(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142364
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】圧力検知装置、圧力検知システム、及びプレス装置
(51)【国際特許分類】
G01L 19/00 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G01L19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049240
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】安永 晃
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD20
2F055EE18
2F055FF49
2F055GG49
2F055HH19
(57)【要約】
【課題】気体や液体などの流体における圧力を簡素な構成で検知できる圧力検知装置を提供することを課題とする。
【解決手段】圧力検知装置1は、流体の流体流路13を形成する管本体10と、流体流路13内の圧力変動により発電する発電機20と、発電機20で発電した電力を蓄電する蓄電器25と、流体流路13内の圧力を検知すると共に、蓄電器25の電力により駆動可能な圧力センサ30と、圧力センサ30で検知した前記圧力に関する圧力情報を発信可能であると共に、蓄電器25の電力により駆動可能な発信機35とを備える。圧力検知装置1は、発信機35から発信される圧力情報を受信する受信機60と、受信機60で受信した圧力情報を監視するモニタ部65とを備えてもよい。圧力検知装置1は、管本体10の一端側の第一接続部14を介してガススプリング50のガス充填口51に接続できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流体流路を形成する管本体と、
前記流体流路内の圧力変動により発電する発電機と、
前記発電機で発電した電力を蓄電する蓄電器と、
前記流体流路内の圧力を検知すると共に、前記蓄電器の電力により駆動可能な圧力センサと、
前記圧力センサで検知した前記圧力に関する圧力情報を発信可能であると共に、前記蓄電器の電力により駆動可能な発信機と、
を備える圧力検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体や液体等の流体の圧力を検知可能な圧力検知装置、圧力検知システム、及びプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレス成型装置においては、シリンダー本体と、前記シリンダー本体内を摺動するピストンロッドを備えたガススプリングが用いられている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のガススプリングは、上金型及び下金型の間に配されており、ブランクホルダ(ワーク押え)に所定の圧力を付与するものとされている。
【0003】
上述したプレス成型装置では、ワーク押えの圧力源として複数のガススプリングが配されている。上述したプレス成型装置は、ガススプリングにガス漏れが発生した場合、プレス時の圧力が変動し、プレス後の製品の品質が低下する問題がある。そのため、複数のガススプリングを用いるプレス成型装置においては、例えば、複数のガススプリングを全て配管で接続し、配管内の圧力を圧力センサで監視している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように複数のガススプリングを配管で接続する場合は、配管や配線の取り回しが複雑化し、これに伴って、金型の構造が複雑化する問題やコストアップを招く問題がある。また、ガススプリングの増加に伴って、ガス漏れが生じたガススプリングを特定するのに時間を要する問題がある。また、ガススプリング毎に圧力を変更したい場合には、ガススプリング毎に配管の接続や圧力センサの配線等を変更する必要があり、より一層配管が複雑化し、コストアップに繋がる問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、気体や液体などの流体における圧力を簡素な構成で検知できる圧力検知装置、圧力検知システム、及びプレス装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ガススプリング等の圧力付与装置に別途の配管や配線をすることなく、圧力の検知を行うことが可能な圧力検知装置、圧力検知システム、及びプレス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の圧力検知装置は、流体の流体流路を形成する管本体と、前記流体流路内の圧力変動により発電する発電機と、前記発電機で発電した電力を蓄電する蓄電器と、前記流体流路内の圧力を検知すると共に、前記蓄電器の電力により駆動可能な圧力センサと、前記圧力センサで検知した前記圧力に関する圧力情報を発信可能であると共に、前記蓄電器の電力により駆動可能な発信機と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
上述した圧力検知装置は、圧力センサで検知した圧力情報を発信機によって発信できるので、圧力センサに対して配管や配線を行う必要がない。そのため、上述した圧力検知装置は、省スペースで簡素に構成でき、コスト低減が期待できる。また、上述した圧力検知装置は、発電機が、流体流路内の圧力変動により発電するものとされている。すなわち、上述した圧力検知装置は、別途に動力源を設けることなく発電することができるので、発電機を小型化できる。また、発電機で発電された電力は、圧力センサや発信機の駆動に供される。すなわち、上述した圧力検知装置は、別途に動力源を設けることなく、圧力センサや発信機を動作させることができる。そのため、上述した圧力検知装置は、省スペースで簡素に構成できる。
【0009】
ここで、上述した圧力検知装置は、例えば、空気等の気体や水等の液体などの流体の圧力検知に利用できる。また、発電機、圧力センサ、及び発信機には、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)等の各種の形態のものが利用できる。MEMSを利用することで、発電機、圧力センサ、及び発信機のより一層の小型化が期待できる。また、発信機による発信は、例えば、圧力センサによって検知された圧力が、異常値である場合に行うようにすれば、最小限の電力で駆動することができるので、発電機や蓄電器のより一層の小型化が期待できる。また、上述した圧力検知装置は、例えば、プレス装置におけるガススプリングやエアサスペンション等のエアスプリング等に利用できる。
【0010】
(2)上述した本発明の圧力検知装置において、前記発信機は、前記圧力センサで検知した前記圧力が、所定の閾値を下回ることを条件として発信を行うとよい。
【0011】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、圧力センサで検知した圧力を常時、発信する必要がない。これにより、上述した圧力検知装置は、発信機の発信による電力消費を低減できるので、発電機や蓄電器の容量を小さくできる。そのため、上述した圧力検知装置は、省スペースで簡素に構成できる。
【0012】
(3)上述した本発明の圧力検知装置は、前記管本体が、一端側に第一接続部を有しており、前記第一接続部は、前記流体を媒体として付与圧力を発生可能な圧力付与装置の流体導入口に接続可能であるとよい。
【0013】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、圧力付与装置に容易に接続できる。すなわち、上述した圧力検知装置によれば、圧力付与装置を加工する必要がないので、汎用性の向上が期待できる。ここで、圧力付与装置には、例えば、ガススプリング、シリンダ、ポンプ等の各種の流体機器が利用できる。
【0014】
(4)上述した本発明の圧力検知装置は、前記管本体が、他端側に第二接続部を有しており、前記第二接続部が、前記圧力付与装置に対して前記流体を流入させるための案内口を形成しているとよい。
【0015】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、案内口を通じて圧力付与装置に流体を流入させることができる。すなわち、上述した圧力検知装置は、圧力付与装置に接続した状態で、案内口を通じて圧力付与装置に流体を流入させることができる。これにより、上述した圧力検知装置は、圧力付与装置に流体を流入させる管本体(流路)と、圧力検知装置とを兼用できるので、省スペースで簡素に構成できる。ここで、第二接続部や案内口は、各種の形状や大きさに形成できる。例えば、第二接続部(管本体を含む)は、直線状に形成されているものだけではなく、L字状に屈曲形成されていてもよい。
【0016】
(5)上述した本発明の圧力検知装置は、前記圧力付与装置が、ガススプリングであり、前記流体導入口が、前記ガススプリングにおけるガス充填口を形成しており、前記第一接続部が、前記ガス充填口に接続されており、前記発電機は、前記ガススプリングの圧力変動により発電を行うとよい。
【0017】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、ガススプリングに取り付けた状態で、当該ガススプリングにガスの補充を行うことができる。また、上述した圧力検知装置は、ガススプリングを加工することなく、ガススプリングのガス充填口に接続できるので、汎用性の向上が期待できる。また、上述した圧力検知装置は、発電機による発電をガススプリングの圧力変動により行うことができるので、別途に発電機の駆動源を設ける必要がない。そのため、上述した圧力検知装置は、省スペースで簡素に構成できる。
【0018】
(6)上述した本発明の圧力検知装置は、前記管本体が、一端側に第一接続部を有しており、前記管本体が、前記第一接続部と連通した連通空間を有しており、前記発電機が、前記連通空間内における圧力変動を受けて作動する構成であるとよい。
【0019】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、圧力付与装置が動作することによる動力を活用して発電できる。また、上述した圧力検知装置は、連通空間内における圧力変動を利用して発電が行えるため、発電用に別途の動力を設ける必要がなく、省スペースで簡素に構成できる。
【0020】
(7)上述した本発明の圧力検知装置は、前記管本体が、他端側に案内口が形成された第二接続部を有しており、前記流体流路は、前記連通空間内において前記第一接続部と、前記案内口とに亘って形成され、前記案内口を介して前記流体流路に導入された前記流体を前記第一接続部を介して前記圧力付与装置に供給可能であるとよい。
【0021】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、案内口を通じて、流体をスムーズに圧力付与装置に供給できる。また、上述した圧力検知装置は、管本体がそのまま流体流路として利用できるので、省スペースで簡素に構成できる。
【0022】
(8)上述した本発明の圧力検知装置は、前記連通空間内において、前記流体流路から外れた領域にある発電機配置部に前記発電機が配されているとよい。
【0023】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、流体流路を介した流体の補充を発電機で阻害したり、流体の流れで発電機が破損したりするのを抑制できる。
【0024】
(9)上述した本発明の圧力検知装置は、前記発電機配置部が、前記第一接続部に面しているとよい。
【0025】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、圧力付与装置が動作することによる動力を活用して発電できる。すなわち、上述した圧力検知装置は、別途に動力を設ける必要がないので、省スペースで簡素に構成できる。
【0026】
(10)上述した本発明の圧力検知装置は、前記連通空間の外に前記蓄電器が配されているとよい。
【0027】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、流体の通過による圧力を受けない所に蓄電器を配することができる。これにより、上述した圧力検知装置は、蓄電器が圧力や流体にさらされて劣化や破損等することを抑制できる。
【0028】
(11)上述した本発明の圧力検知装置は、前記圧力センサが、前記流体流路に対して連通したセンサ配置部に配置されているとよい。
【0029】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、流体流路を流体が流れることによる誤検知を防止できる。
【0030】
(12)上述した本発明の圧力検知装置は、前記管本体が、他端側に案内口が形成された第二接続部を有しており、前記センサ配置部が、前記第一接続部から前記案内口に向かう方向に対して交差する方向に連通した連通孔を介して前記流体流路と連通しているとよい。
【0031】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、静的な位置で流体の圧力を検知できるので、センシング性能を高めることができる。そのため、上述した圧力検知装置は、精度良く圧力の検知を行うことができる。
【0032】
(13)上述した本発明の圧力検知装置は、前記第一接続部及び前記流体導入口が、それぞれネジで形成されると共に、螺合により締結されるとよい。
【0033】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、圧力付与装置の流体導入口に容易に圧力検知装置を接続することができる。これにより、上述した圧力検知装置の汎用性向上が期待できる。
【0034】
(14)上述した本発明の圧力検知装置は、前記発信機から発信される前記圧力情報を受信する受信機と、前記受信機で受信した前記圧力情報を監視するモニタ部と、を備えるとよい。
【0035】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、別途に配管や配線をすることなく、モニタ部で圧力検知装置における圧力情報を監視できる。そのため、上述した圧力検知装置は、当該圧力検知装置が適用される機器類を省スペースで簡素に構成でき、コスト削減が期待できる。また、上述した圧力検知装置は、一箇所に集約して圧力検知装置における圧力情報を監視できるので、監視作業の負担を軽減できる。
【0036】
(15)上述した本発明の圧力検知装置は、前記圧力情報が、前記圧力の異常に関する警告であるとよい。
【0037】
上述した圧力検知装置は、かかる構成とすることにより、圧力情報に異常が生じた際に的確に異常を通知できる。これにより、上述した圧力検知装置は、当該圧力検知装置が適用された機器類の圧力に係る異常を即座に把握できるので、異常が生じた機器類の早急な停止に役立てることができる。また、上述した圧力検知装置は、圧力情報を圧力の異常に関する警告に限定することにより、発信機から発信するデータ量を低減できるので、発信機の駆動電力を低減できる。これにより、発電機や蓄電器の小型化が期待できる。
【0038】
(16)上述した課題を解決すべく提供される本発明の圧力検知システムは、上述した圧力検知装置を複数備える圧力検知システムであって、それぞれの前記圧力検知装置に接続され、前記流体を媒体として付与圧力を発生可能な複数の圧力付与装置と、前記圧力付与装置に付与する付与圧力を制御する制御部と、複数の前記圧力検知装置におけるそれぞれの前記発信機から発信される前記圧力情報を受信する受信機と、を備え、前記制御部は、それぞれの前記発信機から発信される前記圧力情報に基づいて、それぞれの前記圧力付与装置における前記付与圧力を制御可能であること、を特徴とするものである。
【0039】
上述した圧力検知システムは、複数の圧力検知装置のそれぞれを配管や配線によって接続する必要がないので、配管や配線のスペースを削減できる。そのため、配管や配線に掛かるコストの低減が期待できる。また、上述した圧力検知システムは、複数の圧力検知装置で検知された複数の圧力情報を個別又は一体的に管理できるので、複数の圧力付与装置の付与圧力を個別又は一体的に制御できる。また、上述した圧力検知システムは、複数の圧力付与装置に係る圧力情報を取得できるので、例えば、異常の生じた圧力付与装置を容易に特定できる。ここで、複数の圧力検知装置は、それぞれID等を付与するとよい。かかる構成とすることにより、異常の生じた圧力付与装置の特定が容易になる。
【0040】
(17)上述した課題を解決すべく提供される本発明のプレス装置は、上述した圧力検知システムを備えるプレス装置であって、上型と、下型と、前記上型及び前記下型の間に配されたワークを押えるワーク押えと、を備え、前記圧力付与装置は、前記ワーク押えに対して、前記ワークのプレス方向に前記付与圧力を付与する構成であること、を特徴とするものである。
【0041】
上述したプレス装置は、圧力検知システムにおける複数の圧力検知装置に対して配管や配線を行うことなく、圧力付与装置(例えば、ガススプリング)の圧力情報を検知できる。そのため、金型(上型、下型)等に対して圧力検知装置のための配管や配線を行う必要がない。これにより、上述したプレス装置は、金型等に掛かるコストを低減できる。また、上述したプレス装置は、複雑な配管や配線が不要となるので、金型設計の自由度を向上させる効果が期待できる。
【発明の効果】
【0042】
本発明は、気体や液体などの流体における圧力を簡素な構成で検知できる圧力検知装置、圧力検知システム、及びプレス装置を提供することができる。また、本発明は、ガススプリング等の圧力付与装置に別途の配管や配線をすることなく、圧力の検知を行うことが可能な圧力検知装置、圧力検知システム、及びプレス装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明の一実施形態に係る圧力検知装置の概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る圧力検知装置の構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る圧力検知装置をガススプリングに適用した場合の説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る圧力検知装置及び圧力検知システムを適用したプレス装置の概略正面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るプレス装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明の一実施形態に係る圧力検知装置1について、
図1~
図3を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、圧力検知装置1が圧力付与装置50としてのガススプリング(以下、ガススプリング50とも称する)に接続されている場合を例として説明する。また、以下では、まず圧力検知装置1について説明し、その後、圧力検知装置1が適用された圧力検知システム100、及び圧力検知システム100が適用されたプレス装置200についての詳細を説明する。
【0045】
≪圧力検知装置≫
図1に示すように、圧力検知装置1は、管本体10と、発電機20と、蓄電器25と、圧力センサ30と、発信機35等を備えている。また、圧力検知装置1は、
図2及び
図3に示すように、ガススプリング50に接続されると共に、発信機35を介して受信機60及びモニタ部65が接続されている。
【0046】
図1に示すように、管本体10は、小径の小径筒部11と、小径筒部11よりも大径に形成された大径筒部12とが結合されることにより一体的に形成されている。すなわち、管本体10は、軸線方向に沿った断面視において、凸状に形成されている。管本体10は、内部に流体の流体流路13が形成されている。ここで、流体は、例えば、空気等の気体や水等の液体などが挙げられるが、本実施形態では、後述するガススプリング50に充填される空気(ガスとも称する)が流体として流体流路13を流れるものとされている。
【0047】
管本体10は、一端側に第一接続部14を有し、他端側に第二接続部15を有している。また、管本体10は、第一接続部14と連通した連通空間16を有している。管本体10は、第一接続部14を介してガススプリング50に接続されている。
【0048】
ガススプリング50は、
図3に示すように、筒状に形成されたシリンダ枠52と、シリンダ枠52の内部に配されたピストン53と、ピストン53に接続されたピストンロッド54等を備えている。また、ガススプリング50は、シリンダ枠52にガス充填口51を備えている。また、ガス充填口51には、雌ネジ51A(
図2参照)が形成されている。ガススプリング50は、ガス充填口51から充填されたガスによって、ピストンロッド54を付勢するものとされている。
【0049】
第一接続部14は、
図1に示すように、管本体10の外周部分に雄ネジ14Aとして形成されている。第一接続部14は、ガススプリング50のガス充填口51(流体導入口51とも称する)に接続できる。具体的に説明すると、ガス充填口51には、第一接続部14の雄ネジ14Aと螺合可能な雌ネジ51Aが形成されており、雄ネジ14Aと雌ネジ51Aとを螺合させることにより、第一接続部14がガス充填口51と締結(接続)される。第一接続部14がガス充填口51に締結されると、流体流路13が、ガス充填口51を通じてガススプリング50のシリンダ枠52の内部と連通する。
【0050】
このように上述した圧力検知装置1は、第一接続部14を介して、ガススプリング50に容易に接続できる。すなわち、上述した圧力検知装置1によれば、ガススプリング50を加工する必要がないので、汎用性の向上が期待できる。
【0051】
第二接続部15は、管本体10の内周部分に雌ネジ15Aとして形成されている。また、第二接続部15は、ガススプリング50に対してガス(流体)を流入させるための案内口15Bを形成している。案内口15Bは、外部と連通しており、外部からガスを流入させることが可能である。第二接続部15は、開放端とするものや他の配管・ポンプなどの圧力機器を接続することが可能である。例えば、第二接続部15にエアポンプを接続すれば、ガススプリング50へのガスの充填が容易に行える。
【0052】
流体流路13は、連通空間16内において第一接続部14と、案内口15Bとに亘って形成されている。また、流体流路13は、案内口15Bを介して流体流路13に導入されたガスを、第一接続部14を介してガススプリング50に供給可能とされている。
【0053】
このように、上述した圧力検知装置1は、ガススプリング50に接続した状態で、案内口15Bを通じてガススプリング50に流体をスムーズに流入させることができる。これにより、上述した圧力検知装置1は、圧力付与装置50にガスを流入させる管本体10(流体流路13)と、圧力検知装置1とを兼用できるので、省スペースで簡素に構成できる。また、上述した圧力検知装置1は、管本体10がそのまま流体流路13として利用できるので、省スペースで簡素に構成できる。
【0054】
発電機20は、連通空間16内における圧力変動を受けて作動するものとされている。具体的には、発電機20は、圧力変動により、振動する電磁コイル22と、電磁コイル22に一定の付勢力を付与するバネ23(弾性部材23とも称する)と、電磁コイル22に誘導電流を発生させる磁石(図示せず)等で構成されている。発電機20は、連通空間16内を流れるガスの圧力変動により、電磁コイル22が振動することで発電するものとされている。また、発電機20は、蓄電器25に接続されており、発電した電力が蓄電器25に送られる。発電機20は、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical System)で形成することにより、小型化が期待できる。また、発電機20は、電磁コイル22式のものに代えて、圧電素子を利用したものなど各種の方式のものを利用できる。
【0055】
本実施形態では、上述した圧力検知装置1における発電機20が、連通空間16内において、流体流路13から外れた領域にある発電機配置部21に配されている。そのため、上述した圧力検知装置1は、流体流路13を介したガスの補充を発電機20で阻害したり、ガスの流れで発電機20が破損したりするのを抑制できる。
【0056】
発電機配置部21は、第一接続部14に面して配されている。そのため、発電機20は、ガススプリング50が動作することによる動力を活用して発電できる。すなわち、上述した圧力検知装置1は、発電機20に対して別途に動力を設ける必要がないので、省スペースで簡素に構成できる。
【0057】
蓄電器25は、例えば、コンデンサやキャパシタで形成されており、発電機20で発電した電力を蓄電できる。蓄電器25は、連通空間16の外に配されている。すなわち、蓄電器25は、ガスの通過による圧力を受けない所に配されている。これにより、上述した圧力検知装置1は、蓄電器25が圧力や流体にさらされて劣化や破損等することを抑制できる。蓄電器25は、各種の容量のものが利用できる。なお、詳細は後述するが、発信機35から発信する圧力情報が、圧力の異常時の情報のようにデータ量が少ない場合は、蓄電器25の容量を低容量化できる。
【0058】
圧力センサ30は、例えば、図示しないダイヤフラムや感圧素子を有するものとされ、流体の圧力を、ダイヤフラムを介して感圧素子で計測するものとされている。本実施形態では、圧力センサ30は、蓄電器25に蓄電された電力により駆動される。なお、圧力センサ30は、蓄電器25の電力による駆動だけではなく、発電機20からの電力で直接的に駆動してもよい。また、圧力センサ30は、圧力を検知可能な各種のセンサを用いることができるが、例えば、MEMSで構成することにより、小型化が期待できる。
【0059】
圧力センサ30は、本実施形態では、流体流路13に対して連通したセンサ配置部31に配置されている。これにより、圧力センサ30は、ガスが流体流路13を流れることによる影響を受けずに圧力を検知することができる。そのため、上述した圧力検知装置1は、圧力センサ30の誤検知を抑制できる。
【0060】
センサ配置部31は、連通孔32が形成されている。連通孔32は、第一接続部14から案内口15Bに向かう方向に対して交差する方向に連通している。すなわち、センサ配置部31は、連通孔32を介して流体流路13と連通している。これにより、上述した圧力検知装置1は、静的な位置で流体の圧力を検知できるので、センシング性能を高めることができる。そのため、上述した圧力検知装置1は、精度良く圧力の検知を行うことができる。圧力センサ30で検知された圧力に係る圧力情報は、例えば、圧力の異常に関する警告とされている。圧力センサ30で検知された圧力情報は、発信機35に送られる。
【0061】
このように、上述した圧力検知装置1は、圧力情報を圧力の異常に関する警告とすることにより、圧力に異常が生じた際に的確に異常を通知できる。これにより、上述した圧力検知装置1は、圧力検知装置1が適用された機器類(本実施形態では、ガススプリング50)の圧力に係る異常を即座に把握できるので、異常が生じた機器類の早急な停止に役立てることができる。
【0062】
発信機35は、圧力センサ30に有線又は無線で接続されており、圧力センサ30で検知された圧力情報を取得できる。発信機35は、本実施形態では、圧力センサ30と隣接して配されている。発信機35は、無線通信が可能に構成され、後述するモニタ部65における受信機60に向けて圧力情報を発信できる。発信機35は、蓄電器25に蓄電された電力により駆動される。なお、発信機35は、蓄電器25の電力による駆動だけではなく、発電機20からの電力で直接的に駆動してもよい。また、発信機35は、データの発信が可能な各種の通信機器を用いることができるが、例えば、MEMSで構成することにより、小型化が期待できる。
【0063】
また、発信機35は、圧力センサ30で検知した圧力が、所定の閾値を下回ることを条件として発信を行うものとされている。そのため、発信機35は、圧力センサ30で検知した圧力を常時、発信する必要がない。これにより、上述した圧力検知装置1は、発信機35の発信による電力消費を低減できるので、発電機20や蓄電器25の容量を小さくできる。そのため、上述した圧力検知装置1は、省スペースで簡素に構成できる。
【0064】
また、発信機35は、発信する圧力情報を圧力の異常に関する警告に限定することにより、発信するデータ量を低減できるので、駆動電力を低減できる。これにより、発電機20や蓄電器25の小型化が期待できる。
【0065】
受信機60は、無線通信可能に構成され、発信機35から発信される圧力情報を受信可能なものとされている。受信機60は、圧力検知装置1の圧力を監視するモニタ部65の近傍に配されている。受信機60は、有線又は無線等でモニタ部65と接続されており、受信した圧力情報をモニタ部65に送信することができる。
【0066】
モニタ部65は、受信機60で受信した圧力情報を取得でき、当該圧力情報を監視するものとされている。モニタ部65は、表示装置66と、音声出力装置(図示せず)とを備えており、圧力情報を表示装置66に表示したり、音声で出力したりすることができる。また、モニタ部65は、圧力情報が、圧力の異常に関する警告である場合、表示装置66 に警告画面を表示したり、音声で警報を発報したりすることができる。
【0067】
以上が、本発明の一実施形態に係る圧力検知装置1の構成であり、次に圧力検知装置1の作用効果について説明する。
【0068】
上述した圧力検知装置1は、圧力センサ30で検知した圧力情報を発信機35によって発信できるので、圧力センサ30に対して配管や配線を行う必要がない。そのため、上述した圧力検知装置1は、省スペースで簡素に構成でき、コスト低減が期待できる。また、上述した圧力検知装置1は、発電機20が、流体流路13内の圧力変動により発電するものとされている。すなわち、上述した圧力検知装置1は、別途に動力源を設けることなく発電することができるので、発電機20を小型化できる。また、発電機20で発電された電力は、圧力センサ30や発信機35の駆動に供される。すなわち、上述した圧力検知装置1は、別途に動力源を設けることなく、圧力センサ30や発信機35を動作させることができる。そのため、上述した圧力検知装置1は、省スペースで簡素に構成できる。
【0069】
また、上述した圧力検知装置1は、流体導入口51が、ガススプリング50におけるガス充填口51を形成しており、第一接続部14が、ガス充填口51に接続されており、発電機20が、ガススプリング50の圧力変動により発電を行うものとされている。従って、上述した圧力検知装置1は、ガススプリング50に取り付けた状態で、当該ガススプリング50にガスの補充を行うことができる。また、上述した圧力検知装置1は、ガススプリング50を加工することなく、ガススプリング50のガス充填口51に接続できるので、汎用性の向上が期待できる。また、上述した圧力検知装置1は、発電機20による発電をガススプリング50の圧力変動により行うことができるので、別途に発電機20の駆動源を設ける必要がない。そのため、上述した圧力検知装置1は、省スペースで簡素に構成できる。
【0070】
また、上述した圧力検知装置1は、発信機35から発信される圧力情報を受信機60で受信し、受信した圧力情報をモニタ部65で監視できるものとされている。これにより、上述した圧力検知装置1は、別途に配管や配線をすることなく、圧力検知装置1における圧力情報を監視できる。そのため、上述した圧力検知装置1は、当該圧力検知装置1が適用される機器類を省スペースで簡素に構成でき、コスト削減が期待できる。また、上述した圧力検知装置1は、一箇所に集約して圧力検知装置1における圧力情報を監視できるので、監視作業の負担を軽減できる。
【0071】
以上が、本発明の圧力検知装置1の一実施形態であり、次に、本発明の圧力検知装置1を適用した圧力検知システム100、及び圧力検知システム100を適用したプレス装置200について、
図4及び
図5を参照しながら以下に説明する。なお、以下の説明では、圧力検知システム100が適用されたプレス装置200を例として説明する。また、上述した実施形態と同一の部材には同一の符号を付していることに留意されたい。
【0072】
≪圧力検知システム≫
図5に示すように、圧力検知システム100は、複数の圧力検知装置1と、複数のガススプリング50(圧力付与装置50)と、受信機60と、制御部110等を備えている。圧力検知装置1、ガススプリング50、及び受信機60は、上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0073】
圧力検知システム100は、それぞれの圧力検知装置1にガススプリング50が接続されている。圧力検知装置1は、それぞれA1~AnのIDが付与されており、個別に管理されている。なお、IDは適宜付与すればよく、IDを付与しないものとすることもできる。また、圧力検知装置1は、個別に管理するものや、総括して管理するもの、あるいは、部分的に統括して管理するものなど各種の管理形態を採用できる。
【0074】
受信機60は、それぞれの圧力検知装置1における発信機35から発信された複数の圧力情報を受信することができる。受信機60は、制御部110と接続されており、受信した圧力情報を制御部110に送信することができる。
【0075】
制御部110は、例えば、コンピュータで形成されている。制御部110は、ガススプリング50に付与する付与圧力を制御することができる。また、制御部110は、受信機60で受信した複数の圧力検知装置1における圧力情報を取得することができる。制御部110は、それぞれの発信機35から発信される圧力情報に基づいて、それぞれのガススプリング50における付与圧力を制御することができる。なお、制御部110が、直接的にガススプリング50等の圧力付与装置50の付与圧力を制御するようにしてもよい。
【0076】
以上が、本発明の圧力検知システム100の構成であり、次に圧力検知システム100の作用効果について以下に説明する。
【0077】
上述した圧力検知システム100は、複数の圧力検知装置1のそれぞれを配管や配線によって接続する必要がないので、配管や配線のスペースを削減できる。そのため、配管や配線に掛かるコストの低減が期待できる。また、上述した圧力検知システム100は、複数の圧力検知装置1で検知された複数の圧力情報を個別又は一体的に管理できるので、複数のガススプリング50(圧力付与装置50)の付与圧力を個別又は一体的に制御できる。また、上述した圧力検知システム100は、複数のガススプリング50に係る圧力情報を取得できるので、例えば、異常の生じたガススプリング50を容易に特定できる。ここで、複数の圧力検知装置1は、それぞれIDが付与されているので、異常の生じたガススプリング50の特定が容易になる。
【0078】
以上が、本発明の圧力検知システム100の構成であり、次にプレス装置200の構成について説明する。
【0079】
≪プレス装置≫
図4に示すように、プレス装置200は、圧力検知システム100と、上型210と、下型220と、ワークWを押えるワーク押え230等を備えている。
【0080】
上型210は、適宜の駆動源(図示せず)により上下動が可能である。下型220は、機台(図示せず)に固定されている。ワーク押え230は、上型210及び下型220の間に配されている。ワーク押え230は、上部に複数のガススプリング50が配されている。ガススプリング50には、圧力検知システム100を構成する複数の圧力検知装置1が接続されている。
【0081】
ワーク押え230は、ガススプリング50によって下型220(プレス方向)に向けて付勢されている。従って、上型210がワークWを下型220に向けて押し込む際にワークWを下型220に向けて所定の圧力で押し込むことができる。これにより、ワークWが正確にプレスされる。
【0082】
また、圧力検知システム100における圧力検知装置1(圧力センサ30)は、プレス装置200におけるガススプリング50の付与圧力を検知する。ここで、ガススプリング50のガス漏れが発生した場合、圧力センサ30で検知された圧力が低下する。発信機35は、検知された圧力が所定の閾値を下回ることを条件として、検知された圧力に係る圧力情報を発信する。
【0083】
受信機60が圧力情報を受信すると、制御部110が、当該圧力情報に基づいて、プレス装置200の動作を制御する。例えば、制御部110は、プレス装置200の動作を停止させる制御を行う。このように、上述したプレス装置200は、ガススプリング50の圧力に異常が発生した場合に即座に動作を停止させることができるので、不良品の発生を最小限に留めることができる。なお、第二接続部15に、例えば、制御部110で制御可能なエアポンプ等を接続しておき、制御部110が、圧力制御しながら流体を圧力付与装置50に導入するようにしてもよい。
【0084】
以上が、本発明のプレス装置200の構成であり、次にプレス装置200の作用効果について以下に説明する。
【0085】
上述したプレス装置200は、圧力検知システム100における複数の圧力検知装置1に対して配管や配線を行うことなく、圧力付与装置50(例えば、ガススプリング50)の圧力情報を検知できる。そのため、金型(上型210、下型220)等に対して圧力検知装置1のための配管や配線を行う必要がない。これにより、上述したプレス装置200は、金型等に掛かるコストを低減できる。また、上述したプレス装置200は、複雑な配管や配線が不要となるので、金型設計の自由度を向上させる効果が期待できる。
【0086】
以上が、本発明の圧力検知装置1、圧力検知システム100、及びプレス装置200の構成であるが、本発明の圧力検知装置1、圧力検知システム100、及びプレス装置200は、上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0087】
本実施形態では、管本体10が、小径筒部11と、大径筒部12とを結合させた構造をなしているが、管本体10の形状や大きさは、これには限定されない。例えば、管本体10が、L字状に屈曲形成されているものや管本体10が、円筒ではなく、矩形状等の筒として形成されていてもよい。また、管本体10に流入させる流体は、空気等の気体だけではなく、水等の液体であってもよい。また、管本体10に形成される流体流路13も実施形態に記載のものだけではなく、各種の形状や大きさのものとすることができる。
【0088】
第一接続部14は、各種の形状や大きさに形成できる。また、第一接続部14(管本体10を含む)は、直線状に形成されているものだけではなく、例えば、L字状に屈曲形成されていてもよい。また、第二接続部15や案内口15Bは、各種の形状や大きさに形成できる。例えば、第二接続部15(管本体10を含む)は、直線状に形成されているものだけではなく、例えば、L字状に屈曲形成されていてもよい。案内口15Bは、円形のものだけではなく、楕円や矩形等に形成されていてもよい。第一接続部14や第二接続部15は、ネジの螺合による締結だけではなく、各種の手段で圧力付与装置50等に接続することができる。例えば、第一接続部14や第二接続部15に対して、圧力付与装置50等の各種の機器が、チューブ等で接続されてもよい。
【0089】
本実施形態では、発電機20が電磁コイル22の振動により発電するものとしたが、発電機20には、各種の形態のものが利用でき、大きさや形状も各種の形態のものが利用できる。例えば、発電機20が圧電素子に加わった圧力により発電するものとしてもよい。また、発電機20は、圧力変動により発電するものだけではなく、常時発生している圧力により発電するものとしてもよい。また、発電機20が複数設けられていてもよい。発電機20が配される発電機配置部21は、流体流路13から外れている場所や第一接続部14に面しているものだけではなく、管本体10の形状等に応じて、適宜変更できる。
【0090】
また、蓄電器25は、必要に応じて設ければよく、発電機20で発電される電力が大きい場合等は、蓄電器25を排することも可能である。また、蓄電器25が複数設けられていてもよい。蓄電器25は、電力を蓄電できるものであれば各種のものが利用でき、蓄電容量も各種の容量のものが利用できる。また、蓄電器25は、発電機20、圧力センサ30、及び発信機35等の配置に応じて、適宜の場所に配置することができる。圧力センサ30は、流体の圧力を検知可能な各種のものが利用できる。また、圧力センサ30が配されるセンサ配置部31は、流体の圧力を検知可能な各種の場所に配することができる。
【0091】
発信機35は、圧力に関する各種の圧力情報を発信できる。圧力情報には、圧力値だけではなく、例えば、圧力が異常であると判定された判定結果、圧力異常に係る警告等、各種の情報を含めることができる。なお、発信機35から発信する圧力情報は、発信機35の駆動電力等に応じて、適宜、変更することができる。また、本実施形態では、圧力センサ30で検知した圧力が、所定の閾値を下回ることを条件として発信機35が発信を行うものとしたが、これには限定されない。発信機35が発信を行う閾値の条件には各種の条件を設定でき、例えば、圧力が過大となったことを検知する場合は、発信機35が所定の閾値を上回ることを条件として発信を行うものとすればよい。
【0092】
また、圧力付与装置50は、ガススプリング50だけではなく、シリンダやエアサスペンション等に用いられるエアスプリング等の各種の圧力機器を採用できる。また、流体導入口51は、ガススプリング50におけるガス充填口51に限らず、流体の流入・流出が可能な各種の開口とすることができる。
【0093】
また、モニタ部65は、必要に応じて設ければよく、モニタ部65の構成も適宜変更することができる。例えば、モニタ部65は、表示装置66及び音声出力装置の双方を有するものだけではなく、いずれか一方を備えるものとしてもよい。また、モニタ部65は、表示装置66や音声出力装置以外の機器類を用いて、監視することも可能である。また、モニタ部65は、各種の場所に配することができる。例えば、モニタ部65は、圧力検知装置1が搭載されるプレス装置200や、別途の監視室などに配されていてもよい。受信機60は、モニタ部65に配されるものなど、圧力情報を取得したい各種の場所に配することができる。また、受信機60は、各種の通信機器を利用することができる。
【0094】
本実施形態では、圧力検知システム100が適用されたプレス装置200を例示したが、圧力検知システム100は、各種の流体機器や配管等に利用できる。また、圧力検知システム100やプレス装置200に設けられる圧力検知装置1の数は、複数のものだけではなく単数であってもよい。また、プレス装置200は、上述した実施形態のものに限定されず、各種の方式のプレス装置200に利用することができる。また、プレス装置200において、圧力検知装置1を配する位置は、プレス装置200において流体の圧力を利用する各種の場所に変更することができる。また、圧力検知システム100における制御部110で制御する対象は、適用する機器に応じて、適宜変更すればよい。また、制御部110は、プレス装置200に搭載されるものや圧力付与装置50に搭載されるものなど、各種の場所に配することができる。例えば、制御部110がモニタ部65に設けられていてもよい。また、制御部110は、圧力付与装置50の圧力を制御するものだけではなく、例えば、プレス装置200等の制御を兼用して行うものとしてもよい。
【0095】
以上が、本発明に係る圧力検知装置1の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の圧力検知装置は、ガススプリングやエアサスペンション等に用いられるエアスプリングなどの各種の圧力機器(圧力付与装置を含む)に利用することができる。また、本発明の圧力検知システムは、複数の圧力検知装置を用いる場合に好ましく利用することができる。また、本発明のプレス装置は、各種の材料をプレス成型する場合に好ましく利用できる。
【符号の説明】
【0097】
1 :圧力検知装置
10 :管本体
13 :流体流路
14 :第一接続部
15 :第二接続部
15B:案内口
16 :連通空間
20 :発電機
21 :発電機配置部
25 :蓄電器
30 :圧力センサ
31 :センサ配置部
32 :連通孔
35 :発信機
50 :ガススプリング(圧力付与装置)
51 :ガス充填口(流体導入口)
60 :受信機
65 :モニタ部
100 :圧力検知システム
110 :制御部
200 :プレス装置
210 :上型
220 :下型
230 :ワーク押え
W :ワーク