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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142847
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 6/18 20060101AFI20230928BHJP
   B65D 67/00 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
B65D6/18 C
B65D67/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049966
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】中井 英嗣
【テーマコード(参考)】
3E061
3E067
【Fターム(参考)】
3E061AA02
3E061AB09
3E061CA02
3E061CA13
3E061DA01
3E067BA01A
3E067BA05A
3E067BA10A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067EE50
(57)【要約】
【課題】支持手段に支持される支持部を好適に備える容器を提供する。
【解決手段】容器1は、底壁構成部2と、底壁構成部2の側辺部から上方に延びる側壁部6、7とを備える。また、容器1は、長辺側側壁部6の外面側に設けられる支持部21を備え、支持部21は、一部が長辺側側壁部6の外面よりも容器1の外方側に突出する第1形態と、長辺側側壁部6の厚みの範囲に収まる第2形態とに形態変化可能に構成されている。フォークリフトのフォーク等に対し、第1形態とされた支持部21が支持されることで、容器1が当該フォーク等に支持される。さらに、容器1は、第1形態にある支持部21の第2形態とされる側への変位を規制する維持手段を備えている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁構成部と、前記底壁構成部の側辺部から上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部の外面側に設けられる支持部を備え、
前記支持部は、少なくとも一部が前記側壁部の外面よりも前記容器の外方側に突出する第1形態と、前記第1形態にある前記支持部よりも前記容器の内方側に位置する第2形態とに形態変化可能に構成され、
所定の支持手段に対し、前記第1形態とされた前記支持部が支持されることで、前記容器が当該支持手段に支持され、
前記第1形態にある前記支持部の前記第2形態とされる側への変位を規制する維持手段を備えていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記支持部は、第1部材と、第2部材とを備え、
前記第1部材、及び、前記第2部材のうち一方の部材は、前記側壁部に対して、回動変位及びスライド変位が可能、又は、回動変位が可能に連結され、
前記第1部材、及び、前記第2部材のうち他方の部材は、前記側壁部、及び、前記一方の部材のうち少なくとも一方に対して、回動変位及びスライド変位が可能、又は、回動変位が可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記支持部が前記第2形態とされた場合に、前記支持部のうち最も前記容器の外方側に位置する部位が、前記側壁部の外面よりも前記容器の内方側に位置する、又は、前記側壁部の外面と同一平面上に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
前記第2形態にある前記支持部の前記第1形態とされる側への変位を規制する規制手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
前記底壁構成部は平面視略矩形状をなし、
前記側壁部は、前記底壁構成部の各側辺部に対してそれぞれ上方に立設される起立姿勢と、前記底壁構成部の上方に畳まれる折畳姿勢との間を姿勢変化可能に構成され、
前記容器は、全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能に構成され、
前記側壁部のうち少なくとも1つは前記支持部を備え、
前記折畳状態とされた前記容器同士を積重ねる場合に、下側の前記容器の前記第2形態とされた前記支持部と、上側の前記容器との間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の容器。
【請求項6】
前記維持手段は、前記支持部側に設けられた支持部側維持部と、前記側壁部側に設けられ、前記支持部が前記第1形態にある場合に前記支持部側維持部に対して当接又は近接する側壁側維持部とにより構成され、
前記規制手段は、前記支持部側に設けられた支持部側規制部と、前記側壁部側に設けられ、前記支持部が前記第2形態にある場合に前記支持部側規制部に対して当接又は近接する側壁側規制部とにより構成され、
前記支持部に対して相対変位可能に取着され、前記支持部側維持部及び前記支持部側規制部の両方を具備する可動部材、又は、前記側壁部に対して相対変位可能に取着され、前記側壁側維持部及び前記側壁側規制部の両方を具備する可動部材を備え、
前記支持部が前記第1形態にある場合に前記可動部材に対して所定の操作を行うことで前記支持部の前記第2形態側への変位が許容され、
前記支持部が前記第2形態にある場合に前記可動部材に対して前記所定の操作を行うことで前記支持部の前記第1形態側への変位が許容されることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の運搬等に使用される容器として、上方に開口した形態とすることのできる略四角箱状の容器本体のうち相対する一対の側壁部の外面側に対し、フォークリフトのフォーク等の支持手段により下面側が支持される支持部を突設するといった技術が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-194609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の技術では、支持部が容器本体の側壁部から外方側に突出しているため、例えば、容器同士を横並びで設置して運搬・保管する場合にスペース効率の悪化を招くことが懸念される。また、支持部に対する別体の接触が生じ易いことが懸念され、接触に起因して当該接触した別体や支持部の損傷等を招くおそれがある。
【0005】
本発明は上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、支持手段に支持される支持部を好適に備える容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0007】
手段1.底壁構成部と、前記底壁構成部の側辺部から上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部の外面側に設けられる支持部を備え、
前記支持部は、少なくとも一部が前記側壁部の外面よりも前記容器の外方側に突出する第1形態と、前記第1形態にある前記支持部よりも前記容器の内方側に位置する第2形態とに形態変化可能に構成され、
所定の支持手段に対し、前記第1形態とされた前記支持部が支持されることで、前記容器が当該支持手段に支持され、
前記第1形態にある前記支持部の前記第2形態とされる側への変位を規制する維持手段を備えていることを特徴とする容器。
【0008】
手段1によれば、支持部を第1形態として支持手段に支持させることで、容器を支持手段に支持させることができ、例えば、支持手段がフォークリフト等のフォークにより構成される場合に、物品を収容した容器を比較的容易に運搬等することができる。また、第2形態とされた支持部は、第1形態にある支持部よりも容器の内方側に位置することから(特に、第2形態とされた支持部の少なくとも一部が側壁部の厚みの範囲に収まるように構成するとより一層)、第2形態にある支持部の側壁部の外面からの突出長を極力小さくする、或いは、突出しないようにすることができる。これにより、支持部を第2形態とすることで、支持部が、当該容器に隣接する別体に干渉するといった事態を抑止することができる。従って、支持部と別体との接触に起因する支持部及び別体の損傷等の発生を抑止するとともに、容器を所定のスペースに効率的に設置することができ、特に、複数の容器をまとめて運搬及び保管する際等の効率及び利便性の向上等を図ることができる。
【0009】
さらに、第1形態とされた支持部が支持手段に支持されていない状態でも(作業者が支持部を支持していなくても)支持部が第1形態を維持することができ、支持手段により支持部を支持して容器を運搬したり設置したりする際の作業性の向上等を図ることができる。特に、第1形態にある支持部が支持手段に支持された状態が解消されると第2形態とされるような構成に比べ、支持部を支持手段に支持させる際に逐一第1形態に形態変化させ直すといった手間を回避することができ、支持手段により支持部を支持して容器を運搬したり設置したりする作業を複数回行う場合に、より一層の作業性の向上等を図ることができる。
【0010】
手段2.前記支持部は、第1部材と、第2部材とを備え、
前記第1部材、及び、前記第2部材のうち一方の部材は、前記側壁部に対して、回動変位及びスライド変位が可能、又は、回動変位が可能に連結され、
前記第1部材、及び、前記第2部材のうち他方の部材は、前記側壁部、及び、前記一方の部材のうち少なくとも一方に対して、回動変位及びスライド変位が可能、又は、回動変位が可能に連結されていることを特徴とする手段1に記載の容器。
【0011】
手段2によれば、支持部が複数の部材により構成されており、形態変化をスムースに行うことができる。
【0012】
手段3.前記支持部が前記第2形態とされた場合に、前記支持部のうち最も前記容器の外方側に位置する部位が、前記側壁部の外面よりも前記容器の内方側に位置する、又は、前記側壁部の外面と同一平面上に位置することを特徴とする手段1又は2に記載の容器。
【0013】
手段3によれば、支持部が側壁部の外面から容器の外方側に突出して別体と接触するといった事態をより確実に防止することができ、特に、組立状態にある容器同士を横並びで設置する際に、第2形態とされた支持部が隣接する容器と干渉するといった事態を確実に回避することができる。従って、支持部を第2形態とすることで、支持部等の損傷等を抑止しつつ、容器の設置に要するスペース効率の向上を図るといった作用効果がより一層奏される。
【0014】
手段4.前記第2形態にある前記支持部の前記第1形態とされる側への変位を規制する規制手段を備えていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の容器。
【0015】
手段4によれば、所定のスペースに容器を設置して容器を保管・運搬する場合に、第2形態とされた支持部が不用意に第1形態とされ、支持部が損傷し易くなってしまう等といった事態を回避することができる。
【0016】
手段5.前記底壁構成部は平面視略矩形状をなし、
前記側壁部は、前記底壁構成部の各側辺部に対してそれぞれ上方に立設される起立姿勢と、前記底壁構成部の上方に畳まれる折畳姿勢との間を姿勢変化可能に構成され、
前記容器は、全ての前記側壁部が前記起立姿勢とされた組立状態と、全ての前記側壁部が前記折畳姿勢とされた折畳状態とに状態変化可能に構成され、
前記側壁部のうち少なくとも1つは前記支持部を備え、
前記折畳状態とされた前記容器同士を積重ねる場合に、下側の前記容器の前記第2形態とされた前記支持部と、上側の前記容器との間に隙間が形成されるように構成されていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の容器。
【0017】
手段5によれば、容器同士を折畳状態として積重ねて保管等する場合に、支持部が上側の容器と干渉するといった事態を確実に回避することができ、支持部等の損傷を防止することができる。
【0018】
手段6.前記維持手段は、前記支持部側に設けられた支持部側維持部と、前記側壁部側に設けられ、前記支持部が前記第1形態にある場合に前記支持部側維持部に対して当接又は近接する側壁側維持部とにより構成され、
前記規制手段は、前記支持部側に設けられた支持部側規制部と、前記側壁部側に設けられ、前記支持部が前記第2形態にある場合に前記支持部側規制部に対して当接又は近接する側壁側規制部とにより構成され、
前記支持部に対して相対変位可能に取着され、前記支持部側維持部及び前記支持部側規制部の両方を具備する可動部材、又は、前記側壁部に対して相対変位可能に取着され、前記側壁側維持部及び前記側壁側規制部の両方を具備する可動部材を備え、
前記支持部が前記第1形態にある場合に前記可動部材に対して所定の操作を行うことで前記支持部の前記第2形態側への変位が許容され、
前記支持部が前記第2形態にある場合に前記可動部材に対して前記所定の操作を行うことで前記支持部の前記第1形態側への変位が許容されることを特徴とする手段4に記載の容器。
【0019】
手段6によれば、部材点数の削減を図ることができ、組立作業性の向上、生産性の向上等を図ることができる。また、支持部を第1形態と第2形態とに形態変化させる際に、可動部材に対する操作方法が共通のため、作業者が操作方法を理解し易く、作業性の向上等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態における支持部が第1形態とされた組立状態にある容器を示す斜視図である。
図2】支持部が第2形態とされた組立状態にある容器を示す斜視図である。
図3】折畳状態にある容器を積み重ねた状態を示す斜視図である。
図4】第1形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す斜視図である。
図5】第2形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す斜視図である。
図6】長辺側側壁部、及び、支持部の外面側を示す分解斜視図である。
図7】長辺側側壁部、及び、支持部の内面側を示す分解斜視図である。
図8】支持部を形態変化させる過程を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図9】第2形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す部分拡大断面図であり、(a)は図5のA-A線断面図、(b)は図5のB-B線断面図、(c)は図5のC-C線断面図、(d)は図5のD-D線断面図、(e)は図5のE-E線断面図である。
図10】第1形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す部分拡大断面図であり、(a´)は図4のA´-A´線断面図、(b´)は図4のB´-B´線断面図、(c´)は図4のC´-C´線断面図、(d´)は図4のD´-D´線断面図、(e´)は図4のE´-E´線断面図である。
図11】支持部が第2形態にある長辺側側壁部の内面側を示す部分拡大斜視図である。
図12図11のK部を示す拡大正面図である。
図13】第2実施形態における支持部が第1形態とされた組立状態にある容器を示す斜視図である。
図14】支持部が第2形態とされた組立状態にある容器を示す斜視図である。
図15】第1形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す斜視図である。
図16】第2形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す斜視図である。
図17】長辺側側壁部、及び、支持部の外面側を示す分解斜視図である。
図18】長辺側側壁部、及び、支持部の内面側を示す分解斜視図である。
図19】支持部を形態変化させる過程を示す一部断面を含む部分拡大斜視図である。
図20】第2形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す部分拡大断面図であり、(f)は図16のF-F線断面図、(g)は図16のG-G線断面図、(h)は図16のH-H線断面図、(i)は図16のI-I線断面図、(j)は図16のJ-J線断面図である。
図21】第1形態とされた支持部、及び、長辺側側壁部を示す部分拡大断面図であり、(f´)は図15のF´-F´線断面図、(g)は図15のG´-G´線断面図、(h)は図15のH´-H´線断面図、(i)は図15のI´-I´線断面図、(j)は図15のJ´-J´線断面図である。
図22】支持部が第2形態にある長辺側側壁部の内面側を示す部分拡大斜視図である。
図23】支持部が第1形態にある長辺側側壁部の内面側を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態について図1図12を参照して説明する。図2図3等に示すように、容器1は、略矩形板状をなす底壁部3と、底壁部3の各長辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する長辺側土台部4と、底壁部3の各短辺部に沿って底壁部3からそれぞれ上方に突出する短辺側土台部5とを具備する平面視略矩形状をなす底壁構成部2を備えている。さらに、容器1は、各長辺側土台部4に対してそれぞれ回動変位可能に連結された長辺側側壁部6と、各短辺側土台部5に対してそれぞれ回動変位可能に連結された短辺側側壁部7とを備えている。尚、本実施形態の容器1は、ポリプロピレンによって構成されている。
【0022】
長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7は、それぞれ長辺側土台部4、及び、短辺側土台部5の上方に立設される起立姿勢と、底壁部3の中央部側に倒され(長辺側側壁部6と短辺側側壁部7とが上下に重ねられて畳まれ)、底壁部3と略平行して延在する折畳姿勢との間を回動変位可能に構成されている。このため、容器1に物品を収容する場合には、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が起立姿勢とされた組立状態(図2参照)とし、容器1を保管等する場合には、全ての長辺側側壁部6、及び、短辺側側壁部7が折畳姿勢とされた折畳状態(図3参照)とし、省スペース化等を図ることが可能に構成されている。
【0023】
また、長辺側土台部4の底壁部3からの突出長は、短辺側土台部5の底壁部3からの突出長よりも長くなっており、長辺側側壁部6を回動可能に支持するための長辺側軸受部8の形成位置も、短辺側側壁部7を回動可能に支持するための短辺側軸受部9の形成位置よりも上方に位置している。さらに、各短辺側土台部5は、相対する一対の長辺側土台部4の内面同士を連結するようにして設けられており、長辺側側壁部6の横幅は、底壁構成部2の長手幅とほぼ同じに構成される一方で、短辺側側壁部7の横幅は、一対の長辺側土台部4間の距離とほぼ同じに構成されている。
【0024】
このため、組立状態にある容器1を折畳状態とする場合には、一対の短辺側側壁部7を先に折畳姿勢としてから、長辺側側壁部6を折畳姿勢へと変位させる構成となっている。容器1の折畳状態では、折畳姿勢とされた短辺側側壁部7が底壁部3の上方に重なるとともに、折畳姿勢とされた長辺側側壁部6が短辺側側壁部7の上方に重なる。本実施形態では、折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部7は、両方とも底壁部3の上面に当接して支持され、折畳姿勢とされた一対の長辺側側壁部6は、それぞれ折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部7に当接して、互いに同じ高さ位置で支持されるように構成されている。また、図3に示すように、長辺側土台部4の上辺部(上面)は、折畳姿勢にある長辺側側壁部6よりも上方に位置している。
【0025】
図5図7等に示すように、長辺側側壁部6は、当該長辺側側壁部6の内面を構成する略矩形板状の長辺側ベース壁部11と、長辺側ベース壁部11の上辺部、下辺部、及び、左右の側辺部から容器1の外方側に突出する外枠フランジ部12と、外枠フランジ部12の下辺部から下方に突出し、長辺側土台部4の長辺側軸受部8に対して回動変位可能に連結される長辺側ヒンジ部13とを備えている。また、図5図6に示すように、長辺側側壁部6は、長辺側ベース壁部11から容器1の外方側に膨出する全体として略四角枠状(略四角枠状を構成する各部位は断面略コ字状)の枠状膨出部14を備えている。枠状膨出部14の上辺部、及び、左右の側辺部は、それぞれ外枠フランジ部12の上辺部、及び、左右の側辺部に対して長辺側ベース壁部11の中央部側に所定距離を隔てて略平行に延在し、枠状膨出部14の下辺部は、外枠フランジ部12の下辺部を含むようにして構成されている。加えて、外枠フランジ部12の上辺部、及び、左右の側辺部と、枠状膨出部14の上辺部、及び、左右の側辺部との間を連結するようにして補強リブ15が設けられている。本実施形態では、外枠フランジ部12の外側端縁、枠状膨出部14の外側面、及び、補強リブ15の外側端縁が同一平面上に位置するように構成されており、これらの外枠フランジ部12の外側端縁、枠状膨出部14の外側面、及び、補強リブ15の外側端縁により、長辺側側壁部6の外面が構成されている。尚、図7に示すように、枠状膨出部14の内側にも補強用のリブが設けられている。
【0026】
また、図6等に示すように、長辺側側壁部6は、枠状膨出部14の上辺部と下辺部との間を連結するようにして上下方向に延在する補助膨出部16を備えている。補助膨出部16の下側部位は、その外側面が、枠状膨出部14の外側面と同一平面上に位置する(長辺側側壁部6の外面を構成する)ように構成されている一方で、補助膨出部16の上側部位は、当該補助膨出部16の下側部位よりも長辺側ベース壁部11からの突出長が短く、当該補助膨出部16の上側部位の外側面は、枠状膨出部14の外側面よりも容器1の内方側に位置している。
【0027】
尚、図2に示すように、短辺側側壁部7についても短辺側ヒンジ部18を備え、短辺側土台部5の短辺側軸受部9に対して回動可能に連結されている。また、長辺側ベース壁部11の左右両側部近傍の上部には、長辺側側壁部6の厚み方向に弾性変形可能な弾性片と、当該弾性片の先端部から容器1の内方側に突出する係止突部とを具備する組立係止片19が設けられ、容器1が組立状態とされた場合に、組立係止片19の係止突部が短辺側側壁部7の内面に略当接して、短辺側側壁部7の折畳姿勢側への変位が規制されるようになっている。
【0028】
さて、図1図2等に示すように、本実施形態の容器1は、各長辺側側壁部6の外面側に設けられ、当該長辺側側壁部6の外面側から接触可能な支持部21を備えている。支持部21は、枠状膨出部14の内周側であって、上下方向(長辺側側壁部6の高さ方向)において、補助膨出部16のうち長辺側ベース壁部11からの突出長が比較的短い上側部位(図6参照)が延在する範囲に配置されている。
【0029】
支持部21は、長辺側側壁部6の外面よりも容器1の外方側に突出する第1形態と、第1形態にある支持部21よりも容器1の内方側に位置する第2形態とに形態変化可能に構成されている。そして、図示しないフォークリフトの一対のフォーク(支持手段)に対し、各長辺側側壁部6の第1形態とされた支持部21がそれぞれ載置(支持)されることで、容器1が当該フォークに支持されるようになっている。
【0030】
図4図6に示すように、支持部21は、第1形態とされた場合にフォークに面で当接して支持(載置)可能とされる第1部材22と、第1部材22の上方に配置され、フォークに支持された第1部材22のうち、フォークに支持された部位の反対側(上面側)の部位、及び、フォークに支持された部位よりも第1部材22の長辺側側壁部6からの突出方向先端側の部位(上面側)の少なくとも一方を含む範囲を支持し、フォークに支持された第1部材22の上方への変位を規制する第2部材23とを備えている。尚、「フォークに面で当接して支持可能とされる」とは、第1部材22、及び、フォークの当接面の両方が平坦面である場合だけでなく、当接面において凹凸が設けられ、複数個所で第1部材22とフォークとが当接する構成を含む趣旨である。また、第1部材22、及び、第2部材23には、支持部21が第2形態にある場合に、補助膨出部16(突出長が比較的短く構成された部位)を収容する膨出部収容部が形成されており、支持部21が第2形態にある場合に、第1部材22、及び、第2部材23のうち容器1の内方側の面が、長辺側ベース壁部11の外側面に略当接状態とされるようになっている。
【0031】
第2部材23は、支持部21が第2形態にある場合に長辺側ベース壁部11の外側面に沿って上下方向に延在するとともに、正面視した場合に左右方向(長辺側側壁部6の横幅方向)に長い略矩形状をなしている。第2部材23の側辺部は、枠状膨出部14の左右の側辺部に近接配置されている。また、長辺側側壁部6には、枠状膨出部14の上辺部の下面に隣接して第2軸受部24が設けられている。これに対し、第2部材23は、支持部21が第2形態にある場合の上部に設けられ、前記第2軸受部24に軸支される第2軸部25(側壁部に対する第2部材の軸構成部)を備え、長辺側側壁部6に対して回動変位可能に連結されている。図6に示すように、第2軸受部24は、長辺側ベース壁部11の外側面に突設された形状のものが長辺側側壁部6の横幅方向において互いに所定距離を隔てて6箇所に設けられるとともに、枠状膨出部14の左右の側辺部のうち長辺側側壁部6の横幅方向中央部側の面に形成されたものが一対で設けられている。また、長辺側ベース壁部11の外側面に突設された第2軸受部24に対応して6箇所に設けられる第2軸部25は、第2部材23の上辺部の所定部位を切欠いて形成された軸設置領域において長辺側側壁部6の横幅方向に延在する略円柱状体により構成され、枠状膨出部14の左右の側辺部に形成された第2軸受部24に対応して設けられる第2軸部25は、第2部材23の側辺部から側方に突出する略円柱体により構成されている(図6図11等参照)。
【0032】
図4図6に示すように、第1部材22は、支持部21が第2形態にある場合に長辺側ベース壁部11の外側面に沿って上下方向に延在するとともに、正面視した場合に左右方向に長い略矩形状をなしている。第1部材22は、第2部材23と同じ横幅となっており、第1部材22の側辺部は、枠状膨出部14の左右の側辺部に近接配置されている。支持部21が第2形態にある場合の第2部材23の下部には連動軸部26が設けられ、支持部21が第2形態にある場合の第1部材22の上部には、連動軸部26に対して回動変位可能に連結される連動軸受部27が設けられている。これにより、第1部材22と第2部材23とが互いに回動変位可能に連結されている。尚、連動軸受部27は、第1部材22の上辺部の所定部位を切欠いて形成された軸受設置領域において当該軸受設置領域の下縁部から上方に突出するようにして設けられ、連動軸部26は、第2部材23の下辺部から下方に突出する左右一対の突出部間を連結するようにして長辺側側壁部6の横幅方向に延在する略円柱状体により構成されている。また、本実施形態では、連動軸部26及び連動軸受部27により、第1部材と第2部材とを連結する軸構成部が構成される。
【0033】
さらに、図6図8図11等に示すように、長辺側側壁部6には、各補助膨出部16のうち突出長が短い部位である上側部位の両側面において上下方向に延在する長孔が形成されることで構成された第1軸受部28が設けられている。これに対し、図6図7図11図12に示すように、第1部材22は、支持部21が第2形態にある場合の下部に設けられ、第1軸受部28に挿入される第1軸部29(側壁部に対する第1部材の軸構成部)を備え、長辺側側壁部6に対して回動変位、かつ、スライド変位が可能に連結されている(図9(d)、図10(d´)参照)。尚、第1軸部29は、第1部材22の下辺部のうち補助膨出部16に対応する部位を切欠いて形成された軸設置領域において当該軸設置領域の両側縁部からそれぞれ軸設置領域の中央部側に突出する左右一対の略円柱状体により構成されている(図6図7参照)。
【0034】
第2部材23は、図9に示すように、第2軸部25(図9(b)参照)から垂下する状態から、図10に示すように、第2部材23の下側部位が容器1の外方側に向けて30度程度回動変位可能となっている。第2部材23の下側部位が容器1の外方側に回動変位すると、連動軸部26から垂下する状態とされていた第1部材22の上側部位についても、第2部材23に対して回動変位しつつ容器1の外方側に変位する。さらに、第1部材22の下部は、第1軸部29が第1軸受部28に沿って回動しつつ上方に変位する。本実施形態では、第1部材22、及び、第2部材23が、長辺側側壁部6に沿って上下方向(略鉛直方向)に延在する状態が支持部21の第2形態に相当し、第2部材23の下部が容器1の外方側に30度程度回動変位し、かつ、第1部材22が容器1の内外方向(略水平方向)に延在する状態が支持部21の第1形態に相当する。
【0035】
また、支持部21は、第1形態とされた場合に第1部材22及び第2部材23のそれぞれの一部が長辺側側壁部6の外面よりも外方に突出する。その一方で、支持部21が第2形態とされた場合に、支持部21の全体が、長辺側側壁部6の厚みの範囲に収まるように構成されている。本実施形態では、第2形態とされた支持部21は、長辺側側壁部6の外面よりも若干容器1の内方側に位置するように構成されている。図3に示すように、容器1が折畳状態とされた場合においても、支持部21の全体が長辺側側壁部6の厚みの範囲に収まる状態が維持され、折畳状態にある容器1同士を積重ねた場合に、下側の容器1の第2形態とされた支持部21に対して上側の容器1が接触しない(上側の容器1が下側の容器1の長辺側側壁部6に当接しても下側の支持部21との間には隙間が形成される、又は、上側の容器1と下側の容器1の長辺側側壁部6との間にも隙間が形成される)ように構成されている。加えて、支持部21に対して長辺側側壁部6の横幅方向に力が作用した場合には、支持部21が第1形態及び第2形態のどちらにあっても、第1部材22、及び、第2部材23の側辺部が、(第2軸部25の周辺部や第1軸部29の周辺部が、第2軸受部24や第1軸受部28と当接する前に、或いは、同時に)枠状膨出部14の左右の側辺部に当接し、長辺側側壁部6に対する支持部21の左右方向への相対変位が規制されるようになっている。
【0036】
図10に示すように、第2部材23は、支持部21が第1形態とされた場合に、第2軸部25とは異なる部位において長辺側側壁部6と当接可能な第2当接部31を備えている。本実施形態では、第2部材23のうち断面略円弧状に構成された上面が第2当接部31を構成し、支持部21が第1形態とされた場合に、枠状膨出部14の上辺部の下面、及び、当該枠状膨出部14の上辺部の下面に連接する長辺側ベース壁部11に略当接する(少なくとも支持部21がフォークリフトのフォーク等に載置された状態で当接する)ようになっている。これにより、第2部材23の上端部の上方、及び、容器1の内方側への変位が規制される。
【0037】
また、図10(b´)に示すように、第1部材22についても、支持部21が第1形態とされた場合に、第1軸部29とは異なる部位において長辺側側壁部6と当接可能な第1当接部32を備えている。より具体的に、図6図9(b)、図10(b´)等に示すように、長辺側側壁部6には、各第2軸受部24の各下方位置において、長辺側ベース壁部11から容器1の外方側に(補助膨出部16のうち突出長が短い部位である上側部位と同程度に)突出する回動制限突部33が設けられている。さらに、回動制限突部33の下面のうち容器1の外方側の部位から下方に突出する離間制限突部34が設けられている。本実施形態では、第2形態にある第1部材22の下辺部に沿って設けられるリブにより第1当接部32が構成され、支持部21が第1形態とされた場合に、第1当接部32が回動制限突部33の下面に略当接する(少なくとも支持部21がフォークリフトのフォーク等に載置された状態で当接する)とともに、第1当接部32が離間制限突部34のうち容器1の内方側の面に略当接する。これにより、支持部21が第1形態にある場合の第1部材22(特に、第1軸部29が設けられた側の部位)の上方、及び、容器1の外方側への変位が規制される。尚、第2部材23には、支持部21が第2形態にある場合に、各回動制限突部33(及び離間制限突部34)を収容する突部収容部が形成されており、第2形態とされる支持部21と回動制限突部33とが干渉しないように構成されている。
【0038】
さらに、図9(c)、図10(c´)に示すように、第1部材22には、支持部21が第1形態とされた場合に上方に開口する断面略V字穴状の被補助当接部35が設けられ、第2部材23には、支持部21が第1形態とされた場合に被補助当接部35に挿入されて係合する断面略三角形状の補助当接部36が設けられている。つまり、補助当接部36及び被補助当接部35において第1部材22及び第2部材23が(連動軸部26とは異なる部位において)上下に当接するとともに、容器1の内外方向における第1部材22に対する第2部材23の相対変位が規制される(結果として、第2部材23の上方への回動変位が規制される)ようになっている。
【0039】
図6図9(e)、図10(e´)に示すように、長辺側側壁部6は、長辺側側壁部6の横幅方向中央部、かつ、上下方向において回動制限突部33よりも若干下方位置において、長辺側ベース壁部11から容器1の外方側に(補助膨出部16のうち突出長が短い部位である上側部位よりも小さく)突出する側壁側維持部41を備えている。側壁側維持部41の上面は略水平方向に延在し、側壁側維持部41の下面は、容器1の外方側に向けて上方傾斜している。
【0040】
これに対し、第1部材22の横幅方向中央部には、支持部21が第2形態にある場合の上下方向において相対変位可能に構成された可動部材42が取着されている。可動部材42は、支持部21が第2形態にある場合の正面視略矩形状をなす可動部材本体43と、可動部材本体43の下面のうち可動部材42の横幅方向中央部を含む部位から下方に突出する可動部材突部44と、可動部材42を下方に付勢する付勢手段45(左右一対の板バネ形状部)とを備えている。可動部材本体43の外面側は凹状の操作部46として構成されている。また、可動部材42は、第1部材22の厚みの範囲に収まるように構成されている。さらに、第1部材22のうち可動部材突部44に対応する部位には、第1部材22の下辺部に沿って設けられるリブ及びそれに連接する部位を含んで切欠かれることで形成された切欠き部47が設けられ、可動部材42は、可動部材突部44を含む部位が切欠き部47を閉塞する閉塞位置と、切欠き部47を開放する開放位置とに変位可能に構成されている。加えて、図4図5等に示すように、第2部材23のうち支持部21が第2形態にある場合の可動部材42の上方に位置する部位には、第2部材23の厚み方向に貫通し、下方に開口して、第1部材22の上辺部との間に作業者の指先を挿入可能とする隙間を形成する操作開口部48が設けられている。
【0041】
図9(e)等に示されるような第2形態の支持部21に対し、操作開口部48を介して第1部材22の上辺部や内面側に指先を掛けるとともに、可動部材42の操作部46にも指先を掛けて、支持部21を容器1の外方側に引っ張ることで、図8に示すように、第1部材22及び第2部材23が回動変位する、すなわち、支持部21が第1形態とされる側に変位する。支持部21がある程度第1形態とされる側に変位することで、(作業者が操作部46を操作して可動部材42を開放位置としていなければ)可動部材42が側壁側維持部41の下面と圧接する。側壁側維持部41の下面は傾斜している(可動部材42のうち側壁側維持部41の下面に当接する部位もR形状とされている)ことから、可動部材42は側壁側維持部41の下面に案内される格好で、付勢手段45の付勢力に抗して容器1の外方側に変位する。その後、可動部材42が側壁側維持部41を乗り越えて上方に位置する、換言すれば、側壁側維持部41が切欠き部47を介して相対的に可動部材42の下方に位置すると(作業者が可動部材42を開放位置側に操作していた場合には作業者が可動部材42から手を離すと)、図10(e´)に示すように、可動部材42が付勢手段45の付勢力により閉塞位置へと変位し、可動部材42のうち可動部材突部44の下面を含む部位が、側壁側維持部41の上面に係止される。これにより、第1部材22の下方への変位が規制され、支持部21の第1形態が維持される。本実施形態では、可動部材42(可動部材42のうち可動部材突部44及びそれに連接する部位)が支持部側維持部に相当し、当該支持部側維持部に相当する部位と、側壁側維持部41とにより、維持手段が構成される。尚、第1部材22には、支持部21が第2形態にある場合に、側壁側維持部41を収容する維持部収容部が形成されており、第2形態とされる支持部21と側壁側維持部41とが干渉しないように構成されている。
【0042】
また、第1形態にある支持部21を第2形態とする際には、可動部材42の操作部46を操作して可動部材42を容器1の外方側に相対変位させる(開放位置とする)ことで、可動部材42と側壁側維持部41との係止状態が解消され、支持部21を第2形態とされる側へ変位させることが可能となる。尚、第1形態と第2形態との間を形態変化する支持部21がどの姿勢にあっても、第1軸部29が第1軸受部28に係止された状態とされ、支持部21が第2形態にある場合には、第1軸部29及び第1軸受部28により支持部21の第1形態とされる側(容器1の外方側)への変位が規制されている。本実施形態では、第1軸部29及び第1軸受部28により規制手段が構成される。
【0043】
以上詳述したように、第1実施形態によれば、各長辺側側壁部6の外面側に設けられた支持部21は、長辺側側壁部6の外面よりも容器1の外方側に突出する第1形態と、長辺側側壁部6の厚みの範囲に収まる第2形態とに形態変化可能に構成され、フォークリフトのフォークに対し、第1形態とされた支持部21が載置されることで、容器1が当該フォークに支持される。つまり、支持部21を第1形態としてフォークに載置するだけで、容器1をフォークに支持させることができ、物品を収容した容器1を比較的容易に運搬等することができる。また、支持部21を第2形態とすることで、支持部21が、当該容器1に隣接する別体に干渉するといった事態を防止することができる。さらに、容器1同士を折畳状態として積重ねて保管等する場合に、支持部21が上側の容器1と干渉するといった事態を確実に回避することができる。従って、支持部21と別体との接触に起因する支持部21及び別体の損傷等の発生を抑止するとともに、容器1を所定のスペースに効率的に設置することができ、特に、複数の容器1をまとめて運搬及び保管する際等の効率及び利便性の向上等を図ることができる。
【0044】
また、支持部21は、第1形態とされた場合にフォークに面で当接して支持可能とされる第1部材22と、フォークに支持された第1部材22のうち、フォークに支持された部位の反対側の部位、及び、フォークに支持された部位よりも第1部材22の長辺側側壁部6からの突出方向先端側の部位のうち少なくとも一方を含む範囲を支持し、フォークに支持された第1部材22の上方への変位を規制する第2部材23とを備えている。すなわち、第1部材22がフォークに対して面で当接可能に構成されているため、フォークによって容器1をより安定して支持することができる。また、第2部材23により、フォークに載置された第1部材22の変位や変形等を抑止することができ、容器1がフォークに支持された状態のより一層の安定化を図ることができる。
【0045】
さらに、第1形態とされた支持部21の第1部材22が長辺側側壁部6の外面よりも外方に突出することで、第1部材22をフォークに載置する作業を行い易くすることができる上、支持部21(第1部材22)がフォークに支持された状態の安定化等を図ることができる。また、第1形態とされた支持部21の第2部材23が長辺側側壁部6の外面よりも外方に突出することで、フォークに支持された第1部材22の変位や変形等をより効果的に抑止するとともに、第1形態とされた支持部21の第1部材22の突出方向先端側の部位を第2部材23で極力補強することができる。
【0046】
また、第2部材23は、支持部21が第1形態とされた場合に、第2軸部25とは異なる部位において長辺側側壁部6(枠状膨出部14の上辺部の下面、及び、当該枠状膨出部14の上辺部の下面に連接する長辺側ベース壁部11)と当接可能な第2当接部31を備えている。さらに、第1部材22についても、支持部21が第1形態とされた場合に、第1軸部29とは異なる部位において長辺側側壁部6(回動制限突部33の下面)と当接可能な第1当接部32を備えている。当該構成により、フォークに支持部21が載置された状態とされた場合に、第1部材22及び第2部材23の第1軸部29及び第2軸部25に作用する負荷を第1当接部32及び第2当接部31にも分担させる、又は、基本的に第1当接部32及び第2当接部31のみで受けるようにすることができる。従って、第1軸部29及び第2軸部25の損傷等を防止することができる。
【0047】
加えて、第1部材22と第2部材23とは互いに回動変位可能に連結されており、第2部材23は、支持部21が第1形態とされた場合に、第1部材22と第2部材23とを連結する連動軸部26(連動軸受部27)とは異なる部位において第1部材22の被補助当接部35と当接可能な補助当接部36を備えている。このため、フォークに支持部21が支持された状態とされた場合に、第1部材22と第2部材23とを連結する連動軸部26に作用する負荷を補助当接部36にも分担させる、又は、基本的に補助当接部36のみで受けるようにすることができ、連動軸部26の損傷等を防止することができる。さらに、支持部21が第1形態とされた場合に、補助当接部36と被補助当接部35とが係合し、当該係合により第2部材23の容器1の外方側の変位、ひいては、上方への回動変位が規制されるようになっている。このため、支持部21がフォークに支持された状態の安定化をより一層図ることができる。
【0048】
また、第1形態とされた支持部21の可動部材42が閉塞位置とされることで、当該可動部材42が側壁側維持部41の上面と略当接し(係止状態とされ)、第1形態にある支持部21の第2形態とされる側への変位が規制されるように構成されている。このため、第1形態とされた支持部21がフォークに載置されていない状態でも(作業者が支持部21を第1形態で支持していなくても)支持部21が第1形態を維持することができ、フォークにより支持部21を載置して容器1を運搬したり設置したりする(運搬と設置とを繰り返す)際の作業性の向上等を図ることができる。
【0049】
さらに、第2形態とされた支持部21の第1部材22の第1軸部29は、第1軸受部28の容器1の内方側に位置しており、第1部材22の容器1の外方側への変位、ひいては、第2形態にある支持部21の第1形態とされる側への変位が規制されるようになっている。このため、所定のスペースに容器1を設置して容器1を保管・運搬する場合に、第2形態とされた支持部21が不用意に第1形態とされ、支持部21が損傷し易くなってしまう等といった事態を回避することができる。また、長辺側側壁部6を姿勢変化させる際に、第2形態とされていた支持部21が不用意に第1形態とされる側に変位する(ばたつく、又は、第1形態に変化してしまう)といった事態を防止することができ、容器1を状態変化させる際の作業性の向上等を図ることができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の容器51について図13図23を参照して説明する。尚、容器51の基本構成については、上記第1実施形態の容器1と同様であるため、その説明を省略する。
【0051】
図13図16に示すように、第2実施形態の容器51の支持部61についても、長辺側側壁部52の外面から容器51の外方側に突出する第1形態と、長辺側側壁部52の厚みの範囲に収まる第2形態とに形態変化可能に構成されている。より具体的に、支持部61は、支持部61が第2形態にある場合の上部が長辺側側壁部52に対して回動変位可能に連結された第1部材62と、第1部材62よりも上方において上部が長辺側側壁部52に対して回動変位及び上下方向におけるスライド変位可能に連結された第2部材63とを備えている。支持部61が第2形態にある場合には、第1部材62及び第2部材63が長辺側側壁部52に沿って上下方向に延在している。
【0052】
第1部材62は、支持部61が第2形態にある場合に、正面視で左右方向に長い略矩形状をなしている。第2部材63は、横幅が比較的短く(補助膨出部53の横幅よりも若干短く)、支持部61が第2形態にある場合に、正面視で上下方向に長い略矩形状をなしており、長辺側側壁部52の横幅方向において互いに距離を隔てて4箇所に設けられている。また、支持部61が第2形態にある場合の第2部材63の上下幅は、支持部61が第2形態にある場合の第1部材62の上下幅よりも長く構成され、支持部61が第2形態にある場合には、容器51の内外方向(長辺側側壁部52の厚み方向)において第1部材62の一部と第2部材63の一部とが重なるようになっている。さらに、第1部材62の下部と、各第2部材63の下部とが回動変位可能に連結されている。これにより、第1部材62と第2部材63とが連動して回動変位等するように構成されている。また、支持部61が第1形態とされた場合には、第1部材62が略水平方向に延在し、第2部材63が下方に向けて容器51の外方側に傾斜して延在することとなる。そして、各長辺側側壁部52の支持部61を第1形態として、図示しないフォークリフトの一対のフォーク(支持手段)にそれぞれ載置した状態とすることで、第1部材62の下面側がフォークと面で当接し、容器51が当該フォークに支持されるようになっている。また、第1形態の支持部61がフォークに載置された場合に、第2部材63は、フォークに支持された第1部材62のうち、フォークに支持された部位の反対側(上面側)の部位、及び、フォークに支持された部位よりも第1部材62の長辺側側壁部52からの突出方向先端側の部位(上面側)の少なくとも一方を含む範囲を支持し、フォークに支持された第1部材62の上方への変位を規制する。
【0053】
尚、図17に示すように、本実施形態の補助膨出部53は、第1部材62に対応する部位において長辺側ベース壁部54からの突出長が短く構成されており、補助膨出部53のうち枠状膨出部55の上辺部と連結される上部の外側面は、枠状膨出部55の外側面と面一とされている。以下、補助膨出部53のうち、突出長が短くされた部位の上方に連接する面を段差面65と称する。また、長辺側側壁部52には、長辺側側壁部52の横幅方向において段差面65と連続して延在する仕切りリブ66が設けられている(仕切りリブ66の突出長は、補助膨出部53のうち突出長が短くされた部位と同じ)。
【0054】
また、図17等に示すように、長辺側側壁部52には、仕切りリブ66の下面に隣接して第1軸受部68が設けられている。これに対し、第1部材62は、支持部61が第2形態にある場合の上部に設けられ、第1軸受部68に軸支される第1軸部69(側壁部に対する第1部材の軸構成部)を備え、長辺側側壁部52に対して回動変位可能に連結されている。第1軸受部68は、長辺側ベース壁部54の外側面に突設された形状のものが長辺側側壁部52の横幅方向において互いに所定距離を隔てて6箇所に設けられるとともに、枠状膨出部55の左右の側辺部のうち長辺側側壁部52の横幅方向中央部側の面に形成されたものが一対で設けられている。また、長辺側ベース壁部54の外側面に突設された第1軸受部68に対応して6箇所に設けられる第1軸部69は、第1部材62の上辺部の所定部位を切欠いて形成された軸設置領域において長辺側側壁部52の横幅方向に延在する略円柱状体により構成され、枠状膨出部55の左右の側辺部に形成された第1軸受部68に対応して設けられる第1軸部69は、第1部材62の側辺部から側方に突出する略円柱体により構成されている(図17図22等参照)。
【0055】
また、図15図17に示すように、仕切りリブ66と枠状膨出部55の上辺部との間には、支持部61が第2形態とされた場合に、各第2部材63の上部を収容可能な上部収容部70が設けられている。図17図19図22図23等に示すように、各上部収容部70の両側部を構成するリブには上下方向に延在する長孔が形成されることにより構成された第2軸受部71が設けられている。当該第2軸受部71に対し第2部材63の上部に設けられた第2軸部72(側壁部に対する第2部材の軸構成部)が挿入されることで、第2部材63が長辺側側壁部52に対して回動変位可能かつスライド変位可能に連結されている。
【0056】
さらに、図15図17に示すように、第1部材62には、支持部61が第2形態とされた状態における外面側において、各第2部材63の下部を収容可能な下部収容部73が設けられている。各下部収容部73の両側部を構成するリブには略円形状の孔部により構成された連動軸受部74が設けられている。当該連動軸受部74に対し第2部材63の下部に設けられた連動軸部75が挿入されることで、第1部材62と第2部材63とが回動変位可能に連結されている。尚、本実施形態では、連動軸部75及び連動軸受部74により第1部材と第2部材とを連結する軸構成部が構成される。
【0057】
図17図19等に示すように、長辺側側壁部52は、長辺側側壁部52の横幅方向中央部において、仕切りリブ66の下面に対して所定距離を隔てて対向するようにして、長辺側ベース壁部54から容器51の外方側に突出する係止リブ77と、係止リブ77と仕切りリブ66との間を連結する係止補強リブ78とを備えている。係止リブ77は、突出方向先端部から下方に突出する側壁側規制部79を備えている。側壁側規制部79は下方に向けて先細る断面略三角形状をなし、容器51の内方側の面が下方に向けて容器51の外方側に傾斜し、容器51の外方側の面が下方に向けて容器51の内方側に傾斜している。さらに、係止リブ77は、側壁側規制部79の上方位置において略水平方向に延在する側壁側維持部80を備えている。
【0058】
これに対し、図16図19に示すように、第1部材62の横幅方向中央部には、支持部61が第2形態にある場合の上下方向において第1部材62に対して相対変位可能に構成される可動部材82が取着されている。可動部材82は、可動部材本体83と、可動部材本体83の上面から上方に突出する可動部材突部84とを備えている。第1部材62は、可動部材82を上方に付勢する付勢手段85(左右一対の板バネ形状部)を備えている(図18参照)。可動部材本体83には、支持部61が第2形態にある場合の外面側において容器51の外方側に露出し、凹状をなす操作部86が設けられている。また、可動部材82は、第1部材62の厚みの範囲に収まるように構成されている。さらに、第1部材62のうち、長辺側側壁部52の係止リブ77、及び、係止補強リブ78に対応する部位には、第1部材62の上辺部等が切欠かれることで形成された切欠き部87が設けられ、可動部材82は、可動部材突部84が切欠き部87の内周側に突出する機能位置と、可動部材突部84が切欠き部87の開口縁の外周側に退避する退避位置とに変位可能に構成されている。加えて、第1部材62には、支持部61が第2形態にある場合の下辺部のうち長辺側側壁部52の横幅方向中央部を含む範囲(可動部材82の下方の範囲)の容器51の外方側の部位から下方に突出する操作突部88が設けられている。
【0059】
図20に示すように、支持部61が第2形態にある場合には、第1部材62が第1軸部69(図20(h)参照)から垂下し、可動部材82(図20(j)参照)が係止リブ77の下方に位置する。また、可動部材82は、付勢手段85により上方に付勢されて、可動部材突部84が切欠き部87の内周側に突出する機能位置とされており、容器51の内外方向において側壁側規制部79の容器51の内方側の面と、可動部材突部84とが対向して当接、又は、近接するようになっている。これにより、第1部材62の容器51の外方側への回動変位、ひいては、第2形態にある支持部61の第1形態とされる側への変位が規制されている。本実施形態では、可動部材82(可動部材突部84)及び側壁側規制部79により規制手段が構成される。
【0060】
図16図20(j)に記載されているような第2形態にある支持部61に対し、可動部材82の操作部86、及び、操作突部88に指先を掛けて、支持部61(第1部材62)を容器51の外方側に引っ張ることで、図19に示すように、第1部材62の下側が容器51の外方側に回動変位する。このとき、(作業者が可動部材82を操作して退避位置としていなければ)可動部材82の可動部材突部84が、係止リブ77の側壁側規制部79に圧接する。但し、側壁側規制部79の容器51の内方側の面は上記の通り傾斜している上、可動部材突部84の側壁側規制部79との当接部位も容器51の外方側に下方傾斜していることから、可動部材82は側壁側規制部79に案内される格好で付勢手段85の付勢力に抗して下方に変位させられる。これにより、第1部材62の回動変位が許容される。また、第1部材62の下側を容器51の外方側に回動させることに伴って、第2部材63の下部が第1部材62に対して回動変位しつつ容器51の外方側に変位し、第2部材63の上部が長辺側側壁部52に対して回動しつつ上方にスライド変位する。
【0061】
図21に示すように、第1部材62が略水平方向に延在して支持部61が第1形態とされることで、図21(j´)に示すように、可動部材82の可動部材突部84が側壁側維持部80の上面に略当接して係止されることとなる。すなわち、側壁側維持部80は係止リブ77において側壁側規制部79の反対面(上面)側に設けられており、側壁側規制部79の容器51の外方側の面は、容器51の外方側に向けて上方に傾斜するとともに、側壁側維持部80と連接していることから、基本的に、第1部材62を回動変位させる操作を行うだけで、可動部材突部84は、側壁側規制部79により、側壁側維持部80まで案内される。そして、可動部材突部84が係止リブ77の先端部を乗り越えて係止リブ77の上方に位置すると、可動部材82が付勢手段85の付勢力により機能位置へと変位し、可動部材突部84が、側壁側維持部80の上面に係止される。これにより、第1部材62の下方への変位が規制され、支持部61の第1形態が維持される。本実施形態では、可動部材82(可動部材突部84)が支持部側維持部に相当し、可動部材82(可動部材突部84)及び側壁側維持部80により、維持手段が構成される。
【0062】
また、第1形態にある支持部61を第2形態とする際には、可動部材82の操作部86を操作して可動部材82を容器51の外方側に相対変位させる(退避位置へ変位させる)ことで、可動部材82と側壁側維持部80との係止状態が解消され、支持部61を第2形態側へ変位させることが可能となる。
【0063】
図21(g´)に示すように、第2部材63は、支持部61が第1形態とされた場合に、第2軸部72(図17参照)とは異なる部位において長辺側側壁部52と当接可能な第2当接部90を備えている。本実施形態では、第2部材63のうち断面略円弧状に構成された上面が第2当接部90を構成し、支持部61が第1形態とされた場合に、枠状膨出部55の上辺部の下面、及び、当該枠状膨出部55の上辺部の下面に連接する長辺側ベース壁部54に略当接する(少なくとも支持部61がフォークに載置された場合に当接する)ようになっている。これにより、第2部材63の上端部の上方、及び、容器51の内方側への変位が規制される。
【0064】
図21(f´)、図21(i´)に示すように、第1部材62についても、支持部61が第1形態とされた場合に、第1軸部69(図17参照)とは異なる部位において長辺側側壁部52と当接可能な第1当接部91を備えている。本実施形態では、長辺側側壁部52の横幅方向において、第2部材63に対応する部位(下部収容部73)、第1軸受部68に対応する部位(第1軸部69)、及び、係止リブ77に対応する部位以外の範囲に関し、支持部61が第1形態とされた場合に、仕切りリブ66の下面、及び、段差面65と、第1部材62とが略当接する(少なくとも支持部61がフォークに載置された場合に当接する)ように構成されており、当該第1部材62の仕切りリブ66及び段差面65と当接し得る部位が第1当接部91を構成している。これにより、第1部材62(特に、第1軸部69側の部位)の上方への変位が規制される。さらに、図21(f´)に示すように、支持部61が第1形態とされた場合に、第1部材62のうち容器51の内方側に位置する端部が長辺側ベース壁部54に略当接するように構成されており、第1部材62の容器51の内方側への変位が規制されるようになっている。
【0065】
加えて、図21(g´)に示すように、支持部61が第1形態とされた場合に、第2部材63のR形状とされた下端部(補助当接部)が、第1部材62の下部収容部73の内側の面のうち下側に位置する面及び容器51の外方側に位置する面(被補助当接部)に略当接する(少なくとも支持部61がフォークに載置された場合に当接する)ように構成されている。当該構成により、第1部材62の上方への変位が第2部材63の下端部により規制される上、第1部材62に対する第2部材63の容器51の外方側への相対変位、ひいては、第2部材63の上方への回動変位が規制されるようになっている。
【0066】
以上詳述したように、第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様に、長辺側側壁部52の外面から容器51の外方側に突出する第1形態と、長辺側側壁部52の厚みの範囲に収まる第2形態とに形態変化可能な支持部61を備えている。このため、支持部61をフォークリフトのフォーク等に支持させて容器51を比較的容易に運搬可能な構成を採用しつつ、支持部61を使用しない場合には第2形態とすることで、支持部61と別体との接触に起因する支持部61及び別体の損傷等の発生を抑止するとともに、容器51を所定のスペースに効率的に設置することができるといった作用効果が奏される。
【0067】
さらに、支持部61が第1形態にある場合には、可動部材突部84が側壁側維持部80の上面に係止されることにより、第1部材62の下方への変位が規制される。このため、第1形態とされた支持部61がフォーク等に支持されていない状態でも(作業者が支持部61を支持していなくても)支持部61が第1形態を維持することができ、フォーク等により支持部61を支持して容器51を運搬したり設置したりする際の作業性の向上等を図ることができる。特に、第1形態にある支持部61がフォーク等に支持された状態が解消されると第2形態とされるような構成に比べ、支持部61をフォーク等に支持させる際に逐一第1形態に形態変化させ直すといった手間を回避することができ、フォーク等により支持部61を支持して容器51を運搬したり設置したりする作業を複数回行う場合に、より一層の作業性の向上等を図ることができる。
【0068】
加えて、支持部61が第1形態にある場合に、第1部材62が長辺側側壁部52(仕切りリブ66及び段差面65)に対して第1軸部69とは別の第1当接部91(第1部材62のうち上方を向いている面の一部)で略当接し、第2部材63が長辺側側壁部52(枠状膨出部55の上辺部の下面)に対して第2軸部72とは別の第2当接部90(第2部材63の上端部)で略当接するように構成されている。このため、フォークに支持部61が支持された状態とされた場合に、第1部材62及び第2部材63の第1軸部69及び第2軸部72に作用する負荷を第1当接部91及び第2当接部90にも分担させる、又は、基本的に当接部のみで受けるようにすることができる。従って、第1軸部69及び第2軸部72の損傷等を防止することができる。
【0069】
尚、支持部61が第1形態にある場合に、第2部材63の下端部と、第1部材62の下部収容部73の内側面とが当接するように構成されている。このため、フォークに支持部61が支持された状態とされた場合に、第1部材62と第2部材63とを連結する連動軸部75(及び連動軸受部74)に作用する負荷を第2部材63の下端部(及び第1部材62の下部収容部73の内側面)にも分担させる、又は、基本的に第2部材63の下端部(及び第1部材62の下部収容部73の内側面)のみで受けるようにすることができ、連動軸部75等の損傷等を防止することができる。さらに、支持部61が第1形態にある場合に、第2部材63の下端部が第1部材62の下部収容部73の内側面に係合される(下部収容部73の下側面と容器51の外方側の面とに略当接する)ような格好とされ、第2部材63の上方への回動変位が規制されるようになっている。このため、支持部61がフォークに支持された状態の安定化をより一層図ることができる。
【0070】
さらに、支持部61が第2形態にある場合に可動部材82の可動部材突部84が長辺側側壁部52の(係止リブ77の)側壁側規制部79と略当接して支持部61の第1形態とされる側への変位を規制している。このため、所定のスペースに容器51を設置して容器51を保管・運搬する場合に、第2形態とされた支持部61が不用意に第1形態とされ、支持部61が損傷し易くなってしまう等といった事態を回避することができる。
【0071】
また、本実施形態では、支持部61が第1形態にある場合に可動部材82の可動部材突部84が長辺側側壁部52の(係止リブ77の)側壁側維持部80の上面と略当接して支持部61の第1形態を維持可能とし、支持部61が第2形態にある場合に可動部材82の可動部材突部84が長辺側側壁部52の(係止リブ77の)側壁側規制部79と略当接して支持部61の第2形態を維持可能としている。つまり、可動部材82が、支持部61の第1形態及び第2形態を維持する支持部61側の構成として共通化されている。このため、部材点数の削減を図ることができ、組立作業性の向上、生産性の向上等を図ることができる。
【0072】
また、支持部61が第1形態にある場合に操作部86を操作して可動部材82を第1軸部69から離間する側に変位させることで可動部材突部84と側壁側維持部80との係止状態が解消され、支持部61が第2形態にある場合に操作部86を操作して可動部材82を第1軸部69から離間する側に変位させることで可動部材突部84と側壁側規制部79との係止状態が解消される。つまり、支持部61を第1形態と第2形態とに形態変化させる際に、可動部材82に対する操作方法が共通のため、作業者が操作方法を理解し易く、作業性の向上等を図ることができる。
【0073】
尚、第2実施形態では、第1実施形態に比べ、第2部材63の軽量化が図られる。その一方で、第1実施形態では、第2実施形態に比べ、支持部21(第2部材23)の部品点数の低減が図られ、生産性の向上等が図られる。
【0074】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0075】
(a)上記実施形態では、折畳姿勢とされた一対の短辺側側壁部7は、互いに重なることなく同じ高さに配置されるように構成されているが、一方が他方の上側に重なるように構成してもよい(長辺側側壁部6も同様)。さらに、容器1の折畳状態において、折畳姿勢とされた一対の長辺側側壁部6の上側に一対の短辺側側壁部7が重なるようにして折畳姿勢とされる構成としてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、折畳可能な容器1に具体化されているが、折畳不可能な(全体が一体的に形成された)容器に具体化することも可能である。さらに、一対の長辺側側壁部6、及び、一対の短辺側側壁部7のうち少なくとも一方が底壁構成部2に対して着脱自在に構成された容器に具体化することも可能である。加えて、平面視略矩形状の底壁構成部と、底壁構成部の各側辺部からそれぞれ上方に延出する側壁部と、側壁部の上辺部に沿って設けられた四角枠状の上枠とを備え、側壁部は、下辺部側が底壁構成部の側辺部に対して回動可能に連結される下壁部と、上辺部側が上枠に対して回動可能に連結されるとともに、下辺部側が前記下壁部の上辺部側に対して回動可能に連結される上壁部とを具備する相対する一対の第1側壁部と、上辺部側が上枠に対して回動可能に連結される相対する一対の第2側壁部とを備え、箱型に組立てられた組立状態から、第2側壁部を内側に回動変位させるとともに、下壁部の外面と上壁部の外面とを合わせるようにして第1側壁部を内側に折畳むことで、第1側壁部及び第2側壁部が底壁構成部の上方に折畳まれた折畳状態とすることのできる容器に具体化することも可能である(支持部21は、第1側壁部の上壁部、及び、下壁部、並びに、第2側壁部のうちいずれかに設けられる)。
【0077】
加えて、上記実施形態では、容器1(容器51)は、ポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。
【0078】
(b)上記実施形態では、一対の長辺側側壁部6に設けられた支持部21のそれぞれが第1形態と第2形態とに形態変化可能に構成されているが、一方の支持部は、形態変化不可能な構成(フォークリフトのフォーク等の支持手段に支持され得る形態で維持される)とすることも可能である。また、上記実施形態では、支持部21が第1部材22と、第1部材22とは別体の第2部材23とを備えているが、例えば、略円柱状の軸部と、支持部の第2形態において軸部から下方に延在する長辺部と、支持部の第2形態において軸部から長辺側側壁部6の厚みの範囲内で容器1の外方側に延在する短辺部とを一体的に備え、支持部の第2形態から長辺部の下側を容器1の外方側に90度程度回動させることで、長辺部の下面側がフォークに載置可能となり、短辺部のうち容器1の内方側の面が長辺側ベース壁部11に略当接する第1形態へと支持部が形態変化するような構成としてもよい(長辺部の先端部と短辺部の先端部とを連結する補助壁部を設けてもよいし、第1形態を維持する維持手段や第2形態を維持する規制手段を設けてもよい)。さらに、支持部21を(可動部材42とは別に)3つ以上の部材により構成することも可能である。
【0079】
尚、支持部21が支持される支持手段として、フォークリフトのフォーク以外にも、ハンドリフトのフォークや、一対の直線状のレールによって支持部21において容器1を支持するような棚や搬送手段等が挙げられる。その他に、ロボットアームや自動機等によって、例えば、床面や製造ライン等の設置面に設置されている容器1や、容器1同士が積重ねられた状態の所定の容器1を、支持部21において支持して持ち上げる構成としてもよい。ここで、「支持部21(第1部材22)が支持手段に支持される状態」とは、「容器1の荷重が支持部21において支持手段に付加される状態」を意図しており、支持手段により容器1が持ち上げられる場合には、容器1が支持部21において支持手段から上方を含む方向への力を加えられる(この状態も前記支持される状態に含まれる)こととなる。加えて、支持部21が支持手段に吊られて支持される構成や、支持部21が支持手段と連結部材によって連結されて支持される構成としてもよい。
【0080】
また、例えば、支持部21の第1形態において第1部材22のうちフォークに支持される部位よりも第1部材22の長辺側側壁部6からの突出方向基端部側の部位(例えば、長辺側側壁部6の厚みの範囲に収まっている部位)を第2部材23が支持可能とするような構成としてもよい。さらに、第2形態とされた支持部21の一部、又は、全部が長辺側側壁部6の外面よりも容器1の外方側に突出するような構成としてもよい。尚、第2形態にある支持部21が長辺側側壁部6の外面よりも外方に突出する構成であっても、例えば、容器1を折畳状態として積重ねる場合に、下側の容器1の第2形態にある支持部21と、上側の容器1(底壁構成部2)との間に隙間が形成されるように構成することで、支持部21等の損傷を防止することができる。また、支持部21が第2形態とされた場合に、支持部21のうち最も容器1の外方側に位置する部位が、長辺側側壁部6の外面と同一平面上に位置する構成としてもよい。
【0081】
(c)上記実施形態において、支持部の第1部材及び第2部材が長辺側側壁部6に対して回動変位可能のみ可能(スライド変位不可能)としてもよい。さらに、第1部材22と第2部材23とが互いに回動変位可能に連結されていなくてもよい。例えば、第1部材及び第2部材が長辺側側壁部6に沿って上下方向に延在する支持部の第2形態から、下側に位置する第1部材を略水平方向に延在する姿勢とし、上側に位置する第2部材を第1部材の先端部に当接可能となるまで傾けた姿勢とし、第1部材の先端部と第2部材の先端部とを連結して第1形態とするような構成(例えば、第2部材の先端部にフック形状部を設けて第1部材の先端部に引っ掛けると第1部材のうち上方を向く面に対して第2部材の先端部が上下に略当接する)としてもよい。
【0082】
上記実施形態において、支持部の第2部材を第1部材の下方に配置するように構成してもよい。例えば、支持部が第2形態にある場合に、第1部材が上下に延在するとともに第1部材の上部が長辺側側壁部6に回動変位可能に連結され、第1部材の下部が第2部材の上部と回動変位可能に連結され、第2部材の下部が長辺側側壁部6に対して回動変位かつスライド変位が可能に連結され、支持部が第1形態とされた場合に、第1部材が略水平方向に延び、当該第1部材と、第2部材と、長辺側側壁部6の外面との間にフォークを挿入して第1部材の下面側を支持させることの可能な開口部が形成されるように構成してもよい。尚、当該態様例において支持部が第2形態にある場合に第2部材が長辺側側壁部6と連結されておらず、支持部が第1形態とされる場合に、作業者が宙吊り状態にある第2部材を維持手段によって長辺側側壁部6に連結(固定)するような構成としてもよい(上記第2実施形態の第1部材62の下端部が長辺側側壁部52と連結されておらず、支持部61が第1形態とされる場合に作業者が第1部材62の下端部を長辺側側壁部52に連結する構成とすることも可能)。
【符号の説明】
【0083】
1…容器、2…底壁構成部、6…長辺側側壁部、7…短辺側側壁部、21…支持部、22…第1部材、23…第2部材、24…第2軸受部、25…第2軸部、28…第1軸受部、29…第1軸部、31…第2当接部、32…第1当接部、33…回動制限突部、41…側壁側維持部、42…可動部材、46…操作部、51…容器、52…長辺側側壁部、61…支持部、62…第1部材、63…第2部材、69…第1軸部、72…第2軸部、77…係止リブ、79…側壁側規制部、80…側壁側維持部、82…可動部材、90…第2当接部、91…第1当接部。
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11
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