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特開2023-142665判定装置、判定方法、および判定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142665
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、および判定システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/14 20060101AFI20230928BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230928BHJP
   G01S 13/76 20060101ALI20230928BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20230928BHJP
【FI】
G01S5/14
E05B49/00 K
G01S13/76
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049679
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】内木 一輝
(72)【発明者】
【氏名】深貝 直史
(72)【発明者】
【氏名】古田 昌輝
(72)【発明者】
【氏名】河野 裕己
(72)【発明者】
【氏名】鍵本 圭吾
【テーマコード(参考)】
2E250
5J062
5J070
【Fターム(参考)】
2E250AA01
2E250BB08
2E250CC20
2E250DD02
2E250FF36
5J062BB01
5J062BB05
5J062CC11
5J062CC18
5J070AB01
5J070AC02
5J070AE09
5J070AK31
5J070BC15
(57)【要約】
【課題】セキュリティ性をより高めた被制御装置の制御を実現する。
【解決手段】第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々とユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する判定部、を備え、前記判定部は、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する、判定装置が提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々とユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する判定部、
を備え、
前記判定部は、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する、
判定装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した前記第2の無線通信装置からの受信信号に係るRSSI値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した前記第2の無線通信装置からの受信信号に係るRSSI値との差にさらに基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する、
請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置は、前記境界配置物を基準として前記第1のエリア側に指向性を有するよう配置され、
前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置は、前記境界配置物を基準として前記第2のエリア側に指向性を有するよう配置される、
請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置および前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置は、前記境界配置物に搭載される、
請求項3に記載の判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、判定した前記ポータブル機器の位置に基づいて、被制御装置の動作を制御する、
請求項1から請求項4までのうちいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項6】
前記被制御装置は、前記境界配置物に搭載される錠装置を含む、
請求項5に記載の判定装置。
【請求項7】
前記境界配置物は、ドアを含む、
請求項5に記載の判定装置。
【請求項8】
前記規定の通信規格は、超広帯域無線通信を含む、
請求項5に記載の判定装置。
【請求項9】
プロセッサが、第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々とユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定すること、
を含み、
前記判定することは、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定すること、をさらに含む、
判定方法。
【請求項10】
第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置と、
ユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置と、
前記少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々と前記第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する判定装置と、
を備え、
前記判定装置は、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する、
判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定装置、判定方法、および判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドア等に備えられた鍵を自動で解錠する技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザが携帯する通信機器から鍵を解錠するための情報を送信する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-98553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される技術では、通信機器から送信された情報に基づく検証が成功した場合、ドアの鍵が解錠される。しかし、特許文献1に開示される技術では、通信機器の位置に基づく検証は実行されないことから、セキュリティ上の懸念が残る。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、セキュリティ性をより高めた被制御装置の制御を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々とユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する判定部、を備え、前記判定部は、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する、判定装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、プロセッサが、第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々とユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定すること、を含み、前記判定することは、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定すること、をさらに含む、判定方法が提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1のエリアと第2のエリアとの境界に設置される境界配置物を挟んで配置される少なくとも2つの第1の無線通信装置と、ユーザにより携帯されるポータブル機器に搭載される第2の無線通信装置と、前記少なくとも2つの第1の無線通信装置の各々と前記第2の無線通信装置との間における規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距の結果に基づき、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する判定装置と、を備え、前記判定装置は、前記第1のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値と前記第2のエリアに配置される第1の無線通信装置が算出した測距値との差に基づいて、前記ポータブル機器が前記第1のエリアまたは前記第2のエリアのいずれに位置するかを判定する、判定システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、セキュリティ性をより高めた被制御装置の制御を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る判定システム1の構成例を示すブロック図である。
図2】同実施形態に係る第1の無線通信装置110および被制御装置130の配置例について説明するための図である。
図3】同実施形態に係る判定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本発明の一実施形態に係る判定システム1の構成例について述べる。図1は、本発明の一実施形態に係る判定システム1の構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る判定システム1は、例えば、境界配置物10に搭載される2つ以上の第1の無線通信装置110、判定装置120、および被制御装置130を備えてもよい。
【0014】
また、図1に示すように、本実施形態に係る判定システム1は、ユーザにより携帯されるポータブル機器20に搭載される第2の無線通信装置210をさらに備える。
【0015】
(境界配置物10)
本実施形態に係る境界配置物10は、第1のエリアと当該第1のエリアとは異なる第2のエリアとの境界に配置される各種の物体であってよい。
【0016】
本実施形態に係る境界配置物10は、例えば、室内(第1のエリアの一例)と室外(第2のエリアの一例)の境界に配置されるドア、私有地(第1のエリアの一例)と公道(第2のエリアの一例)の境界に配置される門などであり得る。
【0017】
(第1の無線通信装置110)
本実施形態に係る判定システム1は、少なくとも2つの第1の無線通信装置110を備える。
【0018】
より詳細には、判定システム1は、第1のエリアに配置される少なくとも1つの第1の無線通信装置110と、第2のエリアに配置される少なくとも1つの第1の無線通信装置110と、を備える。
【0019】
例えば、図1に示す一例の場合、判定システム1は、第1の無線通信装置110Aおよび110Bを備える。この場合、第1の無線通信装置110Aまたは110Bの一方は第1のエリアに配置され、他方は第2のエリアに配置される。
【0020】
また、本実施形態に係る少なくとも2つの第1の無線通信装置110は、例えば、境界配置物10に搭載されてもよい。
【0021】
本実施形態に係る第1の無線通信装置110の配置例については別途詳細に説明する。
【0022】
本実施形態に係る第1の無線通信装置110の各々は、ユーザにより携帯されるポータブル機器20に搭載される第2の無線通信装置210との間において規定の通信規格に準拠した無線通信に基づく測距(第1の無線通信装置110と第2の無線通信装置210との間の距離を推定する処理)を実施する。
【0023】
本実施形態に係る複数の第1の無線通信装置110の各々は、上記測距により算出した測距値(第1の無線通信装置110と第2の無線通信装置210との間の距離の推定値)を判定装置120に出力する。
【0024】
本実施形態に係る規定の通信規格の一例としては、超広帯域(Ultra Wide Band: UWB)無線通信が挙げられる。
【0025】
ここで、超広帯域無線通信に基づく測距について処理の一例を挙げる。
【0026】
本実施形態に係る第1の無線通信装置110の各々は、例えば、第2の無線通信装置210に対して送信する第1の測距用信号と、当該第1の測距用への応答として第2の無線通信装置210が送信する第2の測距用信号とに基づき測距を実行してもよい。
【0027】
この場合、第1の無線通信装置110の各々は、第1の測距用信号を送信した時刻から第2の測距用信号を受信する時刻までの時間ΔT1と、第2の無線通信装置210が第1の測距用信号を受信した時刻から第2の測距用信号を送信するまでの時間ΔT2とに基づいて、第2の無線通信装置210との間における距離の推定値である測距値を算出することが可能である。
【0028】
より具体的には、第1の無線通信装置110の各々は、時間ΔT1から時間ΔT2を差し引くことにより第1の測距用信号および第2の測距用信号の伝搬に要した時間(すなわち往復の通信に要した時間)を算出することができ、また当該時間を2で割ることにより、第1の測距用信号または第2の測距用信号のいずれかの伝搬に要した時間(すなわち片道の通信に要した時間)を算出することができる。
【0029】
さらには、第1の無線通信装置110の各々は、(時間ΔT1-時間ΔT2)/2の値に信号の速度を掛けることで、測距値を算出することが可能である。
【0030】
なお、第1の無線通信装置110の各々が上記の方法により測距値を算出するためには、時間ΔT2の値を把握することが求められる。このために、第2の無線通信装置210は、時間ΔT2に関する情報を第1の無線通信装置110に対して送信してもよい。
【0031】
一方、時間ΔT2を予め設定した固定値として第1の無線通信装置110と第2の無線通信装置210との間で共有することで、上記のような時間ΔT2に関する情報の送受信を省略することも可能である。
【0032】
また、本実施形態に係る第1の測距用信号は、第2の無線通信装置210により送信され、第2の測距用信号は、第1の測距用信号を受信した第1の無線通信装置110により送信されてもよい。
【0033】
この場合、第1の無線通信装置110の各々は、第2の無線通信装置210から時間ΔT1に関する情報を取得することにより測距値を算出することが可能である。
【0034】
さらには、上記のような第1の測距用信号と第2の測距用信号とを用いた測距値の算出はあくまで一例であり、本実施形態に係る測距の処理はかかる例に限定されない。
【0035】
本実施形態に係る第1の無線通信装置110の各々は、測距技術分野において広く用いられる各種の方法を用いて測距値の算出を行ってよい。
【0036】
さらには、本実施形態に係る規定の通信規格は、超広帯域無線通信に限定されるものではない。本実施形態に係る規定の通信規格には、第1の無線通信装置110と第2の無線通信装置210との間の距離を推定することが可能な任意の規格が採用されてよい。
【0037】
(判定装置120)
本実施形態に係る判定装置120は、第1の無線通信装置110の各々による測距の結果に基づき、ポータブル機器20が第1のエリアまたは第2のエリアのいずれに位置するかを判定する判定部125を備える。
【0038】
より詳細には、本実施形態に係る判定部125は、第1のエリアに配置される第1の無線通信装置110が算出した測距値と第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110が算出した測距値との差に基づいて、ポータブル機器20が第1のエリアまたは第2のエリアのいずれに位置するかを判定すること、を特徴の一つとする。
【0039】
上記のような判定によれば、ポータブル機器20の位置するエリアに基づくセキュリティ性の高い被制御装置130の制御が実現可能となる。
【0040】
また、本実施形態に係る判定部125は、上記のような判定の結果に基づき、被制御装置130の動作を制御してもよい。
【0041】
本実施形態に係る判定部125が有する機能は、各種のプロセッサにより実現される。なお、本実施形態に係る判定部125が有する機能の詳細については別途説明する。
【0042】
(被制御装置130)
本実施形態に係る被制御装置130は、判定部125による判定結果に基づく制御に従い、規定の動作を実行する各種の装置である。
【0043】
例えば、本実施形態に係る被制御装置130は、境界配置物10の一例であるドア15に搭載される錠装置135であってもよい。
【0044】
この場合、本実施形態に係る錠装置135は、判定部125による判定結果に基づく制御に従い、上記規定の動作として解錠または施錠を実行してもよい。
【0045】
例えば、判定部125は、ポータブル機器20が室外(第2のエリアの一例)に位置し、かつ測距値に基づきポータブル機器20がドア15から規定の距離内に位置すると判定した場合、錠装置135に解錠を指示してもよい。
【0046】
また、例えば、判定部125は、ポータブル機器20の位置が室外から室内(第1のエリアの一例)に移動したと判定した場合、錠装置135に施錠を指示してもよい。
【0047】
本実施形態に係る精度の高いエリア判定によれば、上記のようなポータブル機器20の位置に応じた柔軟かつ緻密な制御が実現可能となる。
【0048】
なお、錠装置135は、あくまで被制御装置130の一例に過ぎず、本実施形態に係る被制御装置130はかかる例に限定されない。
【0049】
本実施形態に係る被制御装置130は、例えば、照明装置、エアーコンディショナー等の電化製品であってもよい。
【0050】
(ポータブル機器20)
本実施形態に係るポータブル機器20は、ユーザにより携帯される通信機器であり、少なくとも第2の無線通信装置210を備える。
【0051】
本実施形態にポータブル機器20は、例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル機器などであってもよい。
【0052】
(第2の無線通信装置210)
上述したように、本実施形態に係る第2の無線通信装置210は、少なくとも2つの第1の無線通信装置110との間において規定の通信規格に準拠した無線通信を行う。
【0053】
以上、本実施形態に係る判定システム1の構成例について述べた。なお、図1を用いて説明した上記の構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る判定システム1の構成はかかる例に限定されない。
【0054】
例えば、上記では判定部125が自身による判定の結果に基づいて被制御装置130の制御を行う旨を例示したが、本実施形態に係る判定システム1は、判定部125による判定の結果に基づいて被制御装置130を制御する制御装置をさらに備えてもよい。
【0055】
本実施形態に係る判定システム1の構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形可能である。
【0056】
<<1.2.配置例>>
次に、本実施形態に係る第1の無線通信装置110および被制御装置130の配置例について述べる。
【0057】
図2は、本実施形態に係る第1の無線通信装置110および被制御装置130の配置例について説明するための図である。
【0058】
上述したように、本実施形態に係る第1のエリアと第2のエリアとの境界には、境界配置物10が配置される。図2において、室内は第1のエリアの一例であり、室外は第2のエリアの一例である。ドア15は、境界配置物10の一例である。
【0059】
本実施形態に係る第1のエリアおよび第2のエリアには、それぞれ少なくとも1つの第1の無線通信装置110が配置される。
【0060】
図2に示す一例の場合、室内には第1の無線通信装置110Aが配置され、室外には第1の無線通信装置110Bが配置される。
【0061】
また、第1のエリアに配置される第1の無線通信装置110および第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110は、境界配置物10に搭載されてもよい。
【0062】
図2に示す一例の場合、第1の無線通信装置110Aはドア15の室内側の面に搭載され、第1の無線通信装置110Bはドア15の室外側の面に搭載される。
【0063】
さらには、図2に示すように、室内に配置される第1の無線通信装置110Aはドア15を基準として室内側に無線信号の送信および受信に係る指向性を有するよう配置され、室外に配置される第1の無線通信装置110Bはドア15を基準として室外側に指向性を有するよう配置されてもよい。
【0064】
上記のような配置によれば、別途詳細に説明する測距値の比較によるエリア(室内外)判定において、精度高くエリアの切り分けを行うことが可能となる。
【0065】
また、本実施形態に係る被制御装置130も境界配置物10に搭載されてもよい。図2に示す錠装置135は、被制御装置130の一例である。
【0066】
以上、本実施形態に係る第1の無線通信装置110および被制御装置130の配置例について述べた。なお、図2を用いて説明した上記の配置はあくまで一例であり、本実施形態に係る第1の無線通信装置110および被制御装置130の配置はかかる例に限定されない。
【0067】
例えば、本実施形態に係る第1の無線通信装置110は、必ずしも境界配置物10に搭載されなくてもよい。図2に示す一例の場合、第1の無線通信装置110Aはより室内側に配置されてもよいし、第1の無線通信装置110Bはより室外側に配置されてもよい。
【0068】
また、例えば、本実施形態に係る被制御装置130も必ずしも境界配置物10に搭載されなくてもよい。本実施形態に係る被制御装置130は、例えば、室内に配置される照明装置等であってもよい。
【0069】
本実施形態に係る第1の無線通信装置110および被制御装置130の配置は、柔軟に変形可能である。
【0070】
<<1.3.動作の流れ>>
次に、本実施形態に係る判定システム1の動作の流れについて一例を挙げて詳細に説明する。
【0071】
図3は、本実施形態に係る判定システム1の動作の流れを示すフローチャートである。
【0072】
図3に示す一例の場合、まず、第1のエリアおよび第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110の各々とポータブル機器20に搭載される第2の無線通信装置210との間における測距が実行される(S102)。
【0073】
次に、第1の無線通信装置110の各々が、第2の無線通信装置210から受信した無線信号のRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を算出する(S104)。
【0074】
なお、ステップS102における処理とステップS104における処理は、並行して行われてもよいし、逆の順で行われてもよい。
【0075】
次に、判定部125は、ステップS102において算出された測距値の差、およびステップS104において算出されたRSSI値の差に基づいてエリア判定を行う(S106)。
【0076】
より詳細には、本実施形態に係る判定部125は、第1のエリアに配置される第1の無線通信装置110が算出した測距値と第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110が算出した測距値との差に基づいて、ポータブル機器20が第1のエリアまたは第2のエリアのいずれに位置するかを判定する。
【0077】
また、本実施形態に係る判定部125は、第1のエリアに配置される第1の無線通信装置110が算出した第2の無線通信装置210からの受信信号に係るRSSI値と第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110が算出した第2の無線通信装置210からの受信信号に係るRSSI値との差にさらに基づいて、ポータブル機器20が第1のエリアまたは第2のエリアのいずれに位置するかを判定してもよい。
【0078】
ここで、図2に示す配置例を採用し、本実施形態に係る判定方法について具体例を挙げて詳細に説明する。
【0079】
例えば、判定部125は、「室外に配置される第1の無線通信装置110Bにより算出された測距値」-「室内に配置される第1の無線通信装置110Aにより算出された測距値」>0(判定式(1))、が満たされる場合、ポータブル機器20が室内に位置すると判定してもよい。
【0080】
一方、判定部125は、「室外に配置される第1の無線通信装置110Bにより算出された測距値」-「室内に配置される第1の無線通信装置110Aにより算出された測距値」<0(判定式(2))、が満たされる場合、ポータブル機器20が室外に位置すると判定してもよい。
【0081】
このように、本実施形態に係る判定部125は、第1のエリアに配置される第1の無線通信装置110により算出された測距値と第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110により算出された測距値とを比較することにより、精度の高いエリア判定を行うことができる。
【0082】
しかし、ドア15の厚みや素材によっては、上記の2つの測距値に差が生じづらい状況も想定される。
【0083】
このため、判定部125は、上記の判定式(1)に加え、「室外に配置される第1の無線通信装置110Bにより算出されたRSSI値」-「室内に配置される第1の無線通信装置110Aにより算出されたRSSI値」<0(判定式(3))、がさらに満たされる場合、ポータブル機器20が室内に位置すると判定してもよい。
【0084】
また、判定部125は、上記の判定式(2)に加え、「室外に配置される第1の無線通信装置110Bにより算出されたRSSI値」-「室内に配置される第1の無線通信装置110Aにより算出されたRSSI値」>0(判定式(4))、が満たされる場合、ポータブル機器20が室外に位置すると判定してもよい。
【0085】
上記のような測距値差およびRSSI値差に基づくエリア判定によれば、ポータブル機器20が位置するエリアを高精度に切り分けることが可能となる。
【0086】
ステップS106におけるエリア判定の後、判定部125は、判定結果に応じて被制御
装置130の動作を制御する(S108)。
【0087】
判定部125は、1回の判定結果に基づき被制御装置130の動作制御を行ってもよいし、複数回の判定を行い判定結果の変化に基づき被制御装置130の動作制御を行ってもよい。
【0088】
以上、本実施形態に係る判定システム1の動作の流れについて一例を挙げて説明した。なお、図3に示す動作の流れはあくまで一例であり、本実施形態に係る判定システムの動作の流れはかかる例に限定されない。
【0089】
例えば、第1のエリアに配置される第1の無線通信装置110または第2のエリアに配置される第1の無線通信装置110のいずれかが測距値またはRSSI値を算出できなかった場合、判定部125は測距値またはRSSI値を算出できなかったエリアとは異なるエリアにポータブル機器20が位置すると判定してもよい。
【0090】
また、例えば、測距値に基づく判定結果とRSSI値に基づく判定結果とが矛盾する場合、判定部125は再度測距とRSSI値が実行されるよう制御を行ってもよい。
【0091】
本実施形態に係る判定システム1の動作の流れは柔軟に変形可能である。
【0092】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0093】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、コンピュータにより読み取り可能な非一過性の記憶媒体(non-transitory computer readable storage medium)に格納されるプログラムにより実現されてもよい。各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のプログラムは、記憶媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
1:判定システム、10:境界配置物、15:ドア、110:第1の無線通信装置、120:判定装置、125:判定部、130:被制御装置、135:錠装置、20:ポータブル機器、210:第2の無線通信装置
図1
図2
図3