(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142139
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】放熱部材、および半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20230928BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022048856
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩二
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼田 裕毅
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA03
5E322AA06
5E322EA10
5E322FA01
5E322FA04
5F136BA04
5F136CB06
5F136CB07
5F136CB08
5F136DA27
5F136FA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンタミ対策を行いつつ冷却性能を確保する放熱部材を提供する。
【解決手段】放熱部材5は、冷媒が流れる方向に沿う第1方向、かつ、第1方向に直交する第2方向に広がり、第1方向及び第2方向に直交する第3方向に厚みを有する板形状のベース部2と、ベース部2から第3方向一方側に突出して第2方向に複数配置されるフィン10と、を有する。冷媒が流れる下流側を第1方向一方側として、フィン10は、第1方向、かつ、第3方向に広がり、かつ、第2方向に厚みを有する平板状の側壁部11を有する。側壁部11には、第2方向に貫通するスリットと、スリットの第1方向一方側と第1方向他方側との少なくともいずれかに配置され、かつ、第2方向に折り曲げられる折り曲げ部11Aと、が設けられる。折り曲げ部11Aの長さは、スリットの折り曲げ部11Aと対向する第1方向端と折り曲げ部の折り曲げ開始位置との間の第1方向長さよりも短い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒が流れる方向に沿う第1方向、かつ第1方向に直交する第2方向に広がり、第1方向および第2方向に直交する第3方向に厚みを有する板形状のベース部と、
前記ベース部から前記第3方向一方側に突出して第2方向に複数配置されるフィンと、
を有し、
前記冷媒が流れる下流側を第1方向一方側として、
前記フィンは、第1方向かつ第3方向に広がり、かつ第2方向に厚みを有する平板状の側壁部を有し、
前記側壁部には、
第2方向に貫通するスリットと、
前記スリットの第1方向一方側と第1方向他方側との少なくともいずれかに配置され、かつ第2方向に折り曲げられる折り曲げ部と、
が設けられ、
前記折り曲げ部の長さは、前記スリットの前記折り曲げ部と対向する第1方向端と前記折り曲げ部の折り曲げ開始位置との間の第1方向長さよりも短い、放熱部材。
【請求項2】
同じ第1方向位置において第2方向に複数並んで配置される前記折り曲げ部は、第2方向の同じ側に折り曲げられる、請求項1に記載の放熱部材。
【請求項3】
前記折り曲げ部の第2方向に視た第1方向端において、第3方向一方側端は第3方向他方側端よりも第1方向一方側に位置する、請求項1または請求項2に記載の放熱部材。
【請求項4】
前記折り曲げ部の第2方向に視た第1方向端は、第3方向に対して15°傾斜している、請求項3に記載の放熱部材。
【請求項5】
前記折り曲げ部の第2方向に視た第1方向端は、第3方向に対して30°傾斜している、請求項3に記載の放熱部材。
【請求項6】
前記折り曲げ部の第2方向に視た第1方向端は、第3方向に対して45°傾斜している、請求項3に記載の放熱部材。
【請求項7】
前記折り曲げ部は、第1方向に複数配置され、
前記折り曲げ部の第2方向に視た第1方向端の第3方向に対する傾斜角度は、第1方向において変化する、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の放熱部材。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の放熱部材と、前記ベース部の第3方向他方側に配置される半導体装置と、を有する、半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、放熱部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水冷に用いられるウォータージャケットと放熱部材を備える冷却装置が知られている。放熱部材は、冷却用のフィンを有する。ウォータージャケットには、フィンが収容される。ウォータージャケット内部が冷却水の流路となり、発熱体はフィンを介して冷却される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、冷却水内に含まれるコンタミの詰まりを抑制するためには、隣り合うフィン間の間隔を確保する必要がある。しかしながら、当該間隔を広くすると、フィンの設置密度が低下し、冷却性能が低下する課題があった。
【0005】
上記状況に鑑み、本開示は、コンタミ対策を行いつつ冷却性能を確保することが可能となる放熱部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の例示的な放熱部材は、冷媒が流れる方向に沿う第1方向、かつ第1方向に直交する第2方向に広がり、第1方向および第2方向に直交する第3方向に厚みを有する板形状のベース部と、前記ベース部から前記第3方向一方側に突出して第2方向に複数配置されるフィンと、を有する。前記冷媒が流れる下流側を第1方向一方側として、前記フィンは、第1方向かつ第3方向に広がり、かつ第2方向に厚みを有する平板状の側壁部を有する。前記側壁部には、第2方向に貫通するスリットと、前記スリットの第1方向一方側と第1方向他方側との少なくともいずれかに配置され、かつ第2方向に折り曲げられる折り曲げ部と、が設けられる。前記折り曲げ部の長さは、前記スリットの前記折り曲げ部と対向する第1方向端と前記折り曲げ部の折り曲げ開始位置との間の第1方向長さよりも短い。
【発明の効果】
【0007】
本開示の例示的な放熱部材によれば、コンタミ対策を行いつつ冷却性能を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の例示的な実施形態に係る放熱部材の斜視図である。
【
図3】
図3は、放熱フィン部の上面断面の一部を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、第1変形例に係る放熱フィン部の上面断面の一部を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、第2変形例に係る放熱フィン部の上面断面の一部を模式的に示す図である。
【
図7】
図7は、折り曲げ部の傾斜角度を変化させた各種放熱部材の側面断面図である。
【
図8】
図8は、シミュレーション結果の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、一変形例に係る放熱部材の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
なお、図面においては、第1方向をX方向として、X1を第1方向一方側、X2を第1方向他方側として示す。第1方向は、冷媒Wが流れる方向Fに沿う方向であり、下流側をF1、上流側をF2として示す。下流側F1が第1方向一方側、上流側F2が第1方向他方側である。また、第1方向に直交する第2方向をY方向として、Y1を第2方向一方側、Y2を第2方向他方側として示す。また、第1方向および第2方向に直交する第3方向をZ方向として、Z1を第3方向一方側、Z2を第3方向他方側として示す。なお、上記直交とは、90度から若干ずれた角度での交差も含む。また、上記の各方向は、放熱部材5を各種機器に組み込んだときの方向を限定しない。
【0011】
<1.放熱部材の構成>
図1は、本開示の例示的な実施形態に係る放熱部材5の斜視図である。
図2は、放熱部材5の側面断面図である。
図2は、放熱部材5の第2方向途中位置で第2方向に直交する切断面で切断した状態を第2方向一方側へ視た図である。
【0012】
放熱部材5と、放熱部材5が設置される図示しない液冷ジャケットと、から冷却装置が構成される。当該冷却装置は、複数の半導体装置3A,3B,3C,3D,3E,3F(以下、3A等)(
図2参照)を冷却するための装置である。半導体装置は、発熱体の一例である。半導体装置3A等は、例えば、車両の車輪を駆動するためのトラクションモータに備えられるインバータのパワートランジスタである。当該パワートランジスタは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。この場合、冷却装置は、トラクションモータに搭載される。なお、半導体装置の個数は、6個以外の複数個であってもよいし、1個であってもよい。
【0013】
放熱部材5は、ベース部2と、放熱フィン部10と、を有する。ベース部2は、第1方向かつ第2方向に広がり、第3方向に厚みを有する板形状である。ベース部2は、熱伝導性の高い金属から構成され、例えば銅合金から構成される。
【0014】
放熱フィン部10は、ベース部2の第3方向一方側に固定される。放熱フィン部10は、第1方向に延びる1枚の金属板から構成されるフィン1を第2方向に複数並べて形成されるいわゆるスタックドフィンとして構成される。フィン1は、例えば銅板により構成される。
【0015】
フィン1は、側壁部11と、底板部12と、天板部13と、を有する。側壁部11は、第1方向かつ第3方向に広がり、かつ第2方向に厚みを有する平板状である。
【0016】
底板部12は、側壁部11の第3方向他方側端部において第2方向一方側に折れ曲がる。天板部13は、側壁部11の第3方向一方側端部において第2方向一方側に折れ曲がる。従って、フィン1の断面は、角型U字状となる。フィン1を第2方向に積み重ねた放熱フィン部10は、底板部12がベース部2の第3方向一方側面21に例えばろう付けにより固定されることでベース部2に固定される。すなわち、放熱部材5は、ベース部2から第3方向一方側に突出して第2方向に複数配置されるフィン1を有する。
【0017】
放熱フィン部10は、図示しない液冷ジャケットに収容される。液冷ジャケットに流れ込んだ冷媒Wは、
図1に示すように第1方向他方側(上流側)から放熱フィン部10へ流れ込む。冷媒Wは、例えば水またはエチレングリコール水溶液である。冷媒Wは、第2方向に隣り合うフィン1間に形成される流路内部を第1方向一方側へ流れ、放熱フィン部10から排出された後、液冷ジャケットから外部へ排出される。半導体装置3A等は、ベース部2の第3方向他方側に配置される(
図2参照)。半導体装置3A等から発生した熱がベース部2およびフィン1を介して冷媒Wへ移動することにより、半導体装置3A等が冷却される。なお、半導体モジュール50は、放熱部材5と、ベース部2の第3方向他方側に配置される半導体装置3A等と、を有する(
図2参照)。
【0018】
<2.折り曲げ部に関して>
図1および
図2に示すように、フィン1は、折り曲げ部11Aを有する。以下、折り曲げ部11Aに関する構成について説明する。
【0019】
図3は、放熱フィン部10の上面断面の一部を模式的に示す図である。
図3は、放熱フィン部10の第3方向途中位置で第3方向に直交する切断面で切断した状態を第3方向他方側へ視た図である。なお、
図4、
図5,
図6も同様である。
【0020】
図3(
図1、
図2)に示すように、フィン1における側壁部11には、第2方向他方側に折り曲げられる折り曲げ部11Aが設けられる。折り曲げ部11Aの第1方向他方側に位置する側壁部11の一部11Bと、折り曲げ部11Aとの間には、第2方向に貫通するスリットSが設けられる。すなわち、側壁部11には、第2方向に貫通するスリットSと、スリットSの第1方向一方側に配置され、かつ第2方向に折り曲げられる折り曲げ部11Aと、が設けられる。折り曲げ部11Aを設けることで乱流を発生させ、側壁部11に沿って成長する境界層を破壊し、冷却性能を向上させることができる。
【0021】
また、折り曲げ部11Aの長さL1は、側壁部11の一部11Bと折り曲げ部11Aの折り曲げ開始位置との間の第1方向長さL2よりも短い。すなわち、折り曲げ部11Aの長さL1は、スリットSの折り曲げ部11Aと対向する第1方向端11BTと折り曲げ部11Aの折り曲げ開始位置との間の第1方向長さL2よりも短い。
【0022】
ここで、本実施形態との対比のため、
図4には、側壁部11において、側壁部11の一部11Bと折り曲げ部11Aとの間にスリットSを設けない場合の構成を示す。この場合、折り曲げ部11Aの先端部11Asと、当該先端部11Asの第2方向他方側に隣接する先端部11Asの第1方向他方側に配置される側壁部11の一部11Bとの間の隙間fは、折り曲げ部11Aの折り曲げにより狭くなりやすい。第2方向に隣り合うフィン1間を流れる冷媒Wに含まれるコンタミCの詰まりを抑制するためには、最小隙間となるfは、次のような条件を満たす必要がある。
f=Dc+α
ここで、Dcは、コンタミCの直径、αはマージンである。
【0023】
これに対して、
図3に示す本実施形態に係る構成であれば、スリットSを設けることで、最小隙間はfmとなり、fm=f+gで表される。つまり、
図4と同じFtの場合、fm=Dc+α+gとなり、gだけ最小隙間が拡大することになり、さらに最小隙間fmをgだけ小さくしてもコンタミCの詰まりを抑制できる。すなわち、本実施形態であれば、コンタミ対策を行いつつ、間隔Ftを小さくすることができる。従って、フィン1の設置密度を高め、冷却性能を向上させることができる。
【0024】
また、
図3に破線で囲むように、同じ第1方向位置において第2方向に複数並んで配置される折り曲げ部11Aは、第2方向の同じ側(第2方向他方側)に折り曲げられる。これにより、隣り合う折り曲げ部11A間の間隔が狭くなることによるコンタミ詰まりを抑制できる。
【0025】
図5は、第1変形例に係る放熱フィン部10の上面断面の一部を模式的に示す図である。
図5に示す構成では、側壁部11には、第2方向一方側に折り曲げられる折り曲げ部11Aが設けられる。折り曲げ部11Aの第1方向一方側に位置する側壁部11の一部11Bと、折り曲げ部11Aとの間には、第2方向に貫通するスリットSが設けられる。すなわち、側壁部11には、スリットSの第1方向他方側に配置され、かつ第2方向に折り曲げられる折り曲げ部11Aが設けられる。また、折り曲げ部11Aの長さL1は、スリットSの折り曲げ部11Aと対向する第1方向端11BTと折り曲げ部11Aの折り曲げ開始位置との間の第1方向長さL2よりも短い。
【0026】
このような構成によっても、フィン1間の間隔Ftを狭くしても、隙間fが広くなり、コンタミ詰まりを抑制しつつ、冷却性能を向上させることができる。
【0027】
図6は、第2変形例に係る放熱フィン部10の上面断面の一部を模式的に示す図である。
図6に示す構成では、側壁部11には、第2方向一方側に折り曲げられる折り曲げ部11A1と、第2方向他方側に折り曲げられる折り曲げ部11A2と、が設けられる。折り曲げ部11A1と折り曲げ部11A2との間には、第2方向に貫通するスリットSが設けられる。すなわち、側壁部11には、スリットSの第1方向一方側および第1方向他方側に配置され、かつ第2方向に折り曲げられる折り曲げ部11A1,11A2が設けられる。
【0028】
このような構成によっても、フィン1間の間隔Ftを狭くしても、折り曲げ部11A1,11A2間の隙間fが広くなり、コンタミ詰まりを抑制しつつ、冷却性能を向上させることができる。
【0029】
<3.傾斜した折り曲げ部>
折り曲げ部11Aについては、第2方向に視て第3方向に対して傾斜してもよい。このような構成を有する各種の放熱部材5の側面断面図を
図7に示す。
図7は、折り曲げ部11Aの傾斜角度を変化させた構成例を示す。なお、
図7の最も上段には、傾斜していない折り曲げ部11Aの構成例も示す。
【0030】
図7に示すように、傾斜した折り曲げ部11Aとは、具体的には、折り曲げ部11Aの第2方向に視た第1方向端において、第3方向一方側端11At1は第3方向他方側端11At2よりも第1方向一方側に位置する。すなわち、ベース部2から離れた第3方向一方側端11At1が、ベース部2側の第3方向他方側端11At2よりも下流側に位置する。これにより、折り曲げ部11Aの下流側において逆圧力勾配が発生し、後流の流れが停滞し、停滞していないベース部2側で冷媒Wの流速が速くなり、冷却性能をより向上させることができる。
【0031】
なお、この場合、スリットSも傾斜しており、上述した第1方向長さL2は、スリットSの辺に沿った長さである。すなわち、第1方向長さL2は、第1方向成分を含む方向の長さである。
【0032】
図7に示すように、折り曲げ部11Aの第2方向に視た第1方向端は、第3方向に対して傾斜角度θで傾斜している。
図7の例では、θ=15°、30°、45°、-30°のそれぞれの場合を示している。
【0033】
図8は、このようなθ=15°、30°、45°、-30°で折り曲げ部11Aが傾斜している構成のモデルについてシミュレーションを実施した結果を示す。
図8においては、圧力損失および半導体装置3A等の最高温度のシミュレーション結果をプロットしている。
【0034】
図8に示すように、折り曲げ部11Aの第2方向に視た第1方向端が第3方向に対して30°で傾斜している場合、最高温度が最も低く、冷却性能を優先する場合に好適となる。
【0035】
図8に示すように、折り曲げ部11Aの第2方向に視た第1方向端が第3方向に対して45°で傾斜している場合、圧力損失が最も低く、圧力損失の低減を優先する場合に好適となる。
【0036】
図8に示すように、折り曲げ部11Aの第2方向に視た第1方向端が第3方向に対して15°で傾斜している場合、圧力損失の性能と冷却性能の両方が必要な場合に好適となる。
【0037】
なお、θ=-30°で冷却性能が低下しているのは、折り曲げ部11Aの下流側において逆圧力勾配が発生し、後流の流れが停滞するが、停滞していないベース部2と反対側で冷媒Wの流速が速くなり、ベース部2側では流速が低くなるからである。
【0038】
また、上記のような効果を鑑みて、
図9の側面断面図に示すような構成の放熱部材5を採用してもよい。
図9では、上流側の半導体装置3A、3Bに対応してθ=45°で傾斜する折り曲げ部11Aを設け、中央の半導体装置3C、3Dに対応してθ=15°で傾斜する折り曲げ部11Aを設け、下流側の半導体装置3E、3Fに対応してθ=30°で傾斜する折り曲げ部11Aを設けている。
【0039】
これにより、冷媒Wの温度が低く、冷却性能が比較的に不要な上流側で圧力損失の低減を優先し、冷却により冷媒Wの温度が高く、冷却性能が比較的に必要な下流側で冷却性能を優先し、中央では圧力損失性能と冷却性能の両方をある程度確保できる。従って、全体の圧力損失を抑制しつつ、半導体装置3A等における温度差を抑制できる。
【0040】
換言すると、折り曲げ部11Aは、第1方向に複数配置される。折り曲げ部11Aの第2方向に視た第1方向端の第3方向に対する傾斜角度θは、第1方向において変化する。これにより、上記のように全体として圧力損失の増加を抑制しつつ、発熱体の温度差を抑制できる。
【0041】
<4.その他>
以上、本開示の実施形態を説明した。なお、本開示の範囲は上述の実施形態に限定されない。本開示は、発明の主旨を逸脱しない範囲で上述の実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。また、上述の実施形態で説明した事項は、矛盾を生じない範囲で適宜任意に組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本開示は、各種発熱体の冷却に利用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 フィン
2 ベース部
3A,3B,3C,3D,3E,3F 半導体装置
5 放熱部材
10 放熱フィン部
11 側壁部
11A 折り曲げ部
11A1,11A2 折り曲げ部
11At1 第3方向一方側端
11At2 第3方向他方側端
12 底板部
13 天板部
50 半導体モジュール
C コンタミ
S スリット
W 冷媒