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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142325
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/04 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
B60R7/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049178
(22)【出願日】2022-03-24
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古畑 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】河本 昌志
(72)【発明者】
【氏名】金本 泰佑
(72)【発明者】
【氏名】後藤 隆将
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022CA07
3D022CB01
3D022CC03
3D022CD14
3D022CD17
3D022CD21
(57)【要約】
【課題】リッドの回転中に収容部内の物がリッドと収容部の側壁との隙間から飛び出るのを防止すること。
【解決手段】収容装置は、側壁を含み開口が設けられた収容部を有するボックス本体と、回転軸を中心にして開口を閉塞する閉位置と開口を開放する開位置との間で回転することにより開口を開閉させるリッドと、を備える。リッドは、開位置で側壁よりも外方に位置する。リッドは、内側表面に設けられて内方に突出するリブを有する。リブは、リッドの回転方向に沿って湾曲した湾曲リブを有する。湾曲リブは、リッドの回転時に湾曲リブの突端と側壁の先端との距離が所定寸法以下に維持されるように形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁を含み開口が設けられた収容部を有するボックス本体と、
回転軸を中心にして前記開口を閉塞する閉位置と前記開口を開放する開位置との間で回転することにより前記開口を開閉させるリッドと、
を備え、
前記リッドは、前記開位置で前記側壁よりも外方に位置し、
前記リッドは、内側表面に設けられて内方に突出するリブを有し、
前記リブは、前記リッドの回転方向に沿って湾曲した湾曲リブを有し、
前記湾曲リブは、前記リッドの回転時に前記湾曲リブの突端と前記側壁の先端との距離が所定寸法以下に維持されるように形成されている、収容装置。
【請求項2】
前記湾曲リブは、前記リッドの前記内側表面において前記回転軸の延びる軸方向に所定間隔を空けた状態で複数設けられている、請求項1に記載された収容装置。
【請求項3】
前記リッドは、平板状に形成されており、
前記湾曲リブは、前記リッドの前記閉位置で前記側壁の先端との距離が前記所定寸法以下になる第一突部位を含んで構成され、
前記第一突部位は、前記湾曲リブのうち前記リッドの前記内側表面からの突出量が最も大きい部位である、請求項1又は2に記載された収容装置。
【請求項4】
前記収容部の前記側壁の外側に、前記リッドが前記閉位置よりも前記開位置側に位置する際に前記リッドの一部が収容される作動空間を形成するカバー壁体を備える、請求項1乃至3の何れか一項に記載された収容装置。
【請求項5】
前記リブは、前記回転軸の延びる軸方向に延在する第一ストッパリブを有し、
前記第一ストッパリブは、前記リッドの前記閉位置で前記第一ストッパリブの突端と前記側壁の先端との距離が前記所定寸法以下になるように形成されている、請求項1乃至4の何れか一項に記載された収容装置。
【請求項6】
前記リブは、前記回転軸の延びる軸方向に延在する第二ストッパリブを有し、
前記第二ストッパリブは、前記リッドの前記開位置で前記第二ストッパリブの突端と前記側壁との距離が前記所定寸法以下になるように形成されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載された収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば車両の車室内に搭載されるコンソールボックスなどの収容装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1記載の収容装置は、物を収容可能な収容部を有するボックス本体と、収容部に設けられた開口を開閉させるリッドと、を備えている。収容部は、収容空間を囲う側壁を含んでいる。リッドは、回転軸を中心にして、側壁上端の開口を閉塞する閉位置とその開口を開放する開位置との間で回転することが可能である。リッドは、開位置では、収容部の側壁の外側でその側壁に平行な状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0102061号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の収容装置の構造において、リッドを閉位置と開位置との間で回転させるうえでは、リッドを収容部のリッド開位置側の側壁に干渉させないことが重要である。しかし、その干渉が生じないようにリッドの回転軌跡を設定しようとすると、リッドの回転中にリッドの内側表面と収容部の側壁の先端との間に隙間が生じることがあり、その隙間から収容部内の物が収容部外へ飛び出ることが懸念される。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、リッドの回転中に収容部内の物がリッドと収容部の側壁との隙間から飛び出るのを防止することが可能な収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、側壁を含み開口が設けられた収容部を有するボックス本体と、回転軸を中心にして前記開口を閉塞する閉位置と前記開口を開放する開位置との間で回転することにより前記開口を開閉させるリッドと、を備え、前記リッドは、前記開位置で前記側壁よりも外方に位置し、前記リッドは、内側表面に設けられて内方に突出するリブを有し、前記リブは、前記リッドの回転方向に沿って湾曲した湾曲リブを有し、前記湾曲リブは、前記リッドの回転時に前記湾曲リブの突端と前記側壁の先端との距離が所定寸法以下に維持されるように形成されている、収容装置である。
【0007】
この構成によれば、リッドの回転中に収容部内の物がリッドと収容部の側壁との隙間から飛び出るのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る収容装置が搭載されるセンタコンソールの斜視図である。
図2図1に示すセンタコンソールの側面図である。
図3】本実施形態の収容装置の分解斜視図である。
図4】本実施形態の収容装置が備えるリッドの上方からの斜視図である。
図5】本実施形態の収容装置が備えるリッドの下方からの斜視図である。
図6】本実施形態の収容装置におけるリッドの閉位置と開位置との関係を表した断面図である。
図7】本実施形態の収容装置におけるリッドの回転中の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図7を用いて、本発明に係る収容装置の具体的な実施形態について説明する。
【0010】
収容装置1は、例えば車両の車室内に設置されるセンタコンソール2に装着されるコンソールボックスである。尚、本実施形態において、方向を示す内容は、収容装置1が設置される車両を基準にしたものとする。例えば、「右側」とは車両進行方向に対する車両右側を指し、「左側」とは車両進行方向に対する車両左側を指すものとする。
【0011】
収容装置1は、図1図2、及び図3に示す如く、ボックス本体10と、リッド20と、を備えている。収容装置1は、リッド20がボックス本体10に対して回転することによりボックス本体10の開口11を開閉させるように構成されている。尚、収容装置1は、リッド20が開口11を閉塞する閉位置にあるときに乗員の腕を置くためのアームレストとして用いられるものであってもよい。
【0012】
ボックス本体10は、物を収容可能な箱体である。ボックス本体10は、上面に開口11が設けられた収容部12を有している。収容部12は、物を収容可能な収容空間13を形成しており、例えば直方体形状に形成されている。収容部12は、収容空間13を取り囲む底壁12a及び側壁12bを含んでいる。尚、収容部12は、例えばカップホルダーなどを収めるための枠などを含んでもよい。収容部12が例えば直方体形状に形成されているとき、開口11は、四角形状に形成されていると共に、底壁12aは、四角形状に形成されている。
【0013】
尚、底壁12aは、水平に広がっていてもよいが、階段状に形成されていてもよく、更に、例えば収容空間13内で収容物を偏らせるため、図6及び図7に示す如く、水平方向に対して傾斜して広がっていてもよく、具体的には、前側から後側にかけて下方に傾斜していてもよい。また、開口11は、底壁12aと共に又は底壁12aとは関係なく、水平に広がっていてもよいが、図6及び図7に示す如く、水平方向に対して傾斜して広がっていてもよく、前側から後側にかけて下方に傾斜していてもよい。
【0014】
側壁12bは、収容空間13に対して前後左右に向いて四つ設けられている。この場合、側壁12bは、収容空間13の前側を区画する前壁12bFと、収容空間13の後側を区画する後壁12bBと、収容空間13の左側を区画する左壁12bLと、収容空間13の右側を区画する右壁12bRと、を含む。
【0015】
ボックス本体10は、また、カバー壁体15を有している。カバー壁体15は、リッド20が閉位置よりも開位置側に位置する際にそのリッド20の少なくとも一部が収容される作動空間16を形成する。作動空間16は、収容空間13に対して後壁12bBを介して後方に隣接して配置されている。カバー壁体15は、リッド20が開口11を閉塞する閉位置と開口11を開放する開位置との間で移動するときにそのリッド20に干渉しないように形成配置されている。カバー壁体15は、例えばリッド20の後端の回転軌跡に沿うように湾曲状に形成されている。カバー壁体15は、収容部12の側壁12bに一体に形成されている。
【0016】
尚、カバー壁体15は、上記の如くボックス本体10に設けられて側壁12bに一体に形成されていてもよいが、ボックス本体10とは別体で構成されていてもよい。例えば、カバー壁体15は、センタコンソール2に設けられた独立の部材であってもよい。
【0017】
リッド20は、ボックス本体10の開口11を開閉させる蓋部材である。リッド20は、ボックス本体10の開口11に対応した形状に形成されている。リッド20は、薄肉の平板状に形成されており、開口11に対応して例えば四角形状に形成されている。リッド20は、開口11の大きさよりも大きくなるように形成されている。
【0018】
リッド20は、閉位置と開位置との間で回転軸C(図6及び図7参照)を中心にしてボックス本体10に対して回転する。回転軸Cは、左右方向に延びた軸である。回転軸Cは、ボックス本体10の開口11の高さ位置よりも低い高さ位置で左右方向に延びている。ボックス本体10は、リッド20を回転可能に支持するリッド支持部17を有している。リッド支持部17は、ボックス本体10の側壁12b(具体的には、左壁12bL及び右壁12bR)に設けられている。また、リッド20は、リッド支持部17に支持される回転支持部21を有している。回転支持部21は、リッド20の閉位置での内側表面(すなわち、リッド20の裏面)から内方(すなわち裏方)に突出する板部位に設けられている。リッド支持部17及び回転支持部21は、ボックス本体10又はリッド20の左右両側それぞれに設けられている。
【0019】
例えば、リッド支持部17は軸体であり、回転支持部21はリッド支持部17が挿入される軸孔である。リッド20は、回転支持部21がリッド支持部17に支持された状態で回転軸Cを中心にしてボックス本体10に対して回転することにより、閉位置と開位置との間で移動する。
【0020】
リッド20は、閉位置では、ボックス本体10の開口11に合わせて水平状態又は水平方向に対して傾斜した状態(図6及び図7参照)にある。また、リッド20は、開位置では、リッド20の一部が作動空間16に収容された状態で後壁12bBに略平行な状態にある。リッド20は、閉位置から開位置まで所定角度(例えば90°)だけ回転する。
【0021】
リッド20は、リブ30を有している。リブ30は、リッド20の内側表面に設けられており、内方(すなわち裏方)に突出している。リッド20は、インナ蓋材22と、アウタ蓋材23と、を有している。インナ蓋材22は、回転支持部21を含みリッド20の基材をなす部材である。インナ蓋材22は、樹脂などにより枠板状に形成されている。尚、インナ蓋材22は、例えば軽量化等のために、外側表面と内側表面とを貫通する孔を複数有していてよい。
【0022】
リブ30は、インナ蓋材22の内側表面に設けられており、内方に突出している。リブ30は、複数種類設けられている。以下、リブ30は、三種類設けられているものとする。リブ30は、種類として、第一リブ31と、第二リブ32と、第三リブ33と、を有している。
【0023】
第一リブ31は、リッド20が閉位置にあるときに収容空間13の収容物が収容空間13の外部へ飛び出るのを防止するためのストッパリブである。尚、第一リブ31は、リッド20の回転時には収容空間13の外部へ飛び出た収容物が作動空間16の底側へ落下するのを防止する役割を果たす。
【0024】
第一リブ31は、インナ蓋材22におけるリッド閉位置でのボックス本体10の側壁12b(具体的には、後壁12bB)の上端付近に配置されており、そのインナ蓋材22の内側表面から内方に突出している。第一リブ31は、平板状に形成されている。第一リブ31は、インナ蓋材22の内側表面に回転軸Cの延びる軸方向に直線状に延在している。第一リブ31は、リッド20の閉位置でリッド20の内側表面と後壁12bBの先端(上端)との隙間を狭める役割を有している。第一リブ31は、リッド20の閉位置で第一リブ31の突端と後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になるように形成されている。
【0025】
上記の所定寸法は、収容空間13に収容される収容物のうち収容空間13の外部への飛び出しを防止する対象となる防止対象収容物の大きさや厚さに合わせて設定されている。この所定寸法は、例えばクレジットカードなどの各種カードやコインなどが収容空間13の外部へ飛び出すのを防止するための寸法(例えば、1ミリ~2ミリ)に設定されている。尚、第一リブ31の軸方向に延在する長さは、収容空間13の左右幅に合わせた長さであればよい。また、第一リブ31は、軸方向に連続して延在していてもよいが、防止対象収容物の大きさに合わせて軸方向に断続的に設けられていてもよい。
【0026】
第二リブ32は、リッド20の剛性確保等のための剛性リブである。第二リブ32は、インナ蓋材22のリッド閉位置での前後方向中央付近に配置されており、そのインナ蓋材22の内側表面から内方(裏方)に突出している。第二リブ32は、平板状に形成されている。第二リブ32は、インナ蓋材22の内側表面に回転軸Cの延びる軸方向に直線状に延在しており、インナ蓋材22の左右端の枠部に接続している。
【0027】
第二リブ32は、また、リッド20の開位置でリッド20の内側表面と後壁12bBとの隙間を狭める役割を有している。第二リブ32は、リッド20の開位置で第二リブ32の突端と後壁12bBとの距離が所定寸法以下になるように形成されている。尚、この所定寸法は、第一リブ31における所定寸法と同じであってもよいが、第一リブ31における所定寸法よりも大きくてもよい。また、所定寸法以下となるリッド20の開位置での第二リブ32の突端と後壁12bBとの距離は、後壁12bBの先端を対象とする必要はなく、後壁12bBの最近の部位を対象としてよい。
【0028】
第三リブ33は、リッド20が閉位置と開位置との間で回転するときに収容空間13の収容物が収容空間13の外部へ飛び出るのを防止するためのリブである。第三リブ33は、インナ蓋材22におけるリッド回転時でのボックス本体10の側壁12b(具体的には、後壁12bB)の上端付近を通過する箇所に配置されており、そのインナ蓋材22の内側表面から内方に突出している。
【0029】
第三リブ33は、平板状に形成されている。第三リブ33は、インナ蓋材22の内側表面に回転軸Cの延びる軸方向に対して直交する方向(具体的には、リッド閉位置での前後方向)に直線状に延在している。第三リブ33は、リッド20の回転時にリッド20の内側表面と後壁12bBの先端(上端)との隙間を狭める役割を有している。第三リブ33は、リッド20の回転時に第三リブ33の突端と後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になるように形成されている。この所定寸法は、第一リブ31における所定寸法と同じであってよい。
【0030】
第三リブ33は、リッド20の回転軸Cを中心にした回転方向に沿って湾曲する湾曲リブである。第三リブ33は、延在方向に亘って円弧状に形成されており、インナ蓋材22の内側表面からの突出量が変化するように形成されている。第三リブ33は、リッド20の閉位置で後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になる第一突部位33aを含んで構成されている。第一突部位33aは、第三リブ33のうち上記の突出量が最も大きい部位である。尚、第三リブ33は、リッド20の剛性確保等のため、第一リブ31に接続していてよく、第一突部位33aは、第一リブ31と一体化されていてよい。また、第三リブ33は、リッド20の剛性確保等のため、第二リブ32に接続していてもよい。
【0031】
第三リブ33は、複数設けられている。複数の第三リブ33は、インナ蓋材22ひいてはリッド20の内側表面において回転軸Cの延びる軸方向に所定間隔を空けて配置されている。この所定間隔は、例えばクレジットカードなどの各種カードなどの防止対象収容物が二つの第三リブ33の間を抜けて収容空間13の外部へ飛び出すのを防止するための寸法(例えば、10ミリ~60ミリ)に設定されている。すなわち、第三リブ33は、防止対象収容物の大きさに合わせて軸方向に間隔を空けて設けられている。
【0032】
リッド20は、櫛歯部25を有している。櫛歯部25は、回転軸Cの延びる軸方向に歯が規則的に並んだ部位である。櫛歯部25は、インナ蓋材22の後端部に設けられており、後方に向けて歯が突出するように形成されている。櫛歯部25は、リッド20の回転時にリッド20の後端とカバー壁体15の内面との隙間を狭める役割を有している。櫛歯部25は、リッド20の回転時に櫛歯部25の突端とカバー壁体15の内面との距離が所定寸法以下になるように形成されている。この所定寸法は、第一リブ31や第三リブ33における所定寸法と同じであってよいが、その所定寸法よりも大きくてもよい。
【0033】
アウタ蓋材23は、インナ蓋材22の外側表面を覆う部材である。アウタ蓋材23は、平板状に形成されている。尚、アウタ蓋材23は、外観において丸みを帯びた形状に形成されていてもよい。インナ蓋材22とアウタ蓋材23とは、例えば凹凸嵌合などによりリッド20として一体化されている。
【0034】
尚、リッド20は、アウタ蓋材23の上面を覆うクッション性や柔軟性を有する成形ウレタン材を含んでいてもよく、更に、その成形ウレタン材の上面を覆うポリウレタンやポリ塩化ビニル等の合成皮革やファブリック,皮革等の表皮材を含んでいてもよい。
【0035】
収容装置1は、また、開閉機構40を備えている。開閉機構40は、回転軸Cを中心にしてリッド20をボックス本体10に対して回転させるための機構である。開閉機構40は、付勢部材41と、ダンパ42と、開閉補助部材43と、を有している。付勢部材41、ダンパ42、及び開閉補助部材43は、ボックス本体10及びリッド20の左右両側それぞれに設けられている。
【0036】
付勢部材41は、リッド20を閉位置側から開位置に向けて付勢する付勢力を発生する例えばねじりバネである。付勢部材41は、回転軸C上に配置されており、一端部がボックス本体10に支持されかつ他端部がリッド20に支持されるように構成されている。付勢部材41の付勢力は、リッド20の閉位置で最大である。
【0037】
ダンパ42は、リッド20が閉位置側から開位置に向けて回転するときの回転速度を減速させる減衰装置である。ダンパ42は、例えば円筒状に形成されている。ダンパ42は、ボックス本体10に取り付けられている。また、開閉補助部材43は、閉位置と開位置との間で回転するリッド20を案内する部材である。
【0038】
収容装置1は、リッド20をボックス本体10に対して閉位置に保持するロックユニット(図示せず)を有している。このロックユニットは、例えば、付勢部材41の付勢力に抗してリッド20側の爪部がボックス本体10側の爪部に引っ掛かることによりリッド20をボックス本体10に対して閉位置に保持すると共に、車両乗員などによりその保持を解除する操作が行われることによりリッド20の閉位置保持を解除する。
【0039】
次に、収容装置1の動作について説明する。
収容装置1において、リッド20は、ロックユニットにより付勢部材41の付勢力に抗してボックス本体10に対して閉位置に保持される。この場合、ボックス本体10の開口11は、リッド20により閉塞される。車両乗員によりリッド20の閉位置保持を解除する操作が行われると、リッド20が付勢部材41の付勢力によりリッド20が開位置に向けて回転軸Cを中心にして回転する。これにより、ボックス本体10の開口11は、開放される。
【0040】
ところで、リッド20が、開口11を閉塞する閉位置と、開口11を開放して側壁12b(具体的には、後壁12bB)よりも外方に位置する開位置との間で回転する際に、リッド20とボックス本体10との干渉を防止するためには、リッド20の閉位置でリッド20の内側表面と側壁12b(特に、後壁12bB)との間に隙間を形成することが必要である。しかし、仮にこの隙間が形成されたままであると、収容空間13の収容物がその隙間を介して収容空間13の外部へ飛び出る可能性が高くなってしまう。
【0041】
そこで、収容装置1において、リッド20は、内側表面に設けられて内方に突出するリブ30を有している。リブ30は、第一リブ31と、第二リブ32と、第三リブ33と、を有している。
【0042】
第一リブ31は、リッド20の閉位置で収容空間13の収容物が収容空間13の外部へ飛び出るのを防止するためのストッパリブであって、平板状に形成され、回転軸Cの延びる軸方向に直線状に延在している。第一リブ31は、リッド20の閉位置で、リッド20の内側表面と後壁12bBの先端との隙間を狭めて、第一リブ31の突端と後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になるように形成されている。
【0043】
この構造においては、図6に示す如く、リッド20が開口11を閉塞する閉位置にあるとき、第一リブ31の突端と後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になり、リッド20の内側表面と後壁12bBの先端との隙間が狭まる。このため、リッド20が閉位置にあるときに、収容空間13の収容物がその隙間から収容空間13の外部へ飛び出るのを防止することができる。
【0044】
第二リブ32は、リッド20の剛性確保等のための剛性リブであって、リッド20のリッド閉位置での前後方向中央付近に配置され、平板状に形成され、回転軸Cの延びる軸方向に直線状に延在している。このため、開閉するリッド20の剛性を確保することができる。また、第二リブ32は、リッド20の開位置で収容空間13の外部へ飛び出した収容物が作動空間16へ落下するのを防止するためのストッパリブである。第二リブ32は、リッド20の開位置で、リッド20の内側表面と後壁12bBとの隙間を狭めて、第二リブ32の突端と後壁12bBとの距離が所定寸法以下になるように形成されている。
【0045】
この構造においては、図6において破線で示す如く、リッド20が開口11を開放する開位置にあるとき、第二リブ32の突端と後壁12bBとの距離が所定寸法以下になり、リッド20の内側表面と後壁12bBとの隙間が狭まる。このため、リッド20が開位置にあるときに、収容空間13から外部に飛び出た収容物がその隙間から落下するのを防止することができる。
【0046】
第三リブ33は、リッド20が閉位置と開位置との間で回転するときに収容空間13の収容物が収容空間13の外部へ飛び出るのを防止するためのリブであって、平板状に形成され、回転軸Cの延びる軸方向に対して直交する方向に直線状に延在している。第三リブ33の突端は、リッド20の回転方向に沿って湾曲しながら延在している。第三リブ33は、延在方向に亘って円弧状に形成されている。第三リブ33は、リッド20の閉位置と開位置との間の回転時に、リッド20の内側表面と後壁12bBの先端との隙間を狭めて、第三リブ33の突端と後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になるように形成されている。
【0047】
この構造においては、図7に示す如く、リッド20が閉位置と開位置との間で回転する間、第三リブ33の突端と後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下に維持され、リッド20の内側表面と後壁12bBの先端との隙間が狭まった状態に維持される。このため、リッド20が回転しているときにその隙間が広がることを回避することができ、これにより、リッド20の回転中に継続して、収容空間13の収容物がその隙間から収容空間13の外部へ飛び出るのを防止することができる。
【0048】
また、第三リブ33は、リッド20の内側表面において回転軸Cの延びる軸方向に所定間隔を空けた状態で複数設けられている。この所定間隔は、防止対象収容物の大きさに合わせた寸法に設定されている。このため、リッド20の回転中における収容空間13の外部への防止対象収容物の飛び出しを確実に防止することができる。
【0049】
また、第三リブ33は、リッド20の閉位置で後壁12bBの先端との距離が所定寸法以下になる第一突部位33aを含んでいる。このため、リッド20の閉位置において、第一リブ31だけでなく第三リブ33をも用いて、収容空間13の収容物がその隙間から収容空間13の外部へ飛び出るのを防止することができる。
【0050】
更に、ボックス本体10は、収容部12の側壁12bの外側に作動空間16を形成するカバー壁体15を有している。作動空間16は、収容空間13に対して後壁12bBを介して後方に隣接して配置されており、リッド20が閉位置よりも開位置側に位置する際にそのリッド20の少なくとも一部を収容する。この構造によれば、リッド20の回転時にリッド20の一部がカバー壁体15により隠されて外部に露出しないので、回転中のリッド20に車両乗員の手などが挟み込まれるのを防止することができる。また、この構造において、収容空間13から外部へ飛び出した収容物が作動空間16へ落下するのを防止することができる。
【0051】
更に、リッド20は、リッド20の回転時にリッド20の後端とカバー壁体15の内面との隙間を狭める櫛歯部25を有している。この構造においては、リッド20の開位置で作動空間16のうちリッド20とカバー壁体15とに囲まれた空間に物が落下しても、リッド20が開位置から閉位置へ回転する際にその物を櫛歯部25で引っ掛けて作動空間16の外部へ持ち上げることができる。従って、この構造によれば、リッド20の開位置で作動空間16のうちリッド20とカバー壁体15とに囲まれた空間に落下した物を回収することができる。
【0052】
収容装置1は、特に、ボックス本体10の開口11又は収容部12の底壁12aが水平方向に対して傾斜しており、リッド20の開位置がその傾斜下側に接続する側壁12bに沿ったものである構造に適している。この構造では、収容空間13に収容された収容物が、自重により底壁12aの傾斜下側に接続する側壁12bに集まり易くなり或いはリッド20の内側表面とその側壁12bの上端との隙間に接近し易いので、その収容物がその隙間を介して収容空間13の外部へ飛び出し易くなるおそれがある。
【0053】
これに対して、収容装置1において、リッド20は、上記の如く、内側表面に設けられて内方に突出するリブ30を有している。リブ30は、リッド20の内側表面から内方に突出しており、収容空間13の収容物が収容空間13の外部へ飛び出すのを防止する。従って、収容部12として収容物が収容空間13の外部へ飛び出し易い構造でも、その飛び出しを防止することができる。
【0054】
尚、上記の実施形態においては、第一リブ31が特許請求の範囲に記載した「第一ストッパリブ」に、第二リブ32が特許請求の範囲に記載した「第二ストッパリブ」に、第三リブ33が特許請求の範囲に記載した「湾曲リブ」に、それぞれ相当している。
【0055】
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1:収容装置、10:ボックス本体、11:開口、12:収容部、12a:底壁、12b、側壁、12bB:後壁、20:リッド、30:リブ、31:第一リブ(第一ストッパリブ)、32:第二リブ(第二ストッパリブ)、33:第三リブ(湾曲リブ)。
図1
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図7