(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142559
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】円形沈殿池における除藻装置
(51)【国際特許分類】
B01D 21/06 20060101AFI20230928BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20230928BHJP
【FI】
B01D21/06 Z
C02F1/00 G
B01D21/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049512
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001834
【氏名又は名称】三機工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592181082
【氏名又は名称】間機設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090985
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100093388
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 喜三郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206302
【弁理士】
【氏名又は名称】落志 雅美
(72)【発明者】
【氏名】木谷 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】和田 知宏
(57)【要約】 (修正有)
【課題】形沈殿池の越流ノッチや処理水が流出するトラフ等の躯体に発生した付着藻を除去すると共に円形沈殿池のトラフの側壁や底壁の表面の凹凸に付着した藻を除去する除藻装置を提供する。
【解決手段】円形沈殿池に設けられたセンタースクレーパーに取付けられた除藻ブラシ用サポートポール、該除藻ブラシ用サポートポールに接続された除藻ブラシ用アーム31、該除藻ブラシ用アーム31に接続されたガイド棒支持部材33、該ガイド棒支持部材33に接続されたガイド棒34、該ガイド棒34と支持プレート35を介して接続されている除藻ブラシ用ベース36に接続された中央底用除藻ブラシ、側部底用除藻ブラシ39、越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51、越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52、サイド用除藻ブラシ61等からなる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の底壁(2b)と、これに立設された環状の側壁(2a)と、越流側トラフ側壁(2c)を含む構造物から構成されている円形沈殿池(1)に回転可能に設けられたセンタースクレーパー(20)と、該センタースクレーパー(20)に立設された除藻ブラシ用サポートポール(30)と、該除藻ブラシ用サポートポール(30)に取付けられた除藻ブラシ用アーム(31)と、該除藻ブラシ用アーム(31)と調整板(32)と固定具(40)とにより位置調整可能に取付けられたガイド棒支持部材(33)と、該ガイド棒支持部材(33)に取付けられたガイド棒(34)と、
該ガイド棒(34)に接続された支持プレート(35)と、該支持プレート(35)に接続された除藻ブラシ用ベース(36)と、該除藻ブラシ用ベース(36)に取付けられた中央底用除藻ブラシ(37)と側部底用除藻ブラシ(39)と
からなることを特徴とする円形沈殿池における除藻装置。
【請求項2】
前記ガイド棒支持部材(33)から除藻ブラシ用ベース(36)をワイヤー(41)で吊っていることを特徴とする請求項1記載の円形沈殿池における除藻装置。
【請求項3】
前記除藻ブラシ用ベース(36)には回動用ピン(35a)及び(35b)を介して支持プレート(35)が取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【請求項4】
前記ガイド棒(34)は水平方向に回動可能であることを特徴とする請求項1~3の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【請求項5】
前記側部底用除藻ブラシ(39)が三角形状に構成されていることを特徴とする請求項1~4の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【請求項6】
前記除藻ブラシ用ベース(36)に取付板(53)と支持軸(54)とにより取付けられた越流側トラフ除藻ブラシ用ベース(50)と、該越流側トラフ除藻ブラシ用ベース(50)に取付けられた越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ(51)と越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ(52)とからなることを特徴とする請求項1~5の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【請求項7】
前記除藻ブラシ用ベース(36)に長穴を設けた取付板(62)と固定具(63)により取付けたサイド除藻ブラシ用ブラケット(60)と、該サイド除藻ブラシ用ブラケット(60)に取付けられたサイド用除藻ブラシ(61)とからなることを特徴とする請求項1~6の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【請求項8】
前記除藻ブラシ用アーム(31)に取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ用ベース(70)と、該越流ノッチ除藻ブラシ用ベース(70)に長穴と固定具(73)により取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット(71)と、該越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット(71)に取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ(72)とからなることを特徴とする請求項1~7の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、上下水処理場において使用する円形沈殿池のトラフ等に付着する藻などを効果的に除去するための清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上下水処理場において使用する円形沈殿池においては、特に水が浄化された処理工程の後段における最終沈殿池においては、被処理水の溶存酸素が増え、この状態で光と適度の栄養分が作用することにより、沈殿池の処理水が越流するノッチおよびノッチを通じて流出するトラフに藻が多量に付着する形で発生し生長する。
この発生した藻により沈殿池の貯蔵水が汚染され、また大量に発生した藻が腐敗することで腐敗臭が発生する。
この発生した藻を除去するには、手作業によるブラシ掛けや高圧ジェットによる洗浄が行われるが作業者を必要とし、夏には藻の成長が早く作業者の増員が必要になる。また、防藻塗料を施して藻の付着を抑制する方法があるが、塗料を施す前に藻をデッキブラシなどで除去したのち殺藻し、さらに水洗と乾燥を行なってワイヤブラシなどによってケレンするといったように大変な作業が必要である。しかも効き目の持続性が1年半程度であるため塗り替えの必要がある。
【0003】
また、この発生した藻が付着する場所は、特に屋外円形沈殿池の越流ノッチと沈殿池の処理水が越流ノッチを通じて流出するトラフである。
そして、藻が付着した場所毎においても色々な藻の除去装置が存在する。
例えば、越流堰内へ下向きに伸びるブラシ支えステーの下端に(ブラシ取付板を介して)ブラシが取り付けられていてブラシ支えステーの上部に設けられたハンドルを回転させ越流堰内の藻を除去する除去装置(特許文献1)、断面T形で脚部長手方向にトラフを添着した浄化槽隔壁へ附設され、隔壁上面を長手方向移送可能な枠体と、枠体側面へ垂直に固着したガイド棒と、ガイド棒に沿い昇降可能な滑子と、枠体に附設されモータとクランク軸と連杆とから成る滑子の昇降装置と、背面を滑子に固着された樋形ホルダと、中央部でホルダに枢着され隔壁の所要面へ当接可能なブラシを下端に備えるアームと、アーム上端部を螺合貫通してホルダ底面を押圧可能な調節ボルトと、アームと対向して枠体に附設され両者で隔壁を挾持可能なガイド輪装置とから構成された浄化槽隔壁のブラシ掛け装置(特許文献2)等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平3―12321号公報
【特許文献2】特開平3―143510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記先行技術は、何れも藻が付着した場所やブラシ掛けの構造が異なる。
円形沈殿池は土木工事によるコンクリートを用いて製作されていることから、円形沈殿池の沈殿池の処理水が越流ノッチを通じて流出するトラフである躯体の表面に数mmから、ときには数十mm程度の凹凸が生じる事がある。そのために、円形沈殿池の躯体の凸凹に対してブラシが追従できないことから藻の掻き残しが生じてしまう。
また経時劣化により凹凸の大きさや深さが深くなるとブラシが凹凸の内部まで届かないため藻の掻き残しが生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、発生した藻が付着する円形沈殿池の越流ノッチや処理水が流出するトラフ等の躯体においてブラシで藻を除去する除藻装置を提供することを目的とする。
また、コンクリートを用いて製造されている円形沈殿池の躯体の凹凸に付着した藻を除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を下記の手段より解決した。
〔1〕環状の底壁2bと、これに立設された環状の側壁2aと、越流側トラフ側壁2cを含む構造物から構成されている円形沈殿池1に回転可能に設けられたセンタースクレーパー20と、該センタースクレーパー20に立設された除藻ブラシ用サポートポール3)と、該除藻ブラシ用サポートポール30に取付けられた除藻ブラシ用アーム31と、該除藻ブラシ用アーム31と調整板32と固定具40とにより位置調整可能に取付けられたガイド棒支持部材33と、該ガイド棒支持部材33に取付けられたガイド棒34と、
該ガイド棒34に接続された支持プレート35と、該支持プレート35に接続された除藻ブラシ用ベース36と、該除藻ブラシ用ベース3)に取付けられた中央底用除藻ブラシ37と側部底用除藻ブラシ3)と
からなることを特徴とする円形沈殿池における除藻装置。
〔2〕前記ガイド棒支持部材33から除藻ブラシ用ベース36をワイヤー41で吊っていることを特徴とする〔1〕記載の円形沈殿池における除藻装置。
〔3〕前記除藻ブラシ用ベース36には回動用ピン35a及び35bを介して支持プレート35が取付けられていることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の円形沈殿池における除藻装置。
〔4〕前記ガイド棒34は水平方向に回動可能であることを特徴とする〔1〕~〔3〕の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
〔5〕前記側部底用除藻ブラシ39が三角形状に構成されていることを特徴とする〔1〕~〔4〕の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
〔6〕前記除藻ブラシ用ベース36に取付板53と支持軸54とにより取付けられた越流側トラフ除藻ブラシ用ベース50と、該越流側トラフ除藻ブラシ用ベース50に取付けられた越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51と越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52とからなることを特徴とする〔1〕~〔5〕の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
〔7〕前記除藻ブラシ用ベース36に長穴を設けた取付板62と固定具63により取付けたサイド除藻ブラシ用ブラケット60と、該サイド除藻ブラシ用ブラケット60に取付けられたサイド用除藻ブラシ6)とからなることを特徴とする〔1〕~〔6〕の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
〔8〕前記除藻ブラシ用アーム31に取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ用ベース70と、該越流ノッチ除藻ブラシ用ベース70に長穴と固定具73により取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット71と、該越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット71に取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ72とからなることを特徴とする〔1〕~〔7〕の何れか1に記載の円形沈殿池における除藻装置。
【0008】
上記構成の本発明によれば、発生した藻が付着する円形沈殿池の越流ノッチや処理水が流出するトラフ等の躯体において、ブラシで藻を除去できる除藻装置を提供することができる。
また、円形沈殿池のトラフ等の躯体の凸凹に対しても藻の掻き残しを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の円形沈殿池における除藻装置の実施例の平面図である。
【
図6】本発明の円形沈殿池における除藻装置の構造図である。
【
図7】本発明の円形沈殿池における除藻装置の構造図である。
【
図8】本発明の円形沈殿池における除藻装置の使用方法を表す図である。
【
図9】本発明の円形沈殿池における除藻装置の使用方法を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、実施例の図に基づいて説明する。
図1は本発明の円形沈殿池における除藻装置の実施例の平面図、
図2は
図1のA-A’線拡大図、
図3は
図2の側面図、
図4及び5図は
図3中の矢線Xで示す領域の拡大図であり、
図4には後述する
図5に記載されているサイド用除藻ブラシ用ブラケット60、サイド用除藻ブラシ61、調整板62等の記載を省略している。
図5も
図4と同様に後述する
図4に記載されている中央底用除藻ブラシ37、側部底用除藻ブラシ用ブラケット38、側部底用除藻ブラシ39、越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51、越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52、該越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51及び越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52を取付ける越流側トラフ除藻ブラシベース50等の記載を省略している。
図6及び
図7は本発明の円形沈殿池における除藻装置の構造図で
図6は、
図1の矢印イの方向から、
図7は
図1の矢印ロの方向から見た図である。
図8及び
図9は本発明の円形沈殿池における除藻装置の使用方法を表す図である。
【0011】
図1~
図9において、
1は円形沈殿池、2はトラフ、3は越流ノッチ(ウェアプレート)、4は貯水槽(又は浄化槽)である。
円形沈殿池1の処理水が流出するトラフは、環状の底壁2bと、これに立設された環状の側壁2a及び越流側トラフ側壁2cから構成されている。
越流側トラフ側壁2cの上辺は鋸歯状の越流ノッチ3が設けられていて汚泥等の沈殿物が貯水槽4の底から舞上がらないように、上層部の清水を貯水槽全体から平均的にゆっくりとオーバフローさせて外部へ流す。
10は円形沈殿池1上方に設けられた通路、20はセンタースクレーパー(汚泥掻き寄せ機)、21は駆動装置、22はセンターケージである。
円形沈殿池1に設けられた通路10は、貯水槽4内の水質検査並びにセンタースクレーパー20や駆動装置21の点検や修理の際に使用される。
30は除藻ブラシ用サポートポール、31は除藻ブラシ用アーム、32は調整板、33はガイド棒支持部材、34はガイド棒、35は支持プレート、36は除藻ブラシ用ベース、37は中央底用除藻ブラシ、38は側部底用除藻ブラシ用ブラケット、39は側部底用除藻ブラシである。
【0012】
前記側部底用除藻ブラシ39は、三角形状に構成されているので円形沈殿池1のトラフ2の底壁2bの角部の藻まで除去することができる。
前記ガイド棒支持部材33は、長穴を設けた調整板32にボルト、ナット及びワッシャ等の固定具40でトラフ幅方向の位置を調整できるように除藻ブラシ用アーム31に取付けられている。なお、以降に記述の固定具も、ナット及びワッシャを用いた例として記述する。また前記ガイド棒支持材33にはガイド棒34が取り付けられていて、ガイド棒34には回動用ピン35a及び35bを介して支持プレート35が取り付けられている。
そして該支持プレート35に除藻ブラシ用ベース36が取付けられている。
このような構成によりガイド棒支持部材33のトラフ幅方向の位置を調整することで除藻ブラシ用ベース36の左右の位置を調整することができ、これにより中央底用除藻ブラシ37や側部底用除藻ブラシ39の左右の位置を調整することができる。
【0013】
また、前記除藻ブラシ用ベース36は、ガイド棒支持部材33からワイヤー41で吊られており、底壁2bの底面の凹凸に応じて除藻ブラシ用ベース36が上下した際に、ワイヤー41の長さを調節することで、除藻ブラシ用ベース36に設けられたブラシ(37、39等)の刷掃力を一定以上に保持してブラシが折れ曲がらずに移動できる。ブラシが折れ曲がりすぎるとブラシの先端が刷掃面にうまく引っ掛からず刷掃力が弱まってしまうので、ブラシの先端を刷掃面に立てて刷掃力を保持させるのである。
【0014】
さらに、除藻ブラシ用ベース36には回動用ピン35a及び35bを介して支持プレート35が取付けられおり、底壁2bの底面の凹凸に応じて除藻ブラシ用ベース36が上下動した際、回動用ピン35a及び35bが
図8に示す方向に回動する。除藻ブラシ用ベース36に取り付けられた中央底用除藻ブラシ37と側部底用除藻ブラシ39に加え、除藻ブラシ用ベース36に装着されている他の部品を含めた自重で底壁2bの底面の凹凸に沿って中央底用除藻ブラシ37と側部底用除藻ブラシ39を押圧することにより、凹凸のある底壁2bの底面を隈なく刷掃することができることとなる。
【0015】
50は越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51と越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52を取付ける越流側トラフ除藻ブラシ用ベースであり、取付板53と支持軸54とにより前記除藻ブラシ用ベース36に取付けられている。
このように、前記越流側トラフ除藻ブラシ用ベース50は取付板53を介して除藻ブラシ用ベース36と繋がっているので除藻ブラシ用ベース36の左右の移動に応じて越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51と越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52が左右に移動できる。
また、前記越流側トラフ除藻ブラシ用ベース50は、ガイド棒支持部材33とワイヤー55で吊られており、越流側トラフ側壁上面2d、越流側トラフ側壁斜面2eの凹凸に応じて越流側トラフ除藻ブラシ用ベース50が上下動した際、ワイヤー55の長さを調節することで、越流側トラフ除藻ブラシ用ベース50に設けられたブラシ(51、52)の刷掃力を一定以上に保持してブラシが折れ曲がらずに移動できる。
【0016】
60はサイド除藻ブラシ用ブラケット、61はサイド除藻ブラシ、62は調整板、63は固定具である。
前記サイド除藻ブラシ用ブラケット60は、長穴を設けた調整板62に固定具63により位置を調整できるように除藻ブラシ用ベース36に取付けられているので、サイド除藻ブラシ61の左右方向の位置調整ができる。
また、前記サイド除藻ブラシ用ブラケット60は、ガイド棒支持部材33からワイヤー41で吊られている除藻ブラシ用ベース36に取り付けられており、底壁2bの底面の凹凸による該除藻ブラシ用ベース36の上下移動に応じてサイド用除藻ブラシ61の上下方向の移動が可能である。
【0017】
さらに、除藻ブラシ用ベース36に支持プレート35を介して接続されているガイド棒34は、
図9に示すように水平方向に回動可能であり、環状の側壁2aの面と越流側トラフ側壁面2fの凹凸に応じて除藻ブラシ用ベース36がトラフ幅方向の左右に動こうとすると、ガイド棒34が回動する。従って、除藻ブラシ用ベース36に設けられたサイド用除藻ブラシ61、側部底用除藻ブラシ39および越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51が環状の側壁2aの面と越流側トラフ側壁面2f並びに越流側トラフ側壁斜面2eの凹凸に応じてトラフ幅方向に動くので、凹凸のある環状の側壁2aの面、越流側トラフ側壁面2f及び越流側トラフ側壁斜面2eを隈なく刷掃することができることとなる。
なお、前記〔0016〕で記述している回動用ピン35a及び35b並びにガイド棒34での回動機構は、除藻ブラシ用ベース36を牽引する支持プレート35並びに回動用ピン35a及び35bの部分を、ロープ等に代替することでもよい。
【0018】
70は前記除藻ブラシ用アーム31に接続された越流ノッチ除藻ブラシ用ベース、71は越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット、72は越流ノッチ除藻ブラシ、73は固定具である。
前記越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット71には長穴が設けられて、前記越流ノッチ除藻ブラシ用ベース70に固定具73により位置を調整できるように移動可能に取付けられている。
これにより越流ノッチ除藻ブラシ72の上下方向の位置調整ができる。
【0019】
図8及び
図9は本発明の円形沈殿池における除藻装置の使用方法を表す図で、
図8は側面から見た図であり、
図9は
図8の平面図である。
図8に示すように駆動装置21によりセンタースクレーパー20を回転させると、該センタースクレーパー20に接続されている除藻ブラシ用サポートポール30に接続されている除藻ブラシ用アーム31が回転する。
そして除藻ブラシ用アーム31が回転すると、除藻ブラシ用アーム31に調整板32と固定具40により移動可能に取付けられているガイド棒支持部材33が除藻ブラシ用アーム31の回転と同じ方向に回転する。
このガイド棒支持部材33が回転すると、該ガイド棒支持部材33接続されているガイド棒34、該ガイド棒34と支持プレート35を介して接続されている除藻ブラシ用ベース36が同じ方向に回転する。
【0020】
そして、除藻ブラシ用ベース36が回転すると、該除藻ブラシ用ベース36を介して接続されている中央底用除藻ブラシ37、側部底用除藻ブラシ39、越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ51、越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ52及びサイド用除藻ブラシ61が同じ方向に回転する。
これにより、円形沈殿池の環状の側壁2a、環状の底壁2b、越流側トラフ側壁上面2d、越流側トラフ側壁斜面2eおよび越流側トラフ側壁面2fに付着した藻を除去することができる。
同様に、前記除藻ブラシ用アーム31が回転すると、該除藻ブラシ用アーム31に接続された越流ノッチ除藻ブラシ用ベース70に取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット71が同じ方向に回転するので該越流ノッチ除藻用ブラケット71に取付けられた越流ノッチ除藻ブラシ72が同じ方向に回転する。
これにより、円形沈殿池の越流ノッチ3や処理水が流出するトラフ2等の躯体に付着した藻を除去することができる。
【符号の説明】
【0021】
1:円形沈殿池
2:トラフ
2a:環状の側壁
2b:環状の底壁
2c:越流側トラフ側壁
2d:越流側トラフ側壁上面
2e:越流側トラフ側壁斜面
2f:越流側トラフ側壁面
3:越流ノッチ
4:貯水槽(又は浄化槽)
10:通路
20:センタースクレーパー(汚泥掻き寄せ機)
21:駆動装置
22:センターケージ
30:除藻ブラシ用サポートポール
31:除藻ブラシ用アーム
32:調整板
33:ガイド棒支持部材
34:ガイド棒
35:支持プレート
36:除藻ブラシ用ベース
37:中央底用除藻ブラシ
38:側部底用除藻ブラシ用ブラケット
39:側部底用除藻ブラシ
40:固定具
41:ワイヤー
50:越流側トラフ除藻ブラシ用ベース
51:越流側トラフ側壁斜面用除藻ブラシ
52:越流側トラフ側壁上面用除藻ブラシ
53:取付板
54:支持軸
55:ワイヤー
60;サイド用除藻ブラシ用ブラケット
61:サイド用除藻ブラシ
62:調整板
63:固定具
70:越流ノッチ除藻ブラシ用ベース
71:越流ノッチ除藻ブラシ用ブラケット
72:越流ノッチ除藻ブラシ
73:固定具