IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大真空の特許一覧

<>
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図1
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図2
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図3
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図4
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図5
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図6
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図7
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図8
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図9
  • 特開-圧電振動素子及び圧電振動子 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142617
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】圧電振動素子及び圧電振動子
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/19 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
H03H9/19 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049597
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000149734
【氏名又は名称】株式会社大真空
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】森本 賢周
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108AA01
5J108BB02
5J108CC04
5J108DD02
5J108EE03
5J108EE07
5J108EE18
5J108FF02
5J108GG03
5J108GG07
5J108GG16
(57)【要約】
【課題】DLD特性を改善した圧電振動素子及びそれを備える圧電振動子を提供する。
【解決手段】圧電振動板9の両主面の両励振電極11,12は、中央部に平面視で重なる主電極部MEを有すると共に、主電極部MEよりも外側の電極が切欠き部21~2112,22~22によってそれぞれ切り欠かれ、切欠き部21~2112,22~22によって、平面視で電極が重なるように区画形成される複数の補助電極部AE1~AE18を有し、各励振電極11,12の主電極部MEと複数の補助電極部AE1~AE18とは、電気的にそれぞれ接続されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電振動板の両主面に励振電極をそれぞれ備え、
前記両主面の両励振電極は、中央部に平面視で重なる主電極部を有すると共に、前記主電極部よりも外側の電極が切欠き部によってそれぞれ切り欠かれ、
前記両励振電極は、前記切欠き部によって、平面視で前記主電極部よりも外側の電極が重なるように区画形成される複数の補助電極部を有し、
各励振電極の前記主電極部と前記複数の補助電極部とは、電気的にそれぞれ接続されている、
ことを特徴とする圧電振動素子。
【請求項2】
前記両励振電極の一方の励振電極の前記主電極部よりも外側の電極を切り欠く第1の前記切欠き部と、前記両励振電極の他方の励振電極の前記主電極部よりも外側の電極を切り欠く第2の前記切欠き部とは、互いに異なる方向に沿って直線状にそれぞれ切り欠くものであって、かつ、前記第1の切欠き部と前記第2の切欠き部とは、平面視で交差するものであり、前記交差する前記第1,第2の切欠き部によって、複数の前記補助電極部が区画形成される、
請求項1に記載の圧電振動素子。
【請求項3】
前記第1の切欠き部及び前記第2の切欠き部は、前記両励振電極の前記主電極部よりも外側の電極を、その外側の端から内側へ向けてそれぞれ切り欠くものである、
請求項2に記載の圧電振動素子。
【請求項4】
前記第1の切欠き部及び前記第2の切欠き部の少なくともいずれか一方の切り欠き部は、互いに平行に直線状に切り欠く3つ以上の切り欠き部で構成されると共に、隣り合う切欠き部の間隔が、前記主電極部から前記外側に向かう程狭くなる、
請求項3に記載の圧電振動素子。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれか一項に記載の圧電振動素子と、
前記圧電振動素子を収容して気密封止するパッケージとを備える、
ことを特徴とする圧電振動子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動素子及び圧電振動子に関する。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器の基準信号の信号源として、水晶振動子等の圧電振動子が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-184325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水晶振動子では、励振させるための励振レベル(ドライブレベル)が高過ぎると、発振周波数が不安定になったり、周波数-温度特性に不規則な変化を生じるので、推奨されている励振レベル以下で使用することが求められる。
【0005】
この励振レベルと発振周波数との関係を示すDLD(Drive Level Dependence)特性は、水晶振動子に内蔵された水晶素子のサイズが小さくなる程、励振レベルの影響を受け、周波数の変動が大きくなる。
【0006】
一方、水晶振動子のサイズの小型化の要求があり、また、より高い励振レベルで使用したいという要求もある。かかる要求を満たすためには、DLD特性を改善して、励振レベルに対する周波数の変動を抑制することが望まれる。
【0007】
本発明は、上記のような点に鑑みて為されたものであって、励振レベルに対する周波数の変動を抑制した圧電振動素子及びそれを備える圧電振動子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上記目的を達成するために、次のように構成している。
【0009】
(1)本発明に係る圧電振動素子は、圧電振動板の両主面に励振電極をそれぞれ備え、前記両主面の両励振電極は、中央部に平面視で重なる主電極部を有すると共に、前記主電極部よりも外側の電極が切欠き部によってそれぞれ切り欠かれ、前記両励振電極は、前記切欠き部によって、平面視で前記主電極部よりも外側の電極が重なるように区画形成される複数の補助電極部を有し、各励振電極の前記主電極部と前記複数の補助電極部とは、電気的にそれぞれ接続されている。
【0010】
本発明に係る圧電振動素子によると、励振レベルを高めても発振周波数の変動を抑制することが可能となり、DLD特性を改善することができる。
【0011】
このように励振レベルを高めても発振周波数の変動を抑制することができる理由については、理論的に明らかではないが、次のようなことが考えられる。
【0012】
すなわち、主振動領域となる中央部の主電極部の外側には、切欠き部によって、平面視で主電極部よりも外側の電極が重なるように区画形成された複数の補助電極部が設けられている。これら複数の補助電極部は、主電極部に電気的に接続されている一方、単に主電極部を外側に拡大したものではなく、切欠き部によって平面視で電極が重なるように区画形成された領域である。これら区画形成された複数の領域は、独立した補助振動領域とみなすことができ、主振動領域の外側に、独立した複数の補助振動領域が設けられることになる。
【0013】
このため、主振動領域である中央部の主電極部から外側へ広がる主振動を、複数の補助振動領域である複数の補助電極部で減衰させることができる。すなわち、中央部の主振動領域から圧電振動板の外周縁へ向かう主振動を減衰させることができる。これによって、圧電振動板の外周縁からの副振動となる反射波を抑圧することができ、励振レベルを高めても主振動が反射波の影響を受けるのを低減することができ、励振レベルに対する発振周期数の変動を抑制することが可能となる。
【0014】
(2)本発明の好ましい実施態様では、前記両励振電極の一方の励振電極の前記主電極部よりも外側の電極を切り欠く第1の前記切欠き部と、前記両励振電極の他方の励振電極の前記主電極部よりも外側の電極を切り欠く第2の前記切欠き部とは、互いに異なる方向に沿って直線状にそれぞれ切り欠くものであって、かつ、前記第1の切欠き部と前記第2の切欠き部とは、平面視で交差するものであり、前記交差する前記第1,第2の切欠き部によって、複数の前記補助電極部が区画形成される。
【0015】
この実施態様によると、圧電振動板の両励振電極の主電極部よりも外側の電極を、互い異なる方向に沿って直線状にそれぞれ切り欠く第1,第2の切欠き部が平面視で交差することによって、複数の補助電極部を区画形成することができるので、両励振電極に直線状の切欠きを形成するだけで、複数の補助電極部を容易に構成することができる。
【0016】
(3)本発明の他の実施態様では、前記第1の切欠き部及び前記第2の切欠き部は、前記両励振電極の前記主電極部よりも外側の電極を、その外側の端から内側へ向けてそれぞれ切り欠くものである。
【0017】
この実施態様によると、圧電振動板の両主面の両励振電極の主電極部よりも外側の電極を、外側の端から内側へ直線状に連続的に切り欠くことによって、容易に補助電極部を形成することができる。
【0018】
(4)本発明の更に他の実施態様では、前記第1の切欠き部及び前記第2の切欠き部の少なくともいずれか一方の切り欠き部は、互いに平行に直線状に切り欠く3つ以上の切り欠き部で構成されると共に、隣り合う切欠き部の間隔が、前記主電極部から前記外側に向かう程狭くなる。
【0019】
この実施態様によると、隣り合う切欠き部の間隔が、主電極部から外側に向かう程狭くなるので、複数の補助電極部は、主電極部から外側に向かう程、平面視で重なる電極の面積が段階的に小さくなる。このため、主振動領域である主電極部からの主振動を、外側に向かうにつれて複数の補助電極部で段階的に徐々に減衰させることができる。
【0020】
(5)本発明に係る圧電振動子は、上記(1)ないし(4)のいずれかの圧電振動素子と、前記圧電振動素子を収容して気密封止するパッケージとを備える。
【0021】
本発明に係る圧電振動子によると、励振レベルに対する発振周期数の変動が抑制され、DLD特性が改善された圧電振動子となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、励振レベルを高めても発振周波数の変動を抑制することができ、DLD特性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は本発明の一実施形態に係る水晶振動子の概略断面図である。
図2図2図1の水晶振動子のリッドを外した状態の概略平面図である。
図3図3図1の水晶振動素子の一方の主面を示す概略平面図である。
図4図4は水晶振動素子の一方の主面側から透視した他方の主面を示す概略平面図である。
図5図5図3及び図4を重ね合わせた状態を示す概略平面図である。
図6図6は従来例の水晶振動素子の励振電極を示す概略平面図である。
図7図7は本実施形態の水晶振動子のDLD特性を示す図である。
図8図8図6の従来例の水晶振動素子を備える水晶振動子のDLD特性を示す図である。
図9図9は本発明の他の実施形態の水晶振動素子の概略平面図である。
図10図10は本発明の更に他の実施形態の水晶振動素子の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る水晶振動子の概略断面図であり、図2は、図1の水晶振動子のパッケージのリッドを外した状態の概略平面図である。
【0026】
この実施形態の水晶振動子1は、直方体状であって、平面視で矩形であり、そのサイズは、例えば、3.2mm×2.5mmである。水晶振動子1のサイズは、上記に限定されるものではなく、これとは異なるサイズであっても適用可能である。
【0027】
この水晶振動子1は、水晶振動片からなる水晶振動素子2と、この水晶振動素子2を収容して気密に封止するパッケージ3とを備えている。
【0028】
パッケージ3は、上部が開口した収容凹部を有するベース4と、ベース4の開口部に、封止材5を介して接合されるリッド6とを備えている。ベース4にリッド6が接合されて、水晶振動素子2を収容した内部空間7が気密に封止される。
【0029】
ベース4は、図2に示すように、平面視矩形であり、例えば、セラミック材料から構成される。このベース4の内底面には、平面視矩形のベース4の長辺に沿う方向(図2の左右方向)の一端側の両角部に、水晶振動素子2が接合される一対の電極パッド8,8が形成されている。
【0030】
水晶振動素子2は、平面視矩形の水晶振動板9を備え、この水晶振動板9の中央部の表裏の両主面に、一対の励振電極11,12が後述のように形成されている。一方の励振電極11は、引出し電極15を介して導電性樹脂接着剤等の導電性接合材13によって、一方の前記電極パッド8に接合される。他方の励振電極12は、引出し電極16(図4参照)を介して導電性接合材13によって、他方の前記電極パッド8に接合される。ベース4の外底面には、当該水晶振動子1を外部の回路基板等に実装するための複数の外部接続端子(図示せず)が形成されており、一対の前記電極パッド8,8が、内部の配線を介して外部接続端子に電気的に接続されている。
【0031】
この実施形態の水晶振動子1では、励振レベルに対する周波数の変動を抑制するために、水晶振動素子2の励振電極11,12を次のように構成している。
【0032】
図3は、水晶振動素子2の水晶振動板9の一方の主面である表面側を示す概略平面図であり、図4は、水晶振動素子2の水晶振動板9の表面側から透視した他方の主面である裏面側を示す概略平面図であり、図5は、それらを重ね合わせた状態を示す概略平面図である。
【0033】
この実施形態の水晶振動板9を構成する水晶板は、矩形の水晶板を水晶の結晶軸であるX軸の周りに35°15´回転させて加工したATカットの水晶板であり、回転した新たな軸がY´軸及びZ´軸である。このATカットの水晶板では、その表裏の両主面が、XZ´平面である。
【0034】
このXZ´平面において、平面視矩形の水晶振動板9の長辺に沿う方向(図3図5の上下方向)がX軸方向となり、水晶振動板9の短辺に沿う方向(図3図5の左右方向)がZ´軸方向となる。
【0035】
ATカットの水晶振動板9の主振動は、厚み滑り振動であって、その振動方向は、X軸方向である。
【0036】
この水晶振動板9は、図3図5に示すように、X軸方向の長さが、Z´軸方向の長さに比べて長い、いわゆる、Xロングの水晶振動板である。
【0037】
この実施形態では、水晶振動板9の両主面にそれぞれ形成された励振電極11,12が重ね合われた状態の図5に示すように、両励振電極11,12は、その中央部に、平面視で重なる矩形の主電極部MEを備えている。
【0038】
図3図5では、説明の便宜上、水晶振動板9の励振電極11,12の中央部の矩形の領域である主電極部MEの境界を仮想線で示している。
【0039】
水晶振動板9の表面の励振電極11は、図3に示すように、平面視で、大略矩形であり、その長辺及び短辺は、水晶振動板9の長辺及び短辺に沿ってそれぞれ延びている。
【0040】
この大略矩形の励振電極11の一対の長辺の内の一方の長辺(図3の右側の長辺)の中央位置から上記の引出し電極15が引出され、この引出し電極15は、長辺に沿って延出して、上記図2のベース4の内底面の一方の電極パッド8に接合される。
【0041】
大略矩形の励振電極11は、中央部の主電極部MEよりも外側の電極が、励振電極11の長辺に沿って直線状に延びる複数、この例では12本の第1の切欠き部21~2112によってスリット状にそれぞれ切り欠かれている。
【0042】
12本の第1の切欠き部21~2112の内の6本の第1の切欠き部21~21は、大略矩形の励振電極11の一対の短辺の内の一方の短辺(図3の上側の短辺)の端である外側から他方の短辺(図3の下側の短辺)側である内側へ向けて切り欠かれており、前記一方の短辺側が、各第1の切欠き部21~21の開放端となっている。
【0043】
12本の第1の切欠き部21~2112の内の6本の第1の切欠き部21~2112は、大略矩形の励振電極11の一対の短辺の内の他方の短辺(図3の下側の短辺)の端である外側から前記一方の短辺側である内側へ向けて切り欠かれており、前記他方の短辺側が、各第1の切欠き部21~2112の開放端となっている。
【0044】
前記一方の短辺側を開放端とする6本の第1の切欠き部21~21と、前記他方の短辺側を開放端とする6本の第1の切欠き部21~2112とは、互いに対応する位置に形成されており、それぞれを、励振電極11の長辺に沿って延長したと想定すると、それぞれが連続する切欠きとなる位置に形成されている。
【0045】
前記一方の短辺(図3の上側の短辺)側を開放端とする6本の第1の切欠き部21~21は、互いに平行である。これら6本の各第1の切欠き部21~21は、大略矩形の励振電極11の長辺に沿って延びる長さが等しく、かつ、短辺に沿う幅も等しい切欠きである。
【0046】
これら6本の第1の切欠き部21~21は、励振電極11の中央部の主電極部MEを、励振電極11の短辺に沿う方向(図3の左右方向)の両側から挟むように、3本ずつ形成されている。
【0047】
この3本ずつの第1の切欠き部21~21,21~21は、隣合う間隔が、大略矩形の励振電極11の中央部の主電極部MEから離間するのに伴って、すなわち、中央部から外側に向かうのに伴って、狭くなるように形成されている。
【0048】
例えば、一対の長辺の内の他方の長辺(図3の左側の長辺)寄りの3本の第1の切欠き部21~21では、図3に示すように、主電極部MEに最も近い内側の第1の切欠き部21とそれと隣合う外側の第1の切欠き部21との間隔S2に比べて、この外側の第1の切欠き部21とそれと隣合う更に外側の第1の切欠き部21との間隔S1は狭い。
【0049】
この間隔S1、及び、間隔S2は、一対の長辺の内の一方の長辺(図3の右側の長辺)寄りの3本の第1の切欠き部21~21において、最も外側の第1の切欠き部21とそれと隣合う内側の第1の切欠き部21との間隔、及び、この内側の第1の切欠き部21とそれと隣合う更に内側の第1の切欠き部21との間隔にそれぞれ等しい。
【0050】
前記他方の短辺(図3の下側の短辺)側を開放端とする6本の第1の切欠き部21~2112も、前記一方の短辺側を開放端とする前記6本の第1の切欠き部21~21と同様に、互いに平行であって、長辺に沿って延びる長さが等しく、かつ、短辺に沿う幅も等しい切欠きである。
【0051】
これら6本の第1の切欠き部21~2112も、前記6本の第1の切欠き部21~21と同様に、励振電極11の中央部の主電極部MEを、励振電極11の短辺に沿う方向(図3の左右方向)の両側から挟むように、3本ずつ形成されており、隣合う間隔が、中央部の主電極部MEから離間するのに伴って、狭くなるように形成されている。
【0052】
すなわち、12本の第1の切欠き部21~2112の内、前記一方の短辺(図3の上側の短辺)側を開放端とする6本の第1の切欠き部21~21と、前記他方の短辺(図3の下側の短辺)側を開放端とする6本の第1の切欠き部21~2112とは、図3に示すように、大略矩形の励振電極11の一対の長辺を垂直にそれぞれ二等分する仮想の第1対称軸Ax1に対して線対称となっている。
【0053】
この第1対称軸Ax1に対して線対称な6本の第1の切欠き部21~21と、6本の第1の切欠き部21~2112とは、長辺方向に連続することなく、分離されているので、これら12本の第1の切欠き部21~2112以外の励振電極11の領域は、電気的に接続されている。
【0054】
水晶振動板9の裏面の励振電極12は、図4に示すように、平面視で、大略矩形であり、その長辺及び短辺は、水晶振動板9の長辺及び短辺に沿ってそれぞれ延びている。
【0055】
この大略矩形の励振電極12の一対の長辺の内の一方の長辺(図4の左側の長辺)の中央位置から引出し電極16が引出され、この引出し電極15は、長辺に沿って延出して、上記図2のベース4の内底面の他方の電極パッド8に接合される。
【0056】
大略矩形の励振電極12は、中央部の主電極部MEよりも外側の電極が、励振電極12の短辺に沿って直線状に延びる複数、この例では8本の第2の切欠き部22~22によってスリット状にそれぞれ切り欠かれている。
【0057】
8本の第2の切欠き部22~22は、大略矩形の励振電極12の一対の長辺の内の一方の長辺(図4の右側の長辺)の端である外側から他方の長辺(図4の左側の長辺)側である内側へ向けて切り欠かれており、前記一方の長辺側が、各第2の切欠き部22~22の開放端となっている。
【0058】
8本の第2の切欠き部22~22は、互いに平行である。8本の各第2の切欠き部22~22は、大略矩形の励振電極12の短辺に沿って延びる長さが等しく、かつ、長辺に沿う幅も等しい切欠きである。
【0059】
これら8本の第2の切欠き部22~22は、励振電極12の中央部の主電極部MEを、励振電極12の長辺に沿う方向(図4の上下方向)の両側から挟むように、4本ずつ形成されている。
【0060】
8本の各第2の切欠き部22~22は、大略矩形の励振電極12の短辺に沿って形成されているが、短辺の全長に亘る長さより短い、すなわち、対向する長辺間を横切る長さではないので、これら8本の第2の切欠き部22~22以外の励振電極12の領域は、連続しており、電気的に接続されている。
【0061】
4本ずつの第2の切欠き部22~22,22~21は、隣合う間隔が、大略矩形の励振電極12の中央部の主電極部MEから離間するのに伴って、すなわち、中央部から外側に向かうのに伴って、狭くなるように形成されている。
【0062】
例えば、一対の短辺の内の一方の短辺(図4の上側の短辺)寄りの4本の第2の切欠き部22~22では、図4に示すように、主電極部MEに最も近い内側の第2の切欠き部22とそれと隣合う外側の第2の切欠き部22との間隔S5に比べて、この外側の第2の切欠き部22とそれと隣合う外側の第2の切欠き部22との間隔S4は狭く、更に、この間隔S4に比べて、外側の第2の切欠き部22とそれと隣合う最も外側の第2の切欠き部22との間隔S3は狭い。
【0063】
この間隔S3、S4、及び、S5は、一対の短辺の内の他方の短辺(図4の下側の短辺)寄りの4本の第2の切欠き部22~22において、最も外側の第2の切欠き部22とそれと隣合う内側の第2の切欠き部22との間隔、この第2の切欠き部22とそれと隣合う内側の第2の切欠き部22との間隔、及び、この第2の切欠き部22とそれと隣合う最も内側の第2の切欠き部22との間隔にそれぞれ等しい。
【0064】
上記のように、8本の第2の切欠き部22~22の内の上記4本ずつの第2の切欠き部22~22,22~22は、中央部の主電極部MEを挟んで同様の構成である。主電極部MEよりも前記一方の短辺(図4の上側の短辺)寄りの4本の第2の切欠き部22~22と、主電極部MEよりも前記他方の短辺(図4の下側の短辺)寄りの4本の第2の切欠き部22~22とは、図4に示すように、大略矩形の励振電極12の一対の長辺を垂直にそれぞれ二等分する仮想の第2対称軸Ax2に対して線対称となっている。
【0065】
この実施形態では、図3に示すように、水晶振動板9の表面の励振電極11では、中央部の主電極部MEよりも外側の電極が、大略矩形の励振電極11の長辺に沿って延びる第1の切欠き部21~2112によって切り欠かれる一方、図4に示すように、水晶振動板9の裏面の励振電極12では、中央部の主電極部MEよりも外側の電極が、大略矩形の励振電極12の短辺に沿って延びる第2の切欠き部22~22によって切り欠かれている。
【0066】
したがって、水晶振動板9の表裏の励振電極11,12を重ね合せた平面視では、図5に示すように、第1,第2の切欠き部21~2112,22~22を除く大略矩形の励振電極11,12が重なる。
【0067】
また、大略矩形の励振電極11,12の主電極部MEよりも前記一方の短辺(図5の上側の短辺)側で、長辺に沿って延びる第1の切欠き部21~21と、短辺に沿って延びる第2の切欠き部22~22とが、直角に交差する一方、大略矩形の励振電極11,12の主電極部MEよりも前記他方の短辺側(図5の下側の短辺)で、長辺に沿って延びる第1の切欠き部21~2112と、短辺に沿って延びる第2の切欠き部22~22とが、直角に交差する。
【0068】
このように大略矩形の表裏の励振電極11,12の直線状の第1,第2の切欠き部21~21,22~22;21~2112,22~22が、平面視で直角に交差することによって、これら第1,第2の切欠き部21~21,22~22;21~2112,22~22によって平面視で区画された複数、この例では18個の平面視矩形の第1~第18補助電極部AE1~AE18が、斜線で示すように形成される。第1~第9補助電極部AE1~AE9は、中央部の主電極部MEよりも前記一方の短辺側に区画形成され、第10~第18補助電極部AE10~AE18は、主電極部MEよりも前記他方の短辺側に区画形成される。
【0069】
中央部の主電極部MEは、大略矩形の励振電極11,12の長辺に沿う方向(図5の上下方向)の長さが、第2の切欠き部22と第2の切欠き部22との間隔で規定される。
【0070】
また、主電極部MEの励振電極11,12の短辺方向(図5の左右方向)に沿う長さが、第1の切欠き部21と第1の切欠き部21との間隔で規定され、この間隔は、第1の切欠き部21と第1の切欠き部2110との間隔に等しい。
【0071】
第1~第9補助電極部AE1~AE9は、第1,第2の切欠き部21~21,22~22の交差によって平面視で区画形成される領域であり、第10~第18補助電極部AE10~AE18は、第1,第2の切欠き部21~2112,22~22の交差によって平面視で区画形成される領域である。
【0072】
具体的には、第1~第3補助電極部AE1~AE3は、励振電極11を長辺に沿ってそれぞれ切り欠く2本の第1の切欠き部21,21と、励振電極12を短辺に沿ってそれぞれ切り欠く4本の第2の切欠き部22,22,22,22との交差によってそれぞれ区画形成される。また、第4~第6補助電極部AE4~AE6は、励振電極11を長辺に沿ってそれぞれ切り欠く2本の第1の切欠き部21,21と、励振電極12を短辺に沿ってそれぞれ切り欠く上記の4本の第2の切欠き部22,22,22,22との交差によってそれぞれ区画形成される。更に、第7~第9補助電極部AE7~AE9は、励振電極11を長辺に沿ってそれぞれ切り欠く2本の第1の切欠き部21,21と、励振電極12を短辺に沿ってそれぞれ切り欠く上記の4本の第2の切欠き部22,22,22,22との交差によってそれぞれ区画形成される。
【0073】
同様に、第10~第12補助電極部AE10~AE12は、励振電極11を長辺に沿ってそれぞれ切り欠く2本の第1の切欠き部21,2110と、励振電極12を短辺に沿ってそれぞれ切り欠く4本の第2の切欠き部22,22,22,22との交差によってそれぞれ区画形成される。また、第13~第15補助電極部AE13~AE15は、励振電極11を長辺に沿ってそれぞれ切り欠く2本の第1の切欠き部2110,2111と、励振電極12を短辺に沿ってそれぞれ切り欠く上記の4本の第2の切欠き部22,22,22,22との交差によってそれぞれ区画形成される。更に、第16~第18補助電極部AE16~AE18は、励振電極11を長辺に沿ってそれぞれ切り欠く2本の第1の切欠き部2111,2112と、励振電極12を短辺に沿ってそれぞれ切り欠く上記の4本の第2の切欠き部22,22,22,22との交差によってそれぞれ区画形成される。
【0074】
このように、第1,第2の切欠き部21~21,22~22;21~2112,22~22の交差によって平面視で区画形成される各補助電極部AE1~AE18は、各励振電極11,12が平面視で部分的に重なる領域であって、中央部の主電極部MEにそれぞれ電気的に接続されている領域である。
【0075】
これらの各補助電極部AE1~AE18は、それぞれ補助振動領域を形成する。
【0076】
上記構成を有する本実施形態の水晶振動子1と、比較例として、励振電極が矩形である従来の水晶振動子について、DLD特性をそれぞれ測定した。
【0077】
図6は、比較例としての従来の水晶振動子の水晶振動素子の概略平面図であり、本実施形態の図5に対応する概略平面図である。
【0078】
この図6に示すように、従来の水晶振動素子30は、平面視矩形の水晶振動板31を備え、この水晶振動板31の中央部の表裏の両主面には、一対の矩形の励振電極32,33が、平面視で完全に重なるように形成されている。各励振電極32,33は、矩形の各励振電極の一方の短辺(図6の下方の短辺)側から引出し電極34,35がそれぞれ引出されている。各引出し電極34,35が、本実施形態の水晶振動子1と同様に、導電性接合材13によって、ベース4の一対の各電極パッド8,8にそれぞれ接合される。
【0079】
比較例としての従来の水晶振動子は、この水晶振動素子30以外の構成は、本実施形態の水晶振動子1の構成と同じである。
【0080】
ここで、本実施形態の水晶振動素子2の電極面積と、図6の従来例の水晶振動素子30の励振電極32,33の電極面積とについて説明する。
【0081】
本実施形態の水晶振動素子3の大略矩形の励振電極11,12は、その長辺に沿う方向の長さが、1.32mmであり、短辺に沿う方向の長さが、0.9mmである。
【0082】
また、各第1の切欠き部21~2112の幅は、0.005mmであり、長さは、0.8mmであり、本数は12本であるので、水晶振動板9の一方の主面である表面の主電極部MEを含む全体の電極面積は、
1.32×0.9-(0.005×0.8×12)=1.14mm
である。
【0083】
また、各第2の切欠き部22~22の幅は、0.005mmであり、長さは、0.56mmであり、本数は8本であるので、水晶振動板9の他方の主面である裏面の主電極部MEを含む全体の電極面積は、
1.32×0.9-(0.005×0.56×8)=1.1656mm
である。
【0084】
これに対して、図6に示される従来例の水晶振動素子30の励振電極32,3の電極面積は、
1.1mm×0.75mm=0.825mmである。
【0085】
したがって、本実施形態の水晶振動板9の一方の主面である表面の電極面積、及び、他方の主面である裏面の電極面積を、従来例の電極面積とそれぞれ比較すると、
一方の主面の電極面積について、
1.14÷0.825=1.38
他方の主面の電極面積について、
1.1656÷0.825=1.41
となる。
【0086】
このように本実施形態の水晶振動素子2の各主面の電極面積は、従来の各主面の励振電極32,33の電極面積の約1.4倍となっている。
【0087】
また、本実施形態の水晶振動素子2の中央部の主電極部MEの電極面積は、
0.724mm×0.67mm=0.48508mmである。
【0088】
したがって、中央部の主電極部MEのみの電極面積を従来例の電極面積と比較すると、
0.48508÷0.825=0.588
となり、本実施形態の水晶振動素子2の主電極部MEの電極面積は、従来例の電極面積の約6割となっている。
【0089】
図7は、本実施形態の水晶振動子1のDLD特性を示す図であり、図8は、図6の水晶振動素子30を備える従来例の水晶振動子のDLD特性を示す図である。
【0090】
この図7図8では、CI(クリスタルインピーダンス)のDLD特性も併せて示しており、横軸は励振レベルDL(μW)であり、左縦軸は発振周波数(40MHz)を基準とする周波数偏差dF/F(ppm)であり、右縦軸はCI値(Ω)である。なお、横軸は対数目盛である。
【0091】
本実施形態及び従来例の各水晶振動子について、励振レベルDLを1000μWまで変化させて、周波数偏差dF/F及びCI値を測定した。
【0092】
従来例の水晶振動子では、図8に示すように、励振レベルDLが増加するのに伴なって10μW付近から周波数偏差dF/Fが徐々に増加し、励振レベルDLが、100μWを超えると、周波数偏差dF/Fが急激に大きくなり、CI値も増加している。
【0093】
これに対して、この実施形態の水晶振動子1では、図7に示すように、励振レベルDLが、1000μWで約0.8ppmと殆ど増加することなく、略平坦な特性を示している。CI値についても増加は見られない。
【0094】
以上のように本実施形態の水晶振動子1によると、励振レベルDLを高めても発振周波数の変動を抑制することが可能となり、DLD特性を略平坦な特性に改善することができる。
【0095】
このように励振レベルDLを高めても発振周波数の変動を抑制することができる理由については、理論的に明確ではないが、次のように考えることができる。
【0096】
すなわち、主振動領域となる中央部の主電極部MEの外側には、第1,第2切欠き部21~2112,22~22によって、平面視で主電極部MEよりも外側の電極が重なるように区画形成された複数の補助電極部AE1~AE18が設けられている。これら複数の補助電極部AE1~AE18は、主電極部MEに電気的に接続されている一方、単に主電極部MEを外側に拡大したものではなく、第1,第2切欠き部21~2112,22~22によって平面視で電極が重なるように区画形成された複数の領域であり、これら複数の領域は、独立した複数の補助振動領域とみなすことができる。
【0097】
このため、主振動領域である中央部の主電極部MEから外側へ広がる主振動を、複数の補助振動領域である複数の補助電極部AE1~AE18で減衰させることができる。すなわち、主振動領域である主電極部MEから水晶振動板9の外周縁へ向かう主振動を減衰させることができる。このように主振動領域から水晶振動板9の外周縁へ向かう主振動を減衰させることによって、水晶振動板9の外周縁からの副振動となる反射波を抑圧することができる。これによって、励振レベルDLを高めても主振動が反射波の影響を受けるのを低減することができ、励振レベルDLに対する発振周期数の変動を抑制することが可能となる。
【0098】
また、上記のように、本実施形態の水晶振動素子2の各主面の電極面積は、従来例の各主面の電極面積に比べて大きいので、電極の単位面積当たりに印加される電圧は、従来例に比べて小さくなり、励振レベルDLに対する発振周期数の変動を、従来例に比べて抑制することができる。
【0099】
更に、ATカットの水晶板からなる水晶振動板9の主振動である厚み滑り振動の振動方向は、X軸方向である。
【0100】
この実施形態では、水晶振動板9の大略矩形の励振電極11,12の中央部の主電極部MEよりも各短辺側には、振動方向であるX軸方向に沿ってそれぞれ3つの各補助電極部AE1~AE3,AE10~AE12が設けられている。これによって、中央部の主電極部MEから外側へ広がる主振動を、その振動方向であるX軸方向に沿ってそれぞれ配置された3つずつ補助電極部AE1~AE3,AE10~AE12で効果的に減衰させることができ、副振動となる反射波を抑圧して主振動への影響を低減することができる。
【0101】
また、水晶振動板9は、上記のようにXロングの水晶振動板であるので、Z´ロングの水晶振動板に比べて、励振レベルDLに対する発振周期数の変動を抑制する効果が大きい。
【0102】
しかも、3つの各補助電極部AE1~AE3,AE10~E12は、主電極部MEから外側である大略矩形の励振電極11,12の各短辺側に向かう程、平面視で重なる電極の面積が段階的に小さくなっている。このため、主振動領域である主電極部MEからの主振動を、外側に向かうにつれて3つの各補助電極部AE1~AE3,AE10~AE12で段階的に徐々に減衰させることができる。
【0103】
上記実施形態では、第1,第2の切欠き部21~2112,22~22は、直角に交差したが、必ずしも直角に交差する必要はなく、平面視で電極が重なる補助電極部を区画形成できればよい。
【0104】
上記実施形態では、各切欠き部21~2112,22~22は、等しい幅であったが、異なる幅の切欠きとしてもよい。
【0105】
上記実施形態では、水晶振動板9の中央部の主電極部MEの外側に、大略矩形の励振電極11,12を、第1,第2の切欠き部21~2112,22~22によってそれぞれ直線状に切り欠いたが、切欠きは、直線状に限らず、曲線状であってもよい。
【0106】
また、線状に連続する切欠きに限らず、例えば、上記図5に対応する図9に示すように、水晶振動板9aの中央部の主電極部MEaよりも外側の電極を、表裏で位置をずらして多数の正六角形の切欠き部40や部分正六角形の切欠き部41によって切欠き、これら表裏で位置をずらした六角形状の切欠き部40,41によって、平面視で重なる多数の補助電極部を区画形成してもよい。
【0107】
あるいは、正六角形や部分正六角形に代えて、例えば、図10に示すように、水晶振動板9bの中央部の主電極部MEbよりも外側の電極を、表裏で位置をずらして、多数の円形の切欠き部42によって切欠き、これら表裏で位置をずらした円形の切欠き部42によって、平面視で重なる多数の補助電極部を区画形成してもよい。
【0108】
この図9及び図10に示される水晶振動素子2a,2bをそれぞれ備える各水晶振動子は、上記図8に示される従来例の水晶振動子に比べて、周波数変動の少ない平坦なDLD特性を示した。
【0109】
上記実施形態では、隣合う切欠き部の間隔を、中央部の主電極部MEから離間するのに伴って、狭くなるように形成したが、等しい間隔、あるいは、広くなるように形成してもよい。
【0110】
上記実施形態では、ATカットの水晶振動板に適用して説明したが、ATカットに限らず、SCカット等の水晶振動板を用いてもよい。また、水晶振動板に限らず、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料からなる圧電振動板を用いてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1 水晶振動子
2 水晶振動素子
3 パッケージ
4 ベース
5 封止材
6 リッド
9 水晶振動板
11,12 励振電極
15,16 引出し電極
21~2112 第1の切欠き部
22~22 第2の切欠き部
ME 主電極部
AE1~AE18 補助電極部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10