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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014294
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】ユーザ認証を行うシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230119BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192658
(22)【出願日】2022-12-01
(62)【分割の表示】P 2021008530の分割
【原出願日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】P 2020036475
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020173684
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】516046134
【氏名又は名称】株式会社オーガスタス
(74)【代理人】
【識別番号】100107674
【弁理士】
【氏名又は名称】来栖 和則
(72)【発明者】
【氏名】吉川 幸孝
(72)【発明者】
【氏名】吉川 明宏
(57)【要約】
【課題】ユーザによる対象物であって不動産または動産であるものの利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する技術を提供する。
【解決手段】対象物20に設けられた入出庫管理装置210は、受信部210を有する。ユーザが、対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末90を介してオンラインで行った場合に、管理サーバ50が、ユーザに認証コードを受信部210と通信端末90とに遠距離通送信する。受信部210は、認証コードを遠距離受信するとともに、現在時刻がユーザが対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件が成立することを条件に、通信端末90から、ユーザによって認証コードとして入力されたものを近距離受信する。入出庫管理装置210は、認証コードの照合に成功するとユーザを正規のユーザとして認証する。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる対象物であって不動産または動産であるものの利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
前記対象物に設けられる機器と、
ユーザが、前記対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末を介してオンラインで行った場合に、ユーザに固有の認証コードを前記機器と前記通信端末とに遠距離無線通信方式で送信する管理サーバと
を含み、
前記機器は、
前記管理サーバから前記認証コードを遠距離無線通信方式で受信する遠距離受信部と、
現在時刻がユーザが前記対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件を含む少なくとも一つの条件が成立することを条件に、ユーザによって認証コードとして前記通信端末に入力されたものをその通信端末から近距離無線通信方式で受信する近距離受信部と、
前記管理サーバから遠距離無線通信方式で受信した認証コードと、前記通信端末から近距離無線通信方式で受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、ユーザを前記対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証部と
を含むユーザ認証システム。
【請求項2】
ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証方法であって、
ユーザが、前記対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末を介してオンラインで行った場合に、ユーザに固有の認証コードを遠距離無線通信方式で送信する認証コード送信工程と、
その送信された認証コードを前記通信端末が遠距離無線通信方式で受信する遠距離受信工程と、
現在時刻がユーザが前記対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件を含む少なくとも一つの条件が成立することを条件に、ユーザによって認証コードとして前記通信端末に入力されたものをその通信端末から、前記対象物において、近距離無線通信方式で受信する近距離受信工程と、
前記対象物において、前記遠距離無線通信方式で受信した認証コードと、前記近距離無線通信方式で受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、ユーザを前記対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証工程と
を含むユーザ認証方法。
【請求項3】
前記必要な行為は、前記対象物に関連付けて、前記通信端末のユーザが料金を電子決済によって前払いまたは後払いする行為を含む請求項1に記載のユーザ認証システム。
【請求項4】
前記認証コードは、イメージ・リーダーを用いなくてもユーザが解読できる形象として構成される請求項1に記載のユーザ認証システム。
【請求項5】
前記形象は、数字列、英字列または英数字列として構成される請求項4に記載のユーザ認証システム。
【請求項6】
請求項1に記載のユーザ認証システムのために実行されるプログラムであって、
前記認証コード発行部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項1に記載のユーザ認証システムのために実行されるプログラムであって、
前記認証コード受信部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項1に記載のユーザ認証システムのために実行されるプログラムであって、
前記ユーザ認証部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項6に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
【請求項10】
請求項7に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
【請求項11】
請求項8に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する技術の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザによる対象物(例えば、不動産、不動産に定着した建物、動産)の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する技術が既に存在する。
【0003】
上記のユーザ認証技術は、一例においては、ユーザが、対象物が存在しない場所において、その対象物の利用前に、その対象物について利用権限を獲得し、その後、ユーザが、対象物が存在する場所において、ユーザによる対象物の利用直前に、そのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する技術として具現化される。
【0004】
上記のユーザ認証技術は、別の例においては、ユーザが、対象物が存在する場所において、その対象物の利用前に、その対象物について利用権限を獲得し、その後、ユーザによる対象物の利用直前に、そのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する技術として具現化される。
【0005】
それら例のいずれにおいても、今回のユーザが正規のユーザであると認証されると、前記対象物の位置において、前記認証に成功したという事実(すなわち、ユーザが前記対象物の利用権限を有するという事実)を示す証(証印、トークン、許可証、インディーシャなど)をユーザに発行する技術が付随する。ここに、「証」の一例は、ユーザに発行される物理的なチケットである。
【0006】
ここに、「対象物」としては、例えば、公共交通機関(例えば、列車、バス、飛行機など)の停車場(例えば、駅、バス停、空港など)または公共交通機関内の各座席がある。さらに、駐車場(駐輪場を含む。)または駐車場内の各車室もある。さらに、観客収容施設もある。ここに、「観客収容施設」としては、例えば、コンサート・ホールまたはそれの各座席、野球場またはそれの各座席、映画館またはそれの各座席などがあるが、これらに限定されない。
【0007】
「対象物」としては、さらに、飲食店または飲食店内の各テーブルもある。さらに、図書館などの公共施設またはそれの各座席もある。さらに、宿泊施設(例えば、ホテルまたはそれの各部屋、旅館またはそれの各部屋、民泊(住宅宿泊)のための居宅またはそれの各部屋)もある。さらに、ロッカー・ルーム、ロッカー・ルーム内の各ロッカーまたは各ロッカー内の各個室などがあるが、これらに限定されない。
【0008】
ここに、「チケット」という用語は、広義に解釈され、例えば、一定の権限を有することを示す証拠(例えば、代金支払い済みの証拠)となる物体であり、入場券、乗車券、食券、駐車券、切符、カード、トークン、許可証などと称されることもある。
【0009】
また、対象物の利用権限を獲得するために、ユーザが料金を支払うことを条件とする場合もあれば、ユーザが料金を支払うことを条件とはしない場合もある。後者の場合、対象物の利用権限を獲得するための他の条件として、例えば、ユーザが特定の場所に住んでいるという条件、ユーザが特定の事業体に関係しているという条件、ユーザが特定のクラブ、協会または団体の会員であるという条件、ユーザが特定の資格(例えば、ユーザが、対象物にとっての隣接店舗で所定額以上の買い物をすることによって取得される資格)を有するという条件などがあるが、これらに限定されない。
【0010】
対象物の一例として駐車場があり、以下、駐車場を例にとり、具体的に検討する。
【0011】
車両のための複数の駐車位置(駐車スペース、車室など)を有する駐車場が既に広く普及している。この種の駐車場は、駐車位置への車両の搬送方式の観点で分類すると、ユーザが自ら車両を運転して駐車位置に搬送する方式と、パレットやケージを機械的に移動させて車両を機械的に駐車位置に搬送する機械式とに分類される。また、その駐車場は、ユーザに無料で貸される場合もあれば、有料で貸される場合もある。有料駐車場は、ユーザに貸す時間の長さという観点で分類すれば、月極めと、時間貸し(「日貸し」を含む。)とに分類される。
【0012】
時間貸し駐車場は、駐車料金の支払い方式という観点で分類すれば、駐車開始に先立ってユーザが駐車料金を支払う前払い式(ただし、出庫時に、駐車料金の不足分を支払う可能性を含む。)と、駐車終了時にユーザが駐車料金を支払う後払い式とに分類される。
【0013】
前払い式の場合には、駐車に先立ち、ユーザが、駐車時間の長さすなわち駐車料金の額を選択するため、駐車場内の設備であるか駐車場外の設備であるかを問わず、それら設備が駐車料金の額を計算する料金計算機能を有することは不可欠ではない。
【0014】
これに対し、後払い式の場合には、駐車が終了したときにはじめて、駐車時間の長さすなわち駐車料金の額が決まるため、駐車場内の設備および/または駐車場外の設備(または、ユーザの端末)が駐車時間の長さを計算して駐車料金の額を計算する料金計算機能を有することが必要となる。
【0015】
また、前払い式の場合であっても、ユーザの実際の駐車時間の長さが、最初に選択した駐車時間の長さ、すなわち、ユーザが前払いした駐車料金の額に見合う有効駐車時間の長さを超える場合には、ユーザは、その超過分の長さに見合う額の追加駐車料金を後払いすることが必要となる。
【0016】
そのため、そのような追加駐車料金の後払いに対応可能とするために、前払い式の場合であっても、駐車場内の設備および/または駐車場外の設備(または、ユーザの端末)が駐車時間の長さを計算して駐車料金の額を計算する料金計算機能を有することが必要となる。
【0017】
このような背景を有する駐車場においては、駐車場の利用権限をユーザが有することを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムが使用される。
【0018】
この駐車場用発券システムは、有料かつ前払い駐車場については、例えば、ユーザが駐車場に関連付けて駐車料金を前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムとして具体化される可能性がある。
【0019】
特許文献1-6には、駐車場内に設置された場内設備(例えば、精算機、駐車場端末、場内端末など)と、駐車場外に設置された場外設備(例えば、サーバ、中央端末、場外端末など)と、ユーザの端末(例えば、携帯通信端末、車載通信端末など)とをそれぞれハードウエア資源として用いて駐車場を管理する技術が開示されている。
【0020】
それら6件の特許文献のうち、特許文献6には、駐車場の利用権限を有するユーザの通信端末に管理サーバがパスワードを送信し、そのパスワードを通信端末から管理サーバに送信することにより、ユーザが駐車場の利用権限を有するか否かを管理サーバが判定する技術が開示されている。
【0021】
しかし、それら6件の特許文献はいずれも、駐車場の利用権限を有するユーザにその駐車場の位置において物理的な媒体としてのチケットを発行する点を開示していない。
【0022】
また、特許文献7は、自動改札装置を開示している。その自動改札装置は、予約サーバから、当該自動改札装置の制御部がユーザの入場を許可するために必要なコード(例えば、QRコード(登録商標))を受信する。その予約サーバは、同じコードを、そのユーザの携帯端末にも送信する。その携帯端末は、受信したコードを自身の画面上に表示する。
【0023】
さらに、この自動改札装置は、コード読取部を有し、そのコード読取部は、ユーザの携帯端末の画面上に表示されたコードを、接触状態でまたは至近距離での非接触状態(かざす状態)で光学的に読み取る。この自動改札装置の前記制御部は、予約サーバから受信したコードと、ユーザの携帯端末の画面から光学的に読み取ったコードとが一致すると、ユーザによる入場を許可する。
【0024】
なお、特許文献6に記載のシステムは、ユーザが利用する対象物の位置に専用設備を設置することを必要とはしないタイプであるのに対し、特許文献7に記載のシステムは、ユーザが利用する対象物の位置に専用設備を設置することを必要とするタイプである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2017-10240号公報
【特許文献2】特開2013-114434号公報
【特許文献3】特開2003-256587号公報
【特許文献4】特開2003-132380号公報
【特許文献5】特開2019-133710号公報
【特許文献6】特開2018-163634号公報
【特許文献7】特開2007-257185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
ユーザによる対象物の利用が行われる現場においてユーザに物理的なチケットを発行するという発券方法は、ユーザが自身の携帯端末自体を物理的なチケットまたは許可証の代替物として使用したり、ユーザが携帯端末上での仮想的なチケットまたは許可証を使用するという商行為が普及する社会にあっては、いささか古典的に見えるかもしれない。
【0027】
しかし、発券というステージおよびユーザによるチケットの受領というステージに関し、前記対象物を提供、管理または運営する事業体が、携帯端末を有しないか有していてもその使用に不慣れなユーザにも漏れなく対応しようとすることは、すべてのユーザの利便性の向上につながる。
【0028】
よって、上述の発券方法を存置することは少なくとも公益的観点から望ましい。
【0029】
一方、ユーザが対象物を利用する権限を獲得するために、ユーザが特定の行為、例えば、対価を支払うという行為を要求されるのが通常である。そして、その特定の行為が、ユーザによる対象物の利用が行われる現場にある設備に対してではなく、その現場とは別の場所にある設備に対して、ユーザが携帯端末などの通信端末を介して行われる場合がある。
【0030】
この場合、ユーザが特定の行為を行ったという事実、すなわち、原因行為の成立を契機として、現場において発券を行うべきところ、原因行為が成立したという事実を正しく現場に伝えることが必要である。
【0031】
さらに、原因行為が成立したという事実が偽造されることを防止する対策を講じることが、当該システムの信頼性を高めるために重要である。
【0032】
このように見てくると、たしかに、ユーザに物理的なチケットを発行するという選択肢は有用である。
【0033】
しかし、スマートフォンに代表される携帯通信端末や車載通信端末がユーザの間に普及しつつある現在、この種の通信デバイスを用いれば、ユーザは、相手通信機器との間で、非接触で、かつ、高いセキュリティ(例えば、機密性、改竄防止能力など)で情報を送受信することができる。
【0034】
よって、この種の通信デバイスを用いれば、ユーザは、相手機器の遠隔操作が可能となり、相手機器の操作のためのその相手機器に接近する動作が不要となるために利便性が向上するという利点や、相手機器を非接触で操作することが可能となり、相手機器からの感染が防止されるなどの理由のために衛生性が向上するという利点を享受できる。
【0035】
一方、物理的なチケットを対象物の位置において発行するという選択肢には、ユーザが対象物の利用前にその対象物の位置に居るという場所認証が可能であるという利点がある。しかし、同じ利点は、上述の通信デバイスであっても、相手通信機器との間での無線通信が両者が近距離にあることを条件に確立されるようにすれば、享受できる。
【0036】
さらに、上述の通信デバイスであっても、送信信号の暗号化などにより、上述の原因行為が成立したという事実が偽造ないしは改竄されるという不正行為を防止することが可能である。
【0037】
そして、それら選択肢のいずれを採用する場合であっても、ユーザが対象物の利用を予約するときにそのユーザが居る場所と、その対象物を利用するときにユーザが居る場所とが一致しない使用環境がある。このような使用環境においては、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証することが有用である。
【0038】
以上説明した事情を背景とし、本発明は、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する新規な技術を提供することを課題としてなされたものである。
【0039】
具体的には、第1の課題は、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証する技術であって、ユーザが、通信端末からの近距離無線信号により、前記対象物に設けられた相手機器を事実上、遠隔操作し、それにより、ユーザが前記対象物の位置に居るときに、そのユーザが正規のユーザであるか否かを認証することを可能にするもの、および/または、ユーザの通信端末が、前記対象物に設けられた相手機器および外部の管理サーバとそれぞれ無線通信することにより、ユーザが前記対象物の位置に居るときに、そのユーザが正規のユーザであるか否かを認証することを可能にするものを提供することにある。
【0040】
第2の課題は、対象物の利用権限をユーザが有することを条件に、前記対象物の位置に設置された機器においてユーザにチケットを発行する技術であって、チケットを受領する権限を有しない者にチケットが不正に発行されることを抑止し、それにより、不正行為に対する当該システムの耐性を向上させるものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0041】
上記の第1の課題を解決するために、本発明のあるアスペクトによれば、ユーザによる対象物であって不動産または動産であるものの利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
前記対象物に設けられる機器と、
ユーザが、前記対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末を介してオンラインで行った場合に、ユーザに固有の認証コードを前記機器と前記通信端末とに遠距離無線通信方式で送信する管理サーバと
を含み、
前記機器は、
前記管理サーバから前記認証コードを遠距離無線通信方式で受信する遠距離受信部と、
現在時刻がユーザが前記対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件を含む少なくとも一つの条件が成立することを条件に、ユーザによって認証コードとして前記通信端末に入力されたものをその通信端末から近距離無線通信方式で受信する近距離受信部と、
前記管理サーバから遠距離無線通信方式で受信した認証コードと、前記通信端末から近距離無線通信方式で受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、ユーザを前記対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証部と
を含むユーザ認証システムが提供される。
【0042】
また、本発明の別のアスペクトによれば、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証方法であって、
ユーザが、前記対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末を介してオンラインで行った場合に、管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを遠距離無線通信方式で送信する認証コード送信工程と、
その送信された認証コードを前記通信端末が遠距離無線通信方式で受信する遠距離受信工程と、
現在時刻がユーザが前記対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件を含む少なくとも一つの条件が成立することを条件に、ユーザによって認証コードとして前記通信端末に入力されたものをその通信端末から、前記対象物において、近距離無線通信方式で受信する近距離受信工程と、
前記対象物において、前記遠距離無線通信方式で受信した認証コードと、前記近距離無線通信方式で受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、ユーザを前記対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証工程と
を含むユーザ認証方法が提供される。
【0043】
また、本発明の一側面によれば、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
ユーザが、前記対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末を介してオンラインで行うと、ユーザに固有の認証コード(ただし、時間情報を表すものを除く。)を、前記対象物を特定するための対象物IDに関連付けて発行する認証コード発行部と、
前記対象物に設けられ、前記通信端末から認証コードを近距離無線通信方式で受信することが可能である認証コード受信部と、
前記対象物に設けられ、その認証コード受信部が前記通信端末から認証コードを近距離無線通信方式で受信すると、前記対象物IDを送信する対象物ID送信部と、
その対象物ID送信部から送信された対象物IDと同じものに関連付けて前記認証コード発行部によって発行された認証コードと、前記認証コード受信部が前記通信端末から受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、ユーザを前記対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証部と、
前記通信端末の現在位置が前記対象物に対して近距離無線通信可能な範囲内にあるという距離的条件と、現在時刻がユーザが前記対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件との双方が成立することを条件に、前記認証コード受信部が前記通信端末から前記認証コードを受信することを可能にする認証コード受信可能化部と
を含むユーザ認証システムが提供される。
【0044】
また、本発明の別の側面によれば、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
ユーザが、前記対象物の利用権限を獲得するために必要な行為をユーザの通信端末を介してオンラインで行うと、ユーザに固有の認証コード(ただし、時間情報を表すものを除く。)を、前記対象物を特定するための対象物IDに関連付けて発行する認証コード発行部と、
前記対象物に設けられ、前記通信端末から認証コードを近距離無線通信方式で受信することが可能である認証コード受信部と、
前記対象物に設けられ、その認証コード受信部が前記通信端末から認証コードを近距離無線通信方式で受信すると、前記対象物IDを送信する対象物ID送信部と、
その対象物ID送信部から送信された対象物IDと同じものに関連付けて前記認証コード発行部によって発行された認証コードと、前記認証コード受信部が前記通信端末から受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、ユーザを前記対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証部と、
前記通信端末の測位結果に基づき、ユーザの現在位置が前記対象物の近傍位置であることを条件に、前記認証コード受信部に割り当てられている宛先アドレスを前記通信端末に送信する宛先アドレス送信部と
を含み、
前記通信端末は、その宛先アドレス送信部から受信した宛先アドレスを用いて前記認証コードを前記認証コード受信部に向けてユニキャスト方式で送信する送信機能を有するユーザ認証システムが提供される。
【0045】
また、本発明のあるアスペクトによれば、ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
ユーザの通信端末と、
複数の対象物にそれぞれ設けられた複数の機器であって、それぞれ、ユーザの通信端末との間で近距離無線通信可能であるものと、
それら機器との間で遠距離無線通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも遠距離無線通信可能である管理サーバと
を含み、
その管理サーバは、
ユーザが、前記通信端末上で前記複数の対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を獲得するために必要な行為を前記通信端末を介して前記管理サーバに対してオンラインで行うと、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末および前記標的対象物に関連付けて発行して保存する発行部と、
その発行された認証コードを、それに関連付けられた前記通信端末および前記標的対象物のうちの少なくとも前記通信端末に送信する送信部と
を含み、
前記複数の機器のうち前記標的対象物に設定されている標的機器は、それにユーザの通信端末が接近すると、その通信端末から、前記認証コードを近距離無線通信方式で受信し、
前記標的機器および/または前記管理サーバは、前記標的機器がユーザの通信端末から受信した認証コードと、前記発行された認証コードとが互いに一致することを条件に、前記通信端末のユーザを、前記標的対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証システムが提供される。
【0046】
上記の第2の課題を解決するために、本発明のあるアスペクトによれば、ユーザが複数の候補対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を有することを条件にユーザにチケットを発行する発券システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記複数の候補対象物にそれぞれ設置された複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で前記複数の候補対象物のうちのいずれかを前記標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを生成し、その生成された認証コードを前記通信端末に送信し、
前記通信端末は、自身の現在位置が前記標的対象物に対して所定の相対位置関係を有するという条件と、現在時刻が、ユーザが前記標的対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の相対時間関係を有するという条件とのうちの少なくとも一方が成立すると、前記管理サーバから受信して当該通信端末に保存されている認証コードを当該通信端末から出力することを許可し、それにより、前記認証コードを前記標的発券機に対して有効化する認証コード有効化手段を含み、
前記標的発券機は、前記通信端末から入力された認証コードと、当該標的発券機が前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する発券システムが提供される。
【0047】
その発券システムの第1の側面によれば、対象物の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する対象物用発券システムであって、
複数の対象物にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の発券機を前記複数の対象物にとっての遠隔地において集中的に管理するものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザまたはユーザの通信端末から個別の認証コードを入力するとともに、前記管理サーバから真正の認証コードを受信し、前記入力された個別の認証コードと、前記管理サーバから受信した真正の認証コードとが互いに一致するか否かを判定し、それにより、前記入力された個別の認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、前記チケットをユーザにオフラインまたはオンラインで発行する発券システムが提供される。
【0048】
上記の発券システムの第2の側面によれば、ユーザが対象物に関連付けて料金を前払いすることを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する発券システムであって、
複数の対象物にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の対象物のそれぞれの発券機を前記複数の対象物にとっての遠隔地において集中的に管理するものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物につき、前記電子決済による前記料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザまたはユーザの通信端末から個別の認証コードを入力するとともに、前記管理サーバから真正の認証コードを受信し、前記入力された個別の認証コードと、前記管理サーバから受信した真正の認証コードとが互いに一致するか否かを判定し、それにより、前記入力された個別の認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、前記チケットをユーザにオフラインで発行する発券システムが提供される。
【0049】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0050】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0051】
[1] ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
ユーザの通信端末と、
複数の対象物にそれぞれ設けられた複数の機器であって、それぞれ、ユーザの通信端末との間で近距離無線通信可能であるものと、
それら機器との間で遠距離無線通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも遠距離無線通信可能である管理サーバと
を含み、
その管理サーバは、
ユーザが、前記通信端末上で前記複数の対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を獲得するために必要な行為を前記通信端末を介して前記管理サーバに対してオンラインで行うと、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末および前記標的対象物に関連付けて発行して保存する発行部と、
その発行された認証コードを、それに関連付けられた前記通信端末および前記標的対象物のうちの少なくとも前記通信端末に送信する送信部と
を含み、
前記複数の機器のうち前記標的対象物に設けられている標的機器は、それにユーザの通信端末が接近すると、その通信端末から、前記認証コードを近距離無線通信方式で受信し、
前記標的機器および/または前記管理サーバは、前記標的機器がユーザの通信端末から受信した認証コードと、前記発行された認証コードとが互いに一致することを条件に、前記通信端末のユーザを、前記標的対象物の利用権限を有する正規のユーザとして認証するユーザ認証システム。
【0052】
[2] 前記送信部は、さらに、前記発行された認証コードを前記標的機器にも送信し、
前記標的機器は、それがユーザの通信端末から受信した認証コードと、前記管理サーバの前記送信部から受信した認証コードとを互いに比較する[1]項に記載のユーザ認証システム。
【0053】
[3] 前記標的機器は、ユーザの通信端末から前記受信部が受信した認証コードを前記管理サーバに送信し、
その管理サーバは、ユーザの通信端末から受信した認証コードと、前記発行された認証コードとを互いに比較し、両者が一致すると、今回のユーザを前記正規のユーザとして認証する[1]項に記載のユーザ認証システム。
【0054】
[4] ユーザの通信端末は、自身の現在位置が前記標的対象物に対して所定の距離範囲内にあるという距離的条件と、現在時刻が、ユーザが前記標的対象物の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲内にあるという時間的条件とのうちの少なくとも一方が成立すると、前記管理サーバから受信して当該通信端末に保存されている認証コードの送信を開始し、それにより、前記認証コードを前記標的機器に対して有効化する認証コード有効化手段を含む[1]ないし[3]項のいずれかに記載のユーザ認証システム。
【0055】
[5] 前記必要な行為は、前記標的対象物に関連付けて、前記通信端末のユーザを、その標的対象物の利用を希望する利用希望者として登録するための行為を含む[1]ないし[4]項のいずれかに記載のユーザ認証システム。
【0056】
[6] 前記必要な行為は、前記標的対象物に関連付けて、前記通信端末のユーザが料金を電子決済によって前払いまたは後払いする行為を含む[1]ないし[4]項のいずれかに記載のユーザ認証システム。
【0057】
[7] ユーザによる対象物の利用前にそのユーザが前記対象物の利用権限を有する正規のユーザであるか否かを認証するユーザ認証システムであって、
ユーザの通信端末と、
複数の対象物にそれぞれ設けられた複数の機器であって、それぞれ、ユーザの通信端末との間で近距離無線通信可能であるものと、
それら機器との間で遠距離無線通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも遠距離無線通信可能である管理サーバと
を含み、
その管理サーバは、ユーザが、前記複数の対象物のうちユーザによって選択された標的対象物を利用する権限を有することを条件に、そのユーザの通信端末と、前記複数の機器のうち前記標的対象物に設けられた標的機器とに同じ識別コードを遠距離無線送信し、
ユーザは、前記通信端末が前記管理サーバから受信した識別コードと同じものを前記通信端末から前記標的機器に近距離無線送信し、
その標的機器は、前記通信端末から近距離無線受信した識別コードと、前記管理サーバから遠距離無線受信した識別コードとが一致することを条件に、ユーザを正規のユーザとして認証するユーザ認証システム。
【0058】
[8] 前記認証コードは、イメージ・リーダーを用いなくてもユーザが解読できる形象として構成される[1]ないし[7]項のいずれかに記載のユーザ認証システム。
【0059】
[9] 前記形象は、数字列、英字列または英数字列として構成される[8]項に記載のユーザ認証システム。
【0060】
[10] [1]ないし[9]項のいずれかに記載の通信端末としてコンピュータを機能させるプログラム。
【0061】
本明細書の全体を通じて、「プログラム」という用語は、例えば、それの機能を果たすためにコンピュータにより実行される指令の組合せを意味するように解釈したり、それら指令の組合せのみならず、各指令に従って処理されるファイルやデータをも含むように解釈することが可能であるが、それらに限定されない。
【0062】
また、このプログラムは、それ単独でコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとしたり、他のプログラムと共にコンピュータにより実行されることにより、所期の目的を達するものとすることができるが、それらに限定されない。後者の場合、本項に係るプログラムは、データを主体とするものとすることができるが、それに限定されない。
【0063】
[11] [1]ないし[9]項のいずれかに記載の管理サーバとしてコンピュータを機能させるプログラム。
【0064】
[12] [10]または[11]項に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
【0065】
本明細書の全体を通じて、「記録媒体」という用語は、種々な形式の記録媒体を意味するように解釈することが可能であり、そのような記録媒体は、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD-ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等を含むが、それらに限定されない。
【0066】
(1) 対象物の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する発券システムであって、
複数の対象物にそれぞれ設置される複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物につき、それの利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する発券システム。
【0067】
(2) 前記必要な行為は、前記標的対象物に関連付けて、ユーザが駐車料金を電子決済によって前払いする行為を含む(1)項に記載の発券システム。
【0068】
(3) ユーザが対象物に関連付けて料金を前払いすることを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する対象物用発券システムであって、
複数の対象物にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の対象物にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物につき、前記電子決済による前記料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する発券システム。
【0069】
(4) 前記通信端末は、前記認証コードを画面上に表示し、その表示された認証コードは、ユーザによって読み取られて前記標的発券機に入力される(1)ないし(3)項のいずれかに記載の発券システム。
【0070】
(5) 前記通信端末は、自身の現在位置を測定する測位部を有し、その測位部によって測定された現在位置が前記標的対象物から所定距離の範囲内にあることを条件に、当該通信端末からの前記認証コードの出力を許可する(1)ないし(4)項のいずれかに記載の発券システム。
【0071】
(6) 前記発券機は、前記通信端末との距離が設定距離以内であることを条件に前記通信端末との間で近距離無線通信を行う通信デバイスであって、前記通信端末が前記認証コードを送信するとその認証コードを近距離無線通信方式で受信するものを含む(1)ないし(5)項のいずれかに記載の発券システム。
【0072】
(7) 前記通信端末は、ユーザによって携帯される携帯通信端末である(1)ないし(6)項のいずれかに記載の発券システム。
【0073】
(8) 前記通信端末は、ユーザが乗車する移動体に搭載される移動体搭載型通信端末である(1)ないし(6)項のいずれかに記載の発券システム。
【0074】
(9) 前記認証コードは、一度使用されると失効するワンタイムパスワードまたは所定時間が経過すると失効する時限パスワードとして構成される(1)ないし(8)項のいずれかに記載の発券システム。
【0075】
(10) 前記認証コードは、イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成されるか、またはイメージ・リーダーを用いなくてもユーザが解読できる形象(例えば、数字列、英字列もしくは英数字列)として構成される(1)ないし(9)項のいずれかに記載の発券システム。
【0076】
(11) (1)ないし(1)項のいずれかに記載の通信端末としてコンピュータを機能させるプログラム。
【0077】
(12) (10)または(11)項に記載のプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
【0078】
(13) 前払い式の駐車場に関連付けて駐車料金をユーザが前払いすることを条件に前記駐車場の位置においてユーザにチケットを発行する駐車場用発券システムであって、
複数の駐車場にそれぞれ設置され、それ単独では電子決済には対応できないが現金決済またはプリペイドカード決済を含む非電子決済には対応できる決済機能と、電子決済であるか非電子決済であるかを問わず前記駐車料金がユーザによって支払われると前記チケットを発行する発券機能と、通信機能とを有する発券機と、
その発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバであって、前記複数の駐車場にとっての遠隔地に設置されるものと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で複数の駐車場のうちのいずれかを標的駐車場として選択し、かつ、その標的駐車場につき、前記電子決済による前記駐車料金の支払いを、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザに固有の認証コードを、前記通信端末と、前記標的駐車場に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、前記チケットをユーザにオフラインで発行する駐車場用発券システム。
【0079】
(14) 前記通信端末は、前記複数の駐車場のうち、ユーザの現在位置の近傍にある複数の候補駐車場を画面上に表示し、
それら候補駐車場のうちのいずれかが標的駐車場としてユーザによって選択されると、前記管理サーバは、複数種類の駐車条件を前記通信端末の画面上に表示するための駐車条件データと、複数種類の決済方式であって電子決済に属するものを含むものを前記通信端末の画面上に表示するための決済方式データとを前記通信端末に送信し、
その管理サーバは、ユーザが、前記通信端末の画面上で、前記複数種類の駐車条件のうちのいずれかと前記複数種類の決済方式のうちのいずれかであって前記電子決済に属するものとを選択すると、前記選択された駐車条件に見合う額の駐車料金を電子決済によって決済し、その後、ユーザに固有の認証コードを前記通信端末と前記標的発券機とに送信し、
前記発券機は、複数種類の決済方式であって電子決済に属するものと非電子決済に属するものとを含むもののうちのいずれかをユーザが選択することを可能にし、
ユーザが、駐車料金を電子決済するために、前記発券機において、前記電子決済に属する決済方式を選択し、かつ、前記認証コードを入力すると、前記発券機は、前記管理サーバとの通信により、その入力された認証コードの真正性を判定し、真正性が認証されれば、ユーザにチケットを発行する(13)項に記載の駐車場用発券システム。
【0080】
(15) ユーザが複数の候補対象物のうちのいずれかを標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を有することを条件にユーザにチケットを発行する発券システムであって、
ユーザの通信端末と、
前記複数の候補対象物にそれぞれ設置された複数の発券機と、
それら発券機との間で通信可能であるとともにユーザの通信端末との間でも通信可能である管理サーバと
を含み、
ユーザが、前記通信端末上で前記複数の候補対象物のうちのいずれかを前記標的対象物として選択し、かつ、その標的対象物の利用権限を獲得するために必要な行為を、前記通信端末を介し、前記管理サーバに対してオンラインで行うと、その管理サーバが、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コードであってユーザに固有のものを、前記通信端末と、前記標的対象物に設置されている標的発券機とにそれぞれ送信し、
その標的発券機は、ユーザから入力された認証コードと、前記管理サーバから受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、チケットをユーザにオフラインで発行する発券システム。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1図1は、本発明の例示的な第1実施形態に従う駐車場管理システムのハードウエア構成を、その駐車場管理システムによって集中的に管理される複数の駐車場のうちの一つと共に例示的に示す図である。
図2図2は、図1に示す券売機の例示的なハードウエア構成を表すブロック図である。
図3図3は、図1に示す携帯端末を概念的に表す機能ブロック図である。
図4図4は、図1に示す管理サーバを概念的に表す機能ブロック図である。
図5図5は、図1に示す駐車場管理システムによって実行される駐車場管理方法、特に、発券シーケンスの一例を概念的に表す工程図である。
図6図6(a)は、図1に示す携帯端末の画面上にタイミングt1で表示される例示的な画像であり、また、同図(b)は、前記携帯端末の画面上にタイミングt2で表示される例示的な画像である。
図7図7(a)は、図1に示す携帯端末の画面上にタイミングt3で表示される例示的な画像であり、また、同図(b)は、前記携帯端末の画面上にタイミングt4で表示される例示的な画像であり、また、同図(c)は、前記携帯端末の画面上にタイミングt5で表示される例示的な画像である。
図8図8(a)は、図1に示す券売機の画面上にタイミングt11で表示される例示的な画像であり、また、同図(b)は、前記券売機の画面上にタイミングt12で表示される例示的な画像であり、同図(c)は、前記券売機の発券ユニットによってタイミングt13で発行される例示的なチケットを示す斜視図である。
図9図9は、ユーザによる駐車場の予約および電子決済による駐車料金の前払いを可能にするために携帯端末および管理サーバによってそれぞれ実行される複数のプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。
図10図10は、図9に示すそれぞれのプログラムの続きの一例と、ユーザによる電子決済を可能にするために決済サーバによって実行される複数のプログラムの一例とを概念的に表すフローチャートである。
図11図11は、チケット発券のために券売機および管理サーバによってそれぞれ実行されるプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。
図12図12は、図1に示す携帯端末が同図に示す管理サーバから受信した会員IDを特定のタイミングで画面上に表示するために携帯端末によって実行されるプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。
図13図13は、図1に示す管理サーバのメモリに保存される管理リストの一例を概念的に表す図であり、その管理リストには、駐車に関連する複数の情報が互いに紐付けられた状態で保存される。
図14図14は、本発明の例示的な第2実施形態に従う駐車場管理システムのハードウエア構成を、その駐車場管理システムによって集中的に管理される複数の駐車場のうちの一つと共に例示的に示す図である。
図15図15は、図14示す入出庫管理装置の例示的なハードウエア構成を表すブロック図である。
図16図16は、図14に示すに示す駐車場管理システムにおいて、今回のユーザが前記駐車場の利用権限を獲得した正規のユーザとして認証されるか否かを判定し、認証される場合に今回のユーザの前記駐車場への入庫を許可するためにユーザの携帯端末、入出庫管理装置および管理サーバによってそれぞれ実行される複数のプログラムの一例を概念的に表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下、本発明のさらに具体的な例示的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0083】
[第1実施形態]
【0084】
<全体のハードウエア構成>
【0085】
まず、図1を参照するに、本発明の例示的な第1実施形態に従う駐車場管理システム(以下、単に「システム」という。)10は、複数の駐車場20(図1には、それら駐車場20のうちの代表的な駐車場20のみが図示されている)を管理するためのシステムである。各駐車場20は、複数台の車両24が駐車可能な複数の車室26を備えている。
【0086】
このシステム10は、本発明の例示的な一実施形態に従う駐車場用発券システムの一例(発券システムの一例であると当時にユーザ認証システムの一例)を組み込んでいる。
【0087】
具体的には、このシステム10は、ユーザの携帯端末すなわち携帯通信端末(前記「通信端末」の一例)90と、各駐車場20に設置される券売機(前記「発券機」の一例であると同時に前記「機器(または場内設備)」の一例)30と、各駐車場20にとっての遠隔地にある管理センタ40によって運営・管理される管理サーバ50とを有するように構成される。
【0088】
券売機30は、後に詳述するが、それ単独では電子決済には対応できないが非電子決済には対応できる決済機能と、発券機能と、通信機能とを有するように設計されている。これに対し、管理サーバ50は、複数の駐車場20、すなわち、それら駐車場20にそれぞれ設置された複数の券売機30を遠隔地において集中的に管理する。
【0089】
ここに、「電子決済」は、現金およびプリペイド式ICカードを用いないで行う決済をいい、例えば、クレジットカード決済、キャリア決済、電子マネー決済などが該当する。また、「非電子決済」は、例えば、現金決済、プリペイド式ICカード決済(単に「カード決済」ともいう。)、ユーザごとに個別に会員ポイント・カードに電子的に記録された特典としてのポイントから代金を支払うポイント決済など)が該当する。
【0090】
また、「電子決済」および「非電子決済」は、それぞれ、オンライン決済およびオフライン決済として分類することが可能であり、また、それぞれ、遠隔決済および現地決済として分類することも可能である。
【0091】
このシステム10は、概略的に説明すれば、複数の駐車場20(複数の候補対象物)にとっての遠隔地においてユーザがそれら駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20としてオンラインで選択するとその標的駐車場20がある現場においてユーザに対してチケット(駐車券、利用権限証など)34(図8(c)参照)をオフラインで発行するように構成される。
【0092】
具体的には、このシステム10は、ユーザが、携帯端末90上で複数の駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20として選択し、かつ、その標的駐車場20の利用権限を獲得するために必要な行為(例えば、駐車料金の電子決済)を、携帯端末90を介し、管理サーバ50に対して行うと、その管理サーバ50が、ユーザが前記利用権限を有することを表す認証コード(例えば、後述の例においては、「会員ID」)であってユーザに固有のものを、携帯端末90と、標的駐車場20に設置されている標的券売機30とにそれぞれ送信するように構成されている。
【0093】
ここで、「認証コード」は、本実施形態においては、券売機30を介することなく、管理サーバ50を介して決済サーバ60を用いて電子決済を行う資格を獲得するために加入されるクラブの会員の識別情報としての会員IDである。
【0094】
具体的には、会員IDは、本実施形態においては、一度使用されると失効するワンタイムパスワードとして構成されるが、これに代えて、例えば、発行時刻から所定時間が経過すると失効する時限パスワードとして構成してもよい。後者によれば、前者より、会員IDがユーザ以外の他人に露出可能な時間が短縮されるなどの理由で、会員IDのセキュリティが向上する。
【0095】
さらに、会員IDは、本実施形態においては、券売機30が有するかもしれないイメージ・リーダーを用いなくても解読できる数字列、英字列もしくは英数字列として構成されるが、これに代えて、例えば、前記イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成してもよい。後者によれば、前者より、会員IDがユーザ以外の他人に露出してもその会員IDが漏洩しないなどの理由で、会員IDのセキュリティが向上する。
【0096】
このシステム10においては、標的券売機30が、ユーザから入力された認証コードと、管理サーバ50から受信した認証コードとが互いに一致することを条件に、物理的なチケット34をユーザにオフラインで(例えば、携帯端末90の如き通信機器を使用せずに)発行するように構成されている。
【0097】
<券売機のハードウエア構成>
【0098】
図2には、図1に示す券売機30の例示的なハードウエア構成がブロック図で表されている。図示するように、券売機30は、プロセッサ62およびメモリ63を有するコンピュータ64を有する。
【0099】
この券売機30は、さらに、入力デバイス66(例えば、タッチパネル、仮想的または物理的なキーパッド、音声入力デバイスなど)と、管理サーバ50との間で遠距離無線通信を行う通信機能を有する通信デバイス68と、必要な情報を可視化して表示する表示デバイス70(例えば、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機ディスプレイなど)と、発券ユニット72とを有する。
【0100】
通信デバイス68は、さらに、携帯端末90との間で近距離無線通信を行う通信機能も有してもよい。
【0101】
図7に示す例においては、入力デバイス66および表示デバイス70が、タッチパネル80として具現化されている。タッチパネル80は、表示面と、感圧型または静電型の操作面とを有する。
【0102】
図7に示す例においては、発券ユニット72が、回転可能なロール(図示しない)に巻き付けられた連続シートがそのロールから巻き剥がされながらプリンタ74に供給されるように構成される。そのプリンタ74により、必要な情報が前記連続シートに印刷され、その連続シートのうちの先端部がカッタ(図示しない)により、必要長さにカットされて券売機30から、図7(c)に例示するように、排紙される。
【0103】
<携帯端末のハードウエア構成>
【0104】
ユーザの携帯端末90は、ユーザによって携帯されるとともに無線通信機能を有するデバイス、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、PDAなどである。また、携帯端末90は、ユーザの通信端末の一例であり、その通信端末は、ユーザによって携帯されないもの、例えば、移動体搭載型通信端末(ユーザが乗車する車両(例えば、自動車、自動二輪車、自転車など)に搭載される車載通信端末を含む)でもよい。
【0105】
次に、図3を参照して携帯端末90のハードウエア構成を説明するに、携帯端末90は、プロセッサ130およびそのプロセッサ130によって実行される複数のプログラム(「アプリケーション」ともいう)を記憶するメモリ132を有するコンピュータ134を主体として構成されている。
【0106】
この携帯端末90は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)136と、管理サーバ50からの信号を受信する受信部138と、信号を生成してその信号を管理サーバ50に送信する送信部140とを有する。
【0107】
この携帯端末90は、さらに、ユーザからデータやコマンドを入力するための入力部150を有する。その入力部150は、例えば、所望の情報(例えば、コマンド、データなど)を携帯端末90に入力するためにユーザによって操作可能な操作部を有する。その操作部としては、ユーザによって操作可能なアイコン(例えば、仮想的なボタン)を表示するタッチスクリーン、ユーザによって操作可能な物理的な操作部(例えば、キーボード、キーパッド、ボタンなど)、音声を感知するマイクなどがあるが、これらに限定されない。
【0108】
この携帯端末90は、さらに、GPS(衛星測位システム)受信機152を有する。GPS受信機152は、よく知られているように、複数のGPS衛星から複数のGPS信号を受信し、それらGPS信号に基づき、GPS受信機152の地球上における位置(緯度、経度および高度)を三角測量によって測定する。このように、携帯端末90は、自身の現在位置を測定する測位部を有する。
【0109】
その測位部は、他の形式で実施することも可能であり、例えば、携帯端末90が通信中に経由する複数の基地局(図示しない)のそれぞれの空間座標値に基づき、携帯端末90の地上における位置を三角測量によって測定する形式で実施してもよい。
【0110】
さらに、その測位部は、標的駐車場20に設置された発信機(図2に示す通信デバイス68内に組み込まれてもよい)であって固有の発信機IDを表す信号を発信するものを用いて、発信機IDと空間座標値との間に予め定められた関係であって携帯端末90のメモリ132に記憶されているものに従って携帯端末90の現在位置を測定してもよい。この場合、携帯端末90は、前記発信機から信号を受信し、その受信した信号から、前記発信機との距離を計測するように構成された第2の測位部を搭載することになる。
【0111】
この携帯端末90は、さらに、自身の加速度を検出する加速度センサ154を内蔵している。その加速度センサ154は、携帯端末90に搭載されているため、携帯端末90と一体的に振動し、その結果、加速度センサ154自体に作用する加速度を、携帯端末90およびそれを携帯しているユーザに作用する加速度と等価なものとして検出する。
【0112】
この加速度センサ154の型式は、例えば、半導体ピエゾ抵抗型、静電容量型、熱検知型などである。一例においては、この加速度センサ154が、X軸、Y軸およびZ軸という3軸方向の加速度Gx,Gy,Gzを個々に検出し、それら3つの検出値Gx,Gy,Gzの合成値Grとして1つの代表加速度を出力するように設計することが可能である。
【0113】
<管理サーバのハードウエア構成>
【0114】
次に、図4を参照して管理サーバ50のハードウエア構成を説明するに、管理サーバ50は、プロセッサ160およびそのプロセッサ160によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ162を有するコンピュータ164を主体として構成されている。
【0115】
この管理サーバ50は、さらに、情報を表示する表示部(例えば、液晶ディスプレイ)166と、券売機30の通信デバイス68および携帯端末90からの信号を遠距離無線通信方式で受信する受信部168と、信号を生成してその信号を券売機30の通信デバイス68および携帯端末90に遠距離無線通信方式で送信する送信部170と、時計172とを有する。
【0116】
<発券シーケンス>
【0117】
図5には、システム10によって実行される駐車場管理方法、特に、発券シーケンスの一例が概念的に工程図で表されている。
【0118】
この工程図は、複数のフェーズが時系列的に並んでいる。まず、予約フェーズにおいて、第1工程においては、タイミングt1で、図6(a)に例示するように、ユーザの現在位置の周辺にある複数の駐車場20が複数の候補駐車場20(P1,P2,P3)として携帯端末90の画面92上に表示され、これにより、ユーザが複数の候補駐車場20に仮想的に案内される。その表示のために必要なデータは、例えば、管理サーバ50から携帯端末90にダウンロードされる。
【0119】
この予約フェーズは、ユーザが標的駐車場20に到着する前に、地図上の任意の位置で実行される。もちろん、ユーザが標的駐車場20に到着した後に、その場所で予約フェーズを実行してもよい。
【0120】
同じ予約フェーズにおいて、第2工程においては、ユーザが画面92上で、複数の候補駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20として選択する。図6(a)に示す例においては、駐車場P1が標的駐車場20として選択された。
【0121】
次に、決済フェーズにおいて、第1工程においては、タイミングt2で、図6(b)に例示するように、画面92上に複数の候補駐車条件が表示される。本実施形態においては、駐車条件が券種、すなわち、チケット34である駐車券の種類として定義されている。例えば、ユーザは、券種Aを購入すると、300円の駐車料金で、その金額に見合う長さの時間、標的駐車場20に駐車することを許可される。前記複数の候補駐車条件の表示のために必要なデータは、例えば、管理サーバ50から携帯端末90にダウンロードされる。
【0122】
同じ決済フェーズにおいて、第2工程においては、タイミングt3で、図7(a)に例示するように、画面92上に会員決済という区分と、現金決済という区分とが表示される。
【0123】
ユーザが会員決済を選択すると、ユーザが、会員として登録され、その特典として、券売機30が電子決済に対応できないにもかかわらず、ユーザは携帯端末90を介し、オンラインで電子決済によって駐車料金を前払いすることが可能となる。会員決済が選択されると、複数の候補電子決済条件が表示される。複数の候補電子決済条件の表示のために必要なデータは、例えば、管理サーバ50から携帯端末90にダウンロードされる。
【0124】
これに対し、ユーザが現金決済を選択すると、ユーザが標的駐車場20において券売機30に現金を投入して決済するか、ICカードを券売機30のスロット内に挿入して決済するか、ユーザに付与されているポイント・カードを用いて決済することが可能となる。
【0125】
図7(a)に示す例においては、ユーザによって会員決済が選択され、さらに、電子決済Xが選択された。
【0126】
同じ決済フェーズにおいて、第3工程においては、タイミングt4で、図7(b)に例示するように、選択された券種に対応する駐車料金が、選択された電子決済方法を用いて電子決済される。具体的には、携帯端末90から管理サーバ50に電子決済リクエストが送信され、それを受けて管理サーバ50が決済サーバ60に電子決済を指示する。
【0127】
同じ決済フェーズにおいて、第4工程においては、タイミングt5で、図7(c)に例示するように、駐車料金の決済が完了した代償として、標的駐車場20を利用する権限がユーザに付与されたことを表す認証コードとしての会員IDが管理サーバ50によって設定される。
【0128】
管理サーバ50は、その会員IDをユーザの携帯端末90に送信し、その会員IDが、図7(c)に例示するように、画面92上に表示され、その結果、ユーザは、自分の会員IDを知得し、入手することになる。
【0129】
やがてユーザは車両24を運転して標的駐車場20に入庫させ、このとき、利用フェーズが開始される。
【0130】
この利用フェーズにおいては、車両24が標的駐車場20に入庫する入庫ステージと、車両24が標的駐車場20から出庫する出庫ステージとが順に実行される。
【0131】
まず、入庫ステージにおいて、第1工程においては、タイミングt11で、図8(a)に例示するように、券売機30のタッチパネル80上に複数の候補決済方法が表示される。それら候補決済方法は、現金決済と、ICカードを用いたICカード決済と、ポイントを用いたポイント決済と、前述の会員決済とを有する。
【0132】
ユーザが、上述の決済フェーズにおいて、会員決済(電子決済)ではなく、現金決済を選択した場合には、券売機30において、現金決済と、ICカードを用いたICカード決済と、ポイントを用いたポイント決済とのうちのいずれかを選択することになり、この場合には、その選択した決済を券売機30を介して実行する。
【0133】
これに対し、ユーザが、上述の決済フェーズにおいて、図7(a)に示すように、会員決済(電子決済)を選択した場合には、券売機30において、会員決済を選択することになる。
【0134】
同じ入庫ステージにおいては、会員決済が選択されると、第2工程に移行する。
【0135】
この第2工程においては、タイミングt12で、図8(b)に例示するように、券売機30のタッチパネル80上に仮想的なテンキーが表示される。ユーザは、そのテンキーを操作することにより、携帯端末90が管理サーバ50から受信した会員IDを券売機30に入力する。
【0136】
この第2工程に後続して第3工程が実行される。この第3工程においては、券売機30に入力された会員IDと、管理サーバ50に登録されている会員IDとの間の照合に成功するか否かが判定される。ユーザについて認証が行われるのである。その照合に成功した場合には、今回のユーザが、駐車場20についての利用権限を有する正規のユーザとして認証されることになる。
【0137】
この認証は、会員IDがユーザまたはユーザIDと1対1に対応するという相関関係に着目すると、個人認証と考えることが可能である。これに対し、この認証は、会員IDがユーザの車両24と1対1に対応するという相関関係に着目すると、車両認証と考えることが可能であり、さらに、会員IDが標的駐車場20という不動産(土地への定着物)またはその標的駐車場20が設置されている地図上位置と1対1に対応するという相関関係に着目すると、駐車場認証または場所認証と考えることも可能である。
【0138】
一例においては、券売機30が、管理サーバ50と通信することにより、券売機30に入力された会員IDと同一のものが管理サーバ50に登録されているか否かを判定する。
【0139】
この第3工程に後続して第4工程が実行される。この第4工程においては、券売機30の発券ユニット72が、ユーザに適合したチケット34を作成して発行する。ユーザは、その発行されたチケット34を携帯する。一例においては、そのチケット34に、標的駐車場20の名称、ユーザが選択した券種、駐車料金の額、チケット34の発行日時(または入庫時刻)などの駐車関連情報が印刷される。
【0140】
<システムのソフトウエア構成>
【0141】
<駐車場の予約および電子決済による駐車料金の前払い>
【0142】
図9は、ユーザによる駐車場の予約および電子決済による駐車料金の前払い(前述の予約フェーズおよび決済フェーズにおいて実行される処理)を可能にするために携帯端末90および管理サーバ50によってそれぞれ実行される複数のプログラムの一例が概念的にフローチャートで表されている。
【0143】
駐車料金を任意の場所でオンラインで電子決済することを希望するユーザは、図9のプログラムの実行により、標的駐車場20の予約(駐車を行う場所の予約と、チケット34の券種に応じて決まる駐車時間帯の予約)と前払い駐車料金の電子決済とをいずれもオンラインで行うことになる。
【0144】
これに対し、駐車料金を標的駐車場20の位置においてオフラインで非電子決済することを希望するユーザは、図9のプログラムの実行により、標的駐車場20の予約はオンラインで行われるが、前払い駐車料金の非電子決済はオフラインで行うことになる。
【0145】
携帯端末90は、まず、ステップS901において、ユーザが管理サーバ50に対するログイン・リクエストを指令し、次に、ステップS902において、そのログイン・リクエストを、ユーザのユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
【0146】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS931において、前記ログイン・リクエストを受信し、次に、ステップS932において、携帯端末90との間での接続(通信)を確立する。
【0147】
これに対し、携帯端末90は、ステップS903において、前記GPSを用いることにより、自身の現在位置を測定する。続いて、ステップS904において、その測定された現在位置をユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
【0148】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS933において、それら現在位置およびユーザIDを携帯端末90から受信する。続いて、ステップS934において、メモリ162を検索することにより、管理サーバ50によって管理される複数の駐車場20のうち、受信した現在位置の近傍(現在位置を中心として半径が所定距離である範囲内)にあるものを複数の候補駐車場20として選択する。
【0149】
その後、管理サーバ50は、ステップS935において、それら選択された複数の駐車場20のそれぞれの空間座標値を表す駐車場データと、現在位置の近傍の地図を表す地図データとを携帯端末90に送信する。
【0150】
これに対し、携帯端末90は、ステップS905において、管理サーバ50から駐車場データと地図データとを受信する。続いて、ステップS906において、その地図データに基づき、図6(a)に例示するように、画面92上に周辺地図を表示し、さらに、駐車場データによって位置が特定される複数の候補駐車場20のそれぞれの位置を示す複数のマーカー(例えば、P1,P2,P3の各記号がそれぞれ枠に囲まれて成る複数の図形)を前記周辺地図上にオーバーレイ表示する。
【0151】
その後、携帯端末90は、ステップS907において、画面92上をユーザが指でタップした位置に従い、複数の候補駐車場20のうちのいずれかを標的駐車場20として選択する。続いて、携帯端末90は、ステップS908において、標的駐車場20を特定する情報(例えば、駐車場ID)をユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。このとき、ユーザは、携帯端末90を介してオンラインで管理サーバ50に対して標的駐車場20を予約することになる。
【0152】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS936において、携帯端末90から標的駐車場20を特定する情報とユーザIDとを受信する。続いて、ステップS937において、図13に例示するように、標的駐車場20(駐車場ID)をユーザIDに関連付けてメモリ162の管理リストに保存する。
【0153】
図13には、管理サーバ50のメモリ162に保存される管理リストの一例が概念的に表されている。その管理リストには、駐車に関連する複数の情報が互いに紐付けられた状態で保存される。例えば、この管理リストにおいては、各ユーザごとに、駐車に関連する複数の情報が互いに紐付けられた状態で保存される。
【0154】
管理サーバ50は、その後、ステップS938において、メモリ162を検索することにより、標的駐車場20に予め割り当てられている複数の券種(券種が選択されると、前払い駐車料金および有効駐車時間が決まる)を表すデータを料金関連情報として読み出す。さらに、標的駐車場20の名称を表す名称情報と、その標的駐車場20の所在地を表す位置情報と、標的駐車場20の概略的な外観を表す画像情報とをメモリ162から読み出す。その後、ステップS939において、それら情報の集まりを駐車関連情報として携帯端末90に送信する。
【0155】
これに対し、携帯端末90は、ステップS909において、その駐車関連情報を管理サーバ50から受信する。続いて、ステップS910において、その駐車関連情報に基づき、図6(b)に例示するように、標的駐車場20の名称と、その標的駐車場20の所在地と、標的駐車場20の概略的な外観を表す画像と、ユーザが選択可能な複数の券種(例えば、券種A,券種B,券種C)とを画面92上に表示する。
【0156】
続いて、携帯端末90は、ステップS911において、ユーザからの指令に応じ、いずれかの券種を選択する。図6(b)に示す例においては、券種Aが選択された。続いて、ステップS912において、選択された券種を特定するデータをユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。このとき、ユーザは、携帯端末90を介してオンラインで管理サーバ50に対して駐車時間帯を予約することになる。
【0157】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS940において、選択された券種を特定するデータをユーザIDに関連付けて携帯端末90から受信する。続いて、ステップS941において、券種と駐車料金との間に予め定められた関係であってメモリ162に予め記憶されているものに従い、選択された券種に対応する駐車料金の額を決定する。この処理に注目することにより、管理サーバ50が駐車料金を計算する料金計算機能を有すると解釈することが可能である。
【0158】
その後、管理サーバ50は、ステップS942において、標的駐車場20における複数の車室26のうち空車状態にあるもののうちのいずれかをユーザ用の車室26として選択する。続いて、ステップS943において、図13に例示するように、選択された券種と、決定された駐車料金とを、選択された車室26とをユーザIDに関連付けて管理リストに保存する。
【0159】
図10には、図9に示すそれぞれのプログラムの続きの一例と、ユーザによる電子決済を可能にするために決済サーバ60によって実行されるプログラムの一例とが概念的にフローチャートで表されている。
【0160】
まず、管理サーバ50は、ステップS1031において、駐車場20と、ユーザが利用可能な電子決済の方法との間に予め定められた関係であってメモリ162に予め記憶されているものに従い、標的駐車場20に対応する複数の電子決済方法を決定する。
【0161】
続いて、管理サーバ50は、ステップS1032において、前記選択された車室26を特定するデータ(車室番号)と、前記決定された複数の電子決済方法を特定するデータとを携帯端末90に送信する。
【0162】
これに対し、携帯端末90は、ステップS1001において、管理サーバ50から車室26と複数の電子決済方法とを受信する。続いて、ステップS1002において、図7(a)に例示するように、車室26の番号と、決済方法についての2つの選択肢としての会員決済および現金決済(前述のように、ICカード決済およびポイント決済をも含む用語、すなわち、非電子決済を意味する用語)と、会員決済を選択した場合に利用可能な複数の電子決済方法とを画面92上に表示する。
【0163】
その後、携帯端末90は、ステップS1003において、ユーザからの指令に従い、いずれかの決済方法を選択する。図7(a)に示す例においては、会員決済が選択された。続いて、ステップS1004において、ユーザが会員決済を選択したか否かを判定する。
【0164】
会員決済を選択した場合には、ステップS1004の判定がYESとなり、ステップS1005において、ユーザからの指令に従い、いずれかの電子決済方法を選択する。図7(a)に示す例においては、電子決済方法Xが選択された。
【0165】
続いて、携帯端末90は、ステップS1006においては、ユーザが、電子決済方法Xでの電子決済を決済サーバ60が実行するために必要な電子決済必要情報、例えば、ユーザの個人の銀行口座情報を入力すれば、それを受け付ける。その後、ステップS1007において、会員決済が選択されたことと、選択された電子決済方法と、ユーザから入力された電子決済必要情報とをユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。このとき、ユーザは、携帯端末90を介してオンラインで管理サーバ50に対して駐車料金の電子決済をリクエストすることになる。
【0166】
これに対し、ユーザが会員決済ではなく現金決済(非電子決済)を選択した場合には、ステップS1004の判定がNOとなり、ステップS1005-S1011の実行がスキップされてステップS1012に移行し、そこで、携帯端末90の一回の処理が終了する。
【0167】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1033において、携帯端末90から、会員決済が選択されたことと、選択された電子決済方法と、ユーザから入力された電子決済必要情報とをユーザIDに関連付けて受信する。続いて、ステップS1034において、ユーザにつき、電子決済リクエストを、必要な情報(例えば、前述の銀行口座情報、金額情報など)と共に決済サーバ60に送信する。
【0168】
これに対し、決済サーバ60は、ステップS1051において、管理サーバ50から電子決済に必要な情報を受信し、続いて、ステップS1052において、電子決済を実行する。その電子決済が完了すると、ステップS1053において、電子決済が完了したことを表す決済完了信号を管理サーバ50に送信する。
【0169】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1035において、その決済完了信号を決済サーバ60から受信し、続いて、ステップS1036において、ユーザが標的駐車場20を正当に利用できる権限を獲得したことを表す認証コードとして会員IDをユーザに固有のものとして発行する。
【0170】
管理サーバ50は、その会員IDをワンタイムパスワードまたは時限パスワードとして構成し、それにより、同じ会員IDが同じユーザによって再度、不当に使用されたり、別のユーザによって不当に使用されるという不正行為を防止することができる。
【0171】
会員IDがワンタイムパスワードである場合には、管理サーバ50は、券売機30から受信した信号に基づき、その会員IDがユーザによって使用されたか否かを判定し、使用済であると、その会員IDをメモリ162の管理リストから消去する。
【0172】
これに対し、会員IDが時限パスワードである場合には、管理サーバ50は、その会員IDの発行時刻から所定時間が経過したか否かを判定し、経過すると、その会員IDをメモリ162の管理リストから消去する。
【0173】
さらに、管理サーバ50は、図13に例示するように、その会員IDをユーザIDに関連付けてメモリ162の管理リストに保存し、さらに、その会員IDを携帯端末90に送信する。
【0174】
これに対し、携帯端末90は、ステップS1008において、管理サーバ50から会員IDを受信し、続いて、ステップS1009において、その会員IDをメモリ132に保存する。
【0175】
その後、携帯端末90は、ステップS1010において、図7(b)に例示するように、電子決済が完了したことを表すメッセージを、決済金額および券種と共に、画面92上に表示する。続いて、ステップS1011において、図7(c)に例示するように、管理サーバ50から受信した会員IDを画面92上に表示する。その表示結果から、ユーザは、自分に付与された会員IDを知ることができる。
【0176】
その後、携帯端末90は、ステップS1012に移行し、一回の処理を終了する。
【0177】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1036の実行後、ステップS1037において、時計166を用いて現在時刻を計測し、その時刻を、ユーザが標的駐車場20に入庫した時刻(例えば、ユーザが決済した駐車料金の額に見合う長さの有効駐車時間の開始時刻)として用いる。続いて、ステップS1038において、図13に例示するように、その入庫時刻をユーザIDに関連付けてメモリ162の管理リストに保存する。
【0178】
<真正な会員IDの入力と引き換えに行われる発券処理>
【0179】
図11には、チケット34の発券(前述の利用フェーズのうちの入庫ステージにおいて実行される処理)のために券売機30および管理サーバ50によってそれぞれ実行されるプログラムの一例が概念的にフローチャートで表されている。
【0180】
ところで、券売機30は、管理サーバ50から過去にダウンロードされたメモリ63(図2参照)に保存される会員IDの内容を適宜、最新のものに更新するために、管理サーバ50に適宜アクセスし、図13に例示する管理リストに登録されている現に有効な複数の会員IDを管理サーバ50からダウンロードする。
【0181】
そのダウンロードのための管理サーバ50へのアクセスのタイミングは、図11に示す例においては、新たな会員IDがユーザから入力されたか否かを問わず、所定の時間的条件が成立する(例えば、1分ごとに、5分ごとに)と、自動的に管理サーバ50にアクセスするというものである。
【0182】
このダウンロード手法によれば、券売機30は、新たな会員IDの入力を待つことなく、会員IDの最新状態を知ることができる。ここに、管理サーバ50における会員IDの変化(例えば、会員ID数の変化)は、最新の会員IDが券売機30に入力される前に出現するから、券売機30は、例えば、管理サーバ50のダウンロード結果から最新の会員ID数を把握し、それを用いて、標的駐車場20の稼働率(満空状態)の将来の変化を予想することが可能となる。
【0183】
これに対し、前記ダウンロードのための管理サーバ50へのアクセスのタイミングは、新たな会員IDがユーザから券売機30に入力されると、そのタイミングで、券売機30が管理サーバ50にアクセスするというものであってもよい。
【0184】
まず、券売機30が、ステップS1101において、ダウンロード・リクエストを、標的駐車場20の駐車場IDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
【0185】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1131において、そのダウンロード・リクエストを受信し、次に、ステップS1132において、メモリ162において、標的駐車場20に関連付けて保存されている複数の会員ID(現時点で有効な複数の会員ID)を検索し、続いて、ステップS1133において、それら会員IDを券売機30に送信する。
【0186】
これに対し、券売機30は、ステップS1102において、それら会員IDを管理サーバ50からダウンロードし、続いて、ステップS1103において、それら会員IDをメモリ63に保存し、それにより、メモリ63の内容を会員IDに関して更新する。
【0187】
その後、券売機30は、ステップS1104において、図8(a)に例示するように、複数の決済方法をタッチパネル80上に表示する。図示の例においては、それら決済方法として、現金決済、ICカード決済、ポイント決済および会員決済(電子決済)がある。
【0188】
続いて、券売機30は、ステップS1105において、ユーザからの指令に従い、表示されている複数の決済方法のうちのいずれかを選択する。その後、ステップS1106において、ユーザが会員決済という決済方法を選択したか否かを判定する。
【0189】
会員決済が選択されなかった場合には、ステップS1106の判定がNOとなり、ステップS1107-S1111がスキップされてステップS1112に移行し、そこで、券売機30の一回の処理が終了する。
【0190】
これに対し、会員決済が選択された場合には、ステップS1106の判定がYESとなり、券売機30は、ステップS1107において、図8(b)に例示するように、テンキーをタッチパネル80上に表示する。
【0191】
続いて、券売機30は、ステップS1108において、ユーザが、前記テンキーを操作すると、その数字列を会員IDとして受け付ける。図示の例においては、会員IDが、イメージ・リーダーを用いなくても解読できる数字列として構成されているが、これに代えて、前記テンキーをそれよりキー数が多いキーパッドに交換することを条件に、英字列として構成しても英数字列として構成してもよい。
【0192】
また、会員IDを、イメージ・リーダーを用いないと解読できない1次元バーコードもしくは2次元バーコードとして構成してもよい。その場合には、券売機30がイメージ・リーダーを搭載することが重要であるかもしれない。
【0193】
その後、券売機30は、ステップS1109において、ユーザによって入力された会員IDと、メモリ63に保存されている複数の会員IDとの間の照合に成功するか否か、すなわち、それら会員IDのうちのいずれかと一致するか否かを判定する。その照合に成功しないと、ステップS1108に戻り、ユーザに対し、会員IDの再入力を催促するが、成功すれば、ステップS1109の判定がYESとなり、ステップS1110に移行する。
【0194】
券売機30は、そのステップS1110において、図8(c)に例示するように、発券ユニット72を用いてチケット34を印刷して発行する。続いて、ステップS1111において、発券が完了したことを表す発券完了信号を会員IDまたはユーザIDに関連付けて管理サーバ50に送信する。
【0195】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1134において、発券完了信号と会員IDまたはユーザIDとを券売機30から受信し、続いて、ステップS1135において、図13に例示する管理リストを、その会員IDに対応するユーザに対してチケット34が発行されたという事実を反映するように更新することが必要となるかもしれない。
【0196】
<タイミング限定型会員ID表示>
【0197】
画面92上に表示される会員IDは、本来、正当な本人のみに知られて券売機30に入力されるというように、使用者限定の秘匿性の高い情報である。同じ会員IDを別の者が盗んでそれを勝手に券売機30に入力すると、その不正行為者は、駐車料金を支払うことなく、標的駐車場20の利用権限を獲得してしまう。
【0198】
このような情報漏洩の可能性を軽減するためには、例えば、会員IDが画面92上に表示されるタイミングおよび/またはその表示が行われるときの携帯端末90の位置を制限することが有効である。
【0199】
具体的には、例えば、携帯端末90が外部から標的駐車場20に接近し、その標的駐車場20から所定距離(例えば、標的駐車場20の代表点(例えば、平面視におけるほぼ中心点またはほぼ幾何学的な重心点)から、同じ標的駐車場20の境界線または出入口までの距離の最小値、中間値または最大値、その最大値より長い距離など)の範囲内にある場合に、会員IDの画面92上での表示を許可してもよい。
【0200】
これに代えて、携帯端末90が外部から標的駐車場20に接近し、その標的駐車場20内に設置されている標的券売機30に接近し、その標的券売機30から所定距離(例えば、標的券売機30の代表点(例えば、平面視におけるほぼ中心点またはほぼ幾何学的な重心点)から、標的駐車場20の境界線または出入口までの距離の最小値、中間値または最大値、その最大値より長い距離など)の範囲内にある場合に、会員IDの画面92上での表示を許可することが有効である。
【0201】
図12には、携帯端末90が管理サーバ50から受信した会員IDを特定のタイミングで画面92上に表示するために携帯端末90によって実行されるプログラムの一例が概念的に表されている。
【0202】
携帯端末90は、まず、ステップS1201において、前述の測位部を用いて現在位置を測定する。次に、ステップS1202において、その現在位置が、標的駐車場20の代表地点から所定距離の範囲内にあるか否かを判定する。具体的には、標的駐車場20の空間座標値であって前述のようにして管理サーバ50からダウンロードされてメモリ132に保存されているものを、その標的駐車場20の代表地点として用いる。
【0203】
現在位置が標的駐車場20の近傍でなければ、ステップS1202の判定がNOとなり、ステップS1201に戻るが、近傍であれば、その判定がYESとなり、ステップS1203において、携帯端末90はメモリ132から会員IDを読み出す。
【0204】
続いて、ステップS1204において、その会員IDを画面92上に表示する。その結果、その会員IDが管理サーバ50から受信した時刻から、ステップS1202の判定がYESとなった時刻までの期間は、会員IDが、他人にはもちろん、ユーザ本人にも告知されない。
【0205】
その後、携帯端末90は、ステップS1205において、ユーザにより、画面92上で確認ボタン(図示しない)がタップされたか否かを判定する。タップされていない場合には、ステップS1204に戻るが、タップされると、ユーザが会員IDを見る必要性はもはや消滅したとして、画面92からその会員IDを消去する。
【0206】
以上説明した実施形態においては、会員IDが携帯端末90の画面92上に表示されると、ユーザは、その会員IDを読み取って券売機30にタッチパネル80を介して手入力する。
【0207】
これに代えるかまたはこれに加え、券売機30の通信デバイス68が、携帯端末90との距離が設定距離(例えば、50cm以下の距離、1m以下の距離、3m以下の距離など)以内であることを条件に携帯端末90との間で近距離無線通信を行う受信機であって、携帯端末90が前記会員IDを送信するとその会員IDを近距離無線通信方式で受信するものを含む無線通信型態様で本発明を実施してもよい。
【0208】
<無線通信型態様のいくつかの実施例>
【0209】
<総論>
【0210】
この無線通信型態様においては、発券機30が、ユーザの通信端末の一例としての携帯端末90との距離が設定距離以内であることを条件に携帯端末90との間で近距離無線通信を行う通信デバイス68を含み、それにより、携帯端末90との距離が設定距離以内であることを条件に、管理サーバ40から受信した認証コードの一例としての会員IDが、携帯端末90から発券機30に無線送信される。
【0211】
よって、この無線通信型態様においては、携帯端末90が画面92上に会員IDを表示してその会員IDをユーザが視認することを可能にする視認化手段(認証コード視認化手段)を省略してもよいが、省略しなくてもよい。
【0212】
<第1の実施例>
【0213】
この無線通信型態様の第1の実施例においては、前記認証コード視認化手段が省略され、それにより、会員IDは、ユーザ本人はもとより、他人にも露出させられることはないため、その会員IDが他人によって不正に利用される可能性が解消される。
【0214】
<第2の実施例>
【0215】
この無線通信型態様の第2の実施例においては、携帯端末90が会員IDを送信する送信手段が前記認証コード視認化手段と併存する。
【0216】
この実施例においては、ユーザが、管理サーバ40から受信した会員IDという、ユーザに固有の情報を標的発券機30に提供する方式の複数の選択肢として送信方式と手入力方式とが併存し、ユーザは、それら方式のうち、自分に都合のよいものを選択することが可能となる。
【0217】
よって、この実施例によれば、標的発券機30への情報提供に際してユーザの利便性が向上する。
【0218】
<第3の実施例>
【0219】
この無線通信型態様の第3の実施例においては、前記送信手段と共に前記認証コード視認化手段が採用され、その認証コード視認化手段の一例として、携帯端末90が、自身によって測定された自身の現在位置が標的駐車場20または標的発券機30から所定距離(第1距離D1)の範囲内にあることを条件に、会員IDを画面92上に表示するように具体化される。
【0220】
その認証コード視認化手段の別の例においては、携帯端末90が、会員IDを、標的駐車場20を特定する情報(例えば、標的駐車場20の名称、住所など)に関連付けて画面92上に表示するように具体化されてもよい。この例によれば、ユーザは、携帯端末90の画面92上に表示される情報を見るだけで、現在居る駐車場20が標的駐車場20であることを視覚的に簡単に確認することが可能となる。
【0221】
その認証コード視認化手段のさらに別の例においては、携帯端末90が、会員IDを標的発券機30に送信し、その後、その標的発券機30が会員IDを正常に受信したことを確認すると、画面92上から会員IDを消去するように具体化される。この例によれば、ユーザは、携帯端末90の画面92上に表示される情報を見るだけで、会員IDが携帯端末90から標的発券機30に正常に送信されたことを視覚的に簡単に確認することが可能となる。
【0222】
この第3の実施例によって具現化される例示的なあるシナリオにおいては、ユーザが外部から標的駐車場20に接近し、携帯端末90がその標的駐車場20の敷地内に進入する(携帯端末90の現在位置が標的駐車場20または標的発券機30から所定距離D1の範囲内に進入する)と、携帯端末90の画面92上に会員コードが表示されることが開始される。これにより、ユーザは、自身に付与された会員IDを携帯端末90を媒介として知覚することが可能となる。
【0223】
やがて、ユーザが標的駐車場20内において、標的発券機30に接近し、その標的発券機30との距離が設定距離(第2距離D2)以下となると、携帯端末90が、管理サーバ40から受信した会員IDを標的発券機30に向けて送信することが開始される。このシナリオにおいては、例えば、所定距離D1と設定距離D2との間にD1>D2という関係が成立する。所定距離D1と設定距離D2との間の関係の別の例として、D1=D2がある。
【0224】
<第4の実施例>
【0225】
この無線通信型態様の第4の実施例においては、前記送信手段が、前記認証コード視認化手段を伴うことなく存在し、それにより、携帯端末90が、それの現在位置と標的発券機30との間の距離が設定距離D2以下であることを条件に、会員IDを標的発券機30に向かって送信する。この場合、ユーザは、自身に付与された会員IDを携帯端末90を媒介として知覚することが不可能となる。その結果、会員IDの秘匿性が向上する。
【0226】
<携帯端末90からの会員IDの出力の許否>
【0227】
この無線通信型態様においては、前記認証コード視認化手段の有無の如何を問わず、携帯端末90が、それの現在位置と標的駐車場20または標的発券機30との間の距離が所定距離D1以下であることを条件に、携帯端末90からの会員IDの出力を許可し、所定距離D1より長い場合には、その出力を禁止するように構成されてもよい。
【0228】
すなわち、この無線通信型態様においては、携帯端末90が、自身の現在位置が標的駐車場20に対して所定の相対位置関係を有するという条件が成立すると、管理サーバ40から受信して携帯端末90のメモリ132に保存されている会員IDを携帯端末90から出力することを許可し、それにより、会員IDを標的発券機30に対して有効化する認証コード有効化手段を有するように構成されるのである。
【0229】
この場合、ユーザが現在居るかまたは近傍にある駐車場20がユーザが予約した駐車場の場所に関して真正であること、すなわち、場所に関する認証がユーザについて成立することが携帯端末90において確認されると、会員IDが標的発券機30に対して有効化される。
【0230】
ここに、「会員IDの出力」としては、例えば、携帯端末90の画面92上での表示(視覚的認識可能化(可視化)の一例)、携帯端末90に装着されたインジケータの点灯(視覚的認識可能化(可視化)の別の例)、携帯端末90のスピーカからの音声出力(可聴化の一例)、携帯端末90からの標的発券機30に向けた送信(送信可能化の一例)などがある。
【0231】
なお、この無線通信型態様においては、会員IDが、一度使用されると失効するワンタイムパスワードまたは所定時間が経過すると失効する時限パスワードとして構成されてもよい。
【0232】
ところで、前記予約フェーズにおいては、ユーザが駐車を希望する標的駐車場20の場所と、その標的駐車場20に駐車することを希望する駐車時間の長さとが特定される。
【0233】
これに対し、一例においては、前記予約フェーズにおいて、ユーザが駐車を希望する標的駐車場20の場所(地理的に特定するための情報)と、その標的駐車場20に駐車することを希望する日付(年月日、駐車開始日など)および駐車時間帯(例えば、駐車開始時刻と駐車終了時刻または駐車時間の長さとの組合せ)とが特定される。
【0234】
この例においては、例えば、ユーザの携帯端末90からの会員IDの出力が、駐車を希望する日付でないと許可されず、または、駐車を希望する日付において、駐車時間帯の開始時刻から所定時間前の時刻が到来しないと許可されない。
【0235】
この例が具現化される例示的なあるシナリオにおいては、ユーザが、駐車を希望する日付において、希望する駐車時間帯の開始時刻から所定時間(例えば、1時間、30分、10分)前の時刻が到来し、かつ、携帯端末90の現在位置が標的駐車場20または標的発券機30から所定距離D1の範囲内に進入すると、ユーザの携帯端末90からの会員IDの出力、例えば、画面92上での表示が開始される。
【0236】
やがて、ユーザが標的駐車場20内において、標的発券機30に接近し、その標的発券機30との距離が設定距離D2以下となると、携帯端末90が、管理サーバ40から受信した会員IDを標的発券機30に向けて送信することが開始される。
【0237】
続いて、携帯端末90が、会員IDを標的発券機30に送信し、その後、その標的発券機30が会員IDを正常に受信したことを確認すると、ユーザの携帯端末90からの会員IDの出力、例えば、画面92上での表示が終了する。
【0238】
なお、このシナリオは、携帯端末90がその画面92上に会員IDを表示し、その表示された会員IDをユーザが読み取って標的発券機30に手入力するタイプの実施例についても適用される。
【0239】
すなわち、この例においては、携帯端末90が、現在時刻が、ユーザが標的駐車場20の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の相対時間関係を有するという条件が成立すると、管理サーバ40から受信して携帯端末90のメモリ132に保存されている会員IDを携帯端末90から出力することを許可し、それにより、会員IDを標的発券機30に対して有効化する認証コード有効化手段を有するように構成されるのである。
【0240】
この場合、現在時刻がユーザが予約した駐車開始時刻に関して真正であること、すなわち、時刻に関する認証がユーザについて成立することが携帯端末90において確認されると、会員IDが標的発券機30に対して有効化される。
【0241】
<実施形態の効果>
【0242】
本実施形態によれば、ユーザは、対象物の利用権限を有することを条件に、その対象物の位置において物理的なチケットまたは仮想的なチケットを受領できる。
【0243】
したがって、本実施形態によれば、ユーザは、対象物の利用が必要であるときに、対象物を利用することが可能である。
【0244】
さらに、本実施形態によれば、ある態様によれば、ユーザ全員がチケットレス化という利便性を享受することが可能であり、また、別の態様によれば、ユーザ全員に差別なく、物理的な媒体としてのチケットが発行され、ユーザ全員が差別なく統一的に物理的なチケットの使用を強制される。
【0245】
さらに、本実施形態によれば、対象物に設置されている設備が電子決済に対応できない場合であっても、ユーザは、自身が通信端末を携帯することを条件に、対象物の利用料金を電子決済すなわちオンライン決済によって支払うことが可能となる。その結果、ユーザの利便性が向上し、さらに、キャッシュレス社会の普及にも資する。
【0246】
さらに、本実施形態によれば、ユーザは、電子決済を行うために、通信端末を介して対象物外の設備にアクセスして対象物の利用権限を獲得する一方で、利用権限を獲得すると、対象物内の設備からチケットを受領するというように、利用権限を獲得するための原因行為と、利用権限を獲得した代償としてチケットを受領するという結果行為とが、同じ場所で同時に発生するのではなく、異なる場所で異なる時刻に発生する。
【0247】
このように、原因行為と結果行為との間に同地性および同時性が成立しないと、別の者が本人になりすましてチケットを受領するという不正行為が発生する余地がある。
【0248】
これに対し、本実施形態によれば、原因行為が発生した時点で、利用権限が存在することを表す認証コードであってユーザに固有のものが対象物外の設備からユーザ本人の通信端末のみに個別に送信される。
【0249】
ユーザは、その認証コードを、秘密に管理しつつ、通信端末を介して、手入力または通信により、対象物内の設備に入力する。
【0250】
したがって、その認証コードがユーザの意に反して漏洩しない限り、別の者が本人になりすましてチケットを受領するという不正行為が発生する余地がなくなり、その結果、当該システムの信頼性が向上する。
【0251】
以上、対象物の利用権限をユーザが有することを条件に前記対象物の位置においてユーザにチケットを発行する技術の一例として、駐車場20の利用権限をユーザが有することを条件に駐車場20の位置においてユーザにチケット34を発行する技術を説明したが、「対象物」として駐車場以外のものを選択して本発明を実施することが可能である。
【0252】
具体的には、「対象物」としては、例えば、公共交通機関(例えば、列車、バス、飛行機など)の停車場(例えば、駅、バス停、空港など)または公共交通機関内の各座席;観客収容施設;飲食店または飲食店内の各テーブル;図書館などの公共施設または各座席;宿泊施設(例えば、ホテルまたは各部屋、旅館または各部屋、民泊(住宅宿泊)のための居宅または各部屋);ロッカー・ルーム、ロッカー・ルーム内の各ロッカーまたは各ロッカー内の各個室などがあるが、これらに限定されない。
【0253】
さらに、以上、本発明を、対象物の利用の対価としての料金をユーザが前払いするシナリオを用いて説明したが、本発明は、その料金をユーザが後払いする態様で実施することが可能である。その後払いは、例えば、ユーザが携帯端末90と管理サーバ40との間の通信によって管理サーバ40を用いて電子決済することによって実現してもよい。
【0254】
さらに、以上、本発明を、標的発券機30がユーザに物理的なチケットをオフラインで発行するシナリオを用いて説明したが、本発明は、標的発券機30または管理サーバ40がユーザに仮想的なチケット(電子チケット)をオンラインで発行するため、標的発券機30または管理サーバ40がそのためのデータをユーザの携帯端末90に送信する態様で実施することが可能である。
【0255】
前者の例においては、「物理的なチケット」が、ユーザが対象物としての駐車場20の利用権限を有するという事実を示す証(証印、許可証、トークンなど)に相当し、また、後者の例においては、仮想的なチケット(電子チケット)が、ユーザが対象物としての駐車場20の利用権限を有するという事実を示す証(証印、許可証、トークンなど)に相当すると解釈される。
【0256】
[第2実施形態]
【0257】
次に、本発明の例示的な第2実施形態に従う駐車場管理システム200(以下、単に「システム200」という。)を図14図16を参照して具体的に説明する。ただし、第1実施形態と共通する要素については、同一の符号または名称を付して引用することにより、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0258】
図14は、このシステム200のハードウエア構成を、そのシステム200によって集中的に管理される複数の駐車場20のうちの一つと共に例示的に示す図である。
【0259】
同図に示すように、このシステム200は、前述の第1実施形態における券売機30に代えて入出庫管理装置210を前述の「機器」(または「場内機器」もしくは「場内設備」)の別の例として備えている。
【0260】
その結果、このシステム200においては、入出庫管理装置210が前述の「対象物」の一例としての不動産の一例としての駐車場20に設置されている。ただし、前述の「機器」は、これに限らず、例えば、「対象物」が動産である場合には、「対象物」自体に装着されるものであってもよい。
【0261】
本実施形態においては、ユーザが、自身の携帯端末90からの近距離無線信号により、駐車場20に設けられた相手機器としての入出庫管理装置210を事実上、遠隔操作し、それにより、ユーザが駐車場20に居るときに、そのユーザが正規のユーザであるか否かを認証することを可能にする。具体的には、管理サーバ50が、同じ識別コード(本実施形態においては、ユーザに固有の情報としての会員ID)を携帯端末90と入出庫管理装置210とにそれぞれ送信し、ユーザは、管理サーバ50から受信した識別コードと同じものを携帯端末90から入出庫管理装置210に送信する。
【0262】
その入出庫管理装置210は、券売機30とは異なり、ユーザと非接触の状態で、ユーザが情報(前記認証コード(例えば、会員ID)を含む。)を入力することを可能とする。
【0263】
具体的には、ユーザの携帯端末90が情報を無線送信すると、入出庫管理装置210が、携帯端末90と近距離の範囲内(例えば、標的駐車場20の敷地内、標的駐車場20の地理的代表点または入出庫管理装置210の設置点からの距離が5m,10m,50mまたは100m内)であるときに、その送信された情報を無線受信する。逆に、入出庫管理装置210が情報を無線送信すると、携帯端末90が、入出庫管理装置210と近距離の範囲内であるときに、その送信された情報を無線受信する。
【0264】
図15は、入出庫管理装置210の例示的なハードウエア構成を表すブロック図である。
【0265】
同図に示すように、入出庫管理装置210は、携帯端末90との間での上述の近距離無線通信のための近距離無線通信装置220を備えている。
【0266】
その近距離無線通信装置220は、送信部222と受信部224とを有する。その近距離無線通信装置220は、送受信したい情報を表す信号をIR信号、Bluetooth(登録商標)信号、NFC(近距離無線通信)信号などの形態で局地的に送受信する。
【0267】
その送受信(特に、携帯端末90からの送信)は、例えば、宛先を指定しないブロードキャスト方式(1対多通信方式)で行われるが、例えば、標的駐車場20に設置されている標的入出庫管理装置210内の標的近距離無線通信装置220に割り当てられたIPアドレスなどを用いることにより、宛先を指定するユニキャスト方式(1対1通信方式)で行ってもよい。
【0268】
ところで、前述の第1実施形態においては、ユーザが標的駐車場20の位置において、事前に管理サーバ50から自身の携帯端末90で受信した会員コード(前記「識別コード」の一例であり、パスコードやパスワード、暗証番号でも可)と同じものを券売機30に入力すると、今回のユーザが標的駐車場20の利用権限を有する正規のユーザとして認証され、その事実を示す証印として物理的なチケットが券売機30から今回のユーザに発行される。
【0269】
これに対し、本実施形態においては、ユーザが標的駐車場20の位置において、第1実施形態と同様にして事前に管理サーバ50から自身の携帯端末90で受信した会員コードと同じものをその携帯端末90が近距離無線送信によって入出庫管理装置210に入力すると、今回のユーザが標的駐車場20の利用権限を有する正規のユーザとして認証される。
【0270】
その認証成立時、本実施形態においては、第1実施形態とは異なり、物理的なチケットがユーザに発行されない(発行してもよい)が、上記認証の成功は、仮想的なチケットないしは電子チケットをユーザに付与することと等価である。
【0271】
本実施形態においては、ユーザが現在居る駐車場が標的駐車場20であることを条件に、携帯端末90によって測定された自身の現在位置が標的駐車場20に対して所定の距離範囲内にあるという距離的条件が成立すると、携帯端末90が、事前に管理サーバ50から受信して携帯端末90のメモリ132に保存されている認証コードとしての会員IDと同じものの送信を開始し、それにより、会員IDが標的入出庫管理装置210に対して有効化される。
【0272】
この距離的条件を採用すれば、次のような利点が得られる。すなわち、ユーザが無意識のうちの標的駐車場20とは異なる駐車場に到着したときに、それにもかかわらず、携帯端末90から入出庫管理装置210に向けて会員IDが送信される結果、ユーザがその理由も分からないままに、入出庫管理装置210によって正規のユーザとして認証されないために不安になるという事態に陥らずに済む。
【0273】
なお、上記距離的条件に代わるかまたはそれに加えて、現在時刻が、ユーザが標的駐車場20の利用について予約した利用開始時刻に対して所定の時間範囲(例えば、利用開始時刻の前後30分以内、60分以内)内にあるという時間的条件を採用してもよい。
【0274】
さらに、本実施形態においては、今回のユーザが正規のユーザとして認証されると、そのユーザが標的駐車場20への入庫段階にある場合には、入庫が許可されたことを表す入庫許可信号が入出庫管理装置210から携帯端末90に返信される。これに対し、ユーザが標的駐車場20からの出庫段階にある場合には、出庫が許可されたことを表す出庫許可信号が入出庫管理装置210から携帯端末90に返信される。
【0275】
さらに、本実施形態においては、ユーザが、課される駐車料金を、標的駐車場20の予約時に電子決済してもよいし、入庫時に電子決済してもよいし、出庫時に電子決済してもよい。その電子決済は、現金決済などの非電子決済に代えてもよい。
【0276】
図15に示すように、入出庫管理装置210は、さらに、券売機30の通信デバイス68と同様に、管理サーバ50との間での遠距離無線通信のための遠距離無線通信装置230を備えている。
【0277】
その遠距離無線通信装置230は、送信部232と受信部234とを有する。その遠距離無線通信装置230は、送受信したい情報を表す信号を、移動体通信ネットワークなどの電気通信網上において、複数の基地局を経由して、宛先との間で広域的に送受信する。その送受信は、例えば、宛先を指定するユニキャスト方式(1対1通信方式)で行われる。
【0278】
ユーザの携帯端末90は、前述の第1実施形態におけると同様に、測位機能を実現するため、自身の現在位置を測定する測位部を有する。具体的には、この携帯端末90は、第1の測位方式として、GPS(衛星測位システム)受信機152(図3参照)を有する。
【0279】
携帯端末90の現在位置が分かれば、ユーザの現在位置も分かり、そうすると、駐車場の位置情報データベース(駐車場IDと空間座標値との間の既知の対応関係)を参照すれば、ユーザの現在位置(空間座標値によって定義される)に地理的に近い今回の駐車場が標的駐車場20(対応する空間座標値は既知である)であるか否かも分かる。もちろん、標的駐車場20の代表点の位置(例えば、標的入出力管理装置210の設置位置)からユーザの現在位置までの距離も計算によって分かる。
【0280】
これに代わるかまたはこれに加えて、この携帯端末90は、任意選択的な第2の測位方式として、携帯端末90が通信中に経由する複数の基地局(図示しない)のそれぞれの空間座標値に基づき、携帯端末90の地上における位置を三角測量によって測定する形式を有してもよい。
【0281】
これに代わるかまたはこれに加えて、この携帯端末90は、任意選択的な第3の測位方式として、標的駐車場20に設置された発信機(図14に示す入出庫管理装置210内に組み込まれてもよい)であって固有の発信機IDを表す信号を発信するものを用いて、発信機IDと空間座標値との間に予め定められた関係であって携帯端末90のメモリ132に記憶されているものに従って携帯端末90の現在位置を測定してもよい。
【0282】
この場合、携帯端末90は、前記発信機から信号を受信し、その受信した信号の強度から、前記発信機との距離を計測するように構成される。
【0283】
本実施形態においては、管理サーバ50の送信部170(図4参照)が、前記発行された認証コードを、それに関連付けられたユーザの携帯端末90に送信し、さらに、同じ認証コードを、それに関連付けられた標的駐車場20の標的入出庫管理装置210にも送信する。そして、その標的入出庫管理装置210は、それの受信部224においてユーザの携帯端末90から受信した認証コードと、受信部234において管理サーバ50の送信部170から受信した認証コードとを互いに比較する。
【0284】
これに代えて、標的入出庫管理装置210は、それの受信部224においてユーザの携帯端末90から受信した認証コードを、送信部232において管理サーバ50の受信部168に送信し、その管理サーバ50が、ユーザの携帯端末90から受信した認証コードと、前記発行された認証コードとを互いに比較し、両者が一致すると、今回のユーザを正規のユーザとして認証するように構成されてもよい。
【0285】
図15に示すように、入出庫管理装置210は、さらに、コンピュータ240を備えている。そのコンピュータ240は、よく知られているように、プロセッサ242と、そのプロセッサ242によって実行される複数のアプリケーションを記憶するメモリ244とを有する。
【0286】
本実施形態においては、システム200において、ユーザによる標的駐車場20の予約および電子決済による駐車料金の前払い(後払いでも可)を可能にするために、前述の第1実施形態と同様に、ユーザの携帯端末90および管理サーバ50によってそれぞれ、図9および図10にフローチャートで概念的に表されるプログラムが実行される。
【0287】
さらに、本実施形態においては、システム200において、今回のユーザが標的駐車場20の利用権限を獲得した正規のユーザとして認証されるか否かを判定し、認証される場合に今回のユーザの標的駐車場20への入庫もしくは進入(または標的駐車場20からの出庫もしくは退出)を許可するために、ユーザの携帯端末90、入出庫管理装置210および管理サーバ50によってそれぞれ、図16にフローチャートで概念的に表される3つのプログラムが実行される。
【0288】
それら3つのプログラムのうち、同図において中央に示すものと右側に示すものとは、それぞれ、入出庫管理装置210と管理サーバ50とにおいて実行され、具体的には、第1実施形態について図11に示す2つのプログラムをそれぞれ部分的に変更したものに相当する。また、それら3つのプログラムのうち、図16において左側に示すものは、携帯端末90において実行され、具体的には、第1実施形態について図12に示すプログラムを部分的に変更したものに相当する。
【0289】
次に、図16の3つのプログラムにおける複数のステップを説明するが、それらステップのうち、図11の2つのプログラムにおけるいくつかのステップおよび図12のプログラムにおけるいくつかのステップと共通するものについては、同一のステップ番号を用いて引用することにより、重複した詳細な説明を省略する。
【0290】
携帯端末90において、図16において左側に示すプログラムが実行されると、まず、ステップS1201において、測位が行われ、次に、ステップS1202において、ユーザが現在、標的駐車場20の近傍位置に居るか否かが判定される。その判定がYESであれば、ステップS1203において、メモリ132から、保存されている会員IDが認証コードとして読み出される。
【0291】
その後、ステップS1601において、その読み出された会員IDを表す信号が暗号化された状態で近距離無線通信方式で入出庫管理装置210のうちの近距離無線通信装置220に送信される。その送信は、ブロードキャスト方式で行ってもよい。
【0292】
標的駐車場20が判明し、かつ、その場所にユーザが居ることが判明すれば、標的入出庫管理装置210のうちの近距離無線通信装置220に割り当てられている宛先アドレスを管理サーバ50から取得可能である。よって、携帯端末90は、会員IDを標的入出庫管理装置210のうちの近距離無線通信装置220に、ブロードキャスト方式に代えて、ユニキャスト方式で送信することが可能である。
【0293】
携帯端末90が、入出庫管理装置210への送信に際してユニキャスト方式を採用すれば、携帯端末90から送信された信号が、標的駐車場20とは異なる近隣の駐車場内の誤った入出庫管理装置によって受信されてしまい、携帯端末90が、その誤った入出庫管理装置から、誤った信号を受信するという事態の発生が防止される。
【0294】
これに対し、入出庫管理装置210において、図16において中央に示すプログラムが実行されると、まず、ステップS1101において、管理サーバ50に対してダウンロード・リクエストが、標的駐車場20を識別するための駐車場IDに関連付けて管理サーバ50に遠距離無線通信方式で送信される。
【0295】
これに対し、管理サーバ50において、図16において右側に示すプログラムが実行されると、まず、ステップS1131において、前記ダウンロード・リクエストが受信され、次に、ステップS1132において、メモリ162において、標的駐車場20に関連付けて保存されている複数の会員ID(現時点で有効な複数の会員ID)が検索され、続いて、ステップS1133において、それら会員IDが遠距離無線通信方式で入出庫管理装置210のうちの遠距離無線通信装置230に送信される。
【0296】
これに対し、入出庫管理装置210は、ステップS1102において、それら会員IDを管理サーバ50からダウンロードし、続いて、ステップS1103において、それら会員IDをメモリ244に保存し、それにより、メモリ244の内容を会員IDに関して更新する。
【0297】
入出庫管理装置210は、その後、ステップS1631において、携帯端末90からの信号を正常に受信できたか否かを判定する。受信できなかった場合には、その判定がNOとなり、ステップS1101に戻るが、受信できた場合には、その判定がYESとなり、入出庫管理装置210は、ステップS1632において、その受信された信号を復号化し、それにより、前記信号を会員IDに変換する。
【0298】
その後、入出庫管理装置210は、ステップS1633において、そのようにして取得された今回の会員IDと、メモリ244に保存されているいくつかの会員IDのうちのいずれかとの間の照合に成功したか否かを判定する。照合に成功しなかった場合には、判定がNOとなり、ステップS1101に戻るが、照合に成功した場合には、判定がYESとなり、ステップS1634に移行する。
【0299】
入出庫管理装置210は、そのステップS1634において、今回のユーザを正規のユーザとして認証し、続いて、ステップS1635において、今回のユーザが標的駐車場20に入庫することを許可する。
【0300】
その後、入出庫管理装置210は、ステップS1636において、今回のユーザが標的駐車場20に入庫することを許可したことを表す入庫許可信号を遠距離無線通信方式で管理サーバ50に送信する。
【0301】
これに対し、管理サーバ50は、ステップS1134において、入庫許可信号と会員IDまたはユーザIDとを入出庫管理装置210から受信し、続いて、ステップS1135において、図13に例示する管理リストを、その会員IDに対応するユーザに対してチケット34が発行されたという事実を反映するように更新することが必要となるかもしれない。
【0302】
これに対し、入出庫管理装置210は、その後、ステップS1637において、今回のユーザが標的駐車場20に入庫することを許可したことを表す入庫許可信号を近距離無線通信方式で今回のユーザの携帯端末90に送信する。
【0303】
入出庫管理装置210は、ステップS1631において、携帯端末90から会員IDを受信した時点で、その携帯端末90の宛先アドレスを取得可能であるため、入出庫管理装置210は、入庫許可信号を近距離無線通信方式で今回のユーザの携帯端末90にユニキャスト方式で送信することが可能である。
【0304】
これに対し、携帯端末90は、その後、ステップS1602において、標的入出庫管理装置210から入庫許可信号を受信し、続いて、ステップS1603において、標的駐車場20への入庫が許可された旨のメッセージおよび/または会員IDを画像および/または音声で出力する。
【0305】
本実施形態においては、会員IDが、イメージ・リーダーを用いなくてもユーザが解読できる形象として構成されている。その形象は、数字列、英字列または英数字列として構成されている。
【0306】
以上、今回のユーザについて入庫が許可されるシナリオを説明したが、今回のユーザについて出庫が許可されるシナリオは、それと同様であるため、重複した説明を省略する。
【0307】
<実施形態の効果>
【0308】
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、ユーザが、携帯端末90であって、非接触で、かつ、高いセキュリティ(例えば、機密性、改竄防止能力など)で情報を送受信することができるものを、駐車場内にある入出庫管理装置210および駐車場外にある管理サーバ50であってそれぞれユーザにとっての相手機器であるものとの間で用いることが可能となる。
【0309】
その結果、ユーザは、相手機器の遠隔操作が可能となり、相手機器の操作のためのその相手機器に接近する動作が不要となるために利便性が向上するという利点や、相手機器を非接触で操作することが可能となり、相手機器からの感染が防止されるなどの理由のために衛生性が向上するという利点を享受できる。
【0310】
さらに、本実施形態によれば、携帯端末90および入出庫管理装置210が、両者間の無線通信が両者が近距離にあることを条件に確立されるように構成されているから、ユーザによる標的駐車場20の利用前に、ユーザが標的駐車場20に居ることを条件に、ユーザ認証が行われることが保証される。
【0311】
その結果、ユーザが標的駐車場20の利用権限を正当に有する場合に、ユーザが無意識に標的駐車場20とは異なる駐車場20に到着したことが原因でユーザ認証が成立しないという事態が起こらずに済む。
【0312】
さらに、本実施形態によれば、携帯端末90が、送信信号の暗号化などにより、高いセキュリティを有し、データ改竄防止能力が高いため、ユーザが、標的駐車場20の利用権限を獲得するために必要な所定の原因行為をユーザが行っていないにもかかわらず、その原因行為を行ったかのように携帯端末90内のデータを改竄することが困難となる。その結果、データの改竄されるというユーザの不正行為を防止することが可能となる。
【0313】
以上、本発明の例示的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の概要]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
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