(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142487
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049433
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129654
【弁理士】
【氏名又は名称】大池 達也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 康晴
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA13
2C088CA15
2C088EB55
(57)【要約】
【課題】射幸心の煽り過ぎを抑制しつつ、遊技機の稼動率を適度に維持することが可能な遊技情報表示装置を提供すること。
【解決手段】通常状態及び確変状態の何れか一方を選択的に発生可能であり、遊技者が獲得した遊技価値の現在値である持玉数が所定の打止値に達した場合に遊技不可能な打止状態へ移行するように構成された遊技機2に付設される遊技情報表示装置1は、持玉数を特定する現在値特定手段と、連続大当たり期間における差玉数の平均値を特定する平均値特定手段と、持玉数と打止値との差分値である残り差玉数を特定する差分値特定手段と、持玉数、打止値、及び残り差玉数のうち少なくとも何れか2つを表示可能な表示手段と、連続大当たり期間における差玉数の平均値よりも残り差玉数の方が小さい場合に、遊技者に対して遊技を回避すべき旨の報知を行う報知手段と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大当たりの発生確率が低い通常状態、及び大当たりの発生確率が高い特別状態の何れか一方を選択的に発生可能であり、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の打止値に達した場合に遊技不可能な打止状態へ移行するように構成された遊技機に付設され、当該遊技機に関する各種の遊技情報を表示可能な遊技情報表示装置において、
前記遊技価値の現在値を特定する現在値特定手段と、
前記通常状態で大当たりが発生した時点から前記特別状態及び大当たりを交互に繰り返したあと再度通常状態へ復帰するまでの連続大当たり期間において、遊技者が獲得可能な遊技価値の平均値を特定する平均値特定手段と、
前記遊技価値の現在値と前記打止値との差分値を特定する差分値特定手段と、
前記現在値、前記打止値、及び前記差分値のうち少なくとも何れか2つを表示可能な表示手段と、
前記平均値特定手段により特定された平均値と、前記差分値特定手段により特定された差分値とを比較し、当該平均値より差分値の方が小さい場合には、遊技者に対して遊技を回避すべき旨の報知を行う報知手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
前記報知手段により遊技を回避すべき旨の報知が行われる場合、遊技者に対して遊技を推奨する他の遊技機の識別情報を報知する推奨遊技機報知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記遊技機は、前記打止状態へ移行した状態において、前記遊技価値の現在値をゼロにリセットした上で打止状態を解除し、遊技可能な状態へ復帰させる打止解除手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載されているように、遊技者が一定の出玉を獲得した時点で強制的に遊技を停止させる打止機能を備えた遊技機が提案されている。このような打止機能によって遊技者が過度に多い出玉を獲得できなくなり、射幸心の煽り過ぎを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、打止機能を備えた遊技機では、遊技を開始する時点の出玉が打止値に近い場合には、その後に獲得できる出玉が必然的に少なくなるので、遊技者の遊技意欲を大きく減退させ、ひいては遊技機の稼動率が低下してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、射幸心の煽り過ぎを抑制しつつ、遊技機の稼動率を適度に維持することが可能な遊技情報表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技情報表示装置は、通常状態、及び大当たりの発生確率が高い特別状態の何れか一方を選択的に発生可能であり、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の打止値に達した場合に遊技不可能な打止状態へ移行する遊技機に付設される装置である。この遊技情報表示装置は、対応する遊技機に関する各種の遊技情報を表示可能である。
【0007】
本発明の遊技情報表示装置は、現在値、及び現在値と打止値との差分値を特定可能であり、現在値、打止値、及び差分値のうちの少なくとも何れか2つを表示可能である。さらに、本発明の遊技情報表示装置は、連続大当たり期間において遊技者が獲得可能な遊技価値の平均値を特定可能であり、この平均値より差分値の方が小さい場合には、遊技者に対して遊技を回避すべき旨の報知を行うことができる。
【0008】
本発明の遊技情報表示装置は、現在値が打止値に接近しているとき、差分値と上記の平均値との比較に応じて遊技を回避すべきか否かを報知する。そのため、この遊技情報表示装置によれば、大当たりが発生しても遊技者が十分な遊技価値を獲得できないまま打止状態へ至って不満を抱いてしまう事態を回避できる。
【0009】
このように本発明の遊技情報表示装置は、打止状態の設定により射幸心の煽り過ぎを抑制しつつ、遊技者に一定の満足感を与えることができ、ひいては遊技機の稼動率を適度に維持できるという優れた特性を備える装置である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】遊技情報表示装置を含む遊技場管理システムの構成を示すシステム図。
【
図3】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】遊技情報表示装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図7】遊技情報表示装置による遊技中の遊技情報表示画面の正面図。
【
図8】遊技情報表示装置による打止中の遊技情報表示画面の正面図。
【
図9】遊技情報表示装置による遊技回避推奨時の遊技情報表示画面の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、大当たりの発生確率が低い通常状態、及び大当たりの発生確率が高い特別状態の一例である確変状態の何れか一方を選択的に発生可能であり、遊技者が獲得した遊技価値の現在値が所定の上限値である打止値に達した場合に遊技不可能な打止状態へ移行する遊技機2に付設される遊技情報表示装置1に関する例である。遊技情報表示装置1は、遊技機2に関する各種の遊技情報を表示可能である。この内容について、
図1~
図9を用いて説明する。
【0012】
まず、本例の遊技情報表示装置1が設置された遊技場について説明する。遊技場では、パチンコ遊技機やパチスロ遊技機(図示略)等の遊技機2に対して、遊技に必要な遊技媒体である遊技球等を貸し出す貸出装置43および遊技情報表示装置1等が個別に設置されている。さらに、2台の遊技機毎に、中継装置42が1台ずつ設置されている。中継装置42は、各遊技機2、貸出装置43、遊技情報表示装置1、及び管理装置41間の通信を仲介する通信装置である。中継装置42は、遊技機2台につき、1台ずつ設置されている。
【0013】
遊技場内の管理スペースには、遊技場内の各種機器を管理するための管理装置41が設置されている。また、遊技場には、図示しない景品交換カウンタが設けられ、遊技者が獲得した遊技価値を景品に交換するための景品交換端末が設置されている。
【0014】
遊技場では、管理装置41と全ての中継装置42等が接続された場内ネットワーク40が構築されている。遊技場では、この場内ネットワーク40を利用して、管理装置41を中心とした遊技場管理システム4が構成されている。この遊技場管理システム4には、中継装置42に接続された遊技機2、貸出装置43、遊技情報表示装置1などが含まれる。
【0015】
管理装置41は、遊技場内に設置された全ての機器(遊技機2、貸出装置43、遊技情報表示装置1を含む。)の稼動状況を管理するコンピュータ装置である。管理装置41は、各機器の動作のために必要な各種の設定情報を各機器に対して送信する機能や、各遊技機2の遊技状況を表す稼動データや遊技者の遊技履歴データ等を収集して記憶し管理する機能、等を備えている。
【0016】
管理装置41が送信する設定情報には、例えば、遊技機2及び遊技情報表示装置1に送信される打止値が含まれている。
管理装置41が管理する遊技履歴データには、遊技者が所有する入金残高や、遊技者が獲得した遊技価値を表す持玉や貯玉等が含まれる。遊技場では、遊技カードに対応付けて各遊技者の所有価値が管理されている。管理装置41は、遊技カードの識別情報であるカードIDを対応付けた遊技者の所有価値の情報を、カード情報として記憶している。
【0017】
遊技情報表示装置1は、各遊技機2に対して1台ずつ、個別に設置される表示装置である。この遊技情報表示装置1の設置場所は、対応する遊技機2の上方である。遊技情報表示装置1は、遊技機2から出力される各種遊技信号を中継装置42経由で受信して各種の遊技情報を作成し表示する。さらに、遊技情報表示装置1は、管理装置41及びリモコン48から受信した各種の情報も表示可能である。
【0018】
遊技機2は、パチンコ遊技機や図示しないパチスロ遊技機などの遊技機である。本例では、遊技媒体であって遊技価値でもある遊技球の発射により遊技でき、入賞に応じて遊技球の払い出しを受けられるパチンコ遊技機を例示する。遊技機2は、遊技の実行に応じて各種の遊技信号を中継装置42へ送信する。詳しくは後述するが、パチンコ遊技機が出力する遊技信号としては、アウトを表す遊技媒体消費信号や、セーフを表す遊技媒体付与信号や、大当たり抽選の実行を表すスタート信号や、大当たり状態であることを表す大当たり信号、等がある。
【0019】
貸出装置43は、各遊技機2に対して個別に設置され、遊技に必要な遊技媒体の付与処理や、遊技者の所有価値である持玉や入金残高等を記録した遊技カード(図示しない記録媒体の一例)の発行処理など、遊技者の所有価値に関する各種の処理を行う装置である。この貸出装置43は、遊技機2の側方、隣り合う遊技機2との間隙に配置される。
【0020】
以下、(A)パチンコ遊技機、(B)遊技情報表示装置について詳しく説明する。
(A)パチンコ遊技機
パチンコ遊技機(以下、パチンコ遊技機2という。)は、玉を遊技媒体として遊技される遊技機である。このパチンコ遊技機2は、始動口への入賞に応じて大当たり抽選が実行され、当選に応じて所定の大当たり条件が成立すると大当たり状態(大当たり)が発生する、いわゆるセブン機である。
【0021】
図2に例示のパチンコ遊技機2は、玉が打ち込まれる略円形状の遊技領域230を有している。遊技領域230の上部両側には装飾ランプ部236が配置され、遊技領域230の下部、向かって左側にはスピーカ231が配置されている。遊技領域230の下方には、上皿250及び下皿237が上下2段で設けられている。遊技者側から向かって下皿237の右側には、遊技領域230に玉を打ち込むための操作ハンドル235が立設されている。
【0022】
遊技領域230では、液晶表示部290を含む表示装置29を中心として、第1及び第2始動口21、22、通過ゲート24、開閉式の大入賞口260等が配置されている。遊技領域230の最下部には、入賞することなく流下した玉を回収するためのアウト孔238が開口している。遊技領域230の左側の外周部には、7セグメントの表示器である特
図1表示部281、特
図2表示部282、及び普図表示部283が、外縁に沿って配置されている。
【0023】
通過ゲート24は、通過玉を検知するゲートであり、遊技者側から見て表示装置29の左側の領域に配置されている。玉を通過させるのみの通過ゲート24には、賞球の払い出しが設定されていない。通過ゲート24が通過玉を検知すると、普通図柄の抽選(以下、普図抽選という。)用の抽選用乱数が抽出され、普図抽選が実行される。この普図抽選の当否は、上記の普図表示部283により表示される。
【0024】
第1始動口21は、第1の特別図柄の抽選(以下、第1特図抽選という。)の契機となる始動口である。第2始動口22は、第2の特別図柄の抽選(以下、第2特図抽選という。)の契機となる始動口である。なお、第1特図抽選及び第2特図抽選の当否は、特
図1表示部281あるいは特
図2表示部282により表示される。
【0025】
第1始動口21は、表示装置29の直下に配置され、入賞率が変動しない、いわゆるへそタイプの始動口である。第1始動口21への玉の入賞に応じた払出玉数は3玉となっている。
【0026】
第2始動口22は、第1始動口21の直下に配置された電チュータイプの始動口である。第2始動口22の開口部220には、一対の可動羽根が回動して第2始動口22への入賞を可能とする電動チューリップ221が取り付けられている。この電動チューリップ221は、普図抽選の当選(普図当選)に応じて動作し、第2始動口22を開放する。なお、第2始動口22の開放時間は、遊技状態によって異なっている。確変状態で3秒である一方、通常状態では0.2秒である。なお、第2始動口22への玉の入賞に応じた払出玉数は3玉となっている。
【0027】
大入賞装置26は、大入賞口260を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。このアタッカー26は、第2始動口22の下側に配置されている。アタッカー26は、横長矩形状の大入賞口260と、下開きで回動してこの大入賞口260を開閉する蓋部材261と、を有している。アタッカー26では、通常、蓋部材261が遊技領域230をなす盤面と略面一をなしており、大入賞口260が閉鎖されている。蓋部材261が手前に回動したときに大入賞口260が開放状態となる。なお、大入賞口260に入賞したときの払出玉数は15玉となっている。
【0028】
アタッカー26は、第1特図抽選または第2特図抽選での大当たりを契機として大当たり状態(10R大当たり状態、5R大当たり状態)が発生すると開放状態になる。大当たり状態では、30秒経過あるいは玉が10個入賞するまでアタッカー26が開放されるラウンド処理が繰り返し実行される。10R大当たり状態では、ラウンド遊技が10回繰り返され、5R大当たり状態では、ラウンド遊技が5回繰り返される。
【0029】
表示装置29は、
図2のごとく、略中央に液晶表示部(演出表示部)290が配置された装置である。液晶表示部290は、遊技を演出するための各種の画面を表示したり、遊技に関する情報を表示したりする。上記の第1特図抽選及び第2特図抽選(適宜、特図抽選という。)の当否は、特
図1表示部281あるいは特
図2表示部282で表示されるほか、液晶表示部290による演出用の図柄変動表示によって遊技者に解り易く表示される。なお、確変状態では、この図柄変動時間が短くなり、単位時間当たりの特図抽選の実行回数が多くなる。なお、詳しくは後述するが、確変状態は、10R大当たり状態の終了を契機として発生する。
【0030】
次に、パチンコ遊技機2の電気的な構成について、
図3を用いて説明する。パチンコ遊技機2は、主制御部20を中心として構成されている。主制御部20に対しては、上記の構成のほか、玉を払い出す払出機構部339を制御する払出制御部33、玉を打ち込む発射装置349を制御する発射制御部34、入賞玉あるいは通過玉の検出センサ311~314、第2始動口22を開放する特
図2ソレノイド322、アタッカー26を開放させる大入賞口ソレノイド324、遊技演出を制御する演出制御部35、各種の設定を行う設定操作部327、及び各種の遊技信号を外部出力する信号出力部284等が電気的に接続されている。さらに、主制御部20には、電力を供給するための電源回路部328が接続されている。
【0031】
入賞玉あるいは通過玉の検出センサとしては、
図3のごとく、第1始動口21(
図2参照)への入賞玉を検出する特
図1入賞センサ311、第2始動口22への入賞玉を検出する特
図2入賞センサ312、通過ゲート24の通過玉を検出する普図始動センサ313、及び大入賞口260への入賞玉を検出する大入賞センサ314等がある。
【0032】
演出制御部35は、遊技演出動作を制御するための副制御部としての機能を有し、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。演出制御部35には、スピーカ231を駆動するアンプ351や装飾ランプ部236が電気的に接続されているほか、液晶表示部290の表示画面を制御する表示制御部36が通信可能に接続されている。演出制御部35のROMは、CPUに実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図抽選の当否を報知するための報知演出の種類を決定するための演出抽選用の抽選テーブルを記憶している。
【0033】
設定操作部327は、遊技場の従業員等が各種の設定を行うために操作する操作部であり、パチンコ遊技機2の内部に配設されている。設定操作部327を利用すると、例えば、打止値の設定等が可能である。
【0034】
主制御部20は、
図3に示すごとく、CPU201、記憶素子であるROM202・RAM204、所定範囲の乱数を発生する乱数発生部207、抽選用乱数を抽出する乱数抽出部206、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)205等を備えている。ROM202は、CPU201に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、第1特図抽選及び第2特図抽選に共用される抽選テーブル(以下、特図抽選用の抽選テーブルという。)や普図抽選用の抽選テーブルを記憶している。
【0035】
普図抽選用の抽選テーブルは、普図抽選の当選乱数が規定された抽選テーブルである。普図抽選用の抽選テーブルとしては、通常状態下の普図抽選に適用する抽選テーブルと、確変状態下の普図抽選に適用する抽選テーブルと、の2種類が用意されている。
【0036】
特図抽選用の抽選テーブルは、特図抽選の当選乱数として大当たりの当選乱数が規定された抽選テーブルである。特図抽選用の抽選テーブルとしては、通常状態下の大当たり抽選用の抽選テーブルと、確変状態下の大当たり抽選用の抽選テーブルと、が用意されている。第1特図抽選および第2特図抽選時では、利用する抽選テーブルに違いはなく共通である。したがって、第1特図抽選及び第2特図抽選による大当たりの当選確率は同一となっている。
【0037】
本例のパチンコ遊技機2では、第1特図抽選及び第2特図抽選により、大当たりが当選する。通常状態下の第1特図抽選及び第2特図抽選による大当たりの当選確率は1/300である一方、確変状態では大当たりの当選確率が1/30と、格段に高くなる。このように確変状態は、通常状態と比べて大当たりの期待度が格段に高くなり、非常に有利である。大当たりが当選したとき、第1特図抽選か第2特図抽選かに関わらず、1/2の確率で、10R大当たり、5R大当たりのいずれかに振り分けられる。10R大当たり状態の終了後には、確変状態に移行できる一方、5R大当たり状態の終了後には通常状態に移行する。
【0038】
RAM204は、
図3のごとく、CPU201のワークエリアや一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM204の記憶エリアには、特図抽選用の抽選用乱数である保留乱数(特図保留)の記憶領域や、普図抽選の保留乱数(普図保留)の記憶領域が設けられている。なお、第1始動口21への入賞に応じた特図保留、及び第2始動口22への入賞に応じた特図保留は、それぞれ、上限保留数である4個を上限として保留される。
【0039】
さらに、RAM204の記憶領域には、遊技者が獲得した遊技価値の現在値であって打止の判断対象となる当日の持玉数や、当日の最小差玉数や、現在(最新)の差玉数や、予め設定された打止値、等の記憶エリアが設けられている。現在値の一例である当日の持玉数は、現在(最新)の差玉数と当日の最小差玉数との差(ギャップ)に当たる差玉数である。打止値は、上記のごとく、設定操作部327により設定可能である。以下、当日の持玉数を適宜、持玉数という。
【0040】
なお、本例のパチンコ遊技機2は、いわゆる打止がある定量制モード、および打止がない無定量制モードのいずれかの動作モードを設定可能である。動作モードに対応するフラグデータの記憶エリアをRAM204の記憶領域に設けることも良く、十分に大きい打止値を設定することにより無定量制モードを設定することも良い。この場合には、動作モードに対応する記憶エリアを設ける必要がない。
【0041】
主制御部20は、ROM202から読み出したプログラムをCPU201に実行させることにより、以下の各手段としての機能を実現する。
(1)抽選手段:大当たり抽選の一例をなす特図抽選や、普図抽選を実行する手段。
(2)大当たり状態発生手段:大当たり抽選(特図抽選)の当否に応じて、大当たり状態(10R、5R)を発生させる手段。
(3)打止状態設定手段:遊技者が獲得した遊技価値の現在値の一例である持玉数が打止値に達した時点で遊技不可能な打止状態へ移行させる手段。打止状態では、操作ハンドル235のハンドル操作が無効化され、遊技球を発射できない状態となる。
【0042】
さらに、主制御部20のRAM204は、以下の記憶手段としての機能を有している。
(4)遊技価値記憶手段:当日の最小差玉数、現在(最新)の差玉数、持玉数などを記憶する手段。
(5)打止値記憶手段:設定操作部327により設定された打止値を記憶する手段。
【0043】
パチンコ遊技機2は、遊技の進行に伴う稼動情報として、信号出力部284から以下の遊技信号を外部出力する。遊技信号は、中継装置42経由で遊技情報表示装置1及び管理装置41に入力される。なお、遊技機が出力する信号は、機種によって異なり様々であり、以下の信号は一例である。
【0044】
(1)アウト信号:消費玉を回収するアウトBOX(図示略)から出力される信号であり、遊技で消費された遊技媒体(遊技球)の数を示す遊技媒体消費信号の一例。本例のパチンコ遊技機2では、消費玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウト(遊技で消費された価値)として特定できる。なお、パチンコ遊技機2から出力される信号でも良い。
(2)セーフ信号:入賞により付与された遊技媒体の数を示す遊技媒体付与信号の一例。本例のパチンコ遊技機2では、入賞に応じた払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフ(遊技者が獲得した価値)として特定できる。なお、玉の補給装置(図示略)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
(3)スタート信号:大当たり抽選の一例である特図抽選が実行されたことを示す信号。
(4)大当たり信号:大当たり状態であることを示す信号。大当たり状態の発生中にレベル出力される状態信号なので大当たり信号出力中を大当たり状態中として特定できる。
(5)確変信号:特別状態の一例である確変状態であることを示す特別状態信号の一例。確変信号は、確変状態の発生中にレベル出力される状態信号なので、確変信号の出力中を確変状態中として特定できる。
(6)打止信号:打止状態に移行したことを示す信号。
【0045】
次に、以上のような構成のパチンコ遊技機2の基本動作について、遊技の流れに沿って説明する。
パチンコ遊技機2は、操作ハンドル235が右回転方向に操作されたとき、その操作量に応じた強度で玉を発射する。発射された玉は、通過ゲート24などが配置された遊技領域230を流下する。入賞しなかった玉は、遊技領域230の最下部に設けられたアウト孔238から回収される。
【0046】
玉が流下する間に通過ゲート24を通過した場合には、乱数発生部207が発生する乱数の中から普図抽選用の抽選用乱数を抽出する抽選が実行される。抽選用乱数は、普図抽選用の抽選テーブルと照合され、普図抽選の当否が決定される。普図抽選に当選すると、電動チューリップ221が解放状態となり、第2始動口22への入賞が可能となる。なお、電動チューリップ221の開放時間は、上記のごとく、通常状態で0.2秒、確変状態で3秒である。
【0047】
第1(第2)始動口21(22)への玉の入賞という所定の始動条件が成立した場合には、主制御部20は、特図抽選用の抽選用乱数を抽出することで第1(第2)特図抽選を実行する。第1(第2)特図抽選用の抽選用乱数は、第1(第2)特図保留として一旦、RAM204の記憶領域に格納される。ただし、第1(第2)特図保留の保留数が4個(上限保留数)である場合には、新たな第1(第2)特図保留は記憶されることなく消去される。
【0048】
なお、特図保留数は、
図4(a)に例示する液晶表示部290の表示画面の通り、右下隅部の特図保留表示エリア295にて表示される。この特図保留表示エリア295では、第1特図保留の保留数と第2特図保留の保留数とが2桁の数字のように並べて表示される。上位桁の数字295Lが第1特図保留の保留数を表し、下位桁の数字295Rが第2特図保留の保留数を表している。
【0049】
主制御部20は、特図報知エリア291での図柄変動が停止しており、かつ、大当たり状態の発生中ではないとき、第1特図保留あるいは第2特図保留を読み出し、特図抽選の当否を表す報知演出としての図柄変動を実行する。このとき、主制御部20は、第1特図保留よりも第2特図保留を優先して読み出す。それ故、第1特図保留は、第2特図保留がゼロのときのみ読み出される。
【0050】
主制御部20は、発生中の遊技状態に対応する特図抽選用の抽選テーブルを選択し、読み出した特図保留(特図抽選の抽選用乱数)を照合することにより特図抽選を実行する。なお、演出制御部35では、特図保留を利用して上記の演出抽選が実行される。この演出抽選により、リーチ演出を含む報知演出の種類や図柄変動時間等が決定される。
【0051】
特図抽選の当否は、特
図1表示部281または特
図2表示部282に表示されるほか、液晶表示部290の特図報知エリア291(
図4(a))において解りやすく報知される。特図報知エリア291では、演出用の3つの数字図柄の変動表示を経て、停止表示された3桁の数字図柄の組み合わせによって特図抽選の結果が報知される。
【0052】
特図報知エリア291は、3桁の演出用のアラビア数字による数字図柄の組み合わせに応じて特図抽選結果を報知する。3桁のゾロ目が大当たりを報知する大当たり図柄である。さらに、大当たり図柄のうち、「333」、「777」など奇数図柄の組み合わせが10R大当たりの報知図柄となっており、「222」、「444」など偶数図柄の組み合わせが5R大当たりの報知図柄となっている。
【0053】
大当たりが10R大当たりであれば、上記のラウンド処理が10回繰り返し実行される10R大当たり状態が発生する。そして、10R大当たり状態が終了すると、大当たり抽選の当選確率が高くなる確変状態が発生する。この確変状態において大当たりが再度発生すれば、大当たり状態が連続的に発生して連荘となる。上記のごとく、1Rは、アタッカー26に玉が10回入賞すると終了する。大入賞口260への入賞1回当たりの払出玉数は15玉であるので、1Rの差玉数は約140玉(150玉-10玉)となる。
【0054】
確変状態下では、
図4(b)の表示画面が液晶表示部290に表示される。この表示画面では、確変状態の実行中である旨を示す「確変中!」の文字が上段の遊技状態表示エリア297に表示され、左下の隅部の獲得数表示欄293には、通常状態での大当たりである初当たり発生時からの差玉数が表示される。ここで、差玉数とは、入賞に付与された玉数である払出玉数から、遊技に消費された玉数である消費玉数(発射玉数、投入玉数。)を差し引いた玉数であり、遊技者が獲得した玉数を示している。
【0055】
大当たりが5R大当たりであった場合には、上記のラウンド処理が5回繰り返し実行される5R大当たり状態が発生する。そして、5R大当たり状態が終了すると、通常状態に移行する。連荘中に5R大当たりに当選すると、5R大当たり状態の終了に応じて通常状態が発生し、連荘が終了する。
【0056】
(B)遊技情報表示装置
遊技情報表示装置1(
図1及び
図5)は、対応する遊技機に関する各種の情報を表示する装置である。遊技情報表示装置1は、管理装置41から各種の設定情報や対応する遊技機に関する情報を受信すると共に、対応する遊技機が出力する遊技信号を受信する。そして、遊技情報表示装置1は、受信した設定情報や遊技信号等に基づいて各種の表示用情報を作成して表示する。なお、遊技情報表示装置1は、中継装置42経由で、設定情報や遊技信号などを受信する。
【0057】
管理装置41から受信する設定情報としては、例えば、対応する遊技機2の機種名、識別情報となる台番号、大当たり確率や大当たり出玉数などの遊技性能、打止となる持玉数である打止値、当該機種における初当たり1回の平均差玉数、等の情報がある。ここで、初当たりとは通常状態において発生した大当たりを意味し、その大当たり発生時点から再度、通常状態へ戻るまでの期間における差玉数(払出玉数-発射玉数)が初当たり1回当たりの差玉数である。初当たり1回当たりの平均差玉数は、直近10日分の実績に基づき、管理装置41が機種全体で算出する平均の数値である。これに代えて、中継装置42または遊技情報表示装置1が、対応する遊技機のみの数値を算出しても良い。
【0058】
遊技情報表示装置1は、大型の液晶ディスプレイよりなる液晶表示部13を備えている。液晶表示部13の画面130の下側には、呼出ボタン141、リモコン受光部147、各種の操作ボタン群145、などが配置され、上半分を取り囲むようにランプ部12が配設されている。
【0059】
遊技情報表示装置1は、
図6のごとく、制御部10を中心として電気的に構成されている。制御部10は、ソフトウェアを実行して各種演算を実施するCPU101、メモリ手段としてのROM102・RAM104、信号の入出力を行うI/O部105を含んでいる。制御部10に対しては、外部と信号の送受信を実行する送受信部108、液晶表示部13、従業員の呼出機能を有するランプ部12、呼出ボタン141、操作ボタン群145、及びリモコン受光部147、等が電気的に接続されている。
【0060】
遊技情報表示装置1は、以下の各手段としての機能を備えている。
(1)遊技情報生成手段:パチンコ遊技機2が出力する遊技信号の受信回数等を集計等することで、各種の遊技情報を生成する手段。
(2)現在値特定手段:遊技価値の現在値を特定する手段。本例では、現在(最新)の差玉数と当日の最小差玉数との差(ギャップ)に当たる持玉数を、現在値として例示する。
(3)平均値特定手段:初当たりが発生した時点から確変状態(特別状態)及び大当たり状態を交互に繰り返したあと再度通常状態へ復帰するまでの連荘期間(連続大当たり期間)において、遊技者が獲得できる遊技価値の平均的な大きさである差玉数の平均値を特定する手段。本例の平均値特定手段は、管理装置41からの取得情報に基づいて、連荘期間の差玉数の平均値を特定する。なお、本例のパチンコ遊技機2では、10R大当たりが確変状態の発生条件となっているため、通常状態下の10R大当たりが初当たりに該当する。
(4)差分値特定手段:持玉数(遊技者が獲得した遊技価値の現在値の一例)と打止値との差分値を特定する手段。
(5)打止判定手段:対応するパチンコ遊技機2が打止状態に移行したことを判定する手段。打止判定手段は、打止信号の受信に応じて打止状態への移行を判定する。
(6)表示手段:現在値の一例である持玉数、打止値、及び差分値のうち少なくとも何れか2つを表示可能な手段。
(7)報知手段:平均値特定手段により特定された平均値と、差分値特定手段により特定された差分値と、を比較し、平均値より差分値の方が小さい場合には、遊技者に対して遊技を回避すべき旨の報知を行う手段。
【0061】
上記の各手段のうち、(1)~(5)の各手段は、例えばROM102から読み出したソフトウェアプログラムを、CPU101により実行することで、制御部10が実現する手段である。(6)及び(7)の各手段は、各種の情報を表示する液晶表示部13によって実現される手段である。
【0062】
遊技情報表示装置1は、対応するパチンコ遊技機2の各種の遊技情報を表示可能である。遊技情報表示装置1による表示画面の構成や、表示内容について、以下、
図7~
図9を参照して説明する。
【0063】
遊技情報表示装置1による表示画面130での表示として、遊技中の遊技情報表示画面(
図7)、打止状態下の遊技情報表示画面(
図8)、遊技回避推奨時の遊技情報表示画面(
図9)を例示して説明する。
図7~
図9の各遊技情報表示画面は、画面仕様が共通している一方、表示状況が異なっている。
【0064】
各遊技情報表示画面の左端には、上から、本日大当たり回数表示欄161、前日大当たり回数表示欄162、前々日大当たり回数表示欄163、只今スタート表示欄164、累計スタート表示欄165が配置されている。そして、これらの表示欄の右側、上部には、いわゆるスランプグラフである差玉推移グラフを表示するグラフ表示欄160が配置され、その下側には、メッセージ表示欄168が配置されている。
【0065】
只今スタート表示欄164は、営業開始時点からのスタート回数であって、大当たり終了毎にゼロリセットされ積算が再開されるスタート回数である只今スタートの表示欄である。累計スタート表示欄165は、営業開始時点からのスタート回数の累計の表示欄である。
【0066】
差玉推移グラフは、営業開始時点からの差玉数(払出玉数-消費玉数)の推移を折れ線のグラフ形式で表すものである。差玉推移グラフでは、最下点に当たる最小差玉数と、現在(最新)の差玉数と、の差(ギャップ)が、遊技者が獲得した遊技価値の現在値の一例である持玉数として表示される。例えば、遊技中の表示画面(
図7)では、持玉数が26530玉と表示されると共に、持玉数と打止値との差分値の一例である残り差玉数が3470玉(30000玉-26530玉)と表示されている。なお、現在の差玉数が最小である場合、持玉数はゼロとなる。
【0067】
遊技中の遊技情報表示画面(
図7)では、打止になる上限値である打止値が30000玉である旨、持玉数(26530玉)、打止までの残り差玉数(3470玉)、初当たり1回当たりの平均差玉数(2350玉)、等のデータが、メッセージ表示欄168に表示される。
【0068】
図7の例示の場合、打止までの残り差玉数(3470玉)が、初当たり1回当たりの平均差玉数(2350玉)を1000玉以上超えていることから、「打止目指して頑張って下さい!!」等、遊技の続行あるいは開始を推奨するテキストメッセージが、メッセージ表示欄168に表示される。このような表示が有れば、初当たりが発生したときに直ちに打止になるおそれはなく、初当たりに応じて少なくとも平均差玉数の遊技球を獲得できるチャンスが残っていることを、遊技者に知らしめることができる。
【0069】
打止中の遊技情報表示画面(
図8)では、持玉数が30000玉と表示されている。この30000玉は、持玉数の上限値である打止値と一致しており、持玉数が打止値に達したことで、打止となっていることがわかる。また、打止中の遊技情報表示画面(
図8)では、持玉数が打止値に到達して打止状態になっており、遊技ができないことを知らせるメッセージがメッセージ表示欄168に表示される。
【0070】
遊技回避推奨時の遊技情報表示画面(
図9)は、持玉数が打止値に到達するよりも前、すなわち打止となる前に、遊技者に対して遊技を回避すべき旨の報知を行う画面である。遊技回避推奨時の遊技情報表示画面のメッセージ表示欄168には、打止値30000玉に対して持玉数が28050玉であり、残り差玉数が1950玉であること、初当たり1回当たりの平均差玉数は2350玉であること、等のデータが、メッセージ表示欄168に表示される。
【0071】
図9の例示の場合、打止までの残り差玉数(1950玉)が、初当たり1回当たりの平均差玉数(2350玉)に満たないことから、「他の台で遊技することをおススメします!!」等、遊技の回避あるいは終了を推奨するテキストメッセージが、メッセージ表示欄168に表示される。このような表示が有れば、初当たりが発生しても十分な払い出しを受けられないおそれがある旨を事前に遊技者に知らしめることができる。初当たりが発生したにも関わらず十分な払い出しを受けられないまま打止状態へ至ってしまい、遊技者が不満を抱いてしまう事態を未然に回避できる。
【0072】
以上の通り、本例の遊技情報表示装置1は、大当たりの発生確率が低い通常状態、及び大当たりの発生確率が高い特別状態の一例である確変状態の何れか一方を選択的に発生可能であり、遊技者が獲得した遊技価値の現在値(持玉数を例示)が所定の上限値である打止値に達した場合に遊技不可能な打止状態へ移行するパチンコ遊技機2に付設される装置である。
【0073】
本例の遊技情報表示装置1は、現在値の一例である持玉数、及び持玉数と打止値との差分値(残り差玉数を例示。)を特定可能であり、持玉数、打止値、及び残り差玉数のうちの少なくとも何れか2つを表示可能である。さらに、本例の遊技情報表示装置1は、連続大当たり期間(連荘期間を例示。)において遊技者が獲得可能な遊技価値の平均値(差玉数の平均値を例示。)を特定可能であり、この平均値より残り差玉数の方が小さい場合には、遊技者に対して遊技を回避すべき旨の報知を行うことができる。
【0074】
本例の遊技情報表示装置1は、持玉数が打止値に接近しているとき、残り差玉数と上記の平均値との比較に応じて遊技を回避すべきか否かを報知するため、大当たりが発生しても十分な遊技価値を獲得できないまま打止状態へ至り、遊技者が不満を抱いてしまう事態を回避できる。
【0075】
このように本例の遊技情報表示装置1は、打止状態の設定により射幸心の煽り過ぎを抑制しつつ、遊技者に一定の満足感を与えることができ、ひいては遊技機の稼動率を適度に維持できるという優れた特性を備える装置である。
【0076】
本実施形態の構成に代えて、あるいは加えて以下のような構成を採用することも良い。また、以下の各構成を適宜組み合わせて採用することも良い。
遊技情報表示装置1が表示可能な遊技情報の種類は本例に限定されず、様々な種類の遊技情報を表示することができる。例えば、大当たりの発生確率、大当たりの初当たり回数、大当たりの連荘回数、直近1ヵ月の打止発生回数などを表示しても良い。
【0077】
遊技回避(終了)を推奨するメッセージと共に、遊技を推奨する他の遊技機の台番号を表示するようにしても良い。上記の報知手段としての遊技情報表示装置1により遊技を回避すべき旨の報知が行われる際、遊技者に対して遊技を推奨する他の遊技機の台番(識別情報の一例)を報知する推奨遊技機報知手段としての機能を、遊技情報表示装置1に設けることも良い。さらには、推奨する台番号の持玉数及び残り差玉数の少なくともいずれかを一緒に表示しても良い。遊技を推奨する他の遊技機を推奨遊技機として報知すれば、打止が近いために遊技を一旦終了する必要が生じた遊技者の不満を抑えることができると共に、新たな遊技台で遊技するように遊技者を動機付けできる。
【0078】
本例では、打止値として持玉数(現在(最新)の差玉数-最小差玉数)の上限値を設定するようにしたが、これに限定されず様々な打止値を設定できる。例えば、持玉数に代えて差玉数(払出玉数-消費玉数)の上限値を打止値として設定しても良い。
【0079】
打止状態へ移行したときは遊技不可能な状態としたが、その後に打止状態を解除して遊技可能な状態へ復帰できるようにしても良い。例えば、打止状態へ移行した状態において、遊技価値の現在値の一例である持玉数をゼロにリセットした上で打止状態を解除し、遊技可能な状態へ復帰させる打止解除手段を、遊技機側に設けることも良い。このような打止解除手段を遊技機に設ければ、打止に至った後、稼動を再開できるようになり、稼動率を向上できる。
【0080】
打止解除手段としては、例えば、遊技場側が任意のタイミングで所定の打止解除操作を行うことにより、遊技可能な状態へ復帰させる手段であっても良く、打止状態へ移行した後、所定時間が経過した時点で自動的に打止状態を解除する手段であっても良い。打止状態が解除されたときは、持玉数の算出をゼロリセットされた状態から再開すると良い。この場合、打止状態への移行を判定した後、打止状態の解除を判定する打止解除判定手段を遊技情報表示装置1に設けると良い。例えば、打止解除判定手段は、打止状態への移行が判定された後、再度、遊技媒体消費信号などの遊技機の稼動を表す信号を受信したとき、打止状態が解除されたと判定することも良い。
【0081】
本例では、初当たり1回の平均差玉数を表示するようにしたが、初当たり1回の最大差玉数や最小差玉数を一緒に表示しても良い。
打止値とは別に、初当たり1回の差玉数に対して制限値が設定される遊技機を対象としても良い。例えば、打止値が30000玉、初当たり1回の差玉制限値が3000玉等の設定が考えられる。この場合は、現在値と打止値との差が上記の差玉制限値未満であるときに遊技回避を推奨しても良い。
【0082】
本例では、遊技情報表示装置1を遊技機の上方に付設したが、遊技機の側方や下方であっても良いし、遊技機に対して一体的に遊技情報表示装置1を付設しても良いし、さらには、遊技情報表示装置1の機能を遊技機2あるいは貸出装置43に組み込むことも良い。
【0083】
本例では、入賞に応じて遊技玉を払い出す方式のパチンコ遊技機2を、遊技機の一例として例示したが、遊技機はこれに限定されない。入賞に応じて遊技点を付与する封入式のパチンコ遊技機であっても良い。また、パチスロ遊技機やジャン球遊技機などであっても良い。遊技に使用される遊技価値は、電子的な得点の他、実体のある玉、メダルなどが相当する。
【0084】
以上、実施例のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形、変更あるいは適宜組み合わせた技術を包含している。
【符号の説明】
【0085】
1 遊技情報表示装置
10 制御部(遊技情報生成手段、現在値特定手段、平均値特定手段、差分値特定手段、打止判定手段)
13 液晶表示部(表示手段、報知手段)
130 表示画面
160 グラフ表示欄
168 メッセージ表示欄
2 パチンコ遊技機(遊技機)
20 主制御部(抽選手段、大当たり状態発生手段、打止状態設定手段、遊技価値記憶手段、打止値記憶手段)
327 設定操作部
4 遊技場管理システム
40 場内ネットワーク
41 管理装置
42 中継装置
43 貸玉装置