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特開2023-142738ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ
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  • 特開-ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ 図1
  • 特開-ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ 図2
  • 特開-ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ 図3
  • 特開-ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ 図4
  • 特開-ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ 図5
  • 特開-ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142738
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20230928BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20230928BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049790
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(72)【発明者】
【氏名】平井 究
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA02
2C002CH01
2C002CH06
2C002CH08
2C002LL01
2C002MM02
2C002MM04
(57)【要約】
【課題】本発明は、打撃の際のプレーヤーによる操作性の高いゴルフクラブヘッド及びそれを備えるゴルフクラブを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るゴルフクラブヘッドは、フェース部、クラウン部、ソール部から構成されるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部のフェース面重心位置の下方かつ前記ソール部のフェース面側に位置するウェイト領域の質量がヘッド本体の質量に対して0.055以上であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェース部、クラウン部、ソール部から構成されるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、
前記フェース部のフェース面重心位置の下方かつ前記ソール部のフェース面側に位置するウェイト領域の質量がヘッド本体の質量に対して0.055以上であることを特徴とするウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記フェース部は、
上記フェース面重心位置が存在するフェース面、前記フェース面の上下に設けられる上下一対の肉薄部を備える請求項1に記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記フェース面の最大厚みが、2.4mm以下である請求項2に記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
上記ウェイト領域が、上記フェース面上重心を通りロフトに垂直な平面をロフトに沿って下方に20mm移動した平面を第一の仮想平面とし、上記フェース面上重心を通り上記ロフトに接する平面をその接線に沿って後方に20mm移動した平面を第二の仮想平面とした際に、第一の仮想平面よりも下方かつ第二の仮想平面よりも前方の領域である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記フェース部と前記ソール部との角部が肉厚に形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記フェース部と前記ソール部との角部に、前記フェース部及び前記ソール部の主体とは別体の肉厚部材が取り付けられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のウッド型ゴルフクラブヘッドと、このウッド型ゴルフクラブヘッドに取付けられるシャフトとを備えるウッド型ゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ウッド型ゴルフクラブヘッドとしては、ヘッド全体の重心位置を決定するために、ヘッド後方(フェーズの反対側)にウェイトを配置した構造(例えば、特開2004-519284号公報)等を採用することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-519284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公報が開示しているゴルフクラブヘッドでは、ヘッド全体の重心位置がヘッド後方となるため、プレーヤーによっては打撃の際の操作性に満足しないことがある。
【0005】
そこで、打撃の際のプレーヤーによる操作性の高いゴルフクラブヘッド及びそれを備えるゴルフクラブを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るウッド型ゴルフクラブヘッドは、フェース部、クラウン部、ソール部から構成されるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、前記フェース部のフェース面重心位置の下方かつ前記ソール部のフェース面側に位置するウェイト領域の質量がヘッド本体の質量に対して0.055以上であることを特徴とする。
【0007】
前記フェース部は、前記フェース面重心位置が存在するフェース面、及び、前記フェース面の上下に設けられる上下一対の肉薄部を備えることが好ましい。
【0008】
前記フェース面の最大厚みが、2.4mm以下であるとよい。
【0009】
前記フェース部と前記ソール部との角部が肉厚に形成されているとよい。
【0010】
前記フェース部と前記ソール部との角部に、前記フェース部及び前記ソール部の主体とは別体の肉厚部材が取り付けられているとよい。
【0011】
前記課題を解決するためになされた本発明の他の一態様に係るウッド型ゴルフクラブは、上記構成を備える当該ゴルフクラブヘッドと、このゴルフクラブヘッドに取付けられるシャフトとを備える。
【0012】
「フェース面重心位置」とは、ヘッド全体の重心を通るフェース面の法線がフェース面と交差する点を意味する。「ウェイト領域」とは、フェース面上重心Gを通りロフトに垂直な平面をロフトに沿って20mm下方(ソール側)に移動した平面を平面Aとし、フェース面上重心を通りロフトに接する平面をその接線に沿って20mm後方へ移動した平面を平面Bとした際に、平面Aよりも下方かつ平面Bよりも前方(フェース面側)の領域を意味する(符号については図1参照)。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るウッド型ゴルフクラブヘッド及びウッド型ゴルフクラブは、ヘッド全体の重心位置が低くフェース部側にあるため、打撃の際のプレーヤーによる操作性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るゴルフクラブの模式的側面図である。
図2図1のゴルフクラブヘッドのフェース部の断面を説明するための模式的説明図である。
図3図1のゴルフクラブにおけるウェィト領域を示す模式的正面図である。
図4】本発明の他の実施形態に係るゴルフクラブにおけるウェィト領域を示す模式的正面図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るゴルフクラブにおけるウェィト領域を示す模式的正面図である。
図6】本発明の他の実施形態に係るゴルフクラブにおけるウェィト領域を側面断面から示す模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0016】
[第1実施形態]
<ゴルフクラブ>
図1から図3に、本発明の一実施形態に係るウッド型ゴルフクラブ(以下、単にゴルフクラブということがある)を示す。本実施形態のゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッド1と、このゴルフクラブヘッドに取付けられるシャフト50とを備える。シャフト50は、特に限定されず、従来公知のシャフト50を採用することができる。
【0017】
<ゴルフクラブヘッド>
図1及び図2に示すように、当該ゴルフクラブヘッド1は、フェース部3と、ソール部(底面)4と、クラウン部(上面)5と、シャフト50が挿入固定されるシャフト穴6を有するホーゼル部7とを備えるヘッド本体2を具備する。
【0018】
前記ソール部4と、クラウン部5の平均厚みとは、特に限定されないが、0.5mm以上である。
【0019】
当該ゴルフクラブヘッド1のヘッド本体2の質量は、一般的には、160g以上215g以下である。
【0020】
フェース部3は、図2に示すように、フェース面重心位置が存在し打撃面を構成するフェース面3c、前記フェース面3cの上下に設けられる上下一対の肉薄部3a,3b、及び、下方の肉薄部3bの下方でソール部4との間にウェイト部位3dを有している。このウェイト部位3dは、下方の肉薄部3bから連続し且つ肉厚に形成されている。前記ウェイト部位3dによって、後述する当該ゴルフクラブヘッド1のウェイト領域が構成されている。
【0021】
前記ウェイト部位3dが構成するウェイト領域の質量の比は、ヘッド全体の質量に対して、0.055以上である。この比の下限は、0.065が好ましい。なお、「ウェイト領域」とは、上述のようにフェース面上重心Gを通りロフトに垂直な平面をロフトに沿って20mm下方(ソール側)に移動した平面を平面Aとし、フェース面上重心を通りロフトに接する平面をその接線に沿って20mm後方へ移動した平面を平面Bとした際に、平面Aよりも下方かつ平面Bよりも前方(フェース面側)の領域を意味する(符号については図1参照)。
【0022】
ウェイト領域の質量は、10g以上が好ましく、12g以上がより好ましく、13g以上がさらに好ましい。これにより、打撃の際のプレーヤーによる操作性の高くすることができる。
【0023】
本実施形態において、前記ウェイト部位3dは、図3に示すように、左右方向全体に亘って略均等に配されている(下部全体に均等に配されている)。
【0024】
本実施形態において、前記ウェイト部位3dは、フェース部3とソール部4との一部が肉厚に設けられていることによって形成されている。
【0025】
前記フェース面3cの最大厚みD3は、2.4mm以下に設けられているとよい。この上限としては、2.2mmが好ましく、2.1mmがより好ましい。前述のようにフェース部3下部にウェイト部3dを配したことでフェース部3の反発力の低減が危惧されるものの、フェース面3cの最大厚みD3の上限を制御することで、十分な反発力を得ることができる。なお、前記フェース面3cの最大厚みD3の下限は、特に限定されないが、例えば1.3mmである。
【0026】
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
【0027】
前記実施形態において、ウェイト部位が下部全体に配されているものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、左右方向中央にウェイト部位3dを設けることも可能である。さらに、図5に示すように、ウェイト部位3dを左右一対配すること(中央に設けないこと)も可能である。また、左右一方にウェイト部位3dを設けることも可能である。
【0028】
前記本実施形態において、ウェイト部位がフェース部とソール部との角部が肉厚に設けられていることによって形成されているものについて説明したが、図6に示すように、フェース部3(の下方の肉薄部3b)とソール部4との角部に、フェース部3及びソール部4の主体とは別体の肉厚部材3eが取り付けられている構造を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0029】
1 ゴルフクラブヘッド
2 ヘッド本体
3 フェース部
3a,3b 肉薄部
3c 肉厚部位
3d ウェイト部位
3e 肉厚部材
4 ソール部
5 クラウン部
6 シャフト穴
7 ホーゼル部
50 シャフト
A,B 仮想平面
G フェース面上重心
D1,D2 肉薄部の厚み
D3 肉厚部位の厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6