(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023142913
(43)【公開日】2023-10-06
(54)【発明の名称】搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/16 20060101AFI20230928BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20230928BHJP
【FI】
G03G15/16
G03G21/16 147
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022050045
(22)【出願日】2022-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】福永 和哉
(72)【発明者】
【氏名】花谷 純次
(72)【発明者】
【氏名】飯島 喜一郎
【テーマコード(参考)】
2H171
2H200
【Fターム(参考)】
2H171FA03
2H171FA04
2H171FA10
2H171FA24
2H171FA28
2H171GA04
2H171GA08
2H171JA03
2H171KA22
2H171KA25
2H171KA26
2H171LA14
2H171LA16
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QA25
2H171QB14
2H171QB32
2H171QC03
2H171SA11
2H171SA12
2H171SA18
2H171SA22
2H171SA28
2H171SA31
2H171SA32
2H171TA20
2H171WA23
2H171WA27
2H200FA04
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA33
2H200GB22
2H200JA02
2H200JB10
2H200JC04
2H200JC07
2H200JC09
2H200LA17
2H200LA25
(57)【要約】
【課題】回転部材を押圧する押圧部材のうちの回転部材に接続される側のみが移動する構成や、押圧部材により押圧される回転部材が直線状の経路に沿って移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくする。
【解決手段】(A)に示す状態から、(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200における下流側へ移動した場合、第1ばね91の反対側端部182も、矢印6Dに示すように、この移動方向200における下流側へ移動する。反対側端部182も移動方向200における下流側へ移動することで、移動方向200に対する第1ばね91の角度θが保たれる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、
回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材であって、予め定められた移動方向への移動が可能に設けられた回転部材と、
前記ベルト部材の前記一方の面に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材であって、当該回転部材が前記移動方向へ移動した場合に、当該移動方向に対する角度を保った状態で当該移動方向へ移動する押圧部材と、
を備える搬送装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、前記回転部材側に位置し当該回転部材に接続される接続側端部と、当該接続側端部とは反対側に位置する反対側端部とを有し、
前記押圧部材の前記反対側端部は、前記回転部材が前記移動方向へ移動した場合に、当該移動方向へ移動し、
前記反対側端部が前記移動方向へ移動することで、当該移動方向に対する前記押圧部材の角度が保たれる請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記回転部材が前記移動方向へ移動する際の移動量と、前記反対側端部が当該移動方向へ移動する際の移動量とが一致する請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記回転部材は、曲率を有した経路に沿って少なくとも一部が移動するように設けられ、
前記押圧部材は、曲率を有した前記経路の曲率中心側に位置し、
前記曲率中心側に位置する軸の周りを前記押圧部材が移動可能になっていることで、前記移動方向に対する当該押圧部材の角度が保たれる請求項1に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記経路の曲率中心の位置と、前記曲率中心側に位置する前記軸の位置とが一致する請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記押圧部材は、ばね部材であり、
前記移動方向に対する前記ばね部材の傾きが保たれる請求項1に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記押圧部材は、付勢手段からの付勢力を受けて前記回転部材に向かい当該回転部材を前記一方の面に押し当てる部材である請求項1に記載の搬送装置。
【請求項8】
被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、
回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材であって、移動可能に設けられた回転部材と、
前記ベルト部材の前記一方の面に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材であって、当該回転部材側に接続される接続側端部と当該接続側端部とは反対側に位置する反対側端部とを有し、当該回転部材が移動した場合に、当該接続側端部および当該反対側端部の両者が移動する押圧部材と、
を備える搬送装置。
【請求項9】
前記押圧部材の前記反対側端部は、前記回転部材が移動した場合、当該回転部材の移動方向における下流側へ移動する請求項8に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記回転部材の移動量と、前記反対側端部の前記下流側への移動量とが一致する請求項9に記載の搬送装置。
【請求項11】
前記押圧部材の前記反対側端部は、前記回転部材が移動する際に通る経路に沿った経路に沿って移動する請求項8に記載の搬送装置。
【請求項12】
前記押圧部材は、前記反対側端部から前記接続側端部に向かう方向に沿う軸の周りを移動可能に設けられ、
前記押圧部材が前記軸の周りを移動することで、前記接続側端部および前記反対側端部の両者が移動する請求項8に記載の搬送装置。
【請求項13】
被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、
回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材と、
前記ベルト部材の前記一方の面に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材であって、当該押圧部材による押圧方向に沿う軸の周りを移動可能に設けられた押圧部材と、
を備える搬送装置。
【請求項14】
前記押圧部材として、前記回転部材の軸方向における一端部を前記一方の面側に向けて押圧する一端部側押圧部材と、当該回転部材の軸方向における他端部を当該一方の面側に向けて押圧する他端部側押圧部材とが設けられ、
前記一端部側押圧部材および前記他端部側押圧部材の両者が、前記軸の周りを移動可能に設けられている請求項13に記載の搬送装置。
【請求項15】
前記押圧部材は、前記回転部材の軸方向における一端部および他端部のうちの当該一端部を前記一方の面側に向けて押圧するとともに、前記押圧方向に沿う前記軸であって当該一端部よりも当該他端部側に位置する当該軸の周りを移動可能に設けられている請求項13に記載の搬送装置。
【請求項16】
被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、
回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材であって、曲率を有する経路に沿って少なくとも一部が移動する回転部材と、
曲率を有する前記経路よりも当該経路の曲率中心側に配置され、当該経路を挟み当該曲率中心とは反対側に位置する前記ベルト部材に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材と、
を備える搬送装置。
【請求項17】
前記押圧部材は、曲率を有する前記経路よりも前記曲率中心側に位置する軸であって前記回転部材の軸方向に沿う当該軸の周りを移動可能に設けられている請求項16に記載の搬送装置。
【請求項18】
前記経路の前記曲率中心の位置と、前記軸の位置とが一致する請求項17に記載の搬送装置。
【請求項19】
前記軸を中心に回転可能に設けられ、前記押圧部材を支持する支持部材をさらに備え、
前記支持部材が前記軸を中心として回転することで、前記軸の周りを前記押圧部材が移動し、
前記支持部材のうちの前記軸側とは反対側に位置する端部を案内する案内部がさらに設けられている請求項17に記載の搬送装置。
【請求項20】
記録材への画像形成に際し搬送される被搬送体の搬送を行う搬送装置を備え、記録材への画像形成を行う画像形成装置であり、当該搬送装置が、請求項1乃至19の何れかに記載の搬送装置を含んで構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カムフォロア面が、ステアリングローラの正面側が上昇すると軸受けを内側に移動させ、ステアリングローラの正面側が下降すると軸受けを外側へ移動させる構成が開示されている。
特許文献2には、ベルトが一端側に寄った場合、第1の調整部材がベルトから力を受けて移動し、第2の調整部材が連動手段によって移動することで、一方の張架部材が他方の張架部材に対して傾く構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-25475号公報
【特許文献2】特開2015-156044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ベルト部材を用い被搬送体を搬送する装置では、押圧部材を用いて回転部材を押圧して、この回転部材をベルト部材に押し当てることがある。
押圧部材により回転部材が押圧される構成において、押圧部材による回転部材の押圧方向が変化すると、それまで押圧されていた方向とは異なる方向へ回転部材が向かう。この場合、装置に不具合が生じたり、この不具合の発生を抑制するための機構を別途設ける必要が生じたりする。
本発明の目的は、回転部材を押圧する押圧部材のうちの回転部材に接続される側のみが移動する構成や、押圧部材により押圧される回転部材が直線状の経路に沿って移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材であって、予め定められた移動方向への移動が可能に設けられた回転部材と、前記ベルト部材の前記一方の面に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材であって、当該回転部材が前記移動方向へ移動した場合に、当該移動方向に対する角度を保った状態で当該移動方向へ移動する押圧部材と、を備える搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、前記押圧部材は、前記回転部材側に位置し当該回転部材に接続される接続側端部と、当該接続側端部とは反対側に位置する反対側端部とを有し、前記押圧部材の前記反対側端部は、前記回転部材が前記移動方向へ移動した場合に、当該移動方向へ移動し、前記反対側端部が前記移動方向へ移動することで、当該移動方向に対する前記押圧部材の角度が保たれる請求項1に記載の搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記回転部材が前記移動方向へ移動する際の移動量と、前記反対側端部が当該移動方向へ移動する際の移動量とが一致する請求項2に記載の搬送装置である。
請求項4に記載の発明は、前記回転部材は、曲率を有した経路に沿って少なくとも一部が移動するように設けられ、前記押圧部材は、曲率を有した前記経路の曲率中心側に位置し、前記曲率中心側に位置する軸の周りを前記押圧部材が移動可能になっていることで、前記移動方向に対する当該押圧部材の角度が保たれる請求項1に記載の搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、前記経路の曲率中心の位置と、前記曲率中心側に位置する前記軸の位置とが一致する請求項4に記載の搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、前記押圧部材は、ばね部材であり、前記移動方向に対する前記ばね部材の傾きが保たれる請求項1に記載の搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、前記押圧部材は、付勢手段からの付勢力を受けて前記回転部材に向かい当該回転部材を前記一方の面に押し当てる部材である請求項1に記載の搬送装置である。
請求項8に記載の発明は、被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材であって、移動可能に設けられた回転部材と、前記ベルト部材の前記一方の面に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材であって、当該回転部材側に接続される接続側端部と当該接続側端部とは反対側に位置する反対側端部とを有し、当該回転部材が移動した場合に、当該接続側端部および当該反対側端部の両者が移動する押圧部材と、を備える搬送装置である。
請求項9に記載の発明は、前記押圧部材の前記反対側端部は、前記回転部材が移動した場合、当該回転部材の移動方向における下流側へ移動する請求項8に記載の搬送装置である。
請求項10に記載の発明は、前記回転部材の移動量と、前記反対側端部の前記下流側への移動量とが一致する請求項9に記載の搬送装置である。
請求項11に記載の発明は、前記押圧部材の前記反対側端部は、前記回転部材が移動する際に通る経路に沿った経路に沿って移動する請求項8に記載の搬送装置である。
請求項12に記載の発明は、前記押圧部材は、前記反対側端部から前記接続側端部に向かう方向に沿う軸の周りを移動可能に設けられ、前記押圧部材が前記軸の周りを移動することで、前記接続側端部および前記反対側端部の両者が移動する請求項8に記載の搬送装置である。
請求項13に記載の発明は、被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材と、前記ベルト部材の前記一方の面に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材であって、当該押圧部材による押圧方向に沿う軸の周りを移動可能に設けられた押圧部材と、を備える搬送装置である。
請求項14に記載の発明は、前記押圧部材として、前記回転部材の軸方向における一端部を前記一方の面側に向けて押圧する一端部側押圧部材と、当該回転部材の軸方向における他端部を当該一方の面側に向けて押圧する他端部側押圧部材とが設けられ、前記一端部側押圧部材および前記他端部側押圧部材の両者が、前記軸の周りを移動可能に設けられている請求項13に記載の搬送装置である。
請求項15に記載の発明は、前記押圧部材は、前記回転部材の軸方向における一端部および他端部のうちの当該一端部を前記一方の面側に向けて押圧するとともに、前記押圧方向に沿う前記軸であって当該一端部よりも当該他端部側に位置する当該軸の周りを移動可能に設けられている請求項13に記載の搬送装置である。
請求項16に記載の発明は、被搬送体の搬送に用いられ循環移動を行うベルト部材であって、外周面および内周面を備えるベルト部材と、回転可能に設けられ、前記ベルト部材の一方の面に押し当てられる回転部材であって、曲率を有する経路に沿って少なくとも一部が移動する回転部材と、曲率を有する前記経路よりも当該経路の曲率中心側に配置され、当該経路を挟み当該曲率中心とは反対側に位置する前記ベルト部材に向けて前記回転部材を押圧する押圧部材と、を備える搬送装置である。
請求項17に記載の発明は、前記押圧部材は、曲率を有する前記経路よりも前記曲率中心側に位置する軸であって前記回転部材の軸方向に沿う当該軸の周りを移動可能に設けられている請求項16に記載の搬送装置である。
請求項18に記載の発明は、前記経路の前記曲率中心の位置と、前記軸の位置とが一致する請求項17に記載の搬送装置である。
請求項19に記載の発明は、前記軸を中心に回転可能に設けられ、前記押圧部材を支持する支持部材をさらに備え、前記支持部材が前記軸を中心として回転することで、前記軸の周りを前記押圧部材が移動し、前記支持部材のうちの前記軸側とは反対側に位置する端部を案内する案内部がさらに設けられている請求項17に記載の搬送装置である。
請求項20に記載の発明は、記録材への画像形成に際し搬送される被搬送体の搬送を行う搬送装置を備え、記録材への画像形成を行う画像形成装置であり、当該搬送装置が、請求項1乃至19の何れかに記載の搬送装置を含んで構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、回転部材を押圧する押圧部材のうちの回転部材に接続される側のみが移動する構成や、押圧部材により押圧される回転部材が直線状の経路に沿って移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
請求項2の発明によれば、回転部材の移動方向に対する押圧部材の角度を保つことが可能となる。
請求項3の発明によれば、回転部材が移動方向へ移動する際の移動量と、反対側端部が移動方向へ移動する際の移動量とが一致しない場合に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化をさらに生じにくくすることができる。
請求項4の発明によれば、回転部材の移動方向に対する押圧部材の角度を保つことが可能となる。
請求項5の発明によれば、経路の曲率中心の位置と、曲率中心側に位置する軸の位置とが一致しない場合に比べ、装置構成の簡略化を図りやすくなる。
請求項6の発明によれば、回転部材の移動方向に対するばね部材の角度を保つことが可能となる。
請求項7の発明によれば、回転部材の移動方向に対する押圧部材の角度を保つことが可能となる。
請求項8の発明によれば、回転部材を押圧する押圧部材のうちの回転部材に接続される側のみが移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
請求項9の発明によれば、押圧部材の反対側端部が、回転部材の移動方向における下流側へ移動しない構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
請求項10の発明によれば、回転部材の移動量と、反対側端部の下流側への移動量とが一致しない場合に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化をさらに生じにくくすることができる。
請求項11の発明によれば、押圧部材の反対側端部が移動する際に通る経路が、回転部材が移動する際に通る経路に沿わない構成に比べ、装置構成の簡略化を図りやすくなる。
請求項12の発明によれば、押圧部材の接続側端部および反対側端部の両者が移動する構成とすることができる。
請求項13の発明によれば、回転部材を押圧する押圧部材のうちの回転部材に接続される側のみが移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
請求項14の発明によれば、一端部側押圧部材および他端部側押圧部材の両者が、軸の周りを移動する構成とすることができる。
請求項15の発明によれば、押圧部材が、この押圧部材による押圧方向に沿う軸であって回転部材の軸方向における一端部よりも他端部側に位置する軸の周りを移動する構成とすることができる。
請求項16の発明によれば、押圧部材により押圧される回転部材が直線状の経路に沿って移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
請求項17の発明によれば、曲率を有する経路に回転部材が沿って移動する構成において、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
請求項18の発明によれば、経路の曲率中心の位置と、軸の位置とが一致しない場合に比べ、装置構成の簡略化を図りやすくなる。
請求項19の発明によれば、支持部材のうちの軸側とは反対側に位置する端部を案内する案内部が設けられていない場合に比べ、支持部材の挙動を安定化させることができる。
請求項20の発明によれば、回転部材を押圧する押圧部材のうちの回転部材に接続される側のみが移動する構成や、押圧部材により押圧される回転部材が直線状の経路に沿って移動する構成に比べ、押圧部材による回転部材の押圧方向の変化を生じにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】(A)~(C)は、
図1の矢印IIで示す方向からテンションロール等を見た場合の図である。
【
図4】(A)、(B)は、従来のテンションロール等の構成を示した図である。
【
図5】(A)、(B)は、本実施形態の構成を説明する図である。
【
図6】(A)、(B)は、テンションロールの一端部等の動きを示した図である。
【
図7】(A)、(B)は、テンションロールを押圧する機構の他の構成例を示した図である。
【
図8】テンションロール等の動きを示した図である。
【
図9】(A)、(B)は、テンションロールを押圧する機構の他の構成例を示した図である。
【
図10】テンションロール等の動きを示した図である。
【
図11】(A)、(B)は、他の構成例を示した図である。
【
図12】テンションロール等の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置1を示した図である。
同図に示す画像形成装置1は、記録材の一例である用紙Pへの画像形成を行う装置である。この画像形成装置1には、画像形成部10、用紙搬送部20、制御部40が設けられている。
【0009】
画像形成手段の一例としての画像形成部10には、画像形成ユニット11と、中間転写ベルト12と、二次転写部13と、定着器14と、冷却器15とが設けられている。
本実施形態では、画像形成ユニット11として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナーのそれぞれに対応した4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kが設けられている。
【0010】
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kは、中間転写ベルト12の移動方向において並んで配置されており、電子写真方式によりトナー像を形成する。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々は、感光体ドラム111、帯電部112、露光部113、現像部114、一次転写部115を有する。
画像形成ユニット11Y,11M,11C,11Kの各々は、YMCKの何れかの色のトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルト12上に転写する。これにより、中間転写ベルト12上に、YMCKの各色のトナー像が重ねられたトナー像を形成される。
【0011】
感光体ドラム111は、予め定めた速度で図中矢印A方向に回転する。また、感光体ドラム111の周面には、静電潜像が形成される。
帯電部112は、感光体ドラム111の周面を予め定めた電位に帯電する。
露光部113は、帯電した感光体ドラム111の周面に光を照射し、感光体ドラム111の周面に静電潜像を形成する。
現像部114は、感光体ドラム111の周面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。
【0012】
一次転写部115は、感光体ドラム111の周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト12上に転写する。
一次転写部115には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、感光体ドラム111の周面に形成されたトナー像が、中間転写ベルト12上に順次静電吸引され、中間転写ベルト12上には、1つに重なり合ったカラーのトナー像が形成される。
【0013】
ベルト部材の一例としての中間転写ベルト12は、複数のロール状部材によって支持されている。中間転写ベルト12は、無端状に形成され、図中矢印B方向に循環移動する。また、中間転写ベルト12は、外周面12Aおよび内周面12Bを備える。
中間転写ベルト12は、被搬送体の一例であるトナー像の搬送に用いられる。本実施形態では、中間転写ベルト12の外周面12A上にトナー像が形成され、このトナー像は、中間転写ベルト12の移動によって、二次転写部13へ搬送される。
【0014】
本実施形態では、中間転写ベルト12の内側に配置されたロール状部材として、不図示のモータにより駆動され中間転写ベルト12を駆動する駆動ロール121が設けられている。
さらに、ロール状部材として、中間転写ベルト12を支持するアイドルロール123、およびバックアップロール132が設けられている。
これらのロール状部材は、回転可能に設けられ、中間転写ベルト12の一方の面の一例である内周面12Bに押し当てられている。
【0015】
また、本実施形態では、ロール状部材として、中間転写ベルト12に対して張力を与えるとともに中間転写ベルト12の幅方向における位置の制御に用いられるテンションロール122が設けられている。
このテンションロール122についても、回転可能に設けられ、中間転写ベルト12の内周面12Bに押し当てられている。
テンションロール122は、中間転写ベルト12に対して張力を与える。また、テンションロール122は、中間転写ベルト12の移動方向と直交する方向における中間転写ベルト12の位置の制御に用いられる。
【0016】
また、本実施形態では、中間転写ベルト12の内周面12Bに向けてテンションロール122を押圧する押圧部材の一例としての第1ばね91、第2ばね92が設けられている。
図1では、第1ばね91のみを表示している。第2ばね92は、
図1の紙面と直交する方向において、第1ばね91の奥側に配置されている。言い換えると、第2ばね92は、画像形成装置1のリア側に配置されている。
本実施形態では、第1ばね91は、テンションロール122の軸方向における一端部122Aを、中間転写ベルト12の内周面12Bに向けて押圧する。第2ばね92は、テンションロール122の軸方向における他端部122B(
図1では不図示)を、中間転写ベルト12の内周面12Bに向けて押圧する。
【0017】
本実施形態では、第1ばね91、第2ばね92は、コイルばねにより構成されている。なお、第1ばね91、第2ばね92には、コイルばねに限らず、他の種類のばねを用いてもよい。また、第1ばね91、第2ばね92は、圧縮ばねに限らず、引っ張りばねを用いてもよい。
本実施形態では、中間転写ベルト12、駆動ロール121、テンションロール122、アイドルロール123、バックアップロール132、第1ばね91、第2ばね92が設けられている部分は、被搬送体の一例であるトナー像を搬送する搬送装置として捉えることができる。
【0018】
用紙搬送部20には、複数枚の用紙Pが積み重ねられた状態で収容される用紙収容部21、用紙収容部21に収容された用紙Pを取り出して搬送するピックアップロール22が設けられている。
また、用紙搬送部20には、ピックアップロール22にて取り出された用紙Pを用紙搬送経路60に沿って搬送する搬送ロール23、搬送ロール23により搬送されてきた用紙Pを二次転写部13へ案内する用紙案内部24が設けられている。
さらに、用紙搬送部20には、二次転写後の用紙Pを定着器14へと搬送する搬送ベルト25、定着後の用紙Pを冷却器15へ案内する用紙案内部26が設けられている。
【0019】
二次転写部13には、中間転写ベルト12の外周面12Aに接触配置される二次転写ロール134と、中間転写ベルト12の内周面12B側に配置され二次転写ロール134の対向電極をなすバックアップロール132とが設けられている。
また、本実施形態では、バックアップロール132に対し二次転写バイアスを印加する金属製の給電ロール133が設けられている。
このように構成された二次転写部13は、中間転写ベルト12により二次転写部13まで搬送されてきたトナー像を、搬送されてきた用紙P上に転写する。
【0020】
定着器14は、二次転写部13よりも用紙Pの搬送方向における下流側に配置されている。定着器14には、加熱源を有する定着ロール141と、定着ロール141に対向するように設けられこの定着ロール141を押圧する加圧ロール142とが設けられている。
定着ロール141と加圧ロール142との間に、二次転写部13を通過した用紙Pが搬送されると、用紙P上の未定着のトナー像は、溶融されたうえで用紙P上に定着される。これにより、用紙P上に、トナー像からなる画像が形成される。
さらに、本実施形態では、定着器14よりも用紙Pの搬送方向における下流側に、定着器14から搬送されてきた用紙Pの冷却を行う冷却器15が設けられている。
【0021】
図2(A)~(C)は、
図1の矢印IIで示す方向からテンションロール122等を見た場合の図である。
図2(A)に示す通り、また、上記にて説明した通り、本実施形態では、押圧部材の一例としての第1ばね91、第2ばね92が設けられている。
一端部側押圧部材の一例としての第1ばね91は、テンションロール122の一端部122Aを、中間転写ベルト12の内周面12B側に向けて押圧する。
他端部側押圧部材の一例としての第2ばね92は、テンションロール122の他端部122Bを、中間転写ベルト12の内周面12B側に向けて押圧する。
第1ばね91、第2ばね92は、
図2の紙面に直交する方向において、テンションロール122の奥側に配置され、このテンションロール122を、
図2の手前側方向へ押圧する。
【0022】
また、本実施形態では、
図2(A)に示すように、回転部材の一例であるテンションロール122に傾きを付与するための案内部80が設けられている。具体的には、本実施形態では、案内部80として、第1案内部80Aおよび第2案内部80Bが設けられている。
第1案内部80Aは、テンションロール122の一端部122A側に位置し、第2案内部80Bは、テンションロール122の他端部122B側に位置する。
第1案内部80Aおよび第2案内部80Bの各々には、テンションロール122の軸方向および径方向の両者に対して傾斜した傾斜面82が設けられている。
【0023】
さらに、本実施形態では、テンションロール122に、案内部80により案内される被案内部150が設けられている。
具体的には、本実施形態では、被案内部150として、第1案内部80Aにより案内される第1被案内部150A、第2案内部80Bにより案内される第2被案内部150Bが設けられている。
さらに、本実施形態では、テンションロール122を、第1案内部80A、第2案内部80Bが設けられている側に付勢する付勢用ばね97が設けられている。
本実施形態では、この付勢用ばね97によって、第1案内部80Aに対して第1被案内部150Aが押し当てられ、第2案内部80Bに対して第2被案内部150Bが押し当てられる。
【0024】
本実施形態では、中間転写ベルト12の幅方向への中間転写ベルト12の移動に応じて、中間転写ベルト12が、例えば、
図2(B)に示すように、第1被案内部150Aに突き当たる。これに応じ、本実施形態では、第1案内部80Aの傾斜面82に対して第1被案内部150Aが押し当てられる。
第1案内部80Aの傾斜面82に対して、第1被案内部150Aが押し当てられると、
図2(C)に示すように、第1被案内部150Aが、テンションロール122を挟み第1案内部80Aが設けられている側とは反対側RWへ移動する。これに伴い、
図2(C)に示すように、テンションロール122が傾斜する。
【0025】
本実施形態では、第1案内部80A、第2案内部80Bの各々に設けられた傾斜面82は、この第1案内部80A、第2案内部80Bの何れかの案内部80に押し付けられた被案内部150を、テンションロール122を挟みこの案内部80が設けられている側とは反対側RWへ移動させる。
これにより、本実施形態では、
図2(C)に示すように、テンションロール122が傾斜する。
【0026】
テンションロール122が傾斜すると、中間転写ベルト12が、
図2(C)の矢印2Xで示す方向へ移動する。
具体的には、テンションロール122が傾斜すると、テンションロール122が有する一端部122Aおよび他端部122Bのうち、反対側RWへの移動量が少ない方の端部である他端部122B側へ、中間転写ベルト12が移動する。
【0027】
以上の動きにより、本実施形態では、中間転写ベルト12の幅方向であって一方向へ、中間転写ベルト12が移動したとしても、自動的に、この一方向とは反対方向へ、中間転写ベルト12が移動する。
言い換えると、本実施形態では、中間転写ベルト12の蛇行によって、中間転写ベルト12が、中間転写ベルト12の幅方向且つ一方向へ移動したとしても、自動的に、この一方向とは反対方向へ、中間転写ベルト12が戻る。
【0028】
本実施形態では、中間転写ベルト12が幅方向且つ上記の一方向へ移動し、第1案内部80Aに対して第1被案内部150Aが押してられると、テンションロール122の一端部122Aが、上記の通り、反対側RWへ移動する。
より具体的には、本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aは、
図2(C)に示すように、図中矢印2Eで示す方向である下方に向かって移動する。
言い換えると、テンションロール122の一端部122Aは、中間転写ベルト12が移動する方向である中間転写ベルト12の幅方向に交差する方向に向かって移動する。
【0029】
本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aおよび他端部122Bは、予め定められた移動方向であるこの下方への移動が可能に設けられている。また、テンションロール122の一端部122Aおよび他端部122Bは、この下方とは反対の方向である上方への移動が可能に設けられている。
本実施形態では、テンションロール122のこの移動によって、テンションロール122に傾きが生じ、この傾きによって、上記の通り、中間転写ベルト12が、中間転写ベルト12の幅方向へ移動する。
【0030】
図3は、テンションロール122等を拡大した図である。
本実施形態では、上記の通り、テンションロール122の一端部122Aを中間転写ベルト12の設置側に向けて付勢する第1ばね91が設けられている。
また、
図3では図示は省略するが、本実施形態では、上記の通り、テンションロール122の軸方向における他端部122Bを、中間転写ベルト12の設置側に向けて付勢する第2ばね92が設けられている。
【0031】
本実施形態では、上記の通り、テンションロール122は、
図3の矢印3Aで示す方向である、予め定められた移動方向200への移動が可能となっている。
なお、以下の説明では、主に、テンションロール122の一端部122Aの動きを説明するが、テンションロール122の他端部122Bも、一端部122Aと同様の動きを行う。
図3に示す状態では、押圧部材の一例としての第1ばね91によるテンションロール122の押圧方向300と、テンションロール122の移動方向200とが直交する関係となっている。
【0032】
図3に示す状態では、第1ばね91によるテンションロール122の押圧方向300が、テンションロール122の移動方向200と直交している。
言い換えると、
図3に示す状態では、第1ばね91によるテンションロール122の押圧方向300と、中間転写ベルト12の幅方向への移動に起因して生じるテンションロール122の移動の方向とが直交している。
本明細書では、「テンションロール122の移動方向200」とは、中間転写ベルト12の幅方向への移動に起因して、テンションロール122がこの幅方向と交差する方向へ移動する場合における、この移動の方向を指す。
【0033】
図3に示すように、第1ばね91によるテンションロール122の押圧方向300と、テンションロール122の移動方向200とが直交する場合、第1ばね91による押圧によって、テンションロール122の移動方向200へテンションロール122が移動することは生じない。
具体的には、第1ばね91による押圧によって、テンションロール122が図中斜め左下方向や図中斜め右上方向へ移動することは生じない。
【0034】
図4(A)、(B)は、従来のテンションロール122等の構成を示した図である。
テンションロール122が第1ばね91や第2ばね92によって押圧される構成では、テンションロール122の移動方向200への移動に伴い、第1ばね91、第2ばね92による押圧に起因するテンションロール122の更なる移動が生じるおそれがある。
図4(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aが移動方向200における下流側へ移動した場合、第1ばね91からの力が作用する作用点91Sが、
図4(A)における作用点91Sの位置に比べ、図中斜め左下方向へ移動する。
この場合、第1ばね91を支持する支点91Tが移動しない一方で、第1ばね91からの力がテンションロール122に作用する作用点91Sは、図中斜め左下方向へ移動する。
【0035】
この場合、
図4(B)に示すように、テンションロール122の移動方向200と、第1ばね91による押圧方向300とが直交しない関係となり、第1ばね91による押圧によって、テンションロール122が、移動方向200における下流側へ移動しやすくなる。
この下流側へのテンションロール122の移動が起きると、案内部80(
図2参照)から被案内部150が離れたりし、中間転写ベルト12の挙動が不安定となるおそれがある。
具体的には、第1案内部80Aから第1被案内部150Aが離れたり、第2案内部80Bから第2被案内部150Bが離れたりし、中間転写ベルト12の挙動が不安定となるおそれがある。
【0036】
案内部80から被案内部150が離れないようにするには、付勢用ばね97(
図2(A)参照)による付勢力を高めればよいが、この場合は、テンションロール122を傾斜させるための力がより必要となる。言い換えると、この場合、上記の幅方向且つ一方向へ移動した中間転写ベルト12を反対方向へ移動させるのに要する力が大きくなる。
この場合、テンションロール122に傾斜を生じさせる際に中間転写ベルト12に作用する負荷が大きくなり、中間転写ベルト12の損傷等を招きやすくなる。
【0037】
このように、テンションロール122の移動方向200と、第1ばね91による押圧方向300との関係が変化する構成では、中間転写ベルト12の挙動が不安定となったり、中間転写ベルト12の損傷等を招きやすくなったりする。
これに対し、以下の説明する本実施形態の構成では、第1ばね91、第2ばね92による押圧によるテンションロール122の移動が生じにくい構成となっており、不具合が生じにくい。
【0038】
図5(A)、(B)は、本実施形態の構成を説明する図である。
図5(A)は、画像形成装置1のフロント側からテンションロール122等を見た場合の状態を示し、(B)は、画像形成装置1の上方からテンションロール122等を見た場合の状態を示している。なお、この
図5では、中間転写ベルト12の図示を省略している。
【0039】
図5(B)に示すように、本実施形態では、テンションロール122の軸方向と直交する方向に沿って延びる回転軸501と、この回転軸501により支持されテンションロール122を支持する支持部材502とを備える。
回転軸501は、画像形成装置1の本体側に設けられた支持フレーム503により支持されている。
【0040】
支持部材502には、テンションロール122の軸方向と直交(交差)する方向に沿って延び、テンションロール122の一端部122Aを支持する第1支持部502Aが設けられている。
本実施形態では、第1ばね91は、第1支持部502Aに取り付けられ、この第1支持部502Aにより支持されている。
第1支持部502Aには、この第1支持部502Aの長手方向に沿って延びる長穴89が形成されている。言い換えると、第1支持部502Aには、第1ばね91によるテンションロール122の押圧方向300に沿って延びる長穴89が形成されている。
テンションロール122の一端部122Aは、この長穴89内に配置されている。
【0041】
また、
図5(B)に示すように、支持部材502には、テンションロール122の軸方向と直交(交差)する方向に沿って延び、テンションロール122の他端部122Bを支持する第2支持部502Bが設けられている。
第2ばね92は、この第2支持部502Bに取り付けられ、この第2支持部502Bにより支持されている。
第2支持部502Bにも、この第2支持部502Bの長手方向に沿って延びる長穴89が形成されている。言い換えると、第2支持部502Bにも、第2ばね92によるテンションロール122の押圧方向300に沿って延びる長穴89が形成されている。
テンションロール122の他端部122Bは、この長穴89内に配置されている。
【0042】
さらに、支持部材502には、テンションロール122の軸方向に沿って延び、回転軸501を中心に回転する回転部502Cが設けられている。
この回転部502Cは、回転軸501に接続され、この回転軸501を中心に回転する。
第1支持部502Aおよび第2支持部502Bは、この回転部502Cに接続され、この回転部502Cによって支持されている。
【0043】
支持部材502は、回転軸501を中心として可能となっており、テンションロール122の一端部122Aが上記の移動方向200における下流側へ移動する際、支持部材502は、回転軸501を中心として回転する。
この場合、テンションロール122の軸方向における一端部122Aは、
図5(A)の矢印5Eで示す移動方向200へ移動する。より具体的には、この一端部122Aは、図中下方に向かって移動する。
また、この際、テンションロール122の軸方向における他端部122B(
図5(B)参照)は、
図5(A)において、上方に向かって移動する。
【0044】
図6(A)、(B)は、テンションロール122の一端部122A等の動きを示した図である。
本実施形態では、
図6(A)に示す状態から、
図6(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200における下流側へ移動すると、押圧部材の一例である第1ばね91は、この移動方向200に対する角度θを保った状態でこの移動方向200へ移動する。
言い換えると、本実施形態では、テンションロール122の移動方向200に対する第1ばね91の傾きが保たれた状態で、第1ばね91が移動する。言い換えると、本実施形態では、テンションロール122の移動方向200に対する第1ばね91の姿勢が保たれた状態で、第1ばね91が移動する。
【0045】
この場合、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200へ移動したとしても、この移動方向200における下流側へ、この一端部122Aが押圧される事態が生じないようになる。そして、この場合、上記の不具合の発生が抑制される。
本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aの移動の前後において、テンションロール122の一端部122Aの押圧方向300が変化しない形となる。
この場合、第1ばね91の押圧に起因する、テンションロール122の一端部122Aの変位が抑制される。そして、この場合、上記の不具合の発生が抑制される。
【0046】
図6(A)に示すように、押圧部材の一例としての第1ばね91、第2ばね92(
図6では不図示)の各々は、テンションロール122側に位置しテンションロール122に接続される接続側端部181と、この接続側端部181とは反対側に位置する反対側端部182とを有する。
本実施形態では、第1ばね91の反対側端部182は、第1支持部502Aのうちの符号6Cで示す部分に接続され、反対側端部182は、第1支持部502Aによって支持されている。
なお、第2ばね92(
図6では不図示)、第2支持部502Bについても、第1ばね91、第1支持部502Aと同様に構成されている。
【0047】
「第1ばね91、第2ばね92が、テンションロール122に接続される」とは、第1ばね91、第2ばね92が、テンションロール122に直接接続されるのに限らず、第1ばね91、第2ばね92が、他の部材を介して、テンションロール122に接続される態様も含む。
この場合、第1ばね91、第2ばね92のうちの、この他の部材に接続される端部が、接続側端部181となる。
【0048】
本実施形態では、
図6(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200における下流側へ移動した場合、第1ばね91の反対側端部182も、矢印6Dに示すように、この移動方向200における下流側へ移動する。
本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200における下流側へ移動した場合、第1支持部502Aが平行移動を行い、これにより、第1ばね91の反対側端部182も、この移動方向200における下流側へ移動する。
本実施形態では、接続側端部181のみならず、接続側端部181および反対側端部182の両者が、この下流側へ移動する。
本実施形態では、このように、反対側端部182も移動方向200における下流側へ移動することで、この移動方向200に対する第1ばね91の角度θが保たれる。
【0049】
反対側端部182(
図6(B)参照)が移動方向200へ移動する構成の場合、接続側端部181のみが移動する
図4の構成に比べ、移動方向200に対する第1ばね91の角度θの変化が小さくなる。
本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aが移動する前の状態のときの角度θと、テンションロール122の一端部122Aが移動した後の状態のときの角度θとの差が小さい。
このように、移動方向200に対する第1ばね91の角度θの変化が小さいと、第1ばね91によるテンションロール122の押圧方向300と、テンションロール122の移動方向200とが略直交する関係が保たれやすくなり、上記の不具合が生じにくくなる。
【0050】
本実施形態では、
図6(B)に示すように、第1ばね91の反対側端部182は、テンションロール122の一端部122Aが移動方向200に沿って移動する際に通る経路R1に沿った経路R2に沿って移動する。
また、本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aが移動方向200へ移動する際の移動量と、第1ばね91の反対側端部182がこの移動方向200における下流側へ移動する際の移動量とが一致する。
これにより、本実施形態では、テンションロール122の一端部122Aの移動前における、移動方向200に対する第1ばね91の角度θと、テンションロール122の一端部122Aの移動後における、移動方向200に対する第1ばね91の角度θとが同じとなる。
【0051】
なお、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200へ移動する際の移動量と、第1ばね91の反対側端部182が、移動方向200における下流側へ移動する際の移動量とを一致させなくてもよい。
テンションロール122の一端部122Aの移動量よりも、反対側端部182の移動量の方を小さくしたり、大きくしたりしてもよい。
この場合であっても、
図4に示した、反対側端部182が全く移動しない構成に比べれば、発生する不具合の程度を減じられる。
【0052】
本実施形態では、第1ばね91(
図5(B)参照)は、反対側端部182から接続側端部181に向かう方向に沿う軸の周りを移動可能に設けられている。
具体的には、本実施形態では、回転軸501が、反対側端部182から接続側端部181に向かう方向に沿う軸となっており、第1ばね91は、この回転軸501の周りを移動する。
【0053】
本実施形態では、第1ばね91が、回転軸501の周りを移動することで、第1ばね91の接続側端部181および反対側端部182の両者が移動する。
なお、「第1ばね91が回転軸501の周りを移動する」とは、回転軸501を延長した延長線の周りを第1ばね91が移動する態様も含む概念である。
本実施形態では、回転軸501は、第1ばね91による押圧方向300に沿う軸となっており、本実施形態では、第1ばね91が、この押圧方向300に沿う回転軸501の周りを移動する。
【0054】
第1ばね91による押圧方向300に沿うこの回転軸501は、
図5(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aよりもテンションロール122の他端部122B側に位置する。
第1ばね91は、テンションロール122の一端部122Aよりも他端部122B側に位置するこの回転軸501の周りを移動する。
さらに、本実施形態では、第1ばね91および第2ばね92の両者が、回転軸501の周りを移動する。本実施形態では、第1ばね91、第2ばね92のこの2つのばねが、共通の回転軸501の周りを移動する。
第1ばね91、第2ばね92は、回転軸501の延長線上に位置しておらず、支持部材502の回転中心となるこの回転軸501に対して、偏心した状態で設けられている。
【0055】
図7(A)、(B)は、テンションロール122を押圧する機構の他の構成例を示した図である。
この構成例でも、上記と同様、テンションロール122の軸方向と直交する方向に沿って延びる回転軸501と、この回転軸501により支持されテンションロール122を支持する支持部材502とが設けられている。
さらに、この構成例では、回転軸501の周囲に、支持部材502を中間転写ベルト12(
図7では不図示)の内周面12B側に向けて付勢するばね部材505が設けられている。
【0056】
この構成例では、支持部材502に設けられた第1支持部502Aおよび第2支持部502Bが、テンションロール122を押圧する押圧部材として機能する。
言い換えると、この構成例では、支持部材502のうちのテンションロール122側に位置する2つの先端部502Tの各々が、押圧部材として機能する。
この構成例では、押圧部材として機能するこの第1支持部502A、第2支持部502Bが、付勢手段の一例であるばね部材505からの付勢力を受けてテンションロール122に向かい、このテンションロール122を中間転写ベルト12に押し当てる。
【0057】
この構成においても、
図8(テンションロール122等の動きを示した図)の(A)、(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aが移動方向200における下流側へ移動すると、支持部材502(
図7(B)参照)が、回転軸501を中心として回転する。
これにより、この場合も、第1支持部502A(
図8(A)、(B)参照)の全体が、平行移動を行い、第1支持部502Aが、テンションロール122の移動方向200に沿って移動する。
【0058】
これにより、この場合も、上記と同様、テンションロール122の移動方向200に対する、第1支持部502Aの角度θが保たれた状態で、第1支持部502Aが移動する。
言い換えると、この構成例においても、第1支持部502Aに設けられた接続側端部181(
図8(B)参照)のみではなく、反対側端部182も移動する。
これにより、テンションロール122の移動方向200に対する、第1支持部502A、の角度θが保たれた状態で、第1支持部502Aが移動する。
【0059】
この結果、この構成例においても、テンションロール122の移動方向200へテンションロール122が押圧されることに起因する上記の不具合の発生が抑制される。
ここで、
図5に示した構成例では、第1支持部502A、第2支持部502Bに対応させて第1ばね91、第2ばね92を設けた構成であったが、
図7に示すこの構成例では、ばねが、ばね部材505の1つで済む。
図7に示すこの構成例では、
図5に示した構成例に比べ、部品点数が少なくなりコストの低減を図れる。
【0060】
なお、
図5~
図8にて示した構成例では、テンションロール122の一端部122Aと他端部122Bとの間の中間位置に、回転軸501が設けられた構成であったが、回転軸501の設置位置はこれに限られない。
回転軸501は、この中間位置に限らず、テンションロール122の一端部122A、他端部122Bのうちの一方の端部側に寄せて配置してもよい。
また、
図5~
図8にて示した構成例では、
図5(A)、
図7(A)に示すように、回転軸501の延長線上に、テンションロール122が位置する構成となっているが、回転軸501の延長線から外れた箇所に、テンションロール122が位置する構成であってよい。
【0061】
図9(A)、(B)は、テンションロール122を押圧する機構の他の構成例を示した図である。
図9(A)は、画像形成装置1のフロント側からテンションロール122等を見た場合の状態を示し、
図9(B)は、画像形成装置1の上方からテンションロール122等を見た場合の状態を示している。
【0062】
この構成例では、テンションロール122が、曲率を有した経路R9(
図9(A)参照)に沿って移動する。具体的には、この構成例では、テンションロール122の一端部122A側が、曲率を有した経路R9に沿って移動する。
この構成例では、テンションロール122の一端部122Aを支持する支持部材780であって、テンションロール122の径方向に沿って延びる支持部材780が設けられている。
この構成例では、この支持部材780が、テンションロール122の軸方向に沿って延びる回転軸781を中心に回転する。
これにより、この構成例では、テンションロール122の一端部122A側が、曲率を有する経路R9に沿って移動する。
【0063】
支持部材780は、回転軸781を介して、支持フレーム503により支持され、支持フレーム503に対する移動であって、回転軸781の周方向への移動を行えるようなっている。
また、この構成例では、テンションロール122の他端部122Bは、支持フレーム503に固定されており、テンションロール122の他端部122Bは移動しない。
なお、テンションロール122の一端部122A側に限らず、テンションロール122の他端部122B側も、曲率を有した経路に沿って移動するようにしてもよい。
【0064】
さらに、この構成例では、
図9(A)に示すように、押圧部材の一例としての第1ばね91が、曲率を有したこの経路R9よりも、この経路R9の曲率中心C1側に配置されている。
本実施形態では、支持部材780が、曲率を有した経路R9よりも、この経路R9の曲率中心C1側に配置されており、これにより、この支持部材780により支持された第1ばね91も、経路R9よりも曲率中心C1側に配置されている。
【0065】
第1ばね91は、支持部材780によって支持されている。
また、この構成例では、第1ばね91の一端部91Aが、回転軸781により支持されている。言い換えると、この構成例では、第1ばね91の反対側端部182が、軸の一例である回転軸781により支持されている。
第1ばね91は、経路R9を挟み曲率中心C1とは反対側に位置する中間転写ベルト12に向けて、テンションロール122の一端部122Aを押圧する。
【0066】
この構成例では、回転軸781(
図9(A)参照)の周りを第1ばね91が移動可能になっている。この回転軸781は、
図9(B)に示すように、テンションロール122の軸方向に沿う軸となっている。
第1ばね91(
図9(A)参照)は、曲率を有した経路R9よりも曲率中心C1側に位置する回転軸781であって、テンションロール122の軸方向に沿う回転軸781の周りを移動する。
さらに、この構成例では、共通の1つの支持部材780によって、テンションロール122および第1ばね91が支持されている。また、この構成例では、経路R9の曲率中心C1の位置と、曲率中心C1側に位置する回転軸781の位置とが一致する。
【0067】
この構成例でも、上記と同様、テンションロール122の一端部122Aの移動方向200に対する第1ばね91の角度θが保たれるようになる。
具体的には、この構成例では、
図10(テンションロール122等の動きを示した図)の(A)、(B)に示すように、テンションロール122の一端部122Aが、移動方向200における下流側へ移動したとしても、テンションロール122の一端部122Aの移動方向200に対する第1ばね91の角度θが保たれる。
【0068】
具体的には、この構成例では、テンションロール122の一端部122Aの移動前においては、
図10(A)に示すように、移動方向200に対する第1ばね91の角度θは、概ね90°となっている。
また、この構成例では、テンションロール122の一端部122Aの移動後においても、
図10(B)に示すように、移動方向200に対する第1ばね91の角度θが概ね90°となっている。
この構成例においても、上記と同様、テンションロール122の移動方向200における下流側に向けて、テンションロール122が押圧されることが抑制される。これにより、この場合も、テンションロール122の移動に起因する上記の不具合の発生が抑制される。
【0069】
なお、
図9にて示すこの構成例では、中間転写ベルト12(
図9(B)参照)の幅方向において、中間転写ベルト12が支持部材780側へ移動するように、テンションロール122が傾斜している。
言い換えると、この構成例では、装置の初期の設定として、テンションロール122に対して傾斜が付与されており、装置が稼働状態にあるときには、中間転写ベルト12が、
図9(B)における下方向へ移動する。
【0070】
このため、この構成例では、中間転写ベルト12の駆動が開始されると、中間転写ベルト12は、中間転写ベルト12の幅方向であって、支持部材780が設けられている側へ次第に移動する。
そして、この構成例では、中間転写ベルト12が、予め定められた箇所へ達すると、上記と同様、テンションロール122の一端部122A側に設けられた第1案内部80A(
図2参照)に対して、第1被案内部150Aが押し当てられる。
【0071】
なお、
図2では、付勢用ばね97が用いられて、第1案内部80Aへの第1被案内部150Aの押し当てが行われる構成であったが、第1案内部80Aへの第1被案内部150Aの押し当ては、他の構成を用いて行ってもよい。
例えば、回転軸781(
図9(B)参照)の周囲に、回転軸781を中心として支持部材780を回転させるねじりコイルばねを設け、このねじりコイルばねを用い、第1案内部80Aへの第1被案内部150Aの押し当てを行ってもよい。
【0072】
第1案内部80Aに対して、第1被案内部150Aが押し当てられると、テンションロール122が、それまで傾いていた方向とは逆方向へ傾く。これにより、中間転写ベルト12は、支持部材780側とは反対側へ移動する。
反対側へ中間転写ベルト12が移動すると、第1案内部80Aへの第1被案内部150Aの押し当て力が低下し、テンションロール122の傾きが元の傾きに戻る。これにより、中間転写ベルト12が、支持部材780側へ再び移動する。
図9に示す構成例では、支持部材780側への中間転写ベルト12の移動、支持部材780から離れる方向への中間転写ベルト12の移動が繰り返し行われる。
【0073】
図11(A)、(B)は、他の構成例を示した図である。
この構成例でも、テンションロール122の軸方向に沿った回転軸781を中心に回転可能に設けられた支持部材780が設けられている。
テンションロール122の一端部122A、第1ばね91は、この支持部材780により支持されている。
この構成例でも、支持部材780が回転軸781を中心として回転することで、回転軸781の周りを第1ばね91が移動する。
【0074】
この構成例では、第1ばね91の反対側端部182が、回転軸781により支持されずに、第1ばね91の反対側端部182は、支持部材780に設けられた支持部789であって、回転軸781とは別に設けられた支持部789によって支持されている。
反対側端部182は、回転軸781により支持するのに限らず、このように、回転軸781とは別に設けられた支持部789によって支持してもよい。
さらに、この構成例では、支持部材780のうちの回転軸781側とは反対側に位置する端部を案内する案内部980が設けられている。本実施形態では、この案内部980が設けられることで、案内部980が無い構成に比べ、支持部材780の挙動が安定化する。
【0075】
(その他)
上記では、被搬送体を搬送する搬送装置の一例として、トナー像を搬送する搬送装置を一例に説明したが、搬送の対象となる被搬送体は、トナー像に限られない。搬送の対象となる被搬送体としては、その他に、例えば、用紙Pが挙げられる。
定着器14(
図1参照)においては、ベルト部材が設けられ、このベルト部材によって用紙Pが搬送されながら、定着が行われる場合がある。
定着器14においても、
図5~
図11にて説明した構成を設けることで、ベルト部材に押し付けられる回転部材の押圧方向の変化に起因する上記の不具合の発生が抑制される。
【0076】
また、その他に、例えば、二次転写部13(
図1参照)においても、ベルト部材が用いられて用紙Pの搬送が行われる場合があり、この場合も、
図5~
図11にて説明した構成を設けることで、上記の不具合の発生が抑制される。
具体的には、二次転写部13では、二次転写ロール134の代わりに、循環移動を行うベルト部材が設けられる場合があり、この場合に、
図5~
図11にて説明した構成を設けると、上記の不具合の発生が抑制される。
【0077】
さらに、本実施形態では、
図1にて示した搬送ベルト25、冷却器15でも、ベルト部材が用いられて用紙Pの搬送が行われる。この搬送ベルト25、冷却器15においても、
図5~
図11にて説明した構成を設けることで、上記の不具合の発生が抑制される。
また、上記にて説明した構成は、画像形成に際し搬送される被搬送体を搬送する装置に限らず、画像形成とは関係がない装置に対して適用してもよい。
この画像形成とは関係がない装置においても、
図5~
図11にて説明した構成を設けることで、上記の不具合の発生が抑制される。
【0078】
また、上記では、テンションロール122が中間転写ベルト12の内周面12B(
図1参照)に押し当てられる構成について説明した。言い換えると、上記では、ベルト部材の内周面に対して回転部材が押し当てられる構成について説明した。
図5~
図11にて説明した構成は、中間転写ベルト12などのベルト部材の外周面に対して回転部材が押し当てられる構成に対して適用してもよい。
【0079】
また、その他に、
図12(テンションロール122等の他の構成例を示した図)に示すように、第1ばね91、第2ばね92(
図12では不図示)の各々を支持する支持部12Xを、別個独立に設けてもよい。
この構成例では、支持部12Xの各々が、テンションロール122の移動方向200に沿った案内部80により案内される。さらに、この構成例では、案内部80に対する支持部12Xの姿勢が保たれる構成となっている。
この場合も、上記と同様、テンションロール122の一端部122Aや他端部122Bが、移動方向200へ移動したとしても、この移動方向200に対する第1ばね91や第2ばね92の姿勢が保たれた状態で、第1ばね91や第2ばね92が移動する。
【0080】
言い換えると、この場合も、テンションロール122の一端部122Aや他端部122Bの移動方向200に対する第1ばね91や第2ばね92の角度θが保たれた状態で、第1ばね91や第2ばね92が移動する。
図5~
図8にて示した構成例では、第1ばね91、第2ばね92が共通の支持部材502に取り付けられ、第1ばね91と第2ばね92とが連動する構成であった。
ところで、これに限らず、
図12に示すように、第1ばね91と第2ばね92とが個別に移動できるようにしたうえで、移動方向200に対する第1ばね91や第2ばね92の角度θが保たれるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…画像形成装置、12…中間転写ベルト、12A…外周面、12B…内周面、91…第1ばね、92…第2ばね、122…テンションロール、181…接続側端部、182…反対側端部、502A…第1支持部、502B…第2支持部、780…支持部材、781…回転軸、980…案内部、C1…曲率中心、R1…経路、R2…経路、R9…経路