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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142461
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】遊技球供給装置、および遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A63F7/02 307B
A63F7/02 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049386
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】500224302
【氏名又は名称】株式会社ブラザーエンタープライズ
(74)【代理人】
【識別番号】100109195
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 勝典
(72)【発明者】
【氏名】船本 正也
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正典
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA66
2C088BA63
2C088DA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】永久磁石の磁力により球供給部材を所定の静止位置に保持することにより、遊技球を1個ずつ確実に供給する。
【解決手段】球供給部材は、球止部分または球受部分が遊技球供給路に位置するように回動可能である。球供給部材に取り付けられる永久磁石は、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能である。球供給部材が第1回動位置に位置するときに球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球供給部材が第2回動位置に位置するときに球止部分が後続の遊技球の移動を止める。制御部は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の供給路に配置され、遊技球を1個ずつ発射装置に向かって供給する遊技球供給装置であって、
装置フレームと、
球止部分および球受部分を有する球供給部材であって、球止部分および球受部分のいずれかが供給路に位置するように装置フレームに回動可能に取り付けられる球供給部材と、
磁性材料から形成される磁芯、および磁芯に巻かれるコイルを含み、装置フレームに取り付けられる電磁石と、
球供給部材に取り付けられる永久磁石であって、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能に配置される永久磁石と、
電磁石のコイルの励磁を制御する制御部と、を備え、
球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止め、
制御部は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する遊技球供給装置。
【請求項2】
遊技球を発射する発射装置と、発射装置まで遊技球を供給する供給路と、供給路に配置され、遊技球を1個ずつ発射装置に向かって供給する遊技球供給装置と、遊技動作を実行するために発射装置および遊技球供給装置の動作を制御する制御部と、を備える遊技機において、
装置フレームと、
球止部分および球受部分を有する球供給部材であって、球止部分および球受部分のいずれかが供給路に位置するように装置フレームに回動可能に取り付けられる球供給部材と、
磁性材料から形成される磁芯、および磁芯に巻かれるコイルを含み、装置フレームに取り付けられる電磁石と、
球供給部材に取り付けられる永久磁石であって、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能に配置される永久磁石と、を備え、
球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止め、
電磁石のコイルが制御部により励磁されるときに、球供給部材は、永久磁石と電磁石の磁芯との間に作用する磁気反発力により、第2回動位置から第1回動位置に回動し、
電磁石のコイルが制御部により消磁されるときに、球供給部材は、永久磁石と電磁石の磁芯との間に作用する磁気吸引力により、第1回動位置から第2回動位置に回動する遊技球供給装置。
【請求項3】
電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面を有し、
永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により球供給部材が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とが間隔をあけて位置するように、球供給部材の第2回動位置を規制する吸引回動規制部を備える請求項1または請求項2に記載の遊技球供給装置。
【請求項4】
球供給部材の球止部分は、供給路に沿って移動する遊技球の移動を止めるために遊技球の球表面と接触する接触面を有し、
球供給部材が第2回動位置に位置するときに、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により発生する球供給部材の回動軸線周りの回転モーメントと、遊技球から球止部分の接触面に作用する押圧力により発生する球供給部材の回動軸線周りの回転モーメントとが、互いに反対方向となるように、永久磁石および球止部分が球供給部材に配置される請求項3に記載の遊技球供給装置。
【請求項5】
球供給部材の球止部分は、供給路に沿って移動する遊技球の移動を止めるために遊技球の球表面と接触する接触面を有し、
球供給部材の回動軸線と永久磁石の磁極面との間の距離は、球供給部材の回動軸線と球止部分の接触面との間の距離より短くなるように、永久磁石および球止部分が球供給部材に配置される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技球供給装置。
【請求項6】
電磁石の磁芯は、電磁石のコイルが制御部により励磁されるときに、永久磁石の磁極面との間で磁気反発力が作用する端面を有し、
永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気反発力により球供給部材が第2回動位置から第1回動位置に回動するときに、球供給部材の第1回動位置を規制するために装置フレームに配置される反発回動規制部を備え、
球供給部材は、第1回動位置に位置するときに反発回動規制部に当接する反発当接部分と、球供給部材の回動軸線から異なる放射線方向にそれぞれ延びる第1腕部分および第2腕部分とを有し、
永久磁石は、第1腕部分に配置され、
球止部分および球受部分と、反発当接部分とは、第2腕部分に配置される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の遊技球供給装置。
【請求項7】
電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面を有し、
永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により球供給部材が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、球供給部材の第2回動位置を規制するために装置フレームに配置される吸引回動規制部を備え、
球供給部材は、第2回動位置に位置するときに吸引回動規制部に当接する吸引当接部分と、球供給部材の回動軸線から異なる放射線方向にそれぞれ延びる第1腕部分および第2腕部分とを有し、
永久磁石は、第1腕部分に配置され、
球止部分および球受部分は、第2腕部分に配置され、
吸引当接部分は、球止部分および球受部分より球供給部材の回動軸線に近い位置で第2腕部分に配置される請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の遊技球供給装置。
【請求項8】
電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面であって、鉛直方向に延びる端面を有し、
球供給部材が第2回動位置に位置するときに、第1腕部分は球供給部材の回動軸線から鉛直方向に延び、
永久磁石は、電磁石の磁芯の端面と対向する第1腕部分の部位に配置され、
球供給部材が第2回動位置に位置するときに、永久磁石の磁極面は、鉛直方向に延びる請求項6または請求項7に記載の遊技球供給装置。
【請求項9】
電磁石のコイルが励磁されるときに電磁石が発生する磁束を、球供給部材に取り付けられる永久磁石に向けて誘導するために磁性材料から形成される磁束誘導部材を備え、
電磁石の磁芯は、永久磁石との間で磁気反発力が作用する一方の端部と、その一方の端部の反対側に位置する他方の端部とを有し、
磁束誘導部材は、球供給部材に取り付けられる永久磁石に近接して配置される作用端部を有し、その作用端部から離れる位置で磁芯の他方の端部と連結される請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の遊技球供給装置。
【請求項10】
磁束誘導部材の作用端部は、球供給部材が第2回動位置に位置するときに配置される永久磁石よりも、球供給部材が第1回動位置に位置するときに配置される永久磁石に近接して位置するように、装置フレームまたは電磁石に取り付けられる請求項9に記載の遊技球供給装置。
【請求項11】
発射ハンドルの操作に従って遊技球を発射する発射装置と、発射装置まで遊技球を供給する供給路と、供給路に配置され、遊技球を1個ずつ発射装置に向かって供給する遊技球供給装置と、遊技動作を実行するために発射装置および遊技球供給装置の動作を制御する制御部と、を備える遊技機であって、
遊技球供給装置は、
装置フレームと、
球止部分および球受部分を有する球供給部材であって、球止部分および球受部分のいずれかが供給路に位置するように装置フレームに回動可能に取り付けられる球供給部材と、
磁性材料から形成される磁芯、および磁芯に巻かれるコイルを含み、装置フレームに取り付けられる電磁石と、
球供給部材に取り付けられる永久磁石であって、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能に配置される永久磁石と、を備え、
球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止め、
制御部は、
第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する電磁石制御処理と、
発射ハンドルが操作される操作状態において、電磁石のコイルの各励磁に連動して、各発射動作を発射装置に実行させる遊技実行制御処理と、
発射ハンドルが操作状態から操作されない状態に変化するときに、電磁石のコイルを消磁する状態において少なくとも1回の発射動作を発射装置に実行させる遊技停止制御処理と、を実行する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の発射装置に向かって遊技球を1個ずつ供給するために遊技球の供給路に配置される遊技球供給装置であって、球止部分および球受部分を有する回動可能な球供給部材と、球供給部材を回動させるために励磁される電磁石とを備える遊技球供給装置に関する。詳細には、本発明は、球止部分が供給路に位置する回動位置に球供給部材が回動するときに、球止部分が、供給路に沿って移動する遊技球に当接して遊技球の移動を止め、球受部分が供給路に位置する回動位置に球供給部材が回動するときに、球受部分が、発射装置に向かって遊技球を供給するために供給路から遊技球を1個だけ受け取る遊技球供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、球供給部材と、電磁石とを備える遊技球供給装置が種々提案されている。たとえば、遊技球供給装置として特許文献1に記載されるパチンコ球整流器は、球供給部材としての回動可能な整流カムと、整流カムと一体化された可動磁性片と、電磁石とを備える。電磁石は、鉄心と、鉄心に巻かれるコイルとを有する。電磁石が励磁されるときに、可動磁性片が鉄心の吸着面に吸着されることにより、整流カムは、所定の静止位置から回動して、供給路の球導入口からパチンコ球を1個だけ受け入れる状態になる。電磁石が消磁されるときに、整流カムは、整流カムの自重で回動して所定の静止位置に戻り、供給路の球導入口から送り出される後続のパチンコ球の移動を止めるとともに、受け入れていたパチンコ球を発射装置に向かって送り出す状態になる。
【0003】
また、遊技球供給装置として特許文献2に記載されるパチンコ球整流器は、球供給部材としての回動可能な整流カムと、整流カムと一体化された永久磁石と、電磁石とを備える。電磁石は、鉄心を有しない空芯状態のコイルを有する。電磁石が励磁されるときに、電磁石は永久磁石との間で強い磁気吸引力を発生させて永久磁石を吸引することにより、整流カムは、所定の静止位置から回動して、供給路の球導入口からパチンコ球を1個だけ受け入れる状態になる。電磁石が消磁されるときに、整流カムは、整流カムおよび永久磁石の合計重量で回動して所定の静止位置に戻り、供給路の球導入口から送り出される後続のパチンコ球の移動を止めるとともに、受け入れていたパチンコ球を発射装置に向かって送り出す状態になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-131429号公報
【特許文献2】特許第5238218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、および特許文献2に記載のパチンコ球整流器においては、整流カムは、整流カムを含む部材の重量により所定の静止位置まで回動し、その重量により所定の静止位置に保持される。整流カムが所定の静止位置に保持されることにより、後続のパチンコ球の移動を止めることができる。しかし、遊技機の遊技動作中には、種々の要因により振動が遊技機に発生し、その振動が整流カムに伝達される。たとえば、ユーザが遊技機を故意に振動させる場合、特許第4457343号公報に記載されるように発射制御シーケンスにおいて、特定の条件を満たすときに発射装置が空打ち処理を行う場合、または、ユーザが発射ハンドルから手指を離した状態において発射装置内に残るパチンコ球を除去するために発射装置が少なくとも1回の発射動作を自動的に行う場合などに、振動が整流カムに伝達される。振動が整流カムに伝達されると、整流カムは、整流カムなどの部材の重量による保持力に抗して所定の静止位置から不用意に回動することがある。不用意な整流カムの回動により、後続のパチンコ球が、整流カムの球受部分に入り込み、発射装置に誤って供給されることがある。
【0006】
整流カムを所定の静止位置に保持することができない現象は、振動が整流カムに伝達される場合だけでなく、ユーザの手指の脂などの粘性のある汚れ、またはパチンコ球と遊技盤などの遊技機内部の部材との摩擦により生ずる摩耗粉が多くのパチンコ球に付着する場合、状況によっては、粘性のある汚れまたは摩耗粉がパチンコ球を通して整流カムにも付着する場合にも、発生するおそれがある。粘性のある汚れまたは摩耗粉が後続のパチンコ球に付着していると、後続のパチンコ球に対する整流カムの接触抵抗が大きくなり、整流カムが後続のパチンコ球の球表面を滑って円滑に移動することができなくなる。このため、整流カムが所定の静止位置に完全に戻らない不安定な状態で、整流カムの球止部分が後続のパチンコ球と接触して後続のパチンコ球の移動を止めることができないおそれがある。
【0007】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされ、永久磁石の磁力により球供給部材を所定の静止位置に保持することにより、遊技球を1個ずつ確実に発射装置に供給することができる遊技球供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の第1発明態様は、遊技球の供給路に配置され、遊技球を1個ずつ発射装置に向かって供給する遊技球供給装置であって、装置フレームと、球止部分および球受部分を有する球供給部材であって、球止部分および球受部分のいずれかが供給路に位置するように装置フレームに回動可能に取り付けられる球供給部材と、磁性材料から形成される磁芯、および磁芯に巻かれるコイルを含み、装置フレームに取り付けられる電磁石と、球供給部材に取り付けられる永久磁石であって、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能に配置される永久磁石と、電磁石のコイルの励磁を制御する制御部と、を備え、球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止め、制御部は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する。
【0009】
本発明態様では、遊技機は、発射装置により遊技球を発射させて遊技動作を実行する構成であれば、パチンコ機、スロットマシン、およびアレンジボール遊技機などを含む。
【0010】
本発明態様では、遊技球の供給路は、種々の構成で具現化される。たとえば、特開平10-314381号公報に記載されるように、遊技球の供給路は、供給皿から発射装置に遊技球を供給する構成であってもよい。また、特許第5035290号公報に記載されるように、遊技球の供給路は、遊技機の内部で遊技球を循環させる封入式の遊技機において球補給通路に接続される通路から発射装置に遊技球を供給する構成であってもよい。
【0011】
本発明態様では、装置フレームは、遊技球供給装置を構成するフレームであってもよいし、遊技球供給装置が搭載される遊技機を構成するフレームであってもよい。
【0012】
本発明態様では、制御部は、遊技球供給装置に専用の制御部であって、遊技機の動作と連携して遊技球供給動作を制御する制御部であってもよいし、遊技球供給装置が搭載される遊技機の動作全体を制御する制御部であってもよい。
【0013】
本発明態様では、制御部は、遊技動作を実行するために、発射装置の発射動作と連動して電磁石のコイルの励磁を制御する構成であれば、遊技動作を停止するときには、電磁石のコイルの励磁を制御する動作を、発射装置の発射動作と連動させない構成であってもよい。
【0014】
本発明態様では、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、電磁石の磁芯の端面と、永久磁石の磁極面とが、間隔をあけて位置する構成であってもよいし、磁芯の端面と永久磁石の磁極面とが接触する構成であってもよい。磁芯の端面と永久磁石の磁極面とが接触する構成であれば、球供給部材を第2回動位置に規制する特別の部材を備える必要はない。
【0015】
本発明態様では、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、電磁石の磁芯の端面と、永久磁石の磁極面との間に磁気吸引力が作用する構成であれば、球供給部材を第2回動位置に向かって回動させるために、従来技術と同様に、錘を備える構成であってもよい。
【0016】
本発明態様では、球供給部材は、球止部分および球受部分と、永久磁石が取り付けられる部分とを有する構成であれば、種々の構成で具現化される。たとえば、球止部分および球受部分を有する部材と、永久磁石が取り付けられる部分を有する部材とが、別個の部材により構成され、球供給部材の回動軸線の方向に間隔あけて配置される構成であってもよい。
【0017】
本発明態様では、永久磁石が球供給部材と共に回動する構成であれば、永久磁石を球供給部材に取り付ける手段は、種々の構成で具現化される。たとえば、インサート成形により球供給部材を永久磁石と一体に成形する構成であってもよいし、ネジ、および接着剤などにより永久磁石を球供給部材に固定する構成であってもよし、永久磁石を球供給部材の凹部に嵌合させて装着する構成であってもよい。
【0018】
本発明態様では、電磁石の磁芯は、コイルの励磁により発生する磁力線を透過させるとともに、永久磁石の磁界により磁化される性質を有するのであれば、種々の磁性材料により形成される。たとえば、亜鉛メッキ鋼板などの磁性材料が、電磁石の磁芯として使用される。
【0019】
請求項2に記載の第2発明態様は、遊技球を発射する発射装置と、発射装置まで遊技球を供給する供給路と、供給路に配置され、遊技球を1個ずつ発射装置に向かって供給する遊技球供給装置と、遊技動作を実行するために発射装置および遊技球供給装置の動作を制御する制御部と、を備える遊技機において、装置フレームと、球止部分および球受部分を有する球供給部材であって、球止部分および球受部分のいずれかが供給路に位置するように装置フレームに回動可能に取り付けられる球供給部材と、磁性材料から形成される磁芯、および磁芯に巻かれるコイルを含み、装置フレームに取り付けられる電磁石と、球供給部材に取り付けられる永久磁石であって、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能に配置される永久磁石と、を備え、球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止め、電磁石のコイルが制御部により励磁されるときに、球供給部材は、永久磁石と電磁石の磁芯との間に作用する磁気反発力により、第2回動位置から第1回動位置に回動し、電磁石のコイルが制御部により消磁されるときに、球供給部材は、永久磁石と電磁石の磁芯との間に作用する磁気吸引力により、第1回動位置から第2回動位置に回動する。
【0020】
本発明態様は、第1発明態様と同様に、種々の構成で具現化される。本発明態様は、制御部を必須の構成要素としないが、制御部は、遊技球供給装置に専用の制御部であって、遊技機の動作と連携して遊技球供給動作を制御する制御部と、遊技球供給装置が搭載される遊技機の動作全体を制御する制御部とを含む構成であってもよいし、遊技球供給装置および遊技機の両者を制御する1つの制御部であってもよい。
【0021】
請求項3に記載の具体的態様では、電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面を有し、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により球供給部材が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とが間隔をあけて位置するように、球供給部材の第2回動位置を規制する吸引回動規制部を備える。
【0022】
本具体的態様では、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とが間隔をあけて位置するために、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に空隙が形成されるように、吸引回動規制部が装置フレームに配置される構成であってもよい。または、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とが間隔をあけて位置するために、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とのいずれかに、吸引回動規制部がスペーサとして配置される構成であってもよい。たとえば、スペーサとして、合成樹脂製のシート、または非磁性ステンレスの薄板などが使用される。
【0023】
本具体的態様では、吸引回動規制部は、装置フレームに配置されてもよいし、装置フレームに取り付けられる部材、たとえば、電磁石の磁芯に配置されてもよい。
【0024】
請求項4に記載の具体的態様では、球供給部材の球止部分は、供給路に沿って移動する遊技球の移動を止めるために遊技球の球表面と接触する接触面を有し、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により発生する球供給部材の回動軸線周りの回転モーメントと、遊技球から球止部分の接触面に作用する押圧力により発生する球供給部材の回動軸線周りの回転モーメントとが、互いに反対方向となるように、永久磁石および球止部分が球供給部材に配置される。
【0025】
本具体的態様では、永久磁石の磁極面が、球止部分の接触面よりも、球供給部材の回動軸線に近い位置に配置されてもよいし、球供給部材の回動軸線から遠い位置に配置されてもよい。または、球供給部材の回動軸線と永久磁石の磁極面との間の距離が球供給部材の回動軸線と球止部分の接触面との間の距離とほぼ同じになるように、永久磁石の磁極面が配置されてもよい。
【0026】
請求項5に記載の具体的態様では、球供給部材の球止部分は、供給路に沿って移動する遊技球の移動を止めるために遊技球の球表面と接触する接触面を有し、球供給部材の回動軸線と永久磁石の磁極面との間の距離は、球供給部材の回動軸線と球止部分の接触面との間の距離より短くなるように、永久磁石および球止部分が球供給部材に配置される。
【0027】
請求項6に記載の具体的態様では、電磁石の磁芯は、電磁石のコイルが制御部により励磁されるときに、永久磁石の磁極面との間で磁気反発力が作用する端面を有し、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気反発力により球供給部材が第2回動位置から第1回動位置に回動するときに、球供給部材の第1回動位置を規制するために装置フレームに配置される反発回動規制部を備え、球供給部材は、第1回動位置に位置するときに反発回動規制部に当接する反発当接部分と、球供給部材の回動軸線から異なる放射線方向にそれぞれ延びる第1腕部分および第2腕部分とを有し、永久磁石は、第1腕部分に配置され、球止部分および球受部分と、反発当接部分とは、第2腕部分に配置される。
【0028】
本具体的態様では、反発当接部分が、球止部分および球受部分よりも、球供給部材の回動軸線に近い位置に配置されてもよいし、球供給部材の回動軸線から遠い位置に配置されてもよい。または、球供給部材の回動軸線と反発当接部分との間の距離が球供給部材の回動軸線と球止部分および球受部分との間の距離とほぼ同じになるように、反発当接部分が配置されてもよい。
【0029】
請求項7に記載の具体的態様では、電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面を有し、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により球供給部材が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、球供給部材の第2回動位置を規制するために装置フレームに配置される吸引回動規制部を備え、球供給部材は、第2回動位置に位置するときに吸引回動規制部に当接する吸引当接部分と、球供給部材の回動軸線から異なる放射線方向にそれぞれ延びる第1腕部分および第2腕部分とを有し、永久磁石は、第1腕部分に配置され、球止部分および球受部分は、第2腕部分に配置され、吸引当接部分は、球止部分および球受部分より球供給部材の回動軸線に近い位置で第2腕部分に配置される。
【0030】
請求項8に記載の具体的態様では、電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面であって、鉛直方向に延びる端面を有し、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、第1腕部分は球供給部材の回動軸線から鉛直方向に延び、永久磁石は、電磁石の磁芯の端面と対向する第1腕部分の部位に配置され、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、永久磁石の磁極面は、鉛直方向に延びる。
【0031】
請求項9に記載の具体的態様では、電磁石のコイルが励磁されるときに電磁石が発生する磁束を、球供給部材に取り付けられる永久磁石に向けて誘導するために磁性材料から形成される磁束誘導部材を備え、電磁石の磁芯は、永久磁石との間で磁気反発力が作用する一方の端部と、その一方の端部の反対側に位置する他方の端部とを有し、磁束誘導部材は、球供給部材に取り付けられる永久磁石に近接して配置される作用端部を有し、その作用端部から離れる位置で磁芯の他方の端部と連結される。
【0032】
本具体的態様では、磁束誘導部材は、磁束が誘導されるように磁芯の他方の端部と連結されるのであれば、磁芯の他方の端部に一体的に固定される構成であってもよいし、磁芯の他方の端部と接触して係合する構成であってもよい。
【0033】
請求項10に記載の具体的態様では、磁束誘導部材の作用端部は、球供給部材が第2回動位置に位置するときに配置される永久磁石よりも、球供給部材が第1回動位置に位置するときに配置される永久磁石に近接して位置するように、装置フレームまたは電磁石に取り付けられる。
【0034】
本具体的態様では、磁束誘導部材が永久磁石に近接して位置するように取り付けられる構成として、種々の構成が考えられる。たとえば、磁束誘導部材が装置フレームのみに取り付けられる構成、磁芯およびコイル以外で電磁石を構成する部材のみに取り付けられる構成、または、装置フレームと電磁石の構成部材との協働により取り付けられる構成など考えられる。
【0035】
請求項11に記載の第3発明態様は、発射ハンドルの操作に従って遊技球を発射する発射装置と、発射装置まで遊技球を供給する供給路と、供給路に配置され、遊技球を1個ずつ発射装置に向かって供給する遊技球供給装置と、遊技動作を実行するために発射装置および遊技球供給装置の動作を制御する制御部と、を備える遊技機であって、遊技球供給装置は、装置フレームと、球止部分および球受部分を有する球供給部材であって、球止部分および球受部分のいずれかが供給路に位置するように装置フレームに回動可能に取り付けられる球供給部材と、磁性材料から形成される磁芯、および磁芯に巻かれるコイルを含み、装置フレームに取り付けられる電磁石と、球供給部材に取り付けられる永久磁石であって、球供給部材の回動に伴って電磁石の磁芯に対して接離可能に配置される永久磁石と、を備え、球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取り、球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止め、制御部は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する電磁石制御処理と、発射ハンドルが操作される操作状態において、電磁石のコイルの各励磁に連動して、各発射動作を発射装置に実行させる遊技実行制御処理と、発射ハンドルが操作状態から操作されない状態に変化するときに、電磁石のコイルを消磁する状態において少なくとも1回の発射動作を発射装置に実行させる遊技停止制御処理と、を実行する。
【0036】
本発明態様は、第1発明態様、第2発明態様、および、その具体的態様と同様に、種々の構成で具現化される。本発明態様では、制御部は、遊技球供給装置に専用の制御部であって、遊技機の動作と連携して制御動作を実行する制御部と、遊技球供給装置が搭載される遊技機の全体を制御する制御部とを含む構成であってもよいし、遊技球供給装置および遊技機の両者を制御する1つの制御部であってもよい。
【発明の効果】
【0037】
請求項1に記載の第1発明態様では、球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取る。球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止める。制御部は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁する。制御部は、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する。この結果、永久磁石の磁力により球供給部材を所定の静止位置である第2回動位置に保持することにより、遊技球を1個ずつ確実に発射装置に向かって供給することができる。
【0038】
請求項2に記載の第2発明態様では、球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取る。球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止める。電磁石のコイルが制御部により励磁されるときに、球供給部材は、永久磁石と電磁石の磁芯との間に作用する磁気反発力により、第2回動位置から第1回動位置に回動する。電磁石のコイルが制御部により消磁されるときに、球供給部材は、永久磁石と電磁石の磁芯との間に作用する磁気吸引力により、第1回動位置から第2回動位置に回動する。この結果、永久磁石の磁力により球供給部材を所定の静止位置である第2回動位置に保持することにより、遊技球を1個ずつ確実に発射装置に向かって供給することができる。
【0039】
請求項3に記載の具体的態様では、吸引回動規制部は、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により球供給部材が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とが間隔をあけて位置するように、球供給部材の第2回動位置を規制する。この結果、永久磁石の磁極面と磁芯の端面とが接触する場合に比べて、磁気吸引力を抑制することができ、電磁石のコイルが励磁されるときに球供給部材を第2回動位置から第1回動位置に向けて円滑に回動させることができる。
【0040】
請求項4に記載の具体的態様では、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により発生する球供給部材の回動軸線周りの回転モーメントと、遊技球から球止部分の接触面に作用する押圧力により発生する球供給部材の回動軸線周りの回転モーメントとが、互いに反対方向となるように、永久磁石および球止部分が球供給部材に配置される。この結果、球供給部材の回動を規制するときに、球供給部材から吸引回動規制部に作用する衝突力を低減することができる。
【0041】
請求項5に記載の具体的態様では、球供給部材の回動軸線と永久磁石の磁極面との間の距離は、球供給部材の回動軸線と球止部分の接触面との間の距離より短くなるように、永久磁石および球止部分が球供給部材に配置される。この結果、永久磁石の小さな回動でも、球止部分は大きく回動することができ、球受部分は、後続の遊技球を確実に受け取ることができる。
【0042】
請求項6に記載の具体的態様では、反発回動規制部は、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気反発力により球供給部材が第2回動位置から第1回動位置に回動するときに、球供給部材の第1回動位置を規制する。反発当接部分は、球供給部材が第1回動位置に位置するときに、反発回動規制部に当接する。球供給部材は、反発当接部分と、球供給部材の回動軸線から異なる放射線方向にそれぞれ延びる第1腕部分および第2腕部分とを有する。永久磁石は、第1腕部分に配置され、球止部分および球受部分と、反発当接部分とは、第2腕部分に配置される。この結果、反発当接部分が、球止部分および球受部分が配置される第2腕部分の回動を直接規制することにより、球受部分を第1回動位置に位置精度良く停止させることができる。
【0043】
請求項7に記載の具体的態様では、吸引回動規制部は、永久磁石の磁極面と磁芯の端面との間に作用する磁気吸引力により球供給部材が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、球供給部材の第2回動位置を規制する。吸引当接部分は、球供給部材が第2回動位置に位置するときに吸引回動規制部に当接する。永久磁石は、球供給部材の第1腕部分に配置され、球止部分および球受部分は、球供給部材の第2腕部分に配置され、吸引当接部分は、球止部分および球受部分より球供給部材の回動軸線に近い位置で第2腕部分に配置される。この結果、吸引当接部分が、吸引回動規制部と協働して、球止部分が配置される第2腕部分の回動を直接規制することにより、球止部分を位置精度良く且つ迅速に停止させることができ、後続の遊技球を確実に止めることができる。
【0044】
請求項8に記載の具体的態様では、電磁石の磁芯は、永久磁石の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面であって、鉛直方向に延びる端面を有する。球供給部材が第2回動位置に位置するときに、第1腕部分は球供給部材の回動軸線から鉛直方向に延びる。永久磁石は、電磁石の磁芯の端面と対向する第1腕部分の部位に配置され、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、永久磁石の磁極面は鉛直方向に延びる。この結果、球供給部材が第2回動位置に位置するときに、磁気吸引力は水平方向において球供給部材に作用し、第1腕部分の重量による重力は球供給部材の回動軸線に向かって作用することから、球供給部材の自重による影響を低減して、磁気吸引力により球供給部材を第2回動位置に確実に保持することができる。
【0045】
請求項9に記載の具体的態様では、磁束誘導部材は、電磁石のコイルが励磁されるときに電磁石が発生する磁束を、球供給部材に取り付けられる永久磁石に向けて誘導する。磁束誘導部材の作用端部は、球供給部材に取り付けられる永久磁石に近接して配置される。この結果、電磁石のコイルが励磁されるときに電磁石が発生する磁束を効果的に永久磁石に向かって誘導することができ、永久磁石に強い磁気反発力を作用させることができる。
【0046】
請求項10に記載の具体的態様では、磁束誘導部材の作用端部は、球供給部材が第2回動位置に位置するときに配置される永久磁石よりも、球供給部材が第1回動位置に位置するときに配置される永久磁石に近接して位置する。この結果、球供給部材が第1回動位置に位置するときに配置される永久磁石に、強い磁気反発力を作用させることができ、球供給部材を第1回動位置に確実に保持することができる。
【0047】
請求項11に記載の第3発明態様では、球受部分が供給路に位置するように球供給部材が第1回動位置に位置するときに、球受部分が供給路から遊技球を受け取る。球止部分が供給路に位置するように球供給部材が第2回動位置に位置するときに、球止部分が供給路に沿って移動する後続の遊技球の移動を止める。制御部は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気反発力が作用するように、電磁石のコイルを励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材を回動させるために永久磁石と電磁石の磁芯との間に磁気吸引力が作用するように、電磁石のコイルを消磁する電磁石制御処理と、発射ハンドルが操作される操作状態において、電磁石のコイルの各励磁に連動して、各発射動作を発射装置に実行させる遊技実行制御処理と、発射ハンドルが操作状態から操作されない状態に変化するときに、電磁石のコイルを消磁する状態において少なくとも1回の発射動作を発射装置に実行させる遊技停止制御処理と、を実行する。この結果、遊技停止制御処理の実行により少なくとも1回の発射動作が実行されても、永久磁石の磁力により球供給部材を所定の静止位置である第2回動位置に保持することにより、発射装置に向かって遊技球を誤って供給することが防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明の実施形態である遊技球供給装置1を前方から見た斜視図である。
図2】遊技球供給装置1を後方から見た背面図である。
図3】技球供給装置1を前方から見た分解斜視図である。
図4】各種の部品がベースフレーム10に組付けられ、カバー12が取り外された状態において、ベースフレーム10を前方から見た斜視図である。
図5図4に示す状態のベースフレーム10を前方から見た正面図である。
図6】球供給部材14を前方から見た正面図である。
図7図6に示すX-X線に沿って切断された球供給部材14の断面図である。
図8図6に示すY-Y線に沿って切断された球供給部材14の断面図である。
図9】球供給部材14を右方から見た側面図である。
図10】カバー12が取り外された状態において、図5に示すZ-Z線に沿って切断されたベースフレーム10および球供給部材14の断面図である。
図11】球送電磁石16の外観を示す斜視図である。
図12】球送電磁石16を分解して示す分解斜視図である。
図13】前方から見た球送電磁石16を示す正面図である。
図14】球送電磁石16がオンされることにより、球供給部材14が第1回動位置に位置する状態を示す図面であって、図5に相当する正面図である。
図15】球送電磁石16がオフされることにより、球供給部材14が第2回動位置に位置する状態を示す図面であって、図5に相当する正面図である。
図16図15における球供給部材14および球送電磁石16を拡大して示す説明図である。
図17】本実施形態である遊技球供給装置1が搭載される遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
図18】遊技機における電源投入時の発射制御処理を示すフローチャートである。
図19】遊技機における遊技動作時の発射制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
[実施形態]
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。本発明の遊技球供給装置は、封入式の遊技機および非封入式の遊技機のいずれにも搭載可能であるが、本実施形態の遊技球供給装置は、特開2002-301239号公報などに開示される揚上機構を備える封入式の遊技機に搭載される。遊技領域から回収された遊技球を移送経路に沿って揚送するために、駆動モータにより回転されるスクリューコンベアを備える揚上機構は、実開昭56-130783号公報などにより、良く知られている。揚上機構により揚送された遊技球は、移送経路の出口から遊技球供給装置に移送される。図1は、本実施形態の遊技球供給装置1の外観を示す斜視図である。図1に矢印で示す3つの方向を、上下方向、前後方向、および左右方向と定め、このように定めた方向を図2以降の図面に矢印で示す。
【0050】
<遊技球供給装置1の詳細な構成>
遊技球供給装置1の詳細な構成について、図1乃至図5を主に参照して説明する。図2は、遊技球供給装置1を後方から見た背面図であり、図3は、遊技球供給装置1を前方から見た分解斜視図である。図4は、各種の部品がベースフレーム10に組付けられ、カバー12が取り外された状態において、ベースフレーム10を前方から見た斜視図であり、図5は、図4に示す状態のベースフレーム10を前方から見た正面図である。遊技球供給装置1は、ベースフレーム10と、カバー12とを備え、球供給部材14、球送電磁石16、およびセンサなどの各種の部品がベースフレーム10に組付けられた後に、カバー12が前方からベースフレーム10に取り付けられることにより、ユニット化される。本実施形態の遊技球供給装置1は、カバー12がベースフレーム10に取り付けられた状態において、カバー12が取り付けられる前方側で、ネジなどの固定手段により、ユニット化された発射装置と連結される。連結された遊技球供給装置1および発射装置の組み合わせが、ネジなどの固定手段により遊技機のフレームに固定される。
【0051】
≪ベースフレーム10の詳細な構成≫
ベースフレーム10の詳細な構成について、図3および図5を主に参照して説明する。ベースフレーム10は、略四角形の板状に形成され、合成樹脂材料により成型される。ベースフレーム10は、図3に示すように、凹所20を備える。凹所20は、前方に開放して形成され、収容凹部22と、球送入凹部24とを含む。収容凹部22は、図5に示すように、球供給部材14が収容される空間を形成する。球送入凹部24は、遊技球が収容凹部22に向かって送入される通路を形成し、図5に示すように、左下がりに傾斜する。収容開口部26が、収容凹部22より上方の位置において、前後方向に貫通してベースフレーム10に形成される。収容開口部26は、図5に示すように、球送電磁石16が収容される空間を形成する。入口開口部28が、球送入凹部24の右端位置において、前後方向に貫通してベースフレーム10に形成される。入口開口部28は、遊技球が球送入凹部24に進入する空間を形成する。球係合面30が、遊技球の球表面の一部分と接触するように円弧形状に形成され、図5に示すように、球送入凹部24の左端位置に配置される。
【0052】
軸支持穴32が、収容凹部22を形成する後方壁部22Aに形成される。回動軸34が、回動軸34の後端部分が軸支持穴32に嵌合することにより、後方壁部22Aから前方に突出する状態でベースフレーム10により支持される。第1支持開口部36が、図5に示すように、球送入凹部24の左端位置より上方の位置において、前後方向に貫通して形成される。第2支持開口部38が、図5に示すように、球送入凹部24の左端位置より下方の位置において、前後方向に貫通して形成される。第1球検出センサ40が、第1支持開口部36に嵌る状態で、ネジ42によりベースフレーム10に取り付けられる。第1球検出センサ40は、球送入凹部24の左端位置に存在する遊技球を検出するときに、球検出信号を発生する。第2球検出センサ44が、第2支持開口部38に嵌る状態で、ネジ46によりベースフレーム10に取り付けられる。第2球検出センサ44は、遊技球供給装置1から発射装置の発射レールHR(図10参照)に向かって複数個の遊技球が誤って供給されることを検出するために配置される。本実施形態では、第2球検出センサ44の検出動作は、遊技球供給装置1の供給動作と直接に関係することはない。第3支持開口部48が、図5に示すように、ベースフレーム10の下方端部のほほ中央の位置において、前後方向に貫通して形成される。図示しない第3球検出センサが、第3支持開口部48に嵌る状態で、ネジによりベースフレーム10に取り付けられる。第3球検出センサは、ファールとなった遊技球を検出するもので、その検出動作は、遊技球供給装置1の供給動作と直接に関係することはない。
【0053】
吸引回動規制部50、および反発回動規制部52が、収容凹部22を画定する壁部に形成される。吸引回動規制部50は、図5に示すように、収容凹部22の下方位置において、右下がりに傾斜する壁部に形成され、平坦な面を有する。反発回動規制部52は、収容凹部22の上方位置において、球送入凹部24の左端位置に近接する壁部から下方に突出して形成される。一対の係止溝54、56が、ベースフレーム10の左端位置において、前後方向に延びてそれぞれ形成される。係止開口部58が、図4に示すように、ベースフレーム10の右端位置において、右方に向かって開口して形成される。
【0054】
≪カバー12の詳細な構成≫
カバー12の詳細な構成について、図1乃至図3を主に参照して説明する。カバー12は、ベースフレーム10の凹所20を前方から覆うように形成され、合成樹脂材料により成型される。カバー12は、球送出開口部60と、係止爪62と、一対の係止片64、66とを備える。球送出開口部60は、カバー12の下方端部のほぼ中央の位置において、前後方向に貫通して形成される。球送出開口部60は、前下がりに傾斜する案内面60Aを有する。案内面60Aは、収容凹部22から送出される遊技球を発射装置の発射レールHRに向かって案内する。係止爪62は、カバー12の右端位置において、後方に屈曲して形成される。係止爪62は、ベースフレーム10の係止開口部58に係合する。一対の係止片64、66は、弾性変形可能に構成され、カバー12の左端位置において、後方に突出して形成される。一対の係止片64、66は、ベースフレーム10の一対の係止溝54、56にそれぞれ係合する。カバー12は一対の係止片64、66などによりベースフレーム10に取り付けられる状態で、図3に示すネジ68を、ベースフレーム10の後方から挿通穴70を介してカバー12のネジ穴に螺合させることにより、カバー12はベースフレーム10に固定される。
【0055】
≪球供給部材14の詳細な構成≫
球供給部材14の詳細な構成について、図6乃至図10を主に参照して説明する。図6は、球供給部材14を前方から見た正面図であり、図7は、図6に示すX-X線に沿って切断された球供給部材14の断面図である。図8は、図6に示すY-Y線に沿って切断された球供給部材14の断面図であり、図9は、球供給部材14を右方から見た側面図である。図10は、カバー12が取り外された状態において、図5に示すZ-Z線に沿って切断されたベースフレーム10および球供給部材14の断面図である。球供給部材14は、略L字の形状に形成され、合成樹脂材料から成型される。球供給部材14は、回動穴72と、第1腕部分73と、第2腕部分74と、球止部分76と、球受部分78とを備える。回動穴72は、回動軸34が挿通されるように、前後方向に貫通して形成される。図6において、第1腕部分73は、回動穴72の形成位置から斜め上方に延び、第2腕部分74は、回動穴72の形成位置から右方に延びる。詳細には、第1腕部分73は、回動穴72の中心を通って斜め上方に延びる第1基準線RL1に沿って斜め上方に延びる。第2腕部分74は、第1基準線RL1と直交するとともに回動穴72の中心を通る第2基準線RL2に沿ってほぼ右方に延びる。球止部分76は、第2腕部分74の右端部分に形成され、第2基準線RL2より上方に位置するように配置される。球止部分76は、遊技球の球表面の一部分と接触する当接面76Aを有する。図10は、球止部分76の当接面76Aが遊技球K1と接触して遊技球K1の供給を止めている状態を示す。球受部分78は、第2腕部分74の右端部分に形成され、球止部分76より下方に位置するように配置される。球受部分78は、遊技球の球表面のうちの略半周分の球表面と接触する円弧形状の球受面78Aを有する。球受面78Aは、下方傾斜端面78Bを含む。下方傾斜端面78Bは、球受面78Aの下端部分において、前方に向かって下方に傾斜して形成される。球受面78Aは、球送入凹部24から受け取った遊技球を収容するために、図3に示す球係合面30とともに、連続する円弧形状の曲面を形成することができる。下方傾斜端面78Bは、遊技球を発射装置の発射レールHR(図10参照)に向かって送り出すために、図3に示す案内面60Aとともに、連続する前下がりの傾斜面を形成することができる。図10は、二点鎖線で示される遊技球K2が下方傾斜端面78Bに沿って送り出され、実線で示される位置まで転がった後に、遊技球K2が発射レールHRの上に位置決めされた状態を示す。
【0056】
球供給部材14は、図7に示すように左方から見た場合に、円形形状の磁石収容凹所80を更に備える。磁石収容凹所80は、図7に示すように、第1腕部分73の上端部分において、前方に大きく開放する状態で形成される。磁石収容凹所80は、略左右方向において間隔をあけて対向する一対の壁部80A、80Bを含む。一対の壁部80A、80Bは、図6に示すように、磁石収容凹所80の収容空間を画定する内壁面をそれぞれ有する。一対の壁部80A、80Bの内壁面は、第1基準線RL1に平行であって前後方向に広がるように、形成される。壁部80Aの右側に位置する外壁面80Cは、第1基準線RL1に平行であって前後方向に広がるように、平坦に形成される。円形形状の永久磁石82が、磁石収容凹所80の前方に開放する開口を通して、一対の壁部80A、80Bの間に挿入される。弾性係止爪84が、壁部80Aの前端部分に形成される。弾性係止爪84は、磁石収容凹所80に収容される永久磁石82が前方から脱落するのを防止するために、永久磁石82の円周面に係合する。磁石収容凹所80に収容される永久磁石82は、図6において、右側に位置する磁極面と、左側に位置する磁極面とを有する。たとえば、右側に位置する磁極面は、N極に磁化され、左側に位置する磁極面は、S極に磁化される。
【0057】
吸引当接部分86、および反発当接部分88が、第2腕部分74にそれぞれ形成される。吸引当接部分86は、第2腕部分74の下端部分において、球受面78Aよりも回動穴72に近接する位置に配置され、第2腕部分74から下方に突出して形成される。吸引当接部分86は、図5において、球供給部材14の時計回り方向の回動を規制するために、吸引回動規制部50に当接することができる。反発当接部分88は、第2腕部分74の上端部分において、球止部分76に近接して配置される。反発当接部分88は、図5において、球供給部材14の反時計回り方向の回動を規制するために、反発回動規制部52に当接することができる。
【0058】
≪球送電磁石16の詳細な構成≫
球送電磁石16の詳細な構成について、図11乃至図13を主に参照して説明する。図11は、球送電磁石16の外観を示す斜視図であり、図12は、球送電磁石16を分解して示す分解斜視図である。図13は、前方から見た球送電磁石16を示す正面図である。球送電磁石16は、コイルボビン90と、コイル92と、一対の磁芯94、96とを含む。コイルボビン90は、一対の鍔部90A、90Bと、両鍔部90A、90Bの間に配置される筒状部分とを含み、電気絶縁性を有する合成樹脂材料から成型される。コイルボビン90は、上下方向に貫通する挿通穴90Cを有する。コイル92は、コイルボビン90の筒状部分に多数回巻かれる。コイル92の両端子は、コンセント98を介して、後述の発射制御部204に接続される。一対の磁芯94、96は、亜鉛メッキ鋼板などの磁性材料から形成される。図12において、一対の磁芯94、96は、同じ形状、および、同じ寸法を有し、芯延出部94A、96Aと、作動端部94B、96Bとを含む。芯延出部94A、96Aは、上下方向に長く延び、コイルボビン90の挿通穴90Cに下方からそれぞれ挿通される。芯延出部94A、96Aの挿通状態において、図13に示すように、作動端部94B、96Bは、コイルボビン90の鍔部90Bより下方に突出して配置され、芯延出部94A、96Aの両上端部は、コイルボビン90の鍔部90Aより上方に突出して配置される。作動端面94C、96Cが、図12に示すように、作動端部94B、96Bの左端部分において、上下方向に平坦な形状にそれぞれ形成される。作動端面94C、96Cの合計の端面の面積は、永久磁石82の各磁極面の円形の面積より小さい面積に設定される。取付穴94D、96Dが、作動端部94B、96Bを前後方向に貫通して形成される。球送電磁石16は、一対の磁芯94、96が図11に示すように前後方向に互いに密着した状態で挿通穴90Cに挿通されることにより、組み立てられる。組み立てられた球送電磁石16は、図3に示すネジ98を、取付穴94D、96Dに挿通して、ベースフレーム10のネジ穴に螺合させることにより、図5に示すように、ベースフレーム10に取り付けられる。
【0059】
磁束誘導部材100が、後述の図16に一点鎖線で示すように、球送電磁石16から発生する磁束、または、永久磁石82から発生する磁束を誘導する磁気回路を形成するために、球送電磁石16に組付けられる。磁束誘導部材100は、図3に示すように、L字形状に屈曲して形成され、亜鉛メッキ鋼板などの磁性材料から形成される。磁束誘導部材100は、右方に延びる延出部分100Aと、下方に延びる垂下部分100Bとを含む。一対の保持突起102、104が、磁束誘導部材100の延出部分100Aにおいて、後方に突出して形成される。保持溝106が、一対の保持突起102、104の間において、後方に開放して形成される。保持係合片108が、磁束誘導部材100の垂下部分100Bの下方部分において、後方に突出して形成される。組み立てられた球送電磁石16において、芯延出部94A、96Aの両上端部が保持溝106に嵌合することにより、磁束誘導部材100が、球送電磁石16に組付けられる。球送電磁石16に組付けられた磁束誘導部材100の一対の保持突起102、104と、芯延出部94A、96Aの両上端部とが、図3に示すように、ベースフレーム10の収容開口部26の上方部分に形成される保持凹部110に、嵌合する。保持係合片108が、図2に示すように、球送電磁石16のための収容開口部26の左側に形成される保持開口部112に、嵌合する。一対の保持突起102、104と保持凹部110とが嵌合するとともに、保持係合片108と保持開口部112とが嵌合することにより、磁束誘導部材100はベースフレーム10に保持される。球送電磁石16がベースフレーム10に取り付けられる状態において、図5、および、後述の図16に示すように、垂下部分100Bは、作動端部94B、96Bの作動端面94C、96Cに近い位置まで、下方に延びる。垂下部分100Bの下端部分は、球供給部材14の第1腕部分73の回動範囲の外であって、第1腕部分73に配置される永久磁石82に近接した位置に配置される。
【0060】
≪球供給部材14の回動位置≫
球供給部材14の回動位置について、図14乃至図16を主に参照して説明する。図14は、球送電磁石16がオンされ、すなわち励磁されることにより、球供給部材14が第1回動位置に位置する状態を示す図面であって、図5に相当する正面図である。図15は、球送電磁石16がオフされ、すなわち消磁されることにより、球供給部材14が第2回動位置に位置する状態を示す図面であって、図5に相当する正面図である。図16は、図15における球供給部材14および球送電磁石16を拡大して示す説明図である。
【0061】
(第1回動位置における球供給部材14の各部分の配置)
第1回動位置における球供給部材14の各部分の配置について、図14を参照して説明する。球送電磁石16がオンされると、球送電磁石16の作動端面94C、96Cと、永久磁石82との間に、球送電磁石16の磁力と永久磁石82の磁力とにより、磁気反発力が作用する。磁気反発力により、球供給部材14は、図14において、回動軸34を中心にして反時計回り方向に回動する。球供給部材14の反発当接部分88がベースフレーム10の反発回動規制部52に当接すると、球供給部材14は、回動を停止して第1回動位置に位置決めされる。第1回動位置において、球供給部材14の壁部80Aの外壁面80Cは、球送電磁石16の作動端面94C、96Cから離れて位置し、永久磁石82の右側の磁極面は、磁束誘導部材100の垂下部分100Bの下端部分に近い位置まで離れる。第1回動位置において、球供給部材14の球受部分78は、球送入凹部24に向い合うように位置する。球受部分78の球受面78Aは、球送入凹部24の内部に配列される多数の遊技球のうちで、最も左方に位置する遊技球K11を受け取る。球受面78Aが1個の遊技球を受け取ると、球送入凹部24の内部に配列される多数の遊技球は、図14において、1個の遊技球の大きさに相当する量だけ左方に移動する。球送電磁石16がベースフレーム10に組付けられる状態において、球送電磁石16の作動端面94C、96Cは、図14に示すように、上下方向、すなわち鉛直方向に延びる。
【0062】
(第2回動位置における球供給部材14の各部分の配置)
第2回動位置における球供給部材14の各部分の配置について、図15を参照して説明する。球送電磁石16がオフされると、球送電磁石16の作動端面94C、96Cと、永久磁石82との間に、永久磁石82の磁力により、磁気吸引力が作用する。磁気吸引力により、球供給部材14は、図15において、回動軸34を中心にして時計回り方向に、第1回動位置から回動する。球供給部材14の吸引当接部分86がベースフレーム10の吸引回動規制部50に当接すると、球供給部材14は、回動を停止して第2回動位置に位置決めされる。第2回動位置において、球供給部材14の壁部80Aの外壁面80Cは、球送電磁石16の作動端面94C、96Cに極めて接近して位置する。第2回動位置において、永久磁石82の右側の磁極面は、作動端面94C、96Cに極めて接近して位置するとともに、永久磁石82の左側の磁極面は、磁束誘導部材100の垂下部分100Bの下端部分に近い位置であって、その下端部分より右側の位置に位置する。第2回動位置において、球供給部材14の球止部分76が、球送入凹部24に向い合うように位置する。図16に示すように、第2回動位置において、永久磁石82の右側の磁極面、および、外壁面80Cは、僅かな間隔をあけて作動端面94C、96Cと平行な状態で向かい合う。球止部分76の当接面76Aは、遊技球K12の球表面の一部分に当接し、遊技球K12が左方に移動することを止める。遊技球K12は、図14において球受面78Aにより受け取られた遊技球K11の直ぐ右方に位置する後続の遊技球である。
【0063】
第2回動位置において、球受部分78の球受面78Aは、ベースフレーム10の球係合面30とともに、連続する円弧形状の曲面を形成する。図14において球受面78Aにより受け取られた遊技球K11は、球受面78Aと球係合面30とにより形成される曲面の空間に収容される。収容された遊技球K11は、球受部分78の下方傾斜端面78Bと、カバー12の案内面60Aとにより、発射装置の発射レールHR(図10参照)に向かって案内される。
【0064】
図16において、位置P1は、球送電磁石16の作動端面94C、96Cと永久磁石82との間に作用する磁気吸引力の合力の作用位置であって、永久磁石82の右側の磁極面上において上下方向の略中央の位置を表す。位置P2は、図15において球止部分76の当接面76Aが遊技球K12および後続の複数の遊技球から左方に向かって押圧される押圧力の合力の作用位置であって、当接面76A上の位置を表す。位置P3は、吸引当接部分86の当接面の中央位置を表す。位置CPは、回動軸34の中心位置、すなわち、回動軸34の回動軸線の位置を表す。第2回動位置において、磁気吸引力の合力により永久磁石82の右側の磁極面に作用する回動軸線周りの回転モーメントは、図16において時計回り方向に作用し、押圧力の合力により球供給部材14の当接面76Aに作用する回動軸線周りの回転モーメントは、図16において反時計回り方向に作用する。位置CPと位置P1との間の距離L1は、位置CPと位置P2との間の距離L2より短い距離であり、位置CPと位置P3との間の距離L3より長い距離に設定される。第2回動位置において、球供給部材14の第1腕部分73は、位置CPから上下方向、すなわち鉛直方向に延びるように位置し、永久磁石82の右側の磁極面も、球送電磁石16の作動端面94C、96Cと平行な状態で、上下方向、すなわち鉛直方向に延びるように位置する。第2回動位置において、永久磁石82は、位置CPを通って鉛直方向に延びる延長線上に位置する。
【0065】
<遊技球供給装置1が搭載される遊技機の電気的構成>
遊技球供給装置1が搭載される遊技機の電気的構成について、図17を参照して説明する。図17は、遊技機の電気的構成を示すブロック図である。遊技機の電気的構成は、特許第4457343号公報などにより公知であるので、本実施形態の遊技球供給装置1に関連する電気的構成を中心に説明する。
【0066】
主制御部200は、遊技機の全体の制御動作を管理する制御部であり、下位の制御部である払出制御部202に、各種の指令を送信する。払出制御部202は、主制御部200からの指令に従って、遊技球の払い出しを制御するとともに、下位の制御部である発射制御部204に、各種の指令を送信する。払出制御部202は、CPUと、プログラムROMとを備える。CPUは、主制御部200からの指令に従って、プログラムROMに記憶される多数のプログラムのうちからプログラムを選択して順次実行する。払出制御部202は、遊技領域から回収された遊技球を移送経路に沿って揚送するために、公知の揚上機構の揚送動作を制御する。揚上機構は、スクリューコンベアと、スクリューコンベアを回転させる揚上駆動モータ210と、揚上機構の移送経路の出口に遊技球が存在することを検出する揚上出口センサ212とを備える。払出制御部202は、揚上駆動モータ210と、揚上出口センサ212とにそれぞれ接続される。払出制御部202は、揚上駆動モータ210を駆動する駆動部を備える。プログラムROMに記憶される多数のプログラムは、図18に示す電源投入時の発射制御を実行するプログラムと、図19に示す遊技動作時の発射制御を実行するプログラムとを含む。
【0067】
発射制御部204は、払出制御部202からの指令に従って、発射装置の発射動作を制御する。発射装置は、発射ハンドルと、発射ハンマを駆動する発射ソレノイド220とを含み、公知の構成を備える。発射ハンドルは、タッチセンサ222と、発射停止ボタン224とを含み、公知の構成を備える。発射制御部204は、球送電磁石16と、第1球検出センサ40と、タッチセンサ222と、発射停止ボタン224と、発射ソレノイド220とにそれぞれ接続される。発射制御部204は、球送電磁石16と、発射ソレノイド220とをそれぞれ駆動する駆動部を備える。
【0068】
<遊技機の発射制御、および、発射制御における遊技球供給装置1の動作>
遊技機の発射制御、および、発射制御における遊技球供給装置1の動作について、図18および図19を主に参照して説明する。図18は、遊技機の電源が投入され、主制御部200、払出制御部202、および発射制御部204が制御動作を開始する際に実行される電源投入時の発射制御を示すフローチャートである。図19は、電源投入時の発射制御が終了した後に、遊技動作が実行される際に実行される遊技動作時の発射制御を示すフローチャートである。図18および図19に示すフローチャートにおいて、処理SA1~SA5と、処理SB1~SB12との各処理は、払出制御部202のCPUが実行する処理である。
【0069】
≪電源投入時の発射制御≫
電源投入時の発射制御について、図18を参照して説明する。遊技機の電源が投入され、電力が制御部200~204に供給されると、払出制御部202は、図18に示す電源投入時の発射制御のためのプログラムを実行する。処理SA1において、払出制御部202は、揚上駆動モータ210を回転駆動する。揚上駆動モータ210が回転駆動されると、遊技球は揚上機構の移送経路に沿ってスクリューコンベアにより揚送される。
【0070】
処理SA2において、払出制御部202は、揚上出口センサ212が遊技球の存在を検出したか否かを判断する。遊技球の存在が検出されない場合(SA2:NO)、処理SA1が再度実行される。遊技球の存在が検出された場合(SA2:YES)、処理SA3が実行される。
【0071】
処理SA3において、払出制御部202は、第1球検出センサ40が遊技球の存在を検出したか否かを判断する。処理SA3の実行のために、払出制御部202は、発射制御部204を介して第1球検出センサ40からの検出信号を受信する。遊技球の存在が検出されない場合(SA3:NO)、処理SA3が再度実行される。遊技球の存在が検出された場合(SA3:YES)、処理SA4が実行される。
【0072】
処理SA4において、払出制御部202は、球送電磁石16がオフされるように発射制御部204に指令を送信する。払出制御部202からの指令に従って、発射制御部204は、球送電磁石16のコイル92への電力供給を停止したままの状態に維持する。球送電磁石16がオフされた状態において、球供給部材14は、図15に示す第2回動位置に位置する。第2回動位置において、球止部分76は、遊技球K12に接触し、遊技球K12が発射装置に向かって供給されることを止める。
【0073】
処理SA5において、払出制御部202は、発射ソレノイド220のオンオフ動作が連続して3回実行されるように発射制御部204に指令を送信する。払出制御部202からの指令に従って、発射制御部204は、発射ソレノイド220のオンオフ動作を連続して3回実行する。具体的には、発射制御部204は、遊技球が発射レールHR上に存在しない状態で、発射ソレノイド220をオンさせて発射ハンマに打球動作をさせる。打球動作の後に、発射制御部204は、発射ソレノイド220をオフさせる。発射ソレノイド220の1回のオン動作と1回のオフ動作との組み合わせを、1回の空打ち動作として、3回の空打ち動作が実行される。この3回の空打ち動作により、遊技動作の開始前に、発射レールHRに誤って残留する遊技球を確実に排出することができる。各空打ち動作において発射ソレノイド220に供給される電流値は、発射レールHRから遊技球を排出することができる一定の電流値に予め定められる。3回の空打ち動作が実行された後に、電源投入時の発射制御は終了する。3回の空打ち動作が実行される場合、発射ハンマの移動に伴い機械的振動がベースフレーム10に伝達されることにより、球供給部材14が振動する。球供給部材14の振動にも拘わらず、球供給部材14は、永久磁石82の磁気吸引力により、第2回動位置に保持され、球止部分76は、遊技球K12の移動を確実に止めることができる。
【0074】
≪遊技動作時の発射制御≫
遊技動作時の発射制御について、図19を参照して説明する。電源投入時の発射制御が終了した後に、払出制御部202は、図19に示す遊技動作時の発射制御のためのプログラムを実行する。処理SB1において、払出制御部202は、タッチセンサ222が遊技者の手指による発射ハンドルへの接触を検出したか否かを判断する。処理SB1の実行のために、払出制御部202は、タッチセンサ222からの検出信号を発射制御部204を介して受信する。発射装置から遊技球を発射させるために、遊技者が発射ハンドルを握ってタッチセンサ222に接触すると、払出制御部202は、タッチセンサ222が接触を検出したと判断し(SB1:YED)、処理SB2を実行する。遊技者が発射ハンドルを握っていない場合、払出制御部202は、タッチセンサ222が接触を検出していないと判断し(SB1:NO)、処理SB1を再度実行する。
【0075】
処理SB2において、払出制御部202は、発射停止ボタン224が遊技者の手指により押されたか否かを判断する。処理SB2の実行のために、払出制御部202は、発射停止ボタン224の押圧操作信号を発射制御部204を介して受信する。遊技者が、遊技球の発射を停止するために、タッチセンサ222に接触した状態で発射停止ボタン224を押すと、払出制御部202は、発射停止ボタン224が押されたと判断し(SB2:YES)、処理SB1を再度実行する。遊技者が、タッチセンサ222に接触した状態で発射停止ボタン224を押さない場合、払出制御部202は、発射停止ボタン224が押されていないと判断し(SB2:NO)、処理SB3を実行する。
【0076】
処理SB3において、払出制御部202は、球送電磁石16がオンオフ動作を1回だけ行うように発射制御部204に指令を送信する。払出制御部202からの指令に従って、発射制御部204は、球送電磁石16のコイル92に電力を供給してコイル92を励磁し、すなわち、球送電磁石16をオンさせる。その後に、発射制御部204は、コイル92への電力供給を停止してコイル92を消磁し、すなわち、球送電磁石16をオフさせる。球送電磁石16のオンにより、磁気反発力が球送電磁石16の作動端面94C、96Cと永久磁石82との間に作用し、球供給部材14は、図15に示す第2回動位置から図14に示す第1回動位置に回動する。第1回動位置への回動により、球供給部材14の球受面78Aは1個の遊技球を受け取る。その後に、球送電磁石16のオフにより、磁気吸引力が球送電磁石16の作動端面94C、96Cと永久磁石82との間に作用し、球供給部材14は、第1回動位置から第2回動位置に回動する。第2回動位置への回動により、球供給部材14の球止部分76の当接面76Aが、後続の遊技球に接触して後続の遊技球の移動を止める。また、第2回動位置への回動により、球受面78Aにより受け取られた遊技球は、発射装置の発射レールHRに向かって供給される。
【0077】
処理SB4において、払出制御部202は、発射ソレノイド220のオンオフ動作が1回実行されるように発射制御部204に指令を送信する。払出制御部202からの指令に従って、発射制御部204は、発射ソレノイド220のオンオフ動作を1回実行する。発射制御部204は、発射ハンドルが遊技者により所定角度以上回転される場合に、発射ソレノイド220のオン動作を実行し、発射ハンドルの回転角度に応じた電流値で発射ソレノイド220を励磁する。発射ソレノイド220の励磁により、発射ハンマが発射レールHRの上の遊技球を打撃する。その後に、発射制御部204は、発射ソレノイド220をオフする。
【0078】
処理SB5において、払出制御部202は、処理SB5の開始時点から所定時間が経過したか否かを判断する。所定時間が経過しない場合(SB5:NO)、処理SB6が実行される。所定時間が経過した場合(SB5:YES)、処理SB9が実行される。所定時間は、遊技規則により決められる時間である。
【0079】
処理SB6において、払出制御部202は、揚上出口センサ212が遊技球の存在を検出したか否かを判断する。遊技球の存在が検出されない場合(SB6:NO)、処理SB7が実行される。遊技球の存在が検出された場合(SB6:YES)、処理SB8が実行される。
【0080】
処理SB7において、払出制御部202は、揚上駆動モータ210を回転駆動する。揚上駆動モータ210が回転駆動されると、遊技球は揚上機構の移送経路に沿ってスクリューコンベアにより揚送される。
【0081】
処理SB8において、払出制御部202は、第1球検出センサ40が遊技球の存在を検出したか否かを判断する。処理SB8の実行のために、払出制御部202は、第1球検出センサ40からの検出信号を発射制御部204を介して受信する。遊技球の存在が検出されない場合(SB8:NO)、処理SB8が再度実行される。遊技球の存在が検出された場合(SB8:YES)、処理SB5が再度実行される。
【0082】
処理SB9において、払出制御部202は、タッチセンサ222が遊技者の手指による発射ハンドルへの接触を検出したか否かを判断する。処理SB9の実行のために、払出制御部202は、発射制御部204を介してタッチセンサ222からの検出信号を受信する。発射装置から遊技球を発射させるために、遊技者が発射ハンドルを握ってタッチセンサ222に接触すると、払出制御部202は、タッチセンサ222が接触を検出したと判断し(SB9:YED)、処理SB10を実行する。遊技者が発射ハンドルを握っていない場合、払出制御部202は、タッチセンサ222が接触を検出していないと判断し(S91:NO)、処理SB11を実行する。
【0083】
処理SB10において、払出制御部202は、発射停止ボタン224が遊技者の手指により押されたか否かを判断する。処理SB10の実行のために、払出制御部202は、発射停止ボタン224の押圧操作信号を発射制御部204を介して受信する。遊技者が、遊技球の発射を停止するために、タッチセンサ222に接触した状態で発射停止ボタン224を押すと、払出制御部202は、発射停止ボタン224が押されたと判断し(SB10:YES)、処理SB9を再度実行する。遊技者が、タッチセンサ222に接触した状態で発射停止ボタン224を押さない場合、払出制御部202は、発射停止ボタン224が押されていないと判断し(SB10:NO)、処理SB3を再度実行する。
【0084】
処理SB11において、払出制御部202は、球送電磁石16がオフされるように発射制御部204に指令を送信する。払出制御部202からの指令に従って、発射制御部204は、球送電磁石16のコイル92への電力供給を停止したままの状態に維持する。球送電磁石16がオフされた状態において、球供給部材14は、図15に示す第2回動位置に位置する。第2回動位置において、球止部分76は、遊技球K12に接触し、遊技球K12が発射装置に向って供給されることを止める。
【0085】
処理SB12において、払出制御部202は、発射ソレノイド220のオンオフ動作が連続して3回実行されるように発射制御部204に指令を送信する。払出制御部202からの指令に従って、発射制御部204は、発射ソレノイド220のオンオフ動作を連続して3回実行する。具体的には、発射制御部204は、遊技球が発射レールHR上に存在しない状態で、発射ソレノイド220をオンさせて発射ハンマに打球動作をさせる。打球動作の後に、発射制御部204は、発射ソレノイド220をオフさせる。発射ソレノイド220の1回のオン動作と1回のオフ動作との組み合わせを、1回の空打ち動作として、3回の空打ち動作が実行される。遊技者が、発射ハンドルから手指を離して遊技を一時的に停止した後に、遊技を再開する場合に、3回の空打ち動作により、遊技の再開前に、発射レールHRに誤って残留する遊技球を確実に排出することができる。各空打ち動作において発射ソレノイド220に供給される電流値は、発射レールHRから遊技球を排出することができる一定の電流値に予め定められる。3回の空打ち動作が実行される場合、発射ハンマの移動に伴い機械的振動がベースフレーム10に伝達されることにより、球供給部材14が振動する。球供給部材14の振動にも拘わらず、処理SA5と同様に、球供給部材14は、永久磁石82の磁気吸引力により、第2回動位置に保持され、球止部分76は、遊技球K12の移動を確実に止めることができる。
【0086】
処理SB12の実行後に、払出制御部202は、処理SB1に戻って処理SB1を再度実行する。処理SB1~SB12の一連の処理は、遊技機に電力が供給されている間、繰り返し実行される。
【0087】
<実施形態の効果>
本実施形態では、永久磁石82の右側の磁極面と球送電磁石16の作動端面94C、96Cとの間に作用する磁気反発力により、球供給部材14が第2回動位置から第1回動位置に回動して第1回動位置に保持される。永久磁石82の右側の磁極面と球送電磁石16の作動端面94C、96Cとの間に作用する磁気吸引力により、球供給部材14が第1回動位置から第2回動位置に回動して第2回動位置に保持される。この結果、球供給部材14の回動位置の切り替えを円滑かつ確実に行うことができる。また、永久磁石82の磁気吸引力により球供給部材14を第2回動位置に保持することにより、遊技機の振動または遊技球の汚れなどに起因する遊技球の誤った供給を防止し、遊技球を1個ずつ確実に発射装置に向かって供給することができる。更に、球送電磁石82のコイル92が消磁された状態で、永久磁石82の磁気吸引力により球供給部材14が第2回動位置に保持されることから、遊技の停止時にコイル92への電流供給が不要となり、省電力に寄与することができる。
【0088】
本実施形態では、払出制御部202および発射制御部204は、第2回動位置から第1回動位置に球供給部材14を回動させるために永久磁石82と球送電磁石16の磁芯94、96との間に磁気反発力が作用するように、球送電磁石16のコイル92を励磁し、第1回動位置から第2回動位置に球供給部材14を回動させるために永久磁石82と球送電磁石16の磁芯94、96との間に磁気吸引力が作用するように、球送電磁石16のコイル92を消磁する電磁石制御処理である処理SB3と、発射ハンドルが操作される操作状態において、球送電磁石16のコイル92の各励磁に連動して、各発射動作を発射装置に実行させる遊技実行制御処理である処理SB4と、発射ハンドルが操作状態から操作されない状態に変化するときに(SB9:NO)、球送電磁石16のコイル92を消磁する状態において3回の発射動作、すなわち3回の空打ち動作を発射装置に実行させる遊技停止制御処理である処理SB12と、を実行する。この結果、遊技者が、発射ハンドルから手指を離して遊技を一時的に停止した後に、遊技を再開する場合に、3回の空打ち動作により、遊技の再開前に、発射レールHRに誤って残留する遊技球を確実に排出することができる。また、遊技停止制御処理の実行により3回の空打ち動作が実行される場合、発射ハンマの移動に伴い機械的振動がベースフレーム10に伝達されることにより、球供給部材14が振動する。球供給部材14の振動にも拘わらず、球供給部材14は、永久磁石82の磁気吸引力により、第2回動位置に保持され、球止部分76は、遊技球K12の移動を確実に止めることができる。
【0089】
本実施形態では、球送電磁石16の作動端面94C、96Cが、図16に示すように、第2回動位置に位置する球供給部材14の永久磁石82の右側の磁極面に近接する位置に配置される。球送電磁石16に取り付けられる磁束誘導部材100の垂下部分100Bの下端部分は、回動軸34の周りにおける球供給部材14の永久磁石82の回動範囲の外において、図16に示すように、永久磁石82の左側の磁極面に可能な限り近い位置まで延びる。この結果、永久磁石82から発生する磁束が、作動端面94C、96Cを有する磁芯94、96と、磁束誘導部材100とにより形成される磁気回路により、磁束漏れを低減した状態で、確実に誘導される。磁束の確実な誘導を通して発生する大きな磁気吸引力により、球供給部材14を第2回動位置に確実に保持することができる。
【0090】
本実施形態では、磁束誘導部材100は、球送電磁石16の磁芯94、96と別個の部材により構成される。磁束誘導部材100の保持溝106が芯延出部94A、96Aの上端部分と嵌合することにより、磁束誘導部材100は磁芯94、96と磁気的に連結される。磁束誘導部材100の一対の保持突起102、104が、ベースフレーム10の保持凹部110に嵌合するとともに、磁束誘導部材100の保持係合片108が、ベースフレーム10の保持開口部112に嵌合する。これらの嵌合により、磁束誘導部材100は、ベースフレーム10に対して精度よく位置決めされ、作動端面94C、96Cと、第2回動位置における永久磁石82との両者に対する一定の相対的位置に、磁束誘導部材100を正確に配置することができる。
【0091】
本実施形態では、永久磁石82は、図8に示すように、球供給部材14に形成される磁石収容凹所80の開口を通して挿入されることにより、磁石収容凹所80に収容される。弾性係止爪84が、永久磁石82の円周面に係合することにより、磁石収容凹所80から永久磁石82が脱落することを防止することができる。磁石収容凹所80および弾性係止爪84により、球供給部材14の所定位置に永久磁石82を容易かつ正確に配置することができる。
【0092】
本実施形態では、球供給部材14は、第1腕部分73と、第2腕部分74とを有する。第1腕部分73と、第2腕部分74とは、回動軸34の中心位置CPから異なる角度の放射線方向に、それぞれ延びる。永久磁石82は、第1腕部分73に配置され、球止部分76と、球受部分78とは、第2腕部分74に配置される。永久磁石82の両磁極面のうちで作動端面94C、96Cと向き合う右側の磁極面の上下方向の略中央位置P1と回動軸34の中心位置CPとの間の距離L1は、球止部分76の当接面76A上の位置P2と中心位置CPとの間の距離L2より短い距離に設定されるとともに、球受部分78の球受面78Aのうちで中心位置CPに最も近い球受面の部分の位置と中心位置CPとの間の受面距離より短い距離に設定される。2つの腕部分を有する構成により、球止部分76、および球受部分78の配置位置に制約されることなく、作動端面94C、96Cに近い位置になるように、球供給部材14において自由度をもって永久磁石82を配置することができる。また、距離L1が、距離L2および受面距離より短い距離に設定されることから、永久磁石82の回動角度が小さくても、当接面76A、および球受面78Aを比較的大きな角度で回動させることができ、遊技球の供給、および遊技球の停止を確実に行うことができる。
【0093】
本実施形態では、第2回動位置において、永久磁石82の右側の磁極面は、図16に示すように、壁部80Aと僅かな間隔とを介して、作動端面94C、96Cに向き合う。この結果、永久磁石82の右側の磁極面が作動端面94C、96Cと直接に接触する構成に比べて、球供給部材14を第2回動位置から第1回動位置へ回動させるために球送電磁石16のコイル92の励磁電流を小さな電流値に設定することができる。
【0094】
本実施形態では、図14および図15に示すように、第1回動位置における永久磁石82の両磁極面は、第2回動位置における永久磁石82の両磁極面よりも、磁束誘導部材100の垂下部分100Bの下端部分に近い位置に位置する。球送電磁石82のコイル92が消磁される状態において、永久磁石82と作動端面94C、96Cとの間の磁気吸引力により、球供給部材14が第2回動位置に戻ることができるように、第1回動位置における永久磁石82の両磁極面の回動位置は、反発回動規制部52および反発当接部分88により決定される。この結果、球送電磁石82のコイル92が励磁される状態において、球供給部材14が第1回動位置に位置するときに配置される永久磁石82に、強い磁気反発力を作用させ、球供給部材14を第1回動位置に確実に保持することができる。また、球送電磁石82のコイル92が消磁される状態において、永久磁石82の磁気吸引力により、球供給部材14を第1回動位置から第2回動位置に迅速に戻すことができる。
【0095】
本実施形態では、反発回動規制部52は、永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとの間に作用する磁気反発力により球供給部材14が第2回動位置から第1回動位置に回動するときに、球供給部材14の第1回動位置を規制する。反発当接部分88は、球供給部材14が第1回動位置に位置するときに、反発回動規制部52に当接する。球供給部材14は、反発当接部分88と、球供給部材14の回動軸線から異なる放射線方向にそれぞれ延びる第1腕部分73および第2腕部分74とを有する。永久磁石82は、第1腕部分73に配置され、球止部分76および球受部分78と、反発当接部分88とは、第2腕部分74に配置される。この結果、反発当接部分88が、球止部分76および球受部分78が配置される第2腕部分74の回動を直接規制することにより、球受部分76を第1回動位置に位置精度良く停止させることができる。
【0096】
本実施形態では、吸引回動規制部50は、永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとの間に作用する磁気吸引力により球供給部材14が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、球供給部材14の第2回動位置を規制する。吸引当接部分86は、球供給部材14が第2回動位置に位置するときに吸引回動規制部50に当接する。永久磁石82は、球供給部材14の第1腕部分73に配置され、球止部分76および球受部分78は、球供給部材14の第2腕部分74に配置され、吸引当接部分86は、球止部分76および球受部分78より球供給部材14の回動軸線に近い位置で第2腕部分74に配置される。この結果、吸引当接部分86が、吸引回動規制部50と協働して、球止部分76が配置される第2腕部分74の回動を直接規制することにより、球止部分76を位置精度良く且つ迅速に停止させることができ、後続の遊技球を確実に止めることができる。
【0097】
本実施形態では、球送電磁石16の磁芯94、96は、永久磁石82の右側の磁極面との間で磁気吸引力が作用する端面であって、鉛直方向に延びる作動端面94C、96Cを有する。球供給部材14が第2回動位置に位置するときに、第1腕部分73は球供給部材14の回動軸線から鉛直方向に延びる。永久磁石82は、球送電磁石16の作動端面94C、96Cと対向する第1腕部分73の外壁面80Cに近接する位置に配置され、球供給部材14が第2回動位置に位置するときに、永久磁石82の右側の磁極面は鉛直方向に延びる。この結果、球供給部材14が第2回動位置に位置するときに、磁気吸引力は水平方向において球供給部材14に作用し、第1腕部分73の重量による重力は球供給部材14の回動軸線に向かって作用することから、球供給部材14の自重による影響を低減して、磁気吸引力により球供給部材14を第2回動位置に確実に保持することができる。
【0098】
本実施形態では、図15に示すように、球供給部材14が第2回動位置に位置するときに、永久磁石82の右側の磁極面と磁芯94、96の作動端面94C、96Cとの間に作用する磁気吸引力により発生する球供給部材14の回動軸線周りの回転モーメントと、遊技球K12および後続の遊技球から球止部分76の当接面76Aに作用する押圧力により発生する球供給部材14の回動軸線周りの回転モーメントとが、互いに反対方向となるように、永久磁石14および球止部分76が球供給部材14に配置される。この結果、球供給部材14の回動を規制するときに、球供給部材14からベースフレーム10の吸引回動規制部50に作用する衝突力を低減することができる。
【0099】
本実施形態では、球送電磁石16の磁芯94、96は、永久磁石82の右側の磁極面との間で磁気吸引力が作用する作動端面94C、96Cを有する。永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとの間に作用する磁気吸引力により球供給部材14が第1回動位置から第2回動位置に回動するときに、球供給部材14の第2回動位置を規制するために、ベースフレーム10は吸引回動規制部50を備える。球供給部材14は、第2回動位置に位置するときに、吸引回動規制部50に当接する吸引当接部分86を有する。球供給部材14の回動軸線の位置である位置CPと吸引当接部分86との間の距離L3は、位置CPと永久磁石82の右側の磁極面との間の距離L1より短くなるように、吸引当接部分86および永久磁石82が球供給部材14に配置される。この結果、吸引当接部分86が球供給部材14の回動軸線の位置である位置CPから離れて配置される場合に比べて、吸引当接部分86が、吸引回動規制部50と協働して、球供給部材14の回動軸線に近い位置で球供給部材14の回動を規制することにより、球供給部材14の回動軸線と吸引当接部分86との間の球供給部材14の部分の変形を低減することができ、永久磁石82の磁極面を磁芯94、96の作動端面94C、96Cに対して位置精度良く停止させることができる。
【0100】
<構成の対応関係>
遊技球供給装置1、および、遊技球供給装置1を搭載する遊技機は、本発明の遊技球供給装置の一例、および、遊技機の一例である。ベースフレーム10は、本発明の装置フレームの一例である。球供給部材14は、本発明の球供給部材の一例である。球送電磁石16は、本発明の電磁石の一例である。球送入凹部24、および、球送入凹部24が入口開口部28を通して連結される遊技球の通路が、本発明の供給路の一例である。回動軸34の中心位置CPを通る軸線は、本発明の回動軸線の一例である。吸引回動規制部50、および反発回動規制部52は、本発明の吸引回動規制部の一例、および、反発回動規制部の一例である。第1腕部分73、および、第2腕部分74は、本発明の第1腕部分の一例、および、第2腕部分の一例である。球止部分76、および、当接面76Aは、本発明の球止部分の一例、および、接触面の一例である。球受部分78は、本発明の球受部分の一例である。永久磁石82は、本発明の永久磁石の一例である。図16に示す永久磁石82の右側の磁極面は、本発明の永久磁石の磁極面の一例である。吸引当接部分86、および、反発当接部分88は、本発明の吸引当接部分の一例、および、反発当接部分の一例である。コイル92、および、磁芯94、96は、本発明のコイルの一例、および、磁芯の一例である。作動端面94C、96Cは、本発明の磁芯の端面の一例である。作動端部94B、96Bは、本発明の磁芯の一方の端部の一例であり、芯延出部94A、96Aの両上端部は、本発明の磁芯の他方の端部の一例である。磁束誘導部材100は、本発明の磁束誘導部材の一例である。磁束誘導部材100の垂下部分100Bの下端部は、本発明の磁束誘導部材の作用端部の一例である。主制御部200、払出制御部202、および、発射制御部204の組み合わせは、本発明の制御部の一例である。発射レールHR、および、発射ソレノイド220を備える発射装置は、本発明の発射装置の一例である。遊技球K1、K2、K11、K12は、本発明の遊技球の一例である。回動軸34の中心位置CPを通る軸線は、本発明の回動軸線の一例である。中心位置CPと位置P1との間の距離L1は、本発明の「球供給部材の回動軸線と永久磁石の磁極面との間の距離」の一例である。中心位置CPと位置P2との間の距離L2は、本発明の「球供給部材の回動軸線と球止部分の接触面との間の距離」の一例である。処理SB3は、本発明の電磁石制御処理の一例である。処理SB4は、本発明の遊技実行制御処理の一例である。処理SB12は、本発明の遊技停止制御処理の一例である。
【0101】
[変形例]
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0102】
(1)本実施形態では、球供給部材14を第2回動位置から第1回動位置へ回動させるために、球送電磁石16のコイル92の励磁により、永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとの間に磁気反発力を作用させる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、磁性部材が球供給部材14に取り付けられ、球送電磁石16のコイル92が励磁されるときに、球送電磁石16からの磁力により球供給部材14上の永久磁石82に磁気反発力を作用させるとともに、球送電磁石16からの磁力により球供給部材14上の磁性部材に磁気吸引力を作用させる構成であってもよい。
【0103】
(2)本実施形態では、処理SA5、および処理SB12において、発射ソレノイド220が3回の空打ち動作を実行する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、発射ソレノイド220が、1回の空打ち動作を実行する構成であってもよい。1回の空打ち動作であっても、発射装置からの打撃振動がベースフレーム10に伝達されて球供給部材14を振動させることがある。この場合でも、永久磁石82の磁極面と作動端面94C、96Cとの間の磁気吸引力により、球供給部材14を第2回動位置に確実に保持することができる。
【0104】
(3)本実施形態では、遊技者が発射ハンドルから手指を離して遊技を一時的に停止するときに、処理SB11およびSB12が実行される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、一時停止後に遊技を再開する前に、発射レールHRに誤って残留する遊技球を排出することが必要ないのであれば、処理SB11およびSB12を実行することなく、処理SB1に戻って処理SB1が再度実行される構成であってもよい。
【0105】
(4)本実施形態では、発射装置が発射ソレノイド220を備える構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、特許第4457343号公報などに記載されるように、発射ソレノイドに代えて、発射装置が発射モータを備える構成であってもよい。
【0106】
(5)本実施形態では、磁束誘導部材100が球送電磁石16に組付けられる構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、永久磁石82に対する吸引および反発について磁束漏れの影響が小さいのであれば、磁束誘導部材100を備えない構成であってもよい。
【0107】
(6)本実施形態では、遊技球供給装置1と発射装置とが連結されてユニット化される構成であり、発射装置の打撃振動が遊技球供給装置1に伝達され易い構成であるが、この構成に限定されない。遊技球供給装置1と発射装置とが、遊技機のフレームに別個にそれぞれ取り付けられる構成であってもよい。
【0108】
(7)本実施形態では、吸引当接部分86と反発当接部分88とは、球供給部材14上の異なる位置に別個にそれぞれ配置される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、1つの突出部分が球供給部材14に形成され、間隔をあけて互いに対向する一対の規制部がベースフレーム10に形成され、突出部分が両規制部の間に配置される構成であってもよい。この変形例では、1つの突出部分が、吸引当接部分86と反発当接部分88との両機能を有する。
【0109】
(8)本実施形態では、永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとが間隔をあけて位置するために、永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとの間に空隙が形成されるように、吸引回動規制部50および吸引当接部分86が配置される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、永久磁石82の右側の磁極面と作動端面94C、96Cとが間隔をあけて位置するために、永久磁石の磁極面と作動端面とのいずれかに、吸引回動規制部がスペーサとして配置される構成であってもよい。スペーサとして、合成樹脂製のシート、または非磁性ステンレスの薄板を使用することができ、これ以外にも、低反発のゴムシート、または硬質フェルトも使用することができる。
【0110】
(9)本実施形態では、球供給部材14が第1腕部分73と第2腕部分74とを有し、永久磁石82が第1腕部分73に配置され、球止部分76および球受部分78が第2腕部分74に配置される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、球供給部材が回動軸の周りに回動可能な1つの回動腕部から構成され、球止部分および球受部分が回動腕部の先端側の部分に配置され、永久磁石が、球止部分および球受部分よりも回動軸に近い回動腕部の中間部分に配置される構成であってもよい。
【0111】
(10)本実施形態では、遊技球供給装置1は、球送入凹部24を有するベースフレーム10を備え、球送入凹部24が入口開口部28を通して連結される遊技球の通路が、本発明の供給路を構成する。遊技球供給装置1は、供給路の一部を形成する球送入凹部24を有する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、遊技球供給装置は、球送入凹部24などの供給路の一部を形成する部分を含まない構成であってもよい。
【0112】
(11)本実施形態では、第2回動位置において、永久磁石82が、位置CPを通って鉛直方向に延びる延長線上に位置するように、球供給部材14に配置される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、第2回動位置において、永久磁石が、図16に示す永久磁石82の位置よりも右側に回動した位置で、作動端面94C、96Cと向かい合う構成であってもよいし、図16に示す永久磁石82の位置よりも左側に回動した位置で、作動端面94C、96Cと向かい合う構成であってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 遊技球供給装置
10 ベースフレーム
14 球供給部材
16 球送電磁石
24 球送入凹部
34 回動軸
50 吸引回動規制部
52 反発回動規制部
73 第1腕部分
74 第2腕分部
76 球止部分
76A 当接面
78 球受部分
86 吸引当接部分
88 反発当接部分
94C、96C 作動端面
82 永久磁石
92 コイル
94、96 磁芯
94A、96A 芯延出部
100 磁束誘導部材
100A 延出部分
100B 垂下部分
200 主制御部
202 払出制御部
204 発射制御部
HR 発射装置の発射レール
K1、K2、K11、K12 遊技球
CP 回動軸34の中心位置
L1~L3 位置CPと位置P1~P3の各位置との間の距離

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19