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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014239
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】薬剤払出し装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/30 20060101AFI20230119BHJP
   B65B 1/08 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B65B1/30 B
B65B1/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191779
(22)【出願日】2022-11-30
(62)【分割の表示】P 2020099277の分割
【原出願日】2015-09-10
(31)【優先権主張番号】P 2014194480
(32)【優先日】2014-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015023325
(32)【優先日】2015-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2015086294
(32)【優先日】2015-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592246705
【氏名又は名称】株式会社湯山製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】粕屋 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】吉名 克憲
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 千晴
(72)【発明者】
【氏名】山本 高天
(72)【発明者】
【氏名】青山 真一
(57)【要約】
【課題】 薬剤を正確な量だけ排出することができる薬剤フィーダを開発する。
【解決手段】 薬剤容器2と、容器載置装置3を有する薬剤フィーダ1である。薬剤容器2は、容器載置装置3に対して着脱自在である。薬剤容器2には薬剤を排出する薬剤排出部がある。容器載置装置3は、振動台50と、加振手段51と、容器保持手段と、重量測定手段とを有する。磁石通電線65と、加振手段通電線68と、測定手段通電線70とを有し、電線のいずれかを保持する電線保持部材73を有する。電線保持部材73は電線を保持し、弾性を有していて外力に応じて電線固定部76の位置が移動し、外力が消失すると電線固定部76が元の位置に復帰する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器保管装置と、密閉型の薬剤容器を載置する容器載置装置と、操作表示部とを備えた薬剤払出し装置であって、
密閉型の薬剤容器は、容器保管装置、又は薬剤払出し装置の外部に保管されており、
容器保管装置、又は薬剤払出し装置の外部に保管された密閉型の薬剤容器の中に、処方された薬剤が充填されたものが無い場合、操作表示部に、薬剤払出し装置の外部にある薬剤投入開放型の薬剤容器を容器載置装置に設置することを促すメッセージが表示されることを特徴とする薬剤払出し装置。
【請求項2】
手動搬入用扉部をさらに有し、
操作表示部は、タッチパネルを有し、
操作表示部のタッチパネルに、下記(a)~(c):
(a)手動搬入用扉部を開く、
(b)手動搬入用扉部を閉じる、
(c)配分を開始する
のいずれかの動作を示す旨の表示が表示されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤払出し装置。
【請求項3】
容器載置装置は、報知部材を有し、
密閉型の薬剤容器を載置すべき容器載置装置の報知部材が点灯することを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤払出し装置。
【請求項4】
操作表示部の表示された前記(a)の動作を示す旨の表示を押すと手動搬入用扉部が自動的に開き、
報知部材が点灯した容器載置装置に最も近い位置にある手動搬入用扉部が開くことで、作業者は手動搬入用扉部から手で薬剤投入口開放型の薬剤容器を挿入し、報知部材が点灯している容器載置装置に薬剤投入口開放型の薬剤容器を載置することが可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の薬剤払出し装置。
【請求項5】
薬剤投入開放型の薬剤容器は、容器載置装置に装着された姿勢を基準としてその上面側に開口を有し、当該開口から薬剤投入開放型の薬剤容器内に薬剤を投入可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の薬剤払出し装置。
【請求項6】
薬剤投入開放型の薬剤容器は、貯留空間形成部材と底部形成部材を有し、
貯留空間形成部材は少なくとも側面を覆う側面壁を有すると共に底部に開口があることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の薬剤払出し装置。
【請求項7】
振動台を有し、
振動台に薬剤容器を一時的に固定する容器保持手段を有し、
底部形成部材は、その一部又は全部が磁性体であり、
貯留空間形成部材は、底部形成部材に対して着脱可能であり、
容器保持手段は、磁石部材を有していて磁力によって薬剤容器を固定するものであることを特徴とする請求項6に記載の薬剤払出し装置。
【請求項8】
薬剤投入開放型の薬剤容器は、貯留空間形成部材と底部形成部材との間には弾性体があり、
容器載置装置の振動台に載置された姿勢を基準として底部形成部材の水平方向の全長は、貯留空間形成部材の水平方向の全長よりも長く、底部形成部材の先端が薬剤排出部となり、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、振動台を振動させると、貯留空間形成部材の開口から底部形成部材に落下した薬剤が底部形成部材の上を進行し、薬剤排出部から薬剤が少量ずつ排出されることを特徴とする請求項6又は7に記載の薬剤払出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤を所定量計量して取り出す薬剤フィーダに関するものである。本発明の薬剤フィーダは、散薬を分配する散薬分配装置に対して散薬を供給する装置として好適に使用される。また本発明の薬剤フィーダは、散薬を前記散薬分配装置で分配し、さらにこれを個別に包装する機能を備えた散薬分包装置に内蔵される装置として好適である。
また本発明は、薬剤フィーダを内蔵した薬剤払出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大病院や、大規模の薬局では、散薬分包装置や散薬分包機能を備えた薬剤払出し装置が導入されている。ここで散薬分包装置とは、散薬等を一服用分ずつ個別に包装する装置である。散薬分包装置を使用すれば、散薬等を一服用分ずつ包装する作業の大半を自動化することができる。
特許文献1に開示された散薬分包装置200は、散薬を一服用分ずつ個別に包装する装置であり、図39の様に、内部に薬剤供給装置201と、散薬分配装置202と、薬剤包装装置203とを有している。
特許文献1に開示された薬剤供給装置201は、図39図40の様に、投入ホッパ205と、粉体フィーダ206とによって構成されている。
粉体フィーダ206は、図40に示す様に、トラフ210の下に2枚の圧電素子207,208が設けられており、トラフ210を振動させるものである。
【0003】
散薬分配装置202は、図39の様に、分配皿212と、掻出装置215によって構成されている。分配皿212は、断面が円弧状であって、平面視が環状の溝216を有している。分配皿212は、モータ219によって一定の速度で回転される。
掻出装置215は、昇降及び回転するディスク217を有し、当該ディスク217に掻き板218が設けられたものである。
【0004】
薬剤包装装置203は、図39の様に包装用ホッパ220と、包装装置221によって構成されている。
【0005】
次に、散薬分包装置200を使用して散薬を分包する場合の手順について説明する。
散薬を分包する作業は、医師の処方箋に従い、薬剤師が散薬分包装置200を操作して行う。即ち薬剤師は、医師の処方箋を確認し、図示しない薬棚から、処方された散薬が入った薬瓶を取り出す。そして天秤等の秤を使用して処方された特定の散薬の総重量を量り出す。
即ち、一日3回服用する散薬であり、1回あたり、1.0グラム処方され、且つ20日分の薬剤が処方されている場合には、(1.0×3×20=60)グラムの散薬が、取り出される。より具体的には、秤に容器をおいて風袋引きを行い、薬さじを使用して薬瓶から散薬を取り出し、秤上の容器に散薬を入れ、60グラムの散薬を量り出す。
【0006】
そして量り出された60グラムの散薬が、薬剤供給装置201の投入ホッパ205に投入される。
また同時に、粉体フィーダ206の圧電素子207,208(図40)に通電してトラフ210を振動させ、さらに、分配皿212を毎分20乃至30回転程度で回転させる。
投入ホッパ205に投入された散薬は、投入ホッパ205の下端の開口から粉体フィーダ206のトラフ210に落ちる。そしてトラフ210が振動することによって、散薬は、ゆっくりと先端側に移動し、整流される。またトラフ210上を移動する内に、整流が進み、薬剤の流れは層流状態となる。即ち流れに対して直交する方向の断面における薬剤の分布が一定となり、かつ単位時間当たりに薬剤が進行する距離も一定となる。その結果、60グラムの散薬は均一に分散され、また時間あたり一定の速度でゆっくりと先端側に向かって移動する。
そして遂には、先頭を移動する散薬がトラフ210の先端に至り、先頭を移動する散薬が、トラフ210の先端から分配皿212の溝216に落下する。また後に続く散薬は、時間あたり一定の量だけ分配皿212に落下してゆくこととなる。そして遂には最後尾の散薬が、分配皿212に落下し、60グラム全ての散薬が、溝216内に入る。
【0007】
一方、分配皿212は、所定の速度で回転しているので、トラフ210から落下する散薬は、分配皿212の溝216に均等に分散される。
即ち粉体フィーダ206によって、散薬が少しずつ分配皿212に落下し、かつ分配皿212は一定速度で回転するので、散薬は、分配皿212の溝216に均等に分散される。
【0008】
分配皿212に対する散薬の落下が終了すると、一旦、分配皿212の回転を停止する。そしてその後に、掻出装置215のディスク217を分配皿212の溝216内に落とす。さらにその後、分配皿212を分配個数に応じた角度だけ回転させる。先の例で説明すると、60グラムの散薬を60包に分包するから、(60/360)度だけ分配皿212を回転し、(60/360)度分だけ散薬をディスク217の前面側に集める。そしてディスク217を回転し、掻き板218によって(60/360)度分の散薬を分配皿212の外に掻き出して、包装用ホッパ220に投入する。包装用ホッパ220から落下した散薬は、包装装置221で包装される。
【0009】
特許文献1に開示された散薬分包装置200を使用すると、散薬を一服用分ずつ包装する作業の大半を自動化することができる。
しかしながら、従来技術の散薬分包装置200は、人手に頼らざるを得ない工程が残っており、散薬の分包を完全に自動化できる装置であるとは言いがたい。
即ち従来技術の散薬分包装置200は、薬剤師が薬棚から所望の散薬が入った薬瓶を取り出し、その薬瓶から所定量の散薬を量り出す作業が必須である。
そこで本出願人は、散薬を量り出す作業を自動化すべく、重量測定手段を備えた薬剤フィーダを開発し、特許出願を行った(特許文献2)。
【0010】
特許文献2に開示した薬剤フィーダは、容器載置装置と薬剤容器によって構成されている。容器載置装置には振動台と、加振手段と電磁石とが設けられており、電磁石によって薬剤容器を振動台に固定することができる。
特許文献2に開示した薬剤フィーダは、振動台を振動させて薬剤容器から分配皿に薬剤を投入する。そしてその際の薬剤容器の重量を重量測定手段で監視し、一定量の薬剤が排出されると振動台の振動を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000-85703号公報
【特許文献2】国際公開2014-46148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献2に開示した薬剤フィーダによると、所定量の散薬を量り出す作業を省略することができる。
しかしながら、特許文献2に開示した薬剤フィーダを試作し、繰り返し実験を行って、薬剤の目標排出量と現実の排出量との差を調べたところ、両者の間に0.5g程度の誤差がある場合が多いことに気づいた。
そこでこの問題を解消し、より正確な量の薬剤を排出することができる薬剤フィーダを開発することを課題とするものである。
また、本開示の薬剤払出し装置は、使用頻度が低い薬剤にも対応できる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、排出量に誤差が生じる原因を追求した。その結果、薬剤フィーダと外部とを繋ぐ電線の弾性が誤差の原因であることが判った。
即ち特許文献2に開示した薬剤フィーダは、薬剤容器を固定するための電磁石と、薬剤容器を振動させるための加振手段を有しており、これらに給電するための電線がある。また重量測定手段の信号を外部に出力するための電線がある。
これらの電線は、細いものではあるが、本体部と物理的に繋がっており、その重量や弾性力は、わずかながら重量測定手段の検出値に影響を与える。
また特許文献2に開示した薬剤フィーダは振動台を持ち、使用時には本体部が振動している。そのため振動台の振動が各電線に伝わり、各電線が振動する。その結果、薬剤を排出している最中に、電線の位置や曲がり具合が変化し、測定値に0.5g程度の誤差を生じさせてしまう。
【0014】
上記の課題を解決するために開発された本発明の一つの態様は、容器保管装置と、密閉型の薬剤容器を載置する容器載置装置と、操作表示部とを備えた薬剤払出し装置であって、密閉型の薬剤容器は、容器保管装置、又は薬剤払出し装置の外部に保管されており、容器保管装置、又は薬剤払出し装置の外部に保管された密閉型の薬剤容器の中に、処方された薬剤が充填されたものが無い場合、操作表示部に、薬剤払出し装置の外部にある薬剤投入開放型の薬剤容器を容器載置装置に設置することを促すメッセージが表示される薬剤払出し装置である。
好ましい態様は、手動搬入用扉部をさらに有し、操作表示部は、タッチパネルを有し、操作表示部のタッチパネルに、下記(a)~(c):(a)手動搬入用扉部を開く、(b)手動搬入用扉部を閉じる、(c)配分を開始する、のいずれかの動作を示す旨の表示が表示される薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、容器載置装置は、報知部材を有し、密閉型の薬剤容器を載置すべき容器載置装置の報知部材が点灯する薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、操作表示部の表示された前記(a)の動作を示す旨の表示を押すと手動搬入用扉部が自動的に開き、報知部材が点灯した容器載置装置に最も近い位置にある手動搬入用扉部が開くことで、作業者は手動搬入用扉部から手で薬剤投入口開放型の薬剤容器を挿入し、報知部材が点灯している容器載置装置に薬剤投入口開放型の薬剤容器を載置することが可能である薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、薬剤投入開放型の薬剤容器は、容器載置装置に装着された姿勢を基準としてその上面側に開口を有し、当該開口から薬剤投入開放型の薬剤容器内に薬剤を投入可能である薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、薬剤投入開放型の薬剤容器は、貯留空間形成部材と底部形成部材を有し、貯留空間形成部材は少なくとも側面を覆う側面壁を有すると共に底部に開口がある薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、振動台を有し、振動台に薬剤容器を一時的に固定する容器保持手段を有し、底部形成部材は、その一部又は全部が磁性体であり、貯留空間形成部材は、底部形成部材に対して着脱可能であり、容器保持手段は、磁石部材を有していて磁力によって薬剤容器を固定するものである薬剤払出し装置である。
さらに好ましい態様は、薬剤投入開放型の薬剤容器は、貯留空間形成部材と底部形成部材との間には弾性体があり、容器載置装置の振動台に載置された姿勢を基準として底部形成部材の水平方向の全長は、貯留空間形成部材の水平方向の全長よりも長く、底部形成部材の先端が薬剤排出部となり、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、振動台を振動させると、貯留空間形成部材の開口から底部形成部材に落下した薬剤が底部形成部材の上を進行し、薬剤排出部から薬剤が少量ずつ排出される薬剤払出し装置である。
上記の課題を解決するために開発された本発明の別の態様は、薬剤容器と、容器載置装置を有する薬剤フィーダであって、前記薬剤容器は、容器載置装置に対して着脱自在であり、前記薬剤容器には薬剤を排出する薬剤排出部と情報記録部材とがあり、容器載置装置は、振動台と、振動台を振動させる加振手段と、振動台に薬剤容器を一時的に固定する容器保持手段と、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段とを有し、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、振動台を振動させて薬剤排出部から薬剤を少量ずつ排出し、重量測定手段によって薬剤の排出量を検知することが可能であり、振動台に薬剤容器を一時的に固定する容器保持手段を有し、薬剤容器は、貯留空間形成部材と底部形成部材を有し、貯留空間形成部材は少なくとも側面を覆う側面壁を有すると共に底部に開口があり、底部形成部材はその一部又は全部が磁性体であり、貯留空間形成部材は底部形成部材に対して着脱可能であり、容器保持手段は磁石部材を有していて磁力によって薬剤容器を固定するものであり、貯留空間形成部材と底部形成部材との間には弾性体があり、容器載置装置の振動台に載置された姿勢を基準として底部形成部材の水平方向の全長は、貯留空間形成部材の水平方向の全長よりも長く、底部形成部材の先端が薬剤排出部となり、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、前記情報記録部材から薬剤容器を特定する情報を読み取ることにより、振動台に載置された薬剤容器が振動台に正しく載置されているか否かを確認する確認動作が実施され、振動台を振動させると、貯留空間形成部材の開口から底部形成部材に落下した薬剤が底部形成部材の上を進行し、薬剤排出部から薬剤が少量ずつ排出され、貯留空間形成部材と底部形成部材とが一体化した状態の薬剤容器が手動で移動可能である薬剤フィーダである。
好ましい態様は、貯留空間形成部材は、ガイド片を有し、底部形成部材は、ガイド受け部材を有し、ガイド片とガイド受け部材とが係合されて、貯留空間形成部材と底部形成部材とが一体化する薬剤フィーダである。
さらに好ましい態様は、ガイド受け部材は、前記弾性体を有している薬剤フィーダである。
さらに好ましい態様は、上記薬剤フィーダと、薬剤容器を一時的に仮置きする仮置き台とを有する薬剤払出し装置であって、薬剤容器は、容器載置装置に装着された姿勢を基準として、重力方向における上面側に開口を有し、当該開口から薬剤容器内に薬剤を投入可能であり、薬剤容器には水平方向の一端に薬剤排出部があり、前記開口が上側となり、且つ薬剤排出部が上方向となる様な傾斜姿勢で薬剤容器を仮置き台に仮置きするものである薬剤払出し装置である。
上記した知見に基づいて開発された別の態様は、薬剤容器と、容器載置装置を有する薬剤フィーダであって、前記薬剤容器は、容器載置装置に対して着脱自在であり、前記薬剤容器には薬剤を排出する薬剤排出部があり、容器載置装置は、振動台と、振動台を振動させる加振手段と、振動台に薬剤容器を一時的に固定する容器保持手段と、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段とを有し、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、振動台を振動させて薬剤排出部から薬剤を少量ずつ排出し、重量測定手段によって薬剤の排出量を検知することが可能であり、外部に繋がる1又は複数の電線を有し、前記電線の全て、又はいずれかを保持する電線保持部材を有し、電線保持部材は電線固定部を有していて当該電線固定部によって電線を保持し、電線保持部材は弾性を有していて外力に応じて電線固定部の位置が移動し、外力が消失すると電線固定部が元の位置に復帰することを特徴とする薬剤フィーダである。
【0015】
本態様の薬剤フィーダでは、振動台に薬剤容器を固定し、薬剤容器を振動台に直接接触させる。この状態で振動台を振動させることによって、薬剤容器の全体または一部を振動させることができる。そのため薬剤容器内の薬剤はゆっくりと薬剤排出部側に移動し、薬剤は整流されて流れが層流化し、薬剤排出部から排出される。
また本態様の薬剤フィーダには、重量測定手段が装備されているから、薬剤の排出量を検知することができ、散薬等を量り出す作業を自動化することができる。
また本態様の薬剤フィーダは、電線保持部材を有し、電線は電線保持部材の電線固定部で保持される。電線保持部材は弾性を有していて外力に応じて電線固定部の位置が移動し、外力が消失すると電線固定部が元の位置に復帰する。そのため薬剤を排出している最中に、電線の位置や曲がり具合が変わることが防止され、測定値に誤差が生じる問題が解消される。
【0016】
一つの態様として、薬剤容器は一部又は全部が磁性体であり、容器保持手段は磁石部材を有していて磁力によって薬剤容器を固定するものであり、磁石部材に繋がる磁石通電線と、加振手段に繋がる加振手段通電線と、重量測定手段に繋がる測定手段通電線とを有する構成が考えられる。
【0017】
電線保持部材は、一部又は全部がコイルスプリングであることが推奨される。
【0018】
電線保持部材を複数有していてもよい。
【0019】
容器保持手段は永久磁石と電磁石とを有し、少なくとも永久磁石の磁力によって薬剤容器を振動台に固定し、電磁石に通電して永久磁石の磁力を打ち消す磁力を発生させることによって薬剤容器の振動台に対する固定を解除するものであることが望ましい。
【0020】
本態様の薬剤フィーダは、容器保持手段が永久磁石と電磁石とを有し、少なくとも永久磁石の磁力によって薬剤容器を振動台に固定するものである。そのため薬剤容器が容器載置装置に装着された状態において、電磁石に対する通電量が少ない。仮に永久磁石の磁力のみによって薬剤容器を振動台に固定する構成を採用する場合であれば、薬剤容器を振動台に固定している間に、電磁石に対して通電する必要はない。そのため、電磁石が発熱せず、薬剤容器内の薬剤が加熱されることはない。また薬剤容器を振動台に固定している間、電磁石に対して通電する必要がないから、消費電力が小さい。そのため薬剤フィーダ全体でも消費電力が小さく、発熱が少ないから薬剤に影響を与えにくい。
【0021】
薬剤容器内に1又は2以上のコイル状部材があり、前記コイル状部材の少なくとも一つは、横置きであって軸線が振動台を振動させることによって生じる薬剤の流れ方向と交差する姿勢であり、且つ天地方向に自由度を持っていて振動台の振動によって上下動する可動コイルであることが望ましい。
【0022】
薬剤容器内で、粉状の薬剤が塊状になっている場合がある。本態様によると、振動によって可動コイルが上下動するので、塊が潰され、薬剤が円滑に排出される。
【0023】
可動コイルの上部を覆う庇部材が設けられ、当該庇部材には開口が設けられており、開口は可動コイルの真上の位置にあって庇部材に乗り上げた薬剤が開口から可動コイルに落下することが望ましい。
【0024】
本態様の薬剤フィーダでは、薬剤が可動コイル内に直接落下するから、塊を潰す作用が強い。
【0025】
薬剤容器内に2以上のコイル状部材があり、前記コイル状部材の少なくとも一つは、横置きであって軸線が薬剤の流れ方向と交差する姿勢であり、且つ天地方向に自由度を持たない固定コイルであることが望ましい。
【0026】
本態様の薬剤フィーダでは、コイル状部材が整流部材として機能する。また散薬の塊を崩壊させ、本来の粉体状に戻すことができる。
【0027】
薬剤容器内に2以上のコイル状部材があり、前記コイル状部材の少なくとも一つは、横置きであって軸線が振動台を振動させることによって生じる薬剤の流れ方向と交差する姿勢であり、且つ天地方向に自由度を持っていて振動台の振動によって上下動する可動コイルであり、前記コイル状部材の少なくとも一つは、横置きであって軸線が薬剤の流れ方向と交差する姿勢であり、且つ天地方向に自由度を持たない固定コイルであり、前記可動コイルの、薬剤の流れ方向の下流側に、前記固定コイルがあることが望ましい。
【0028】
前記した様に、可動コイルは、薬剤の塊を潰す機能がある。また前記した様に固定コイルは整流部材としての機能を有している。
薬剤中に塊がある場合、可動コイルによって潰される。しかしながらこの状態では、薬剤の層の厚さは不揃いである。
本態様では、可動コイルの下流側に固定コイルがあるから、潰されて粉状になった薬剤がならされ、一定の厚さの薄い層に変わる。
【0029】
重量測定手段によって、薬剤を排出する以前の薬剤容器の重量たる原重量を測定し、振動台を振動させて薬剤排出部から薬剤を少量ずつ排出する際に前記重量測定手段によって薬剤容器の重量を監視し、薬剤容器の現在の重量たる現重量が、原重量から目標排出量を引いた値に一致した際あるいは略一致した際に振動台の振動を停止させる計量機能を備えることが望ましい。
【0030】
薬剤容器の重量の測定手段について付言すると、薬剤容器の重量の測定は直接的であると間接的であるとを問わない。即ち薬剤容器の重量だけを直接測定しても良いし、振動台等の機器を含めた重量を測定してもよい。
本発明の薬剤フィーダでは、薬剤を排出する以前の薬剤容器の重量たる原重量と、薬剤容器の現在の重量たる現重量とを活用し、現重量が原重量から目標排出量を引いた値に一致した際に振動台の振動を停止させる。あるいは落下途中の薬剤の重量を勘案して、現重量が原重量から目標排出量を引いた値から僅かに少なく、略一致した際に振動台の振動を停止させる。そのため目標量の薬剤が排出された後に、振動台の振動が停止され、薬剤の排出が停止する。
【0031】
薬剤容器の重量を監視し、薬剤容器の重量の単位時間あたりの変化が一定未満となった場合には振動台の振動パターンを変更することが望ましい。
【0032】
薬剤容器の重量の単位時間あたりの変化が一定未満となる原因として、薬剤容器内で薬剤が固まったことが考えられる。
そこで薬剤容器の重量の単位時間あたりの変化が一定未満となった場合には振動台の振動パターンを変更し、塊をほぐす。例えば振動台の振幅が大きくなる様に振動パターンを変更する。
【0033】
振動台の振動パターンを変更しても薬剤容器の重量の単位時間あたりの変化が一定未満である場合には、振動台の振動を停止し、所定の欠品処理工程を実行することが望ましい。
【0034】
振動台の振動パターンを変更しても薬剤容器の重量の単位時間あたりの変化が一定未満である場合の原因として、薬剤容器内の薬剤残量が少なくなったことが考えられる。
そこで振動台の振動を停止し、所定の欠品処理工程が実行される。
【0035】
欠品処理工程においては、既に排出した薬剤の重量を記憶し、薬剤容器を載せ変えた後、自動又は手動によって再起動したときには、総排出量が目標排出量に一致した際あるいは略一致した際に振動台の振動を停止させることが望ましい。
【0036】
本態様によると、所定量の排出量に満たないまま欠品が発生しても、欠品した薬品を補充し排出を再開させると、補充前に完了している排出量が記憶されているので、補充後に排出しなければならない量が算出できる。そのため既に排出した薬剤を回収して再度最初から排出しなおす必要がなく、作業効率が高い。
【0037】
薬剤の排出量が目標量に近づいた場合に振動台の振動パターンを変更することが望ましい。
【0038】
例えば薬剤の排出量が目標量マイナス一定量(目標量に対して十分小さい)となった際に、振動台の振幅を小さくしたり、振動周波数を下げる。
【0039】
薬剤容器は、一面が開口する容器本体と、薬剤排出部を構成し容器本体の開口に着脱可能に装着された蓋部材を有し、前記蓋部材には係合片があり、薬剤容器の外周部には凹部があり、当該凹部を覆うと共に容器本体に対して揺動する揺動部材があり、前記蓋部材の係合片は前記凹部に配され、揺動部材の一部が前記係合片と係合して蓋部材が容器本体に固定されるものであってもよい。
【0040】
また薬剤容器は、略全面が覆われていて内部に空間を有する本体を有し、容器載置装置に載置された姿勢を基準として、薬剤排出部よりも奥側の位置に上げ底部材が設けられており、薬剤容器を縦姿勢とした際に、内部の薬剤が上げ底部材よりも奥には至らないものであってもよい。
【0041】
本態様の薬剤フィーダは、一回の処方量が少ない薬剤を分包する用途に適している。
一回の処方量が少ない薬剤は、結果的に一定期間内の消費量(販売量)が少ない。そのため在庫量も少なく、通常サイズの薬剤容器に上記した薬剤を収容すると、薬剤容器内の空き空間が広くなり、空間中の水蒸気によって薬剤が吸湿してしまう場合がある。
本態様の薬剤フィーダによると、薬剤容器内の薬剤を収容する空間が狭くなり、薬剤が湿りにくい。
また本態様の薬剤フィーダは、処方する頻度が少ない薬剤を分包する用途にも適している。
また本態様の薬剤フィーダは、薬剤容器を縦姿勢で保管し、容器載置装置に対しては横姿勢で載置する場合に適している。
少量の薬剤が収容された薬剤容器を、縦姿勢で保管すると、底に相当する部位に薬剤が集中することとなる。この容器を横姿勢にして容器載置装置に設置すると、薬剤排出部よりも遠い部位(奥側)に薬剤が偏る。
ここで本態様の薬剤フィーダは、振動台を振動させることによって、薬剤容器の全体または一部を振動させ、薬剤容器内の薬剤をゆっくりと薬剤排出部側に移動させるものであるが、薬剤容器内に収容された薬剤の量が少量である場合は、奥に溜まった薬剤が薬剤排出部に到達するのに時間がかかる。
本態様では、少量の薬剤を収容するための薬剤容器として開発されたものであり、内部の薬剤が上げ底部材よりも奥には至らないから、振動台の振動を開始してから、薬剤が薬剤排出部に到達するまでに要する時間が短い。
【0042】
薬剤容器は、容器載置装置に装着された姿勢を基準としてその上面側に開口を有し、当該開口から薬剤容器内に薬剤を投入可能なものであってもよい。
【0043】
本態様の薬剤フィーダは、処方する頻度が少ない薬剤を分包する用途に適している。また本態様の薬剤フィーダは、錠剤を粉状に砕いた薬剤や、複数の薬剤を乳鉢で混合して調剤した薬剤を分包する用途にも適している。本態様の薬剤フィーダは、薬剤容器内に保管することが適切でない薬剤を分包する用途にも適している。
【0044】
また薬剤容器は、貯留空間形成部材と底部形成部材を有し、貯留空間形成部材は少なくとも側面を覆う側面壁を有すると共に底部に開口があり、底部形成部材はその一部又は全部が磁性体であり、貯留空間形成部材は底部形成部材に対して着脱可能であり、容器保持手段は磁石部材を有していて磁力によって薬剤容器を固定するものであってもよい。
【0045】
本態様の薬剤フィーダについても、処方する頻度が少ない薬剤を分包する用途に適している。また本態様の薬剤フィーダは、錠剤を粉状に砕いた薬剤や、複数の薬剤を乳鉢で混合して調剤した薬剤を分包する用途にも適している。本態様の薬剤フィーダは、薬剤容器内に保管することが適切でない薬剤を分包する用途にも適している。
【0046】
貯留空間形成部材と底部形成部材との間には弾性体があり、容器載置装置の振動台に載置された姿勢を基準として底部形成部材の水平方向の全長は、貯留空間形成部材の水平方向の全長よりも長く、底部形成部材の先端が薬剤排出部となり、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、振動台を振動させると、貯留空間形成部材の開口から底部形成部材に落下した薬剤が底部形成部材の上を進行し、薬剤排出部から薬剤が少量ずつ排出されることが望ましい。
【0047】
本態様によると、振動台の振動が貯留空間形成部材に伝わり難く薬剤の移動が円滑である。
本態様の薬剤フィーダでは、貯留空間形成部材と底部形成部材との間に弾性体があり、両者の間が縁切りされた様な構造となっている。そのため底部形成部材は、振動台からの振動を直接受けて大きく振動するが、上部側に置かれた貯留空間形成部材は振動が小さい。この様に本態様では、貯留空間形成部材の振動と底部形成部材の振動が同期しない。
そのため貯留空間形成部材内の薬剤が底部形成部材に落下し、底部形成部材を円滑に移動して先端の薬剤排出部から排出される。
【0048】
推奨される薬剤払出し装置は、上記した薬剤フィーダと、散薬を分配する散薬分配装置を有し、薬剤フィーダによって散薬分配装置に薬剤を投入することを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0049】
上記した薬剤フィーダを採用した薬剤払出し装置であって、さらに推奨される構成は、薬剤フィーダを構成する複数の容器載置装置を有し、前記容器載置装置は前記散薬分配装置の周辺に配置されており、前記容器載置装置は特定の薬剤容器又は特定の物を載置すべき容器載置装置であることを報知する報知部材を有していることを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0050】
「特定の薬剤容器」は限定されるものではないが、例えば使用頻度が少ない薬剤が充填された薬剤容器や、総排出量が少ない薬剤を入れた薬剤容器、錠剤を潰して粉状にした薬剤を入れた薬剤容器があげられる。
この様な特殊な薬剤を取り扱う場合には、重量測定手段による計量に頼らず、外部の計量器で予め秤量して薬剤容器に充填し、散薬分配装置で分配する場合がある。
この様な場合は、薬剤容器を薬剤師が直接手で保持して容器載置装置に載置する場合があるが、複数の容器載置装置がある場合には、どの容器載置装置に薬剤容器を設置するべきかが判らなくなる場合がある。
本態様によると、薬剤容器を設置すべき容器載置装置が明らかになり、作業効率が向上する。
また「特定の物」は限定されるものではないが、例えば重量測定手段を校正や検定を行うための分銅があげられる。
この場合についても、どの容器載置装置に分銅を置くべきかが判らなくなる場合がある。
本態様によると、「特定の物」を置くべき容器載置装置が明らかになり、作業効率が向上する。
【0051】
さらに推奨される薬剤払出し装置は、薬剤フィーダを構成する複数の容器載置装置と、複数の薬剤容器を設置して保管する容器保管装置と、容器移動手段を有し、前記容器載置装置は前記散薬分配装置の周辺に配置されており、容器保管装置及び散薬分配装置が設けられた領域は筐体で覆われ、当該筐体には複数の扉部があって内部に薬剤容器を出し入れすることが可能であり、前記扉部の少なくとも一つは、自動搬入用扉であって、当該自動搬入用扉から搬入された薬剤容器は、前記容器移動手段によって所定の位置に搬送され、他の少なくとも一つの扉部は手動搬入用扉部であり、当該手動搬入用扉部は、外部から作業者が手を差し入れて薬剤容器を筐体内に導入することができる大きさであり、且つ作業者が薬剤容器をいずれかの容器載置装置に載置できる位置に設けられていることを特徴とする薬剤払出し装置である。
【0052】
薬剤容器は、容器載置装置に装着された姿勢を基準としてその上面側に開口を有し、当該開口から薬剤容器内に薬剤を投入可能であり、薬剤容器には水平方向の一端に薬剤排出部があり、薬剤容器を仮置きする仮置き台を有し、当該仮置き台は、薬剤投入部が上側となり、且つ薬剤排出部が上方向となる様な傾斜姿勢で薬剤容器を仮置きするものであってもよい。
【0053】
薬剤容器には記憶手段又は薬剤容器を識別する識別手段が設けられ、仮置き台には前記記憶手段又は識別手段に記録された内容を読み出す読み出し手段及び/又は書き込み手段が設けられているものであってもよい。
【0054】
また容器載置装置に関する態様は、薬剤を収容する薬剤容器と一体となって薬剤フィーダを構成する薬剤フィーダの容器載置装置であって、振動台と、振動台を振動させる加振手段と、振動台に薬剤容器を一時的に固定する容器保持手段と、薬剤容器の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段とを有し、容器保持手段は磁石部材を有していて磁力によって薬剤容器を固定するものであり、磁石部材に繋がる磁石通電線と、加振手段に繋がる加振手段通電線と、重量測定手段に繋がる測定手段通電線とを有し、薬剤容器を振動台に載置し、容器保持手段で薬剤容器を振動台に固定し、振動台を振動させて薬剤排出部から薬剤を少量ずつ排出し、重量測定手段によって薬剤の排出量を検知することが可能であり、前記電線のいずれかを保持する電線保持部材を有し、電線保持部材は電線固定部を有していて当該電線固定部によって電線を保持し、電線保持部材は弾性を有していて外力に応じて電線固定部の位置が移動し、外力が消失すると電線固定部が元の位置に復帰することを特徴とする薬剤フィーダの容器載置装置である。
【発明の効果】
【0055】
本発明の薬剤フィーダによると、散薬等を量り出す作業を自動化することができる。
また本態様の薬剤フィーダによると、散薬等の計量値に誤差が生じる問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明の実施形態の薬剤フィーダの斜視図である。
図2図1の薬剤フィーダの薬剤容器の斜視図である。
図3図2の薬剤容器の分解斜視図である。
図4図2の薬剤容器の容器本体を一部破断して薬剤容器を後方から観察した一部破断斜視図である。
図5】(a)は図2の薬剤容器の蓋部材を、中蓋及び庇蓋を外して後方から観察した斜視図であり、(b)はその一部拡大図であり、(c)は固定整流コイルを抜き出して示した斜視図であり、(d)は可動整流コイルを抜き出して示した斜視図である。
図6図2の薬剤容器の蓋部材を、中蓋を外して後方から観察した斜視図である。
図7図2の薬剤容器のA-A断面図である。
図8】薬剤フィーダにおける薬剤容器内の散薬の流れを示す図2の薬剤容器のA-A断面図である。
図9図2の薬剤容器のB-B断面図である。
図10図1の薬剤フィーダの容器載置装置及び容器載置装置に装着されるフィーダカバーの斜視図である。
図11図10の容器載置装置の分解斜視図である。
図12図10の容器載置装置のA-A断面図である。
図13図10の容器載置装置の断面斜視図である。
図14図1の薬剤フィーダの電線保持部材の挙動を説明する要部斜視図であり、(a)は散薬排出前における電線保持部材近傍の斜視図であり、(b)は散薬排出中における電線保持部材近傍の斜視図であり、(c)は散薬排出後における電線保持部材近傍の斜視図である。
図15図1の薬剤フィーダが設置される薬剤払出し装置の外観図である。
図16図15の薬剤払出し装置の概略図である。
図17】本発明の他の実施形態の薬剤フィーダの薬剤容器の斜視図である。
図18】本発明のさらに他の実施形態の薬剤フィーダの斜視図である。
図19】本発明のさらに他の実施形態の薬剤容器の蓋部材の分解斜視図である。
図20図16の一部拡大図であり、一方の散薬分配装置の分配皿とその周囲に設けられた容器載置装置を示す。
図21】本発明の他の実施形態の薬剤フィーダの斜視図である。
図22図21の薬剤容器の分解斜視図である。
図23図21の薬剤容器の断面図であり、(a)は可動蓋部が開いた状態を示し、(b)は可動蓋部が閉じた状態を示す。
図24図21の薬剤容器の断面図であり、(a)は蓋部材が容器本体に装着された状態を示し、(b)、(c)は蓋部材を容器本体から取り外す際の手順を示す。
図25】本発明のさらに他の実施形態の薬剤フィーダの薬剤容器の断面図である。
図26】薬剤容器を容器載置装置に載置する直前の挙動を説明する斜視図である。
図27】本発明のさらに他の実施形態の薬剤フィーダの薬剤容器の斜視図である。
図28図27の薬剤容器の貯留空間形成部材の分解斜視図である。
図29図27の薬剤容器の断面図である。
図30図27の薬剤容器の分解斜視図である。
図31図27の薬剤容器の底部形成部材の分解斜視図である。
図32図31の底部形成部材の断面図である。
図33】仮置き台の斜視図である。
図34】本発明のさらに他の実施形態の薬剤容器の蓋部材を後方から観察した斜視図である。
図35図34の蓋部材の一部を破断して示す斜視図である。
図36図34の薬剤容器の断面図である。
図37】本発明の他の実施形態で採用する薬剤容器の分解斜視図である。
図38図37に示す薬剤容器の断面図である。
図39】特許文献1に開示された散薬分包装置の構成図である。
図40】特許文献1に開示された粉体フィーダの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下さらに本発明の実施形態の薬剤フィーダ1について説明する。
なお以下の説明において、天地及び上下方向は、図1の様に容器載置装置3に対して薬剤容器2を正規の姿勢で取り付けた状態を基準とする。また薬剤容器2の薬剤排出部(図7)13側を前方側とし、その反対側を後方側とする。左右方向は、薬剤容器2の長手方向に直交する方向である。
本実施形態の薬剤フィーダ1は、図1の様に薬剤容器2と、容器載置装置3によって構成されている。また容器載置装置3には、図10の様にフィーダカバー18が取り付けられている。なお作図の関係上、図1ではフィーダカバー18を省略している。
【0058】
薬剤容器2は、密閉型の容器であり、図2,3の様に容器本体5と、運搬用鉄板部7と、固定用鉄板部6と、蓋部材8によって構成されている。
容器本体5は樹脂で作られた縦長の容器であり、長手方向の一端が開口している。
薬剤容器2には、RFID等の情報記録部材90と、電子ペーパー91が取り付けられている。ここで電子ペーパー91とは、視覚性を有する表示媒体であり、紙の様に薄く、表示内容を電気的に書き換えることができるものである。
本実施形態では、情報記録部材90に薬剤の種類が記憶される。また必要に応じて薬剤容器2に薬剤を充填した日や、充填量を記憶させてもよい。さらに残薬量、払い出し量、使用期限等を情報記録部材90に記憶させてもよい。
また電子ペーパー91には、情報記録部材90に充填された薬剤の種類、薬剤を充填した日や、充填量、残薬量、払い出し量、使用期限等を表示することが望ましい。
【0059】
また容器本体5に運搬用鉄板部7が設けられている。本実施形態では、運搬用鉄板部7は、二つの小運搬用鉄板部7a,7bに分かれている。運搬用鉄板部7は、フェライト等の磁性体成分を含む鋼板で作られている。
【0060】
蓋部材8は、蓋本体部10と、可動蓋部11を有している。可動蓋部11には摘まみ部12があり、当該摘まみ部12を押圧することにより図7の様に可動蓋部11が開く。可動蓋部11が開くことによって容器本体5の内外が連通する薬剤排出部13が開く、そして可動蓋部11は薬剤排出部13を開いた状態を維持する。
また蓋本体部10の後端側には図4乃至図8の様に、乾燥剤挿入部15と整流部20が設けられている。
乾燥剤挿入部15は、有底の凹所であり、平行に設けられた側壁16を有している。そして側壁16の天面は後方に向かうにつれて下側に傾斜する傾斜面となっている。
乾燥剤挿入部15の内部には、図7図8の様に乾燥剤21が内蔵されている。
【0061】
整流部20は、蓋本体部10の後端側に設けられている。整流部20は、図4図5図6の様に、固定整流コイル25と、可動整流コイル26を主たる構成部材とするものである。
即ち蓋本体部10には、乾燥剤挿入部15の後方であって下部側に寄った位置に整流コイル保持部27が設けられている。
整流コイル保持部27は、左右の側面部30と天面部29を有し底面側が開放された構造となっており、内部に固定整流コイル25と可動整流コイル26とが収容されるコイル収容空間28がある。本実施形態では、薬剤の流れ方向を基準としてその上流側に可動整流コイル26があり、下流側に固定整流コイル25がある。
整流コイル保持部27の側面部30は、機能上、固定コイル保持壁31と、可動コイル保持壁32と、先端閉塞壁33に分かれている。
【0062】
固定コイル保持壁31の天面は、前記した乾燥剤挿入部15の側壁16の天面と同一の平面を形成するものであり、図5の様に後方に向かうにつれて下側に傾斜する傾斜面となっている。
左右の固定コイル保持壁31の内周面側は互いに平行面である。
左右の固定コイル保持壁31の外面側は図4図5図6の様に後方に向かうにつれて内側に向かって傾斜している。
【0063】
次に左右の可動コイル保持壁32について説明する。左右の可動コイル保持壁32はいずれも厚さが薄く、かつ平行である。またその高さは一様である。
可動コイル保持壁32には図5(b)の様に孔39が設けられている。孔39の直径は、可動整流コイル26の線径よりも十分に大きい。
【0064】
次に左右の先端閉塞壁33について説明する。左右の先端閉塞壁33は、左右の可動コイル保持壁32と連続するものであり、後方に向かうにつれて内側に向かって傾斜している。そして左右の先端閉塞壁33の後端側同士は合致しコイル収容空間28の後端側を閉塞している。そのため整流コイル保持部27は、後端側が三角形となっている。
側面部30の下辺側であって、可動コイル保持壁32と先端閉塞壁33との境界部分には、切り欠き36が設けられている。
【0065】
固定整流コイル25は、図5(c)の様にコイルスプリングであり、線材が円形に巻かれたものであって、中間部分は、線材同士が間隔を開けて巻かれている。固定整流コイル25の両端部は、線材が密に巻かれて座巻き部40が形成されている。固定整流コイル25の両端は平滑である。即ち座巻き部40は平滑である。
【0066】
これに対して可動整流コイル26は、図5(d)の様に両端から線材が突出し、ピン部41が形成されている。ピン部41は可動整流コイル26の軸線の延長線上に突出している。
可動整流コイル26についても、中間部分は、線材同士が間隔を開けて巻かれている。
【0067】
固定整流コイル25及び可動整流コイル26は、前記したコイル収容空間28に収容されている。より具体的には、固定整流コイル25は、固定コイル保持壁31に配置され、その両端の座巻き部40が、固定コイル保持壁31に一体的に固定されている。従って固定整流コイル25は、その両端が移動不能に保持されており、振動を受けても全体的に上下移動することはない。
【0068】
固定整流コイル25がコイル収容空間28に収容された状態において、コイル収容空間28の中間部は、線材で作られた輪同士の間に隙間がある。当該隙間は、線材の線径よりも大きい。前記隙間は、線材の直径の1倍から5倍程度であることが望ましく、より望ましい隙間は2倍から3倍程度である。具体的には線材同士の隙間は、1mmから5mm程度であり、より望ましくは、2mmから3mmである。
また固定整流コイル25の線径は、0.5mmから2.0mm程度である。
固定整流コイル25の外径は、10mmから25mm程度であり、より望ましくは、12mmから18mmである。
【0069】
これに対して可動整流コイル26は、上下方向に自由度を持っている。即ち可動整流コイル26は、ピン部41を可動コイル保持壁32の孔39に挿入することにより、コイル収容空間28からの離脱が防がれている。
また前記した様に、可動コイル保持壁32の孔39は、可動整流コイル26の線径よりも十分に大きいので、ピン部41は孔39との間には相当の隙間がある。さらに可動整流コイル26は、圧縮状態でもなく引っ張り状態でもない。
そのため可動整流コイル26が振動を受けると、可動整流コイル26自身が上下方向に移動する。
【0070】
可動整流コイル26についても線材で作られた輪同士の間に隙間がある。当該隙間は、前記した固定整流コイル25に比べてやや大きい。前記隙間は、線材の直径の1倍から6倍程度であることが望ましく、より望ましい隙間は2倍から4倍程度である。具体的には線材同士の隙間は、1mmから6mm程度であり、より望ましくは、2mmから4mmである。
また可動整流コイル26の線径は、0.5mmから2.0mm程度である。
可動整流コイル26の外径は、10mmから25mm程度であり、より望ましくは、12mmから18mmである。
【0071】
前記した乾燥剤挿入部15の天面と、コイル収容空間28の固定整流コイル25の上部は、中蓋22によって閉塞されている。
即ち乾燥剤挿入部15の側壁16の天面と、固定コイル保持壁31の天面は、同一の傾斜平面を形成するものであり、両者に板状の中蓋22が装着されて乾燥剤挿入部15の上部側と、コイル収容空間28の固定整流コイル25の上部側が閉塞されている。
【0072】
またコイル収容空間28の可動整流コイル26の上部は、庇蓋(庇部材)35によって閉塞されている。
ここで庇蓋35の平面形状は、左右の可動コイル保持壁32と左右の先端閉塞壁33を平面視した輪郭線と一致する。そのため左右の可動コイル保持壁32で囲まれた領域と、左右の先端閉塞壁33で囲まれた領域の天面側が庇蓋35によって閉塞されている。
【0073】
本実施形態では、庇蓋35の中央部分に開口43が設けられている。開口43の大きさは、5mm四方から15mm四方程度である。本実施形態では、開口43は正方形であるが、他の多角形であっても円であってもよい。
開口43の位置は、可動整流コイル26の真上の位置であって、可動整流コイル26の長手方向中心またはその近傍部である。
従ってコイル収容空間28の天面は、可動整流コイル26の真上の位置であって、可動整流コイル26を寝かした状態における長手方向中心部において外部と連通している。
【0074】
蓋部材8は、図7の様に容器本体5の開口に装着されている。
蓋部材8が装着された状態においては、容器本体5の底部46と、コイル収容空間28の底側開口部との間には図4図7図8の様に隙間48がある。即ちコイル収容空間28の周壁を構成する固定コイル保持壁31、可動コイル保持壁32及び先端閉塞壁33の下端は、いずれも容器本体5の底部46に届かず、図4図7図8の様にコイル収容空間28は、中空に保持された状態となっている。
そのため可動整流コイル26の上部は、庇蓋35によって覆われる。
固定整流コイル25及び可動整流コイル26は、軸線が互いに平行であり、且つその軸線は、容器本体5の長さ方向に対して直行する方向となっている。
【0075】
蓋部材8が容器本体5に装着された状態においては、固定整流コイル25及び可動整流コイル26は、いずれも横置きであり、軸線は振動台50を振動させることによって生じる薬剤の流れ方向と直交する姿勢である。
また可動整流コイル26は、天地方向に自由度を持っていて振動台50の振動によって上下動する。
なお本実施形態では、可動コイル保持壁32に形成した可動整流コイル26を保持するための孔39を可動整流コイル26の線径よりも十分に大きくすることによって可動整流コイル26に天地方向に自由度を与えているから、現実的には、可動整流コイル26は、前後方向にも自由度を持っている。
【0076】
固定整流コイル25及び可動整流コイル26の側面は、容器本体5の底部46と接しているかあるいは僅かに離れている。
【0077】
固定用鉄板部6は、フェライト等の磁性体成分を含む鋼板である。固定用鉄板部6は、容器本体5の外周部であって周壁下面14に取り付けられている。固定用鉄板部6が取り付けられた面と、前記した運搬用鉄板部7が取り付けられた面は、対向する。
【0078】
次に薬剤フィーダ1の容器載置装置3について説明する。
容器載置装置3は、図10乃至図13の様に、上から振動台50、加振手段51a,51b、中間台52、防振台53、重量測定手段55、基礎部材56及び設置板66によって構成されている。
【0079】
振動台50は薬剤容器2を載置する載置台である。振動台50は、図10図11の様であり、略直方体の本体部85を有し、その上部に樋状の容器保持部58が形成されている。
【0080】
振動台50の天面は、薬剤容器2を載置する載置面61となっている。載置面61には、磁石部材62a,62bが内蔵されている。磁石部材62a,62bは容器保持手段である。磁石部材62a,62bは電磁石の一種であり、自己保持ソレノイドである。
振動台50の短辺側側面63a,63bには、中央部分に傾斜面67a,67bが形成されている。
【0081】
加振手段51a,51bは、圧電素子である。加振手段51a,51bとしてモータやソレノイドを採用することもできる。
中間台52は、図11の様にその概観は、平面視が略「H」状を呈している。
中間台52には傾斜面78a,78bがある。そして中間台52の傾斜面78a,78bの延長上に振動台50の傾斜面67a,67bがある。
【0082】
中間台52の内部には、図12図13の様に大きな空洞部75があり、本体部74の裏面は広く開放されている。
防振台53は、図11の様に、中央部を突出させて内部に空間を設けた板体である。
【0083】
容器載置装置3では、図10,11,12,13の様に、振動台50と中間台52の間に加振手段51a,51bが設けられている。
【0084】
本実施形態においては、振動台50と中間台52との間には、加振手段51a,51bが存在しており、加振手段51a,51b以外の部位では振動台50が支持されていない。そのため振動台50は、加振手段51a,51bによって、中間台52から中空に支持された構造となっている。
【0085】
また中間台52の下部には、防振部材38を介して防振台53が配されている。本実施形態では、中間台52と防振台53の間を接続する部材は、防振部材38以外には無い。そのため中間台52は、防振部材38によって防振台53から中空に支持された構造となっている。
【0086】
また防振台53の下部には、図12図13の様に重量測定手段55が配され、さらにその下部には基礎部材56が配されている。
重量測定手段55はロードセルである。重量測定手段55は、その大部分が、図12図13の様に、防振台53の中央に設けられた凸条77内にあり、重量測定手段55の上設置面83が防振台53の凸条77の天面79の内面に接続されている。
一方、重量測定手段55の下設置面37は基礎部材56に取り付けられている。
基礎部材56は、バネ等の防振部材42を介して設置板66に取り付けられている。また容器載置装置3は、設置板66を介して後記する薬剤払出し装置100の分配皿116の近傍に取り付けられる。
【0087】
また本実施形態では、設置板66にコネクター72と、電線保持部材73が設けられている。電線保持部材73はつるまきバネであり、直立姿勢で設置板66に固定されている。
電線保持部材73の下端は、設置板66に一体的に固定されており、設置板66に対して相対移動することはできない。電線保持部材73の上端は自由端である。
【0088】
容器載置装置3は、前記した様に振動台50、加振手段51a,51b、中間台52、防振台53、重量測定手段55、基礎部材56及び設置板66によって構成されている。これらの部材の内、振動台50と、加振手段51a,51bと、重量測定手段55には電線が接続されている。
即ち振動台50は、磁石部材62a,62bを持ち、磁石部材62a,62bは自己保持ソレノイドであるからこれを動作させるために電力を供給する必要がある。そのため磁石部材62a,62bには磁石通電線65がある。
加振手段51a,51bは、圧電素子であるからこれを動作させるために電力を供給する必要がある。そのため加振手段51a,51bには加振手段通電線68がある。
重量測定手段55はロードセルであり、重量を電気信号に変換するものである。そのため重量測定手段55には信号線たる測定手段通電線70がある。
【0089】
本実施形態の容器載置装置3では、前記した磁石通電線65と加振手段通電線68と測定手段通電線70は、いずれもコネクター72に接続されている。各電線の引回し経路は、図10の通りである。即ち磁石通電線65と加振手段通電線68と測定手段通電線70は、中間部で一旦結束され、止め金具71で中間台52に固定されている。
そして磁石通電線65と加振手段通電線68と測定手段通電線70の三者は、止め金具71からコネクター72に至る間が電線保持部材73の自由端側で保持されている。
より具体的には、電線保持部材73の自由端側は、巻き線の先端部分の環状部分が垂直姿勢に曲げられており、輪状の電線固定部76が形成されている。そして輪状の電線固定部76に接着剤等によって電線が固定されている。
【0090】
本実施形態では、薬剤容器2と、容器載置装置3によって一組の薬剤フィーダ1が構成される。
本実施形態の薬剤フィーダ1は、例えば図15図16に示すような薬剤払出し装置100の構成部品として使用される。
本実施形態の薬剤払出し装置100は、筐体101によって囲まれており、その内部は、薬剤棚部領域102と、薬剤分割領域103と、薬剤包装領域105に分かれている。
【0091】
筐体101には複数の扉部130,180a,180bが設けられている。扉部130,180a,180bは、いずれも薬剤容器2を薬剤払出し装置100内に出し入れするための扉である。扉部130,180a,180bは、いずれも図示しないモータの動力によって開閉される。
また扉部130,180a,180bの開閉は、原則として図示しない操作表示部のタッチパネル等を作業者が操作することによって行われる。
【0092】
ここで薬剤棚部領域102を覆う位置に設けられた扉部130は、自動搬入用扉であり、扉部130の内側には薬剤容器2を仮置きする薬剤容器仮置部(図示せず)がある。扉部130から挿入され、薬剤容器仮置部に設置された薬剤容器2、当該自動搬入用扉から搬入された薬剤容器2は、後記する容器移動手段110によって自動的に後記する容器保管装置106または特定の容器載置装置3に搬送される。
【0093】
薬剤分割領域103を覆う位置に設けられた扉部180a,180bは、手動搬入用扉部であり、主に後記する様な薬剤投入口開放型の薬剤容器81を使用する場合に使われる。
薬剤分割領域103を覆う位置に設けられた扉部180a,180bは、外部から作業者が手を差し入れて薬剤投入口開放型の薬剤容器81を筐体101内に導入し、特定の容器載置装置3に薬剤投入口開放型の薬剤容器81を設置する際に使用される。従って、扉部180a,180bは、外部から作業者が手を差し入れて薬剤容器2を筐体101内に導入することができる大きさであり、且つ作業者が薬剤容器2をいずれかの容器載置装置3に載置できる位置に設けられている。
【0094】
本実施形態では図示しない開閉機構によって薬剤分割領域103の全体を覆う覆いを開閉することができるが、薬剤分割領域103の全体を覆う覆いは大きいので開閉に時間が掛かる。
そのため本実施形態では、薬剤分割領域103を覆う位置に比較的小さな扉部180a,180bを設け、特定の容器載置装置3に薬剤投入口開放型の薬剤容器81を設置する作業を容易にした。本実施形態では、扉部180a,180bを開いて薬剤投入口開放型の薬剤容器81を筐体101内に入れることができるので、薬剤分割領域103の全体を覆う覆いを開閉する煩わしさが無い。
また扉部180a,180bは、重量測定手段を校正や検定を行うための分銅を特定の容器載置装置3に置く場合にも活用される。
【0095】
薬剤棚部領域102には、薬剤容器2を設置する容器保管装置106が設けられている。本実施形態では、容器保管装置106は、略水平方向に回転する縦型のドラム部材107を有し、ドラム部材107の外周面に複数の容器設置部108が設けられたものである。容器設置部108は、機械的な係合によって薬剤容器2を保持するものであり、薬剤容 2を押し込むことによって薬剤容器2が保持され、薬剤容器2を引っ張ると係合が外れて薬剤容器2を離脱させることができる。
【0096】
薬剤棚部領域102から薬剤分割領域103に至る領域に、容器移動手段110が設けられている。容器移動手段110は、ロボットである。容器移動手段110は、2本のアーム部材111,112と、ハンド部113とを有するものである。ハンド部113には、磁石が設けられており、薬剤容器2の鉄板を磁着して保持することができる。
【0097】
薬剤分割領域103は、散薬分配装置が内蔵された領域であり、テーブル115に2個の分配皿116が設置されている。薬剤分割領域(散薬分配装置)103の2個の分配皿116の周辺に容器載置装置3が複数設置されている。
本実施形態では、各分配皿116の周囲に、容器載置装置3が3個ずつ設置されている。また容器載置装置3の近傍には情報読取装置128が設けられている。
【0098】
ここで本実施形態では、図20の様に、容器載置装置3は、振動台50の一部分だけが、テーブル115の上にあり、他の部材たる加振手段51a,51b、中間台52、防振台53、重量測定手段55、基礎部材56及び設置板66は、テーブル115の下に埋設された状態となっている。
また容器載置装置3の振動台50には、フィーダカバー18が装着されている。フィーダカバー18は、樹脂で作られたものであり、容器保持部58の外周を覆う枠である。容器保持部58の後端側には、報知部材19(図10図20)が設けられている。報知部材19は、LED等のランプである。本実施形態では、複数色のランプが使用されている。より具体的には、赤色、緑色、青色のランプが報知部材19として採用されている。
報知部材19は、薬剤容器2を載置すべき容器載置装置3であることを報知するものである。
また容器載置装置3の重量測定手段55が正常に機能しているか否かを検定したり、補正値を入れて校正するために、重量が既知の分銅(図示せず)を容器載置装置3に載せる場合があるが、報知部材19は、分銅を載せるべき容器載置装置3であることを作業者に知らしめる用途にも使用される。
【0099】
本実施形態の薬剤フィーダ1は、薬剤容器2と、容器載置装置3とが別々のものであり、薬剤容器2は、容器保管装置106に保管されており、容器載置装置3は薬剤分割領域(散薬分配装置)103の分配皿116の周辺に設置されている。
薬剤分割領域103には、他に、清掃装置117と掻出装置120が設けられている。
【0100】
薬剤包装領域105には、薬剤包装装置122が内蔵されている。薬剤包装装置122は、公知のそれと同様に、薬剤を一服用分ずつ包装する機械であり、公知の様に、分包紙供給装置、分包装置によって構成されている。また包装部に薬剤を投入する散薬投入ホッパ123が設けられている。
【0101】
前記した様に、本実施形態の薬剤フィーダ1は、薬剤容器2と、容器載置装置3とが別々のものであり、散薬を分包する際に、両者が結合されて薬剤フィーダ1を構成する。
薬剤フィーダ1は、振動台50に内蔵された磁石部材62a,62bに対する通電を停止して薬剤容器2を振動台50に固定し、薬剤容器2を振動させて散薬を排出させる機能を持つ。
【0102】
実際の作業では、扉部130に設けられた薬剤容器仮置部に薬剤容器2を設置し、その後、扉部130を閉じて薬剤容器2を筐体101内に入れる。
扉部130を閉じることによって図示しない安全装置が解除され、容器移動手段110等が動作しえる状態となり、容器移動手段110が自動的に動作し、薬剤容器2が薬剤棚部領域102のドラム部材107に運ばれる。
即ち本実施形態では、薬剤容器2は縦姿勢で容器保管装置106に保管され、散薬は、薬剤容器2内に貯留されている。本実施形態では、容器移動手段110のハンド部113で薬剤容器2を保持し、薬剤容器2を移動し、図1の様に容器載置装置3に載置する。
【0103】
薬剤容器2は、前記した様にドラム部材107に設置され、ハンド部113で保持されて移動され、図1の様に容器載置装置3に載置される。仮に、薬剤容器2を水平姿勢にして移動させた場合には、薬剤容器2を容器載置装置3に設置する直前に、図26の様に、薬剤容器2の薬剤排出部13側が上になる様に、一旦傾斜させることが望ましい。
薬剤排出部13側が上になる様に、薬剤容器2を傾斜させることにより、内部の散薬が、薬剤排出部13側から離れる方向に寄せられる。
この姿勢変更動作によって、可動蓋部11を開いたときに、散薬がこぼれ落ちることが防止される。
前記した「一旦傾斜させる」動作は、内部の散薬を一方に寄せるための動作である。可動蓋部11近傍の薬剤だけを後退させることができさえすれば、可動蓋部11を開いたときに散薬がこぼれ落ちることが防止できるので、傾斜角度は緩いものであってもよい。
また傾斜に要する時間は、なるべく短い方が好ましく、勢い良く傾斜させることが推奨される。勢い良く傾斜させることにより、内部の散薬の全部が均等に動くのではなく、可動蓋部11の近傍の散薬を重点的に移動させることができる。
【0104】
そして振動台50に内蔵された磁石部材62a,62bに対する通電を停止する。磁石部材62a,62bは、自己保持ソレノイド62であり、通電を停止することによって永久磁石の磁力が復活して振動台50に磁力が発生し、薬剤容器2の固定用鉄板部6が振動台50に吸着される。
そして加振手段51a,51bに一定周波数の電流を通電して振動を発生させ、この振動によって振動台50を振動させる。
また振動開始と前後して分配皿116を回転させる。
【0105】
振動開始と前後して、薬剤容器2の重量が重量測定手段55で測定される。薬剤容器2の重量は、重量測定手段55の検知重量から、一定値を引いたものである。より具体的には、薬剤容器2の重量は、重量測定手段55の検知重量から、容器載置装置3の重量測定手段55より上の部材の重量を引いたものである。
振動台50に設置直後の薬剤容器2の重量は、原重量Gとして記憶される。また薬剤容器2の重量は、常時監視される。即ち薬剤容器2の現在の重量は、現重量gとして監視される。
【0106】
振動台50が振動を開始すると、薬剤容器2が振動する。ここで、本実施形態では、薬剤容器2は、磁石部材62a,62bの永久磁石によって強固に振動台50に接合されており、且つ振動台50との密着度合いも高いから、薬剤容器2は、振動台50と同一周波数で振動する。その結果、薬剤容器2の散薬貯留部17に貯留された散薬が、薬剤排出部13側に向かってゆっくりと移動する。
【0107】
そして散薬は、整流部20を通過する。整流部20を通過した散薬は川の流れの如くに流れ、遂には薬剤容器2の薬剤排出部13に至り、滝のごとくに落下し、下の分配皿116の溝に入る。
【0108】
散薬が落下中であることは、薬剤容器2の重量が低下することによって確認される。即ち本実施形態では、散薬が薬剤容器2の薬剤排出部13から落下中においても、薬剤容器2の現在の重量(現重量g)が、重量測定手段55によって監視され続けている。そして振動台50に設置直後の薬剤容器2の原重量Gと、現重量gとを比較し、散薬の落下量H(Gマイナスg)を常時演算している。
そして散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動台50の振動を停止する。
即ち重量測定手段55が測定する薬剤容器2の現重量gが、重量測定手段55によって測定された振動開始前の原重量Gに対して所望の重量だけ少なくなると、振動台50の振動を停止する。
また振動台50の振動を停止する前に、振動台50の振幅を小さくし、且つ振動周波数を下げた状態で運転することが望ましい。
例えば、現在の散薬排出量が、散薬を最終的に排出する量(目標排出量)から、数グラムを引いた量となった場合に、振動台50の振幅を小さくし、且つ振動周波数を下げた状態で運転する。そして残りの数グラムを振動台50の振幅を小さくし、且つ振動周波数を下げた状態で排出させる。
そして前記した様に、散薬の総落下量Hが所望の重量となったところで、振動台50の振動を停止する。
その後、容器移動手段700が自動的に動作し、薬剤容器2が薬剤棚部領域102のドラム部材107に戻される。
【0109】
また振動台50が振動を続けているにも係わらず、散薬が落下しなくなってしまった場合や、振動台50が振動を続けているにも係わらず、単位時間当たりの散薬落下量が過度に少なくなってしまった様な場合には、振動台50の振動パターンが自動的に変更される。
具体的に説明すると、振動台50を振動させつつ薬剤容器2の重量を監視し続けている際、散薬の落下量Hが所望の重量に至らないにも係わらず、薬剤容器2の重量の単位時間あたりの変化が一定未満となった場合には振動台50の振幅を大きくする。あるいは振幅の周波数を大きくしたり小さくする。また可能であるならば、横振幅や長手方向の振幅を加える。
【0110】
振動台50を振動させているにも係わらず、薬剤容器2の重量の単位時間あたりの変化が一定未満となる原因は、次の2点である。
(1)散薬の固着
散薬が薬剤容器2内で固着するか、塊になってしまい、整流部20を通過することができない。
(2)散薬不足
薬剤容器2内に散薬が無い。

そこで本実施形態では、振動台50を振動させているにも係わらず、薬剤容器2の重量の単位時間あたりの変化が一定未満である場合には、最初に散薬の固着を疑い、振動台50の振幅を大きくする。仮に原因が散薬の固着であるならば、振動台50の振幅を大きくすることによって、原因が解消する可能性がある。
【0111】
そして振動台50の振幅を大きくしても、薬剤容器の重量の単位時間あたりの変化が一定未満である場合には、振動台の振動を停止し、使用者に対して所定の報知がなされる。例えば図示しない表示装置に、異常表示がなされる。あるいは音声や警報音、光によって薬剤払出し装置100に異常が発生したことを使用者に知らせる。
そして所定の欠品処理工程を実行する。
欠品処理工程においては、既に当該薬剤容器2が排出した薬剤の重量が記憶される。
異常が起きたことを知った使用者は、手動又は容器移動手段110を使用して薬剤容器2を取り出し、点検することとなる。
【0112】
本実施形態では、欠品処理工程においては、容器移動手段110を使用して薬剤容器2が取り出される。即ち振幅を大きくしても、薬剤容器2の重量の単位時間あたりの変化が一定未満である場合には、振動台の振動を停止するそして容器移動手段110が自動的に動作し、薬剤容器2が扉部130の設けられた薬剤容器仮置部(図示せず)に移動させる。
薬剤容器2が扉部130に設けられた薬剤容器仮置部(図示せず)に設置されると、扉部130が自動的に開く。使用者は、薬剤容器仮置部から薬剤容器2を取り出し、薬剤容器2内を点検する。薬剤容器2内に散薬が無い場合は、薬剤容器2に薬剤を補充する。また薬剤容器2内で散薬が塊になってしまっている場合には、塊を砕く。
【0113】
その後、手動又は容器移動手段110を使用して再度、薬剤容器2を容器載置装置3に載置し、自動又は手動によって振動台50及び分配皿116を再起動する。本実施形態では、薬剤容器2を扉部130の設けられた薬剤容器仮置部(図示せず)に設置し、所定の操作をすることにより、容器移動手段110が動作し、薬剤容器2を容器載置装置3に運ぶ。
前記した様に、作業中断までに薬剤容器2が排出した薬剤の重量が記憶されるので、残りの排出量だけ、薬剤容器2から散薬が排出される。
【0114】
次に本実施形態の薬剤フィーダ1の特有の作用の一つについて説明する。本実施形態の薬剤フィーダ1は、前記した様に散薬の落下量(排出量)Hを検知し、所定量の散薬を薬剤容器2から排出させることができる。そして本実施形態の薬剤フィーダ1は、散薬の排出量の誤差が少ない。
即ち本実施形態の薬剤フィーダ1は、目標の排出量と、実際に薬剤容器2から排出された薬剤の量との差が小さい。
以下、この理由について説明する。
薬剤フィーダ1では、容器載置装置3から電線(磁石通電線65、加振手段通電線68、測定手段通電線70)が引き出されている。そのため容器載置装置3は、弱い力ではあるが、電線から何らかの力を受けている。
従来技術においては、電線から受ける力が変化し、重量測定手段55の測定値に誤差を生じさせていた。
【0115】
従来技術の薬剤フィーダ1について説明する。従来技術の薬剤フィーダ1では、容器載置装置3から引き出された電線(磁石通電線65、加振手段通電線68、測定手段通電線70)は、図示しない制御装置等に接続されるが、その引出し経路や引出し方法には決まりはなく、成り行きであった。即ち各機器の隙間に電線を這わせて、容器載置装置3から引き出された電線を制御装置等に接続していた。
また公知の方法として、電線を束ねたり、電線を壁等に固定したり支持させる方法が採用されることもある。
【0116】
しかしながらいずれの場合でも、電線の一端は、容器載置装置3側にあり、電線の次の支持部は、不動の点である。
即ち従来技術においては、電線の一端は容器載置装置3側に固定されており、容器載置装置3を離れて次の支持点は、固定点であって動かない。
そして薬剤フィーダ1は、振動台50を有し、振動台50を振動させて薬剤容器2から散薬を排出させる構造である。そのため振動の際に電線が揺れる。そして振動の前後で電線の姿勢がわずかに変化する場合がある。
即ち振動台50を振動させることによって電線が揺れ、電線の曲がり具合が微妙に変化する。簡易に説明すると、電線には何らかの曲がり癖があるが、振動を受けることによって曲がり癖が変わる。その結果、薬剤フィーダ1の電線から受ける力が変化し、重量測定手段55の測定値に0.5g程度の誤差が生じてしまう。
【0117】
これに対して本実施形態の薬剤フィーダ1では、電線の中継点が可動である。即ち本実施形態の薬剤フィーダ1では、設置板66に電線保持部材73が設けられている。電線保持部材73はつるまきバネであり、上端は外力に応じて任意に移動する。そして本実施形態の薬剤フィーダ1では、容器載置装置3から引き出された電線は、最初に電線保持部材73の自由端側の電線固定部76で中継支持されている。
そのため振動台50を振動させることによって電線が揺れるが、その揺れは電線保持部材73の弾性によって吸収される。そして振動台50が振動を停止すると、電線保持部材73は元の姿勢に戻る。そのため振動の前後で電線の曲がり具合や曲がり癖が変わらず、振動の前後における薬剤フィーダ1の電線から受ける力に変化が生じず、重量測定手段55の測定値に誤差が生じない。
【0118】
図14は、振動の前後における電線及び電線保持部材73の挙動を示している。振動台50を振動させる前は、止め金具71と電線保持部材73の電線固定部76との間の電線は、図14(a)の様な曲がり具合で繋がっている。
そして振動台50を振動させると、電線は揺れ、それに応じて電線保持部材73が揺れる(図14b)。そのため電線には無理な力が掛からず、電線の曲がり癖は変わらない。
振動台50が振動を停止すると、図14(c)の様に電線保持部材73は元の姿勢に復帰する。この時、電線の曲がり癖は変わっていないから、振動の前後における薬剤フィーダ1の電線から受ける力に変化が生じず、重量測定手段55の測定値に誤差が生じない。
【0119】
また本実施形態の薬剤フィーダ1は、特有の効果として薬剤容器2から散薬が円滑に排出される。
即ち本実施形態の薬剤フィーダ1は、特有の構成として、薬剤容器2に整流部20がある。そして特有の構成として、整流部20に二つのコイルがあり、その内の一方のコイルは可動整流コイル26であって、上下方向に自由度を持っている。そのため振動台50が振動すると、可動整流コイル26も天地方向に振動する。
【0120】
そのため散薬に塊がある場合に、その塊が可動整流コイル26の上下動によって破壊される。
以下、この点について説明する。
薬剤容器2を容器載置装置3に設置し、振動台50が振動させると、薬剤容器2内の散薬80は、図8の矢印の様に薬剤排出部13側に向かってゆっくりと移動し、整流部20に至る。整流部20の後端側には整流コイル保持部27があり、平面視が三角形となっている。そのため当該部位に至った散薬は、適度にかき分けられ、拡散される。
【0121】
ここで整流部20は、コイル収容空間28を構成する可動コイル保持壁32及び先端閉塞壁33の下端は、いずれも容器本体5の底部46に届かず、図8の様に容器本体5の底部46と、コイル収容空間28の底側開口部との間に隙間48がある。
また可動コイル保持壁32と先端閉塞壁33との境界部分には、切り欠き36が設けられている。
【0122】
そのため薬剤排出部13側に移動した散薬は、図4図9の様に、隙間48及び切り欠き36から整流部20に入る。多くの散薬は容器本体5の底部46と、コイル収容空間28の底側開口部との間に隙間48から整流部20に入り、整流部20の下側を通過するが、切り欠き36を設けることにより、さらに外側から可動整流コイル26側に散薬を導入しやすくしている。
そして前記した様に可動整流コイル26は、上下動するので、可動整流コイル26の線材によって散薬が叩かれ、塊があれば破壊される。
散薬は、その後に下流の固定整流コイル25の部位に至る。固定整流コイル25は、上下動することはなく、散薬は、線材の間の隙間を通過し、層流化する。
【0123】
即ち可動整流コイル26で散薬の塊が叩かれ、塊は崩壊する。しかしながらこの状態では、散薬の塊が潰されて山状になったものが存在し、散薬の流れは層流状態とはならない。
そこで本実施形態では、可動整流コイル26の下流側に固定整流コイル25を設け、散薬の山をならすこととした。
その結果、散薬は層流状態となり、遂には薬剤排出部13に至り、薬剤排出部13から排出される。
【0124】
また薬剤容器2内における比較的大きな薬剤の塊は、庇蓋(庇部材)35に乗り上げ、庇蓋35に設けられた開口43から可動整流コイル26に落下する。
即ち粒子径の異なる物質が混在している場合、これを上下方向に振動させると、粒子の大きいものは上に移動し、粒子の細かいものは下に沈む。
そのため薬剤容器2を振動させると、粒子の大きい塊は、上に浮き上がり、その状態で薬剤排出部13に向かって進む。そして塊は、庇蓋(庇部材)35に乗り上げ、庇蓋35に設けられた開口43から可動整流コイル26に落下する。
落下した塊は、可動整流コイル26の線材によって叩かれ、細かく砕かれる。
【0125】
特に薬剤容器2内に収納されている散薬が例えば乳糖の様な粘りけのあるものであり、且つ収納されている散薬の量が多い場合には、開口43の存在が効果を発揮する。
即ち散薬の充填量が多い場合は、振動によって散薬は薬剤排出部13に移動するものの、整流部20の近傍で散薬が滞留する。またその散薬に粘りけがあるなら整流部20の近傍で散薬が圧縮されて塊が生じる。
ここで本実施形態では、コイル収容空間28の天面に開口43が設けられている。また開口43の大きさは、散薬の塊が詰まらない程度の大きさを持つ。そのため塊は開口43からコイル収容空間28内に入り、可動整流コイル26に落下して叩かれる。その結果、塊は解消し、散薬の排出が維持される。
【0126】
以上説明した実施形態では、密閉型の薬剤容器2を採用した薬剤フィーダ1を例示したが、図17に示すような薬剤投入口開放型の薬剤容器81を採用してもよい。薬剤容器81は、容器載置装置3に装着された姿勢を基準としてその上面側に開口82を有し、当該開口82から薬剤容器内に薬剤を投入することができる。
【0127】
また薬剤容器のさらに他の変形例を図21乃至24を参照しつつ説明する。薬剤容器170は、密閉型の容器である。
薬剤容器170は、前記した図1乃至図9に図示した薬剤容器2に改良を加えたものであり、デザインが違うものの、構成部品の機能は、多くの点で共通する。そのため薬剤容器170の説明は、前記した薬剤容器2と相違する点に重点をおいて行うこととする。また先の実施形態と同一の部材には同一の番号を付して説明を一部省略する。
【0128】
薬剤容器170は、容器本体5と、鉄板部6と、蓋部材118によって構成されている。
容器本体5は樹脂で作られた縦長の容器である。容器本体5の周壁下面171の内面側は、概ね平坦であるが、図23に示す様に奥側部分に傾斜部181a,bがある。奥側の傾斜部181bは緩い傾斜面であり、それに続く傾斜部181aは傾斜が急である。容器本体5の傾斜部181a,bに相当する外周部分には、隙間350がある。
【0129】
図22図23に示す様に容器本体5の開口近傍であって、その周壁上面126の外側には、段部160があり、やや高さが低く作られた低天井部(凹部)161がある。そして段部160には係合部材162(図22のみに図示)が設けられている。
【0130】
低天井部(凹部)161には揺動蓋(揺動部材)237が装着されている。揺動蓋237は、図22の様に、低天井部161をすっぽりと覆う大きさの本体部163と、本体部163から横方向両側に張り出した摘まみ部164を有している。本体部163の一端にはヒンジ部167がある。
また本体部163の下面側には係合部材166a,166bが形成されている。係合部材166a,166bは、フック形状である。
揺動蓋237は、ヒンジ部167が容器本体5側と係合しており、ヒンジ部167を中心として揺動する。
【0131】
次に蓋部材118について説明する。蓋部材118は、蓋本体部125と、可動蓋部134を有している。
可動蓋部134には摘まみ部147があり、当該摘まみ部147を押圧することにより図23(a)の様に可動蓋部134が開く。可動蓋部134が開くことによって容器本体5の内外が連通する薬剤排出部13が開く、そして可動蓋部134は薬剤排出部13を開いた状態を維持する。
また蓋本体部125の後端側には先の実施形態と同様に、乾燥剤挿入部15と整流部20が設けられている。
蓋本体部125は、二つの蓋本体部片が接合されて作られたものである。以下、両者が結合された状態を基準として説明する。
蓋本体部125は、正面側に枠部127を有し、後面側に乾燥剤挿入部15と整流部20が設けられている。
【0132】
また正面側の枠部127には、固定用枠131として機能する部位と、当接用枠132として機能する部位がある。
枠部127の内の、固定用枠131で囲まれた領域は有底であり、遮蔽壁138がある。
固定用枠131で囲まれた領域は図22図23の様に凹部373となっている。そして凹部373であって、遮蔽壁138の表面部に、図23の様に板バネ185が設けられている。板バネ185は、図23の様に両端に取り付け部186a,186bがある。二つの取り付け部186a,186bで挟まれた領域は、機能領域187であり、折れ曲がった形に成形されており、角部がある。
【0133】
また蓋本体部125の後部側であって、その上方近傍には、水平方向に延びる係合板(係合片)192が設けられている。係合板192には係合孔193が2個設けられている。蓋本体部125の後部側(乾燥剤挿入部15と整流部20)は、先の実施形態と同一であるから詳細な説明を省略する。
【0134】
次に可動蓋部134について説明する。可動蓋部134は、押さえ板部145と、弾性付与部194と、摘まみ部147によって構成されている。摘まみ部147は、押さえ板部145の延長上にあり、摘まみ部147は、押さえ板部145の平面からやや後方に湾曲した曲面を描く。
押さえ板部145の裏面側にはパッド236が設けられている。
【0135】
弾性付与部194は、押さえ板部145の左右辺部に設けられている。弾性付与部194は、図22の様に上側から観察した形状がヘヤピン状の弾性部235を有している。弾性部235は、押さえ板部145の辺を基端として図22の様に後方側に延びる往き側部195と、「U」字状に折り返されて前側に至る戻り側部196を有し、全体として弾性を備えている。そして戻り側部196の外側に軸片197が設けられている。弾性付与部194の自由端側は、外側に開いて摘まみ部146を形成している。
【0136】
また押さえ板部145の裏面側には、係合片149が突出している。係合片149は、棒状又は板状であって押さえ板部145に片持ち状に設けられている。係合片149には、小突起199が設けられている。
【0137】
可動蓋部134は、弾性付与部194の軸片197が、蓋本体部125の、軸受け部140と係合することによって蓋本体部125に取り付けられている。
取り付けの際には、両側の摘まみ部146を距離が縮まる方向に押圧し、弾性部235を撓ませて左右の軸片197間の距離を縮め、蓋本体部125の凹部373内に可動蓋部134の裏面側を挿入し、その状態で弾性部235を戻して左右の軸片197を軸受け部140に係合させる。可動蓋部134を外す場合には、逆に弾性部235を撓ませて左右の軸片197間の距離を縮め、左右の軸片197を軸受け部140a,140bから離脱させる。
【0138】
蓋部材118は、図23図24の様に容器本体5に装着されている。蓋部材118が容器本体5に取り付けられた状態においては、図24(a)の様に蓋部材118の係合板(係合片)192が揺動蓋(揺動部材)237の前面開口239から内部の空間に入り、係合板192の係合孔193に、揺動蓋237の係合部材166a,166bが係合している。
【0139】
即ち蓋部材(揺動部材)118の係合板(係合片)192は、容器本体5の外周に形成された低天井部(凹部)161にあり、蓋部材118が閉じられて低天井部161を覆うと共に蓋部材(揺動部材)118の係合板(係合片)192が蓋部材(揺動部材)118の係合板(係合片)192と係合して蓋部材118が容器本体5に固定される。
【0140】
なお図24(b)の様に揺動蓋237を開くと、揺動蓋237の係合部材166a,166bと、係合板192の係合孔193との係合が解ける。そのため図24(c)の様に容器本体5から蓋部材118を容易に取り外すことができる。
【0141】
本実施形態では、可動蓋部134が閉じている際には、図23(a)の様に係合片149の小突起199が、板バネ185の角部188よりも上の部分と係合し、可動蓋部134は閉じられた姿勢で安定する。
可動蓋部134を開く際には、可動蓋部134の摘まみ部147を押圧する。その結果、可動蓋部134は、軸片197を中心として揺動する。このとき、板バネ185の角部188と係合していた係合片149の小突起199が、可動蓋部134の揺動に伴い、小突起199が板バネ185の弾性力に抗して移動する。そして図23(b)の様に係合片149の小突起199が板バネ185の角部188を乗り越え、可動蓋部134は開いた姿勢で安定する。
【0142】
以上説明した実施形態は、主に密閉型の薬剤容器2,170を使用し、筐体101に設けられた扉部130から薬剤容器2,170を挿入して、薬剤容器2,170を容器移動手段110で移動させる例を説明したが、手動で薬剤容器2,170を筐体101内に搬入してもよい。
特に図17に示すような薬剤投入口開放型の薬剤容器81を採用する場合には、手動で薬剤容器81を筐体101内に搬入し、所望の容器載置装置3に設置する。また本実施形態では、筐体101内に容器載置装置3が複数個設けられているが、各容器載置装置3に報知部材19(図10図20)が設けられている。報知部材19は、薬剤容器2を載置すべき容器載置装置3であることを報知するものである。
薬剤投入口開放型の薬剤容器81を使用する場合には、手動搬入用扉部180a,180bのいずれかを開いて薬剤容器81を筐体101内に入れるが、その際に、いずれかの容器載置装置3の報知部材19が点灯し、薬剤容器81を設置すべき容器載置装置3を知らせる。
【0143】
以下、説明する。
薬剤投入口開放型の薬剤容器81は、比較的使用頻度が低い薬剤を分包する際に使用される。より具体的には、薬剤払出し装置100の容器保管装置106や、外部に保管した密閉型の薬剤容器2,170の中に、処方された薬剤が充填されたものが無い場合に使用される。
この様な状況の場合には、図示しない操作表示部に「手撒きカセット(薬剤投入口開放型の薬剤容器81の意味)を置いてください」とか「欠カセットが発生しました。手撒きカセットの場合はフィーダ(容器載置装置3の意味)に設置してください。」いう様な使用者に作業を促すメッセージが表示される。
そして図示しない操作表示部のタッチパル等に手撒き扉A(手動搬入用扉部180aの意味)を「開く」「閉じる」「配分開始」という表示が現れる。
【0144】
同時にいずれかの容器載置装置3の報知部材19が点灯する。作業者は、タッチパネル等の「開く」を押すと手動搬入用扉部180aがモータの動力によって自動的に開く。
即ち点灯した容器載置装置3に最も近い位置にある手動搬入用扉部180aが開く。作業者は手動搬入用扉部180aから手で薬剤投入口開放型の薬剤容器81を挿入し、薬剤容器81を点灯している容器載置装置3に載置する。
このとき、薬剤容器81のRFID等の情報記録部材90に記憶された情報を読み取る情報読取動作が実施され、使用する薬剤容器81が容器載置装置3に正しく載置されているか否かを確認する確認動作が実施される。
そして作業者がタッチパネルの「配分開始」を押すと、手動搬入用扉部180aが動力によって閉じられる。
薬剤容器81が容器載置装置3に正しく載置されていることが確認されると、操作表示部でのメッセージ表示が終了する。また報知部材19が消灯する。
【0145】
なお本実施形態では、報知部材19は、複数色のランプが使用されているから、色の変化と、光らせ方(連続点灯であるか点滅であるか)の変化によって使用者にさまざまなメッセージを伝えることができる。
原則的に、薬剤容器81(校正や検定を行う場合は分銅)の載置を要求している場合は、報知部材19は、特定の色の点滅表示となる。例えば緑色のランプが点滅する。
【0146】
何らかの作業が実行されている場合には、特定の色の連続点灯となる。例えば緑色のランプが連続点灯する。例えば薬剤容器81から薬剤が排出されている場合には緑色のランプが連続点灯する。その他、通常の薬剤容器2から排出されている場合、分銅による校正や検定が行われている場合、振動台50の振動周波数をチューニングしている場合等についても緑色のランプが連続点灯する。
【0147】
作業が終了した場合は、特定の色の連続点灯となる。例えば青色のランプが連続点灯する。例えば薬剤容器2,81からの薬剤の排出が終了した場合や、分銅による校正等が終了した場合、振動周波数のチューニングが完了した場合に青色のランプが連続点灯する。薬剤投入口開放型の薬剤容器81を使用して薬剤を分配している際には緑色のランプが連続点灯し、分配作業が終了するとランプの色が青色に変わる。作業者はその表示を見て作業終了を知り、容器載置装置3から薬剤容器81を取り外す。
【0148】
何らかのエラーが発生した場合には、特定の色の連続点灯となる。例えば赤色のランプが連続点灯する。例えば、容器載置装置3に分銅を置いて校正を行ったが校正が失敗した場合には赤色のランプが連続点灯する。
【0149】
次に推奨される制御方法について説明する。
振動台50の振動パターンを薬種や排出時期、総排出量に応じて変更することができる構成が推奨される。
薬剤は、種類によって粒子径や吸湿性がまちまちである。そのため振動台50を振動させた際、薬剤容器2内の薬剤の挙動は、薬剤によって異なる。
振動を受けたとき、整流化して流れ易い薬剤と、整流化し難い薬剤がある。また一振動で移動する量は、薬剤の種類によって異なる。
また薬剤の排出初期は、薬剤の排出量が安定しないという問題がある。
【0150】
そこで、単位時間当たりの振動数(周波数)や、振幅の大きさを変更可能な構成とし、薬種や排出時期、総排出量に応じて、周波数や振幅の大きさを変える。
例えば、薬剤の排出容易性を予め実験し、薬剤フィーダ1で排出予定の全ての薬剤を複数段階に区分する。これを例えば、「流れ係数」と称し、薬剤を流れ係数1から流れ係数3に区分する。
また薬剤の総排出量によって、排出量レベルを複数段階に分ける。例えば排出量を20グラムごとに区分し、「排出量20、排出量40、排出量60」という様に称することとする。
また振動の周波数と振幅に応じて、振動レベルを複数段階に分ける。これを例えば「振動レベル1、振動レベル2」という様に称し、例えば振動レベル1(最小振動)から振動レベル20(最大振動)まで変化できるものとする。
【0151】
そして「流れ係数」と「排出量」によって適切な振動レベルを選択する。また振動レベルは、排出初期における振動レベルと、安定期における振動レベルを区別する。
例えば、「流れ係数1」という様に排出され易い薬剤であり、且つ「排出量20」という様に総排出量が少ない場合は、振動レベル3という様にゆっくりとした振動で振動を開始し、一定の時間が経過すると、振動レベル10という様に強めの振動に切り換える。あるいは、振動レベル10という様に強めの振動を中心として、単位時間あたりの排出量hが一定となる様に、振動台50の振動強度をフィードバック制御する方式に切り換える。
【0152】
また「流れ係数3」という様に排出され難い薬剤であり、且つ排出量80という様に総排出量が多い場合は、振動レベル11という様に強めの振動で振動を開始し、一定の時間が経過すると、振動レベル15という様にさらに強い振動に切り換える。あるいは、振動レベル15という様に強めの振動を中心として、単位時間あたりの排出量hが一定となる様に、フィードバック制御する。
【0153】
また、薬剤容器2内に貯留された薬剤の量が少ない場合には、薬剤が先端の薬剤排出部13に到達するまでの間、振動レベルを強めにすることが望ましい。
即ち本実施形態では、薬剤容器2は縦姿勢で容器保管装置106に保管されている。そのため保管時においては、薬剤は、薬剤排出部13から遠い位置に集まっている。
またさらに本実施形態では、薬剤容器2を容器載置装置3に設置する直前に、図26の様に、薬剤容器2の薬剤排出部13側が上になる様に、一旦傾斜させる。この動作によって、薬剤容器2内の薬剤は、薬剤排出部13から遠い位置に寄せられる。
【0154】
ここで仮に薬剤容器2内に貯留されている薬剤が少量であるならば、薬剤容器2が容器載置装置3に載置された直後においては、内部の薬剤は、薬剤排出部13から遠い位置に偏在していることとなる。
そして振動台50を振動させて薬剤容器2内で薬剤を薬剤排出部13側に移動させるが、薬剤容器2内に貯留されている薬剤が少量である場合は、奥に偏在する薬剤が薬剤排出部13に到達するのに時間がかかる。
【0155】
本実施形態では、この対策として、薬剤が先端の薬剤排出部13に到達するまでの間、振動レベルを強めにする構成が採用されている。また薬剤容器2の重量を監視することによって薬剤が、薬剤排出部13に到達したか否かを判定する。
より具体的には、振動を開始する初期においては、前記した流れ係数等によって決定された初期値よりも強い振動で振動台50を振動させる。そして、薬剤容器2の重量を監視し、僅かでも薬剤容器2の重量が減少したことが検知された場合は、薬剤が、薬剤排出部13に到達したと判定する。
その後振動を弱めて、前記した流れ係数等によって決定された初期値で振動台50を振動させる。
さらに薬剤容器2の重量が一定量減少したことを検知すると、振動台50の振動を強めの振動に切り換える。
【0156】
例えば、振動開始直後は、振動レベル12という様な強い振動で振動台50を振動させる。そして例えば、薬剤が0.3グラムという様な極めて少量だけ排出されると、振動レベルを前記した振動レベル3に落とす。そしてさらに一定の薬剤が排出されると、振動レベル10という様に強めの振動に切り換える。あるいは、振動レベル10という様に強めの振動を中心として、単位時間あたりの排出量hが一定となる様に、振動台50の振動強度をフィードバック制御する方式に切り換える。
【0157】
この様に振動レベル3等の初期値から振動レベル10等の通常値に切り換えるタイミングは、薬剤の排出量を基準とすることが望ましい。
例えば、振動レベル12という様な強い振動で振動台50を振動させ、薬剤が0.3グラムという様な極めて少量だけ排出されると、振動レベルを前記した振動レベル3に落とし、薬剤が例えば0.8グラム排出されると、振動レベル10という様に強めの振動に切り換える。あるいは、振動レベル10という様に強めの振動を中心として、単位時間あたりの排出量hが一定となる様に、振動台50の振動強度をフィードバック制御する方式に切り換える。
振動レベル3等の初期値から振動レベル10等の通常値に切り換えるタイミングは、時間に基づくものであってもよい。
【0158】
上記した制御方法は、薬剤容器2内に貯留されている薬剤が少量である場合に推奨されるが、薬剤容器2内に貯留されている薬剤の残量に係わらず実施してもよい。
【0159】
また一回の処方量が少ない薬剤の様に、薬剤容器2内に貯留された薬剤の量が常に少ない場合には、薬剤容器2を上げ底にすることも有効である。
例えば、図25に示す様に、薬剤容器2内に仕切り板(上げ底部材)150を設け、薬剤容器2の空間を故意に狭くする。
その結果、薬剤容器2の実質上の最奥部(底上げ底部材150)と、薬剤排出部13との距離が縮まり、薬剤が早期に薬剤排出部13に到達する。
【0160】
図25に示す薬剤容器151は、略全面が覆われていて内部空間155を有する容器本体5を有し、容器載置装置3に載置された姿勢を基準として、薬剤排出部13よりも奥側に位置に仕切り板(上げ底部材)150が設けられている。
そのため薬剤容器151は、縦姿勢としても、内部の薬剤が仕切り板(上げ底部材)150よりも奥には至らない。
図25に示す薬剤容器151では、縦姿勢とした場合に底に相当する壁面に、開口152が設けられており、開口152に棒等を挿通して仕切り板(上げ底部材)150を押し、仕切り板(上げ底部材)150の位置を変更することができる。また仕切り板(上げ底部材)150を設けることにより、実質的な空間を狭くすることができ、少量の薬剤を薬剤容器151内で保管する場合にも薬剤が湿気を帯びる危険を軽減する効果が期待できる。
【0161】
次に、薬剤容器の他の変形例について図27図33を参照しつつ説明する。以下に説明する薬剤容器は、薬剤投入口開放型の薬剤容器300である。
薬剤容器300は、図30の様に、貯留空間形成部材301と底部形成部材302によって構成されている。
貯留空間形成部材301は、四方の側面が側面壁304によって完全に覆われ、上下の面が開口する本体部303を有している。
即ち本体部303は、平面視が長方形である。本体部303は、上部に開口305を有し、当該開口305から薬剤を投入することができる。
また本体部303の底にも、図29の様に開口306がある。
下部側の開口306は、上部側の開口305よりも小さい。そして両者が傾斜した側面壁304で繋がっている。
本体部303の側面壁304には、RFID等の情報記録部材90が取り付けられている。本実施形態では、情報記録部材90に、薬剤容器300を特定する記号等が記憶されている。
【0162】
本体部303の一対の側面には、ガイド片309が設けられている。ガイド片309は、本体部303の長辺側の側面壁304にあり、側面壁304から水平(容器載置装置3に載置された姿勢を基準とする)に突出する。またガイド片309は、側面壁304の長辺に沿って延びる。そして一方の端部にストッパ307が形成されてる。ストッパ307は、ガイド片309の末端部分にあって、断面積が大きく作られた部位である。
本体部303の上部の開口305には蓋308が装着される。
【0163】
底部形成部材302は、前記した固定用鉄板部6と同様の断面形状をしており、フェライト等の磁性体成分を含む鋼板である。
底部形成部材302は、図29図30の様に底部310を中心としてその両側が上方に折り曲げられ、傾斜壁311が形成されている。
また底部形成部材302の長手方向の一端は開放されていて薬剤排出部315を構成している。底部形成部材302の長手方向の他端側には縦壁316があり、閉塞されている。
底部形成部材302の底部310であって薬剤排出部315に近い領域には、突起325が複数設けられている。
底部形成部材302の全長は、図27の様に 貯留空間形成部材301の全長よりも長い。
【0164】
底部形成部材302の傾斜壁311の外周部には、ガイド受け部材313が設けられている。
ガイド受け部材313は、図31の様に、受け部形成部材317と、弾性部材(弾性体)320によって構成されている。
ガイド受け部材313は、略直方体の箱型形状である。ガイド受け部材313の天面部分には、覆い部318があり、箱型部分の天面と覆い部318との間に、前記したガイド片309が係合するスリット部319が形成されている。
スリット部319の薬剤排出部315側が開放され、縦壁316側は閉塞されている。
【0165】
ガイド受け部材313の内部には、天井部から垂下するピン324が2本設けられている。
【0166】
弾性部材320は、底部形成部材302の傾斜壁311に設けられ、外側に棚状に張り出した支持台321に取り付けられている。
即ち底部形成部材302の傾斜壁311に設けられ、その外周部に支持台321があり、当該支持台321から弾性部材320が二個、立設している。
弾性部材320は具体的にはバネである。弾性部材320の上部には受け部材322が設けられている。受け部材322には凹部323が形成されている。
【0167】
受け部形成部材317は、弾性部材320を覆い、内部のピン324が弾性部材320の凹部323と係合している。
【0168】
また前記した貯留空間形成部材301は、ガイド受け部材313を介して底部形成部材302に取り付けられている。
即ちガイド受け部材313のスリット部319に、貯留空間形成部材301のガイド片309が係合し、両者が一体化されている。
ガイド受け部材313は、弾性部材320を有しているので、貯留空間形成部材301と底部形成部材302は、間に弾性部材320が介在された状態で接続されている。
なお、前記した様に、スリット部319の薬剤排出部315側が開放され、縦壁316側は閉塞されているから、貯留空間形成部材301を底部形成部材302の長手方向に沿って薬剤排出部315側に移動させることにより、貯留空間形成部材301を底部形成部材302から取り外すことができる。
【0169】
貯留空間形成部材301の下部側の開口306は、底部形成部材302の底部310とは接しておらず、両者の間には隙間がある。
【0170】
本実施形態の薬剤容器300は、前記した薬剤投入口開放型の薬剤容器81と同様に使用することができる。即ち、貯留空間形成部材301内に薬剤を投入し、手動で薬剤容器300を筐体101内に搬入し、所望の容器載置装置3に設置する。
そして容器載置装置3の振動台50を振動させて、薬剤を薬剤排出部315から排出する。ここで、本実施形態の薬剤容器300は、貯留空間形成部材301と底部形成部材302の間に弾性部材320があるから、薬剤容器300の底部形成部材302は振動して薬剤を移動させるが、貯留空間形成部材301の振動量は底部形成部材302に比べて小さい。
そのため貯留空間形成部材301、重量測定手段55の検知精度が高い。また薬剤の移動が円滑である。
即ち実施形態によると、貯留空間形成部材301と底部形成部材302との間に弾性部材320があり、両者の間が縁切りされた様な構造となっている。そのため底部形成部材302は、振動台50からの振動を直接受けて大きく振動するが、上部側に置かれた貯留空間形成部材301は振動が小さい。この様に本実施形態では、貯留空間形成部材301の振動と底部形成部材302の振動が同期しない。
そのため貯留空間形成部材301内の薬剤が下部側の開口306から底部形成部材302に落下し、底部形成部材302を円滑に移動して先端の薬剤排出部315から排出される。
【0171】
本実施形態の薬剤フィーダ1や薬剤払出し装置100は、薬剤フィーダ1が内蔵する重量測定手段55によって、下流側の分配皿116等に排出する薬剤が計量されるが、例外的に外部の計量器で薬剤を計量し、計量後に薬剤容器に充填し、散薬分配装置で分配する場合もある。
この様な場合は、薬剤容器300を机上に置き、貯留空間形成部材301に計量した薬剤を投入する。
【0172】
ここで、前記した薬剤容器300は、底に底部形成部材302があるが、底部形成部材302の断面形状は溝状であって、机上表面と接する部分の面積は小さい。そのため薬剤容器300を机上に直接置くと不安定であり、薬剤容器300がひっくり返ってしまう懸念がある。
【0173】
この問題を解決する手段として、本実施形態の薬剤払出し装置100では、薬剤容器を仮置きする仮置き台340が設けられている。
仮置き台340は、薬剤容器300の底部形成部材302の底面が合致する設置溝341を有する台である。
設置溝341は、一方側が開放部345であり、他方側には縦壁部342が設けられている。
また設置溝341は、開放部345側が上となる様にやや傾斜している。傾斜角度は、3度から10度程度であり、本実施形態では、5度である。
本実施形態では縦壁部342に情報読取装置346が設けられている。
【0174】
本実施形態では、薬剤容器300を仮置き台340の上に置いて安定させ、本体部303の開口305から薬剤を投入することができる。より具体的には、薬剤容器300の底部形成部材302の傾斜壁311を仮置き台340の設置溝341の傾斜面に合致させ、底部形成部材302の縦壁316を仮置き台340の縦壁部342に当接させた姿勢で薬剤容器300を仮置き台340に置く。
その結果、薬剤容器300は底部形成部材302が傾斜姿勢となり、薬剤排出部315は上方向に向く。そのため薬剤排出部315から薬剤が零れ落ちることはない。
また薬剤容器300を特定する情報が、情報読取装置346で読み取られる。
【0175】
以上説明した実施形態では、薬剤容器2に整流部20を設け、整流部20は、固定整流コイル25と、可動整流コイル26を主たる構成部材とするものであった。
しかしながら、例えばダイオウ末の様な流動性が悪い薬剤を充填する場合には、固定整流コイル25や可動整流コイル26は却って邪魔となる。そのためダイオウ末の様な流動性が悪い薬剤を充填する場合には、コイルを取り外した状態の薬剤容器を使用することが望ましい。
【0176】
図34図35図36は、変形例の薬剤容器に装着される蓋部材156を示す。
蓋部材156が、前記した図5図6図9に示す蓋部材8と異なる点は、固定整流コイル25及び可動整流コイル26を持たないことである。
また図6図9図19に示す蓋部材8では、庇蓋35の中央部分に開口43が設けられていたが、図34図35図36に示す蓋部材156にはこの開口が無い。
さらに図5図6図9に示す蓋部材8には、先端閉塞壁33が設けられていたが、図34図35図36に示す蓋部材156には先端閉塞壁33が無く、当該部分が開放されている。
【0177】
図34図35図36に示す蓋部材156では、可動整流コイル26に代わって高さ制限部材157が設けられている。
高さ制限部材157は、蓋部材156に導入される薬剤の量を制限する仕切りであり、可動コイル保持壁32に装着されている。
【0178】
高さ制限部材157は、図35の様に平面視が溝状の部材であって中央に仕切り壁158があり、その両側に取り付け片159がある。
高さ制限部材157の取り付け片159は、可動コイル保持壁32と接している。また仕切り壁158の上辺は庇蓋35と接している。仕切り壁158の下辺と、容器本体5の底部46との間には隙間がある。
この隙間を薬剤が通過する際に、薬剤の高さの波うちが馴らされて高さが均一に揃えられ、且つ薬剤の排出量が適正化される。そして薬剤は、振動を受けて好適に誘導され、薬剤排出部13側に進む。
【0179】
流動性が悪い薬剤を使用する場合における他の対策として、薬剤容器2の容器本体5の底部46を改良し、薬剤の滑りを良くする方法も考えられる。
例えば図37図38に示すように、容器本体5の底部46に滑り板250を装着する。滑り板250は、ステンレススチールやアルミニウム等の金属板を曲げ加工して作られたものである。
滑り板250は、容器本体5の底部46の形状に沿った形状をしている。
具体的には、滑り板250は断面形状が溝状であり、容器本体5の底部46の形状に合致する底合致部251と、容器本体5の側面252であって底部46の近傍に合致する側面合致部253を有している。側面合致部253は底合致部251よりも長い。
また滑り板250は、容器本体5の全長に比べて短く、容器本体5の開口近傍に装着されている。
【0180】
本実施形態では、滑り板250は、非粘着性が向上する様に表面処理された金属板を素材としている。例えば、鉄、ステンレススチール、アルミ合金に対してニッケルとフッ素樹脂を共析させた表面処理が施された素材が滑り板250の素材として好適である。
表面の皮膜には、容積比で30パーセント程度の非粘着性樹脂(例えばフッ素樹脂)が均一に分布していることが望ましい。
【0181】
滑り板250の素材は限定されるものではなく、フッ素樹脂等の非粘着性に優れた樹脂そのものを素材としてもよい。滑り板250の形状は限定されるものではないが容器本体5の底部46であって容器本体5の開口近傍を覆うものであることが望ましい。
この理由は、容器本体5の開口近傍は、例えば図1の様に容器載置装置3の振動台50からはみ出す部分であり、振動台50の振動が比較的伝わり難く、薬剤の流れが他の部位に比べて幾分悪くなる懸念があるためである。
滑り板250は容器本体5の底部46のより広い範囲を覆うものであることが望ましい。具体的には、滑り板250は容器本体5の底部46を全面的に覆うものであってもよい。例えばフッ素樹脂で表面処理された金属板を溝状に曲げ加工して作られたものであって、容器本体5の底部46の形状に沿った外形形状であり、その全長が容器本体5の底部46の全長に匹敵する滑り板を採用してもよい。
また滑り板250に代わって、容器本体5の内面を非粘着性に優れた樹脂でコーティングしてもよい。
【0182】
以上説明した実施形態の薬剤フィーダ1は、容器載置装置3は振動台50と、振動台50を振動させる加振手段51と、振動台50に薬剤容器2を固定する容器保持手段(磁石部材62)と、薬剤容器2の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段55とを有し、薬剤容器2を振動台50に載置し、容器保持手段で薬剤容器2を振動台50に固定し、振動台50を振動させて薬剤容器2から薬剤を少量ずつ排出し、重量測定手段55によって薬剤の排出量を検知することが可能であり、薬剤容器2から排出される薬剤の総量が目標量に近づくと、振動台50の振動が小さくなることを特徴とする薬剤フィーダ1である。
【0183】
以上説明した実施形態の薬剤フィーダ1は、容器載置装置3は振動台50と、振動台50を振動させる加振手段51と、振動台50に薬剤容器2を固定する容器保持手段と、薬剤容器2の重量を直接的または間接的に測定する重量測定手段55とを有し、薬剤容器2を振動台50に載置し、容器保持手段で薬剤容器2を振動台50に固定し、振動台50を振動させて薬剤容器2から薬剤を少量ずつ排出し、重量測定手段55によって薬剤の排出量を検知することが可能であり、薬剤容器2から排出される薬剤の総量が目標量未満であり、且つ単位時間当たりの薬剤の排出量が一定量以下となった場合には、振動台50の振動が大きくなることを特徴とする薬剤フィーダ1である。
【0184】
以上説明した実施形態の薬剤フィーダ1は、振動台50の振動が大きくなっても単位時間当たりの薬剤の排出量が一定量以下である場合には、現在までの総排出量を記憶し、振動台50の振動を停止し、薬剤容器2を振動台から取り外す構成を備えている。
【0185】
以上説明した実施形態の薬剤フィーダ1は、振動台50に再度薬剤容器2を固定した際には、振動台50の振動を再開して薬剤容器2から薬剤を少量ずつ排出し、薬剤容器2から排出される薬剤の総量が目標量に至ると振動台50の振動を停止する構成を備えている。
【0186】
以上説明した実施形態では、電線保持部材73を一個だけ設けたが、電線保持部材73を複数有していてもよい。図18は、電線保持部材73を2個設けた例である。
【0187】
また上記した実施形態では、乾燥剤挿入部15の天面と、コイル収容空間28の固定整流コイル25の上部は、中蓋22によって閉塞し、コイル収容空間28の可動整流コイル26の上部を庇蓋(庇部材)35で閉鎖したが、図19に示す様に、両者を一体化した全蓋23で、蓋本体部10の後端側を封鎖してもよい。
【0188】
上記した実施形態では、容器保持手段として磁気を利用したものを開示したが、モータ等の他のアクチェータを容器保持手段として利用してもよい。
【0189】
上記した実施形態では、「流れ係数」と称する係数を使用した制御を紹介したが、以下に「流れ係数」についての追加説明を行う。
上記した実施形態の薬剤フィーダ1では、振動台50の単位時間当たりの振動数(周波数)や、振幅の大きさを変更可能な構成とし、薬種や排出時期、総排出量に応じて、周波数や振幅の大きさを変える動作が可能となっている。
【0190】
より詳細に説明すると、本実施形態の振動台50は、予め設定した設定値に応じて振動の大小が可変可能な構造となっている(振動の周波数と振幅が可変可能な構造となっている)。そして、各薬品を排出させる際に振動台50を動作させるときの目標とする設定値(以下、振動値とも称す)に応じて、「流れ係数」が割り当てられている。
上記した実施形態では、「流れ係数1」から「流れ係数3」までの3段階に区分したが、より望ましくは、「流れ係数1」から「流れ係数9」までの9段階に区分する。
【0191】
この「流れ係数」について具体的に説明すると、この「流れ係数」は、出荷される薬剤フィーダ1ごとに設定される値であり、薬剤フィーダ1を実際に使用して薬品の排出容易性を予め実験した上で割り当てられる値となっている。具体的には、まず、基準となる薬品( 例えば、酸化マグネシウム) を使用し、所定量を所定時間で払い出すための振動値を取得して「流れ係数1」に区分する。そして、それぞれの薬品毎に、基準となる薬品と同量を同時間で払い出すための振動値を取得し、その振動値に応じて「流れ係数」を割り当てる。なお、流れ係数の数値が大きくなるほど、振動台部の振動が大きくなるように対応付けられている。
つまり、「流れ係数」は、それぞれの薬品を基準となる薬品と同様に排出させるために目標とする振動の設定値であり、且つ、「流れ係数」の数値が大きくなるほど流れ難い薬品となることから、薬品の排出容易性を示す値でもある。
【0192】
そして「流れ係数」と「排出量」によって適切な振動レベルを選択する。また振動レベルは、排出初期における振動レベルと、安定期における振動レベルを区別するものとする例えば、「流れ係数1」というような排出され易い薬品であり、且つ「排出量20」のように総排出量が少ない場合には、振動レベル3というようなゆっくりとした振動で振動を開始し、一定の薬品の減少量を検知すると(一定の秤量値に達すると)、振動レベル10という様に強めの振動に切り換える。あるいは、振動レベル10という様に強めの振動を中心として、単位時間あたりの排出量hが一定となる様に、振動台部の振動強度をフィードバック制御する方式に切り換える。
【0193】
以上説明した実施形態では、薬剤フィーダ1を利用して薬剤分割領域(散薬分配装置)103の分配皿116に散薬を供給したが、薬剤フィーダ1から直接、薬剤包装装置122に散薬を供給してもよい。
また本発明の薬剤フィーダ1,50を利用して錠剤やカプセルを供給することも考えられる。
【符号の説明】
【0194】
1:薬剤フィーダ 2,170:薬剤容器 3:容器載置装置 6:固定用鉄板部 7:運搬用鉄板部 8,118:蓋部材 13:薬剤排出部 19:報知部材 20:整流部 25:固定整流コイル 26:可動整流コイル 27:整流コイル保持部 28:コイル収容空間 35:庇蓋(庇部材) 43:開口 50:振動台 51a,51b:加振手段 52:中間台 53:防振台 55:重量測定手段 56:基礎部材 62a,62b:磁石部材 65:磁石通電線 66:設置板 68:加振手段通電線 70:測定手段通電線 71:止め金具 72:コネクター 73:電線保持部材 76:電線固定部 81:薬剤容器 100:薬剤払出し装置 103:薬剤分割領域(散薬分配装置) 118:蓋部材(揺動部材) 130:扉部(自動搬入用扉) 150:仕切り板(上げ底部材) 151:薬剤容器 161:低天井部(凹部) 180a,180b:扉部(手動搬入用扉部) 192:係合板(係合片) 300:薬剤容器 301:貯留空間形成部材 302:底部形成部材 304:側面壁 306:開口(下部側) 315:薬剤排出部 320:弾性部材(弾性体) 340:仮置き台
図1
図2
図3
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図5
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