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特開2023-142380シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法
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  • 特開-シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法 図1
  • 特開-シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法 図2
  • 特開-シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法 図3
  • 特開-シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法 図4
  • 特開-シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142380
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】シート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 23/09 20060101AFI20230928BHJP
   E02F 9/28 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
E01C23/09 Z
E02F9/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049268
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(71)【出願人】
【識別番号】509338260
【氏名又は名称】株式会社アイテック
(71)【出願人】
【識別番号】522119189
【氏名又は名称】株式会社西友
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三宅 栄一
(72)【発明者】
【氏名】大関 智久
(72)【発明者】
【氏名】藤田 雄也
(72)【発明者】
【氏名】池生 秀美
(72)【発明者】
【氏名】西 忠彦
【テーマコード(参考)】
2D053
【Fターム(参考)】
2D053BA05
2D053BA07
(57)【要約】
【課題】シートを容易に切断することができるシート切断用アタッチメントを提供する。
【解決手段】シート切断用アタッチメント1は、バケット3を備えるドラグショベル2におけるバケット3の爪用アダプタ3aに対して着脱自在に取り付けられ、地表面に敷設されたシート5を引き切りするものである。シート切断用アタッチメント1は、爪用アダプタ3aに外嵌され、側面視の内側と外側の少なくとも一方に平面部(斜面部11a)を有するアタッチメント本体11と、2つの長辺を有する短冊状板材で形成され、少なくとも一方の長辺に刃先13aが形成されるシート切断刃13と、アタッチメント本体11の平面部に立設され、シート切断刃13を着脱自在に挟み込み支持する装着座15と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バケットを備えるドラグショベルにおけるバケットの爪用アダプタに対して着脱自在に取り付けられ、
地表面に敷設されたシートを引き切りするシート切断用アタッチメントであって、
爪用アダプタに外嵌され、側面視の内側と外側の少なくとも一方に平面部を有するアタッチメント本体と、
2つの長辺を有する短冊状板材で形成され、少なくとも一方の長辺に刃先が形成されるシート切断刃と、
アタッチメント本体の平面部に立設され、シート切断刃を着脱自在に挟み込み支持する装着座と、
を備えることを特徴とするシート切断用アタッチメント。
【請求項2】
請求項1に記載のシート切断用アタッチメントであって、
前記装着座は、前記平面部に沿う方向に間隔を存して複数個所に貫通孔が設けられ、同じく複数個所に貫通孔が設けられた前記シート切断刃をボルト締結により支持するシート切断用アタッチメント。
【請求項3】
請求項2に記載のシート切断用アタッチメントであって、
前記シート切断刃には、前記装着座の貫通孔の数よりも多い数の貫通孔が前記シート切断刃の長さ方向に間隔を存して設けられていることを特徴とするシート切断用アタッチメント。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載のシート切断用アタッチメントであって、
前記シート切断刃は、他方の前記長辺にも刃先を備えていることを特徴とするシート切断用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1に記載のシート切断用アタッチメントを備えたバケットであって、
バケットは複数の爪用アダプタを備え、
複数の爪用アダプタの内の一つに前記シート切断用アタッチメントが取り付けられ、
残りの爪用アダプタには、平爪が取り付けられていることを特徴とするバケット。
【請求項6】
バケットを備えるドラグショベルを用いたシートの切断方法であって、
バケットの先端にシート切断刃を設け、
バケットをドラグショベルの進行方向に配置して、
バケットの先端外面を地表面に敷設されたシートに沿わせるようにして、バケットを前方へ移動させることで、シート切断刃をシートに切り込ませて、シートを切断することを特徴とするシートの切断方法。
【請求項7】
請求項6に記載のシートの切断方法であって、
前記バケットは爪用アダプタを備え、
爪用アダプタに対して着脱自在に外嵌され、側面視の内側と外側の少なくとも一方に平面部を有するアタッチメント本体と、
2つの長辺を有する短冊状板材で形成され、少なくとも一方の長辺に刃先が形成されるシート切断刃と、
アタッチメント本体の平面部に立設され、シート切断刃を着脱自在に挟み込み支持する装着座と、
を有するシート切断用アタッチメントを備えることを特徴とするシートの切断方法。
【請求項8】
請求項7に記載のシートの切断方法であって、
前記バケットは複数の前記爪用アダプタを備え、
複数の前記爪用アダプタの内の一つに前記シート切断用アタッチメントが取り付けられ、
残りの爪用アダプタには、平爪が取り付けられており、
平爪を前記シートの表面に沿わせながら前記バケットを前進させて前記シート切断刃で前記シートを切断することを特徴とするシートの切断方法。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載のシートの切断方法であって、
前記装着座は、前記平面部に沿う方向に間隔を存して複数個所に貫通孔が設けられ、同じく複数個所に貫通孔が設けられたシート切断刃をボルト締結により支持され、
前記シート切断刃には、前記装着座の貫通孔の数よりも多い数の貫通孔が前記シート切断刃の長さ方向に間隔を存して設けられており、
前記シート切断刃の摩耗に応じて、前記シート切断刃の前後方向の位置を変えて前記シート切断刃を使用することを特徴とするシートの切断方法。
【請求項10】
請求項7から請求項9の何れか1項に記載のシートの切断方法であって、
前記シート切断刃は、他方の長辺にも刃先を備えており、
前記シート切断刃の摩耗に応じて、前記シート切断刃の上下位置を変えて使用することを特徴とするシートの切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットを備えたドラグショベルのバケットに取り付けられ、地表面に敷設されたシートを切断するシート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人工芝などのシートの裏側に挿込板の先端を差し込んでシートを浮き上がらせ、挿込板から立ち上がった縦刃でシートを切断するシート切断装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-169759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
東日本大震災などの災害復旧などの現場では、放射線などの汚染された可能性のある土壌や瓦礫、廃材などの廃棄物を所定の場所に仮置きすることがある。このとき、廃棄物から放射線やヒ素などの有害物資が地面に漏れることを防止すべく、遮水性を有するシートを敷設して、このシートの上に廃棄物を仮置きすることが求められている。
このシートは複数のシート同士を並べて配置するとともにシートの端同士を重ねて溶着させて、シート同士の隙間から有害物質が地表へ漏れないようにしている。このため、廃棄物が撤去された後には、シートを破棄する必要があるが、シートを運搬し易いように切断してから、切断されたシートを丸めてトラックに積み込むこととなる。
ここで、従来のシート切断装置では、シートが縦刃で切断されることなくヨレてしまい、うまく切断できない場合があった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、シートを容易に切断することができるシート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、
バケット(例えば、実施形態のバケット3。以下同一。)を備えるドラグショベル(例えば、実施形態のドラグショベル2。以下同一。)におけるバケットの爪用アダプタに対して着脱自在に取り付けられ、
地表面に敷設されたシートを引き切りするシート切断用アタッチメントであって、
爪用アダプタに外嵌され、側面視の内側と外側の少なくとも一方に平面部を有するアタッチメント本体と、
2つの長辺を有する短冊状板材で形成され、少なくとも一方の長辺に刃先が形成されるシート切断刃と、
アタッチメント本体の平面部に立設され、シート切断刃を着脱自在に挟み込み支持する装着座と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、バケットの先端外面でシートを押さえるようにしてバケットを前方へ移動させることにより、シート切断刃でシートを引き切りすることができる。したがって、従来の押し切りと異なり、バケットでシートを抑えながらシート切断刃で容易にシートを切断することができる。
【0008】
また、本発明においては、前記装着座は、前記平面部に沿う方向に間隔を存して複数個所に貫通孔が設けられ、同じく複数個所に貫通孔が設けられた前記シート切断刃をボルト締結により支持されることが好ましい。
【0009】
かかる構成によれば、シート切断刃が装着座にボルトで固定されているため、シート切断刃の刃がこぼれても容易に交換することができる。
【0010】
また、本発明においては、前記シート切断刃には、前記装着座の貫通孔の数よりも多い数の貫通孔が前記シート切断刃の長さ方向に間隔を存して設けられていることが好ましい。
【0011】
かかる構成によれば、シート切断刃の貫通孔の数が装着座の貫通孔の数よりも多いため、シート切断刃の前後を反転させるようにして、装着座に取り付けることができる。このため、シート切断刃の先端部分の刃がこぼれても、基端部分の刃を用いることができる。
【0012】
また、本発明においては、前記シート切断刃は、他方の前記長辺にも刃先を備えていてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、シート切断刃の他方の長辺の縁部にも刃先を備えているため、シート切断刃の上下を反転させるようにして、装着座に取り付けることができる。このため、シート切断刃の一方の刃が摩耗したり刃こぼれしても、他方の刃を用いることができる。
【0014】
また、本発明のシート切断用アタッチメントを備えたバケットは、複数の爪用アダプタを備え、複数の爪用アダプタの内の一つに前記シート切断用アタッチメントが取り付けられ、残りの爪用アダプタには、平爪が取り付けられていてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、平爪でシートを押さえることができるため、シートのめくり上がりを平爪で抑えて、シート切断刃で容易にシートを切断することできる。
【0016】
また、本発明のシートの切断方法は、
バケットの先端にシート切断刃を設け、
バケットをドラグショベルの進行方向に配置して、
バケットの先端外面を地表面に敷設されたシートに沿わせるようにして、バケットを前方へ移動させることで、シート切断刃をシートに切り込ませて、シートを切断することを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、バケットの先端外面でシートを押さえるようにしてバケットを前方へ移動させることにより、シート切断刃でシートを引き切りすることができる。したがって、従来の押し切りと異なり、バケットでシートを抑えながらシート切断刃で容易にシートを切断することができる。
【0018】
また、本発明においては、
前記バケットは爪用アダプタを備え、
爪用アダプタに対して着脱自在に外嵌され、側面視の内側と外側の少なくとも一方に平面部を有するアタッチメント本体と、
2つの長辺を有する短冊状板材で形成され、少なくとも一方の長辺に刃先が形成されるシート切断刃と、
アタッチメント本体の平面部に立設され、シート切断刃を着脱自在に挟み込み支持する装着座と、
を備えるシート切断用アタッチメントを備えるようにしてもよい。
【0019】
本発明によれば、バケットの先端外面でシートを押さえるようにしてバケットを前方へ移動させることにより、シート切断刃でシートを引き切りすることができる。したがって、従来の押し切りと異なり、バケットでシートを抑えながらシート切断刃で容易にシートを切断することができる。
【0020】
また、本発明においては、
前記バケットは複数の前記爪用アダプタを備え、
複数の前記爪用アダプタの内の一つに前記シート切断用アタッチメントが取り付けられ、
残りの爪用アダプタには、平爪が取り付けられており、
平爪を前記シートの表面に沿わせながら前記バケットを前進させて前記シート切断刃で前記シートを切断するようにしてもよい。
【0021】
本発明によれば、平爪でシートを押さえることができるため、シートのめくり上がりを平爪で抑えて、シート切断刃で容易にシートを切断することできる。
【0022】
また、本発明においては、
前記装着座は、前記平面部に沿う方向に間隔を存して複数個所に貫通孔が設けられ、同じく複数個所に貫通孔が設けられたシート切断刃をボルト締結により支持され、
前記シート切断刃には、前記装着座の貫通孔の数よりも多い数の貫通孔が前記シート切断刃の長さ方向に間隔を存して設けられており、
前記シート切断刃の摩耗に応じて、前記シート切断刃の前後方向の位置を変えて前記シート切断刃を使用するようにしてもよい。
【0023】
本発明によれば、シート切断刃の貫通孔の数が装着座の貫通孔の数よりも多いため、シート切断刃の前後を反転させるようにして、装着座に取り付けることができる。このため、シート切断刃の先端部分の刃がこぼれても、基端部分の刃を用いることができる。
【0024】
また、本発明においては、
前記シート切断刃は、他方の前記長辺にも刃先を備えており、
前記シート切断刃の摩耗に応じて、前記シート切断刃の上下位置を変えて使用するようにしてもよい。
【0025】
本発明によれば、シート切断刃の他方の長辺にも刃先を備えているため、シート切断刃の上下を反転させるようにして、装着座に取り付けることができる。このため、シート切断刃の一方の刃がこぼれても、他方の刃を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】発明の実施形態のシート切断用アタッチメントを備えたドラグショベルを示す説明図。
図2】本実施形態のバケットを示す説明図。
図3】本実施形態のシート切断用アタッチメントを示す説明図。
図4】本実施形態のシート切断用アタッチメントとバケットとの接続構造を示す説明図。
図5】本実施形態の平爪を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図を参照して、発明の実施形態のシート切断用アタッチメント、バケット、及びシートの切断方法を説明する。図1を参照して、本実施形態のシート切断用アタッチメント1は、ドラグショベル2(バックホウともいう)のバケット3に取り付けられるものである。ドラグショベル2(バックホウともいう)は、履帯2aを備えており、バケット3を機体側に引き寄せる方向に動かして作業するものである。シート切断用アタッチメント1は、地表面4に敷設されたシート5を引き切りするために用いられるものである。
【0028】
シート5は、地表面4に敷設された不織布5aと、不織布5aの上に敷設された遮水性を有するシート本体5bとで構成されている。
【0029】
図2を参照して、バケット3には、爪を着脱自在に装着可能な複数の爪用アダプタ3aが設けられている。1つの爪用アダプタ3aには、シート切断用アタッチメント1が外嵌される。
【0030】
図3を参照して、シート切断用アタッチメント1は、爪用アダプタ3aに外嵌される有底筒状のアタッチメント本体11と、2つの長辺を有する短冊状板材で形成され2つの長辺に刃先13aを夫々有するシート切断刃13と、アタッチメント本体11に設けられ、シート切断刃13を着脱自在に支持する装着座15と、を備えている。図4を参照して、アタッチメント本体11は、斜め下方へ延びる斜面部11aを備える。本実施形態ではこの斜面部11aが発明の平面部に該当する。装着座15は、この斜面部11a上に設けられており、シート切断刃13が斜め下方へ延びるように構成されている。
【0031】
図3を参照して、装着座15は、一対のL字状部材15aを間隔を存して向かい合わせるように配置して構成され、この一対のL字状部材15aにシート切断刃13を挟み込むようにして固定している。一対のL字状部材15aには、斜面部11aに沿うように間隔を存して少なくとも2つの貫通孔15bが夫々設けられている。シート切断刃13には、長手方向に間隔を存して4つの貫通孔13bが設けられている。そして、装着座15の貫通孔15bとシート切断刃13の貫通孔13bにボルト17aを挿通してナット17bで締め付けて一対のL字状部材15aで挟み込んで固定する。
【0032】
図4を参照して、爪用アダプタ3aには、側面に複数の凸部21aを備えるラバーピン21と、凸部21aを受け入れる凹部23aを備えるロックピン23とを挿通可能なアダプタ側孔3bが設けられている。アタッチメント本体11の基端部には、ロックピン23を挿通可能なアタッチメント側孔11bが設けられている。
【0033】
シート切断用アタッチメント1を爪用アダプタ3aに取り付けるためには、まず、爪用アダプタ3aのアダプタ側孔3bにラバーピン21を挿入する。そして、シート切断用アタッチメント1を爪用アダプタ3aに外嵌させる。そして、アタッチメント側孔11b及びアダプタ側孔3bに、ラバーピン21の凸部21aを押し退けるようにしてロックピン23を挿入する。そして、ロックピン23の凹部23aがラバーピン21の凸部21aを受け入れることにより、ロックピン23の脱落が防止される。このようにして、シート切断用アタッチメント1は爪用アダプタ3aに固定される。
【0034】
図5を参照して、残りの爪用アダプタ3aには、平爪31が装着されている。平爪31は、爪用アダプタ3aに外嵌される有底筒状の平爪アタッチメント本体33と、平爪アタッチメント本体33の底面に沿って張り出す平板部35と、で構成されている。平爪31の爪用アダプタ3aへの取付構造はシート切断用アタッチメント1と同一に構成されている。
【0035】
本実施形態のシート切断用アタッチメント1を用いてシート5を切断するには、まず、不織布5aとシート本体5bとの厚さを考慮して、シート切断刃13の突出量を調節して装着座15に取り付ける。具体的には、シート5の厚さが比較的薄い場合には、シート切断刃13の例えば先端側から2番目と3番目の貫通孔13bで装着座15に固定する。シート5の厚さが比較的厚い場合には、シート切断刃13の例えば、先端側から3番目と4番目の貫通孔13bで装着座15に固定する。
【0036】
そして、バケット3をドラグショベル2の進行方向に配置する。このとき、バケット3の先端外面を地表面に敷設されたシート5に沿わせるように配置する。シート切断刃13は、アタッチメント本体11の斜面部11aに沿うように固定されているため、バケット3の先端外面を地表面に敷設されたシート5に沿わせるように配置することで、シート切断刃13をシート5に切り込ませることができる。
【0037】
そして、バケット3をドラグショベル2の進行方向(前方)へ移動させることで、シート切断刃13でシート5を切断することができる。また、ドラグショベル2の履帯2でシート5を押さえることができるため、シート切断刃13でシート5を容易に切断することができる。また、シート切断用アタッチメント1が装着された爪用アダプタ3a以外の爪用アダプタ3aには、平爪31が装着されているため、平爪31でシート5を押さえることができるため、シート5のめくり上がりを平爪31で抑えて、シート切断刃13で容易にシート5を切断することできる。
【0038】
シート切断刃13は、下側長辺のみならず、上側長辺にも刃先13aが設けられているため、摩耗したり刃こぼれして切れ味が低下した場合には、上下を入れ替えることにより、切れ味を保つことができ、1つのシート切断刃13を有効活用することができる。
【0039】
また、装着座15の2つの貫通孔15bに対して、シート切断刃13には4つの貫通孔13bが設けられており、例えば、最初はシート切断刃13の先端から3番目と4番目の貫通孔13bで装着座15に固定し、摩耗や刃こぼれしたら、シート切断刃13の前後を反転させるように入れ替えて、1番目と2番目の貫通孔13bで装着座15に固定することで、シート切断刃13の基端側の刃先13aも有効利用することができる。
【0040】
本実施形態のシート切断用アタッチメント1、バケット3、及びシートの切断方法によれば、バケット3の先端外面でシート5を押さえるようにしてバケット3を前方へ移動させることにより、シート切断刃13でシート5を引き切りすることができる。したがって、従来の押し切りと異なり、バケット3でシート5を抑えながらシート切断刃13で容易にシート5を切断することができる。
【0041】
なお、本実施形態においては、平爪31を備えるバケット3を説明したが、発明のバケットはこれに限らず、例えば、平爪に代えて、通常の爪を装着してもよい。これによってもバケット3の先端外面でシート5を押さえるようにしてシート切断刃13で容易にシート5を切断することができる。
【0042】
また、本実施形態では、シート切断刃13が装着座15の2つの貫通孔15bよりも数の多い4つの貫通孔13bを備えるものを説明したが、発明のシート切断用アタッチメントは、これに限らず、例えば、装着座とシート切断刃の貫通孔の数を同一にしてもよい。
【0043】
また、本実施形態では、装着座15を斜面部11aに設けたシート切断用アタッチメント1を説明したが、発明のシート切断用アタッチメントはこれに限らず、例えば、装着座15をアタッチメント本体11の基端側の傾斜していない基端平面部11c(図4参照)に設けてもよい。
【0044】
また、本実施形態では装着座15をアタッチメント本体11のバケット3の内側(上側。図4の右側。)の斜面部11aに設けたシート切断用アタッチメント1を説明したが、発明のシート切断用アタッチメントはこれに限らず、例えば、装着座15をアタッチメント本体11のバケット3の外側(下側。図4の左側。)の斜面部や基端平面部に設けてもよい。
【0045】
また、本実施形態ではシート切断刃13の両方の長辺に刃先13aが形成されたシート切断用アタッチメント1を説明したが、発明のシート切断用アタッチメントはこれに限らず、シート切断刃13の何れか一方の長辺にのみ刃先13aを形成してもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 シート切断用アタッチメント
2 ドラグショベル
2a 履帯
3 バケット
3a 爪用アダプタ
3b アダプタ側孔
4 地表面
5 シート
5a 不織布
5b シート本体
11 アタッチメント本体
11a 斜面部(平面部)
11b アタッチメント側孔
13 シート切断刃
13a 刃先
13b 貫通孔
15 装着座
15a L字状部材
15b 貫通孔
17a ボルト
17b ナット
21 ラバーピン
21a 凸部
23 ロックピン
23a 凹部
31 平爪
33 平爪アタッチメント本体
35 平板部
図1
図2
図3
図4
図5