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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142610
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】移動局およびローカル基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20230928BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20230928BHJP
   H04W 76/19 20180101ALI20230928BHJP
   H04W 36/08 20090101ALI20230928BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20230928BHJP
【FI】
H04W48/18 115
H04W48/16 132
H04W48/16 131
H04W76/19
H04W36/08
H04W36/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049588
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】日向 峻輝
(72)【発明者】
【氏名】竹花 秀一
(72)【発明者】
【氏名】國定 温子
(72)【発明者】
【氏名】高木 佑介
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH23
5K067JJ03
5K067JJ39
(57)【要約】      (修正有)
【課題】公衆基地局に迅速に接続可能な移動局及びローカル基地局を提供する。
【解決手段】移動局101-iは、公衆網に接続する第1の公衆基地局及び閉域網と接続するローカル基地局と通信可能であって、移動局と接続している第1の公衆基地局に関する第1の基地局情報を記憶する記憶部141-iと、制御部111-iと、通信部121-i及び131-iを備える。制御部は、第1の公衆基地局との接続中に所定の契機で第1の公衆基地局との接続を切断するとともにローカル基地局と接続する。通信部は、第1の基地局情報をローカル基地局に送信し、第1の基地局情報を含む周辺基地局情報をローカル基地局から受信する。制御部は、ローカル基地局からの電波の受信レベルに基づいて、ローカル基地局との接続を切断するとともに周辺基地局情報に含まれる第1の基地局情報を用いて第1の公衆基地局に接続を要求する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆網に接続する第1の公衆基地局および閉域網と接続するローカル基地局と通信可能な移動局であって、
前記移動局と接続している前記第1の公衆基地局に関する第1の基地局情報を記憶する記憶部と、
制御部と、
通信部と、を備え、
前記制御部は、前記第1の公衆基地局との接続中に所定の契機で前記第1の公衆基地局との接続を切断するとともに前記ローカル基地局と接続し、
前記通信部は、前記第1の基地局情報を前記ローカル基地局に送信し、前記第1の基地局情報を含む周辺基地局情報を前記ローカル基地局から受信し、
前記制御部は、前記ローカル基地局からの電波の受信レベルに基づいて、前記ローカル基地局との接続を切断するとともに前記周辺基地局情報に含まれる前記第1の基地局情報を用いて前記第1の公衆基地局に接続を要求する、
移動局。
【請求項2】
前記制御部は、前記受信レベルが閾値以下であるか否か判定し、前記受信レベルが前記閾値以下であると判定された場合に、前記周辺基地局情報に含まれる前記第1の基地局情報を用いて前記第1の公衆基地局に接続を要求する請求項1記載の移動局。
【請求項3】
前記制御部は、前記ローカル基地局との接続中に前記第1の公衆基地局に対するセルサーチを行わない請求項1または2記載の移動局。
【請求項4】
前記周辺基地局情報は、前記公衆網に接続する第2の公衆基地局に関する第2の基地局情報をさらに含み、
前記制御部は、前記受信レベルに基づいて、前記ローカル基地局との接続を切断するともに前記周辺基地局情報に含まれる前記第2の基地局情報を用いて前記第2の公衆基地局に接続を要求する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の移動局。
【請求項5】
前記周辺基地局情報は、前記第1の基地局情報および前記第2の基地局情報それぞれに対応付けられた優先度をさらに含み、
前記制御部は、前記優先度に基づいて、前記第1の公衆基地局および前記第2の公衆基地局のうちのいずれかを優先して接続を要求する請求項4記載の移動局。
【請求項6】
閉域網に接続するローカル基地局であって、
制御部と、
通信部と、
公衆網に接続する第1の公衆基地局に関する第1の基地局情報を含む周辺基地局情報を記憶する記憶部と、を備え、
前記制御部は、第1の移動局の前記ローカル基地局からの電波の受信レベルを監視し、
前記通信部は、前記受信レベルに基づいて、前記記憶部に記憶された前記周辺基地局情報を前記第1の移動局に送信する、
ローカル基地局。
【請求項7】
前記通信部は、前記第1の基地局情報を前記第1の移動局から受信する請求項6記載のローカル基地局。
【請求項8】
前記制御部は、前記受信レベルが閾値以下であるか否か判定し、
前記通信部は、前記受信レベルが前記閾値以下であると判定された場合、前記周辺基地局情報を前記第1の移動局に送信する請求項7記載のローカル基地局。
【請求項9】
前記周辺基地局情報は、前記公衆網に接続する第2の公衆基地局に関する第2の基地局情報をさらに含み、
前記通信部は、前記移動局の前記ローカル基地局からの電波の受信レベルに基づいて、前記記憶部に記憶された前記第1の基地局情報および前記第2の基地局情報を含む前記周辺基地局情報を前記第1の移動局に送信する請求項6または7記載のローカル基地局。
【請求項10】
前記通信部は、前記第2の基地局情報を第2の移動局から受信する請求項9記載のローカル基地局。
【請求項11】
前記周辺基地局情報は、前記第1の基地局情報および前記第2の基地局情報それぞれに対応付けられた優先度をさらに含む請求項9または10記載のローカル基地局。
【請求項12】
前記優先度は、前記第1の基地局情報および前記第2の基地局情報それぞれを前記通信部が受信した回数に基づいて設定される請求項11記載のローカル基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動局およびローカル基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
移動局の消費電力の増大を防止しつつ、効率的なセルサーチや高速ハンドオーバを可能にする接続制御方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-278264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の場合、移動局が在圏する公衆基地局は、周辺セル情報を把握しているため在圏エリア外になる前に移動局に周辺の公衆基地局に関する情報を通知し、移動局はセルサーチをすることが可能である。しかし、在圏する基地局が公衆網に接続されていないローカル基地局の場合、ローカル基地局は周辺の公衆基地局の存在を認知することが困難である。そのため、ローカル基地局は、移動局がローカル基地局の在圏エリア外に出る前に移動局へ周辺の公衆基地局に関する情報を通知することができない。そのため、周辺の公衆基地局に関する情報を把握していない移動局は、ローカル基地局の在圏エリア外に出ると、一旦圏外となり通信が出来ない状態に陥ってしまう。
【0005】
本発明の一態様は、公衆基地局に迅速に接続可能な移動局およびローカル基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る移動局は、公衆網に接続する第1の公衆基地局および閉域網と接続するローカル基地局と通信可能な移動局であって、前記移動局と接続している前記第1の公衆基地局に関する第1の基地局情報を記憶する記憶部と、制御部と、通信部と、を備え、前記制御部は、前記第1の公衆基地局との接続中に所定の契機で前記第1の公衆基地局との接続を切断するとともに前記ローカル基地局と接続し、前記通信部は、前記第1の基地局情報を前記ローカル基地局に送信し、前記第1の基地局情報を含む周辺基地局情報を前記ローカル基地局から受信し、前記制御部は、前記ローカル基地局からの電波の受信レベルに基づいて、前記ローカル基地局との接続を切断するとともに前記周辺基地局情報に含まれる前記第1の基地局情報を用いて前記第1の公衆基地局に接続を要求する。
【0007】
本発明の一態様に係るローカル基地局は、閉域網に接続するローカル基地局であって、制御部と、通信部と、公衆網に接続する第1の公衆基地局に関する第1の基地局情報を含む周辺基地局情報を記憶する記憶部と、を備え、前記制御部は、第1の移動局の前記ローカル基地局からの電波の受信レベルを監視し、前記通信部は、前記受信レベルに基づいて、前記記憶部に記憶された前記周辺基地局情報を前記第1の移動局に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
図2】実施の形態に係る移動局の構成図の一例である。
図3】実施の形態に係るローカル基地局の構成図の一例である。
図4】周辺基地局情報の一例である。
図5】実施の形態に係るシステムの処理(その1)を示す図である。
図6】実施の形態に係るシステムの処理(その1)のシーケンス図である。
図7】実施の形態に係るシステムの処理(その2)を示す図である。
図8A】実施の形態に係るシステムの処理(その2)のシーケンス図である。
図8B】実施の形態に係るシステムの処理(その2)のシーケンス図である。
図9】実施の形態に係るシステムの制御処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、実施の形態に係るシステムの構成図の一例である。
【0011】
実施の形態に係るシステム10は、移動局101-i(i=1~2)、ローカル基地局201、および公衆基地局301-j(j=1~2)を有する。
【0012】
移動局101-iは、ローカル基地局201および公衆基地局301-jと通信を行う。移動局101-iは、DSDS(Dual SIM Dual Standby)機能を有し、2回線同時に待ち受けが可能であり、通信は片方ずつ可能である。具体的には、例えば、移動局101-iは、ローカル基地局201と公衆基地局301-jの両方の通信を待ち受け可能であり、ローカル基地局201と公衆基地局301-jの片方ずつと通信可能である。移動局101-iは、例えば、スマートフォン、タブレット、または可搬型ルーター等の通信装置である。
【0013】
移動局101-iは、公衆基地局301-jに接続している状態から公衆基地局301-jとの通信を切断してローカル基地局201との接続をする場合、ローカル基地局201との接続時に、直前に接続していた公衆基地局301-jに関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。また、移動局101-iは、ローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下となった場合に、ローカル基地局201との通信を切断するとともに公衆基地局301-jに関する隣接基地局情報をローカル基地局201から受信し、隣接基地局情報に基づいて公衆基地局301-jと接続する。
【0014】
ローカル基地局201は、移動局101-iと通信し、特定のエリアや建物内などに局所的なネットワークを構築するための基地局である。ローカル基地局201は、ローカル基地局201が通信可能なエリアであるセル202内の移動局と通信可能である。ローカル基地局201は、閉域網と接続しており、公衆網とは論理的または物理的に接続していない。ローカル基地局201は、例えば、5G(5th Generation)で通信を行うローカル5G基地局またはLTE(Long Term Evolution)で通信を行うローカル4G基地局などである。
【0015】
ローカル基地局201は、移動局101-iがローカル基地局201と接続する直前に接続していた公衆基地局301-jに関する基地局情報を移動局101-iから受信する。ローカル基地局201は、移動局101-iにおけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを移動局101-iから受信し、当該電波の受信レベルを監視する。
【0016】
ローカル基地局201は、移動局101-iにおけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下となった場合に、公衆基地局301-jに関する基地局情報を含む隣接基地局情報を移動局101-iに送信する。
【0017】
公衆基地局301-jは、公衆網と接続しており、公衆基地局301-jが通信可能なエリアであるセル302-i内の移動局と通信可能である。例えば、図1において、セル302-1内の移動局101-1は、公衆基地局301-1と通信可能であり、セル302-2内の移動局101-2は、公衆基地局301-2と通信可能である。公衆基地局301-jは、例えば、5GまたはLTE(Long Term Evolution)で移動局101-iと通信を行う。
【0018】
公衆基地局301-1および公衆基地局301-2は、それぞれ第1の公衆基地局および第2の公衆基地局の一例である。
【0019】
図2は、実施の形態に係る移動局の構成図の一例である。
【0020】
移動局101-iは、制御部111-i、第1通信部121-i、第2通信部131-i、および記憶部141-iを有する。
【0021】
制御部111-iは、移動局101-iの制御を行う。制御部111-iは、基地局情報処理部112-iおよび通信処理部113-iを有する。制御部111-iは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、または集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)等で実現される。
【0022】
基地局情報処理部112-iは、第1通信部121-iを介して、移動局101-iが接続中の公衆基地局301-jに関する基地局情報を公衆基地局301-jから取得し、記憶部141-iに記憶する。基地局情報は、公衆基地局301-jを識別する情報であるセルIDおよび公衆基地局301-jの通信事業者を識別する情報であるPLMN(Public Land Mobile Network)を含む。
【0023】
基地局情報処理部112-iは、第1通信部121-iを介して、記憶部141-iに記憶された公衆基地局301-jに関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。詳細には、基地局情報処理部112-iは、ローカル基地局201との接続時に、直前に接続していた公衆基地局301-jに関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。
【0024】
基地局情報処理部112-iは、第2通信部131-iを介して、周辺基地局情報をローカル基地局201から取得し、記憶部141-iに記憶する。周辺基地局情報は、基地局情報(例えば、セルIDおよびPLMN)を含む。また、周辺基地局情報は、優先度をさらに含んでいてもよい。周辺基地局情報の詳細については後述する。
【0025】
通信処理部113-iは、移動局101-iとローカル基地局201間、および移動局101-iと公衆基地局301-j間の通信の制御を行う。
【0026】
通信処理部113-iは、第2通信部131-iが受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルを監視し、当該受信レベルをローカル基地局201に送信する。
【0027】
通信処理部113-iは、ローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下の場合、ローカル基地局201との通信を切断し、周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-jに接続要求を行い、公衆基地局301-jと接続し、通信する。
【0028】
第1通信部121-iは、制御部111-iの制御により、第1通信部121-iが備えるアンテナ122-iを用いて、公衆基地局301-jと通信を行う。第1通信部121-iは、公衆基地局301-jに関する基地局情報を公衆基地局301-jから受信し、基地局情報処理部112-iに出力する。
【0029】
第1通信部121-iは、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路により実現される。
【0030】
第2通信部131-iは、制御部111-iの制御により、第2通信部121-iが備えるアンテナ132-iを用いて、ローカル基地局201と通信を行う。第1通信部121-iは、記憶部141-iに記憶されている公衆基地局301-jに関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。また、第2通信部131-iは、周辺基地局情報をローカル基地局201から受信し、基地局情報処理部112-iに出力する。第2通信部131-iは、例えば、LSI等の集積回路により実現される。
【0031】
記憶部141-iは、移動局101-iで用いられるデータやプログラム等を記憶する。記憶部141-iは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、またはフラッシュメモリ等の記憶装置である。
【0032】
記憶部141-iは、接続中または接続していた公衆基地局301-jに関する基地局情報を記憶する。基地局情報は、公衆基地局301-jのセルIDおよびPLMNを含む。尚、公衆基地局301-jに関する基地局情報は、公衆基地局301-jとの接続終了(切断)から一定時間経過後に削除される。
【0033】
また、記憶部141-iは、ローカル基地局201から受信した周辺基地局情報を記憶する。周辺基地局情報は、ローカル基地局201の周辺に存在する公衆基地局301-jに関する情報である。周辺基地局情報は、基地局情報(例えば、セルIDおよびPLMN)を含む。周辺基地局情報は、優先度をさらに含んでいてもよい。
【0034】
また、移動局101-iは、NFC(Near Field Communication)またはBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う機能、およびGPS(Global Positioning System)による移動局101-iの位置を示す位置情報を取得する機能などをさらに有していてもよい。
【0035】
図3は、実施の形態に係るローカル基地局の構成図の一例である。
【0036】
ローカル基地局201は、制御部211、通信部221、および記憶部231を有する。
【0037】
制御部211は、ローカル基地局201の制御を行う。制御部211は、基地局情報処理部212および通信処理部213を有する。制御部211は、例えば、CPU等のプロセッサ、または集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)等で実現される。
【0038】
基地局情報処理部212は、通信部221を介して、公衆基地局301-jに関する基地局情報を移動局101-iから取得し、記憶部231に記憶する。具体的には、例えば、基地局情報処理部212は、基地局情報(例えば、セルIDおよびPLMN)を周辺基地局情報に含めて記憶する。周辺基地局情報の詳細については後述する。
【0039】
基地局情報処理部212は、移動局101-iにおけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下と判定された場合、通信部221を介して、記憶部141-iに記憶された周辺基地局情報を移動局101-iに送信する。
【0040】
通信処理部213は、移動局101-iとローカル基地局201間の通信の制御を行う。
【0041】
通信処理部213は、通信部221を介して、移動局101-iにおけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以下であるか否か判定する。
【0042】
通信部221は、制御部211の制御により、通信部221が備えるアンテナ222を用いて、移動局101-iと通信を行う。通信部221は、移動局101-iから基地局情報の情報を受信し、基地局情報処理部212に出力する。通信部221は、記憶部231に記憶されている周辺基地局情報を移動局101-iに送信する。通信部221は、移動局101-iにおけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを受信し、制御部211に出力する。通信部221は、例えば、LSI等の集積回路により実現される。
【0043】
記憶部231は、ローカル基地局201で用いられるデータやプログラム等を記憶する。記憶部231は、例えば、HDD、RAM、またはフラッシュメモリ等の記憶装置である。記憶部231は、周辺基地局情報を記憶する。周辺基地局情報はローカル基地局201の周辺に存在する公衆基地局301-jに関する情報である。
【0044】
図4は、周辺基地局情報の一例である。
【0045】
周辺基地局情報は、公衆基地局301-jに関する基地局情報を含み、具体的には、セルIDおよびPLMNを含む。また、周辺基地局情報は、優先度をさらに含む。周辺基地局情報は、セルID、PLMN、および優先度が対応付けられている。
【0046】
セルIDは、公衆基地局301-jを識別する情報である。
【0047】
PLMNは、公衆基地局301-jの通信事業者を識別する情報である。
【0048】
優先度は、移動局101-iが接続要求する公衆基地局301-jの優先度を示す。実施の形態において、数値が大きいほど優先度が高いことを示す。移動局101-iは、例えば、周辺基地局情報に複数の公衆基地局301-jに関する情報が含まれている場合に、優先度が高い順に公衆基地局301-jに接続要求を行う。
【0049】
例えば、図4に示す周辺基地局情報において、1行目は、公衆基地局301-1に関する情報を示し、具体的には、公衆基地局301-1のセルIDがAAAであり、公衆基地局301-1のPLMNが12345であることを示す。また、図4に示す周辺基地局情報において、2行目は、公衆基地局301-2に関する情報を示し、具体的には、公衆基地局301-1のセルIDがBBBであり、公衆基地局301-1のPLMNが12345であることを示す。また、図4に示す周辺基地局情報において、1行目と2行目の優先度はそれぞれ2と1であるため、移動局101-iは、公衆基地局301-1と公衆基地局301-2のうち優先度が高い公衆基地局301-1に対して優先的に接続要求をする。
【0050】
尚、上述の周辺基地局情報は一例であり、これに限られるものではない。例えば、周辺基地局情報は、優先度を含んでいなくてもよい。また、周辺基地局情報は、公衆基地局301-jとの通信で利用する周波数の情報をさらに含んでいてもよい。
【0051】
図5は、実施の形態に係るシステムの処理(その1)を示す図である。図6は、実施の形態に係るシステムの処理(その1)のシーケンス図である。尚、図5、6において、移動局101-2および公衆基地局301-2は、簡略化のため記載を省略している。
【0052】
システム10の処理(その1)の概要について、図5を参照して説明すると、最初に移動局101-1は、公衆基地局301-1と通信可能なセル302-1内の地点Aに位置し、公衆基地局301-1と通信中である。そして、移動局101-1はローカル基地局201と閾値より大きい受信レベルで通信可能なセル203内の地点Bに移動し、公衆基地局301-1との通信を切断するとともにローカル基地局201と接続し、公衆基地局301-1に関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。その後、移動局101-1は、セル203の外の地点Cに移動し、ローカル基地局201から公衆基地局301-1に関する基地局情報を含む周辺基地局情報を受信し、ローカル基地局201との通信を切断するとともに周辺基地局情報に基づいて公衆基地局301-1と接続し、さらにセル202の外の地点Dに移動する。尚、地点A~Dは、公衆基地局301-1と通信可能なセル302-1内にある。
【0053】
以下、図5、6を参照して、システム10の処理(その1)の詳細を説明する。
【0054】
ステップS601において、移動局101-1は、公衆基地局301-1が通信可能なエリアであるセル302-1内の地点Aに位置し、公衆基地局301-1と接続中である。尚、明細書または図面において、公衆基地局301-1をBTS-A、ローカル基地局201をBTS-A’とそれぞれ表記する場合がある。
【0055】
ステップS602において、第1通信部121-1は、移動局101-1が接続中の公衆基地局301-1に関する基地局情報を公衆基地局301-1から受信し、基地局情報処理部112-1は、第1通信部121-1を介して、当該基地局情報を取得し、記憶部141-1に記憶する。基地局情報は、公衆基地局301-1のセルIDおよびPLMNを含む。公衆基地局301-1に関する基地局情報は、第1の公衆基地局に関する第1の基地局情報の一例である。
【0056】
ここで、移動局101-1は、地点Aからローカル基地局201と閾値より大きい受信レベルで通信可能なセル203内の地点Bに移動する。
【0057】
ステップS603において、通信処理部113-1は、所定の契機を検出すると、セルサーチを行い、接続可能なローカル基地局201を検出する。所定の契機は、例えば、NFCまたはBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の実行、移動局101-1の予め設定された所定の領域への移動、またはユーザによる移動局101-1への通信の切り替え指示の入力などである。尚、移動局101-1の位置は、例えば、GPSによる位置情報から判定可能である。
【0058】
ステップS604において、通信処理部113-1は、ステップS603で接続可能なローカル基地局201が検出されたので、公衆基地局301-1に切断要求を送信し、公衆基地局301-1との接続を切断する。
【0059】
ステップS605において、通信処理部113-1は、ローカル基地局201に接続要求を送信し、ローカル基地局201と接続する。尚、図示していないが、移動局101-1は、ローカル基地局201との接続中、現在のローカル基地局201からの電波の受信レベルをローカル基地局201に通知する。具体的には、通信処理部113-1は、ローカル基地局201との接続中、第2通信部131-1が受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルを検出し、当該受信レベルをローカル基地局201に送信する処理を繰り返し行う。電波の受信レベルは、例えば、電波の強度を示すRSRP(Reference Signal Received Power)または電波の受信品質を示すRSRQ(Reference Signal Received Quality)等である。また、通信処理部113-1は、ローカル基地局201との接続中、公衆基地局に対するセルサーチを行わないことが望ましい。これにより、移動局101-1の消費電力を低減できる。
【0060】
ステップS606において、基地局情報処理部112-1は、記憶部141-1から公衆基地局301-1に関する基地局情報を読み出し、第2通信部131-1を介して、当該基地局情報をローカル基地局201に送信する。基地局情報はセルIDおよびPLMNを含み、具体的には、例えば、公衆基地局301-1に関する基地局情報は、セルID=AAA、およびPLMN=123456を含む。
【0061】
ステップS607において、通信部221は、移動局101-1から公衆基地局301-1に関する基地局情報を受信し、基地局情報処理部212は、基地局情報を記憶部231に記憶する。例えば、基地局情報処理部212は、基地局情報(例えば、セルIDおよびPLMN)を周辺基地局情報に含めて記憶する。また、優先度を、セルIDおよびPLMNの組み合わせごとの受信回数とし、基地局情報処理部212は、セルIDおよびPLMNに対応する優先度の値を記載して、周辺基地局情報を記憶部231に記憶する。
【0062】
具体的には、例えば、周辺基地局情報に含まれる情報が無い状態で、公衆基地局301-1に関する基地局情報を受信すると、基地局情報処理部212は、周辺基地局情報のセルIDおよびPLMNをそれぞれAAAおよび123456として、記憶部231に記憶する。さらに、基地局情報処理部212は、セルID=AAAおよびPLMN=123456の組み合わせを受信したのが1回目であるため、周辺基地局情報のセルID=AAAおよびPLMN=123456に対応する優先度を1として、記憶部231に記憶する。
【0063】
尚、基地局情報を受信したときに、基地局情報に含まれるセルIDおよびPLMNと同一のセルIDおよびPLMNが周辺基地局情報に含まれていた場合には、基地局情報に含まれるセルIDおよびPLMNを周辺基地局情報に追加せずに、周辺基地局情報における基地局情報に含まれるセルIDおよびPLMNと同一のセルIDおよびPLMNに対応する優先度を1加算する。
【0064】
また、基地局情報処理部212は、予め指定された公衆基地局に関する基地局情報に対応する優先度を一番高くするように設定してもよい。また、移動局101-iそれぞれに対応する周辺基地局情報を作成し、移動局101-iが直前に接続していた公衆基地局に関する基地局情報に対応する優先度を一番高くするように設定してもよい。
【0065】
ステップS608において、通信処理部213は、移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを監視する。例えば、通信処理部213は、移動局101-1との接続中、通信部221を介して、移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以下であるか否か判定する処理を繰り返す。
【0066】
ここで、移動局101-1は、地点Bからローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下となるセル203の外の地点Cに移動する。これにより、移動局101-1が受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルは、閾値以下となる。
【0067】
ステップS609において、通信処理部113-1は、第2通信部131-1が受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルを検出し、当該受信レベルをローカル基地局201に送信する。通信処理部213は、移動局101-1から電波の受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以下であるか否か判定する。上記のように、地点Cにおいて、通信処理部113-1が検出する電波の受信レベルは閾値以下となっているため、通信処理部213は、移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下であると判定する。
【0068】
ステップS610において、通信処理部213により移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下と判定されたので、基地局情報処理部212は、通信部221を介して、記憶部231に記憶された周辺基地局情報を読み出して移動局101-1に送信する。例えば、周辺基地局情報は、公衆基地局301-1に関する基地局情報(セルIDおよびPLMN)を含む。そして、第2通信部131-1は、周辺基地局情報をローカル基地局201から受信する。尚、移動局101-iそれぞれに対応する周辺基地局情報が記憶部231に記憶されている場合には、移動局101-1に対応する周辺基地局情報を読み出して移動局101-1に送信する。また、セル203内であっても、屋内や遮蔽物により、移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下となる場合がある。そのため、基地局情報処理部212は、移動局101-1の位置を示す位置情報を移動局101-1から取得し、移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下と判定された場合であっても、位置情報に基づいて、周辺基地局情報を移動局101-1に送信しなくてもよい。具体的には、例えば、位置情報に基づいて移動局101-1の位置が所定の範囲内に位置すると判定される場合には、移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下と判定された場合であっても、基地局情報処理部212は、周辺基地局情報を移動局101-1に送信しなくてもよい。
【0069】
ステップS611において、通信処理部113-1は、ローカル基地局201から受信した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-1に接続要求を送信する。すなわち、上記のように周辺基地局情報は、公衆基地局301-1に関する基地局情報(セルIDおよびPLMN)が含まれているので、周辺基地局情報に含まれる基地局情報を用いて公衆基地局301-1に接続要求を送信する。このように、周辺基地局情報には、ローカル基地局201の周辺に存在する公衆基地局301-1に関する基地局情報が含まれているため、移動局101-1は、当該基地局情報を用いることで、セルサーチを行って周辺の公衆基地局を探す処理が不要となり、公衆基地局301-1に迅速に接続が可能となる。
【0070】
ステップS612において、通基地局情報処理部212は、ローカル基地局201に切断要求を送信し、ローカル基地局201との接続を切断する。
【0071】
ステップS613において、通信処理部113-1は、公衆基地局301-1と接続する。そして、移動局101-1は、地点Cから地点Dに移動する。
【0072】
実施の形態に係るシステムの処理(その1)によれば、移動局101-iは、ローカル基地局201から取得した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-iに接続要求することで、セルサーチを行って公衆基地局301-iを探す処理が不要となり、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。例えば、移動局101-iが以前に接続していた公衆基地局301-iに関する基地局情報を記憶部141-iから削除しても、ローカル基地局201から周辺基地局情報を受信することで、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。また、実施の形態に係るシステムの処理(その1)によれば、ローカル基地局201は、移動局101-iが接続していた公衆基地局301-iに関する基地局情報を取得することができ、ローカル基地局201の周辺の公衆基地局301-iに関する基地局情報を移動局101-iに通知することができる。それにより、移動局101-iは、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。
【0073】
上述の処理(その1)では、公衆基地局および移動局がそれぞれ1つの場合を説明したが、次に、公衆基地局および移動局がそれぞれ複数の場合を説明する。
【0074】
図7は、実施の形態に係るシステムの処理(その2)を示す図である。図8Aおよび8Bは、実施の形態に係るシステムの処理(その2)のシーケンス図である。
【0075】
システム10の処理(その2)の概要について、図7を参照して説明すると、移動局101-2は、公衆基地局301-2と通信可能なセル302-2内の地点Eに位置し、公衆基地局301-2と通信中である。そして、移動局101-2はローカル基地局201と閾値より大きい受信レベルで通信可能なセル203内の地点Fに移動し、公衆基地局301-2との通信を切断するとともにローカル基地局201と接続し、公衆基地局301-2に関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。その後、移動局101-2は、セル203の外の地点Gに移動し、ローカル基地局201から公衆基地局301-2に関する基地局情報を含む周辺基地局情報を受信し、ローカル基地局201との通信を切断するとともに、周辺基地局情報に基づいて公衆基地局301-2と接続し、さらにセル202の外の地点Hに移動する。尚、地点E~Hは、公衆基地局301-2と通信可能なセル302-2内にある。
【0076】
次に、移動局101-1は、最初に公衆基地局301-1と通信可能なセル302-1内の地点Aに位置し、公衆基地局301-1と通信中である。そして、移動局101-1はローカル基地局201と閾値より大きい受信レベルで通信可能なセル203内の地点Bに移動し、公衆基地局301-1との通信を切断するとともにローカル基地局201と接続し、公衆基地局301-1に関する基地局情報をローカル基地局201に送信する。その後、移動局101-1は、セル203の外の地点Cに移動し、ローカル基地局201から公衆基地局301-1、301-2に関する基地局情報を含む周辺基地局情報を受信し、ローカル基地局201との通信を切断するとともに周辺基地局情報に基づいて公衆基地局301-1と接続し、さらにセル202の外の地点Dに移動する。尚、地点A~Dは、公衆基地局301-1と通信可能なセル302-1内にある。
【0077】
以下、図7、8A、8Bを参照して、システム10の処理(その2)の詳細を説明する。
【0078】
ステップS801において、移動局101-2は、公衆基地局301-2が通信可能なエリアであるセル302-2内の地点Eに位置し、公衆基地局301-2と接続中である。尚、明細書または図面において、公衆基地局301-2をBTS-Bと表記する場合がある。
【0079】
ステップS802において、第1通信部121-2は、移動局101-2が接続中の公衆基地局301-2に関する基地局情報を公衆基地局301-2から受信し、基地局情報処理部112-2は、第1通信部121-2を介して、当該基地局情報を取得し、記憶部141-2に記憶する。基地局情報は、公衆基地局301-2のセルIDおよびPLMNを含む。公衆基地局301-2に関する基地局情報は、第2の公衆基地局に関する第2の基地局情報の一例である。
【0080】
ここで、移動局101-2は、地点Eからローカル基地局201と閾値より大きい受信レベルで通信可能なセル203内の地点Fに移動する。
【0081】
ステップS803において、通信処理部113-2は、所定の契機を検出すると、セルサーチを行い、接続可能なローカル基地局201を検出する。所定の契機は、例えば、NFCまたはBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の実行、移動局101-2の予め設定された所定の領域への移動、またはユーザによる移動局101-2への通信の切り替え指示の入力などである。尚、移動局101-2の位置は、例えば、GPSによる位置情報から判定可能である。
【0082】
ステップS804において、通信処理部113-2は、ステップS603で接続可能なローカル基地局201が検出されたので、公衆基地局301-2に切断要求を送信し、公衆基地局301-2との接続を切断する。
【0083】
ステップS805において、通信処理部113-2は、ローカル基地局201に接続要求を送信し、ローカル基地局201と接続する。尚、図示していないが、移動局101-2は、ローカル基地局201との接続中、現在のローカル基地局201からの電波の受信レベルをローカル基地局201に通知する。具体的には、通信処理部113-2は、ローカル基地局201との接続中、第2通信部131-2が受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルを検出し、当該受信レベルをローカル基地局201に送信する処理を繰り返し行う。電波の受信レベルは、例えば、電波の強度を示すRSRPまたは電波の受信品質を示すRSRQ等である。また、通信処理部113-2は、ローカル基地局201との接続中、公衆基地局に対するセルサーチを行わないことが望ましい。これにより、移動局101-2の消費電力を低減できる。
【0084】
ステップS806において、基地局情報処理部112-2は、記憶部141-2から公衆基地局301-2に関する基地局情報を読み出し、第2通信部131-2を介して、当該基地局情報をローカル基地局201に送信する。基地局情報はセルIDおよびPLMNを含み、具体的には、例えば、公衆基地局301-2に関する基地局情報は、セルID=BBB、およびPLMN=123456を含む。
【0085】
ステップS807において、通信部221は、移動局101-2から公衆基地局301-2に関する基地局情報を受信し、基地局情報処理部212は、基地局情報を記憶部231に記憶する。例えば、基地局情報処理部212は、基地局情報(例えば、セルIDおよびPLMN)を周辺基地局情報に含めて記憶する。また、優先度を、セルIDおよびPLMNの組み合わせごとの受信回数とし、基地局情報処理部212は、セルIDおよびPLMNに対応する優先度の値を記載して、周辺基地局情報を記憶部231に記憶する。
【0086】
具体的には、例えば、周辺基地局情報に含まれる情報が無い状態で、公衆基地局301-2に関する基地局情報を受信すると、基地局情報処理部212は、周辺基地局情報のセルIDおよびPLMNをそれぞれBBBおよび123456として、記憶部231に記憶する。さらに、基地局情報処理部212は、セルID=BBBおよびPLMN=123456の組み合わせを受信したのが1回目であるため、周辺基地局情報のセルID=BBBおよびPLMN=123456に対応する優先度を1として、記憶部231に記憶する。
【0087】
尚、基地局情報を受信したときに、基地局情報に含まれるセルIDおよびPLMNと同一のセルIDおよびPLMNが周辺基地局情報に含まれていた場合には、基地局情報に含まれるセルIDおよびPLMNを周辺基地局情報に追加せずに、周辺基地局情報における基地局情報に含まれるセルIDおよびPLMNと同一のセルIDおよびPLMNに対応する優先度を1加算する。
【0088】
ステップS808において、通信処理部213は、移動局101-2におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを監視する。例えば、通信処理部213は、移動局101-2との接続中、通信部221を介して、移動局101-2におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以下であるか否か判定する処理を繰り返す。
【0089】
ここで、移動局101-2は、地点Fからローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下となるセル203の外の地点Gに移動する。これにより、移動局101-2が受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルは、閾値以下となる。
【0090】
ステップS809において、通信処理部113-2は、第2通信部131-2が受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルを検出し、当該受信レベルをローカル基地局201に送信する。通信処理部213は、移動局101-2から電波の受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以下であるか否か判定する。上記のように、地点Gにおいて、通信処理部113-2が検出する電波の受信レベルは閾値以下となっているため、通信処理部213は、移動局101-2におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下であると判定する。
【0091】
ステップS810において、通信処理部213により移動局101-2におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下と判定されたので、基地局情報処理部212は、通信部221を介して、記憶部231に記憶された周辺基地局情報を読み出して移動局101-2に送信する。例えば、周辺基地局情報は、公衆基地局301-2に関する基地局情報(セルIDおよびPLMN)を含む。そして、第2通信部131-2は、周辺基地局情報をローカル基地局201から受信する。
【0092】
ステップS811において、通信処理部113-2は、ローカル基地局201から受信した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-2に接続要求を送信する。すなわち、上記のように周辺基地局情報は、公衆基地局301-2に関する基地局情報(セルIDおよびPLMN)が含まれているので、周辺基地局情報に含まれる基地局情報を用いて公衆基地局301-2に接続要求を送信する。このように、周辺基地局情報には、ローカル基地局201の周辺に存在する公衆基地局301-2に関する基地局情報が含まれているため、移動局101-2は、当該基地局情報を用いることで、セルサーチを行って周辺の公衆基地局を探す処理が不要となり、公衆基地局301-2に迅速に接続が可能となる。
【0093】
ステップS812において、基地局情報処理部212は、ローカル基地局201に切断要求を送信し、ローカル基地局201との接続を切断する。
【0094】
ステップS813において、通信処理部113-2は、公衆基地局301-2と接続する。そして、移動局101-2は、地点Gから地点Hに移動する。
【0095】
ステップS821~S829の処理は、図6のステップS601~S609の処理とそれぞれ同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
ステップS830において、通信処理部213により移動局101-1におけるローカル基地局201からの電波の受信レベルが閾値以下と判定されたので、基地局情報処理部212は、通信部221を介して、記憶部231に記憶された周辺基地局情報を移動局101-1に送信する。例えば、周辺基地局情報は、公衆基地局301-1、301-2に関する基地局情報(セルIDおよびPLMN)を含む。そして、第2通信部131-1は、周辺基地局情報をローカル基地局201から受信する。
【0097】
ステップS831において、通信処理部113-1は、ローカル基地局201から受信した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-1に接続要求を送信する。すなわち、上記のように周辺基地局情報は、公衆基地局301-1に関する基地局情報(セルIDおよびPLMN)が含まれているので、周辺基地局情報に含まれる基地局情報を用いて公衆基地局301-1に接続要求を送信する。このように、周辺基地局情報には、ローカル基地局201の周辺に存在する公衆基地局301-1に関する基地局情報が含まれているため、移動局101-1は、当該基地局情報を用いることで、セルサーチを行って周辺の公衆基地局を探す処理が不要となり、公衆基地局301-1に迅速に接続が可能となる。また、通信処理部113-1は、ローカル基地局201から受信した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-2に接続要求を送信してもよい。尚、通信処理部113-1は、複数の公衆基地局301-1、301-2に関する基地局情報が周辺基地局情報に含まれている場合、優先度の高い順に公衆基地局301-iに接続要求を送信する。図8A、8Bのシステム10の処理(その2)においては、公衆基地局301-1、301-2に関する基地局情報がそれぞれ1回ずつローカル基地局201に受信されているため、優先度は同じ1となるので、通信処理部113-1は、公衆基地局301-1、301-2のどちらを先に接続要求を送信してもよい。尚、通信処理部113-1は、公衆基地局301-iに接続要求を送信して、公衆基地局301-iから応答があった場合に、ステップS832以降の処理を行い、接続要求の送信から一定時間、公衆基地局301-iから応答がない場合は、他の公衆基地局301-iに接続要求を送信する。例えば、通信処理部113-1は、最初に公衆基地局301-2に接続要求を送信した場合、地点Cにおいて公衆基地局301-2と通信不可能なため、公衆基地局301-2からの応答はない。そのため、通信処理部113-1は、公衆基地局301-2への接続要求の送信から一定時間後に、公衆基地局301-1に接続要求を送信する。
【0098】
ステップS832~S833の処理は、図6のステップS612~S613の処理とそれぞれ同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0099】
実施の形態に係るシステムの処理(その2)によれば、移動局101-iは、ローカル基地局201から取得した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-iに接続要求することで、セルサーチを行って公衆基地局301-iを探す処理が不要となり、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。例えば、移動局101-iが以前に接続していた公衆基地局301-iに関する基地局情報を記憶部141-iから削除しても、ローカル基地局201から周辺基地局情報を受信することで、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。
【0100】
また、周辺基地局情報には移動局101-iが以前に接続していない公衆基地局301-iに関する基地局情報が含まれているため、移動局101-iが以前に接続していない公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。具体的には、例えば、図7において、移動局101-1が地点A、地点B、地点Gの順に移動した場合、周辺基地局情報に公衆基地局301-2に関する基地局情報が含まれているため、地点Gにおいて、通信処理部113-1は、公衆基地局301-2に関する基地局情報に基づいて、公衆基地局301-2に接続要求を送信し、移動局101-1が以前に接続していない公衆基地局301-2に迅速に接続が可能となる。
【0101】
実施の形態に係るシステムの処理(その2)によれば、ローカル基地局201は、移動局101-iが接続していた公衆基地局301-iに関する基地局情報を取得することができ、ローカル基地局201の周辺の公衆基地局301-iに関する基地局情報を移動局101-iに通知することができる。それにより、移動局101-iは、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。
【0102】
図9は、実施の形態に係るシステムの制御処理のフローチャートの一例である。
【0103】
ステップS901において、移動局101-1は、公衆基地局301-iと接続中である。移動局101-1は、接続中の公衆基地局301-iに関する基地局情報を記憶部141-iに記憶する。
【0104】
ステップS902において、移動局101-1は、所定の契機が発生したか否か監視し、所定の契機が発生した場合、制御はステップS903に進む。具体的には、例えば、通信処理部113-iは、所定の契機を検出した場合、制御はステップS903に進む。所定の契機は、例えば、NFCまたはBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信の実行、移動局101-1の予め設定された所定の領域への移動、またはユーザによる移動局101-1への通信の切り替え指示の入力などである。
【0105】
ステップS903において、通信処理部113-iは、セルサーチを行い、接続可能なローカル基地局201を検出するとともにローカル基地局201に接続する。通信処理部113-iは、公衆基地局301-iとの接続を切断する。
【0106】
ステップS904において、基地局情報処理部112-1は、記憶部141-iから直前まで接続していた公衆基地局301-iに関する基地局情報を、第2通信部131-iを介して、当該基地局情報をローカル基地局201に送信する。
【0107】
ステップS905において、通信処理部113-iは、ローカル基地局201と接続中、第2通信部131-iが受信するローカル基地局201からの電波の受信レベルを検出し、当該受信レベルをローカル基地局201に送信する。
【0108】
ステップS906において、通信処理部213は、移動局101-iから移動局101-iにおけるローカル基地局201からの電波の受信レベルを受信し、当該受信レベルが閾値以下であるか否か判定する。受信レベルが閾値以下であると判定された場合、制御はステップS907に進み、受信レベルが閾値以下でないと判定された場合、制御はステップS905にもどる。
【0109】
ステップS907において、基地局情報処理部212は、通信部221を介して、記憶部231に記憶された周辺基地局情報を読み出して移動局101-1に送信する。第2通信部131-iは、周辺基地局情報をローカル基地局201から受信し、基地局情報処理部112-iは、第2通信部131-iを介して、周辺基地局情報を取得する。
【0110】
ステップS908において、通信処理部113-iは、周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-iに接続要求を送信する。
【0111】
ステップS909において、通信処理部113-iは、公衆基地局301-iと通信の接続を確立する。
【0112】
実施の形態に係るシステムによれば、移動局101-iは、ローカル基地局201から取得した周辺基地局情報に基づいて、公衆基地局301-iに接続要求することで、セルサーチを行って公衆基地局301-iを探す処理が不要となり、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。また、実施の形態に係るシステムによれば、ローカル基地局201は、移動局101-iが接続していた公衆基地局301-iに関する基地局情報を取得することができ、ローカル基地局201の周辺の公衆基地局301-iに関する基地局情報を移動局101-iに通知することができる。それにより、移動局101-iは、公衆基地局301-iに迅速に接続が可能となる。
【0113】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく変形可能であり、上記の構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0114】
10 システム
101 移動局
111 制御部
112 基地局情報処理部
113 通信処理部
121 第1通信部
131 第2通信部
141 記憶部
201 ローカル基地局
211 制御部
212 基地局情報処理部
213 通信処理部
221 通信部
231 記憶部
301 公衆基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9