(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142136
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】紡績機
(51)【国際特許分類】
D01H 13/16 20060101AFI20230928BHJP
D01H 15/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
D01H13/16 A
D01H13/16 D
D01H13/16 Z
D01H15/00 A
D01H13/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048852
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】目片 努
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA19
4L056BA03
4L056BD12
4L056BE05
4L056CA06
4L056CA46
4L056CA68
4L056CA70
4L056CB04
4L056CB06
4L056EA04
4L056EB13
4L056EB16
4L056EC02
4L056EC63
4L056EC65
4L056EC67
4L056EC68
4L056FB17
4L056FB18
4L056FC06
(57)【要約】
【課題】パッケージ側の糸を捕捉した状態において、パッケージを逆回転させることなく簡単な工程により糸欠点を除去できる紡績機を提供する。
【解決手段】紡績機は、紡績装置と、糸貯留ローラと、糸掛け部材と、糸外し部材と、巻取装置と、捕捉装置と、糸継部と、カッタと、制御部と、を備える。糸欠点が捕捉装置よりも糸走行方向の上流にあり、糸掛け部材による糸への作用を糸外し部材が無効化しており、かつ、パッケージの回転が停止又は回転速度がゼロに向けて減速している状態で、制御部は、糸貯留ローラを回転させて糸を送り出しつつ捕捉装置に糸を吸引させる。パッケージの回転を停止させている状態で、制御部は、パッケージ側の糸をカッタに切断させることにより糸欠点を除去し、糸継部に紡績装置側の糸とパッケージ側の糸を糸継ぎさせる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績を行って糸を生成する紡績装置と、
前記紡績装置より糸走行方向の下流に配置され、糸を外周面に巻き付けて一時的に貯留する糸貯留ローラと、
糸と接触した状態で前記糸貯留ローラと一体的に回転することにより前記糸貯留ローラの外周面に糸を巻き付ける糸掛け部材と、
前記糸掛け部材による糸への作用を無効化する無効化部材と、
前記紡績装置が供給した糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
糸走行方向において前記糸貯留ローラと前記巻取装置の間の位置であって、かつ、前記糸貯留ローラから前記巻取装置までの糸道にある糸を吸引可能な位置に配置されており、糸が分断された場合に前記パッケージ側の糸を吸引して捕捉する捕捉装置と、
前記紡績装置側の糸と前記パッケージ側の糸を糸継ぎする糸継部と、
前記捕捉装置と前記糸継部の間で糸を切断するカッタと、
制御部と、
を備え、
糸欠点が前記捕捉装置よりも糸走行方向の上流にあり、前記糸掛け部材による糸への作用を前記無効化部材が無効化しており、かつ、前記パッケージの回転が停止又は回転速度がゼロに向けて減速している状態で、前記制御部は、前記糸貯留ローラを回転させて糸を送り出しつつ前記捕捉装置に糸を吸引させ、
前記パッケージの回転を停止させている状態で、前記制御部は、前記パッケージ側の糸を前記カッタに切断させることにより前記糸欠点を除去し、前記糸継部に前記紡績装置側の糸と前記パッケージ側の糸を糸継ぎさせることを特徴とする紡績機。
【請求項2】
請求項1に記載の紡績機であって、
前記糸継部と、前記カッタと、を有する糸継装置を備えることを特徴とする紡績機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の紡績機であって、
前記糸貯留ローラに巻かれた糸が第1貯留量以上か否かを検出する第1貯留量センサを備え、
前記制御部は、糸を送り出す方向への前記糸貯留ローラの回転を継続しつつ、前記第1貯留量センサの検出結果に基づいて、前記パッケージの回転を停止することを特徴とする紡績機。
【請求項4】
請求項3に記載の紡績機であって、
前記糸貯留ローラに巻かれた糸が前記第1貯留量より多い第2貯留量以上か否かを検出する第2貯留量センサを備え、
前記制御部は、糸の巻取中において、前記第2貯留量センサの検出結果に基づいて、前記糸貯留ローラの貯留量を調整することを特徴とする紡績機。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の紡績機であって、
糸走行方向において前記捕捉装置と前記巻取装置の間には、糸にワックスを付与するワキシング装置、及び、糸をガイドする糸ガイドの少なくとも一方が配置されることを特徴とする紡績機。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載の紡績機であって、
糸の状態を監視して糸欠点を検出する糸監視装置を備え、
前記無効化部材は、糸欠点が前記糸貯留ローラに位置する状態で、前記糸掛け部材による糸への作用を無効化することを特徴とする紡績機。
【請求項7】
請求項6に記載の紡績機であって、
前記制御部は、前記糸監視装置が検出した糸欠点が短欠点の場合は、前記パッケージの回転の停止後に、当該パッケージの回転の停止を維持させつつ、前記糸継部に糸継ぎを行わせ、
前記制御部は、前記糸監視装置が検出した糸欠点が長欠点の場合は、前記パッケージの回転の停止後に、当該パッケージを巻取方向に対して逆回転させて当該糸欠点を前記パッケージから引き出した後に前記糸継部に糸継ぎを行わせることを特徴とする紡績機。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の紡績機であって、
前記巻取装置は、
単一のトラバースガイドと、
当該単一のトラバースガイドのみを駆動するトラバース駆動部と、
を備え、
前記制御部は、巻取りの中断時において、前記トラバースガイドを前記パッケージの巻幅方向の中央領域で停止させることを特徴とする紡績機。
【請求項9】
請求項1から8までの何れか一項に記載の紡績機であって、
前記巻取装置は、
前記パッケージに接触して回転することにより当該パッケージを回転させる単一の巻取ドラムと、
当該単一の前記巻取ドラムを回転駆動するドラム駆動部と、
を備え、
前記制御部は、前記ドラム駆動部による前記パッケージの回転を停止させることにより、前記パッケージの回転を停止させることを特徴とする紡績機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、紡績装置が生成した糸を巻き取ってパッケージを形成する紡績機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、紡績機を開示する。紡績機は、紡績装置が生成した糸を巻取装置により巻き取ってパッケージを形成する。紡績機は、紡績ユニット側糸端捕捉装置と、スラックチューブと、パッケージ側糸端捕捉装置と、を備える。紡績ユニット側糸端捕捉装置は、糸切れ時に紡績ノズルの近傍まで移動して糸を捕捉する。スラックチューブは、糸切れ時に吸引流を発生させて糸を捕捉する。これにより、スラックチューブとパッケージの間で糸が掛け渡された状態となる。パッケージ側糸端捕捉装置は、スラックチューブとパッケージの間で掛け渡された糸まで移動して糸を吸引する。その後、糸が切断されることにより、パッケージ側糸端捕捉装置は糸を捕捉する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、糸がパッケージに巻き取られる前に糸を吸引捕捉することにより、少ない消費電力でパッケージ側の糸を確実に捕捉できることが記載されている。しかし、特許文献1では、糸欠点の位置等は特定されていない。従って、糸欠点がパッケージに残存することを防止するために、パッケージを逆回転させる必要がある。また、スラックチューブとパッケージ側糸端捕捉装置の両方を用いて糸を捕捉するため、糸を捕捉する工程が複雑である。
【0005】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、パッケージ側の糸を捕捉した状態において、パッケージを逆回転させることなく簡単な工程により糸欠点を除去できる紡績機を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0007】
本発明の観点によれば、以下の構成の紡績機が提供される。即ち、紡績機は、紡績装置と、糸貯留ローラと、糸掛け部材と、無効化部材と、巻取装置と、捕捉装置と、糸継部と、カッタと、制御部と、を備える。前記紡績装置は、紡績を行って糸を生成する。前記糸貯留ローラは、前記紡績装置より糸走行方向の下流に配置され、糸を外周面に巻き付けて一時的に貯留する。前記糸掛け部材は、糸と接触した状態で前記糸貯留ローラと一体的に回転することにより前記糸貯留ローラの外周面に糸を巻き付ける。前記無効化部材は、前記糸掛け部材による糸への作用を無効化する。前記巻取装置は、前記紡績装置が供給した糸を巻き取ってパッケージを形成する。前記捕捉装置は、糸走行方向において前記糸貯留ローラと前記巻取装置の間の位置であって、かつ、前記糸貯留ローラから前記巻取装置までの糸道にある糸を吸引可能な位置に配置されており、糸が分断された場合に前記パッケージ側の糸を吸引して捕捉する。前記糸継部は、前記紡績装置側の糸と前記パッケージ側の糸を糸継ぎする。前記カッタは、前記捕捉装置と前記糸継部の間で糸を切断する。糸欠点が前記捕捉装置よりも糸走行方向の上流にあり、前記糸掛け部材による糸への作用を前記無効化部材が無効化しており、かつ、前記パッケージの回転が停止又は回転速度がゼロに向けて減速している状態で、前記制御部は、前記糸貯留ローラを回転させて糸を送り出しつつ前記捕捉装置に糸を吸引させる。前記パッケージの回転を停止させている状態で、前記制御部は、前記パッケージ側の糸を前記カッタに切断させることにより前記糸欠点を除去し、前記糸継部に前記紡績装置側の糸と前記パッケージ側の糸を糸継ぎさせる。
【0008】
これにより、糸欠点を含む糸が捕捉装置に直接的に捕捉される。そのため、基本的には、パッケージを逆回転させて糸欠点を引き出す必要がない。また、糸継ぎの際にカッタが糸を切断することにより、糸欠点が除去される。以上により、簡単な工程により糸欠点を除去できる。
【0009】
前記の紡績機においては、前記糸継部と、前記カッタと、を有する糸継装置を備えることが好ましい。
【0010】
これにより、カッタを別途備える構成と比較して、構成を単純化できる。
【0011】
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、紡績機は、前記糸貯留ローラに巻かれた糸が第1貯留量以上か否かを検出する第1貯留量センサを備える。前記制御部は、糸を送り出す方向への前記糸貯留ローラの回転を継続しつつ、前記第1貯留量センサの検出結果に基づいて、前記パッケージの回転を停止する。
【0012】
これにより、適切なタイミングでパッケージの回転を停止させることができる。
【0013】
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、紡績機は、前記糸貯留ローラに巻かれた糸が前記第1貯留量より多い第2貯留量以上か否かを検出する第2貯留量センサを備える。前記制御部は、糸の巻取中において、前記第2貯留量センサの検出結果に基づいて、前記糸貯留ローラの貯留量を調整する。
【0014】
これにより、目的に応じて異なる位置に2つの貯留量センサを設けることにより、適切な制御を行うことができる。
【0015】
前記の紡績機においては、糸走行方向において前記捕捉装置と前記巻取装置の間には、糸にワックスを付与するワキシング装置、及び、糸をガイドする糸ガイドの少なくとも一方が配置されることが好ましい。
【0016】
パッケージに巻き取られた糸欠点を引き出す必要が基本的にないため、糸欠点がワキシング装置又は糸ガイドを通過することがない。従って、パッケージを逆回転する方法と比較して、糸切れの頻度を低下させることができる。
【0017】
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、紡績機は、糸の状態を監視して糸欠点を検出する糸監視装置を備える。前記無効化部材は、糸欠点が前記糸貯留ローラに位置する状態で、前記糸掛け部材による糸への作用を無効化する。
【0018】
これにより、糸欠点を捕捉装置に的確に吸引させることができる。
【0019】
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記制御部は、前記糸監視装置が検出した糸欠点が短欠点の場合は、前記パッケージの回転の停止後に、当該パッケージの回転の停止を維持させつつ、前記糸継部に糸継ぎを行わせる。前記制御部は、前記糸監視装置が検出した糸欠点が長欠点の場合は、前記パッケージの回転の停止後に、当該パッケージを巻取方向に対して逆回転させて当該糸欠点を前記パッケージから引き出した後に前記糸継部に糸継ぎを行わせる。
【0020】
これにより、基本的にはパッケージの逆回転を行うことなく糸欠点を除去できる。また、糸欠点がパッケージに巻き取られるほど長い場合は、パッケージを逆回転させて糸欠点を除去できる。
【0021】
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記巻取装置は、単一のトラバースガイドと、トラバース駆動部と、を備える。前記トラバース駆動部は、当該単一のトラバースガイドのみを駆動する。前記制御部は、巻取りの中断時において、前記トラバースガイドを前記パッケージの巻幅方向の中央領域で停止させる。
【0022】
パッケージを逆回転させる場合は、逆回転動作に干渉しないようにトラバースガイドをパッケージ幅の領域外に退避させておく必要があるが、本構成では基本的にパッケージの逆回転が不要であるため、トラバースガイドを退避させる動作を省略できる。更に、パッケージの巻取りの再開時にトラバースガイドを中央領域に戻す必要がない。以上により、パッケージの巻取りをスムーズに再開できる。
【0023】
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記巻取装置は、単一の巻取ドラムと、ドラム駆動部と、を備える。前記単一の巻取ドラムは、前記パッケージに接触して回転することにより当該パッケージを回転させる。前記ドラム駆動部は、当該単一の前記巻取ドラムを回転駆動する。前記制御部は、前記ドラム駆動部による前記パッケージの回転を停止させることにより、前記パッケージの回転を停止させる。
【0024】
巻取ドラム毎にドラム駆動部が設けられているため、パッケージを適切な速度で回転させたり、適切なタイミングで停止させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る紡績機の全体的な構成を示す正面図。
【
図3】糸の分断に対応する処理を示すフローチャート。
【
図4】糸を切断した直後の状態を示す紡績ユニット及び糸継台車の側面図。
【
図5】捕捉装置が糸を捕捉した状態を示す紡績ユニット及び糸継台車の側面図。
【
図6】パッケージ側の糸と給糸部側の糸が糸継装置に案内された状態を示す紡績ユニット及び糸継台車の側面図。
【
図7】パッケージ側の糸と給糸部側の糸が糸継ぎされる状態を示す紡績ユニット及び糸継台車の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態に係る紡績機1について、図面を参照して説明する。以下の説明において、「上流側」及び「下流側」とは、それぞれ、糸5、スライバ4a又は繊維束4bの走行方向における上流側及び下流側を意味する。
【0027】
図1に示すように、紡績機1は、ブロアボックス111と、制御ボックス112と、複数の紡績ユニット2と、糸継台車80と、を備える。複数の紡績ユニット2は、所定の方向(並列方向)に並べて配置されている。それぞれの紡績ユニット2は、紡績を行って糸5を生成してパッケージ7を形成する。
【0028】
ブロアボックス111内には、負圧源として機能するブロア113等が配置されている。制御ボックス112には、中央制御装置115と、表示部116と、操作部117と、が配置されている。
【0029】
中央制御装置115は、紡績機1の各部を集中的に管理及び制御する。中央制御装置115は、
図2に示すユニット制御部(制御部)15に、図略の信号線を介して接続されている。本実施形態では、それぞれの紡績ユニット2がユニット制御部15を備えているが、所定数(例えば、2つ又は4つ)の紡績ユニット2が1つのユニット制御部15を共用してもよい。中央制御装置115及びユニット制御部15は、それぞれ、図示しないCPU、ROM、RAM等を有する公知のコンピュータとして構成されている。
【0030】
表示部116は、紡績ユニット2に対する設定内容、及び/又は、各紡績ユニット2の状態に関する情報等を表示することができる。操作部117は、オペレータが紡績機1の設定を行うために、及び/又は、表示部116に表示する情報の選択を行うために操作される。表示部116と操作部117は、タッチパネルディスプレイにより構成されていてもよい。
【0031】
図2に示すように、各紡績ユニット2は、ドラフト装置21と、紡績装置22と、糸貯留装置23と、捕捉装置24と、巻取装置25と、を備える。これらの装置は、糸走行方向において上流側から下流側へ向かって順に配置されている。
【0032】
糸継台車80は、各紡績ユニット2に対して移動可能に設けられている。糸継台車80は、複数の紡績ユニット2に対して1つ備えられている。
図1では1台の糸継台車80が図示されているが、紡績機1は、複数台の糸継台車80を備えていてもよい。糸継台車80は、後述するように、糸継装置82と、サクションパイプ83と、サクションマウス84と、を備える。
【0033】
ドラフト装置21は、紡績ユニット2の上部に設けられている。ドラフト装置21は、複数のドラフトローラ対を備える。それぞれのドラフトローラ対は、2つのドラフトローラによって構成される。
【0034】
具体的には、ドラフト装置21は、4つのドラフトローラ対を備える。4つのドラフトローラ対は、上流側から下流側へ向かって順に配置された、バックローラ対41、サードローラ対42、ミドルローラ対43、及びフロントローラ対44である。ミドルローラ対43の各ドラフトローラには、エプロンベルト45が設けられている。
【0035】
4つのドラフトローラ対のそれぞれは、互いに対向する駆動ローラ及び従動ローラを有している。4つのドラフトローラ対に関して、それぞれの駆動ローラに、図略のモータ等の駆動部が設けられている。それぞれの駆動ローラは、駆動部によって当該駆動ローラの軸線を中心に回転駆動される。本実施形態では、紡績ユニット2毎に駆動ローラの駆動部が設けられる。そのため、ある紡績ユニット2のドラフトローラ対は、他の紡績ユニット2のドラフトローラ対に対して独立して動作可能である。なお、複数の紡績ユニット2のドラフトローラ対を共通の駆動部により駆動してもよい。
【0036】
ドラフト装置21は、図略のスライバ供給部から供給されるスライバ4aを、各ドラフトローラ対の駆動ローラと従動ローラとの間で挟み込んで搬送することによって、所定の繊維量又は太さとなるまで引き伸ばして(ドラフトして)、繊維束4bを生成する。ドラフト装置21により生成された繊維束4bは、紡績装置22に供給される。
【0037】
紡績装置22は、本実施形態では空気紡績装置である。紡績装置22は、ドラフト装置21により生成された繊維束4bに旋回空気流を作用させることにより、撚りを加えて糸5を生成する。紡績装置22は、ドラフト装置21の下流側に配置されている。
【0038】
紡績装置22は、生成した糸5を下流側に供給する。紡績装置22は、糸5を供給しているため給糸部に相当する。紡績装置22により生成された糸5は、紡績装置22から巻取装置25に向かって走行し、巻取装置25によって巻き取られる。紡績装置22と巻取装置25との間には、糸5が走行する糸道が形成される。
【0039】
糸貯留装置23は、紡績装置22により生成された糸5を紡績装置22から引き出して一時的に貯留する。糸貯留装置23は、紡績装置22よりも下流側であって、巻取装置25よりも上流側に配置されている。
【0040】
糸貯留装置23は、糸貯留ローラ51と、電動モータ52と、糸掛け部材53と、糸外し部材(無効化部材)55と、第1貯留量センサ56と、第2貯留量センサ57と、を備える。
【0041】
糸貯留ローラ51は、電動モータ52により回転駆動される。糸貯留ローラ51は、その外周面に糸5を巻き付けて一時的に貯留する。糸貯留ローラ51は、外周面に糸5を巻き付けた状態で所定の回転速度で回転することによって、紡績装置22から糸5を所定の速度で引き出すことができる。
【0042】
糸掛け部材53は、糸5を引っ掛けることが可能である。糸掛け部材53は糸貯留ローラ51に対して相対回転可能に支持されている。糸掛け部材53には、例えば磁気的手段等からなるトルク発生手段により、糸貯留ローラ51に対し相対回転するのに抗するトルク(抵抗トルク)が掛かる。これにより、糸5に掛かる張力がこの抵抗トルクに打ち勝つほどに強ければ、糸掛け部材53は糸貯留ローラ51と独立に回転して、糸5を前記糸貯留ローラ51から解舒する。糸5に掛かる張力が抵抗トルクよりも弱ければ、糸掛け部材53は糸貯留ローラ51と一体的に回転し、糸5を前記糸貯留ローラ51に巻き付ける。なお、糸掛け部材53を回転駆動する駆動部を設けてもよい。
【0043】
糸外し部材55は、糸貯留ローラ51の近傍に配置されている。糸外し部材55は、糸掛け部材53から糸5を外す糸外し動作を行うことができる。糸外し部材55は
図1に示すようにL字状の部材として構成され、その端部が回転可能に支持されている。
【0044】
糸外し部材55は、
図2に示す位置(退避位置)と
図6に示す位置(糸外し位置)との間で移動可能に設けられている。糸外し部材55は、退避位置から糸外し位置に移動する過程において、糸貯留ローラ51よりも下流側の空間を通過する。このとき、糸掛け部材53に引っ掛かっている糸5があれば、当該糸5に糸外し部材55が作用して、この糸5が糸掛け部材53から外れる。糸掛け部材53から糸5が外れることにより、糸掛け部材53による糸5への作用が無効化されるので、糸貯留ローラ51に巻かれた糸5は、糸貯留ローラ51から解舒される。
【0045】
糸外し部材55は各紡績ユニット2に設けられており、それぞれの糸外し部材55に対して単独の駆動部(モータ又はエアシリンダ等)が設けられている。糸外し部材55の駆動部は、ユニット制御部15によって制御される。従って、糸外し部材55は、他の紡績ユニット2の糸外し部材55に対して独立して動作することができる。
【0046】
第1貯留量センサ56及び第2貯留量センサ57は、糸貯留ローラ51の外周面の適宜の位置に向かうように配置されている。第1貯留量センサ56及び第2貯留量センサ57は、この位置における糸5の有無を検出する。この構成により、第1貯留量センサ56は、糸貯留ローラ51に巻かれた糸5が第1貯留量以上か否かを検出する。第2貯留量センサ57は、糸貯留ローラ51に巻かれた糸5が第2貯留量以上か否かを検出する。第1貯留量センサ56は、第2貯留量センサ57よりも上流側に配置されている。糸貯留ローラ51には、上流側から下流側に向けて糸5が貯留されていく。従って、第2貯留量は、第1貯留量よりも多い。第1貯留量センサ56及び第2貯留量センサ57は、検出位置における糸5の有無を示す糸有無検出信号をユニット制御部15へ送信する。
【0047】
糸貯留装置23は、糸5の巻取り中において、糸貯留ローラ51の貯留量が第2貯留量を維持するように制御を行う。例えば、糸貯留ローラ51の貯留量が第2貯留量以下である場合、貯留量を増加させる制御を行う。ユニット制御部15は、パッケージ7の巻取速度を低下させることにより、貯留量を増加させる。この場合、ユニット制御部15は、ドラム駆動モータ77の回転速度を低下させることにより、巻取ドラム76の回転速度を低下させる。ユニット制御部15は、ドラム駆動モータ77の回転速度の制御に同期させて、トラバース駆動モータ79の回転速度(トラバースガイド78のトラバース速度)も低下させてもよい。糸貯留ローラ51の貯留量が増加し、第2貯留量センサ57が再び糸5を検出すると、ユニット制御部15は、パッケージ7の巻取速度の増加を停止し、設定されている巻取速度でパッケージ7の巻取りを継続する。トラバース速度も低下させていた場合、ユニット制御部15は、トラバース速度も設定速度に戻す。
【0048】
糸貯留装置23は、糸貯留ローラ51の外周面に糸5を一時的に貯留することができるので、糸5の一種のバッファとして機能する。これにより、紡績装置22における紡績速度と、巻取速度(パッケージ7に巻き取られる糸5の走行速度)と、が何らかの理由により一致しないことによる不具合(例えば、糸5の弛み等)を解消することができる。
【0049】
紡績装置22と糸貯留装置23との間には、糸監視装置47が設けられている。糸監視装置47は、糸貯留装置23よりも上流側(紡績装置22側)で糸5の状態を検知する。紡績装置22により生成された糸5は、糸貯留装置23により貯留される前に糸監視装置47を通過する。
【0050】
糸監視装置47は、走行する糸5の品質を光センサによって監視し、糸5に含まれる糸欠点を検出する。糸欠点としては、例えば、糸5の太さの異常、及び/又は、糸5に含まれる異物等がある。糸監視装置47は、糸5の糸欠点を検出した場合、ユニット制御部15へ糸欠点検出信号を送信する。糸監視装置47は、光センサの代わりに、例えば静電容量式のセンサを用いて糸5の品質を監視してもよい。糸監視装置47は、糸5のテンションの異常を糸欠点として検出するように構成されていてもよい。
【0051】
ユニット制御部15は、糸監視装置47の検出結果に基づいて、糸5を切断するか否かを判定する。糸5の切断は、ユニット制御部15が、紡績装置22による紡績を停止するように制御することにより実現される。糸5の切断は、ドラフト装置21によるドラフト(例えば、バックローラ対41の回転)を停止することによって実現されてもよい。ドラフト装置21から紡績装置22への繊維束4bの供給が停止される場合でも、紡績装置22による紡績は実質的に中断されることになる。紡績ユニット2にカッタを備え、ユニット制御部15がカッタにより糸5の切断を行ってもよい。カッタによって糸5が切断される場合でも、ユニット制御部15は、紡績装置22による紡績が実質的に中断するように制御する。
【0052】
捕捉装置24は、紡績装置22と巻取装置25の間において糸5が分断された場合に、パッケージ7側の糸5を吸引する。捕捉装置24は、糸貯留装置23よりも下流であって、巻取装置25よりも上流に配置されている。更に、捕捉装置24は、糸貯留装置23から巻取装置25までの糸道にある糸5を吸引可能な位置に配置されている。この糸道は、糸外し部材55が糸5に作用した状態での糸道であってもよいし、糸外し部材55が糸5に作用していない状態での糸道であってもよい。また、この糸道は、張力が掛かって糸5が張った状態の糸道であってもよいし、糸5に弛みが生じている状態の糸道であってもよい。これに対し、サクションマウス84は、待機状態では、糸貯留装置23から巻取装置25までの糸道から離れた位置に配置されている。本実施形態では、捕捉装置24は糸道に対する距離が変化しないように固定されているが、多少移動可能であってもよい。例えば、捕捉装置24は、糸道に対して少しだけ接近及び退避する方向に移動可能であってもよい。言い換えると、捕捉装置24の移動可能長さは、サクションマウス84の移動可能長さよりは短い。後述の糸継台車80が当該紡績ユニット2に対して作業を行うとき、捕捉装置24は、糸継台車80が備える糸継装置82よりも上流側に位置する。捕捉装置24は、紡績装置22の下流かつ捕捉装置24の上流で糸5の分断が発生した場合に、パッケージ7側の糸5を、糸継装置82よりも上流側で捕捉することができる。
【0053】
糸5の分断が発生した場合、ユニット制御部15は、捕捉装置24の使用/不使用を決定し、当該決定に基づいて捕捉装置24を適宜制御する。捕捉装置24及びサクションマウス84は、パッケージ7側の糸5の捕捉のために択一的に選択されて用いられる。従って、捕捉装置24の使用はサクションマウス84の不使用を意味し、捕捉装置24の不使用はサクションマウス84の使用を意味する。
【0054】
捕捉装置24は、吸引管61と、糸捕捉検知センサ63と、を備える。吸引管61の先端(長手方向一端)に吸引口62が形成されている。吸引口62は、紡績ユニット2に形成される糸道に向かって開口している。捕捉装置24の吸引口62は、捕捉のための糸道に向かって開口するように設けられていてもよい。吸引管61は、配管等を介して、ブロア113等の負圧源に接続されている。これにより、吸引口62(吸引管61内)に吸引流(吸引力)を発生させることができる。捕捉装置24に図略のシャッターを設け、必要な場合にシャッターを開くことによって、吸引口62に吸引流を発生させるようにしてもよい。糸捕捉検知センサ63は、本実施形態では捕捉装置24の吸引口62のすぐ下流側に配置されている。糸捕捉検知センサ63は、捕捉装置24によるパッケージ7側の糸5の捕捉の成否を検出する。
【0055】
糸貯留装置23より下流側であって巻取装置25より上流側には、糸ガイド48と、ワキシング装置49と、が設けられている。
【0056】
糸ガイド48は、糸貯留ローラ51よりも下流側に配置されている。糸ガイド48は、糸5が糸道に沿うように、糸5に接触してガイドする。本実施形態では、糸ガイド48はワキシング装置49よりも下流に配置されている。
【0057】
ワキシング装置49は、糸5に付与するワックスを保持する。ワキシング装置49は、糸貯留装置23と巻取装置25との間において走行中の糸5にワックス付けを行う。糸5にワックスを付与せずにパッケージ7を巻き取る場合は、ワキシング装置49の全体を紡績ユニット2から取り外してもよく、あるいは、ワキシング装置49からワックスのみを取り外してもよい。
【0058】
巻取装置25は、糸貯留装置23を通過した糸5を巻き取ってパッケージ7を形成する。巻取装置25は、糸貯留装置23よりも下流側に配置されている。
【0059】
巻取装置25は、クレードル装置71と、パッケージ回転装置72と、トラバース装置73と、を備える。
【0060】
クレードル装置71は、1対のクレードルアーム74を備える。クレードル装置71は、糸5を巻き取るためのボビン7a(ひいてはパッケージ7)を、1対のクレードルアーム74の間で回転可能に支持することができる。クレードルアーム74は、支軸75を中心として回転することができる。
【0061】
パッケージ回転装置72は、巻取ドラム76と、ドラム駆動モータ(ドラム駆動部)77と、を備える。巻取ドラム76は、ボビン7a又はパッケージ7の外周面に接触することができる。ドラム駆動モータ77の出力軸は、適宜の手段により巻取ドラム76に連結されている。ドラム駆動モータ77によって巻取ドラム76を駆動することにより、パッケージ7を巻取方向に回転させることができる。ドラム駆動モータ77は正逆回転可能に構成されている。従って、パッケージ7を巻取方向とは逆方向に回転させること(逆回転させること)が可能である。
【0062】
トラバース装置73は、トラバースガイド78と、トラバース駆動モータ(トラバース駆動部)79と、を備える。トラバースガイド78は、パッケージ7に巻き取られる糸5を引っ掛けることができる。トラバースガイド78は、パッケージ7の巻幅方向に往復動することができる。トラバース駆動モータ79の出力軸は、適宜の手段によりトラバースガイド78に連結されている。トラバースガイド78が糸5を保持した状態で、トラバース駆動モータ79によってトラバースガイド78を往復駆動することにより、パッケージ7に巻き取られる糸5をトラバースすることができる。
【0063】
巻取装置25は、トラバース装置73のトラバースガイド78を往復動させながら、パッケージ回転装置72の巻取ドラム76を回転させる。これにより、巻取装置25は、糸5をトラバースしつつ、糸5をパッケージ7に巻き取る。
【0064】
本実施形態において、各紡績ユニット2の単一の巻取ドラム76に対して、単一のドラム駆動モータ77が設けられている。また、各紡績ユニット2の単一のトラバースガイド78に対して、単一のトラバース駆動モータ79が設けられている。従って、巻取ドラム76及びトラバースガイド78は、他の紡績ユニット2の巻取ドラム76及びトラバースガイド78に対して独立して動作することができる。
【0065】
図1に示すように、紡績機1には、レール101が設けられている。レール101は、複数の紡績ユニット2が並ぶ方向に沿って延びるように配置されている。糸継台車80は、レール101の上を走行可能に構成されている。これにより、糸継台車80は、複数の紡績ユニット2に対して移動することができる。
【0066】
糸継台車80は、糸5の分断が発生した紡績ユニット2に対応する作業位置まで走行して、当該紡績ユニット2において糸継処理を行う。糸継台車80は、この糸継処理を、紡績ユニット2に備えられた捕捉装置24等と連携しながら、又は、当該糸継台車80が備える装置を用いて行う。
【0067】
糸継台車80は、走行車輪81と、糸継装置82と、サクションパイプ83と、サクションマウス84と、台車制御部85と、を備える。
【0068】
走行車輪81は、図略の駆動手段(例えばモータ)によって回転駆動可能に構成されている。走行車輪81が駆動されることによって、糸継台車80が複数の紡績ユニット2のそれぞれに対して走行することができる。
【0069】
サクションパイプ83は、パイプ状の部分を有する部材である。サクションパイプ83の先端には開口が形成されている。サクションパイプ83は適宜の負圧源(例えばブロア113)に接続されている。従って、サクションパイプ83の先端の開口に吸引流を発生させることができる。サクションパイプ83は回転可能に支持されている。サクションパイプ83が回転することにより、その先端の開口を、紡績装置22に対して接近させて、給糸部側の糸5(紡績装置22側の糸5)を捕捉することができる。
【0070】
サクションマウス84は、パイプ状の部分を有する部材である。サクションマウス84の先端には開口が形成されている。サクションマウス84はブロア113等の負圧源に接続されている。従って、サクションマウス84の先端の開口に吸引流を発生させることができる。サクションマウス84は回転可能に支持されている。サクションマウス84が回転することにより、その先端の開口を、巻取装置25に対して接近させて、パッケージ7側の糸5を捕捉することができる。
【0071】
糸継装置82は、糸継部82aと、カッタ82b,82cと、を備える。糸継装置82は、図略の糸寄せレバーを動作させることにより、給糸部側の糸5と、パッケージ7側の糸5と、を取り込むことができる。カッタ82bは、パッケージ7側の糸5を、糸継部82aと、捕捉装置24又はサクションマウス84と、の間で切断する。カッタ82cは、給糸部側の糸5を、糸継部82aと、サクションパイプ83と、の間で切断する。糸継部82aは、給糸部側の糸5と、パッケージ7側の糸5と、の糸継ぎを行う。本実施形態において、糸継装置82は、旋回空気流により糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。糸継装置82は、前記のスプライサ装置に限定せず、例えば機械式のノッタ等とすることもできる。
【0072】
台車制御部85は、図示しないCPU、ROM、RAM等を有する公知のコンピュータとして構成されている。台車制御部85は、糸継台車80が備える各部の動作を制御することによって、糸継台車80が行う糸継処理を制御する。
【0073】
次に、
図3から
図7を参照して、捕捉装置24を使用して糸5の分断に対応する処理の流れを説明する。
【0074】
以下の説明では、糸欠点5aを検出して糸5を切断する状況を説明するが、紡績装置22又はドラフト装置21等で糸5に強いテンションが掛かる等して糸5が切れた場合でも同様の処理が行われる。また、以下では、ユニット制御部15は、適宜のタイミングで捕捉装置24の使用を決定したものとする。
【0075】
上述したように、ユニット制御部15は、糸監視装置47の検出結果に基づいて、糸5に糸欠点5aがあるか否かを判定する(S101)。ユニット制御部15は、糸5に糸欠点5aがあると判定した場合、紡績装置22による紡績を停止させて糸5を切断する(S102)。
図4には、糸5が切断された直後の状態が示されている。
【0076】
ここで、捕捉装置24を使用してパッケージ7側の糸5を捕捉する場合における、パッケージ7の逆回転について説明する。糸5に糸欠点5aがあることを検出してから糸5を切断するまでの間にはタイムラグがあるので、糸5の糸端に糸欠点5aがあるとは限られない。そのため、パッケージ7側の糸5を捕捉装置24が捕捉した時点において、糸欠点5aが既にパッケージ7に巻き取られている可能性がある。そのため、パッケージ7から糸欠点5aを確実に除去するために、捕捉装置24により糸5を吸引して捕捉しながら、パッケージ7を逆回転させてパッケージ7から糸欠点5aを含む糸5を引き出す必要がある。しかし、パッケージ7を逆回転させることにより、制御が煩雑になったり、時間が掛かったりする。更に、糸欠点5aを含む部分をパッケージ7から捕捉装置24まで移動させる際に、糸欠点5aが破断する可能性がある。特に、本実施形態のように捕捉装置24と巻取装置25の間に、糸ガイド48又はワキシング装置49が存在する場合、糸欠点5aがこれらに引っ掛かって破断する可能性が高くなる。以上を考慮し、本実施形態では、パッケージ7の逆回転をできる限り行わない。
【0077】
ユニット制御部15は、糸監視装置47が糸欠点5aを検出したときに、糸欠点5aの長さを判定する(S103)。糸欠点5aの長さは、糸監視装置47が送信する糸欠点検出信号に基づいて算出できる。ユニット制御部15は、糸欠点5aが短欠点(例えば、スラブ又はネップ)である場合は、パッケージ7を逆回転させる処理を行わずに糸継ぎを行う。一方、糸欠点5aが長欠点である場合は、糸欠点5aの長さを特定した時点ではパッケージ7に糸欠点5aの少なくとも一部が既に巻き取られている可能性がある。そのため、ユニット制御部15は、パッケージ7を逆回転させる処理を行ってから糸継ぎを行う。より具体的には、ユニット制御部15は、長欠点を除去するために必要な量以上、パッケージ7を逆回転させ、その後、パッケージ7の回転を停止させる。糸継装置82による糸継ぎは、パッケージ7の回転が停止されている状態で行われる。ユニット制御部15は、検出した糸欠点5aの長さが閾値以上の場合は長欠点と判定し、検出した糸欠点5aの長さが閾値未満の場合は短欠点と判定する。
【0078】
ユニット制御部15は、糸欠点5aの長さが閾値未満と判定した場合、糸貯留ローラ51の貯留量が第1貯留量未満になるまで、糸貯留装置23による糸送り及び巻取装置25による巻取りを継続する。糸5を切断した直後では、糸貯留装置23に多くの糸5が貯留されている。糸貯留装置23に貯留されている糸5(特に下流側にある糸5)には糸欠点5aは含まれていない。そのため、ユニット制御部15は、糸貯留装置23に貯留されている糸5が一定程度パッケージ7に巻き取られるまで、捕捉装置24による糸5の吸引を待機する。
【0079】
具体的には、ユニット制御部15は、糸貯留ローラ51の貯留量が第1貯留量未満か否かを判定する(S104)。この判定は、第1貯留量センサ56が送信する糸有無検出信号に基づいて判定される。糸貯留ローラ51の貯留量が第1貯留量になった時点において糸欠点5aが糸貯留ローラ51上に位置するように、第1貯留量が決定されている。
【0080】
ユニット制御部15は、糸貯留ローラ51の貯留量が第1貯留量未満である場合、糸欠点除去動作を実行する(S105)。糸欠点除去動作は、(1)パッケージ7の回転を停止する処理、(2)糸外し部材55を動作させる処理(糸外し部材55を退避位置から糸外し位置へ移動させる処理)、(3)捕捉装置24に吸引流を発生させる処理を含む。また、糸欠点除去動作中においても、糸貯留ローラ51の糸送り処理は継続して行う。パッケージ7の回転を停止することにより、糸欠点5aがパッケージ7に巻き取られることを回避できる。糸外し部材55を動作させて糸掛け部材53から糸5を外すことにより、糸掛け部材53による糸5への作用が無効化されるため、糸貯留ローラ51から糸5を解舒できる。糸5が糸外し部材55を通過し、捕捉装置24により吸引されたタイミングよりも後に、糸外し部材55は糸外し位置から退避位置へと移動する。
【0081】
糸欠点除去動作を実行する時点では、糸貯留ローラ51に糸欠点5aが位置している。そのため、捕捉装置24が糸5を捕捉した時点においても、糸貯留ローラ51に(言い換えれば捕捉装置24より上流側に)糸欠点5aが位置している。従って、糸欠点5aはパッケージ7に巻き取られずに、捕捉装置24に捕捉される。
図5には、捕捉装置24が糸5を捕捉した時点で、糸欠点5aが糸貯留ローラ51にある状態が示されている。
【0082】
糸欠点除去動作の(1)から(3)の処理を開始するタイミング又は完了するタイミングは様々なパターンが存在する。例えば、(1)から(3)の処理を同時に開始してもよいし、少なくとも1つの処理を他の処理よりも少し先に行ってもよい。また、(1)から(3)の処理を同時に完了させてもよいし、少なくとも1つの処理を他の処理よりも少し先に完了させてもよい。ただし、捕捉装置24が糸5を捕捉した後においてパッケージ7の回転が継続している場合、捕捉装置24が一旦捕捉した糸5が捕捉装置24から外れる可能性がある。そのため、捕捉装置24が糸5を捕捉した時点において、パッケージ7の回転はゼロ又はその近傍であることが好ましい。
【0083】
糸欠点除去動作を行うことにより、糸欠点5aがパッケージ7に巻き取られる前に捕捉装置24が糸欠点5aを捕捉する。その後、糸貯留ローラ51の糸送りが継続することにより、捕捉装置24は、パッケージ7側の糸5の糸端も捕捉する。また、捕捉装置24が糸5を捕捉することにより、パッケージ7側の糸5が糸継装置82の近傍に位置する。パッケージ7側の糸5を糸継装置82の近傍に位置させるために、糸継装置82が糸道に対して前後方向に移動可能に設けられていてもよい。なお、糸欠点5aがパッケージ7に巻き取られていないので、ユニット制御部15は、パッケージ7を逆回転させる必要が無い。従って、ユニット制御部15は、糸欠点除去動作の完了後であって糸継装置82による糸継ぎが完了するまでの間は、パッケージ7の回転の停止を維持する(回転を禁止する)。
【0084】
ユニット制御部15は、パッケージ7の回転が停止するタイミングにおいて、トラバースガイド78をパッケージ7の巻幅方向(パッケージ7の軸方向)の中央領域で停止させる(S106)。中央領域とは、巻幅方向の中央及びその近傍を含む領域である。上述したように、本実施形態のトラバースガイド78及びトラバース駆動モータ79は、紡績ユニット2毎に個別に設けられているため、簡単な処理によりトラバースガイド78を巻幅方向の中央領域で停止させることができる。糸欠点5aが閾値未満である場合は、パッケージ7の逆回転を行わないため、トラバースガイド78を巻幅方向の端部又はパッケージ7の幅の領域外に退避させる必要がない。
【0085】
次に、ユニット制御部15は、台車制御部85に指示して、サクションパイプ83により給糸部側の糸5の捕捉及び糸継装置82への案内を行わせる(S107)。具体的には、サクションパイプ83は回転することにより、その先端の開口を紡績装置22の近傍に近づける。その後、紡績装置22が紡績を再開することにより、サクションパイプ83は、紡績装置22が生成した糸5を吸引して捕捉する。その後、サクションパイプ83が糸5を捕捉しながら糸案内位置に移動することにより、給糸部側の糸5が糸継装置82の近傍に案内される。この一連の動作において、紡績装置22側の糸5は、糸貯留ローラ51に再び貯留されるようになる。
図6には、パッケージ7側の糸5及び給糸部側の糸5が糸継装置82に案内された状態が示されている。紡績装置22による紡績が再開された直後に生成され糸貯留ローラ51に貯留された糸5は、廃棄することが望ましいことがある。この場合、糸外し部材55を退避位置から糸外し位置へと移動させ、糸掛け部材53による糸5への作用を無効化することにより、糸貯留ローラ51の糸5をサクションパイプ83により吸引除去することができる。この場合も、糸外し部材55は、糸5の吸引除去が終わった後に、糸外し位置から退避位置へと移動される。
【0086】
次に、ユニット制御部15は、台車制御部85に指示して、糸継装置82によりパッケージ7側の糸5と、給糸部側の糸5と、の糸継ぎを行わせる(S108)。糸継ぎの詳細な処理は上述したとおりである。カッタ82bがパッケージ7と捕捉装置24の間の糸5を切断することにより、糸欠点5aは捕捉装置24に吸引されて除去される。
図7には、糸継ぎ中の状態が示されている。糸継ぎの完了後、ユニット制御部15は、パッケージ7への糸5の巻取りを再開させる(S109)。
【0087】
ユニット制御部15は、糸欠点5aの長さが閾値以上と判定した場合、捕捉装置24に吸引流を発生させる(S110)。この場合、パッケージ7の回転を停止させるタイミングは任意であり、例えば、糸捕捉検知センサ63が糸5を検出したタイミングでパッケージ7の回転を停止させてもよい。また、糸欠点5aの長さが閾値以上と判定した場合、パッケージ7を逆回転させるため、逆回転時に邪魔とならないようにトラバースガイド78をパッケージ7の巻幅方向の端部領域で停止させる(S111)。端部領域とは、巻幅方向の端部及びその近傍を含む領域である。
【0088】
次に、ユニット制御部15は、捕捉装置24の吸引流を継続しつつ、パッケージ7を逆回転して糸5を解舒する(S112)。これにより、パッケージ7に巻き取られた糸欠点5aを捕捉装置24に吸引させることができる。その後、糸欠点5aの長さが閾値未満の場合と同様、ユニット制御部15は、糸継装置82に糸継ぎを行わせて、巻取装置25に糸5の巻取りを再開させる。糸継装置82による糸継ぎの過程においてカッタ82bを動作させることにより、捕捉装置24により吸引されている糸5が切断され、切断箇所よりも捕捉装置24に近い側の糸5(長欠点が含まれる糸5)が捕捉装置24により吸引除去される。糸欠点5aの長さに応じた処理を行うことにより、通常はパッケージ7を逆回転させず、必要な場合にのみパッケージ7を逆回転させる。そのため、パッケージ7の逆回転を毎回行う場合と比較して、糸切れの確率又は作業時間を低減できる。
【0089】
以上に説明したように、本実施形態の紡績機1は、紡績装置22と、糸貯留ローラ51と、糸掛け部材53と、糸外し部材55と、巻取装置25と、捕捉装置24と、糸継部82aと、カッタ82bと、ユニット制御部15と、を備える。紡績装置22は、紡績を行って糸5を生成する。糸貯留ローラ51は、紡績装置22より糸走行方向の下流に配置され、糸5を外周面に巻き付けて一時的に貯留する。糸掛け部材53は、糸5と接触した状態で糸貯留ローラ51と一体的に回転することにより糸貯留ローラ51の外周面に糸5を巻き付ける。糸外し部材55は、糸掛け部材53による糸5への作用を無効化する。巻取装置25は、紡績装置22が供給した糸5を巻き取ってパッケージ7を形成する。捕捉装置24は、糸走行方向において糸貯留ローラ51と巻取装置25の間の位置であって、かつ、糸貯留ローラ51から巻取装置25までの糸道にある糸5を吸引可能な位置に配置されており、糸5が分断された場合にパッケージ7側の糸5を吸引して捕捉する。糸継部82aは、紡績装置22側の糸5とパッケージ7側の糸5を糸継ぎする。カッタ82bは、捕捉装置24と糸継部82aの間で糸5を切断する。糸欠点5aが捕捉装置24よりも糸走行方向の上流にあり、糸掛け部材53による糸5への作用を糸外し部材55が無効化しており、かつ、パッケージ7の回転が停止又は回転速度がゼロに向けて減速している状態で、ユニット制御部15は、糸貯留ローラ51を回転させて糸5を送り出しつつ捕捉装置24に糸5を吸引させる。パッケージ7の回転を停止させている状態で、ユニット制御部15は、パッケージ7側の糸5をカッタ82bに切断させることにより糸欠点5aを除去し、糸継部82aに紡績装置22側の糸5とパッケージ7側の糸5を糸継ぎさせる。
【0090】
これにより、糸欠点5aを含む糸5が捕捉装置24に直接的に捕捉される。そのため、基本的には、パッケージ7を逆回転させて糸欠点5aを引き出す必要がない。また、糸継ぎの際にカッタ82bが糸5を切断することにより、糸欠点5aが除去される。以上により、簡単な工程により糸欠点5aを除去できる。
【0091】
本実施形態の紡績機1は、糸継部82aと、カッタ82bと、を有する糸継装置82を備える。
【0092】
これにより、カッタ82bを別途備える構成と比較して、構成を単純化できる。
【0093】
本実施形態の紡績機1は、糸貯留ローラ51に巻かれた糸5が第1貯留量以上か否かを検出する第1貯留量センサ56を備える。ユニット制御部15は、糸5を送り出す方向への糸貯留ローラ51の回転を継続しつつ、第1貯留量センサ56の検出結果に基づいて、パッケージ7の回転を停止する。
【0094】
これにより、適切なタイミングでパッケージ7の回転を停止させることができる。
【0095】
本実施形態の紡績機1は、糸貯留ローラ51に巻かれた糸5が第1貯留量より多い第2貯留量以上か否かを検出する第2貯留量センサ57を備える。ユニット制御部15は、糸5の巻取中において、第2貯留量センサ57の検出結果に基づいて、糸貯留ローラ51の貯留量を調整する。
【0096】
これにより、目的に応じて異なる位置に2つの貯留量センサを設けることにより、適切な制御を行うことができる。
【0097】
本実施形態の紡績機1において、糸走行方向において捕捉装置24と巻取装置25の間には、糸5にワックスを付与するワキシング装置49、及び、糸5をガイドする糸ガイド48の少なくとも一方が配置される。
【0098】
パッケージ7に巻き取られた糸欠点5aを引き出す必要が基本的にないため、糸欠点5aがワキシング装置49又は糸ガイド48を通過することがない。従って、パッケージ7を逆回転する方法と比較して、糸切れの頻度を低下させることができる。
【0099】
本実施形態の紡績機1は、糸5の状態を監視して糸欠点5aを検出する糸監視装置47を備える。糸外し部材55は、糸欠点5aが糸貯留ローラ51に位置する状態で、糸掛け部材53による糸5への作用を無効化する。
【0100】
これにより、糸欠点5aを捕捉装置24に的確に吸引させることができる。
【0101】
本実施形態の紡績機1において、ユニット制御部15は、糸監視装置47が検出した糸欠点5aが短欠点の場合は、パッケージ7の回転の停止後に、パッケージ7の回転の停止を維持させつつ、糸継部82aに糸継ぎを行わせる。ユニット制御部15は、糸監視装置47が検出した糸欠点5aが長欠点の場合は、パッケージ7の回転の停止後に、パッケージ7を巻取方向に対して逆回転させて糸欠点5aをパッケージ7から引き出した後に糸継部82aに糸継ぎを行わせる。
【0102】
これにより、基本的にはパッケージ7の逆回転を行うことなく糸欠点5aを除去できる。また、糸欠点5aがパッケージに巻き取られるほど長い場合は、パッケージ7を逆回転させて糸欠点5aを除去できる。
【0103】
本実施形態の紡績機1において、巻取装置25は、単一のトラバースガイド78と、トラバース駆動モータ79と、を備える。トラバース駆動モータ79は、単一のトラバースガイド78のみを駆動する。ユニット制御部15は、巻取りの中断時において、トラバースガイド78をパッケージ7の巻幅方向の中央領域で停止させる。
【0104】
パッケージ7を逆回転させる場合は、逆回転動作に干渉しないようにトラバースガイド78をパッケージ幅の領域外に退避させておく必要があるが、本構成では基本的にパッケージ7の逆回転が不要であるため、トラバースガイド78を退避させる動作を省略できる。更に、パッケージ7の巻取りの再開時にトラバースガイド78を中央領域に戻す必要がない。以上により、パッケージ7の巻取りをスムーズに再開できる。
【0105】
本実施形態の紡績機1において、巻取装置25は、単一の巻取ドラム76と、ドラム駆動モータ77と、を備える。単一の巻取ドラム76は、パッケージ7に接触して回転することによりパッケージ7を回転させる。ドラム駆動モータ77は、単一の巻取ドラム76を回転駆動する。ユニット制御部15は、ドラム駆動モータ77によるパッケージ7の回転を停止させることにより、パッケージ7の回転を停止させる。
【0106】
巻取ドラム76毎にドラム駆動モータ77が設けられているため、パッケージ7を適切な速度で回転させたり、適切なタイミングで停止させたりすることができる。
【0107】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0108】
紡績ユニット2において、糸貯留ローラ51と捕捉装置24の吸引口62の間に糸ガイドが設けられていてもよい。吸引口62は、当該糸ガイドと糸ガイド48との間で開口するように設けられている。
【0109】
紡績機1は捕捉装置24及びサクションマウス84を備えるが、サクションマウス84を省略することもできる。紡績機1は、糸継台車80を備えずに、各紡績ユニット2が糸継処理に必要な装置を備えていてもよい。
【0110】
糸外し部材55とは異なる部材により、糸掛け部材53による糸5への作用を無効化してもよい。例えば、糸掛け部材53を駆動するモータを設けて当該モータを制御することにより、糸5への作用を無効化してもよい。また、糸掛け部材53に接触して糸掛け部材53の動きを規制するストッパにより、糸5への作用を無効化してもよい。
【0111】
上記実施形態では、糸継装置82が有するカッタ82bを用いて糸欠点5aを含む部分を切断する。これに代えて、糸継装置82とは独立して設けられたカッタを用いて糸欠点5aを含む部分を切断してもよい。この場合、カッタは、捕捉装置24の内部に設けられているか、捕捉装置24と糸継部82aの間に設けられている。
【0112】
上記実施形態で示したフローチャートは一例であり、一部の処理を省略したり、一部の処理の内容を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。例えば、閾値より長い糸欠点5aが発生しないと考えられる場合は、糸欠点5aの長さに応じた処理を省略してもよい。
【0113】
上記実施形態においてユニット制御部15が行うと説明した処理の一部を中央制御装置115又は台車制御部85が行ってもよい。
【0114】
紡績機1は、捕捉装置24による糸5の吸引を補助する補助装置を更に備えてもよい。例えば、補助装置は、捕捉装置24の吸引口62に対向する位置に配置される。補助装置は、気体の噴射により捕捉装置24の吸引口62に向けて糸5を押し込むか、又は、糸5に接触して糸5を押圧することにより捕捉装置24の吸引口62に向けて糸を押し込む。
【0115】
上記実施形態では、糸貯留装置23により紡績装置22から糸5を引き出しているが、糸貯留装置23の代わりに紡績装置22の下流側に引出装置としてのデリベリローラ対を設け、デリベリローラ対により紡績装置22から糸5を引き出すようにしてもよい。この場合、デリベリローラ対よりも下流側に糸貯留装置23及び/又は機械式のコンペンセーターが設けられていてもよい。
【0116】
紡績機1では、機台高さ方向において、上側で供給された糸5が下側で巻き取られるように各装置が配置されていた。しかし、下側で供給された糸5が上側で巻き取られるように各装置が配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1 紡績機
15 ユニット制御部(制御部)
22 紡績装置
23 糸貯留装置
24 捕捉装置
25 巻取装置
51 糸貯留ローラ
53 糸掛け部材
55 糸外し部材
76 巻取ドラム
77 ドラム駆動モータ(ドラム駆動部)
78 トラバースガイド
79 トラバース駆動モータ(トラバース駆動部)