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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142774
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20230928BHJP
【FI】
G03G21/16 147
G03G21/16 133
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049850
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】山添 竜輝
【テーマコード(参考)】
2H171
【Fターム(参考)】
2H171FA01
2H171FA03
2H171HA06
2H171HA23
2H171HA33
2H171KA05
2H171KA22
2H171KA25
2H171KA27
2H171KA29
2H171NA08
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB01
2H171QB32
2H171QB52
2H171QB55
2H171QC03
2H171QC22
2H171QC24
2H171QC26
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171UA03
2H171UA12
(57)【要約】
【課題】粉体回収装置に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体のサイズを維持することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、粉体回収装置300と、開閉カバー部材130と、シート収容装置210とを備えている、シート収容装置210は、シート収容装置本体210aと、板状部材212とを備え、板状部材212は、シート収容装置本体210aの前面側S1において挿抜方向Sに直交する回動軸線回りに開閉可能に設けられており、シート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態において、開閉カバー部材130における係合部130aが板状部材212における被係合部212aに係合しており、開閉カバー部材130が開かれると、板状部材212が開閉カバー部材130と同じ側に開く。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱可能に設けられる粉体回収装置と、画像形成装置本体に開閉可能に設けられて前記粉体回収装置を覆う開閉カバー部材と、前記画像形成装置本体の下部において所定の挿抜方向に沿って挿抜可能に設けられるシート収容装置とを備えた画像形成装置であって、
前記シート収容装置は、シート収容装置本体と、前記シート収容装置本体の前面側を覆う板状部材とを備え、
前記板状部材は、前記シート収容装置本体の前記前面側において前記挿抜方向に直交する回動軸線回りに開閉可能に設けられており、
前記開閉カバー部材には、係合部が設けられ、
前記板状部材には、前記開閉カバー部材における前記係合部に係合される被係合部が設けられ、
前記シート収容装置が前記画像形成装置本体に装着されている状態において、前記開閉カバー部材における前記係合部が前記板状部材における前記被係合部に係合しており、前記開閉カバー部材が開かれると、前記板状部材が前記開閉カバー部材と同じ側に開くことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記開閉カバー部材が開閉されるときに、前記開閉カバー部材における前記係合部の前記板状部材における前記被係合部との係合により前記板状部材が前記開閉カバー部材と一体的に開閉することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記シート収容装置は、前記板状部材を前記シート収容装置本体側に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記開閉カバー部材には、前記板状部材における前記被係合部と係合して前記付勢部材により前記画像形成装置本体側に付勢された前記開閉カバー部材の前記シート収容装置本体側への回動を規制する規制部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記シート収容装置が前記画像形成装置本体から引き出されるときに、前記板状部材の前記開閉カバー部材との係合が解除されて前記板状部材が前記シート収容装置本体と一体的に移動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
前記板状部材には、前記シート収容装置を前記画像形成装置本体から引き出す際に位置する引出位置と前記引出位置から退避する退避位置との間で前記挿抜方向に沿って移動可能な取手部材と、前記取手部材を前記シート収容装置本体に対して解除可能にロックする取手ロック部とが設けられており、
前記取手部材が前記引出位置に位置しているときには、前記取手ロック部により前記取手部材を前記シート収容装置本体に対してロックし、前記取手部材が前記退避位置に位置しているときには、前記取手ロック部による前記取手部材の前記シート収容装置本体に対するロックを解除することを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置であって、
前記取手ロック部は、前記シート収容装置本体に対して係合によりロックすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の画像形成装置であって、
前記取手ロック部は、前記取手部材を前記シート収容装置本体に対してロックするロック位置と前記取手部材の前記シート収容装置本体に対するロックを解除するロック解除位置との間で前記回動軸線に沿った第1回転軸線回りに回転自在に前記板状部材に設けられたロック部材と、一端部が前記ロック部材に前記回動軸線に沿った第2回転軸線回りに回転自在に支持され且つ他端部が前記取手部材に固定された取手アーム部材とを備え、
前記取手部材が前記退避位置に位置しているときには、前記ロック部材がロック解除位置に位置して前記取手部材の前記シート収容装置本体に対するロックを解除しており、前記取手部材が前記シート収容装置本体側から離間して引き出されると、前記取手部材が前記引出位置に移動することにより前記ロック部材がロック位置に回動して前記取手部材を前記シート収容装置本体に対してロックすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置であって、
前記取手部材の一端部には、取手部が設けられており、
前記取手アーム部材は、前記取手部材の前記取手部とは反対側の端部から前記シート収容装置本体に向けて立設されており、
前記第1回転軸線は前記取手部材の前記取手部側に位置し、前記第2回転軸線は前記取手部材の前記取手部とは反対側に位置していることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、複合機、プリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、複合機、プリンター、ファクシミリ装置等の画像形成装置(特に、A4サイズ又は8.5×11インチサイズ等の小型機)では、近年、省スペースでの運用ができることが求められ、画像形成装置の機能を維持しながら、さらに小型化することが要求されている。
【0003】
図6A及び図6Bは、それぞれ、粉体回収装置300Xと、開閉カバー部材130Xと、シート収容装置210Xとを備えた従来の画像形成装置100Xにおいて、開閉カバー部材130Xが閉じられている状態及び開いている状態を模試的に示す断面図である。また、図7Aから図7Cは、それぞれ、従来の画像形成装置100Xにおいて、画像形成装置本体101Xから粉体回収装置300Xを取り外す際の第1工程から第3行程を示す斜視図である。
【0004】
従来の画像形成装置100Xにおいては、例えば、次のような不都合がある。
【0005】
画像形成装置100Xは、図6A及び図6Bに示すように、画像形成装置本体101Xに着脱可能に設けられる粉体回収装置300X(例えばトナー回収容器)と、画像形成装置本体101Xに開閉可能に設けられて粉体回収装置300Xを覆う開閉カバー部材130Xと、画像形成装置本体101Xの下部において所定の挿抜方向Sに沿って挿抜可能に設けられるシート収容装置210X(給紙カセット)とを備えている。シート収容装置210Xには、シート収容装置本体210aXの前面側S1を覆う板状部材212X(前板)が設けられている。
【0006】
画像形成装置100Xは、例えば、粉体回収装置300Xに収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体101Xのサイズを維持するために、粉体回収装置300Xの下端部300aXを板状部材212Xに干渉するような位置まで侵入させる構成になっていることがある。また、粉体回収装置300Xの上方には、上方部材(この例では、トナーカートリッジ15X)が設けられている。この場合、粉体回収装置300Xの交換を行う際に、図7Aから図7Cに示すように、粉体回収装置300Xが板状部材212Xに引っ掛かり、画像形成装置本体101Xからシート収容装置120Xを取り外した状態で(図7A参照)、開閉カバー部材130Xを開かないと(図7B参照)、粉体回収装置300Xを交換することができない(図7C参照)。勿論、画像形成装置本体101Xのサイズを大きくするか、或いは/さらに、粉体回収装置300Xのサイズを小さくすれば、画像形成装置本体101Xからシート収容装置210Xを取り外さなくても、粉体回収装置300Xを交換することができるが、これでは、画像形成装置本体101Xのサイズの大型化を招く、或いは/さらに、粉体回収装置300Xに収容される粉体の容量が少なくなる。
【0007】
かかる観点から、粉体回収装置300Xに収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体101Xのサイズを維持することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2017-198882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この点に関し、特許文献1には、開閉カバーを開口部に対して閉じると、保持部に保持された収容容器が内部空間に収容され、開閉カバーを開口部に対して開けると、保持部に保持された収容容器が内部空間から筐体の外部に取り出される構成が開示されているが、粉体回収装置に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体のサイズを維持することができるものではない。
【0010】
そこで、本発明は、粉体回収装置に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体のサイズを維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、画像形成装置本体に着脱可能に設けられる粉体回収装置と、画像形成装置本体に開閉可能に設けられて前記粉体回収装置を覆う開閉カバー部材と、前記画像形成装置本体の下部において所定の挿抜方向に沿って挿抜可能に設けられるシート収容装置とを備えた画像形成装置であって、前記シート収容装置は、シート収容装置本体と、前記シート収容装置本体の前面側を覆う板状部材とを備え、前記板状部材は、前記シート収容装置本体の前記前面側において前記挿抜方向に直交する回動軸線回りに開閉可能に設けられており、前記開閉カバー部材には、係合部が設けられ、前記板状部材には、前記開閉カバー部材における前記係合部に係合される被係合部が設けられ、前記シート収容装置が前記画像形成装置本体に装着されている状態において、前記開閉カバー部材における前記係合部が前記板状部材における前記被係合部に係合しており、前記開閉カバー部材が開かれると、前記板状部材が前記開閉カバー部材と同じ側に開くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、粉体回収装置に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体のサイズを維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の外観を示す斜視図である。
図1B図1Aに示す画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
図2A】本実施の形態に係る画像形成装置において、開閉カバー部が閉じている状態を模式的に示す断面図である。
図2B】本実施の形態に係る画像形成装置において、開閉カバー部材が開いている状態を模式的に示す断面図である。
図3A】開閉カバー部材が閉じた状態での画像形成装置本体側のガイド部材と開閉カバー部材側のガイド部材とを模式的に示す断面図である。
図3B】開閉カバー部材が開いた状態での画像形成装置本体側のガイド部材と開閉カバー部材側のガイド部材とを模式的に示す断面図である。
図4A】取手ロック部による取手部材のシート収容装置本体に対するロックが解除されて開閉カバー部材が閉じている状態を模式的に示す断面図である。
図4B】取手ロック部による取手部材のシート収容装置本体に対するロックが解除されて開閉カバー部材が開いている状態を模式的に示す断面図である。
図5】取手ロック部により取手部材がシート収容装置本体に対してロックされてシート収容装置が画像形成装置本体に装着されている状態から引き出される状態に移行する過程を模式的に示す断面図である。
図6A】粉体回収装置と、開閉カバー部材と、シート収容装置とを備えた従来の画像形成装置において、開閉カバー部材が閉じられている状態を模試的に示す断面図である。
図6B】粉体回収装置と、開閉カバー部材と、シート収容装置とを備えた従来の画像形成装置において、開閉カバー部材が開いている状態を模試的に示す断面図である。
図7A】従来の画像形成装置において、画像形成装置本体から粉体回収装置を取り外す際の第1工程を示す斜視図である。
図7B】従来の画像形成装置において、画像形成装置本体から粉体回収装置を取り外す際の第2工程を示す斜視図である。
図7C】従来の画像形成装置において、画像形成装置本体から粉体回収装置を取り外す際の第3行程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。従って、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0015】
[画像形成装置の全体構成]
図1Aは、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の外観を示す斜視図である。図1Bは、図1Aに示す画像形成装置100の概略構成を透視的に示す正面図である。なお、図において、符号X,Y,Zは、それぞれ、画像形成装置100の左右方向、奥行方向及び上下方向を示している。また、符号Y1,Y2は、それぞれ、奥行方向Yにおける前側及び後側を示している。
【0016】
画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンター機能を有する複合機である。画像形成装置100は、画像形成装置本体101と、画像読取装置102とを備えている。画像形成装置本体101は、シート供給装置200(給紙装置)と、画像形成部110と、排出部120とを備えている。
【0017】
画像読取装置102は、原稿の画像を読み取るものであり、原稿搬送部102aと、原稿読取部102bとを備えている。画像読取装置102は、原稿搬送部102aにて原稿Gを搬送しつつ原稿Gの画像を原稿読取部102bで読み取るか、又は、原稿読取部102bの原稿台上に載置された原稿Gを原稿読取部102bでスキャンして読み取る。シート供給装置200は、記録用紙等のシートPを画像形成部110に向けて供給する。画像形成部110は、シート供給装置200から送られてきたシートPに画像データに基づいて画像を形成(印刷)する。排出部120は、画像形成部110にて画像形成したシートPを排出する。
【0018】
画像形成部110は、光走査装置1、現像装置2、感光体ドラム3(感光体)、ドラムクリーニング装置4、帯電器5、中間転写装置6、トナーカートリッジ15(トナー収容容器)、定着装置7、排出トレイ8及び粉体回収装置300(粉体回収容器)(図1B参照)を備えている。
【0019】
画像形成装置100では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。画像形成装置100の画像形成部110には、4種類のトナー像を形成するために、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5が4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられ、4つの画像ステーションPa,Pb,Pc,Pdが構成されている。
【0020】
光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。この例では、現像装置2は、トナー及びキャリアを主成分とする2成分現像剤により感光体ドラム3上の静電潜像を現像する。前述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
【0021】
中間転写装置6は、中間転写ローラ61、無端状の中間転写ベルト62、転写駆動ローラ63、転写従動ローラ64及びベルトクリーニング装置65を備えている。中間転写ローラ61は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト62の内側に設けられている。中間転写ローラ61は、感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を矢印Mの方向へ周回移動する中間転写ベルト62に転写する。
【0022】
中間転写ベルト62は、転写駆動ローラ63及び転写従動ローラ64に張架されている。画像形成装置100では、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、中間転写ベルト62の表面にカラーのトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、中間転写ベルト62に転写されずに感光体ドラム3の表面に残った廃トナーを除去し、除去した廃トナーを粉体回収装置300に向けて搬送する。なお、現像装置2は、トナーカートリッジ15からトナーが新しいキャリアと共に現像槽に供給される一方、劣化したキャリアを含む廃現像剤を現像槽から粉体回収装置300(図1b参照)に排出するトリクル現像方式の現像装置であってもよい。
【0023】
2次転写装置9の転写ローラ9aは、中間転写ベルト62との間にニップ部が形成されており、シート搬送路11を通じて搬送されてきたシートPをニップ部に挟み込んで搬送する。シートPは、ニップ部を通過する際に、中間転写ベルト62の表面のトナー像が転写されて定着装置7に搬送される。ベルトクリーニング装置65は、シートPに転写されずに中間転写ベルト62の表面に残った廃トナーを除去し、除去した廃トナーを粉体回収装置300に向けて搬送する。
【0024】
定着装置7は、シートPを挟んで回転する定着ローラ7a及び加圧ローラ7bを備えている。定着装置7は、定着ローラ7a及び加圧ローラ7bの間にトナー像が転写されたシートPを挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像をシートPに定着させる。
【0025】
シート供給装置200は、シート収容装置210(給紙カセット)と、シート供給部220(給紙部)とを備えている。シート収容装置210は、画像形成に使用するシートPを積載しておくためのものである。シート収容装置210は、画像形成部110の下側に1段設けられている。この例では、シート供給装置200が1段とされているが、これに限定されず、2段以上であってもよい。シート収容装置210は、シート載置部材211(具体的にはシート載置板)を備えている。シート載置部材211は、シートPが載置される。シート供給部220は、シート載置部材211上に載置されたシートPをシート搬送路11に供給する。シートPは、シート供給部220の呼込ローラ221(ピックアップローラ)によってシート載置部材211から引き出されて、シート搬送路11に供給される。シート搬送路11に搬送されたシートPは、2次転写装置9や定着装置7を経由し、排出ローラ12に搬送され、排出部120における排出トレイ8に排出される。シート搬送路11には、搬送ローラ13、レジストローラ14及び排出ローラ12が配置されている。搬送ローラ13は、シートPの搬送を促す。レジストローラ14は、シートPを一旦停止させて、シートPの先端を揃える。レジストローラ14は、一旦停止したシートPを中間転写ベルト62上のカラートナー像のタイミングに合わせて搬送する。中間転写ベルト62上のカラートナー像は、中間転写ベルト62と転写ローラ9aとの間のニップ部でシートPに転写される。
【0026】
また、画像形成装置100は、シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPを排出ローラ12からシート反転搬送路11rに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送されたシートPの表裏をシート反転搬送路11rで反転し、レジストローラ14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ14に導かれたシートPを表面と同様にして裏面に画像形成し、排出トレイ8に排出する。
【0027】
(本実施の形態について)
画像形成装置100は、粉体回収装置300及びシート収容装置210に加えて、開閉カバー部材130(図1A参照)を備えている。
【0028】
粉体回収装置300は、画像形成装置本体101に着脱可能に設けられる。粉体回収装置300は、画像形成装置本体101に対して奥行方向Yにおける前側Y1(操作側)に着脱可能に設けられる。
【0029】
画像形成装置100では、トナーカートリッジ15から供給されるトナーにより画像形成部110で画像を形成(印刷)する一方、画像形成部110から搬送されてくる粉体(廃トナー及び/又は廃現像剤、この例では廃トナー)を粉体回収装置300に回収する。
【0030】
粉体回収装置300は、画像形成装置本体101の画像形成部110から搬送されてくる粉体を収容する。詳しくは、粉体回収装置300は、ドラムクリーニング装置4及びベルトクリーニング装置65から送られてきた廃トナーを収容する。
【0031】
開閉カバー部材130は、画像形成装置本体101に開閉可能に設けられいる。開閉カバー部材130は、粉体回収装置300を覆う。詳しくは、開閉カバー部材130は、画像形成装置本体101に対して開閉自在に支持されている。
【0032】
シート収容装置210は、画像形成装置本体101の下部において所定の挿抜方向Sに沿って挿抜可能に設けられている。詳しくは、シート収容装置210は、画像形成装置本体101内の左右方向Xの両側面において奥行方向Yに沿って設けられたガイド部材(図示省略)に奥行方向Yに移動自在にかつ着脱可能に設けられている。
【0033】
(第1実施形態)
図2A及び図2Bは、それぞれ、本実施の形態に係る画像形成装置100において、開閉カバー部材130が閉じている状態及び開いている状態を模式的に示す断面図である。
【0034】
ところで、画像形成装置(特に、A4サイズ又は8.5×11インチサイズ等の小型機)では、近年、省スペースでの運用ができることが求められ、画像形成装置の機能を維持しながら、さらに小型化することが要求されている。
【0035】
この点、本実施の形態では、粉体回収装置300に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体101のサイズを維持するために、画像形成装置100において、粉体回収装置300の下端部300a(図2A参照)を板状部材212(前板)に干渉するような位置まで侵入させる構成になっている。ここで、板状部材212は、シート収容装置本体210aの前面側S1を覆う部材である。
【0036】
板状部材212は、シート収容装置本体210aの前面側S1において挿抜方向Sに直交する回動軸線α(図2A参照)回りに開閉可能に設けられている。ここで、回動軸線αの方向である回動軸線方向Tは、シート収容装置210の挿抜方向S及び上下方向Zの双方に直交する左右方向Xである。詳しくは、シート収容装置本体210aにおいて前面側S1の開閉カバー部材130とは反対側の端部(下側の端部)には、左右方向Xに沿った回動孔213(図2A参照)が設けられている。板状部材212の開閉カバー部材130とは反対側の端部(下側の端部)には、左右方向Xに沿った回動軸212bが設けられている。板状部材212における回動軸212bは、シート収容装置本体210aにおける回動孔213に挿入され、回動軸線α回りに回動自在に支持される。これにより、板状部材212をシート収容装置本体210aに対して回動軸線α回りに開閉させることができる。
【0037】
開閉カバー部材130には、係合部130aが設けられている。詳しくは、開閉カバー部材130が閉じられ、かつ、シート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態において、係合部130aは、開閉カバー部材130のシート収容装置本体210a側の端部(下側の端部)において前面側S1が開放した凹部とされている。係合部130aは、図2Aに示すように、第1係合面130a1と、第2係合面130a2とを有している。第1係合面130a1は、凹部のシート収容装置本体210a側の面(下面)を構成しており、挿抜方向Sに沿うように形成されている。第2係合面130a2は、第1係合面130a1の前面側S1の端部からシート収容装置本体210a側に直角又は略直角に連接され、上下方向Zに沿うように形成されている。
【0038】
板状部材212には、開閉カバー部材130における係合部130aに係合される被係合部212aが設けられている。詳しくは、開閉カバー部材130が閉じられ、かつ、シート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態において、被係合部212aは、板状部材212の開閉カバー部材130側の端部(上側の端部)においてシート収容装置本体210a側に直角又は略直角に延設されている。係合部130aは、図2Aに示すように、第1被係合面212a1と、第2係合面130a2とを有している。第1被係合面212a1は、開閉カバー部材130とは反対側(下側)において挿抜方向Sに沿うように形成されている。第2係合面130a2は、第1被係合面212a1の前面側S1の端部からシート収容装置本体210a側に直角又は略直角に連接され、上下方向Zに沿うように形成されている。
【0039】
板状部材212における被係合部212aの第1被係合面212a1及び第2被係合面212a2と、開閉カバー部材130における係合部130aの第1係合面130a1及び第2係合面130a2とは、開閉カバー部材130が閉じられ、かつ、シート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態において互いに接触する。
【0040】
すなわち、第1係合面130a1は、シート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態において、開閉カバー部材130における係合部130aが板状部材212における被係合部212aに係合している。そして、開閉カバー部材130が開かれると、板状部材212が開閉カバー部材130と同じ側に開く。
【0041】
本実施の形態によれば、粉体回収装置300に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体101のサイズを維持するために、画像形成装置100が、本実施の形態のように、粉体回収装置300の下端部300aをシート収容装置本体210aの前面側S1を覆う板状部材212(前板)に干渉するような位置まで侵入させる構成になっている。また、粉体回収装置300の上方には、上方部材(この例では、トナーカートリッジ15)が設けられている。このような構成でも、シート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態において、開閉カバー部材130における係合部130aが板状部材212における被係合部212aに係合しており、開閉カバー部材130が開かれると、板状部材212が開閉カバー部材130と同じ側に開くので、粉体回収装置300の交換を行う際に、粉体回収装置300がシート収容装置210のシート収容装置本体210aにおける板状部材212に引っ掛かることを回避することができ、これにより、画像形成装置本体101からシート収容装置210を取り外さなくても、粉体回収装置300を交換することができる。
【0042】
従って、粉体回収装置300に収容される粉体の容量を確保しつつ画像形成装置本体101のサイズを維持することができる。
【0043】
本実施の形態において、画像形成装置100は、開閉カバー部材130が開かされるときに、開閉カバー部材130における係合部130aの板状部材212における被係合部212aとの係合により板状部材212が開閉カバー部材130と一体的に開閉する。
【0044】
こうすることで、開閉カバー部材130の開閉に伴って板状部材212を開閉カバー部材130と共に開閉せることができる。これにより、開閉カバー部材130の開閉とは別に、板状部材212の開閉を行う必要がなく、それだけ、板状部材212の開閉操作の操作性を向上させることができる。
【0045】
ここで、板状部材212は、シート収容装置本体210aに開閉可能に設けられているので、シート収容装置本体210aから倒れ易い。そうすると、板状部材212のシート収容装置本体210aの前面側S1を覆うという機能を失う。
【0046】
この点、本実施の形態において、シート収容装置210は、板状部材212をシート収容装置本体210a側に付勢する付勢部材214(この例ではキックばね)を備えている。詳しくは、板状部材212及びシート収容装置本体210aには、それぞれ、係止部212c,210a1(図2A参照)が設けられている。
【0047】
付勢部材214は、板状部材212が閉じる方向に付勢するように、一端部214a(図2A参照)が板状部材212における係止部212cに係止され、かつ、他端部214b(図2A参照)がシート収容装置本体210aにおける係止部210a1に係止されている。
【0048】
こうすることで、付勢部材214により板状部材212をシート収容装置本体210a側に付勢することができ、従って、シート収容装置本体210aから倒れることを効果的に防止することができる。これにより、板状部材212のシート収容装置本体210aの前面側S1を覆うという機能を維持することができる。
【0049】
ところで、付勢部材214が板状部材212をシート収容装置本体210a側に付勢すると、使用者が開閉カバー部材130を開こうとしても、板状部材212に係合された開閉カバー部材130が付勢部材141により閉じる方向R2に回動してしまい、使用者が開閉カバー部材130を開く際に行う作業(例えば粉体回収装置300の着脱作業)の作業性が悪化する。
【0050】
図3A及び図3Bは、それぞれ、開閉カバー部材130が閉じた状態及び開いた状態での画像形成装置本体101側のガイド部材101a,101bと開閉カバー部材130側のガイド部材131とを模式的に示す断面図である。
【0051】
本実施の形態において、開閉カバー部材130には、規制部131a(図3A及び図3B参照)が設けられている。規制部131aは、板状部材212における被係合部212aと係合して付勢部材214により画像形成装置本体101側に付勢された開閉カバー部材130のシート収容装置本体210a側への回動を規制する。
【0052】
詳しくは、開閉カバー部材130には、ガイド部材131が設けられている。ガイド部材131は、回動軸線αを中心とする円弧状又は略円弧状に形成されている。画像形成装置本体101には、一対のガイド部材101a,101bが設けられている。一対のガイド部材101a,101bは、回動軸線αを中心とする円弧状又は略円弧状に所定の間隔をおいて形成されている。一対のガイド部材101a,101bは、可撓性を有する弾性部材(樹脂部材又は金属部材)で形成されている。開閉カバー部材130側のガイド部材131は、画像形成装置本体101側の一対のガイド部材101a,101b間に挿通される。
【0053】
この例では、規制部131aは、開閉カバー部材130側のガイド部材131の先端部131bにおいて下面131cに設けられている。画像形成装置本体101側の一対のガイド部材101a,101bは、上下に設けられている。被規制部101a1は、一対のガイド部材101a,101bのうち一方(下側)のガイド部材101aの先端部101a2において上面101a3に設けられている。
【0054】
規制部131aには、図3Bに示すように、当接面131a1と、頂面131a2と、傾斜面131a3とが設けられている。当接面131a1は、被規制部101a1と当接する。頂面131a2は、当接面131a1に連接されて回動軸線αを中心とする円弧軌跡又は略円弧軌跡に沿って形成されている。傾斜面131a3は、頂面131a2に連接されて画像形成装置本体101から遠ざかるに従って低くなるように形成されている。
【0055】
また、被規制部101a1には、図3Bに示すように、当接面101a4と、頂面101a5と、傾斜面101a6とが設けられている。当接面101a4は、規制部131aと当接する。頂面101a5は、当接面101a4に連接されて回動軸線αを中心とする円弧軌跡又は略円弧軌跡に沿って形成されている。傾斜面101a6は、頂面101a5に連接されて開閉カバー部材130から遠ざかるに従って低くなるように形成されている。
【0056】
一対のガイド部材101a,101bのうち他方(上側)のガイド部材101bの先端部101b2には、開閉カバー部材130側のガイド部材131の先端部131bとの干渉を回避するように下面101b3から退避する切り欠き部101b1が設けられている。
【0057】
一対のガイド部材101a,101bのうち一方(下側)のガイド部材101aは、ガイド部101a7とガイド部101a7を支持する基部101a8とからなる2層に形成されている。ガイド部101a7は樹脂等の弾性材料からなっている。基部101a8は、ガイド部101a7よりも強度が大きい金属等の弾性材料からなっている。これにより、ガイド部材101aの強度を向上させることができる。
【0058】
ここで、規制部131aに規制される開閉カバー部材130の角度θ(図2B参照)は、使用者が開閉カバー部材130を開く際に行う作業を支障なく行うことができる程度の角度である。
【0059】
こうすることで、付勢部材214にて画像形成装置本体101側に付勢された開閉カバー部材130のシート収容装置本体210a側への回動を規制部131aにより規制することができ、これにより、使用者が開閉カバー部材130を開く方向R1に開こうとしたときに、付勢部材214による開閉カバー部材130の閉じる方向R2への回動を阻止することができる。従って、使用者が開閉カバー部材130を開く際に行う作業(例えば粉体回収装置300を着脱作業)の作業性の悪化を効果的に防止することができる。
【0060】
ところで、使用者は、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出す場合、板状部材212が開閉カバー部材130に対して係合されたままでは、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出すことができない。また、板状部材212がシート収容装置本体210aに対して開いてしまうと、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出し難くなる。従って、シート収容装置210の画像形成装置本体101からの引き出し性が悪化する。
【0061】
この点、本実施の形態において、シート収容装置210が画像形成装置本体101から引き出されるときに、板状部材212の開閉カバー部材130との係合が解除されて板状部材212がシート収容装置本体210aと一体的に移動する。
【0062】
こうすることで、使用者は、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出す場合、板状部材212が開閉カバー部材130に対して係合を解除することができ、これにより、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出すことができる。また、板状部材212がシート収容装置本体210aと一体的に移動することで、板状部材212がシート収容装置本体210aに対して開くことを回避することができ、これにより、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出し易くすることができる。従って、シート収容装置210の画像形成装置本体101からの引き出し性を効果的に防止することができる。
【0063】
(第2実施形態)
図4A及び図4Bは、それぞれ、取手ロック部215による取手部材212dのシート収容装置本体210aに対するロックが解除されて開閉カバー部材130が閉じている状態及び開いている状態を模式的に示す断面図である。また、図5は、取手ロック部215により取手部材212dがシート収容装置本体210aに対してロックされてシート収容装置210が画像形成装置本体101に装着されている状態から引き出される状態に移行する過程を模式的に示す断面図である。
【0064】
本実施の形態において、板状部材212には、取手部材212dと、取手ロック部215とが設けられている。取手部材212dは、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出す際に位置する引出位置Q1(図5参照)と引出位置Q1から退避する退避位置Q2(図4A図4B参照)との間で挿抜方向Sに沿って移動可能とされている。詳しくは、板状部材212には、取手部材212dを挿通する挿通孔212eが設けられている。挿通孔212eは、挿抜方向Sに沿って形成されている。挿通孔212eの上下方向Zにおけるサイズは、取手部材212dの上下方向Zにおけるサイズよりも所定量(取手部材212dを移動できる程度に)大きくなっている。これにより、取手部材212dを引出位置Q1と退避位置Q2との間で挿抜方向Sに沿って安定的に往復移動させることができる。
【0065】
取手ロック部215は、取手部材212dをシート収容装置本体210aに対して解除可能にロック(連結)する構成とされている。
【0066】
そして、取手部材212dが引出位置Q1に位置しているときには、取手ロック部215により取手部材212dをシート収容装置本体210aに対してロックし、取手部材212dが退避位置Q2に位置しているときには、取手ロック部215による取手部材212dのシート収容装置本体120aに対するロックを解除する。
【0067】
こうすることで、使用者によりシート収容装置210が画像形成装置本体101から引き出されると、取手部材212dが退避位置Q2から引出位置Q1に移動し、取手ロック部215により取手部材212dをシート収容装置本体210aに対してロックする。図5に示すように、シート収容装置210が画像形成装置本体101からさらに引き出されると、開閉カバー部材130における係合部130aの板状部材212における被係合部212aとの係合が解除される。このとき、取手ロック部215は取手部材212dをシート収容装置本体210aに対してロックしているので、板状部材212をシート収容装置本体210aと共に確実に移動させることができる。一方、使用者によりシート収容装置210が画像形成装置本体101に挿入されると、板状部材212における被係合部212aが開閉カバー部材130における係合部130aに係合される。シート収容装置210が画像形成装置本体101からさらに挿入されると、取手部材212dが引出位置Q1から退避位置Q2に移動し、取手ロック部215による取手部材212dのシート収容装置本体210aに対するロックを解除する。これにより、使用者による開閉カバー部材130に対する開閉操作に備えることができる。
【0068】
本実施の形態において、取手ロック部215は、シート収容装置本体210aに対して係合によりロックする。
【0069】
こうすることで、簡単な構成でありながら、板状部材212をシート収容装置本体210aと一体的に移動させることができる。
【0070】
本実施の形態において、取手ロック部215は、ロック部材2151と、取手アーム部材2152とを備えている。
【0071】
ロック部材2151は、ロック位置L1(図5参照)とロック解除位置L2(図4A図4B参照)との間で回動軸線αに沿った第1回転軸線β1(図4A図4B参照)回りに回転自在に板状部材212に設けられている。ロック位置L1は、取手部材212dをシート収容装置本体210aに対してロックする位置である。ロック解除位置L2は、取手部材212dのシート収容装置本体210aに対するロックを解除する位置である。取手アーム部材2152は、一端部がロック部材2151に回動軸線αに沿った第2回転軸線β2(図4A図4B参照)回りに回転自在に支持され且つ他端部が取手部材212dに固定されている。
【0072】
詳しくは、図4A及び図4Bに示すように、板状部材212の挿通孔212e内には、左右方向Xに沿った回転軸215aが設けられている。ロック部材2151は、ロック部材本体2151aと、係合部2151bとを備えている。ロック部材本体2151aは、鈍角に屈曲されており、屈曲部分が板状部材212における回転軸215aに回転自在に設けられている。シート収容装置本体210aの板状部材212側の端部には、係合部2151bに係合される被係合部210a2が設けられている。係合部2151bは、ロック部材本体2151aの一端部から被係合部210a2側に直角又は略直角に延設されており、ロック部材2151がロック位置L1に位置しているときに、シート収容装置本体210aにおける被係合部210a2と係合する。また、ロック部材本体2151aの他端部には、左右方向Xに沿った回転軸215bが設けられている。取手アーム部材2152の一端部は、ロック部材本体2151aにおける回転軸215bに回転自在に設けられている。
【0073】
そして、図4A及び図4Bに示すように、取手部材212dが退避位置Q2に位置しているときには、ロック部材2151がロック解除位置L2に位置して取手部材212dのシート収容装置本体210aに対するロックを解除している。このとき、板状部材212の開閉カバー部材130に対する係合が維持され、使用者が開閉カバー部材130を開閉することができる。
【0074】
一方、図5に示すように、使用者により取手部材212dがシート収容装置本体210a側から離間して引き出されると、取手部材212dが引出位置Q1に移動することによりロック部材2151がロック位置L1に回動して取手部材212dをシート収容装置本体210aに対してロックする。このとき、板状部材212の開閉カバー部材130に対する係合が解除され、使用者がシート収容装置210を画像形成装置本体101に対して挿抜することができる。
【0075】
このように、ロック部材2151及び取手アーム部材2152を用いることで、引出位置Q1と退避位置Q2との間で移動可能とする取手部材212dをシート収容装置本体210aに対して解除可能にロックする取手ロック部215の構成を容易に実現させることができる。
【0076】
本実施の形態では、取手ロック部215は、ロック部材2151をロック解除位置L2側に付勢する付勢部材216(この例ではキックばね)(図4A図4B参照)を備えている。詳しくは、ロック部材2151及び板状部材212には、それぞれ、係止部2151c,212f(図4A図4B参照)が設けられている。
【0077】
付勢部材216は、板状部材212がロック解除側に付勢するように、一端部216a(図2A参照)がロック部材2151における係止部2151cに係止され、かつ、他端部216b(図2A参照)が板状部材212における係止部212fに係止されている。
【0078】
こうすることで、使用者が取手部材212dを引き出す引出操作を行っているときにロック部材2151をロック位置L1に位置させ、使用者の取手部材212dへの引出操作が解除されているときにロック部材2151をロック解除位置L2に位置させることができる。
【0079】
本実施の形態において、取手部材212dの一端部には、使用者が把持する取手部212d1(図4A図4B参照)が設けられている。取手アーム部材2152は、取手部材212dの取手部212d1とは反対側の端部212d2(図4A図4B参照)からシート収容装置本体210aに向けて立設されている。この例では、取手アーム部材2152は、取手部材212dから直角又は略直角に立設されている。
【0080】
第1回転軸線β1は取手部材212dの取手部212d1側に位置し、第2回転軸線β2は取手部材212dの取手部212d1とは反対側に位置している。
【0081】
こうすることで、回動軸線方向T及び挿抜方向Sの双方に直交する上下方向Zにおいて第1回転軸線β1のできるだけ近い位置でシート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出すことができる。これにより、シート収容装置210を画像形成装置本体101から引き出し易くすることができる。従って、たとえ取手部212d1が使用者の手指を上から入れるように構成されいる場合であっても、シート収容装置210を画像形成装置本体101から容易に引き出すことができる。
【0082】
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、係る実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0083】
100 画像形成装置
101 画像形成装置本体
101a ガイド部材
101b ガイド部材
120a シート収容装置本体
130 開閉カバー部材
130a 係合部
131 ガイド部材
131a 規制部
141 付勢部材
15 トナーカートリッジ
210 シート収容装置
210a シート収容装置本体
212 板状部材
212a 被係合部
212d 取手部材
212d1 取手部
214 付勢部材
215 取手ロック部
2151 ロック部材
2152 取手アーム部材
216 付勢部材
216a 一端部
216b 他端部
300 粉体回収装置
300a 下端部
L1 ロック位置
L2 ロック解除位置
Q1 引出位置
Q2 退避位置
R1 開く方向
R2 閉じる方向
S 挿抜方向
S1 前面側
T 回動軸線方向
X 左右方向
Y 奥行方向
Y1 前側
Y2 後側
Z 上下方向
α 回動軸線
β1 第1回転軸線
β2 第2回転軸線
θ 角度
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C