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特開2023-142346情報取得方法、情報提供装置、情報取得装置及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142346
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】情報取得方法、情報提供装置、情報取得装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A45D 29/00 20060101AFI20230928BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20230928BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230928BHJP
【FI】
A45D29/00
G06K19/06 140
G06K19/06 103
G06T7/00 660Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049211
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 加寿子
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA06
5L096BA08
5L096DA02
5L096HA09
(57)【要約】
【課題】爪等の印刷対象に印刷される情報の有用性を高めることができる情報取得方法、情報提供装置、情報取得装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報取得方法は、「特定の情報」に対応付けられた「識別子」を含むデザインを印刷対象である爪等に印刷した画像を取得し、画像からデザインに含まれる「識別子」を特定し、「識別子」から、対応付けられた「特定の情報」を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の情報に対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得し、
前記画像から前記デザインに含まれる前記識別子を特定し、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得する、
ことを特徴とする情報取得方法。
【請求項2】
前記識別子は、デザインの構成要素であり前記印刷対象に印刷されるモチーフ又は前記モチーフの組み合わせにより特定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報取得方法。
【請求項3】
前記モチーフは、複数の前記印刷対象のそれぞれに、少なくとも1つ印刷される、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報取得方法。
【請求項4】
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフの並び方に基づいて特定される、
ことを特徴とするデータ請求項3に記載の情報取得方法。
【請求項5】
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフのうち、前記印刷対象の印刷対象領域内における最も面積が大きいモチーフに基づいて特定される、
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項6】
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフの、前記印刷対象の印刷対象領域内における配置の仕方によって特定される、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報取得方法。
【請求項7】
前記モチーフは、文字、数字、記号、図形、配色の少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項8】
前記識別子は、前記モチーフを対応する数字に変換して足し合わせることにより特定される、
ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項9】
前記印刷対象は、指の爪又は爪貼付媒体である、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項10】
特定の情報と識別子との対応付けを規定した第1の対応付けデータを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の対応付けデータに基づいて前記特定の情報を、前記特定の情報と対応付けられた識別子に変換する変換手段と、
変換された前記識別子を含むデザインのデータを作成するデータ生成手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
前記識別子は、デザインの構成要素であるモチーフを基に特定されるものであり、
前記モチーフから前記識別子を特定するための条件を定義づけた第2の対応付けデータを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の対応付けデータに基づいて前記識別子を特定するための前記モチーフを設定するモチーフ設定手段と、
を含み、
前記データ生成手段は、前記条件に従って設定された前記モチーフを含むデザインのデータを作成する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報提供装置。
【請求項12】
特定の情報と対応付けられた識別子を含むデザインのデータに基づいて、印刷対象に印刷された画像を取得する画像取得手段と、
取得された画像から、前記識別子を特定する特定手段と、
特定された識別子と、特定の情報と識別子との対応付けを予め規定した第1の対応付けデータと、に基づいて前記特定の情報を取得する情報取得手段と、
を備えることを特徴とする情報取得装置。
【請求項13】
前記識別子は、デザインの構成要素であるモチーフを基に特定されるものであり、
前記特定手段は、前記モチーフから前記識別子を特定するための条件を定義づけた第2の対応付けデータに基づいて、前記モチーフから前記識別子を特定し、
前記情報取得手段は、特定された識別子と、前記第1の対応付けデータと、に基づいて、前記特定の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報取得装置。
【請求項14】
コンピュータを、
特定の情報と対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得する画像取得手段、
前記画像からデザインに含まれる前記識別子を特定する特定手段、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得する情報取得手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報取得方法、情報提供装置、情報取得装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置を用いて爪やネイルチップ、ネイルシール等に各種のデザインを印刷するネイル印刷が行われている。
爪やネイルチップ等に印刷される内容は、絵柄などから成るデザインに限られない。例えば、特許文献1には、連絡先等の個人情報がコード化された二次元コードが印刷されたネイルシールを作成し、これを徘徊等のおそれのある要保護者等の爪に貼着しておくことで、要保護者が徘徊先等で身元不明者として保護された際に、ネイルシールに印刷された二次元コード等を読み取るだけで登録連絡先情報を取得でき、登録連絡先に連絡することが可能となる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-029452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されている構成は、QRコード(登録商標)等の二次元コードをそのままネイルシール等に印刷して爪に貼着するものである。
このため、デザイン性を有するとは言えず、広く他の用途に適用するのが難しいといった問題があった。
【0005】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、爪等の印刷対象に印刷される情報の有用性を高めることができる情報取得方法、情報提供装置、情報取得装置及びプログラムを提供することを利点とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の情報取得方法は、
特定の情報に対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得し、
前記画像から前記デザインに含まれる前記識別子を特定し、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、爪等の印刷対象に印刷される情報の有用性を高める
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態における情報取得システムを構成する情報提供装置、端末装置及び印刷装置の制御構成を示す図である。
図2】実施形態における情報取得システムを構成する情報取得装置の制御構成を示す図である。
図3】情報取得装置の読取り部における読取り画面の一例を示す図である。
図4】情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図5】5本指の爪に施された印刷結果の一例を示す図である。
図6図5に示す印刷結果から読み取られた情報の例を示す表である。
図7】爪の配置の仕方の変形例を示す図である。
図8図7に示す配置の爪から読み取られた印刷結果の一例を示す図である。
図9】識別子が数字列である場合に識別子に対応付けられた特定の情報のイメージを模式的に示すデータ構成例である。
図10】識別子が配色である場合に識別子に対応付けられた特定の情報のイメージを模式的に示すデータ構成例である。
図11】情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図12】5本指の爪に施されたネイルデザインの一例を示す図である。
図13】親指の爪に施されたネイルデザインの領域分けの一例を示す図である。
図14】親指の爪に施されたモチーフを含む印刷結果の一例を示す図である。
図15】モチーフが図形である場合に各図形に対応付けられた数字を示す対応付けデータの一例である。
図16】各領域に数字が対応付けられている場合の対応付けデータの一例である。
図17】情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図18】識別子が領域に対応付けられた数字の列である場合に識別子に対応付けられた特定の情報のイメージを模式的に示すデータ構成例である。
図19】識別子が領域に対応付けられた数字の列である場合に時間に応じて識別子に対応付けられる特定の情報が変化する場合を示すデータ構成例である。
図20】5本指の爪に施されたネイルデザインの一例を示す図である。
図21】モチーフが図形である場合に各図形に対応付けられた数値を示す対応付けデータの一例である。
図22】識別子がモチーフである図形に対応付けられた数値の合計である場合に識別子に対応付けられた特定の情報のイメージを模式的に示すデータ構成例である。
図23】情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る情報取得方法、情報提供装置、情報取得装置及びプログラムの一実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0010】
[情報提供システムの構成]
本実施形態の情報取得方法は、情報の提供側の装置と情報の受け手側の装置で構成される情報提供システムにおいて機能する。
情報提供システムにおいて、情報の提供側、受け手側は、いずれも企業や店舗等であってもよいし、個人ユーザであってもよい。
以下、各装置について説明する。
【0011】
[情報提供側の構成]
図1は、情報提供システムの情報の提供側を構成する装置の構成例及び情報提供装置、端末装置、印刷装置の制御構成を示す図である。
図1に示す例では、情報の提供側は、情報提供装置1、これとネットワークNを介して通信可能である端末装置2等を含んでいる。本実施形態において端末装置2は、無線又は有線で印刷装置3と接続され、印刷装置3との間で情報の送受信が可能となっている。なお、図1では端末装置2及び印刷装置3が1台ずつある場合を例示しているが、ネットワークNを介して情報提供装置1と接続される端末装置2及び端末装置2と接続される印刷装置3の台数は特に限定されない。
【0012】
情報提供装置1は、例えば企業等のデータ提供サーバであり、希望者に各種の情報やサービス等を提供する。
図1に示すように、情報提供装置1は、制御装置10と通信部15等を備えている。
制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する制御部11と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有する記憶部12とを備えるコンピュータである。
【0013】
制御部11は情報提供装置1の各部の動作を統括的に制御する。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラム等との協働により、情報提供装置1を動作させるための各種機能を実現する。
【0014】
記憶部12は、情報提供装置1の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が記憶されるプログラム記憶領域121、識別子対応付けデータベース(図面及び以下の説明において識別子対応付けDBとする)122、モチーフ定義付けデータベース(図面及び以下の説明においてモチーフ定義付けDBとする)123、ネイルデザインデータベース(図面及び以下の説明においてネイルデザインDBとする)124等を有している。
【0015】
識別子対応付けDB122は、「特定の情報」と「識別子」との対応付けを予め規定した第1の対応付けデータを記憶する第1の記憶手段として機能する。
「特定の情報」とは、例えば企業や各種店舗のWEBサイトのURL(Uniform Resource Locator)情報、各種SNS(Social networking service)のアカウント情報、メールアドレス、電話番号、カード番号やセキュリティーコード、各種の会員番号等の個人を特定するためのユニークID、などのテキスト情報である。例えば「特定の情報」は、企業や店舗の会員登録ページや商品説明ページにアクセスするためのアドレス情報等でもよい。さらに「特定の情報」は、例えば特定のイベント(コンサートやスポーツ観戦等)に参加するためのチケットの番号等であってもよい。
【0016】
また本実施形態における「識別子」は「特定の情報」と対応付けられるランダムな数字列や文字列、図形、記号等又はこれらの組み合わせ等である。本実施形態では「識別子」自体をデザイン中に含ませて印刷するのではなく、「識別子」を特定する「モチーフ」をデザインに入れ込むため、「識別子」自体は単なる文字の羅列(例えば図9に示す数字列「28637」)等であってデザイン性を持たないものでよい。なお、図面中では「識別子」を「ID」と記載する。また以下の説明において「識別子」を「ID」ともいう。
本実施形態では、「識別子」が後述の印刷装置3により印刷されるデザインの印刷画像(印刷結果)中にデザインの構成要素として含まれるようになっており、「識別子」は例えばデザインの構成要素となるモチーフ又は複数のモチーフの組み合わせ等により特定される。「識別子」がどのような文字や図形等の組み合わせであるか、何文字で構成されるか等は設定次第であり、特に限定されない。「識別子」が複数の複雑な文字列等で構成される方が情報の安全性が高まる。
識別子対応付けDB122には、文字列、数字列等で構成される「識別子」と「識別子」に対応付けられた「特定の情報」(例えば各種のアドレス情報等)との組み合わせが記憶されている。
【0017】
モチーフ定義付けDB123は、「識別子」が「モチーフ」としてデザインの構成要素とされている場合に、デザインの構成要素となる「モチーフ」から「識別子」を特定するためのルール(条件)を予め定義づけた第2の対応付けデータを記憶する第2の記憶手段として機能する。
「モチーフ」とは、例えばアルファベット等の文字や数字、記号、図形、配色等である。本実施形態でいう「モチーフ」は、デザインを構成しうるものであり、「識別子」と異なり、例えば文字や数字等の形状にデフォルメ等を施すことで、それ自体としてデザイン性を有するものである。「モチーフ」は、例えば図5図8においてデザイン中に入れ込まれた数字のように、どのような文字や数字等であるかを画像から読み取ることはできるが、ネイルデザインとして印刷されたときに違和感のないものとなっていることが好ましい。なお、「モチーフ」としての文字や数字等は、例えばアルファベットが羅列された総柄の中に色や向きだけを変えた文字を「モチーフ」として紛れ込ませる場合等、形状としては特にデフォルメされていなくても、周りのデザインと馴染み、かつ、どの文字が「モチーフ」であるかを画像から識別することができるようなものであればよい。
なお、「識別子」は、1つの爪の中に描かれたデザインに含まれる「モチーフ」から特定されてもよいし、複数の爪に描かれたデザインに分けて含まれるようにした「モチーフ」から特定されてもよい。
【0018】
モチーフ定義付けDB123には、どのような文字や数字、図形、配色等を「識別子」を特定するための「モチーフ」として扱うかのルールや、「モチーフ」である文字や数字、図形、配色等の種類や配置の仕方、並び順等に応じてどのように「識別子」を特定するかのルール(条件)等が記憶されている。
すなわち、数字やアルファベット等であっても「識別子」を特定するための「モチーフ」として扱わないものもある。また、デザインの構成要素となる「モチーフ」として同じ文字や同じ図形が選択されていても、各「モチーフ」(数字等)の並べ方等によって特定される「識別子」が異なる。
【0019】
例えば、印刷対象(媒体)である爪に印刷されたデザインに複数の文字や記号等がランダムに配置されて印刷されている場合に、そのうち最も支配的な(爪の領域に対して最も大きい)面積を占めて印刷されている文字を「識別子」を特定するための「モチーフ」であると認識するようにルール付けを行ってもよい。また、例えば複数の文字や記号等のうち、特定の色で印刷されたものだけを「識別子」を特定するための「モチーフ」であると認識するようにルール付けを行ってもよい。さらに、例えば複数の文字や記号等のうち、決められた位置(例えば中央部や爪の先端部等)に印刷されたものを「識別子」を特定するための「モチーフ」であると認識するようにルール付けを行ってもよい。
【0020】
さらに例えば片手の親指から小指の5本指の爪にそれぞれデザインが印刷されている場合に、個々の爪から認識された文字等の「モチーフ」を親指から小指の順に並べて「識別子」を特定するか、小指から親指の順に並べて「識別子」を特定するか等、認識された「モチーフ」の並び順(読取り順)等をルール付けしてもよい。この場合、各爪に印刷された「モチーフ」が同じ場合でも、どの指の爪に印刷された「モチーフ」から順に並べるかによって、異なる「識別子」として特定されるようにルール付けされてもよい。
【0021】
ネイルデザインDB124は、ネイルデザインの情報である複数のデザインデータ(「モチーフ」が含まれるデザインの元となる基本のデザインデータ)が記憶されている。ネイルデザインDB124に記憶される情報は、個々のネイルデザインでもよいし、ひとまとまりのデザインセット(例えば片手5本指分のセット等)であってもよい。
【0022】
また本実施形態の制御部11は、情報・識別子変換手段、モチーフ設定手段、データ生成手段等として機能する。
情報・識別子変換手段(変換手段)としての制御部11は、識別子対応付けDB122に記憶されている「特定の情報」と「識別子」との対応付け情報(第1の対応付けデータ)に基づいて「特定の情報」をこれと対応付けられる「識別子」に変換する。
【0023】
例えば爪に印刷するデザインに含ませたい情報を有する者が情報提供装置1に当該情報を「特定の情報」として送信すると制御部11がこれを「識別子」に変換して両者を対応付ける。なお新たな「特定の情報」(例えば新たなユーザの個人的なメールアドレス等)が情報提供装置1に送信された場合、これを文字や図形等で構成される「識別子」に変換する手法は特に限定されない。新たな「特定の情報」が「識別子」に変換された場合には、当該「特定の情報」とこれを変換した「識別子」との対応付け情報が、識別子対応付けDB122に記憶される。
【0024】
またモチーフ設定手段としての制御部11は、モチーフ定義付けDB123に記憶されている「モチーフ」から「識別子」を特定するためのルールに関する定義付け情報(第2の対応付けデータ)に基づいて、デザインの構成要素となる(すなわちデザインに含ませた際に違和感のない)「モチーフ」を「識別子」に対応するものとして設定する。
例えばある「特定の情報」から変換された「識別子」が「12345」の数字列である場合、モチーフ設定手段としての制御部11は、個々の爪から認識された文字等の「モチーフ」を親指から小指の順に並べて「識別子」を特定するとのルールと、複数の数字等が印刷されている場合に最も支配的な面積を占めて印刷されている数字等を「識別子」を特定するための「モチーフ」であると認識するとのルール等を適用し、親指から小指の順に「1」「2」…「5」の数字を含み、各数字が各爪の中で最も大きく印刷されるように「モチーフ」を設定する。
【0025】
データ生成手段としての制御部11は、モチーフ設定手段としてルールに従って設定した「モチーフ」を含むデザインのデータを作成する。
「モチーフ」を含ませる元となる基本のデザイン(例えば小花柄、アルファベット柄、数字柄等)のデータは、前述のネイルデザインDB124等に記憶されている。なお「モチーフ」を含ませる元となる基本のデザインは、情報提供元のユーザ等(「特定の情報」の埋め込みを依頼したユーザ等)が指定してもよい。また、印刷装置3を用いて爪に印刷を行うユーザ等が「モチーフ」を含ませる元となる基本のデザインを選択できるようにしてもよい。これらの場合には、例えばモチーフ設定手段としての制御部11が「モチーフ」を設定する段階で、ユーザ等が所望するデザインに入れ込んだ際に違和感のないような「モチーフ」を選んで設定する(例えばユーザ等がアルファベット柄を希望している場合、「識別子」を特定する「モチーフ」もアルファベットで構成する等)。
【0026】
通信部15は、ネットワークN等を通じた有線又は無線でのデータ通信を行うものである。端末装置2や印刷装置3等の外部装置とのデータ通信が可能であれば、通信部の通信方式は特に限定されず、外部装置の通信規格と合致するものが適用される。
【0027】
端末装置2は、印刷装置3を操作するユーザインターフェースとして機能するものであり、例えばスマートフォン、タブレット、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等の携帯端末である。なお、端末装置2は、印刷装置3や情報提供装置1等と通信可能なものであれば特に限定されず、例えばノート型又は定置型のパソコンや、ゲーム用の端末装置等であってもよい。
【0028】
ユーザが例えばネイルサロン等の店舗に設置されている印刷装置3を利用して爪に印刷を行う場合には、端末装置2は、例えばユーザのスマートフォン等であり、情報提供装置1から「識別子」(「識別子」を特定する「モチーフ」)を含むデザインのデータの提供を受ると、後述する制御部21において印刷対象の爪の印刷領域(爪領域)にデザインのデータを合わせ込んで印刷データをを生成し、これを印刷装置3に送信する。これにより「特定の情報」に対応する「識別子」が「モチーフ」として含まれたデザインを爪に印刷することができる。
一方、ユーザが自宅で印刷装置3を使用するような場合には、端末装置2は印刷装置3を操作する操作端末でもよく、印刷装置3と一体に構成されていてもよい。
【0029】
端末装置2は、図1に示すように、操作部23、表示部24、通信部25、制御装置20等を備えている。
操作部23は、ユーザの操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、操作部23が受けた操作に対応する入力信号が制御装置20に送信される。表示部24の表面には操作部23としてのタッチパネルが一体的に設けられており、ユーザはタッチパネルへのタッチ操作によって各種の入力・設定等の操作を行うことができる。なお、操作部23はタッチパネルに限定されず、例えば各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等が操作部23として設けられていてもよい。
【0030】
表示部24は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(有機ELD)、その他のフラットディスプレイ等で構成され、制御からの表示指令に応じて各種情報を表示する。
例えば情報提供装置1において生成されたデザインのデータに基づいてユーザの爪に印刷を行った場合の印刷結果のイメージ等を表示部24に表示させてもよい。
【0031】
通信部25は、ネットワークN等を通じた有線又は無線でのデータ通信を行うものである。情報提供装置1や印刷装置3との間でデータ通信が可能であればよく、通信部25の通信方式は特に限定されない。通信部25としては、情報提供装置1や印刷装置3等の外部装置の通信規格と合致するものが適用される。
本実施形態では、「識別子」がデザインの構成要素である「モチーフ」として含まれたデザインのデータが情報提供装置1において生成され、通信部25を介して端末装置2に送られるようになっている。デザインのデータを受信すると、端末装置2ではこのデザインのデータに基づく印刷データを生成して、この印刷データを通信部25を介して印刷装置3に送信する。
【0032】
制御装置20は、CPU等のプロセッサを有する制御部21と、ROM及びRAM等を有する記憶部22とを備えるコンピュータである。
制御部21は、端末装置2の各部の動作を統括的に制御する。制御部21は、記憶部22に記憶されたプログラムとの協働により、端末装置2を動作させるための各種機能を実現する。
記憶部22には、端末装置2の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納される。具体的に、記憶部22には、端末装置2の各部を統括制御するための動作プログラムの他、印刷装置3を用いたネイルプリントを行うためのネイルプリントアプリケーションプログラム(図1において「ネイルプリントAP」とする)221等の各種プログラムが格納されており、制御部21がこれらのプログラムを記憶部22の作業領域に展開して実行することによって、端末装置2が制御される。
【0033】
例えば端末装置2の制御部21は、ユーザ自身のSNS(Social networking service)のアカウント情報やメールアドレス等、「特定の情報」として爪に印刷するデザインに含ませたいテキスト情報がある場合、このテキスト情報を含んだデザインのデータを生成するように、専用のアプリケーション等を介して情報提供装置1に要請する。そして「特定の情報」と対応する「識別子」(「識別子」を特定する「モチーフ」)が含まれたデザインのデータが生成されると、これを情報提供装置1から受信する。またユーザが購入したチケットの情報(チケット番号、座席番号等)を「特定の情報」とするデザインのデータが、チケットの代わりに提供されるような場合であれば、このデータを情報提供装置1から受信する。
【0034】
また本実施形態では、指配置部に配置された印刷対象である爪を撮影した爪画像が印刷装置3から端末装置2に送信されるようになっている。制御部21では、この爪画像に対して画像解析等、各種の画像処理を行うことにより、撮影された画像から爪領域(爪と指の皮膚とを画する爪輪郭の内側領域)を抽出し、爪領域の形状等を含む爪情報を生成する。
そして制御部21は「識別子」に対応するものとして設定された「モチーフ」を含んだデザインのデータが情報提供装置1から送信されると、情報提供装置1から送信されたデザインデータと爪情報(爪輪郭や爪領域等)に基づいて、印刷データを生成する。具体的には、制御部21はデザインのデータを適宜拡縮して爪領域に合わせ込み、ユーザの爪の形状に合った印刷データを生成する。生成された印刷データは、ユーザが爪への印刷に用いる印刷装置3に対して送信される。
【0035】
印刷装置3は、ネイルサロンや美容サロン等の店舗に設置されることを想定しているが、ユーザの自宅等で使用されるものであってもよい。
本実施形態では、印刷装置3が手の指の爪を印刷対象とする場合を例に説明するが、印刷装置3の印刷対象は手の指の爪に限定されない。例えば、足の指の爪を印刷対象としてもよいし、ネイルチップや各種アクセサリの表面等、爪以外のものを印刷対象としてもよい。
【0036】
図1に示すように、印刷装置3は、印刷動作を行う印刷機構31、撮影部32、通信部33の他、制御装置30等を備えている。なお、印刷装置3はこの他操作部や表示部を備えていてもよいが、端末装置2が印刷装置3のユーザインターフェースとして機能する場合、端末装置2の操作部23や表示部24が印刷装置3の操作部や表示部としても機能してよい。
【0037】
印刷機構31は、印刷装置3内の図示しない指配置部に配置された印刷対象である爪に印刷を施す印刷手段である。図示は省略するが、印刷機構31は、印刷動作を行う印刷ヘッド及び印刷ヘッドを移動させる移動機構等を備えている。
印刷ヘッドは、爪等にデザイン(ネイルデザイン)を印刷するものであり、例えばシアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)等の各色のインクを吐出可能となっている。印刷ヘッドは、特に限定はされないが、微滴化したインク(液剤)をインク吐出面から爪表面に吹き付けて微細な印刷を行うことが可能なインクジェットヘッドである。なお、印刷ヘッドの種類や数は特に限定されず、例えば下地となる液剤を印刷する他の印刷ヘッドを並設してもよい。
移動機構は、その駆動により、指配置部に配置された指の爪表面に対して、印刷ヘッドを移動させる。
【0038】
撮影部32は、印刷装置3の内部であって指配置部の上方位置に配置されている。撮影部32は、図示しないカメラや光源を含み、爪(爪を含む指)の表面を撮影して、その爪画像(爪を含む指の画像)を取得する。本実施形態では撮影部32のカメラで撮影された爪画像等は、通信部33等を介して端末装置2等の外部装置に送信される。
【0039】
制御装置30は、CPU等のプロセッサを有する制御部、ROM及びRAM等を有する記憶部等を備える(いずれも図示せず)。
記憶部には、印刷装置3を動作させるための各種プログラムや各種データ等が格納される。具体的には、記憶部のROMには、印刷処理を行うための印刷プログラム等の各種プログラムが格納されている。
【0040】
制御部は、記憶部のROMに格納されたプログラムをRAMの作業領域に展開して実行することによって、印刷装置3の各部の動作を統括的に制御する。すなわち、制御部は、プログラムとの協働により、印刷装置3が印刷処理等を行うための各種機能を実現する。
本実施形態では、制御部は印刷機構31の動作を制御して印刷データに基づく印刷動作を行わせる。また、制御部は、撮影部32の各部を動作させて爪画像を取得させ、通信部33を介して爪画像を端末装置2等に送信する。
このようにして、「識別子」に変換された「特定の情報」がデザインを構成する「モチーフ」として含まれたデザインの印刷データに基づくネイルプリントが印刷装置3により爪等に施される。
【0041】
[情報取得側の構成]
図2は、情報提供システムの情報の取得側(受け手側)である情報取得装置の制御構成を示す図である。
情報取得装置4は、印刷対象(媒体)である爪に印刷された印刷結果の画像を取得して、取得された画像から、「識別子」を抽出(特定)し、抽出された「識別子」と対応付けられた「特定の情報」に変換して、その「特定の情報」を取得するものである。
図2に示すように、情報取得装置4は、制御装置40、通信部45、読取り部46等を備えている。
【0042】
なお図2では、情報取得装置4が、例えば店舗やイベント会場等の入場ゲート等に設けられることが想定される装置(爪に印刷された印刷結果を読み取る読取り専用の装置)である場合を例示するが、情報取得装置は、こうした専用機(読取り専用機)に限定されない。
例えばユーザのスマートフォン等の端末装置が情報取得装置として機能してもよい。この場合には、端末装置に装備されているカメラ機能部が読取り部として機能する。またこの場合、爪に印刷されたデザインの印刷結果から「識別子」を特定し、「識別子」に対応付けられた「特定の情報」を取得するための専用のアプリケーションプログラム等が端末装置の記憶部等に記憶される。
【0043】
通信部45は、情報提供装置1等の外部装置との間でデータ通信が可能であればよく、通信部45の通信方式は特に限定されない。通信部45としては、情報提供装置1等の外部装置の通信規格と合致するものが適用される。
【0044】
読取り部46は、予め「特定の情報」と対応付けられた「識別子」が含まれたデザインのデータに基づいて印刷対象(媒体)である爪に印刷された印刷結果の画像を取得する。具体的には、読取り部46は図示しないカメラ等を備え、読取り画面461(図3参照)にかざされた爪を予め定められた読取り方向(図5において矢印で示す読取り方向)にスキャンしながら撮影して画像を取得する。
読取り部46のカメラによって取得された画像は、画像取得手段として機能する制御装置40の制御部41に送られる。
【0045】
図3は、情報取得装置が備える読取り部の読取り画面のイメージ例を示す図である。
読取り部46は、爪に印刷されたデザインの画像(印刷結果)を取得するために、ユーザに手(図では左手)をかざして印刷が施されている爪をカメラ等に向けて示すように求める。例えば読取り部46は、手や爪をかざす位置や向き等を画像や文字で示し、手の位置等を指示する読取り画面461(例えば図3参照)を有している。なお、ユーザへの指示は、画像や文字で行われる場合に限定されない。例えば音声案内等で爪の向き等を指示してもよい。
【0046】
情報取得装置4の制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する制御部41と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有する記憶部42とを備えるコンピュータである。
【0047】
制御部41は情報取得装置4の各部の動作を統括的に制御する。制御部41は、記憶部12に記憶されたプログラム等との協働により、情報取得装置4を動作させるための各種機能を実現する。
【0048】
記憶部42は、情報取得装置4の各部を動作させるための各種プログラムや各種データ等が記憶されるプログラム記憶領域、識別子対応付けデータベース(図面及び以下の説明において識別子対応付けDB422とする)、モチーフ定義付けデータベース(図面及び以下の説明においてモチーフ定義付けDB423とする)等を有している。
【0049】
識別子対応付けDB422は、情報提供装置1の記憶部12に記憶されている識別子対応付けDB122と同様に、「特定の情報」と「識別子」との対応付けを予め規定した「第1の対応付けデータ」を記憶するものである。情報提供装置1において新たな「特定の情報」について対応する「識別子」が設定された場合には、当該「特定の情報」と「識別子」との対が識別子対応付けDB122に追加されるが、当該情報は情報取得装置4に送信されるようになっており、情報提供装置1の識別子対応付けDB122と情報取得装置4の識別子対応付けDB422とがともに更新されて、最新の情報を共有できるようになっている。
【0050】
またモチーフ定義付けDB423は、情報提供装置1の記憶部12に記憶されているモチーフ定義付けDB123と同様に、デザインの構成要素となる「モチーフ」から「識別子」を特定するためのルール(条件)を予め定義づけた「第2の対応付けデータ」を記憶するものである。
情報提供装置1のモチーフ定義付けDB123と情報取得装置4のモチーフ定義付けDB423とはともに同じ定義付け情報を共有できるようになっている。
【0051】
また本実施形態の制御部41は、画像取得手段、抽出手段、特定手段、情報取得手段等として機能する。
画像取得手段としての制御部41は、予め「特定の情報」と対応付けられた「識別子」が含まれたデザインのデータに基づいて印刷対象(媒体)である爪に印刷された印刷結果の画像が読取り部46で取得されたときに、当該画像を取得する。なお、爪に印刷された印刷結果の画像を取得するのは情報取得装置4の読取り部46から送られる場合に限定されない。情報取得装置4とは別体の読取り部において撮影された画像が画像取得手段としての制御部41に送られて取得されてもよい。
【0052】
抽出手段としての制御部41は、読取り部46により取得された画像から、「識別子」を抽出する。本実施形態では、前述のように「識別子」が、デザインの構成要素となる「モチーフ」としてデザイン中に含まれており、抽出手段としての制御部41は、画像から「モチーフ」を抽出する。具体的には制御部41は、数字や記号、図形等、「モチーフ」らしきものを画像から抽出し、記憶部42に「モチーフ」として登録されているものと照らし合わせて、それが「識別子」を特定する「モチーフ」であるか否かを判断する。
例えばモチーフ定義付けDB423において、画像内に複数の数字が存在する場合には、デザイン中において占めている面積が最も大きいもの(支配的なもの)だけを「モチーフ」として扱うことがルール付けされている場合には、画像の中で最も大きく描かれている数字を「モチーフ」として抽出する。
【0053】
特定手段としての制御部41は、モチーフ定義付けDB423に記憶されている「第2の対応付けデータ」(すなわち、デザインの構成要素となる「モチーフ」から「識別子」を特定するためのルールを予め定義づけたデータ)に基づいて、「モチーフ」から「識別子」を特定する。
【0054】
情報取得手段としての制御部41は、識別子対応付けDB422に記憶されている「第1の対応付けデータ」(すなわち、「特定の情報」と「識別子」との対応付けを規定したデータ)に基づいて、画像から抽出された「識別子」(又は画像から抽出された「モチーフ」から特定された「識別子」)を、当該「識別子」と対応付けられた「特定の情報」に変換して取得する。
【0055】
例えば「特定の情報」がイベントの入場チケットのチケット番号である場合、入場ゲート等に設置された情報取得装置4の制御部41で「特定の情報」が取得されることで、当該ネイルデザイン(印刷結果)を爪に施しているユーザについて入場ゲートの通過が許可される。この場合の「特定の情報」は、例えば入場ゲートを開錠させる開錠情報である。
また例えば「特定の情報」がスポーツ施設等特定の施設におけるユーザの番号である場合、受付の情報取得装置4の制御部41で「特定の情報」が取得されると、当該ネイルデザイン(印刷結果)を爪に施しているユーザについて、会員証等を示さなくても施設の利用が許可される。
【0056】
また、ユーザのスマートフォン等、個人の端末装置に、本情報提供システムの専用アプリケーションプログラム等を備えることで、個人の端末装置が情報取得装置4として機能してもよい。
この場合、例えば端末装置にインストールされた専用アプリケーションプログラムを立ち上げた状態で、爪に印刷されたネイルデザイン(印刷結果)を端末装置に備え付けられたカメラで撮影すると、端末装置内の制御部が画像取得手段、抽出手段、特定手段、情報取得手段等として機能して、ネイルデザインに含まれた「識別子」に対応付けられた「特定の情報」(例えば店舗のWEBサイトのURL等)にアクセス可能となってもよい。
【0057】
なお、情報取得装置4(情報取得側装置が個人の端末装置である場合を含む)が、情報提供装置1の制御部11(データ生成手段としての制御部41)で作成されたデザインのデータに基づく印刷結果から、デザインに含まれる「識別子」に対応する「特定の情報」を取得するためには、「特定の情報」を予め対応付けられた「識別子」に変換し、さらに「モチーフ」としてデザインに含めるために用いた「識別子対応付けDB122」「モチーフ定義付けDB123」と同じ内容の「識別子対応付けDB422」「モチーフ定義付けDB423」を記憶している必要がある。このため、情報取得装置4は、例えばネットワークN等に接続されて、随時最新の「識別子対応付けDB」「モチーフ定義付けDB」を取得(更新)できる環境にあるものとする。
なお、例えば情報提供装置1の制御部11が、未知のアドレス(「特定の情報」)等を「識別子」や「モチーフ」に変換する場合に、ある特定のルールや定義付けにしたがった変換しか行わない場合には、情報取得装置4は当該特定のルールや定義付けの情報をデコード情報として記憶していれば足りる。
【0058】
[情報取得方法]
次に、具体例を示しつつ、本実施形態の情報取得方法について説明する。
図4は、「識別子」を特定するための「モチーフ」を含ませたデザインを複数の指の爪に分けて印刷した場合に、各指の爪から「モチーフ」を読み取って「識別子」を特定し、これに対応付けられた「特定の情報」を取得する場合の手順例を示すフローチャートである。図4では情報取得装置4として専用の読取り装置ではなく、ユーザのスマートフォン等の一般的な端末装置が用いられる場合を想定している。
例えば図5に示すように、「特定の情報」を含ませる元の基本のネイルデザインがランダムに数字が描かれた数字柄であって、「識別子」を特定するための「モチーフ」がデザイン中に最も大きな面積を占める数字である場合、印刷結果から「識別子」を特定し、「識別子」に対応付けられた「特定の情報」を取得する場合には、図4に示すような流れで「特定の情報」を取得する。
【0059】
例えば図3に示すような状態で爪に対応する指が配置された場合、情報取得装置4(例えばスマートフォン)では、一定の読取り方向に順に爪を撮影し、画像を取得する。ここでは、図5に示すように右側から左側に順に読み取りを行い、親指の爪T1から小指の爪T5までの5本指の爪に施された印刷結果を順に読み取る場合を例とする。
この場合、図4に示すように、まず情報取得装置4の読取り部46で、読取り順1番目の爪1(図5の例では右端に配置された親指の爪T1)を撮影し、その画像が画像取得手段としての制御部41に取得される(ステップS1)。制御部41では取得した画像に対して画像処理等を行うことにより、画像から「モチーフ」としての数字を認識したか否かを判断する(ステップS2)。
【0060】
なお、例えば手を右(又は左)に90度傾けたような場合には、読み取り順は下から上等としてもよいし、読み取りエラーとして、例えば図3に示すような状態で爪に対応する指が配置されるように手の置き直しを求めてもよい。
また、基本的に親指の爪T1は手の爪の中で一番大きく、小指の爪T5は一番小さい。このため、画像内で両端部に位置する爪の面積の大きさを比較し、面積の大きい方(又は面積の小さい方)を起点に順に読み取りを行うとしてもよい。画像中における親指の爪T1と小指の爪T5の位置を判別して、親指の爪T1から読み取るか小指の爪T5から読み取るかを決めれば他の指の読み取り順を容易に特定することができる。
【0061】
なお、手の指は実際には図3に示すようにそれぞれ長さが異なるため、各指の爪T1~T5は、図5に示すように横並びに綺麗に整列しない。このため、親指の爪T1から読み取るとした場合、図3の画像等においてそれぞれの指の爪T1~T5の座標値を取得しておき、座標値に従って順に読み取っていくとしてもよい。例えば横方向の位置を示す座標(X座標)の大きい方から小さい方へ読み取っていく等が考えられる。
【0062】
また図7のように親指だけが異なる方向を向いて配置されてしまうような場合には、親指の爪T1だけ独立して読み取み取りを行い、これを一番端の文字として記憶部42等に格納して、他の指の爪については、最も面積が小さいことにより認識しやすい小指の爪T5の座標を基準として、横方向の位置を示す座標(X座標)の小さい方から大きい方(図7に示す例では、右から左)へと順に読み取っていく、といったように読み取り順を定めてもよい。
【0063】
また爪の読取り順は、例えば配色(図5図8に示すように文字等のモチーフを含む場合は背景色)によって予め決めてもよい。すなわちこの場合には、例えば予め「黄色」「灰色」「橙色」「赤色」「白色」の順に読み取ると決めておき、各爪の配色(背景色等)を読み取って、爪の並び順に関わらず、認識された「黄色」「灰色」「橙色」「赤色」「白色」の爪の順に読取りを行う。
【0064】
なお、読み取らせる爪(指)の数は5つに限定されず、親指を除く4本の爪T2~T5としたり、小指を除く4本の爪T1~T4とする等、4本以下の指の爪であってもよい。また、読み取らせる爪(指)は、両手の爪(指)でもよい。この場合に、両手の全ての指の爪を読取り対象としてもよいし、両手の親指の爪T1のみを読取り対象とする等、一部の指の爪でもよい。
どのような順番で爪の画像を読み取るか、どの指の爪に「識別子」を特定するための「モチーフ」を配置するか等は、制御部41がモチーフ定義付けDB423に記憶されている情報を参照することで決定する。
【0065】
またどのような数字をもって「識別子」を特定するための「モチーフ」であると判断するかは、前述のように、制御部41がモチーフ定義付けDB423に記憶されている情報を参照することで決定する。例えば、デザイン中に複数含まれている数字の中で最も大きな面積を占める数字を「モチーフ」とするルールであれば、図5において点線で囲った「2」が「モチーフ」としての数字となる。「モチーフ」としての数字を認識すると(ステップS2;YES)、制御部41は当該数字を記憶部42に格納する(ステップS3)。他方画像から「モチーフ」としての数字を認識できなかった場合(ステップS2;NO)には、制御部41は、読取り順1番目の爪1については数字を記憶せずに次のステップに進む。なお、「モチーフ」としての数字を認識できない場合とは、例えば画像中の数字がすべて同じ大きさで大小の判断がつかない場合や、数字と認識できるものが画像中から読み取れない場合等である。
【0066】
続いて情報取得装置4の読取り部46で、読取り順2番目の爪2(図5の例では親指の爪T1の左隣に配置された人差し指の爪T2)を撮影し、その画像が画像取得手段としての制御部41に取得される(ステップS4)。制御部41では取得した画像に対して画像処理等を行うことにより、画像から「モチーフ」としての数字を認識したか否かを判断する(ステップS5)。「モチーフ」としての数字を認識すると(ステップS5;YES、例えば図5では人差し指の爪T2において点線で囲った「8」)、制御部41は当該数字を記憶部42に格納する(ステップS6)。他方画像から「モチーフ」としての数字を認識できなかった場合(ステップS5;NO)には、制御部41は、読取り順2番目の爪2については数字を記憶せずに次のステップに進む。
【0067】
そして、情報取得装置4の読取り部46で、読取り順3番目の爪3(図5の例では人差し指の爪T2の左隣に配置された中指の爪T3)を撮影し、その画像が画像取得手段としての制御部41に取得される(ステップS7)。制御部41では取得した画像に対して画像処理等を行うことにより、画像から「モチーフ」としての数字を認識したか否かを判断する(ステップS8)。「モチーフ」としての数字を認識すると(ステップS8;YES、例えば図5では中指の爪T3において点線で囲った「6」)、制御部41は当該数字を記憶部42に格納する(ステップS9)。他方画像から「モチーフ」としての数字を認識できなかった場合(ステップS8;NO)には、制御部41は、読取り順3番目の爪3については数字を記憶せずに次のステップに進む。
【0068】
そして、情報取得装置4の読取り部46で、読取り順4番目の爪4(図5の例では中指の爪T3の左隣に配置された薬指の爪T4)を撮影し、その画像が画像取得手段としての制御部41に取得される(ステップS10)。制御部41では取得した画像に対して画像処理等を行うことにより、画像から「モチーフ」としての数字を認識したか否かを判断する(ステップS11)。「モチーフ」としての数字を認識すると(ステップS11;YES、例えば図5では薬指の爪T4において点線で囲った「3」)、制御部41は当該数字を記憶部42に格納する(ステップS12)。他方画像から「モチーフ」としての数字を認識できなかった場合(ステップS11;NO)には、制御部41は、読取り順4番目の爪4については数字を記憶せずに次のステップに進む。
【0069】
そして、情報取得装置4の読取り部46で、読取り順5番目の爪5(図5の例では薬指の爪T4の左隣に配置された小指の爪T5)を撮影し、その画像が画像取得手段としての制御部41に取得される(ステップS13)。制御部41では取得した画像に対して画像処理等を行うことにより、画像から「モチーフ」としての数字を認識したか否かを判断する(ステップS14)。「モチーフ」としての数字を認識すると(ステップS14;YES、例えば図5では小指の爪T5において点線で囲った「7」)、制御部41は当該数字を記憶部42に格納する(ステップS15)。他方画像から「モチーフ」としての数字を認識できなかった場合(ステップS14;NO)には、制御部41は、読取り順5番目の爪5については数字を記憶せずに次のステップに進む。
【0070】
読取り対象となる全ての爪(ここに示す例では、親指~小指の5本の指の爪T1~T5)について読取り処理が完了すると、制御部41は、記憶部42に格納された数字を順に数字列として読み出す(ステップS16)。
【0071】
図6は、印刷結果である爪に印刷されたデザイン(ネイルデザイン)を、図5に示すように右側から左側に順に読取りを行い、その読取り結果をまとめた表である。
なお、ここで「指番号」とは、爪の読取り順に振られた番号であり、上述のように、親指の爪T1から小指の爪T5に対応する各指種(親指~小指)に設定された指番号は、図6の表の1段目に示すように、それぞれ「1」~「5」である。
図6の表の2段目は、爪を読取り順に読み取った場合に各爪のデザインの中で支配的な数字を示している。ここでは「モチーフ定義付けDB」423において、デザイン内に占める面積が最も大きい数字を「支配的な数字」として扱うと定義づけられているものとする。
この例では、右端の親指から順に読み取った場合に、「モチーフ」として記憶部4に格納された数字は順に「2」「8」「6」「3」「7」であり、抽出手段としての制御部41が画像から抽出した「識別子」としての数字列は、「28637」となる。
【0072】
なお、爪のかざし方として、図3に示すような配置とは異なる指の配置が指定されてもよい。この場合には、読み取る指の順番を予め規定しておいてもよい。
例えば、図5と同じデザインが各指の爪に印刷されている場合でも、図7に示すように、指を握り込むようにして指(指の爪)が配置された場合には、読取り方向を右側から左側としても、読み取られる指の順番は図8に示すように、図3のような配置で指を配置した場合とは逆に、小指の爪T5から親指の爪T1の順となる。さらに読み取られる画像も親指以外は上下が反転したものとなる。この場合、読み取った順に数字を読み出すと、数字列は「73682」となる。なお、図5に示す場合には「6」と認識された中指の爪T3の数字は、フォントの種類によっては「9」と判断される可能性がある。このように上下逆転させると異なる文字として認識されるものについては数字の上下に点やバーを入れる等して文字を読む方向を指定したり、「モチーフ」を構成する数字の候補から外したりすることも考えられる。
【0073】
数字列を抽出すると、制御部は、画像から抽出された数字列と「識別子」(図4等において「ID」)として記憶されている数字列とを照合する(ステップS17)。
制御部41は、数字列が合致するか否かを判断し(ステップS18)、両者が合致する場合(ステップS18;YES)には、当該数字列を「識別子」(図4等において「ID」)であると特定する(ステップS19)。
そして、「識別子」(図4等において「ID」)が特定されると、制御部41は情報取得手段として、「識別子対応付けDB」422を参照し、「特定の情報」と「識別子」との対応付けを予め規定した第1の対応付けデータに基づいて、「識別子」と対応付けられた「特定の情報」に変換して取得する(ステップS20)。
【0074】
図9は、「特定の情報」と「識別子」との対応付けを予め規定した第1の対応付けデータの一例を示した対応表である。
図9に示すように、「識別子」(図4等において「ID」)として認識された数字列「28637」は、「https://www.*****.com/****.jp/」というURLが対応する「特定の情報」となり、例えば爪に印刷されたデザインの画像から「識別子」として「28637」が読み取られると、「https://www.*****.com/****.jp/」へのアクセスが自動的に行われてもよい。
また、例えば図7及び図8に示すように、逆向きに爪が配置され、これを順に読み取ることで特定された「識別子」(図4等において「ID」)が「73682」である場合、これに対応する「http://www.△△△.com/****.jp/」というURLが対応する「特定の情報」となり、例えば爪に印刷されたデザインの画像から「識別子」として「73682」が読み取られると、「http://www.△△△.com/****.jp/」へのアクセスが自動的に行われてもよい。
【0075】
なお、「識別子」を特定するための「モチーフ」は、数字等の柄に限定されない。
例えば図6の表の3段目には、爪を読取り順(例えば右側から左側)に順次読み取った場合に各爪のデザインに使われている色(配色)の読取り結果を示している。例えば親指の爪T1のデザインは、灰色の背景色に白色の数字となっており、人差し指の爪T2のデザインは、黄色の背景色に灰色の数字となっている。こうした、背景色と、「モチーフ」を含む柄(図示例では、数字)の色との組み合わせ等も「識別子」を特定するための「モチーフ」又はその組み合わせとなり得る。
すなわち、例えば読取り順を指番号で指定し、各爪のデザインの配色(背景色)を「識別子」(図4等において「ID」)として、それぞれに「特定の情報」としてのURLが対応付けられている場合、図10に示す例のように、例えば、指番号「1→2→3→4→5」の順で爪を読み取った場合に、その背景色が「灰色→黄色→白色→灰色→橙色」であり、これが「識別子」(図4等において「ID」)とされる場合、「http://www.*****.com/****.jp/」というURLが対応する「特定の情報」となって、このアドレスにアクセスできるようにしたもよい。
また、「モチーフ」は、文字等が無い単色のみのデザインであってもよい。
この場合、色をどのように認識するかは特に限定されないが、例えば色を数値(RGB値など)として認識し、例えば認識された値が「黄色」として登録された数値に近い場合には「黄色」としての認識結果を記憶部42等に格納する。
【0076】
以上に対して、情報取得装置4が、店舗の入り口やイベント会場の入場ゲート等に配置されている読取り専用機である場合には、ユーザのスマートフォン等で爪に施された印刷結果を読み取る場合と異なり、専用の読み取り装置を用いる場合には、片手の5本指等、複数の指の爪をまとめて撮影して、一括して読み取りを行ってもよい。
この場合、例えば図11に示す手順となる。
すなわち、情報取得装置4において、デザインを印刷した爪をかざすように促す指示がなされて(ステップS31)、ユーザがこれにしたがって爪をかざすと、爪に印刷されたデザイン(印刷結果)が情報取得装置4の読取り部46で一括して読み取られる(ステップS32)。なお、爪をかざす指示は、情報取得装置4の図示しない読取り画面461等に表示されてもよいし、音声等により案内されてもよい。
【0077】
制御部41は、画像を取得して、読み取られた画像から「モチーフ」を抽出(認識)したか否かを判断する(ステップS33)。そして、「モチーフ」が抽出できなかった場合(ステップS33;NO)には、ステップS32に戻って処理を繰り返す。
他方「モチーフ」が抽出できた場合(ステップS33;YES)には、制御部41はさらに抽出された「モチーフ」によって「識別子」(図4等において「ID」)が特定できたか否かを判断する(ステップS34)。
【0078】
そして、「識別子」(図4等において「ID」)が特定できた場合には、当該「識別子」に対応する「特定の情報」を取得される。そして例えば「特定の情報」が施設を利用するための会員番号である場合や、イベントに参加するためのチケット番号情報等である場合、印刷結果の画像から「識別子」が特定できた場合には、爪に当該印刷を行っているユーザについて施設への入場やイベントへの参加が許可される(ステップS35)。
【0079】
これに対して、「識別子」(図4等において「ID」)が特定できない場合には、「特定の情報」を取得することができない。この場合には例えば施設を利用するための会員番号や、イベントに参加するためのチケット番号情報等を確認できず、当該ユーザについて施設への入場やイベントへの参加が許可されない(ステップS36)。
【0080】
また、「識別子」を特定する「モチーフ」は、複数の指の爪に描かれたデザインに分散されて含まれている場合に限定されない。例えば1つの爪の中に描かれたデザインに含まれる「モチーフ」から「識別子」が特定されてもよい。
例えば図12に示すように親指の爪T1から小指の爪T5の5本の指の爪に幾何学模様のような図形が印刷されている場合、そのうちの1つの爪に、「識別子」を特定する「モチーフ」が全て含まれていてもよい。1つの爪に全ての「モチーフ」を含ませる場合、小指の爪T5等、小さな爪よりも、例えば親指の爪T1の爪等、比較的大きく印刷領域を確保できる爪に「モチーフ」を含むデザインを印刷することが好ましい。
【0081】
例えば図13では、親指の爪に4つの領域(図13において、領域ArA、領域ArB、領域ArC、領域ArD)を設ける場合を例示している。また、図14は、各領域(領域ArA、領域ArB、領域ArC、領域ArD)内にそれぞれモチーフとなる記号や図形を配置した例を示す。「モチーフ」となる記号や図形は、例えば予め「モチーフ定義付けDB」423等において、数字と対応付けられている。
【0082】
図16に「モチーフ」としての図形とそれぞれの図形に対応付けられた数字との一覧データの例を示す。
また、図17に示すように、各領域(図13において、領域ArA、領域ArB、領域ArC、領域ArD)にそれぞれ数字が対応付けられていてもよい。
図17に、1つの爪に全ての「モチーフ」を含ませて「識別子」を特定し、「特定の情報」を取得する場合のフローチャートを示す。
【0083】
図17に示すように、この場合にはまず情報取得装置4の読取り部46で、「識別子」を特定するための「モチーフ」を含むデザインが印刷された爪を撮影し、制御部41が印刷結果の画像を取得する(ステップS41)。制御部41は、取得した画像から抽出手段として領域ArAの画像を抽出し(ステップS42)、「モチーフ」となる図形の有無を照合する(ステップS43)。そして「モチーフ」としての図形を認識したか否かを判断し(ステップS44)、認識した場合(ステップS44;YES)には、その図形を対応する数字に変換する(ステップS45)。なお、どのような図形が「モチーフ」に該当し、どの数字に対応するかについては、制御部41がモチーフ定義付けDB423等に記憶されている情報を参照して決定する。
【0084】
他方、領域ArAの画像から「モチーフ」としての図形を認識できなかった場合(ステップS44;NO)には、制御部41は、次の領域(例えば図13に示す領域ArB)の画像を抽出し(ステップS46)、領域ArAの場合と同様に、「モチーフ」となる図形の有無を照合する(ステップS47)。そして「モチーフ」としての図形を認識したか否かを判断し(ステップS48)、認識した場合(ステップS48;YES)には、その図形を対応する数字に変換する(ステップS49)。
【0085】
他方、領域ArBの画像から「モチーフ」としての図形を認識できなかった場合(ステップS48;NO)には、制御部41は、さらに次の領域(例えば図13に示す領域ArC)の画像を抽出し(ステップS50)、「モチーフ」となる図形の有無を照合する(ステップS51)。そして「モチーフ」としての図形を認識したか否かを判断し(ステップS52)、認識した場合(ステップS52;YES)には、その図形を対応する数字に変換する(ステップS53)。
【0086】
他方、領域ArBの画像から「モチーフ」としての図形を認識できなかった場合(ステップS52;NO)には、制御部41は、さらに次の領域(例えば図13に示す領域ArD)の画像を抽出し(ステップS54)、「モチーフ」となる図形の有無を照合する(ステップS55)。そして「モチーフ」としての図形を認識したか否かを判断し(ステップS56)、認識した場合(ステップS56;YES)には、その図形を対応する数字に変換する(ステップS57)。
【0087】
全ての領域(図13に示す例では、領域ArA~領域ArD)について図形の有無を判断したら、図形から変換された全ての数字を数字列として読み出す(ステップS58)。そして制御部41は、読み出された数字列を、「識別子」(「ID」)として記憶されている数字列と照合する(ステップS59)。制御部41は、数字列が合致するか否かを判断し(ステップS60)、合致しない場合(ステップS60;NO)には、「特定の情報」と対応する「識別子」はないとして処理を終了する。
【0088】
一方、認識された数字列が「識別子」(「ID」)として記憶されている数字列と合致する場合(ステップS60;YES)には、制御部41は「識別子」(「ID」)を特定し(ステップS61)、当該「識別子」(「ID」)に対応付けられた「特定の情報」を取得する(ステップS62)。
例えば、領域を領域ArA、領域ArB、領域ArC、領域ArDの順に見た場合、各領域に含まれる「モチーフ」である図形で示される数字が「9」「2」「3」「8」であり、数字列としてみた場合に「識別子」(「ID」)として記憶されている数字列「9238」と合致する場合、識別子対応付けDB422に、数字列「9238」に対応するURLとして記憶されている「https://www.*****.com/****.jp/」が「特定の情報」となり(図18参照)、当該アドレスへのアクセスが自動的に行われてもよい。
【0089】
なお、図16に示すように、各領域(領域ArA~領域ArD)にそれぞれ数字が割り当てられていてもよく、この場合には、指定された順番に領域を並べたときに対応する数字列が「識別子」(「ID」)として特定される。
なお、同じ数字列でも、印刷結果の画像を読み取る時刻や時間帯等によって対応付けられる「特定の情報」が異なっていてもよい。例えば図19には、領域ArA~領域ArDを順に読んで「識別子」(「ID」)として「9238」が特定された場合にも、読取り時間が「0:00から05:59」の場合には「58akdo378」というコードが対応し、読取り時間が「06:00から11:59」の場合には「98knfub88」というコードが対応する例を示している。
【0090】
例えば各コードが施設利用者の会員番号等である場合、同じデザインを爪に印刷していても、時間帯によってアクセスできるURLが異なったり、セキュリティーが解除されるか否かを使い分けるように設定することもできる。また時間帯により有効となる「識別子」(「ID」)を変えることで、例えば同じデザインを施した爪をかざしても、時刻によって施設を利用できたりできなかったりするように設定することも可能である。
なお、入場に必要なID(「識別子」)は期限が過ぎたら無効となり、別の人が使用できる設定とする等により、1つのIDを使い回せるようにしてもよい。
【0091】
また、例えば、「識別子」(「ID」)を特定する「モチーフ」は、デザインを構成する図形であり、各「モチーフ」には予め数値が対応付けられていてもよい。
例えば図20のように、各爪に読取り対象領域(図20において領域Ara~領域Are)を設定しておき、その中に描かれている図形から各読取り対象領域内の数値を取得して、これを「識別子」(「ID」)としてもよい。
なお、爪の端部は印刷が剥がれたり劣化しやすいため、「識別子」(「ID」)を特定する「モチーフ」を配置する読取り対象領域は、各爪の端部を除いた範囲に設定されることが好ましい。読取り対象領域を設定する場合には、どの範囲を読取り対象領域とするかの情報等も例えばモチーフ定義付けDB423等の中に記憶される。
【0092】
図21は各「モチーフ」これに対応する数値とが対応付けられたテーブルであり、例えば「●」であれば数値「1」が対応する。対応付けテーブルは例えばモチーフ定義付けDB423等の中に格納されている。
図22は、各読取り対象領域(領域Ara~領域Are)に配置されている「モチーフ」とモチーフから返還された数値を読取り対象領域ごとに足し合わせた数値、及びこの数値を「識別子」(「ID」)とした場合に各数値に対応付けられる「特定の情報」としてのURLのイメージを例示したデータテーブルのイメージ例である。
【0093】
図23は、読取り対象領域内の「モチーフ」の数値の合計を「識別子」(「ID」)とする場合の処理を例示するフローチャートである。
図23に示すように、この場合にはまず情報取得装置4の読取り部46で、「識別子」を特定するための「モチーフ」を含むデザインが印刷された爪を撮影し、制御部41が印刷結果の画像を取得する(ステップS71)。制御部41は、取得した画像から抽出手段として読取り対象領域(図20に示すように、爪によって領域Ara~領域Are)の画像を抽出し(ステップS72)、読取り対象領域内における「モチーフ」となる図形(図21等に示すような規定の図形)の有無を照合する(ステップS73)。
【0094】
制御部41は、「モチーフ」としての図形(規定の図形)を認識したか否かを判断し(ステップS74)、図形(規定の図形)が認識できない場合(ステップS74;NO)には処理を終了する。
他方、図形(規定の図形)が認識できた場合(ステップS74;YES)には、さらに、読取り対象領域内に図形が複数あるか否かを判断する(ステップS75)。図形が1つしかない場合(ステップS75;NO)には、当該図形を、図21に示す対応表等にしたがって、該当する数値に変換する(ステップS76)。例えば図20から図21に示す例では、小指の爪T5に設定された読取り対象領域Ara内には「●」の図形が1つあり、対応する数値は「1」となる。
【0095】
一方、読取り対象領域内に図形が複数ある場合(ステップS75;YES)には、制御部41は、全ての図形を、該当する数値に変換し(ステップS77)、その数値を足し合わせて総和を算出する(ステップS78)。
例えば図20から図21に示す例では、中指の爪T3に設定された読取り対象領域Arc内には「!」の図形が4つ含まれており、「!」に対応する数値は「2」であるため、変換した数値の総和は「2」×4=「8」となる。
【0096】
読取り対象領域内の図形が1つであった場合、読取り対象領域内の図形が複数あった場合ともに、領域内の「モチーフ」としての図形が数値に変換されると、制御部41はこの数値を「識別子」(「ID」)として記憶されている数値と照合する(ステップS79)。
そして「モチーフ」から変換された数値と「識別子」(「ID」)として記憶されている数値とが合致するか否かを判断する(ステップS80)。両者が合致しない場合には処理を終了し、合致する場合には、「識別子」(「ID」)を特定し、情報取得手段としての制御部41が当該「識別子」(「ID」)に対応付けられている「特定の情報」を取得する。
【0097】
このように、各領域ごとに「識別子」(「ID」)を特定できる場合には、情報取得装置4の読取り部46にかざす爪を変えるだけで、複数の「特定の情報」を取得することができる。
例えば図22に示す例では、小指の爪T5の読取り対象領域Araから「識別子」(「ID」)として「1」を読み取った場合には、「特定の情報」として「https://www.*****.com/****.jp/」というURLを取得することができ、当該アドレスにアクセスが可能となる。また例えば中指の爪T3の読取り対象領域Arcから「識別子」(「ID」)として「8」を読み取った場合には、「特定の情報」として「http://www.△△△.com/****.jp/」というURLを取得することができ、当該アドレスにアクセスが可能となる。
【0098】
本実施形態の情報取得方法を用いることで、見た目のデザイン性を損なわずに「特定の情報」を読み取ることの可能なネイルプリントを爪に施すことができる。このため、二次元コード等を直接印刷する場合のような無機質さ、違和感等がなく、場面を選ばずに簡易な情報ツールとしてネイルプリントを利用することが可能となる。
【0099】
なお、爪に印刷したネイルデザインを情報ツールとして利用する場面はここに示した実施例に限定されず各種の用途が想定される。
例えば「特定の情報」は、URL等の複雑な文字情報に限られず「ありがとう」「ごめんなさい」といった短い言葉であってもよい。直接は伝えにくい言葉でも、爪から印刷結果の画像を読み取ってもらうだけで、会話不要でメッセージを伝えることも可能となる。
また、店舗の割引情報やおすすめ商品の情報等を店舗スタッフの爪にネイルデザインとして印刷しておけば、客はスタッフの爪に印刷されたデザインをスマートフォン等で読み取るだけで、必要な情報や役立つを得ることができ、言葉による接客をせずに、お互いに非接触でコミュニケーションをとることができる。
【0100】
さらにデザインの中に含めることのできる「特定の情報」は、暗証番号や会員番号等であってもよい。このため、忘れてはいけないが他人から見られたくないようなものでもネイルデザインとして身に着けていることができる。
また「特定の情報」として緊急連絡先の電話番号等をデザインに入れ込んでおけば、一見ファッションの一部のようでありながら、緊急時には要保護者の身元確認ツール等としても役立てることができる。
また予防接種やワクチン接種を済ませていることの証明等の情報を「特定の情報」として爪に印刷したデザインの中に入れ込んでおけば、対応する店舗等で爪を読み取るだけで入店のための証明を簡易に完了させることもできる。
【0101】
以上のように本実施形態の情報取得方法によれば、「特定の情報」と予め対応付けられた「識別子」を構成要素として含むデザインを印刷対象である爪等に印刷した場合の印刷結果の画像を取得し、画像からデザインに含まれる「識別子」を抽出し、「識別子」を予め対応付けられた「特定の情報」に変換することで「特定の情報」を取得する。
これにより、ネイルプリントとして爪に印刷したときにデザイン性、意匠性を損なうことなく、各種の情報(「特定の情報」)を爪に印刷して利用することができる。
【0102】
本実施形態の「識別子」は、デザインの構成要素となる「モチーフ」「モチーフ」の組み合わせにより特定される。
このため、デザイン性を損なわずに「特定の情報」を利用することができる。
【0103】
また本実施形態の「識別子」は、デザインの構成要素となる「モチーフ」の、決められた方向からの並び方によって特定されてもよいし、デザインの構成要素となるモチーフの、決められた領域内における配置の仕方によって特定されてもよいし、大きさ及び配置の少なくともいずれかに基づき支配的と判断される「モチーフ」によって特定されてもよい。
これにより、本実施形態では「特定の情報」を取得するための「識別子」の設定の自由度が高くなり、よりネイルデザインに自然に馴染むような形で、「識別子」(「識別子」を特定するための「モチーフ」)をデザインに含ませることができる。このため、デザイン性の高いネイルプリントと、各種「特定の情報」へのアクセスとの両立が可能となる。
【0104】
また本実施形態では、デザインの構成要素となる「モチーフ」は、文字、数字、記号、図形の少なくともいずれかを含んでいる。
このように一般的にネイルデザインに用いられる要素を、「識別子」(「識別子」を特定するための「モチーフ」)とすることができるため、より違和感のないデザインで、各種「特定の情報」へのアクセスが可能な情報(「特定の情報」と対応付けられた「識別子」)を爪に印刷することが可能となる。
【0105】
また本実施形態の印刷対象は、指の爪である。
このため、会員証やチケット等、忘れた場合に各種のサービスが受けられなくなるようなものを身体の一部である爪に印刷して持ち歩くことができ、持ち忘れや置き忘れ等を防ぐことが可能となる。またチケット情報等の「特定の情報」を爪から読み取れるようにすることで、チケット印字のための紙の無駄の軽減にも寄与することができる。
また爪に印刷された「識別子」(「識別子」を特定するための「モチーフ」)から各種「特定の情報」にアクセスできるため、相手に対して爪をかざすだけで容易に情報交換等のコミュニケーションをとることが可能となる。
また、アドレスを交換する場合等でも、お互いのスマートフォン等を爪にかざすことで情報交換が完結するため、非接触で簡易に情報交換を行うことが可能となる。
【0106】
また、本実施形態では「特定の情報」をデザインを構成する「モチーフ」(「モチーフ」から特定される「識別子」)に置き換えて爪に印刷する。このため、QRコードが印刷されている場合のように「特定の情報」が印刷されていることが一見して分かるような構成には無い、デザイン性を有したまま、認証が必要な各種のサービス等を利用することができるという利点がある。
さらに手を広げた状態(図3に示すようなパーの状態)で読み取りを行った後、さらに図7に示すように爪の向きを逆さ等、異なる向きにして認識させたり、両手を認識させる等、二段階以上での読み取り、認証を行うものとしてもよく、この場合には、例えば知らぬ間に爪を撮影されて悪用されるリスク等を減らすことも可能となる。
【0107】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0108】
例えば本実施形態は、情報提供装置1と情報取得装置4とが、ともに共通の識別子対応付けDB122,422、モチーフ定義付けDB123,423を有する場合を例示したが、情報取得装置4側では識別子対応付けDB422、モチーフ定義付けDB423を持たない構成としてもよい。
この場合、情報取得装置4は、ネットワークN等を介し、必要に応じて情報提供装置にアクセスして、識別子対応付けDB122、モチーフ定義付けDB123に記憶されている内容を参照して、情報取得処理を行ってもよい。
【0109】
また本実施形態では、爪に直接ネイルプリントを行う場合を主として説明したが、印刷装置3による印刷対象は爪に限定されない。
例えば、ネイルシールやネイルチップ等の爪貼付媒体に「特定の情報」に対応する「識別子」(「識別子」を特定するための「モチーフ」)を含むデザインを印刷し、これを爪に貼り付けて使用してもよい。
【0110】
この場合、情報提供側からデザインのデータではなく、デザインのデータに基づいて印刷を施したネイルシールやネイルチップ等をユーザに提供してもよい。すでにデザインのデータに基づいて印刷されたネイルシール等をユーザに提供する場合、ユーザが印刷装置3を用いることのできない環境にある場合(例えばユーザが印刷装置3を所有しておらず、印刷装置3を置いているネイルサロンも近くにない場合)でも情報取得システムを利用することができる。
なお、ネイルシールやネイルチップ等は、ユーザの爪の形状に合わせて外周部を切ったり削る等、形を整えて用いられることもある。このため、「識別子」を特定するための「モチーフ」となる数字や図形等は、できるだけ中央付近に配置されるようにすることが好ましい。
【0111】
例えばコンサートやイベント等のチケットの情報(チケットの番号や座席番号等)が「特定の情報」である場合に、ユーザの購入したチケットの情報がデザインの中に含まれた印刷が施されたネイルシールやネイルチップ等が紙のチケットの代わりにユーザに送られてもよい。この場合、ユーザはこれを自分の爪に貼ってイベント会場に行くだけで、簡易に入場することができる。
ネイルシールやネイルチップ等に印刷されたものを利用することで、データに基づいて直接爪に印刷するよりも耐久性に優れるため、紙のチケット等の代わりに用いる場合に安心感がある。
【0112】
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
特定の情報に対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得し、
前記画像から前記デザインに含まれる前記識別子を特定し、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得する、
ことを特徴とする情報取得方法。
<請求項2>
前記識別子は、デザインの構成要素であり前記印刷対象に印刷されるモチーフ又は前記モチーフの組み合わせにより特定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報取得方法。
<請求項3>
前記モチーフは、複数の前記印刷対象のそれぞれに、少なくとも1つ印刷される、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報取得方法。
<請求項4>
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフの並び方に基づいて特定される、
ことを特徴とするデータ請求項3に記載の情報取得方法。
<請求項5>
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフのうち、前記印刷対象の印刷対象領域内における最も面積が大きいモチーフに基づいて特定される、
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の情報取得方法。
<請求項6>
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフの、前記印刷対象の印刷対象領域内における配置の仕方によって特定される、
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報取得方法。
<請求項7>
前記モチーフは、文字、数字、記号、図形、配色の少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の情報取得方法。
<請求項8>
前記識別子は、前記モチーフを対応する数字に変換して足し合わせることにより特定される、
ことを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の情報取得方法。
<請求項9>
前記印刷対象は、指の爪又は爪貼付媒体である、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報取得方法。
<請求項10>
特定の情報と識別子との対応付けを規定した第1の対応付けデータを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の対応付けデータに基づいて前記特定の情報を、前記特定の情報と対応付けられた識別子に変換する変換手段と、
変換された前記識別子を含むデザインのデータを作成するデータ生成手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
<請求項11>
前記識別子は、デザインの構成要素であるモチーフを基に特定されるものであり、
前記モチーフから前記識別子を特定するための条件を定義づけた第2の対応付けデータを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の対応付けデータに基づいて前記識別子を特定するための前記モチーフを設定するモチーフ設定手段と、
を含み、
前記データ生成手段は、前記条件に従って設定された前記モチーフを含むデザインのデータを作成する、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報提供装置。
<請求項12>
特定の情報と対応付けられた識別子を含むデザインのデータに基づいて、印刷対象に印刷された画像を取得する画像取得手段と、
取得された画像から、前記識別子を特定する特定手段と、
特定された識別子と、特定の情報と識別子との対応付けを予め規定した第1の対応付けデータと、に基づいて前記特定の情報を取得する情報取得手段と、
を備えることを特徴とする情報取得装置。
<請求項13>
前記識別子は、デザインの構成要素であるモチーフを基に特定されるものであり、
前記特定手段は、前記モチーフから前記識別子を特定するための条件を定義づけた第2の対応付けデータに基づいて、前記モチーフから前記識別子を特定し、
前記情報取得手段は、特定された識別子と、前記第1の対応付けデータと、に基づいて、前記特定の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報取得装置。
<請求項14>
コンピュータを、
特定の情報と対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得する画像取得手段、
前記画像からデザインに含まれる前記識別子を特定する特定手段、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得する情報取得手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0113】
1 情報提供装置
10 制御装置
11 制御部
12 記憶部
2 端末装置
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
3 印刷装置
30 制御装置
31 印刷機構
32 撮影部
33 通信部
4 情報取得装置
40 制御装置
41 制御部
42 記憶部
46 読取り部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の情報取得方法は、
特定の情報に対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得し、
取得した前記画像前記デザインに含まれるモチーフの組み合わせに基づいて前記識別子を特定し、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得することを特徴としている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の情報に対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得し、
取得した前記画像前記デザインに含まれるモチーフの組み合わせに基づいて前記識別子を特定し、
前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得する、
ことを特徴とする情報取得方法。
【請求項2】
前記モチーフは、複数の前記印刷対象のそれぞれに、少なくとも1つ印刷される、
ことを特徴とする請求項に記載の情報取得方法。
【請求項3】
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフの並び方に基づいて特定される、
ことを特徴とするデータ請求項に記載の情報取得方法。
【請求項4】
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフのうち、前記印刷対象の印刷対象領域内における最も面積が大きいモチーフに基づいて特定される、
ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項5】
前記識別子は、前記画像内における前記モチーフの、前記印刷対象の印刷対象領域内における配置の仕方によって特定される、
ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の情報取得方法。
【請求項6】
前記モチーフは、文字、数字、記号、図形、配色の少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項7】
前記識別子は、前記モチーフを対応する数字に変換して足し合わせることにより特定される、
ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項8】
前記印刷対象は、指の爪又は爪貼付媒体である、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の情報取得方法。
【請求項9】
前記印刷対象は、複数の前記指の爪または複数の前記爪貼付媒体であり、
前記識別子は、前記画像に含まれる複数の前記指の爪または複数の前記爪貼付媒体のそれぞれに印刷された前記モチーフの組み合わせによって特定される、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報取得方法。
【請求項10】
特定の情報と識別子との対応付けを規定した第1の対応付けデータを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の対応付けデータに基づいて前記特定の情報を、前記特定の情報と対応付けられた識別子に変換する変換手段と、
変換された前記識別子を含むデザインのデータを作成するデータ生成手段と、
を備え
前記識別子は、デザインの構成要素であるモチーフの組み合わせに基づいて特定されるものであり、
前記モチーフから前記識別子を特定するための条件を定義づけた第2の対応付けデータを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の対応付けデータに基づいて前記識別子を特定するための前記モチーフを設定するモチーフ設定手段と、
を含み、
前記データ生成手段は、前記条件に従って設定された前記モチーフを含むデザインのデータを作成する、
とを特徴とする情報提供装置。
【請求項11】
特定の情報と対応付けられた識別子を含むデザインのデータに基づいて、印刷対象に印刷された画像を取得する画像取得手段と、
取得された画像から、前記識別子を特定する特定手段と、
特定された識別子と、特定の情報と識別子との対応付けを予め規定した第1の対応付けデータと、に基づいて前記特定の情報を取得する情報取得手段と、
を備え
前記識別子は、デザインの構成要素であるモチーフの組み合わせに基づいて特定されるものであり、
前記特定手段は、前記モチーフから前記識別子を特定するための条件を定義づけた第2の対応付けデータに基づいて、前記モチーフから前記識別子を特定し、
前記情報取得手段は、特定された識別子と、前記第1の対応付けデータと、に基づいて、前記特定の情報を取得する、
とを特徴とする情報取得装置。
【請求項12】
コンピュータを、
特定の情報と対応付けられた識別子を含むデザインを印刷対象に印刷した画像を取得する画像取得手段、
前記画像取得手段にて取得した前記画像デザインに含まれるモチーフの組み合わせに基づいて前記識別子を特定する特定手段、
前記特定手段にて特定された前記識別子から、対応付けられた前記特定の情報を取得する情報取得手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。