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  • 特開-LED照明装置 図1
  • 特開-LED照明装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142456
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/58 20230101AFI20230928BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20230928BHJP
   H04N 23/698 20230101ALI20230928BHJP
   F21K 9/23 20160101ALI20230928BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20230928BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230928BHJP
   G03B 17/56 20210101ALI20230928BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20230928BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230928BHJP
【FI】
H04N5/225 900
H04N5/225 600
H04N5/232 380
F21K9/23
F21V33/00 400
G03B15/00 S
G03B17/56 A
G03B15/02
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049380
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】520445439
【氏名又は名称】株式会社MCS
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100194777
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 憲治
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 拓史
【テーマコード(参考)】
2H105
3K014
5C122
【Fターム(参考)】
2H105AA06
3K014AA01
3K014PF00
5C122DA11
5C122EA66
5C122FA02
5C122FB06
5C122GE04
5C122GE07
5C122GE11
5C122GG17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】効率的に撮影範囲を決定することができるカメラ付きのLED照明装置を提供する。
【解決手段】LED照明装置は、照明部と、撮像部3と、を備える。照明部は、直管ランプ21と、直管ランプの端部に設けられる口金部23とを含む。撮像部3は、直管ランプ21と口金部23との間に設けられるカメラ収容部31と、カメラ収容部31に収容されるカメラ32と、を含む。カメラ収容部31は、直管ランプ21の軸心Cに対して周方向に回転自在である。カメラ32は、直管ランプ21の軸心Cに対して直交方向に延びる仮想線L2を通る光軸を有するレンズ321を含む。レンズ321は、直管ランプ21の軸心Cの周方向において仮想線L2に対する光軸の角度を変えるように可動する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明部と撮像部とを備える、LED照明装置であって、
前記照明部は、直管ランプと、前記直管ランプの端部に設けられる口金部とを含み、
前記撮像部は、前記直管ランプと前記口金部との間に設けられるカメラ収容部と、前記カメラ収容部に収容されるカメラとを含み、
前記カメラ収容部は、前記直管ランプの軸心に対して周方向に回転自在であり、
前記カメラは、前記直管ランプの軸心に対して直交方向に延びる仮想線を通る光軸を有するレンズを含み、
前記レンズは、前記直管ランプの軸心の周方向において前記仮想線に対する前記光軸の角度を変えるように可動する、LED照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載のLED照明装置であって、
前記レンズは、前記直管ランプの軸心の水平方向において前記仮想線に対する前記光軸の角度を変えるように可動する、LED照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載のLED照明装置であって、
前記カメラ収容部は、前記直管ランプの軸心を通る垂線に対して前記軸心の周方向に-60°~60°の角度で回転し、
前記レンズは、前記直管ランプの軸心の周方向において前記仮想線に対する前記光軸の角度を-60°~60°の範囲で変えるように可動し、かつ、前記直管ランプの軸心の水平方向において前記仮想線に対する前記光軸の角度を-60°~60°の範囲で変えるように可動する、LED照明装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のLED照明装置であって、
前記レンズは、魚眼レンズである、LED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラ付きのLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、鉄道車両内において、犯罪及びトラブルの発生の抑制、並びに、犯罪及びトラブルの早期発見及び正確な状況把握を目的として、鉄道車両内に監視カメラが設置される傾向にある。
【0003】
特許第6810106号公報(特許文献1)は、客室LED管型カメラシステムを開示している。客室LED管型カメラシステムは、ガラス直管と、ガラス直管の内端に仮想水平軸心上に連続するように設けられたユニットカバーと、ガラス直管のユニットカバーが設けられた内端とは反対側となる外端に設けられた口金とを有する。ユニットカバーは、電源部、制御回路、撮像部及び無線通信部を含む制御ユニットを収容している。撮像部は、カメラを有する。カメラは、仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°乃至180°であり、かつ、仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°乃至180°の広角レンズを有する。カメラの撮像の光軸は、仮想水平軸心を通る垂線に対して40°乃至45°の傾き角度を有する。これにより、客室LED管型カメラシステムは、客室内の比較的広い範囲を撮影することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6810106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、客室LED管型カメラシステムは、カメラの撮像の光軸が仮想水平軸心を通る垂線に対して40°乃至45°傾いている。そのため、例えば、客室内の天井付近にガラス直管及びユニットカバーを設定したとき、広角レンズの垂直画角が180°等、比較的広い画角である場合には、一部に天井が撮影されたり、客室内に設置された吊り革を吊り下げるためのポール又は手摺り等の障害物が大きく撮影されたり等、撮影範囲に無駄が生じ得る。すなわち、客室LED管型カメラシステムは、比較的広い撮影範囲に対して効率的に撮影できないおそれがあった。
【0006】
そこで、本開示は、効率的にカメラの撮像範囲を決定することができるカメラ付きのLED照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は次のように構成した。すなわち、本開示に係るLED照明装置は、照明部と撮像部とを備えてよい。照明部は、直管ランプと、直管ランプの端部に設けられる口金部とを含んでよい。撮像部は、直管ランプと口金部との間に設けられるカメラ収容部と、カメラ収容部に収容されるカメラとを含んでよい。カメラ収容部は、直管ランプの軸心に対して周方向に回転自在であってよい。カメラは、直管ランプの軸心に対して直交方向に延びる仮想線を通る光軸を有するレンズを含んでよい。レンズは、直管ランプの軸心の周方向において仮想線に対する光軸の角度を変えるように可動してよい。
【0008】
これにより、効率的にカメラの撮影範囲を決定することができる。
【0009】
レンズは、直管ランプの軸心の水平方向において仮想線に対する光軸の角度を変えるように可動してよい。これにより、さらに効率的にカメラの撮影範囲を決定することができる。
【0010】
カメラ収容部は、直管ランプの軸心を通る垂線に対して軸心の周方向に-60°~60°の角度で回転してよい。レンズは、直管ランプの軸心の周方向において仮想線に対する光軸の角度を-60°~60°の範囲で変えるように可動してよい。レンズは、直管ランプの軸心の水平方向において仮想線に対する光軸の角度を-60°~60°の範囲で変えるように可動してよい。LED照明装置は、通常、建築物又は車両の室内において複数設置される。カメラ収容部の角度及びレンズの光軸の角度を各々-60°~60°の範囲で変えるようしたことにより、互いのLED照明装置に設けられたカメラの撮影範囲が重なることを抑制し、効率的に各々のカメラの撮影範囲を決定することができる。
【0011】
レンズは、魚眼レンズであってよい。魚眼レンズのように比較的画角が広いレンズであっても効率的にカメラの撮影範囲を決定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本開示のLED照明装置によれば、効率的に撮像範囲を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態に係るLED照明装置の平面図である。
図2図2は、図1に示す撮像部の斜視図である。
図3図3は、図1に示す撮像部の左側面図である。
図4図4は、図1に示す撮像部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示に係る実施形態のLED照明装置1について、図1~4を用いて具体的に説明する。図1に示すように、LED照明装置1は、照明部2及び撮像部3を備える。LED照明装置1は、建築物又は車両等の天井又は壁面等に取付けられる。
【0015】
照明部2は、直管ランプ21、口金部22及び口金部23を有する。
【0016】
直管ランプ21は、直管型のLEDランプである。直管ランプ21は、特に詳細には説明しないが透光カバーと透光カバー内に収容されるLEDとを含む。
【0017】
口金部22は、直管ランプ21の一方の端部に設けられる。すなわち、口金部22は、照明部2の一方の先端部であると言える。口金部22は、ピン端子221を有する。ピン端子221は、LED照明装置1を取付ける天井等の被取付面に設置された照明装置本体(図示せず。)のソケットに挿入されて固定される。これにより、LEDは、電源(図示せず。)と接続される。
【0018】
口金部23は、直管ランプ21の他方の端部に設けられる。すなわち、口金部23は、照明部2の他方の先端部であると言える。口金部23は、ダミー端子231を有する。ダミー端子231は、電源とは接続されない。ダミー端子231は、照明装置本体(図示せず。)にLED照明装置1を固定するために用いられる。また、ダミー端子231は、アースとして機能させてもよい。
【0019】
撮像部3は、図2に示すように、カメラ収容部31及びカメラ収容部31に収容されたカメラ32を有する。
【0020】
カメラ収容部31は、直管ランプ21の軸心Cに対して周方向に回転するように照明部2に軸支されている。カメラ収容部31は、直管ランプ21の軸心Cに対して周方向に回転できればよく、照明部2にどのように軸支されるかは特に限定されるものではない。カメラ収容部31は、軸心Cを通る垂線L1に対して周方向に-60°~60°の回転角度を有する。これにより、建築物又は車両等の室内において比較的広い範囲を撮影することができる。なお、ここでは図示の反時計回りを正角とし、時計回りを負角とする。カメラ収容部31の回転角度は、これに限られず、建築物又は車両等の室内の面積又は内装等の状況に応じて種々変更してもよい。建築物又は車両等の室内には、複数のLED照明装置1が設置される。例えば、鉄道車両内には、車両の進行方向に対して車両室内の天井の左側及び右側の各々にLED照明装置1が設置される。カメラ収容部31の垂線L1に対する角度は、左側及び右側に設置されたLED照明装置1のカメラ32が客室内を万遍なく撮影できるように適宜決定できる。例えば、カメラ収容部31の垂線L1に対する角度は、15°間隔で固定されるようにしてもよい。なお、カメラ収容部31は、カメラ32を制御するための制御回路等も収容されている。
【0021】
カメラ32は、レンズ321を有する。カメラ32の本体は、カメラ収容部31に収容されている。レンズ321は、カメラ収容部31に設けられた貫通孔から露出している。レンズ321は、魚眼レンズである。なお、レンズ321は、標準レンズ等の種々のカメラ用レンズから適宜選択してもよい。ただし、レンズ321は、建築物又は車両の室内を比較的広い範囲で撮影するという観点からすれば、好ましくは広角レンズとするのがよく、より好ましくは魚眼レンズとするのがよい。なお、魚眼レンズは、一般的に、180°の画角を有する。レンズ321は、直管ランプ21の軸心Cに対して直交方向に延びる仮想線L2を通る光軸を有する。なお、カメラ32は、直管ランプ21と電気的に接続されている。これにより、カメラ32は、電源を確保している。
【0022】
図3に示すように、レンズ321は、直管ランプ21の軸心Cの周方向において、仮想線L2に対する光軸の角度を変えることができるように可動する。光軸の角度は、仮想線L2に対して-60°~60°の範囲で変えることができる。すなわち、レンズ321は、直管ランプ21の軸心Cの周方向において仮想線L2に対する光軸の角度を-60°~60°の範囲で変えるように可動する。レンズ321の周方向の可変角度は、これに限られず、建築物又は車両等の室内の面積又は内装等の状況に応じて種々変更してもよい。
【0023】
例えば、図3に示すようにカメラ収容部31が垂線L1に対して45°の角度で固定されている場合に、レンズ321の光軸の角度を仮想線L2に対して-45°に設定する。そうすると、直管ランプ21の軸心Cが室内の天井と平行となるようにLED照明装置1が設置されている場合、レンズ321の光軸は、天井に対して垂直方向下方を向く。これにより、レンズ321として比較的画角が広い魚眼レンズを用いた場合であっても天井を撮影範囲に含めることなく、効率的に室内を撮影することができる。また、例えば、直管ランプ21の軸心Cの直下に鉄道車両内の吊り革を吊り下げるためのポール又は手摺り等の障害物がある場合、カメラ収容部31を垂線L1に対して45°の角度で固定し、かつ、レンズ321の光軸の角度を仮想線L2に対して-45°に設定することにより、撮影範囲の中央に障害物が撮影されてしまうことを回避できる。このように、カメラ収容部31及びレンズ321の光軸の角度を各々変えるようにしたことにより、比較的画角が広い魚眼レンズであっても撮影範囲の無駄及び障害物を回避して効率よく撮影範囲を決定することができる。
【0024】
図4に示すように、レンズ321は、直管ランプ21の軸心Cの水平方向において、仮想線L2に対する光軸の角度を変えることができるように可動する。ここで水平方向とは、軸心Cを含む面に沿う方向である。光軸の角度は、仮想線L2に対して-60°~60°の範囲で変えることができる。すなわち、レンズ321は、直管ランプ21の軸心Cの水平方向において仮想線L2に対する光軸の角度を-60°~60°の範囲で変えるように可動する。なお、ここでは図示の反時計回りを正角とし、時計回りを負角とする。レンズ321の周方向の可変角度は、これに限られず、建築物又は車両等の室内の面積又は内装等の状況に応じて種々変更してもよい。これにより、水平方向においてカメラ32の撮影範囲を広くしても、障害物等を回避して効率よく撮影範囲を決定することができる。
【0025】
上述の通り、建築物又は車両の室内には複数のLED照明装置1が設置される。カメラ収容部31の周方向の角度及びレンズ321における光軸の周方向の角度及び水平方向の角度を各々-60°~60°の範囲で変えるようしたことにより、互いのLED照明装置1に設けられたカメラ32の撮影範囲が重なることを抑制し、所望の撮影範囲を無駄なく撮影でき、効率的に各々のカメラ32の撮影範囲を決定することができる。
【0026】
カメラ収容部31の回転及びレンズ321の可動は、手動であってもよく遠隔操作によって実現されてもよい。また、レンズ321は、カメラ収容部31の回転に対して自動的に垂直方向下方を向くように制御されてもよい。
【0027】
以上、実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 LED照明装置
2 照明部
21 直管ランプ
22 口金部
23 口金部
3 撮像部
31 カメラ収容部
32 カメラ
321 レンズ
C 軸心
L1 垂線
L2 仮想線
図1
図2
図3
図4