(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142233
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】通信装置、プログラム、及び通信方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/11 20130101AFI20230928BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20230928BHJP
H04B 10/67 20130101ALI20230928BHJP
H04B 10/50 20130101ALI20230928BHJP
【FI】
H04B10/11
G02B3/00
H04B10/67
H04B10/50
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049024
(22)【出願日】2022-03-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中條 恵介
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA26
5K102AL21
5K102MH03
5K102MH14
5K102MH22
5K102PH01
5K102PH31
5K102RB07
5K102RD28
(57)【要約】 (修正有)
【課題】多少見通しの悪い場所でも使用できる光無線通信を実現する通信装置、プログラム及び通信を提供する。
【解決手段】通信システム10において、通信装置200は、ベッセルビーム50を生成する生成部210と、送信情報を取得する送信情報取得部222と、送信情報取得部が取得した送信情報を生成部2よって生成されるベッセルビーム50によって送信するよう制御する送信制御部224とを備える。通信装置300は、他の装置によって生成されたベッセルビームを受け付ける受付部310と、受付部が受け付けたベッセルビームから、他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部322と、を備える
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッセルビームを生成する生成部と、
送信情報を取得する送信情報取得部と、
前記送信情報取得部が取得した前記送信情報を前記生成部によって生成される前記ベッセルビームによって送信するよう制御する送信制御部と
を備える通信装置。
【請求項2】
前記生成部は、透過型液晶空間光変調素子を用いて前記ベッセルビームを生成する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記生成部は、円錐レンズを用いて前記ベッセルビームを生成する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
他の装置によって生成されたベッセルビームを受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部と
を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記受付部は、透過型液晶空間光変調素子を用いて前記ベッセルビームを受け付ける、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受付部は、受光ビームの強度分布に基づいて、前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させる、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記透過型液晶空間光変調素子における前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に中心が位置するように前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させる、請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記受付部は、円錐レンズを用いて前記ベッセルビームを受け付ける、請求項4に記載の通信装置。
【請求項9】
前記受付部は、受光ビームの強度分布に基づいて、前記ベッセルビームに対して垂直方向に前記円錐レンズを移動させる、請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
前記受付部は、前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に前記円錐レンズの中心が位置するように前記円錐レンズを移動させる、請求項9に記載の通信装置。
【請求項11】
他の装置によって生成されたベッセルビームを受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部と
を備える、通信装置。
【請求項12】
コンピュータを、請求項1から11のいずれか一項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
コンピュータによって実行される通信方法であって、
送信情報を取得する取得段階と、
前記送信情報をベッセルビームによって送信するよう制御する送信制御段階と
を備える通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、プログラム、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ガウシアンビームの特性を有するレーザ光を用いて、空間中で光による双方向の無線通信を行う光空間通信システムについて記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2015-065492号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、通信装置が提供される。前記通信装置は、ベッセルビームを生成する生成部を備えてよい。前記通信装置は、送信情報を取得する送信情報取得部を備えてよい。前記通信装置は、前記送信情報取得部が取得した送信情報を前記生成部によって生成される前記ベッセルビームによって送信するよう制御する送信制御部を備えてよい。
【0004】
前記生成部は、透過型液晶空間光変調素子を用いて前記ベッセルビームを生成してよい。前記生成部は、円錐レンズを用いて前記ベッセルビームを生成してよい。
【0005】
前記通信装置は、他の装置によって生成されたベッセルビームを受け付ける受付部を備えてよい。前記通信装置は、前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部を備えてよい。
【0006】
前記受付部は、透過型液晶空間光変調素子を用いて前記ベッセルビームを受け付けてよい。前記受付部は、受光ビーム強度の分布に基づいて、前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させてよい。前記受付部は、前記透過型液晶空間光変調素子における前記受光ビーム強度が相対的に強い位置に中心が位置するように前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させてよい。
【0007】
前記受付部は、円錐レンズを用いて前記ベッセルビームを受け付けてよい。前記受付部は、受光ビーム強度の分布に基づいて、前記ベッセルビームに対して垂直方向に前記円錐レンズを移動させてよい。前記受付部は、前記受光ビーム強度が相対的に強い位置に前記円錐レンズの中心が位置するように前記円錐レンズを移動させてよい。
【0008】
本発明の一実施態様によれば、通信装置が提供される。前記通信装置は、他の装置によって生成されたベッセルビームを受け付ける受付部を備えてよい。前記通信装置は、前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部を備えてよい。
【0009】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】生成部210が円錐レンズ212を用い、受付部310が円錐レンズ312を用いた場合について説明するための説明図である。
【
図3】ベッセルビーム50について説明するための説明図である。
【
図4】ベッセルビーム50の自己修復性について説明するための説明図である。
【
図5】生成部210が透過型液晶空間光変調素子214を用い、受付部310が透過型液晶空間光変調素子314を用いた場合について説明するための説明図である。
【
図6】透過型液晶空間光変調素子314のパターン例を概略的に示す。
【
図7】通信装置200の構成の一例を概略的に示す。
【
図8】通信装置200又は通信装置300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
従来の光無線通信では、見通しを確保することが必須だと言われてきたが、多少の見通しの悪い場所でも使用できる光無線通信を実現することが望ましい。また、例えば、濁度の高い海中等での光無線通信も実現することが望ましい。本実施形態に係る通信システム10では、光源のモードにガウシアンではなくベッセルモードを利用する。ベッセルモードには、自己修復性があることから、多少の不透明な遮蔽物があったとしても自己修復可能である。
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、通信システム10の一例を概略的に示す。通信システム10は、通信装置200及び通信装置300を備える。ここでは、通信装置200がベッセルビーム50によって情報を送信し、通信装置300が受信する。
【0014】
ベッセルビーム50は、回折現象によりビームが広がらない非回折ビームの一種である。Maxwell方程式のうちrotationに関する2式とベクトル解析の公式を用いると、ヘルムホルツ方程式が導ける。このヘルムホルツ方程式を円筒座標系の光軸以外2軸で変数分離して解くとベッセル関数を含む式が得られる。このうち、ベッセル関数0次のものがベッセルモードである。ベッセル関数は、下記の数式1で表される。
【0015】
【0016】
上記数式1のベッセル関数の分母のガンマ関数は、下記数式2で表される。
【0017】
【0018】
電磁波が、下記数式3で表されるとき、これを波動方程式に代入すると、波動関数ψ(r、θ)は、下記数式4、下記数式5を満たす。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
上式の解を半径r、方位角θに関する変数分離形で表すと、下記数式6となる。
【0023】
【0024】
この変数分離形を上記数式3に代入すると、下記数式7で表されるベッセル微分方程式が得られる。
【0025】
【0026】
このベッセル微分方程式の解がベッセル関数であり、上記数式1で表される。
【0027】
本実施形態に係るベッセルビーム50は、完全なベッセルビームに近似する近似ベッセルビームであってよい。近似ベッセルビームは完全に非回折ではなく、徐々に回折が生じることになるが、近似ベッセルビームによっても回折損失を抑え得る。ベッセルビーム50を光無線通信に用いることによって、例えば、通信装置200と通信装置300との間の光通信路上に、多少の不透明な遮蔽物があったとしても、自己修復可能であるため、通信を続けることができる。
【0028】
通信装置200は、生成部210、通信管理部220、送信情報取得部222、及び送信制御部224を備える。
【0029】
生成部210は、ベッセルビーム50を生成する。生成部210は、例えば、円錐レンズを用いることによって、ベッセルビーム50を生成してよい。生成部210は、例えば、透過型液晶空間光変調素子を用いることによって、ベッセルビーム50を生成してよい。
【0030】
通信管理部220は、通信装置200による通信を管理する。
図1に示す例において、通信管理部220は、例えば、通信装置300に対して送信する送信情報を生成する。通信管理部220は、他の装置から、通信装置300に対して送信する送信情報を取得してもよい。
【0031】
送信情報取得部222は、通信装置300に対して送信する送信情報を取得する。送信情報取得部222は、通信管理部220から送信情報を取得してよい。
【0032】
送信制御部224は、送信情報取得部222が取得した送信情報を、生成部210によって生成されるベッセルビーム50によって送信するよう制御する。例えば、送信制御部224は、送信情報取得部222が取得した送信情報により変調した光を生成部210に入力することによって、送信情報をベッセルビーム50によって送信するよう制御してよい。
【0033】
通信装置300は、受付部310、通信管理部320、及び送信情報受信部322を備える。
【0034】
受付部310は、ベッセルビーム50を受け付ける。受付部310は、他の装置によって生成されたベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部310は、通信装置200によって生成されたベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部310は、例えば、円錐レンズを用いてベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部310は、例えば、透過型液晶空間光変調素子を用いてベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部310は、例えば、フライアイレンズを用いてベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部310は、その他任意のレンズを用いて、ベッセルビーム50を受け付けてもよい。
【0035】
受付部310は、受光ビームの強度分布を測定する機能を備えてもよい。受付部310は、例えば、ビームスプリッタによって、強度分布測定部にベッセルビーム50を分光することによって、ベッセルビーム50の強度分布を測定する。
【0036】
受付部310は、受光ビームの強度分布に基づいて、受光特性を変化させてよい。例えば、円錐レンズを用いる場合、受付部310は、円錐レンズを移動させることによって、受光特性を変化させてよい。例えば、透過型液晶空間光変調素子を用いる場合、受付部310は、透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させることによって、受光特性を変化させてよい。
【0037】
送信情報受信部322は、受付部310が他の装置から受け付けたベッセルビーム50から、他の装置によって送信された送信情報を取得する。送信情報受信部322は、受付部310が通信装置200から受け付けたベッセルビーム50から、通信装置200によって送信された送信情報を取得してよい。
【0038】
通信管理部320は、通信装置300による通信を管理する。通信管理部320は、例えば、送信情報受信部322が受信した情報を管理する。通信管理部320は、送信情報受信部322が受信した情報を記憶したり、通信装置300が備えるディスプレイに表示したりしてよい。
【0039】
図2は、生成部210が円錐レンズ212を用い、受付部310が円錐レンズ312を用いた場合について説明するための説明図である。円錐レンズは、一方の面が円錐状で、他方の面が平面になっているレンズである。円錐レンズは、アキシコンレンズや、回転対照プリズム等とも呼ばれる。
【0040】
送信制御部224がコリメート光を円錐レンズ212に入力することによって、円錐レンズ212によってベッセルビーム50が生成される。送信制御部224は、例えば、ガウシアンビームを円錐レンズ212に入力してよい。
【0041】
円錐レンズ212から出力されたベッセルビーム50は、円錐レンズ312によって受け付けられ、コリメート光に変換される。送信情報受信部322は、変換されたコリメート光に対して復調を行うことによって、通信装置200によって送信された送信情報を取得してよい。なお、受光側は、円錐レンズを用いなくてもよい。例えば、受光側は、他の種類のレンズを用いたり、透過型液晶空間光変調素子を用いたりしてもよい。
【0042】
受付部310は、受光ビームの強度分布を測定した測定結果に基づいて、受光特性を変化させてもよい。
図2に示す例において、受付部310は、ベッセルビーム50に対して垂直方向に円錐レンズ312を移動させることによって、受光特性を変化させている。受付部310は、受光ビームの強度が相対的に強い位置に円錐レンズ312の中心が位置するように円錐レンズ312を移動させてよい。これにより、受光精度を向上させることができる。
【0043】
図3は、ベッセルビーム50について説明するための説明図である。
図3に例示するように、本実施形態に係る生成部210によってベッセルビーム50が発生する範囲は全体でなくてよい。例えば、円錐レンズ212から離間した位置からベッセルビーム50が発生し、
図3に例示するように、円錐レンズ212と円錐レンズ312との中間の領域にベッセルビーム50が発生する。
【0044】
図4は、ベッセルビーム50の自己修復性について説明するための説明図である。
図3に示す例においては、円錐レンズ212の前に遮蔽物60が存在するが、
図4に例示するように、ベッセルビーム50が、遮蔽物60の後ろで自己修復する。これにより、通信相手との間に遮蔽物60が存在しても、通信を実現することができる。
【0045】
従来の、光源のモードにガウシアンビームを用いる光無線通信では、光通信路に遮蔽物があると、遮蔽物によって、送信光が回折したり、拡散したり、減衰したりすることによって、通信が遮断されたり、通信品質が低下したりしてしまう。それに対して、本実施形態に係る通信装置200は、ベッセルビーム50を用いることによって、遮蔽物がある環境における光無線通信の実現に貢献することができる。また、濁度の高い海域における水中光無線通信等の実現に貢献することができる。
【0046】
図5は、生成部210が透過型液晶空間光変調素子214を用い、受付部310が透過型液晶空間光変調素子314を用いた場合について説明するための説明図である。透過型液晶空間光変調素子とは、光の振幅位相あるいは進行方向などに空間的な変調を与え、データなどの二次元情報を実時間で書き込み、出力する空間光変調素子のうち、透過型の液晶を採用したものであってよい。例えば、透過型液晶光変調素子は、液晶を、配向膜、透明導電膜、及びガラス基板で挟んだ構造を有し、液晶の制御によって様々なパターンを実現できる。
【0047】
生成部210は、透過型液晶空間光変調素子214の液晶を制御することによって、透過型液晶空間光変調素子214に入力される光をベッセルビーム50に変換してよい。例えば、送信制御部224がコリメート光を透過型液晶空間光変調素子214に入力し、透過型液晶空間光変調素子214が入力された光をベッセルビーム50に変換する。
【0048】
透過型液晶空間光変調素子214から出力されたベッセルビーム50は、透過型液晶空間光変調素子314によって受け付けられ、コリメート光に変換される。送信情報受信部322は、変換されたコリメート光に対して復調を行うことによって、通信装置200によって送信された送信情報を取得してよい。なお、受光側は、透過型液晶空間光変調素子を用いなくてもよい。例えば、受光側は、円錐レンズ、フライアイレンズ、及び他の種類のレンズを用いてもよい。
【0049】
透過型液晶空間光変調素子214を用いた場合も、
図3の例と同様に、生成部210によってベッセルビーム50が発生する範囲は全体でなくてよい。例えば、透過型液晶空間光変調素子214から離間した位置からベッセルビーム50が発生し、透過型液晶空間光変調素子214と透過型液晶空間光変調素子314との中間の領域にベッセルビーム50が発生する。
【0050】
図6は、透過型液晶空間光変調素子314のパターン例を概略的に示す。受付部310は、
図6に例示するように、透過型液晶空間光変調素子314の任意の位置を中心とした同心円が広がるパターンを形成してよい。
【0051】
パターン330は、ベッセルビーム50の中心と透過型液晶空間光変調素子314の中心とが一致している場合のパターン例である。パターン332、パターン334、パターン336は、ベッセルビーム50の中心と透過型液晶空間光変調素子314の中心とがずれている場合のパターン例である。
【0052】
受付部310は、受光ビームの強度分布を測定した測定結果に基づいて、透過型液晶空間光変調素子314のパターンを変化させてよい。受付部310は、透過型液晶空間光変調素子314における受光ビームの強度が相対的に強い位置に中心が位置するように透過型液晶空間光変調素子314のパターンを変化させてよい。これにより、受光精度を向上させることができる。
【0053】
図7は、通信装置200の構成の一例を概略的に示す。
図7に示す通信装置200は、生成部210、通信管理部220、送信情報取得部222、及び送信制御部224に加えて、受付部230、及び送信情報受信部232を備えてよい。
【0054】
受付部230は、受付部310と同様に、ベッセルビーム50を受け付ける。受付部230は、他の装置によって生成されたベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部230は、例えば、円錐レンズを用いてベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部230は、例えば、透過型液晶空間光変調素子を用いてベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部230は、例えば、フライアイレンズを用いてベッセルビーム50を受け付けてよい。受付部230は、その他任意のレンズを用いて、ベッセルビーム50を受け付けてもよい。
【0055】
受付部230は、受光ビームの強度分布を測定する機能を備えてもよい。受付部230は、例えば、ビームスプリッタによって、強度分布測定部にベッセルビーム50を分光することによって、ベッセルビーム50の強度分布を測定する。
【0056】
受付部230は、受光ビームの強度分布に基づいて、受光特性を変化させてよい。例えば、円錐レンズを用いる場合、受付部230は、円錐レンズを移動させることによって、受光特性を変化させてよい。受付部230は、受光ビームの強度分布に基づいて、ベッセルビーム50に対して垂直方向に円錐レンズを移動させてよい。受付部230は、受光ビームの強度が相対的に強い位置に円錐レンズの中心が位置するように円錐レンズを移動させてよい。
【0057】
例えば、透過型液晶空間光変調素子を用いる場合、受付部230は、透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させることによって、受光特性を変化させてよい。受付部230は、受光ビームの強度分布に基づいて、透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させてよい。受付部230は、透過型液晶空間光変調素子における受光ビームの強度が相対的に強い位置に中心が位置するように透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させてよい。
【0058】
送信情報受信部232は、受付部230が他の装置から受け付けたベッセルビーム50から、他の装置によって送信された送信情報を取得する。通信管理部220は、送信情報受信部322が受信した情報を管理してよい。通信管理部220は、送信情報受信部232が受信した情報を記憶したり、通信装置200が備えるディスプレイに表示したりしてよい。
【0059】
図8は、通信装置200又は通信装置300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0060】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に記憶されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0061】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを記憶する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0062】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを記憶する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0063】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0064】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に記憶された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0065】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に記憶されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0066】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に記憶され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に記憶される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に記憶された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0067】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0068】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0069】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を記憶可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに記憶される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピーディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0070】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0071】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0072】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0073】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0074】
10 通信システム、50 ベッセルビーム、60 遮蔽物、200 通信装置、210 生成部、212 円錐レンズ、214 透過型液晶空間光変調素子、220 通信管理部、222 送信情報取得部、224 送信制御部、230 受付部、232 送信情報受信部、300 通信装置、310 受付部、312 円錐レンズ、314 透過型液晶空間光変調素子、320 通信管理部、322 送信情報受信部、330、332、334、336 パターン、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【手続補正書】
【提出日】2023-02-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッセルビームを生成する生成部と、
送信情報を取得する送信情報取得部と、
前記送信情報取得部が取得した前記送信情報を前記生成部によって生成される前記ベッセルビームによって送信するよう制御する送信制御部と、
他の装置によって生成されたベッセルビームを、透過型液晶空間光変調素子を用いて受け付け、受光ビームの強度分布に基づいて、前記透過型液晶空間光変調素子における前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に中心が位置するように、前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させる受付部と、
前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部と
を備える通信装置。
【請求項2】
ベッセルビームを生成する生成部と、
送信情報を取得する送信情報取得部と、
前記送信情報取得部が取得した前記送信情報を前記生成部によって生成される前記ベッセルビームによって送信するよう制御する送信制御部と、
他の装置によって生成されたベッセルビームを、円錐レンズを用いて受け付け、受光ビームの強度分布に基づいて、前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に前記円錐レンズの中心が位置するように、前記円錐レンズを前記ベッセルビームに対して垂直方向に移動させる受付部と、
前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部と
を備える通信装置。
【請求項3】
前記生成部は、透過型液晶空間光変調素子を用いて前記ベッセルビームを生成する、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記生成部は、円錐レンズを用いて前記ベッセルビームを生成する、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項5】
他の装置によって生成されたベッセルビームを、透過型液晶空間光変調素子を用いて受け付け、受光ビームの強度分布に基づいて、前記透過型液晶空間光変調素子における前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に中心が位置するように、前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させる受付部と、
前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部と
を備える、通信装置。
【請求項6】
他の装置によって生成されたベッセルビームを、円錐レンズを用いて受け付け、受光ビームの強度分布に基づいて、前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に前記円錐レンズの中心が位置するように、前記円錐レンズを前記ベッセルビームに対して垂直方向に移動させる受付部と、
前記受付部が受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信部と
を備える、通信装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
コンピュータによって実行される通信方法であって、
他の装置によって生成されたベッセルビームを、透過型液晶空間光変調素子を用いて受け付け、受光ビームの強度分布に基づいて、前記透過型液晶空間光変調素子における前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に中心が位置するように、前記透過型液晶空間光変調素子のパターンを変化させる受付段階と、
前記受付段階において受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信段階と
を備える通信方法。
【請求項9】
コンピュータによって実行される通信方法であって、
他の装置によって生成されたベッセルビームを、円錐レンズを用いて受け付け、受光ビームの強度分布に基づいて、前記受光ビームの強度が相対的に強い位置に前記円錐レンズの中心が位置するように、前記円錐レンズを前記ベッセルビームに対して垂直方向に移動させる受付段階と、
前記受付段階において受け付けた前記ベッセルビームから、前記他の装置によって送信された送信情報を取得する送信情報受信段階と
を備える通信方法。