(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142851
(43)【公開日】2023-10-05
(54)【発明の名称】空気調和装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/52 20180101AFI20230928BHJP
F24F 11/58 20180101ALI20230928BHJP
F24F 11/64 20180101ALI20230928BHJP
【FI】
F24F11/52
F24F11/58
F24F11/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022049971
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 怜平
(72)【発明者】
【氏名】光森 真介
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA61
3L260GA02
3L260GA20
3L260GA22
3L260JA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】設定情報や操作情報などの情報を遠隔操作装置から容易に取得可能であって、取得した情報をその後の操作の参考にさせ易い空気調和装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】空気調和装置は、多数の設定データを含む個別初期設定情報を記憶する第一記憶部8と、個別初期設定情報の多数の設定データから置き換えられる少なくとも一つの設定データを含む変更済設定情報を記憶する第二記憶部9と、済設定情報を含む二次元コードを生成するコード生成部24と、二次元コードを表示する表示部25と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の設定データを含む初期設定情報を記憶する第一記憶部と、
前記初期設定情報の前記多数の設定データから置き換えられる少なくとも1つの前記設定データを含む変更済設定情報を記憶する第二記憶部と、
前記変更済設定情報を含む二次元コードを生成するコード生成部と、
前記二次元コードを表示する表示部と、を備える空気調和装置。
【請求項2】
変更済設定情報を含む二次元コードを読み取って前記変更済設定情報を取得し、
前記変更済設定情報を表示するためのプログラム。
【請求項3】
前記変更済設定情報の取得で、個別機種情報も含む前記二次元コードから前記個別機種情報も取得し、
前記変更済設定情報の表示で、前記個別機種情報に対応する個別初期設定情報と前記変更済設定情報とを比較して抽出される前記変更済設定情報による置き換えの無い初期設定維持情報も、前記変更済設定情報と識別可能に表示する請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
複数の機種情報とそれぞれの前記機種情報に紐付けられる複数の初期設定情報とを含む初期設定情報群から前記個別機種情報に基づいて選択される前記個別初期設定情報を取得するための請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
通信ネットワークを介して外部サーバーに前記個別機種情報を送信するためのプログラムであって、
前記個別初期設定情報は、複数の機種情報とそれぞれの前記機種情報に紐付けられる複数の初期設定情報とを含み、かつ前記外部サーバーに記憶される初期設定情報群から前記個別機種情報に基づいて選択される請求項3に記載のプログラム。
【請求項6】
過去の運転制御に関する操作履歴情報を記憶する記憶部と、
前記操作履歴情報を含む二次元コードを生成するコード生成部と、
前記二次元コードを表示する表示部と、を備える空気調和装置。
【請求項7】
読み取った二次元コードから空気調和装置の過去の運転制御に関する操作履歴情報を取得し、
前記操作履歴情報を所定の並びに表示するためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空気調和装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置と無線または有線で双方向通信を行ない、当該空気調和装置を操作できる遠隔操作装置、いわゆるリモートコントローラー(リモコンとも言う)が知られている。遠隔操作装置は、例えば小さい液晶などの表示部を備え、表示部に表示される操作内容を選択させて操作を入力させる。運転中には、例えば、設定温度が摂氏25度の暖房運転で送風量は「強風」等の選択された操作内容を表示部に表示させる。
【0003】
また、空気調和装置は、上記した通常の使用者による設定ではなく、その機器の基本制御に係わる多数の機器設定事項を有している。多数の設定事項は、出荷時には当該機器の能力(馬力)及び天吊りタイプや壁掛けタイプ、4方向吹出天井カセットタイプ等の形態に応じて初期設定(デフォルト設定)になっており、使用者の要望や設置業者の判断で遠隔操作装置などを用いて据え付け後に適宜変更される。これらの機器設定は、使用者ではなく、設置業者や保守点検作業者によってリモコンを用いて操作・設定され、必要に応じて変更される。これらの設定内容は不揮発性メモリに記憶され、運転中は不揮発性メモリから読み出されて空気調和装置の運転制御に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、空気調和装置の設定事項は、保守点検作業者(以下、作業者ともいう)による空気調和装置の回路基板交換やソフトウエアの更新などで初期設定に初期化されてしまう。例えば、基板の交換の場合、基板の交換時に設定内容を記憶したメモリも合わせて交換され、新たな交換用の基板は、初期設定の状態にある。つまり、変更された設定事項は、初期設定に戻った状態となる。そこで、基板交換を例にとって設定事項の確認作業を説明すると、まず、作業者は、基板の交換作業前に、予め遠隔操作装置の小さな表示部にその時点における多数の設定事項を読み出して次々に表示させて、メモ等に記録し、設定事項が初期化される前に多数の設定事項を一つずつ照合して設定事項の変更の有無を確認し、設定事項の変更を見付けておく。その後、基板の交換作業を行った後、表示部から手動入力して交換前の基板において変更されていた設定事項の変更を反映し直している。このような設定事項は百以上の項目があり、このような設定事項の変更箇所及び変更内容の確認は非常に面倒な作業となっている。
【0006】
また、空気調和装置を使用する使用者が、通常の運転設定の変更操作を行った場合、遠隔操作装置にはその時点の設定内容(操作情報)、すなわち変更後の情報しか表示されず、過去にどのような操作を行ってきたいのか履歴が分からないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、設定情報や操作情報などの情報を遠隔操作装置から容易に取得可能であって、取得した情報をその後の操作の参考にさせ易い遠隔操作装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る空気調和装置は、多数の設定データを含む初期設定情報を記憶する第一記憶部と、前記初期設定情報の前記多数の設定データから置き換えられる少なくとも1つの前記設定データを含む変更済設定情報を記憶する第二記憶部と、前記変更済設定情報を含む二次元コードを生成するコード生成部と、前記二次元コードを表示する表示部と、を備えている。
【0009】
また、前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係るプログラムは、変更済設定情報を含む二次元コードを読み取って前記変更済設定情報を取得し、前記変更済設定情報を表示するためのものである。
【0010】
さらに、前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る空気調和装置は、過去の運転制御に関する操作履歴情報を記憶する記憶部と、前記操作履歴情報を含む二次元コードを生成するコード生成部と、前記二次元コードを表示する表示部と、を備えている。
【0011】
また、前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係るプログラムは、読み取った二次元コードから空気調和装置の過去の運転制御に関する操作履歴情報を取得し、前記操作履歴情報を所定の並びに表示するためものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る空気調和装置および携帯端末を示す全体図。
【
図2】本発明の同空気調和装置の室内機および遠隔操作装置を示すブロック図。
【
図3】本発明の同空気調和装置の設定情報テーブルの一例を示す図。
【
図4】本発明の同空気調和装置の初期設定情報群の一例を示す図。
【
図5】本発明の同空気調和装置の個別機種情報および現在設定情報の一例を示す図。
【
図6】本発明の同空気調和装置の遠隔操作装置の二次元コードの表示から携帯端末の表示データの表示までの処理を示す概略図。
【
図7】本発明の同空気調和装置の遠隔操作装置の管理制御モードのフローチャート。
【
図8】本発明の同空気調和装置の室内機の管理制御モードのフローチャート。
【
図9】本発明の第2実施形態における空気調和装置の遠隔操作装置を示すブロック図。
【
図10】本発明の同空気調和装置の遠隔操作装置および携帯端末の操作履歴情報の表示処理を示す図。
【
図11】本発明の同空気調和装置の遠隔操作装置の通常制御モードのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る空気調和装置の二つの実施形態について
図1から
図11を参照して説明する。なお、複数の図面中、同じまたは相当する構成には同一の符号が付されている。
【0014】
(第1実施形態)
図1において、空気調和装置1は、空調対象の室内の例えば天井に設置される空調用の室内機2と、例えば空調対象の室内の壁に設置される遠隔操作装置3と、室内機2が設置される建物の外に配置される室外機4と、を含んでいる。室内機2は、通信線および冷媒配管を介して室外機4に接続されている。遠隔操作装置3は、室内機2と有線または無線で双方向通信をし、人による操作で室内機2の運転制御や仕様・設定に関する設定値を調整できる。運転制御は、例えば冷暖房などの運転モード、設定温度、設定風量等を含み、仕様・設定は、例えば馬力、風の吹き出し口数等を含む。
【0015】
本実施形態に係るプログラムが、例えばアプリケーションとしてインストールされている携帯端末6は、作業者が扱うタブレットなどの携帯端末である。
【0016】
図2に示すように、室内機2は、第一記憶部8と、第二記憶部9と、データ比較部11と、データ処理部12と、室内機通信部13と、運転制御部14と、を備えている。第一記憶部8および第二記憶部9は、各種プログラムや各種情報を記憶している。データ処理部12は、第一記憶部8に記憶されるプログラムを実行することにより、データ比較部11、室内機通信部13、および運転制御部14に各種処理を行わせる。運転制御部14は、第二記憶部9に記憶されるプログラムを実行することにより、空気調和装置の運転制御を行う。
【0017】
第一記憶部8は、例えばROM(Read Only Memory)であって、
図3に示す設定情報テーブルD1と
図4に示す初期設定情報群D2とを記憶する。設定情報テーブルD1は、空気調和装置1の運転制御や仕様・設定に関する全ての設定情報を含む。設定情報は、例えば機種、馬力、風の吹き出し口数を含む200程度ある多数の設定項目d1、およびそれぞれの設定項目d1に対して設定可能な複数の設定内容d2を含んでいる。
【0018】
多数の設定項目d1のそれぞれは、例えば0001、0002、0003、・・・と連番で付される14進数の4桁の項目コードc1に紐付けられている。多数の設定項目d1に対して設定可能な複数の設定内容d2は、設定項目d1に対応する項目コードc1ごとに例えば0000、0001、0002、・・・と連番で付される4桁の内容コードc2で紐付けられている。
【0019】
具体例としては、設定情報テーブルD1の項目コードc1の0001は、複数の機種情報d3に割り当てられる。複数の機種情報d3は、当該室内機2の馬力と形態に対応する情報であり、空気調和装置1の室内機2の機種、すなわち型番、と一義的に対応付けられた情報を意味する。機種情報d3は機種の数だけ存在するため、例えば千個以上存在する。機種情報d3に割り当てられる項目コードc1が0001の内容コードc2は、実際の機種を識別する情報であり、0001から****まで例えば連番で設定されている。以後、「項目コードc1が0001の内容コードc2」を、「機種コードc3」ということもある。
【0020】
設定情報テーブルD1の0002以降の項目コードc1は、空気調和装置1の運転制御や仕様・設定に関する様々な設定項目d1にそれぞれ割り当てられ、それぞれの項目コードc1の複数の内容コードc2は、選択可能な複数の設定内容d2にそれぞれ割り当てられている。
【0021】
初期設定情報群D2は、複数の機種情報d3と、それぞれの機種情報d3に紐付けられる初期設定情報m1と、を含み、設定情報テーブルD1に基づいて表されている。初期設定情報群D2に含まれる初期設定情報m1の総数は、機種情報d3の総数と同じである。初期設定情報m1は、機種情報d3に一義的に対応する。言い換えれば、機種情報d3が同じであれば、初期設定情報m1は同一である。
【0022】
初期設定情報m1は、多数の設定項目d1と、設定項目d1ごとに初期状態で設定される一つの設定内容d2と、を含む。以後、初期設定情報m1に含まれる一つの設定項目d1とこの設定項目d1に対応する一つの設定内容d2を設定データd6という。初期設定情報m1に限らず、後述する個別初期設定情報m1’、現在設定情報m2、変更済設定情報m3、および初期設定維持情報m4等に含まれる一つの設定項目d1と対応する一つの設定内容d2とについても、設定データd6ということがある。
【0023】
それぞれの初期設定情報m1に含まれる設定データd6の総数は、同じであり、具体的には、設定情報テーブルD1に含まれる設定項目d1の総数から1、つまり機種情報d3が割り当てられる設定項目d1の数を引いた数である。初期設定情報群D2の初期設定情報m1は、それぞれの機種コードc3と、多数の項目コードc1と、項目コードc1ごとに一つ設定される内容コードc2と、で表されている。
【0024】
図2中の第二記憶部9は、例えば電気的に書き換え可能で、電源が消失しても記憶内容が保持可能な不揮発性メモリを含み、このメモリには
図5に示すように出荷時に設定される空気調和装置1の個別の機種情報d3である個別機種情報d3’と、現在設定情報m2と、を記憶している。個別機種情報d3’は、設定情報テーブルD1に基づいて、個別機種情報d3’に対応する機種コードc3で表されている。
【0025】
現在設定情報m2は、空気調和装置1の現在、詳細には、データ処理部12の命令によってデータ比較部11が第二記憶部9の現在設定情報m2を読み込む時点の設定内容である。現在設定情報m2は、現在まで空気調和装置1の初期設定から設定変更されていない場合、初期設定情報群D2から個別機種情報d3’に基づいて取得された初期設定情報m1である。以後、「初期設定情報群D2から個別機種情報d3’に基づいて取得された初期設定情報m1」を、「個別初期設定情報m1’」ということがある。現在設定情報m2は、空気調和装置1の初期設定から設定変更されている場合、個別初期設定情報m1’から置き換えられた少なくとも一つの設定内容d2およびその設定項目d1を含む変更済設定情報m3と、個別初期設定情報m1’のうち変更済設定情報m3によって置き換えられていない複数の設定項目d1および設定内容d2を含む初期設定維持情報m4と、を含んでいる。
【0026】
変更済設定情報m3は、現在設定情報m2のうち個別初期設定情報m1’から異なる設定内容d2およびその設定項目d1を含み、設定データd6を少なくとも一つ含んでいる。個別初期設定情報m1’と変更済設定情報m3との設定項目d1による差分データ、つまり、個別初期設定情報m1’のうち変更済設定情報m3に含まれていない設定項目d1およびその設定内容d2は、初期設定維持情報m4である。変更済設定情報m3に含まれる設定項目d1と初期設定維持情報m4に含まれる設定項目d1とは、相違し、重複していない。現在設定情報m2、個別初期設定情報m1’、変更済設定情報m3、および初期設定維持情報m4の設定項目d1および設定内容d2は、設定情報テーブルD1の項目コードc1および内容コードc2で表されている。
【0027】
運転制御部14は、第二記憶部9の現在設定情報m2に基づいて空気調和装置1の運転を制御する。室内機通信部13は、遠隔操作装置3と双方向通信を行う。データ処理部12は、室内機通信部13が受信する遠隔操作装置3からの信号によって、空気調和装置1の設定変更を第二記憶部9に命じる設定変更命令と、変更済設定情報m3の抽出をデータ比較部11に命じる変更抽出命令と、を生成する。
【0028】
変更抽出命令によってデータ比較部11は、第二記憶部9に記憶される個別機種情報d3’に基づいて第一記憶部8の初期設定情報群D2から個別初期設定情報m1’を取得し、第二記憶部9から現在設定情報m2を取得する。また、データ比較部11は、取得した現在設定情報m2から個別初期設定情報m1’の設定内容d2、つまり内容コードc2と異なる内容コードc2および項目コードc1を抽出して変更済設定情報m3の項目コードc1および内容コードc2を取得する。このように取得した変更済設定情報m3と個別機種情報d3’とは、室内機通信部13から遠隔操作装置3に送信される。
【0029】
図2に示すように、遠隔操作装置3は、例えば各種ボタンである入力部21と、各種プログラムが記憶されている記憶部(図示省略)と、命令生成部22と、室内機2と双方向通信を行うリモコン通信部23と、二次元コードを生成するコード生成部24と、液晶などの表示画面である表示部25と、を備えている。命令生成部22は、空気調和装置1の運転制御に関する通常制御モードと空気調和装置1の仕様・設定に関する管理制御モードとにおいて、入力部21からの操作に応じてリモコン通信部23、コード生成部24、および表示部25に所定の動作を実行させる。
【0030】
入力部21は、いくつかの操作釦であり、操作者からの通常制御モードおよび管理制御モードの操作を適宜入力させる。入力部21は、管理制御モードで設定の変更モードおよび表示モードのいずれかを入力させる。
【0031】
表示部25は、通常制御モードおよび管理制御モードで、現在の設定内容と、入力部21によって選択可能な操作内容とを表示する。さらに、表示部25は、コード生成部24で生成される二次元コードを表示可能となっている。
【0032】
命令生成部22は、管理制御モードでの入力部21からの操作により、空気調和装置1の設定内容の一部を所定内容に変更させる設定変更命令を生成する。また、命令生成部22は、管理制御モードでの入力部21からの操作により、空気調和装置1の現在の設定内容を表示させる設定表示命令を生成する。生成される設定変更命令および設定表示命令は、リモコン通信部23から室内機2の室内機通信部13に送信される。
【0033】
命令生成部22は、室内機2からの初期設定維持情報m4および変更済設定情報m3の取得によってコード生成命令を生成してコード生成部24に送信する。命令生成部22は、二次元コードが生成されると二次元コードを表示部25に表示させるコード表示命令を生成する。
【0034】
コード生成部24は、室内機2から取得する個別機種情報d3’および変更済設定情報m3を所定の並びに配列したものを二次元コードに変換させるプログラムである生成フォーマットを記憶している。コード生成部24は、コード生成命令の取得により、生成フォーマットに基づいて個別機種情報d3’および変更済設定情報m3を格納する二次元コードを生成する。生成フォーマットは、具体的には、始めに個別機種情報d3’を表す項目コードc1の0001と機種コードc3の0001を配列し、次に変更済設定情報m3に含まれる項目コードc1および内容コードc2を例えば項目コードc1の降順に配列する文字列を二次元コードに変換させる。
【0035】
図6は、遠隔操作装置の二次元コードの表示から携帯端末の表示データの表示までの処理を示す概略図である。
図6では、表示データM2を生成する前の個別機種情報d3’、個別初期設定情報m1’、変更済設定情報m3、および初期設定維持情報m4は、項目コードc1および内容コードc2で表示されるべきだが、表示入力部32の表示内容との関係性を表すため、個別機種情報d3’、設定項目d1、および設定内容d2で表示する。
【0036】
携帯端末6は、いわゆるカメラなどの撮像装置を含む画像取得部31と、液晶などの表示画面であり、かつ表示画面をタッチ操作させて入力操作を受け付ける表示入力部32と、記憶部(図示省略)と、制御部(図示省略)と、初期設定維持情報m4を生成するデータ比較部33と、表示データM2を生成する表示データ生成部34と、を有する。表示入力部32は、表示機能および入力機能を有するが、各種ボタンなどの入力部を別に設けて表示機能のみを有する表示部であっても良い。制御部は、記憶部に記憶されている様々なプログラムを実行することによって、他の構成部に各種処理を行わせる。
【0037】
画像取得部31は、遠隔操作装置3の表示部25に表示される二次元コードM1を読み取って、二次元コードM1から個別機種情報d3’および変更済設定情報m3を取得する。記憶部は、室内機2の第一記憶部8に保存されるものと略同一の設定情報テーブルD1および初期設定情報群D2と表示フォーマットとを記憶している。
【0038】
データ比較部33は、二次元コードM1の個別機種情報d3’に基づいて記憶部の初期設定情報群D2から個別初期設定情報m1’を取得し、取得した個別初期設定情報m1’と二次元コードM1の変更済設定情報m3との設定項目d1、つまり項目コードc1による差分処理で、初期設定維持情報m4を取得する。
【0039】
表示データ生成部34は、二次元コードM1の個別機種情報d3’および変更済設定情報m3と取得した初期設定維持情報m4とから、表示フォーマットおよび設定情報テーブルD1に基づいて表示データM2を生成する。このような表示データM2は、個別機種情報d3’および現在設定情報m2を含んでいる。
【0040】
表示フォーマットは、個別機種情報d3’、初期設定維持情報m4、および変更済設定情報m3を所定の並びに配列して表示し、かつ変更済設定情報m3を初期設定維持情報m4よりも明確に表示するためのプログラムである。表示フォーマットは、始めに個別機種情報d3’を配列して、次に初期設定維持情報m4および変更済設定情報m3を所定の並びに配列させる。
【0041】
初期設定維持情報m4および変更済設定情報m3の所定の並びは、例えば、変更済設定情報m3および初期設定維持情報m4の項目コードc1および内容コードc2を例えば項目コードc1の降順または昇順で配列する。また、初期設定維持情報m4および変更済設定情報m3の所定の並びは、管理制御モードの変更モードで設定変更の入力操作をする際に遠隔操作装置3の表示部25に表示される設定項目d1および設定内容d2の並びと同様にすると良い。
【0042】
表示フォーマットは、設定情報テーブルD1に基づいて、機種コードc3を機種情報d3、つまり個別機種情報d3’に変換し、項目コードc1を設定項目d1に変換し、内容コードc2を設定内容d2に変換して文字の表示データM2にする。また、表示フォーマットは、変更済設定情報m3を初期設定維持情報m4より明確に表示させる等の初期設定維持情報m4と変更済設定情報m3とを識別可能な文字の表示データM2にする。表示フォーマットは、例えば、変更済設定情報m3の設定内容d2もしくは設定データd6を例えば太字赤などのフォントで表示させ、初期設定維持情報m4の設定データd6を例えば黒の通常フォントで表示させる文字データにする。制御部は、このように生成される表示データM2を表示入力部32に表示させる。
【0043】
以下、本実施形態に係る空気調和装置1および携帯端末6の管理制御モードの動作について説明する。
【0044】
作業者が空気調和装置1のソフトウエアの更新や第二記憶部9を搭載した室内機2の回路基板交換などの作業をすると、空気調和装置1は初期化、つまり現在設定情報m2は個別初期設定情報m1’になり、作業前の変更済設定情報m3を消失してしまう。このため、空気調和装置1の保守点検を行う作業者は、事前に少なくとも変更済設定情報m3を把握して作業後に初期化された空気調和装置1の設定をやり直す必要がある。
【0045】
これらの手順を
図7の遠隔操作装置3のフローチャートに基づき説明する。以下、説明において、フローチャートの“ステップS*”を“S*”と略する。管理制御モードの遠隔操作装置3の命令生成部22は、先ず入力部21の操作が変更モード、表示モード、またはこれら以外かを判断するため、まず入力部21の操作が変更モードか否かを判断する(S1)。ここで、変更モード及び表示モードの2つのモードが遠隔操作装置の管理制御モードに該当する。変更モード及び表示モードは保守点検の作業者が使用するモードであり、通常の空気調和装置の使用者が操作することがないような設定になっている。例えば、入力部21に配置されている2つの操作ボタンを同時に5秒間以上押圧し続ければ変更モードに入り、3つの操作ボタンを3秒間押圧し続ければ変更モードに入る等の特殊操作と対応つけている。
【0046】
ここで、命令生成部22は、変更モードであると判断する(S1のYES)と、続いて入力部21からの設定変更の入力の有無を判断する(S2)。命令生成部22は、設定変更の入力を確認する場合、表示部25に入力内容に基づく変更内容を表示させて、リモコン通信部23に入力内容に基づく設定変更命令を室内機2へ送信させる(S3)。次に、命令生成部22は、表示部25に例えば「設定変更を終了しますか?」の表示をして変更モードを終了するかどうかを判断する(S4)。命令生成部22は、入力部21の操作で例えば「はい」が選択されると管理制御モードを終了し、入力部21の操作で例えば「いいえ」が選択されると、再び入力部21から次の設定変更の入力の有無を判断する(S2)。
【0047】
一方、命令生成部22は、変更モードでは無いと判断する場合(S1のNO)、表示モードか否かを判断する(S7)。命令生成部22は、表示モードでは無いと判断する場合(S7のNO)、遠隔操作装置3を通常制御モードとして(S8)、管理制御モードではないと判断する。S8の通常制御モードでは、通常の運転状態表示および運転操作を受け入れるモードである、空気調和装置の使用者による運転操作を受け入れ、空気調和装置を設定された運転モードで運転を行う。一方、命令生成部22は、表示モードである場合、すなわち表示モードへの移行操作が行われた場合(S7のYES)、リモコン通信部23に設定表示命令を室内機2へ送信させる(S9)。S9移行の表示モードの動作説明の前に
図8により、室内機2の管理制御モードのフローチャートを説明する。
【0048】
管理制御モードの室内機2では、データ処理部12が先ず前述のS3で遠隔操作装置3から出力されたリモコン通信部23からの設定変更命令の受信の有無を判断する(S11)。データ処理部12は、設定変更命令の受信を確認すると(S11のYES)、第二記憶部9の現在設定情報m2の所定の設定内容d2を設定変更命令に基づいて変更し、現在設定情報m2を、第二記憶部9の不揮発性メモリに上書き保存して(S12)、室内機2の管理制御モードは終了する。
【0049】
一方、データ処理部12は、設定変更命令を受信しないと判断する場合(S11のNO)、設定表示命令の受信の有無を判断する(S14)。データ処理部12は、設定表示命令を受信しないと判断する場合(S14のNO)、通常制御モードの処理に移行する(S15)。通常制御モードでデータ処理部12は、運転制御部14に第二記憶部9の現在設定情報m2に基づいて空気調和装置1を制御させる。データ処理部12は、設定表示命令の受信を確認すると(S14のYES)、データ比較部11に変更抽出命令を送信する(S18)。次に、データ処理部12は、データ比較部11が取得する変更済設定情報m3と第二記憶部9の個別機種情報d3’とを室内機通信部13から遠隔操作装置3に送信する(S19)。
【0050】
図7に戻り、遠隔操作装置3では、命令生成部22が設定表示命令を送信させた後(S9)、変更済設定情報m3および個別機種情報d3’を取得するまで繰り返す(S21のNO)。命令生成部22は、変更済設定情報m3および個別機種情報d3’を取得すると(S21のYES)、これらの情報に対応したコードを生成するためのコード生成命令をコード生成部24に送信し(S22)、これによりコード生成部24は変更済設定情報m3および個別機種情報d3’を示す二次元コードM1を生成する。この二次元コードM1を受けて実際の二次元コードM1が表示部25に表示される(S25)。次に、命令生成部22は、表示部25に例えば「設定表示を終了しますか?」の表示をして表示モードを終了するかどうかを判断する(S26)。命令生成部22は、入力部21の操作で例えば「はい」が選択されると管理制御モードを終了し(S26のYES)、入力部21の操作で例えば「いいえ」が選択されると(S26のNO)、表示部25における二次元コードM1のコード表示を継続する(S25)。遠隔操作装置3は、常に上述の制御動作を繰り返している。
【0051】
遠隔操作装置3の表示部25に表示される二次元コードM1は、作業者の手持ちの携帯端末6の画像取得部31で読み取られる。携帯端末6の制御部は、二次元コードM1の個別機種情報d3’および変更済設定情報m3の取得により、データ比較部33に初期設定維持情報m4を抽出させ、表示データ生成部34に表示データM2を生成させ、表示入力部32に表示データM2を表示させる。携帯端末6の表示入力部32に表示される表示データM2は、具体的には、テキストデータであり、機種情報d3、初期設定維持情報m4、および変更済設定情報m3が所定の並びに配列され、かつ変更済設定情報m3が初期設定維持情報m4よりも明確に表示される。
【0052】
以上のことから、作業者は、例えば初期化させる作業前に、少なくとも個別機種情報d3’および変更済設定情報m3を遠隔操作装置3から二次元コードM1で容易に取得することができる。また、作業者は、携帯端末6の表示入力部32に表示される表示データM2を、遠隔操作装置3の表示部25および入力部21で行う初期化後の再設定の操作で参考にできる。表示データM2は、変更済設定情報m3を視認し易くするため、作業者は、遠隔操作装置3の表示部25での設定変更の操作画面と携帯端末6の表示データM2とを照らし合わせて変更済設定情報m3と同様に設定変更を行うことができる。このように、空気調和装置1および携帯端末6は、再設定作業を容易にする。
【0053】
本実施形態においては、携帯端末6の初期設定情報群D2は記憶部に記憶されているが、これに限らず、例えば、初期設定情報群D2は通信ネットワークを介して接続される外部サーバーに記憶されていても良い。この場合、携帯端末6は、二次元コードM1の個別機種情報d3’を外部サーバーに送信して、外部サーバーから個別初期設定情報m1’を取得でき、二次元コードM1の個別機種情報d3’および変更済設定情報m3を外部サーバーに送信して、外部サーバーから初期設定維持情報m4を取得できる。また、携帯端末6の初期設定情報群D2および表示フォーマットは、通信ネットワークを介して接続される外部サーバーに記憶されていても良い。この場合、携帯端末6は、二次元コードM1の個別機種情報d3’および変更済設定情報m3を外部サーバーに送信して、外部サーバーで生成される表示データM2を取得できる。このように、室内機2、遠隔操作装置3、および携帯端末6の上述の構成および動作の一部を、室内機2、遠隔操作装置3、および携帯端末6に有線または無線で接続される外部サーバーや外付け記憶媒体などの他の構成で実行させても良い。
【0054】
また、本実施形態において、現在設定情報m2および個別初期設定情報m1’から変更済設定情報m3を生成するデータ比較部11は、室内機2に設けられているが、遠隔操作装置3に設けられていても良い。この場合、遠隔操作装置3は、現在設定情報m2を遠隔操作装置3内の記憶部に記憶していても良く、室内機2から取得しても良い。また、遠隔操作装置3は、初期設定情報群D2などの情報を保有する外部サーバーと通信ネットワークを介して接続可能にして、個別初期設定情報m1’を外部サーバーから適宜取得してもよく、室内機2から取得してもよい。さらに、本実施形態においては、コード生成部24は、遠隔操作装置3に設けられているが、室内機2に設けられていても良い。このように、空気調和装置1の室内機2および遠隔操作装置3は、通信網を用いてそれぞれの構成や情報を適宜他方側もしくは外部サーバーに配置させることができ、同様に動作できる。
【0055】
さらに、本実施形態において、表示データM2は個別機種情報d3’、変更済設定情報m3、および初期設定維持情報m4を含むが、少なくとも変更済設定情報m3を含んでいれば良く、個別機種情報d3’および初期設定維持情報m4を含まなくても良い。この場合、二次元コードM1は、少なくとも変更済設定情報m3を含んでいれば良く、個別機種情報d3’を含まなくても良い。
【0056】
本実施形態に係る空気調和装置1は、多数の設定データd6を含む個別初期設定情報m1’を記憶する第一記憶部8と、個別初期設定情報m1’の多数の設定データd6から置き換えられる少なくとも一つの設定データd6を含む変更済設定情報m3を記憶する第二記憶部9と、変更済設定情報m3を含む二次元コードM1を生成するコード生成部24と、二次元コードM1を表示する表示部25と、を備えている。
【0057】
これにより、空気調和装置1は、表示部25に表示させる二次元コードM1で変更済設定情報m3を容易に取得させる。また、空気調和装置1は、二次元コードM1を読み取る携帯端末6などの他の機器で変更済設定情報m3を表示させられるため、空気調和装置1の初期化後の再設定の操作の参考にさせ易い。
【0058】
また、本実施形態に係るプログラムは、変更済設定情報m3を含む二次元コードM1を読み取って変更済設定情報m3を取得し、変更済設定情報m3を表示するためのものである。これにより、プログラムがインストールされるコンピューターの一例である携帯端末6は、空気調和装置1の表示部25に表示される二次元コードM1を読み取って変更済設定情報m3を容易に取得する。また、携帯端末6は、表示入力部32に二次元コードM1に含まれる変更済設定情報m3を表示するため、作業者が遠隔操作装置3で行う初期化後の再設定の操作の参考にし易い。
【0059】
さらに、本実施形態に係るプログラムは、変更済設定情報m3の取得で、個別機種情報d3’も含む二次元コードM1から個別機種情報d3’も取得し、変更済設定情報m3の表示で、個別機種情報d3’に対応する個別初期設定情報m1’と変更済設定情報m3とを比較して抽出される変更済設定情報m3による置き換えの無い初期設定維持情報m4も、変更済設定情報m3と識別可能に表示する。これにより、携帯端末6は、初期設定維持情報m4を変更済設定情報m3と識別可能に表示するため、変更済設定情報m3が視認し易く、かつ初期設定維持情報m4の確認を併せて行うことができる。このような携帯端末6によれば、更に操作効率が向上する。
【0060】
また、本実施形態に係るプログラムは、複数の機種情報d3とそれぞれの機種情報d3に紐付けられる複数の初期設定情報m1とを含む初期設定情報群D2から個別機種情報d3’に基づいて選択される個別初期設定情報m1’を取得するためのものである。これにより、携帯端末6は、初期設定情報群D2から個別初期設定情報m1’を取得して初期設定維持情報m4を取得できる。
【0061】
さらに、本実施形態に係るプログラムは、通信ネットワークを介して外部サーバーに個別機種情報d3’を送信するためのプログラムであって、個別初期設定情報m1’は、複数の機種情報d3とそれぞれの機種情報d3に紐付けられる複数の初期設定情報m1とを含み、かつ外部サーバーに記憶される初期設定情報群D2から個別機種情報d3’に基づいて選択される。これにより、携帯端末6は、初期設定情報群D2を記憶する外部サーバーで処理の一部を行わせるため、初期設定情報群D2を記憶せず、処理の一部を行わなくても良い。
【0062】
(第2実施形態)
続いて、
図9及び
図10を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
【0063】
第2実施形態に係る空気調和装置1aは、運転制御に関する通常制御モードで運転制御に関する操作の履歴情報を含む二次元コードM1aを生成する。本発明の本実施形態に係る例えば携帯端末6aなどのコンピューターは、二次元コードM1aを読み取って操作の履歴情報を表示する。以後、単なる「操作」は、「運転制御に関する操作」を示し、単なる「変更操作」は、「運転制御に関する変更操作」を示す。
【0064】
遠隔操作装置3aは、
図9に示すように、さらにデータ記録部41および時計部42を有する。通常制御モードで遠隔操作装置3aの命令生成部22aは、入力部21aからの変更操作によって運転制御の変更を命ずる変更命令を生成してデータ記録部41および室内機2aに送信する。また、命令生成部22aは、入力部21aの操作の履歴表示操作によってコード生成命令を生成してコード生成部24aに送信する。
【0065】
データ記録部41は、変更命令を含み、変更命令を受信する度に蓄積して記録される多数の操作データd9と、変更命令を受信する度に更新される一つの現在設定情報と、を記憶している。現在設定情報は、全ての変更操作の対象である複数の設定情報を含み、複数の設定情報は初期設定から変更命令によって部分的に置き換えられて最新の状態になっている。現在設定情報の複数の設定情報は、例えば、運転・停止などの稼働状況、暖房・冷房・除湿などの運転モード、設定温度および風量などの設定内容である。
【0066】
データ記録部41は、入力部21aの操作による変更命令を受信すると、現在設定情報から変更命令の対象の設定情報であって、変更命令が反映される前の設定情報を読み込む。以後、この「変更命令が反映される前の設定情報」を「変更前情報d11」という。データ記録部41は、変更前情報d11および変更命令に基づいて変更後の設定情報である変更後情報d12を生成する。また、データ記録部41は、変更後情報d12を命令生成部22aに送信し、命令生成部22aは表示部25aに変更後情報d12を表示させる。なお、データ記録部41は、その記憶容量に上限があるため、所定件数、例えば過去の50回前までを記憶し、それ以前のデータは削除しても良い。
【0067】
データ記録部41は、現在設定情報の変更前情報d11に変更後情報d12を置き換え、操作データd9を生成して記録する。操作データd9は、時刻に関する時間情報d15と、変更前情報d11および変更後情報d12を含む操作情報d16と、を含む。データ記録部41は、変更命令を受けて、そのタイミングで時計部42から時間情報d15を取得する。時間情報d15は、その取得時点の年月日および時刻を含む。
【0068】
操作情報d16は、具体的には、運転・停止の切り替え、暖房・冷房・除湿などの運転モードの切り替え、設定温度の変更内容、風量の変更内容を含む設定情報の変更内容である。運転・停止の切り替えに関する操作情報d16は、変更後情報d12のみを含み変更前情報d11を省略する。第1実施形態と同様、操作情報d16は、設定情報テーブルに基づいて項目および内容に関するコードで適宜表され、操作情報d16およびコードは、適宜変換される。
【0069】
コード生成部24aは、命令生成部22aからのコード生成命令によって、データ記録部41から所定の範囲の操作データd9を選択して取得して二次元コードM1aに変換する。所定の範囲とは、例えば、時間情報d15が昨日、直近2日間、直近1週間の朝昼晩などいずれかの時間帯の期間に属することや、時間情報d15の新しい順で例えば10個の範囲に属することである。以後、「選択される所定の範囲の操作データd9」を「操作履歴情報m7」という。操作履歴情報m7は、データ記録部41に記録される全ての操作データd9のうちの少なくとも一部である。
【0070】
コード生成部24aは、取得した操作履歴情報m7を所定の並びに配列して二次元コードM1aに変換させるプログラムである生成フォーマットを記憶している。生成フォーマットは、具体的には、操作履歴情報m7に含まれる複数の操作データd9を時間情報d15の新しい順または古い順で配列して二次元コードM1aに変換させる。
【0071】
本実施形態における携帯端末6aの画像取得部31aは、遠隔操作装置3aの表示部25aに表示される二次元コードM1aを読み取って、二次元コードM1aから操作履歴情報m7を取得する。表示データ生成部34aは、二次元コードM1aの操作履歴情報m7から表示フォーマットに基づいて表示データM2aを生成する。
【0072】
表示フォーマットは、操作履歴情報m7を所定の並びに配列して表示するためのプログラムである。表示フォーマットは、具体的には、操作履歴情報m7に含まれる複数の操作データd9を時間情報d15の新しい順または古い順で配列し、かつ使用者が分かり易い表示データM2aにする。より具体的には、表示フォーマットは、操作履歴情報m7を表データにし、「日時」や「操作内容」などの項目名を付し、時間情報d15や操作情報d16を理解し易い文字データに置き換えることによって使用者が分かり易い表示データM2aにする。制御部は、このように生成される表示データM2aを表示入力部32aに表示させる。
【0073】
以下、本実施形態に係る空気調和装置1および携帯端末6の通常制御モードの動作について
図11のフローチャートに基づき説明する。
【0074】
空気調和装置1aの使用者より、例えば今後の運転制御の参考や電気代との関係性の検討などの目的で、過去の操作の履歴表示機能の需要がある。このため、空気調和装置1aは、使用者が所持する例えば携帯端末6aなどのコンピューターで使用者が確認し易いように操作履歴情報m7を表示させる。なお、遠隔監視装置を用いて空気調和装置1の過去の操作履歴を記録して、使用者に表示させるシステムは存在するが、これらのシステムは大規模でかつ高価なものであり、空気調和装置のみで簡単に構成できるものではない。
【0075】
図11において、通常制御モードの遠隔操作装置3aの命令生成部22aは、先ず入力部21aでの変更操作の入力の有無を判断する(S41)。変更操作が有る場合(S41のYES)、すなわち、入力部21aにおける使用者の操作があった場合、命令生成部22aは、表示部25aに変更後情報d12を表示させ、変更命令をデータ記録部41および室内機2aに送信する(S42)。次に、データ記録部41は、現在設定情報の変更前情報d11を変更後情報d12に置き換え、操作データd9を生成して記憶し(S43)、通常制御モードを終了し、STARTに戻る。
【0076】
入力部21aでの変更操作が無い場合(S41のNO)、続いて命令生成部22aは、入力部21aからの履歴表示操作の入力の有無を判断する(S46)。履歴表示操作の入力が無い場合(S46のNO)、命令生成部22aはSTARTに戻る。履歴表示操作の入力が有る場合(S46のYES)、命令生成部22aは、コード生成命令を生成し(S48)、コード表示命令を生成し(S51)、表示部25aに二次元コードM1aを表示させる。
【0077】
遠隔操作装置3aに表示される二次元コードM1aは、携帯端末6aの画像取得部31aで読み取られる。携帯端末6aの制御部は、二次元コードM1aの操作履歴情報m7の取得によって表示データ生成部34aに表示データM2aを生成させ、表示入力部32aに表示データM2aを表示させる。携帯端末6aの表示入力部32aに表示される表示データM2aは、具体的には、テキストデータであり、操作履歴情報m7に含まれる複数の操作データd9を所定の並びに配列され、かつ使用者が分かり易く表示される。
【0078】
以上のことから、空気調和装置1aおよび携帯端末6aは、使用者に二次元コードM1aで所望の操作履歴情報m7を容易に取得させ、遠隔操作装置3aの操作の際に、携帯端末6aで操作履歴情報m7を表示させて次の操作の参考にし易くさせる。また、空気調和装置1aおよび携帯端末6aは、遠隔操作装置3aの小さく、文字表示量が少ない表示部25aよりも画面が大きく、文字表示量が多く、かつ視認性が良い携帯端末6aの表示入力部32aで操作履歴情報m7を表示できる。このように、携帯端末6aは、使用者が分かり易い様に操作履歴情報m7を表示させられる。
【0079】
本実施形態に係る空気調和装置1aは、過去の運転制御に関する操作履歴情報m7を記憶するデータ記録部41と、操作履歴情報m7を含む二次元コードM1aを生成するコード生成部24aと、二次元コードM1aを表示する表示部25aと、を備えている。これにより、空気調和装置1aは、表示部25aに表示させる二次元コードM1aで操作履歴情報m7を容易に取得させる。また、空気調和装置1aは、二次元コードM1aを読み取る携帯端末6aなどの他の機器で操作履歴情報m7を表示させ、遠隔操作装置3aで行う運転制御の操作の参考にさせる。
【0080】
さらに、本実施形態に係るプログラムは、読み取った二次元コードM1aから空気調和装置1aの過去の運転制御に関する操作履歴情報m7を取得し、操作履歴情報m7を所定の並びに表示するためのものである。これにより、プログラムがインストールされるコンピューターの一例である携帯端末6aは、空気調和装置1aの表示部25aに表示される二次元コードM1aで操作履歴情報m7を容易に取得する。また、携帯端末6aは、表示入力部32aに二次元コードM1aに含まれる操作履歴情報m7を表示するため、遠隔操作装置3aで行う運転制御の操作の参考にさせる。
【0081】
以上のように、第一、第二実施形態に係る空気調和装置1、1aおよびプログラムによれば、空気調和装置1、1aまたは遠隔操作装置3、3aが有する設定情報や操作情報などの情報を遠隔操作装置3、3aから容易に取得可能であって、取得した情報をその後の操作の参考にさせ易くできる。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1、1a…空気調和装置、2、2a…室内機、3、3a…遠隔操作装置、4…室外機、6、6a…携帯端末、8…第一記憶部、9…第二記憶部、11…データ比較部、12…データ処理部、13…室内機通信部、14…運転制御部、21、21a…入力部、22、22a…命令生成部、23…リモコン通信部、24、24a…コード生成部、25、25a…表示部、31、31a…画像取得部、32、32a…表示入力部、33…データ比較部、34、34a…表示データ生成部、41…データ記録部、42…時計部、c1…項目コード、c2…内容コード、c3…機種コード、d1…設定項目、d2…設定内容、d3…機種情報、d3’…個別機種情報、6…設定データ、9…操作データ、d11…変更前情報、d12…変更後情報、d15…時間情報、d16…操作情報、D1…設定情報テーブル、D2…初期設定情報群、m1…初期設定情報、m1’…個別初期設定情報、m2…現在設定情報、m3…変更済設定情報、m4…初期設定維持情報、m7…操作履歴情報、M1、M1a…二次元コード、M2、M2a…表示データ。