瓦ブロックに密着させて、煉瓦ブロックを一体に運べるようにした煉瓦形成方法が開示されている。また、特開2016-169376号公報(特許文献2)には、煉瓦ブロックの両側面を挟み込んで把持する施工装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-12632号公報
【特許文献2】特開2016-169376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の発明を適用する場合は、作業スペースが限られる容器内で煉瓦ブロックを袋から取り出す必要があり、その作業性について改善の余地があった。また、特許文献2の発明の適用は直方体状に組み上げられた煉瓦ブロックに限られ、円筒状に対する煉瓦の施工に適用することは難しかった。
【0005】
そこで、円筒状の容器に適用でき、かつ作業性に優れる支持装置および施工方法の実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る支持装置は、円筒状に積み上げられた複数の煉瓦の集合体である煉瓦ブロックを支持できる支持装置であって、本体部と、前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る施工方法は、溶融金属容器の内部に煉瓦を配置する施工方法であって、複数の煉瓦を円筒状に積み上げて煉瓦ブロックを形成する工程と、本体部と、前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、前記本体部に対して放射状に配置され、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備える支持装置を、前記煉瓦ブロックの内側に配置する工程と、前記支持部を前記煉瓦ブロックの底面の下に挿入するとともに、前記吸着部に前記煉瓦ブロックの内周面を吸着させて、前記煉瓦ブロックを前記支持装置に支持させる工程と、前記煉瓦ブロックを支持している前記支持装置を、前記溶融金属容器の内部に移動させる工程と、前記溶融金属容器の内部において、前記支持装置による前記煉瓦ブロックの支持を解除して、当該煉瓦ブロックを前記溶融金属容器の内部に設置する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、円筒状の煉瓦ブロックを一体として支持して溶融金属容器の内部に搬入できるので、煉瓦を施工する際の作業性が向上する。
【0009】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0010】
本発明に係る支持装置は、一態様として、複数の前記支持部を前記本体部に対して放射状に前後動させることができる支持部駆動装置をさらに備えることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、あらかじめ組み上げた煉瓦ブロックの下に支持部を挿入して、煉瓦ブロックを支持できる。そのため、煉瓦ブロックを組み上げる作業を実施する場所が、支持装置の設置場所に限定されない。
【0012】
本発明に係る支持装置は、一態様として、複数の前記支持部の前後動が同期されることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、支持部による煉瓦ブロックの支持を完成する際に、煉瓦ブロックを均等に支持させることができるので、安定した支持姿勢が実現される。
【0014】
本発明に係る支持装置は、一態様として、前記支持部駆動装置が電動式であることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、複数の支持部の動作を同期させやすいため、安定した支持姿勢が実現されやすい。
【0016】
本発明に係る支持装置は、一態様として、前記吸着部を前記本体部に対して放射状に前後動させることができる吸着部駆動装置と、前記吸着部の前記煉瓦ブロックの内周面に対する当接面と、当該内周面との間を減圧して、前記吸着部に当該内周面を吸着させることができる減圧装置と、それぞれの前記吸着部を放射状外側方向に付勢する弾性部材と、をさらに備えることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、吸着部が煉瓦ブロックに密着しやすいため、煉瓦ブロックの内周面の吸着が確実になされうる。
【0018】
本発明に係る支持装置は、一態様として、前記減圧装置が、エジェクタであることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、工場等のユーティリティとして提供されていることが多い圧縮空気を動力源として吸着部を動作させることができる。そのため、多くの場所で使いやすい支持装置を提供できる。
【0020】
本発明に係る支持装置は、一態様として、前記吸着部が、前記本体部に沿って上下に移動可能に設けられていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、高さ方向に複数の箇所で煉瓦ブロックを吸着できるので、煉瓦ブロックをより安定した姿勢で支持できる。
【0022】
本発明に係る支持装置は、一態様として、前記本体部を所望の設置位置に位置合わせする芯出し装置をさらに備えることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、本体部の位置を、煉瓦ブロックや溶融金属容器などの中央に位置合わせできるので、煉瓦ブロックの支持および設置に有利な位置に本体部を位置合わせできる。
【0024】
本発明に係る支持装置は、一態様として、前記本体部が吊り具を有することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、クレーンなどの汎用的な装置を用いて支持装置単体、または煉瓦ブロックを支持した支持装置を移動できる。
【0026】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態に係る支持装置の使用状態を示す縦断面図である。
図2】実施形態に係る支持装置の使用状態を示す横断面図である。
図3】実施形態に係る支持装置の使用状態を示す横断面図である。
図4】実施形態に係る施工方法に用いる施工枠の平面図である。
図5】実施形態に係る施工方法に用いる施工枠の縦断面図である。
図6】実施形態に係る施工方法の手順を示す図である。
図7】実施形態に係る施工方法の手順を示す図である。
図8】実施形態に係る施工方法の手順を示す図である。
図9】実施形態に係る施工方法の手順を示す図である。
図10】実施形態に係る施工方法の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る支持装置および施工方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る支持装置を、溶融金属容器の内部に煉瓦Rを配置する施工方法に供される支持装置1に適用した例について説明する。支持装置1は、円筒状に積み上げられた複数の煉瓦Rの集合体である煉瓦ブロックRbを支持することができる装置である。
【0029】
本実施形態では、各々の煉瓦Rの寸法が、長さ115mm、幅73mm、高さ90mmであり、煉瓦ブロックRbの寸法が、内径1540mm、高さ460mm(煉瓦Rを五段積んだ高さ)である場合を例として説明する。なお、煉瓦ブロックRbの径方向の幅は、煉瓦Rの長さに相当し、115mmである。また、煉瓦ブロックRbにおける煉瓦Rの段数は五段に限定されず、溶融金属容器の寸法や作業性などを考慮して適宜決定される。
【0030】
〔支持装置の構成〕
本実施形態に係る支持装置1は、本体部2と、支持部3と、吸着部4と、を備える(図1図3)。また、支持部3を放射状に前後動させるモータ5(支持部駆動装置の例である。)、吸着部4を放射状に前後動させるエアアクチュエータ6(吸着部駆動装置の例である。)、および、本体部2を煉瓦ブロックRbの内周の中心に位置合わせする芯出し装置7が、本体部2に装着されている。さらに、モータ5、エアアクチュエータ6、および芯出し装置7(以下、これらをまとめて「駆動装置」と称する。)の動作を制御するコントローラ(不図示)が設けられている。
【0031】
詳細は後述するが、支持装置1は本体部2の周囲に支持部3および吸着部4が放射状に配置された構造を有し、したがって平面図において略円形の形状を有する(図2図3)。そこで以下の説明では、当該略円形についての「径方向」および「周方向」の用語を用いて各部材の位置関係などを表現する場合がある。また、上下方向に関する記載は、特記しない限り、図1に示した姿勢における上下方向を表すものとする。
【0032】
本体部2は、支持部3および吸着部4を含む支持装置1の各構成要素と、支持装置1によって支持される煉瓦ブロックRbと、の重量を支持しうる剛性および強度を有する構造体であり、たとえばL型鋼などの構造部材を組み合わせたフレーム状の構造体として実装される。
【0033】
本体部2の上部には、アイボルト21(吊り具の例である。)が設けられている。アイボルト21が設けられていることによって、クレーンなどを用いて支持装置1を持ち上げることができる。なお、アイボルト21に替えて、シャックルなどの他の態様の吊り具を用いてもよい。
【0034】
また、本体部2の上部には、エアインレット22が設けられている。エアインレット22は、空気配管27を介して、支持装置1の構成要素のうち圧縮空気によって駆動されるものと流体連通している。エアインレット22を、たとえば支持装置1が使用される工場のユーティリティとして設けられている圧縮空気供給源(不図示)と接続すると、各装置に圧縮空気が供給される。
【0035】
支持部3は、本体部2に対して放射状に配置され、煉瓦ブロックRbの底面を支持できるように構成された部材である(図1図2)。本実施形態に係る支持部3は、周方向に八つに分割された円環状の支持面を形成している。これに対応して八つの支持部3が設けられており、それぞれの支持部3は中心角がおよそ45°の扇型の弧の部分に相当する平面形状を有する板状部材として実装されている。支持部3の裏面(煉瓦ブロックRbを支持する面に対して裏側の面という意味である。)には、スライダ31が設けられている。
【0036】
支持部3の面積は、支持装置1を用いて煉瓦ブロックRbを支持する際に一つの支持部3が支持する部分の底面積(本実施形態では煉瓦R一段分の底面積0.6mである。)の40%以上であることが好ましい。
【0037】
支持部3は、モータ5の動作によって、本体部2に対して放射状に前後動する。モータ5は本体部2の中央に設けられており、駆動軸51が下方に延びている。駆動軸51の先端にはギア51aが設けられており、ギア51aは径方向に延びるシャフト52の一端に設けられたギア52aと係合している。シャフト52は他端に設けられた継手52bを介して、スクリューシャフト53と連結されており、スクリューシャフト53は支持部3の裏面のスライダ31と螺合している。モータ5の回転はシャフト52およびスクリューシャフト53の回転に変換され、さらにスクリューシャフト53と螺合しているスライダ31の径方向の移動に変換される。スライダ31の移動によって、スライダ31が設けられている支持部3の全体が径方向に運動する。支持部3はレール54に載置されているため、支持部3の運動はレール54に沿う動きに規制される。以上の機構によって、支持部3の前後動が実現される。以下では、支持部3およびその他の部材が本体部2から離れる動作を「前進」といい、その反対の動作を「後退」という。
【0038】
なお、一つのモータ5(ギア51a)に対して、支持部3ごとに設けられた八本のシャフト52(ギア52a)が係合している。そのため、八本のシャフト52の動作が同期され、これによって八つの支持部3の前後動が同期される。
【0039】
また、八つの支持部3のうちの一つにセンサ32が設けられている。センサ32は、支持部3の位置(前進距離)を検出できる公知のセンサであり、センサ32が検出した前進距離が所定の閾値を超える場合は、支持部3をそれ以上前進させることができないように、モータ5の動作が制限される。
【0040】
吸着部4は、本体部2に対して放射状に配置され、煉瓦ブロックRbの内周面を吸着できるように構成された部材である(図1図3)。本実施形態では、吸着部4を支持する四つのフレーム41が設けられており、一つのフレーム41に七つまたは八つの吸着部4が支持され、合計で三十の吸着部4が設けられている。各々のフレーム41は、中心角がおよそ90°の扇型の弧の部分に相当する平面形状を有する。なお、吸着部4の、煉瓦ブロックRbの内周面に対する当接面4aには、弾性を有するパッドが取り付けられている。
【0041】
各々の吸着部4は、エジェクタ42(減圧装置の例である。)に接続されている。吸着部4の、煉瓦ブロックRbの内周面に対する当接面4aに、開口4bが設けられており、当該開口4bはエジェクタ42の吸込流体入口に接続されている。また、エジェクタ42の駆動流体入口はエアインレット22に接続されており、エジェクタ42の駆動流体入口から圧縮空気を供給すると、開口4bから空気が吸引される。吸着部4を煉瓦ブロックRbの内周面に当接させた状態でエジェクタ42に圧縮空気を供給すると、当接面4aと煉瓦ブロックRbの内周面との間が減圧されて、吸着部4が内周面を吸着する。これによって、煉瓦ブロックRbが外側方向に倒壊することが防止される。
【0042】
吸着部4は、エアアクチュエータ6の動作によって、本体部2に対して放射状に前後動する。エアアクチュエータ6は、フレーム41ごとに一つずつ設けられている。エアアクチュエータ6はエアインレット22に接続されており、エアインレット22を通じて供給される圧縮空気によって動作される。
【0043】
それぞれの吸着部4は、弾性部材43を介してフレーム41に取り付けられている。エアアクチュエータ6の動作によってフレーム41が前進して、吸着部4が煉瓦ブロックRbの内周面に当接したときに、弾性部材43が吸着部4を径方向外側(放射状外側方向)に付勢する。これによって、吸着部4が煉瓦ブロックRbの内周面に押しつけられて、当接面4aのパッドが煉瓦ブロックRbの内周面に密着する。これによって、エジェクタ42による減圧による内周面の吸着が確実に実現されやすい。また、弾性部材43が設けられていることによって、各々の吸着部4の煉瓦ブロックRbの内周面に対する当たり方の誤差が吸収され、煉瓦ブロックRbの内周面の全周にわたって吸着部4を適切な姿勢で当接させやすい。
【0044】
フレーム41は、エアアクチュエータ6およびアーム23aを介して、本体部2の吸着部基部23に支持されている。吸着部基部23には、本体部2の支柱24と当接する位置にローラ25が設けられているとともに、吸着部基部23の下面に緩衝器26が設けられている。これによって、吸着部基部23を支柱24に沿って上下に移動できる。すなわち、吸着部4を本体部2に沿って上下に移動できる。
【0045】
吸着部4の幅は、煉瓦Rの幅(73mm)以上であることが好ましい。また、吸着部4の高さは、煉瓦Rの高さ(90mm)以上であることが好ましい。すなわち吸着部4は、幅および高さの双方において、煉瓦ブロックRbの内周面に露出している単一の煉瓦Rより大きいことが好ましい。
【0046】
吸着部4と煉瓦ブロックRbとの接触面積の合計(本実施形態では、各吸着部4の当接面4aの面積の合計である。)は、煉瓦ブロックRbの内周面における煉瓦R一段分の面積の50%以上であることが好ましい。
【0047】
芯出し装置7は、エアシリンダとして実装されており、エアインレット22に接続されている。本実施形態では、90°間隔で四つの芯出し装置7が設けられている。芯出し装置7を径方向外側に伸長させて周囲の部材に当接させることによって、本体部2を所望の設置位置に位置合わせできる。
【0048】
コントローラは、各駆動装置の動作を制御できる限りにおいて、特に限定されない。たとえば、コントローラと核駆動装置との接続について、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
【0049】
〔施工方法の構成〕
次に、本実施形態に係る施工方法について説明する。本実施形態に係る施工方法は、複数の煉瓦Rを円筒状に積み上げて煉瓦ブロックRbを形成する工程と、支持装置1を煉瓦ブロックRbの内側に配置する工程と、煉瓦ブロックRbを支持装置1に支持させる工程と、煉瓦ブロックRbを支持している支持装置1を溶融金属容器の内部に移動させる工程と、溶融金属容器の内部において、支持装置1による煉瓦ブロックRbの支持を解除して、当該煉瓦ブロックRbを溶融金属容器の内部に設置する工程と、を含む。
【0050】
(1)煉瓦ブロックの形成
第一の工程は、複数の煉瓦Rを円筒状に積み上げて煉瓦ブロックRbを形成する工程である。以下では一例として、外枠式の施工枠8(図4図5)を用いて煉瓦ブロックRbを形成する方法について説明する。ただし、外枠式の施工枠のほか、たとえば中子式の施工枠を用いても、本実施形態に係る施工方法を実施できる。
【0051】
施工枠8は、煉瓦ブロックRb(煉瓦R)を支持する円形の架台81と、架台81の内側に設置されるスペーサー82と、架台81から上方に延びる外枠83と、を備える。煉瓦ブロックRbを形成するときは、架台81の内側にスペーサー82を設置した状態で、架台81およびスペーサー82の上に煉瓦Rを積み上げていく。このとき、煉瓦Rを外枠83に沿わせながら積んでいくことで、完成される煉瓦ブロックRbの外径が所望の寸法に規制される。
【0052】
煉瓦ブロックRbが完成したら、スペーサー82を取り除く。これによって、煉瓦ブロックRbの下方の内周側に空地ができる。この空地は、支持部3を挿入するための空地として機能する。
【0053】
なお、施工枠8は角筒状の桁Bに載置されており、桁Bにフォークリフトのフォークを挿し込むと、桁B、施工枠8、および煉瓦ブロックRbを一体に運搬できる。そのため、煉瓦ブロックRbを形成する作業を溶融金属容器の近傍で行う必要はなく、より広い作業スペースを確保できる場所で煉瓦ブロックRbを形成したのちに、桁B、施工枠8、および煉瓦ブロックRbを溶融金属容器の近傍に運搬してもよい。また、桁Bおよび施工枠8を複数組用意しておけば、煉瓦ブロックRbを形成する作業をまとめて実施して、あらかじめ煉瓦ブロックRbの在庫を確保できる。これらの特徴から、作業場所および作業人員の双方の観点から資源の効率化を図りやすい。
【0054】
(2)支持装置の配置
第二の工程は、支持装置1を煉瓦ブロックRbの内側に配置する工程である。具体的には、クレーン(不図示)を用いて支持装置1を持ち上げて、煉瓦ブロックRbの内側に下ろすことによって、この工程を実現できる。なお、この工程を実施する前に支持部3および吸着部4を十分に後退させておき、支持部3および吸着部4が煉瓦ブロックRbと干渉しないようにする。
【0055】
その後、芯出し装置7を用いて本体部2を架台81の中心(所望の設置位置の例である。)に位置合わせする。具体的には、四つの芯出し装置7を径方向外側に煉瓦ブロックRbの内径に応じた所定の長さだけ伸長させて架台81に当接させると、本体部2が微動して、本体部2が架台81の中心に位置合わせされる。芯出し装置7をエアシリンダにより駆動させれば、煉瓦ブロックRbの内径に図面寸法との誤差が生じていたとしても、空気の可縮性により誤差が吸収されるため好ましい。
【0056】
さらに、吸着部4の高さ方向の位置合わせを行う。このとき、吸着部4の上下方向の中央が、煉瓦ブロックRbの高さ方向の中央より高い高さに位置するように、吸着部4の高さを調節することが好ましい。これは、煉瓦ブロックRbの高さ方向の中央より高い高さで、吸着部4と煉瓦ブロックRbの内周面とが当接していると、煉瓦ブロックRbの支持が安定しやすいためである。
【0057】
以上の操作により、支持部3および吸着部4の双方が後退した状態の支持装置1が、煉瓦ブロックRbの内側に配置される(図6)。
【0058】
(3)煉瓦ブロックの支持
第三の工程は、煉瓦ブロックRbを支持装置1に支持させる工程である。詳細には、この工程には、支持部3を煉瓦ブロックRbの底面の下に挿入するステップと、吸着部4を煉瓦ブロックRbの内周面に吸着させるステップと、が含まれる。
【0059】
まず、煉瓦ブロックRbの内側に配置された支持装置1の支持部3を前進させる(図7)。すると、支持部3が煉瓦ブロックRbの下方の空地に進入する。支持部3が架台81に当接するまで支持部3を前進させたのちに、支持部3をわずかに後退させる(図8)。これによって、支持部3と架台81が干渉しない限度で、支持部3を煉瓦ブロックRbの下方に最大限挿入した状態が実現される。また、支持部3の先端(最外周)が、煉瓦ブロックRbの底面からはみ出さないようにすることが好ましい。より詳細には、支持部3の前進位置が、支持対象の煉瓦ブロックRbの内周から、当該煉瓦ブロックRbの径方向の幅(本実施形態では115mm)の45~55%に相当する距離、外周側に進んだ位置になるようにするが好ましい。当該距離が煉瓦ブロックRbの径方向の幅の45%以上であると、支持装置による安定的な煉瓦ブロックRbの支持が安定しやすい。また、当該距離が煉瓦ブロックRbの径方向の幅の55%以下であると、架台81の幅を比較的大きくできる(煉瓦ブロックRbの径方向の幅の45%以上にできる)ので、施工枠8による煉瓦ブロックRbの支持が安定し、煉瓦ブロックRbを形成しやすい。
【0060】
このとき、支持部3が煉瓦ブロックRbと当接する面積の合計(以下、「支持面積合計」という。)が、煉瓦ブロックRbの底面積の40%以上60%以下であることが好ましい。支持面積合計が煉瓦ブロックRbの底面積の40%以上であると、安定した支持を実現しやすい。また、支持面積合計が煉瓦ブロックRbの底面積の60%以下であると、煉瓦ブロックRbの支持を解除する際に、支持部3を煉瓦ブロックRbの下から引き抜きやすい。
【0061】
その後、クレーンを用いて支持装置1をわずかに上昇させると、支持部3が煉瓦ブロックRbの底面に当接した状態になる(図8)。このとき、クレーンの上昇を煉瓦ブロックRbが架台81から地切りされない程度に留めて、煉瓦ブロックRbの荷重が架台81と支持部3との双方に加わった状態として、以降の作業を実施する。
【0062】
続いて、吸着部4を前進させる(図9)。すると、吸着部4が煉瓦ブロックRbの内周面に当接する。続いてエジェクタ42に圧縮空気を供給して、吸着部4に煉瓦ブロックRbの内周面を吸着させる。
【0063】
以上の二つのステップによって、支持装置1による煉瓦ブロックRbの安定した支持が実現される。
【0064】
(4)支持装置の移動
第四の工程は、煉瓦ブロックRbを支持している支持装置1を溶融金属容器の内部に移動させる工程である。第三の工程までに、支持装置1による煉瓦ブロックRbの安定した支持が実現されているので、この状態でクレーンを用いて支持装置1を上昇させると、支持装置1と煉瓦ブロックRbとを一体に持ち上げることができる(図10)。続いてクレーンを操作して、支持装置1(および煉瓦ブロックRb)を、溶融金属容器の上側開口から当該容器の内部に下ろして、支持部3を当該容器にあらかじめ設置されている側壁煉瓦の上に着地させる。
【0065】
その後、支持装置1をわずかに上昇させる。この時の上昇幅は、10cm以下とすることが好ましく、5cm以下とすることがより好ましい。
【0066】
続いて、芯出し装置7を用いて本体部2を溶融金属容器の中心(所望の設置位置の例である。)に位置合わせする。具体的には、四つの芯出し装置7を径方向外側に煉瓦ブロックRbの内径に応じた所定の長さだけ伸長させて溶融金属容器の内面に当接させると、本体部2が微動して、本体部2が溶融金属容器の内面の中心に位置合わせされる。芯出し装置7をエアシリンダにより駆動させれば、既設の側壁煉瓦の内径に図面寸法との誤差が生じていたとしても、空気の可縮性により誤差が吸収されるため好ましい。
【0067】
(5)煉瓦ブロックの設置
第五の工程は、煉瓦ブロックRbを溶融金属容器の内部に設置する工程である。まず、溶融金属容器の既設の側壁煉瓦の上に着地した支持装置1の支持部3を後退させる。この操作によって、煉瓦ブロックRbは支持を失い、溶融金属容器の底面に落下する。このとき、吸着部4が煉瓦ブロックRbの内周面の吸着を維持しており、かつ吸着部4が上下に移動できるように設けられているので、吸着部4は煉瓦ブロックRbの落下に追随して下方に移動する。ここで、吸着部基部23の下面に緩衝器26が設けられているので、煉瓦ブロックRbの落下の衝撃が緩衝器26によって緩和される。加えて、煉瓦ブロックRbが落下した瞬間においても、煉瓦ブロックRbの内周面が吸着部4に支持されている。これらによって、落下の衝撃を受けても煉瓦ブロックRbが崩れにくい。
【0068】
煉瓦ブロックRbが溶融金属容器の既設の側壁煉瓦の上に接地したのちに、エジェクタ42への圧縮空気の供給を停止して、吸着部4による煉瓦ブロックRbの吸着を解除する。続いて吸着部4を後退させる。支持部3および吸着部4の双方が煉瓦ブロックRbと干渉しないことを確認した上で、クレーンを操作して支持装置1を上昇させると、煉瓦ブロックRbを溶融金属容器内に残して支持装置1のみを溶融金属容器から取り出すことができる。
【0069】
以上の五つの手順によって、煉瓦ブロックRbの設置が完了する。
【0070】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る支持装置および施工方法のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0071】
上記の実施形態では、支持部3が八つ設けられており、周方向に八つに分割された円環状の支持面が形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、支持部の形状および数量は、煉瓦ブロックの底面を支持可能である限りにおいて限定されない。たとえば、上記の例に比べて大きい煉瓦を単位とする煉瓦ブロックに対して本発明に係る支持装置を適用する場合は、隣接する支持部同士の間隔が上記の例より広くても煉瓦ブロックの支持が可能であり、支持部の数量が八つより少なくても安定的な支持を実現できる場合がある。反対に、より小さい煉瓦を用いる場合は、支持部の数量を増やす必要がある場合がある。
【0072】
上記の実施形態では、三十の吸着部4が設けられており、一つのフレーム41に七つまたは八つの吸着部4が支持されている構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、吸着部の形状および数量は、煉瓦ブロックの内周面を吸着可能である限りにおいて限定されない。また、上記の実施形態のように複数の吸着部をまとめて支持するフレームが設けられた構成に限定されず、それぞれの吸着部が本体部に直接に支持されていてもよい。
【0073】
上記の実施形態では、エジェクタ42の動作によって吸着部4が煉瓦ブロックRbの内周面を吸着する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、吸着部の吸着力を実現する装置はエジェクタに限定されず、たとえばポンプを用いてもよい。また、陰圧を用いる方法以外として、施工環境や炉等の稼働条件が許すのであれば、煉瓦ブロックの外側をバンド等で締結し設置後に取り除いてもよく、または煉瓦ブロックの外側を可燃性のバンド等で締結し予熱時や稼働時の熱でバンド等を焼失させてもよい。また、外周を締結する方法と内側から支持する方法とを併用してもよい。すなわち、陰圧の利用の有無を問わず、煉瓦ブロックの内周面を支持可能な支持部を設ければよい。なお、煉瓦ブロックの底面を支持可能な支持部(上記の実施形態における支持部3)を第一支持部と称し、煉瓦ブロックの内周面を支持する支持部(上記の実施形態における吸着部4)を第二支持部と称してもよい。また、かかる第二支持部において、陰圧を用いる方法と陰圧を用いない方法とを併用することも可能である。
【0074】
上記の実施形態では、支持部駆動装置としてモータ5が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、支持部駆動装置の動力源は限定されない。ただし支持部駆動装置が電動式であると、複数の支持部の動作を同期しやすいため、好ましい。また、直動式のモータを用いると、スペース効率が良いため、より好ましい。
【0075】
上記の実施形態では、吸着部駆動装置としてエアアクチュエータ6が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、吸着部駆動装置の動力源は限定されない。ただし吸着部駆動装置が空気駆動式であると、煉瓦ブロックの側面に対して吸着部が当接する応力が比較的小さくなるので、煉瓦ブロックを外側方向に倒す等の不具合を回避しやすいため、好ましい。
【0076】
上記の実施形態では、吸着部4を本体部2に沿って上下に移動できる構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、吸着部の高さ方向の位置が固定されていてもよい。
【0077】
上記の実施形態では、本体部2の周囲に一周(一段)の吸着部4が設けられている構成を例として説明した。しかし、本発明に係る支持装置において、吸着部が複数段設けられていてもよい。この場合、いずれの段の吸着部についても、好ましい態様は上記の実施形態と同様である。すなわち、個々の吸着部について、幅および高さの双方において煉瓦ブロックの内周面に露出している単一の煉瓦より大きいことが好ましく、吸着部と煉瓦ブロックとの接触面積の合計が、煉瓦ブロックの内周面における煉瓦一段分の面積の50%以上であることが好ましい。また、複数段の吸着部が設けられている支持装置を用いる場合は、吸着部の複数の段のうちのいずれかの段の上下方向の中央が、煉瓦ブロックの高さ方向の中央より高い高さに位置するように調節することが好ましい。
【0078】
上記の実施形態において、支持部3を煉瓦ブロックRbの底面に沿って過度に挿入しないようにするため、支持部3の前進を規制する部材が設けられていてもよい。たとえば、支持部3の表面に突起を設け、当該突起が煉瓦ブロックRbの内周に接触したときに支持部3がそれ以上前進できないようにしてもよい。突起の形状は、棒状、板状など、制限されない。この場合、当該突起より外側における支持部3の面積が、一つの支持部3が支持する部分の底面積の40%以上であることが好ましい。なお、同様の規制は、たとえばリミットスイッチを用いる方法によっても実現できる。
【0079】
上記の実施形態では、支持装置1を持ち上げて、煉瓦ブロックRbの内側に下ろすという手順で、支持装置1を煉瓦ブロックRbの内側に配置する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る施工方法において、支持装置を煉瓦ブロックの内側に配置することには、あらかじめ設置してある支持装置の周囲に煉瓦ブロックRbを形成することも含む。
【0080】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、たとえば、溶融金属容器の内側に煉瓦ブロックを施工する際に用いる支持装置、および当該施工に係る施工方法に利用できる。
【符号の説明】
【0082】
1 :支持装置
2 :本体部
21 :アイボルト
22 :エアインレット
23 :吸着部基部
23a :アーム
24 :支柱
25 :ローラ
26 :緩衝器
27 :空気配管
3 :支持部
31 :スライダ
32 :センサ
4 :吸着部
4a :当接面
4b :開口
41 :フレーム
42 :エジェクタ
43 :弾性部材
5 :モータ
51 :駆動軸
51a :ギア
52 :シャフト
52a :ギア
52b :継手
53 :スクリューシャフト
53 :レール
6 :エアアクチュエータ
7 :芯出し装置
8 :施工枠
81 :架台
82 :スペーサー
83 :外枠
R :煉瓦
Rb :煉瓦ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状に積み上げられた複数の煉瓦の集合体である煉瓦ブロックを支持できる支持装置であって、
前記煉瓦ブロックの円筒の内側に配置される本体部と、
前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、
前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備える支持装置。
【請求項2】
複数の前記支持部を前記本体部に対して放射状に前後動させることができる支持部駆動装置をさらに備える請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
複数の前記支持部の前後動が同期される請求項2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記支持部駆動装置が電動式である請求項2または3に記載の支持装置。
【請求項5】
前記吸着部を前記本体部に対して放射状に前後動させることができる吸着部駆動装置と、
前記吸着部の前記煉瓦ブロックの内周面に対する当接面と、当該内周面との間を減圧して、前記吸着部に当該内周面を吸着させることができる減圧装置と、
それぞれの前記吸着部を放射状外側方向に付勢する弾性部材と、をさらに備える請求項1~4のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項6】
前記減圧装置が、エジェクタである請求項5に記載の支持装置。
【請求項7】
前記吸着部が、前記本体部に沿って上下に移動可能に設けられている請求項1~6のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項8】
前記本体部を所望の設置位置に位置合わせする芯出し装置をさらに備える請求項1~7のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項9】
前記本体部が吊り具を有する請求項1~8のいずれか一項に記載の支持装置。
【請求項10】
溶融金属容器の内部に煉瓦を配置する施工方法であって、
複数の煉瓦を円筒状に積み上げて煉瓦ブロックを形成する工程と、
前記煉瓦ブロックの円筒の内側に配置される本体部と、前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備える支持装置を、前記煉瓦ブロックの円筒の内側に配置する工程と、
前記支持部を前記煉瓦ブロックの底面の下に挿入するとともに、前記吸着部に前記煉瓦ブロックの内周面を吸着させて、前記煉瓦ブロックを前記支持装置に支持させる工程と、
前記煉瓦ブロックを支持している前記支持装置を、前記溶融金属容器の内部に移動させる工程と、
前記溶融金属容器の内部において、前記支持装置による前記煉瓦ブロックの支持を解除して、当該煉瓦ブロックを前記溶融金属容器の内部に設置する工程と、を含む施工方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る支持装置は、円筒状に積み上げられた複数の煉瓦の集合体である煉瓦ブロックを支持できる支持装置であって、前記煉瓦ブロックの円筒の内側に配置される本体部と、前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備えることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明に係る施工方法は、溶融金属容器の内部に煉瓦を配置する施工方法であって、複数の煉瓦を円筒状に積み上げて煉瓦ブロックを形成する工程と、前記煉瓦ブロックの円筒の内側に配置される本体部と、前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの底面を支持可能な複数の支持部と、前記本体部から放射状に延び、前記煉瓦ブロックの内周面を吸着可能な複数の吸着部と、を備える支持装置を、前記煉瓦ブロックの円筒の内側に配置する工程と、前記支持部を前記煉瓦ブロックの底面の下に挿入するとともに、前記吸着部に前記煉瓦ブロックの内周面を吸着させて、前記煉瓦ブロックを前記支持装置に支持させる工程と、前記煉瓦ブロックを支持している前記支持装置を、前記溶融金属容器の内部に移動させる工程と、前記溶融金属容器の内部において、前記支持装置による前記煉瓦ブロックの支持を解除して、当該煉瓦ブロックを前記溶融金属容器の内部に設置する工程と、を含むことを特徴とする。